JP2014112584A - 太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル - Google Patents

太陽電池セルの製造方法および太陽電池セル Download PDF

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Abstract

【課題】基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供する。
【解決手段】パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域41が千鳥格子状に位置するようにパルスレーザ光を照射し、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域41が、他の隣接する6つの照射領域のそれぞれの一部と重なり合う、若しくは他の隣接する6つの照射領域のそれぞれと接している太陽電池セルの製造方法と、その方法により製造される太陽電池セル。
【選択図】図3

Description

本発明は、太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルに関する。
太陽光エネルギを電気エネルギに直接変換する太陽電池セルは、近年、特に地球環境問題の観点から次世代のエネルギ源としての期待が高まっている。太陽電池セルとしては、化合物半導体を使ったもの、および有機材料を使ったものなど、様々な種類があるが、近年の主流は、シリコン結晶を用いたものである。
その中で、一般的な太陽電池セルは、太陽光を受ける受光面にn型不純物拡散領域用のn電極が設けられ、裏面にはp型不純物拡散領域用のp電極が設けられた構造の両面電極型太陽電池セルである。両面電極型太陽電池セルにおいて、受光面側に設けられたn電極は電流の取り出しのために必要である。しかしながら、基板の受光面側のn電極の下方の部分には太陽光が入射しないため、n電極の下方部分では発電しない。したがって、n電極の電極面積が大きい場合には、両面電極型太陽電池セルの変換効率が低下することになる。このような、両面電極型太陽電池セルの受光面側の電極による損失はシャドウロスと呼ばれている。
これに対し、受光面に電極がなく、p電極およびn電極の両方を裏面に形成した構造の裏面電極型太陽電池セルも存在している。裏面電極型太陽電池セルにおいては、基板の受光面側に電極が存在しないために、電極によるシャドウロスがなく、入射してくる太陽光のほぼ全てを基板内に取り込むことができるため、原理的には高変換効率を実現可能である。しかしながら、裏面電極型太陽電池セルは、不純物拡散領域をパターニングして基板の裏面に形成する必要があることから、製造プロセスが、両面電極型太陽電池セルよりも複雑化してしまう。製造プロセスの複雑化は、必然的に製造コストを増加させると共に、量産性を低下させるため、商業用として大量生産することが難しくなる。
そこで、たとえば特許文献1には、エッチングペーストを使用して基板の裏面に拡散領域を形成する裏面電極型太陽電池セルの製造方法が開発されている。たとえば、基板にn型シリコン基板を用いた場合には、エッチングペーストを用いて、基板の電極設置面にn型不純物拡散層を形成する。裏面電極型太陽電池セルにおいて、高い変換効率を実現するためには、基板となるシリコン基板の導電型と同一の導電型を有する不純物拡散層を細線化し、かつ異なる導電型の不純物拡散層間のピッチを狭くすることが要求される。しかしながら、エッチングペーストを極細で塗布することは、塗布幅のばらつきが±30μm程度存在するため困難である。
また、従来技術のフォトリソグラフィを用いた裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、上記の細線化および狭ピッチ化は可能であるが、マスクが高価であること、工程数が増加すること、およびレジストの材料費が高価であることなどの理由により、製造コストが増加するとともに、量産性が低下する。
そこで、たとえば特許文献2には、シリコン基板の表面に形成された耐エッチング膜に分岐レーザビームを照射して開口を形成する際に、ビームスポット径を、分岐レーザビームのピッチよりも大きくして、隣接するビームスポット同士を干渉させる光起電力装置の製造方法が記載されている。この方法によれば、集光スポットサイズの大きいレーザビームを用いて耐エッチング膜に微細なレーザパターニングを行なえるという効果を奏するとされている。
また、たとえば特許文献3には、レーザ光をビームエキスパンダにより広げて大面積化し、シリンドリカルレンズ等で直線状に集光させて加工物に照射する加工装置が記載されている。
特開2008−186927号公報 特開2011−77186号公報 特開平5−206558号公報
しかしながら、特許文献2に記載の光起電力装置の製造方法においては、ビームスポットの干渉領域が大きく、かつ同一の干渉領域にレーザビームが3回以上も照射される箇所も存在するため、シリコン基板が受ける熱ダメージが多大となり、光起電力装置の特性が低下することがあった。
また、特許文献3に記載の加工装置を用いた場合には、線幅を確保するためにビームスポット径を大きくする必要があったため、レーザ光の照射エネルギが低くなり、レーザ光の照射による加工が不十分となることがあった。また、特許文献3に記載の加工装置を用いて、一筆書きで細線を描画し、長手方向を線幅とした場合には、その両端に大きな未加工部が発生することがあった。さらに、レーザ光がガウシアンビームである場合にも、レーザ光の照射エネルギが極端に低くなる領域が発生するため、レーザ光の照射による加工が不十分となることがあった。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供することにある。
本発明は、基板の表面上に被覆膜を形成する工程と、被覆膜にパルスレーザ光を移動させながら照射することによって被覆膜の一部を除去する工程とを含み、被覆膜の一部を除去する工程は、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域が千鳥格子状に位置するようにパルスレーザ光を照射する工程を有し、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域は、他の隣接する6つの照射領域のそれぞれの一部と重なり合う、若しくは他の隣接する6つの照射領域のそれぞれと接している太陽電池セルの製造方法である。このような構成とすることにより、基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
本発明によれば、基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルを提供することができる。
(a)〜(l)は、実施の形態の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の製造工程を図解する模式的な断面図である。 実施の形態1におけるパルスレーザ光の照射装置の一例について図解する模式的な構成図である。 実施の形態1におけるパルスレーザ光の照射パターンの一例について図解する模式的な平面図である。 実施の形態2におけるパルスレーザ光の照射パターンの一例について図解する模式的な平面図である。 比較例1におけるパルスレーザ光の照射パターンの一例について図解する模式的な平面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
図1(a)〜図1(l)に、本発明の太陽電池セルの製造方法の一例である実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの製造方法の製造工程を図解する模式的な断面図を示す。まず、図1(a)に示すように、基板1の裏面上に基板1の裏面を被覆する拡散防止マスク層2を形成するとともに、基板1の受光面上に基板1の受光面を被覆する拡散防止マスク層3を形成する。
基板1としては、たとえば、n型またはp型の単結晶または多結晶のシリコンからなるシリコン基板などの半導体基板を用いることができる。ここで、基板1としてシリコン基板を用いる場合には、所望の厚さにスライスされたシリコンウエハのスライスダメージを除去するため、片面につき10〜20μm程度の厚さをフッ酸と硝酸の混酸若しくは水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液でエッチングしたものを用いることができる。基板1の大きさおよび形状は、特に限定されないが、厚さを100〜300μmとし、外形を1辺100〜150mmの擬似四角形の表面を有するものとすることができる。また、基板1におけるn型不純物またはp型不純物の不純物濃度は、たとえば、1×1015個/cm3以上1×1016個/cm3とすることができる。
拡散防止マスク層2および拡散防止マスク層3としては、それぞれ、たとえば、酸化物層および窒化物層の少なくとも一方を用いることができる。酸化物層としては、たとえば酸化シリコン層などを用いることができる。また、窒化物層としては、たとえば窒化シリコン層などを用いることができる。したがって、拡散防止マスク層2および拡散防止マスク層3としては、たとえば、酸化シリコン層の単層、窒化シリコン層の単層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層体などを用いることができる。
拡散防止マスク層2の厚さおよび拡散防止マスク層3の厚さは、特に限定されないが、たとえば、それぞれ200nm以上400nm以下の厚さとすることができる。
拡散防止マスク層2および拡散防止マスク層3の形成方法も特に限定されないが、たとえば、常圧CVD(Chemical Vapor Deposition)法、プラズマCVD法、スチーム酸化法、またはSOG(Spin on Glass)の塗布・焼成などを用いることができる。
次に、図1(b)に示すように、拡散防止マスク層2に、パルスレーザ光4を移動させながら照射することによって、図1(c)に示すように、拡散防止マスク層2の一部を除去して、拡散防止マスク層2に開口部5を形成する。ここで、拡散防止マスク層2の開口部5は、後述する工程で、不純物拡散領域を形成する領域に相当する。
図2に、実施の形態1におけるパルスレーザ光4の照射装置の一例について図解する模式的な構成図を示す。図2に示す照射装置において、パルスレーザ光4は、レーザ発振器21から出射され、ビームエキスパンダ22、ガルバノスキャナ23およびfθレンズ24を通過した後に、吸着ステージ25上に設置された基板1の拡散防止マスク層2に照射される。
ビームエキスパンダ22は、パルスレーザ光4のビーム径を調節するのに用いられ、ビームエキスパンダ22によって、パルスレーザ光4の照射領域の大きさを調節することができる。なお、ビームエキスパンダ22を用いずに、たとえば、吸着ステージ25の高さの調節、および/またはパルスレーザ光4の出力の調節等によって、パルスレーザ光4のビーム径を調節することもできる。
また、ガルバノスキャナ23は、パルスレーザ光4の照射領域の位置を制御するのに用いられる。なお、ガルバノスキャナ23を用いずに、たとえば、ミラーによってパルスレーザ光4を反射させるとともに、吸着ステージ25を移動させることによって、パルスレーザ光4の照射領域の大きさを調節することもできる。
そして、パルスレーザ光4は、ビームエキスパンダ22およびガルバノスキャナ23によって、それぞれ、ビーム径および照射領域の位置が調節されながら、拡散防止マスク層2に照射され、拡散防止マスク層2に所定の形状の開口部5が形成される。
図3に、実施の形態1におけるパルスレーザ光4の照射パターンの一例について図解する模式的な平面図を示す。ここで、図3に示すように、パルスレーザ光4は、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が第1の方向45aに並んで位置するように、第1の方向45aに移動させられながら照射される。なお、第1の方向45aは、図1の紙面の法線方向に相当する。
第1の方向45aに隣り合って位置しているパルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41は、照射領域41の中心41a間の距離P1が、照射領域41の直径よりも短くなるように位置しており、隣り合う照射領域41は、互いにその一部が重なり合うようにして位置している。
パルスレーザ光4のパルス幅は、100ps(ピコ秒)以下であることが好ましく、10ps以下であることがより好ましい。パルスレーザ光4のパルス幅が100ps以下である場合、特に10ps以下である場合には、パルスレーザ光4の照射領域41における基板1の部分の熱による溶融変形などの基板1に対する熱ダメージの発生を、より効果的に抑制することができる。
パルスレーザ光4の波長は、100nm以上1000nm以下であることが好ましい。この場合には、拡散防止マスク層2のパターニングをより高精度に、かつより高効率で行なうことができるとともに、基板1の熱による溶融変形などの基板1における熱ダメージの発生をより効果的に抑えることができる。
パルスレーザ光4のパルス周波数は、10kHz以上300kHz以下であることが好ましい。この場合には、拡散防止マスク層2のパターニングを高精度、かつ高速で処理することができる。
パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射した後には、パルスレーザ光4の照射位置を、第1の方向45aとは垂直な第2の方向45bに距離P2だけ移動させるとともに、第1の方向45aに距離P3だけ移動させる。そして、上記と同一の条件および同一の方法で、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射する。なお、距離P2は、パルスレーザ光4の直径の1/2以下の長さに相当し、距離P3は、パルスレーザ光4の半径の1/2以下の長さに相当する。
パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射する工程と、パルスレーザ光4の照射位置を移動させる工程とを交互に繰り返して行なうことによって、たとえば図3に示されるように、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が千鳥格子状に位置し、かつパルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の隣接する6つの照射領域41のそれぞれの一部と重なり合う重複領域43(図3の斜線部)を有するように、パルスレーザ光4を照射することができる。これにより、線幅46を有し、かつ第1の方向45aに伸長する直線状の開口部5を形成することができる。
以上のように、パルスレーザ光4を照射することによって、図3に示すように、拡散防止マスク層2の加工領域の全面にパルスレーザ光4を照射することができる。これにより、拡散防止マスク層2に未加工部(開口部5が形成されるべき領域に開口部5が形成されない領域)を残すことなく、拡散防止マスク層2を加工することができる。そのため、実施の形態1におけるパルスレーザ光4を照射方法によれば、微細な形状である拡散防止マスク層2の開口部5を安定して加工することができるため、裏面電極型太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
また、以上のように、パルスレーザ光4を照射することによって、図3に示すように、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の1つの照射領域41と重複する重複領域43(パルスレーザ光4が2回照射される領域)の面積を小さく抑えることができるとともに、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の3つが重なり合う領域(パルスレーザ光4が3回照射される領域)を面ではなく点とすることができる。そのため、実施の形態1におけるパルスレーザ光4を照射方法によれば、パルスレーザ光4が照射されることによって基板1が受ける熱ダメージを、従来の特許文献2に記載の方法よりも抑制することができるため、高特性の裏面電極型太陽電池セルを製造することができる。
なお、パルスレーザ光4は、上述のように、第1の方向45aの一方向のみに移動して照射されてもよいが、パルスレーザ光4の照射時間を短縮する観点からは、第1の方向45aとその反対方向の両方向に移動して照射されることが好ましい。
また、パルスレーザ光4の照射によって形成される開口部5の幅は、パルスレーザ光4の照射本数およびパルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の大きさによって、所望の幅とすることが可能である。
また、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の形状は、真円だけでなく、楕円であってもよい。
さらに、パルスレーザ光4を複数本の線状に照射する場合、第2の方向45bへの移動速度(空走速度)を高速化することによって、パルスレーザ光4の照射時間を短縮することができる。
次に、図1(d)に示すように、拡散防止マスク層2の開口部5から基板1の裏面にn型不純物を拡散して、n型不純物拡散層6を形成する。n型不純物拡散層6の形成は、たとえば、n型不純物としてのリンを含むPOCl3を用いた気相拡散、またはリンを含む溶剤をスピンコートまたは印刷して高温でアニールする塗布拡散などにより行なうことができる。
なお、n型不純物拡散層6中のn型不純物濃度が1×1017個/cm3以上1×1019個/cm3となるように、気相拡散によりn型不純物拡散層6を形成する場合には、たとえば800℃以上900℃以下の温度で30分以上60分以下の時間、n型不純物を拡散することが好ましい。また、基板1の受光面側の拡散防止マスク層3を形成せずに、基板1の受光面側にもn型不純物を拡散してFSF(フロントサーフェスフィールド)を形成してもよい。
また、n型不純物拡散層6を形成する方法は、上記の方法に限定されず、たとえば、基板1の裏面にリンを含む溶剤をスピンコートまたは印刷した後に、たとえば150℃以上200℃以下の温度で乾燥処理を行ない、その後、800℃以上900℃以下の温度に設定されたチューブ炉にて熱処理を行なうことによって、基板1の裏面にn型不純物拡散層6を形成してもよい。
次に、図1(e)に示すように、拡散防止マスク層2、拡散防止マスク層3、およびリンの拡散によって形成されたPSG(リンシリケートグラス)層(図示せず)を除去する。ここで、拡散防止マスク層2、拡散防止マスク層3およびPSG層は、たとえば、濃度が50%程度のフッ酸を用いたエッチングなどにより除去することができる。
次に、図1(f)に示すように、基板1の裏面上に基板1の裏面を被覆する拡散防止マスク層7を形成するとともに、基板1の受光面上に基板1の受光面を被覆する拡散防止マスク層8を形成する。
ここで、拡散防止マスク層7および拡散防止マスク層8の形成は、たとえば、水蒸気雰囲気のチューブ炉にて基板1の裏面および受光面の熱酸化処理を行ない、基板1の裏面および受光面をそれぞれ覆う酸化膜を形成することによって行なうことができる。このとき、たとえば図1(f)に示すように、基板1の裏面上に形成される拡散防止マスク層7においては、n型不純物拡散層6上に形成される部分が、他の部分と比べて、局所的に厚くなる。これは、基板1の裏面において、n型不純物拡散層6が形成されている領域と、n型不純物拡散層6が形成されていない領域とで、酸化膜の形成速度が異なるためである。すなわち、基板1の裏面のn型不純物拡散層6の領域上に形成される酸化膜の形成速度は基板1の裏面の他の領域上に形成される酸化膜の形成速度よりも大きくなる。
次に、図1(g)に示すように、拡散防止マスク層7の一部を除去することによって、拡散防止マスク層7の一部に開口部9を形成し、開口部9から基板1の裏面を露出させる。
拡散防止マスク層7の一部を除去して開口部9を形成する方法は、たとえば、拡散防止マスク層7の厚い部分が残るとともに、拡散防止マスク層7の薄い部分が除去されるようにエッチング時間などの条件を適宜調節した拡散防止マスク層7のエッチングなどにより行なうことができる。
次に、図1(h)に示すように、拡散防止マスク層7の開口部9から基板1の裏面にp型不純物を拡散して、p型不純物拡散層11を形成する。p型不純物拡散層11は、たとえば、少なくとも開口部9を埋設するように、ボロンを含む溶剤10をスピンコートまたは印刷した後、150℃以上200℃以下の温度で乾燥処理を行ない、その後、800℃以上900℃以下の温度に設定されたチューブ炉にて熱処理を行なうことによって形成することができる。
また、p型不純物拡散層11を形成する方法は、上記の方法に限定されず、たとえば、p型不純物拡散層11中のp型不純物濃度が1×1018個/cm3以上1×1019個/cm3となるように、p型不純物としてのボロンを含むBBr3を用いて、900℃以上1000℃以下の温度で30分以上60分以下の時間、拡散防止マスク層7の開口部9から基板1の裏面にボロンを気相拡散することにより行なうこともできる。
次に、拡散防止マスク層7、拡散防止マスク層8、およびボロンの拡散によって形成されたBSG(ボロンシリケートグラス)層(図示せず)を除去する。
次に、図1(i)に示すように、基板1の裏面上に基板1の裏面を被覆するパッシベーション層12を形成するとともに、基板1の受光面上に基板1の受光面を被覆する反射防止層13を形成する。
ここで、基板1の裏面にパッシベーション層12を形成した後に、パッシベーション層12をテクスチャエッチングマスクとして、基板1の受光面のテクスチャエッチングを行ない、テクスチャ構造(図示せず)を形成し、その後、基板1の受光面のテクスチャ構造上に反射防止層13を形成することが好ましい。この場合には、基板1の受光面のテクスチャ構造によって、基板1に入射する太陽光量が増加するため、裏面電極型太陽電池セルの特性を向上させることができる。
また、基板1のテクスチャエッチングは、たとえば、数%の水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム溶液に数%のイソプロピルアルコールを含有したアルカリ溶液を70〜80℃に加熱した溶液を用いて、基板1の受光面をエッチングすることなどにより行なうことができる。
パッシベーション層12および反射防止層13としては、それぞれ、たとえば、酸化物層および窒化物層の少なくとも一方を用いることができる。酸化物層としては、たとえば酸化シリコン層などを用いることができる。また、窒化物層としては、たとえば窒化シリコン層などを用いることができる。したがって、パッシベーション層12および反射防止層13としては、たとえば、酸化シリコン層の単層、窒化シリコン層の単層、または酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層体などを用いることができる。
ここで、酸化シリコン層としては、たとえば、スチーム酸化法、常圧CVD法、SOGの塗布・焼成により形成された厚さ300nm以上800nm以下のものを用いることができる。また、窒化シリコン層としては、たとえば、プラズマCVD法または常圧CVD法で形成された厚さ60nm以上100nmのものを用いることができる。
次に、図1(j)に示すように、パッシベーション層12に、パルスレーザ光4を移動させながら照射することによって、図1(k)に示すように、パッシベーション層12の一部を除去して、パッシベーション層12にコンタクトホール14を形成する。
次に、図1(k)に示すように、パッシベーション層12にコンタクトホール14を形成して、コンタクトホール14から、n型不純物拡散層6およびp型不純物拡散層11の表面を露出させる。
ここで、コンタクトホール14は、上述した拡散防止マスク層2に開口部5を形成した方法と同様に、パッシベーション層12にパルスレーザ光4を照射し、パルスレーザ光4の照射領域に対応するパッシベーション層12の部分を除去することによって形成される。パルスレーザ光4の照射によるコンタクトホール14の形成方法は、上記と同様であるため、ここではその説明については省略する。
その後、図1(l)に示すように、コンタクトホール14を通して、n型不純物拡散層6の表面に接触するn電極15を形成するとともに、p型不純物拡散層11の表面に接触するp電極16を形成する。n電極15およびp電極16は、たとえば、銀ペーストを塗布した後に、500℃以上600℃以下の温度で焼成することなどにより形成することができる。なお、コンタクトホール14は、n電極15およびp電極16よりも小さい方が好ましい。たとえば、コンタクトホール14の線幅が80μmである場合には、n電極15およびp電極16の線幅は100μm程度にすることができる。
以上の工程を経ることにより、実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルを製造することができる。
実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの基板1の裏面には、帯状のn型不純物拡散層6と、帯状のp型不純物拡散層11とが交互に配置されている。そして、n型不純物拡散層6の表面の一部にn電極15が設置されており、p型不純物拡散層11の表面の一部にp電極16が設置されている。また、実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルは、基板1の裏面に、パルスレーザ光4の照射痕を有している。
以上のように、実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、拡散防止マスク層2および/またはパッシベーション層12の加工領域の全面にパルスレーザ光4を照射することができる。これにより、拡散防止マスク層2および/またはパッシベーション層12に未加工部を残すことなく加工することができる。
そのため、実施の形態1に裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、微細な形状である拡散防止マスク層2の開口部5および/またはパッシベーション層12のコンタクトホール14を安定して形成することができるため、裏面電極型太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
また、実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の1つの照射領域41と重複する重複領域43(パルスレーザ光4が2回照射される領域)の面積を小さく抑えることができるとともに、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の3つが重なり合う領域(パルスレーザ光4が3回照射される領域)を面ではなく点とすることができる。さらに、パルスレーザ光4が4回以上照射される領域は存在しない。
そのため、実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、パルスレーザ光4が照射されることによって基板1が受ける熱ダメージを、従来の特許文献2に記載の方法よりも抑制することができるため、高特性の裏面電極型太陽電池セルを製造することができる。
以上の理由により、実施の形態1の裏面電極型太陽電池セルの製造方法によれば、基板1にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の裏面電極型太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
なお、上記において、基板は、単結晶シリコンおよび多結晶シリコン等の種類に限定されるものではない。また、n型とp型の導電型が入れ替わっていてもよい。また、本発明は、基板の裏面のみに電極が形成された裏面電極型太陽電池セルに限定されるものではなく、基板の受光面と裏面とにそれぞれ電極が形成された両面電極型太陽電池セルにも適用することができる。ただし、裏面電極型太陽電池セルは、基板の片方の表面のみに両極性の電極を形成する必要があるため、両面電極型太陽電池セルと比較して、本発明を用いた微細形状の形成による効果は大きいと考えられる。
また、上述のパルスレーザ光4の照射による加工は、拡散防止マスク層2の開口部5およびパッシベーション層12のコンタクトホール14の少なくとも一方の形成に用いられれることが好ましい。この場合には、パルスレーザ光4が照射されることによって基板1が受ける熱ダメージを抑制して、微細な形状である拡散防止マスク層2の開口部5および/またはパッシベーション層12のコンタクトホール14を安定して形成することができる。そのため、不純物拡散層を微細な形状に形成することができることから高特性の裏面電極型太陽電池セルとすることができるとともに、不純物拡散層に対する電極のコンタクトを良好なものとすることができる。
<実施の形態2>
実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの製造方法は、拡散防止マスク層2の開口部5および/またはパッシベーション層12のコンタクトホール14の形成時におけるパルスレーザ光4の照射方法が、実施の形態1と異なっている点で特徴を有している。
図4に、実施の形態2におけるパルスレーザ光4の照射パターンの一例について図解する模式的な平面図を示す。実施の形態2においては、まず、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が千鳥格子状に位置するとともに、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の隣接する6つの照射領域41のそれぞれと接するように、パルスレーザ光4が照射される。
次に、パルスレーザ光4とともに、第2のパルスレーザ光が照射される。実施の形態2においては、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの照射領域42の形状は、中心42aを中心とする円形状となっている。また、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42の直径は、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の直径よりも小さくなっている。なお、パルスレーザ光4と第2のパルスレーザ光との照射順序は、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42がパルスレーザ光4の照射によって形成される加工部以外の未加工部51を結果的に含んでいれば特に限定されず、たとえば、パルスレーザ光4の後に第2のパルスレーザ光が照射されてもよく、第2のパルスレーザ光の後にパルスレーザ光4が照射されてもよく、パルスレーザ光4と同時に第2のパルスレーザ光が照射されてもよい。
ここで、実施の形態2においては、図4に示すように、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の隣接する6つの照射領域41のそれぞれと接しているため、照射領域41の間には、パルスレーザ光4の照射によっては加工されない未加工部51が存在している。
そこで、実施の形態2においては、図4に示すように、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42が、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の間の未加工部51を含むように第2のパルスレーザ光が照射される。このとき、第2のパルスレーザ光は、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42の6つが、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41を取り囲むように位置し、かつ、隣り合う照射領域42が接するように照射される。
したがって、実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光により、拡散防止マスク層2および/またはパッシベーション層12の加工領域の全面にパルスレーザ光を照射することができる。これにより、拡散防止マスク層2および/またはパッシベーション層12に未加工部を残すことなく加工することができる。
そのため、実施の形態2に裏面電極型太陽電池セルの製造方法においても、微細な形状である拡散防止マスク層2の開口部5および/またはパッシベーション層12のコンタクトホール14を安定して形成することができるため、裏面電極型太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
また、実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においては、実施の形態1とは異なり、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の1つの照射領域41と重複する重複領域43は存在せず、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41と第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42とが重複する重複領域53(パルスレーザ光4と第2のパルスレーザ光とが1回ずつ照射される領域)が存在している。また、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の2つと、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域41の2つとが重なり合う領域を面ではなく点とすることができる。さらに、パルスレーザ光が5回以上照射される領域は存在しない。
そのため、実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においても、パルスレーザ光が複数回照射される領域の面積を小さく抑えることができるため、パルスレーザ光が照射されることによって基板1が受ける熱ダメージを、従来の特許文献2に記載の方法よりも抑制することができるため、高特性の裏面電極型太陽電池セルを製造することができる。
以上の理由により、実施の形態2の裏面電極型太陽電池セルの製造方法においても、基板1にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の裏面電極型太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
ここで、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42の直径は、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の直径の1/√3以下であることが好ましい。この場合には、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の間の未加工部51を含むように第2のパルスレーザ光を照射したときに、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41と第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42とが重複する重複領域53の面積をより小さく抑えることができるため、重複領域53において基板1が受ける熱ダメージをより小さく抑えることができる。
実施の形態2における上記以外の説明は、実施の形態1と同様であるため、ここではその説明については省略する。
<実施例1>
まず、図1(a)に示すように、ダメージ層をエッチングにより除去した厚さ120μmのn型単結晶シリコンからなる基板1の裏面および受光面に拡散防止マスク層2,3を形成した。拡散防止マスク層2,3としては、具体的には、水蒸気を用いたウエット酸化法により、厚さ100nmの酸化膜を形成した。
次に、図1(b)に示すように、基板1の裏面の拡散防止マスク層2にパルスレーザ光4を移動させながら照射することによって、図1(c)に示すように、拡散防止マスク層2の一部を除去して、拡散防止マスク層2に開口部5を形成した。ここで、拡散防止マスク層2に対するパルスレーザ光4の照射は、図2に示す照射装置を用いて、図3に示すパターンで行なった。
ここで、パルスレーザ光4の1パルス当たりの照射領域41は、直径70μmの真円とした。
そして、パルスレーザ光4を、第1の方向45aに直線状に13.1m/sの速度で移動させながら照射した。その後、パルスレーザ光4の照射位置を、第1の方向45aとは垂直な第2の方向45bに距離P2が52.5μmとなるように2m/sの速度で移動させるとともに、第1の方向45aに距離P3が60.6μmとなるように移動させた。そして、上記と同一の条件および同一の方法で、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射した。
そして、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射する工程と、パルスレーザ光4の照射位置を移動させる工程とを交互に4回繰り返した後に、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射する工程を最後に1回行なった。これにより、図3に示すように、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が、千鳥格子状に位置し、かつ他の隣接する6つの照射領域41のそれぞれの一部と重なり合うようにして、パルスレーザ光4が照射され、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が第1の方向45aに配列されたラインが計5ラインからなり、線幅46が280μmの直線状の加工部である開口部5が形成された。
なお、パルスレーザ光4の波長は355nmであり、パルス幅は10psであり、周波数は200kHzであった。
次に、図1(d)に示すように、拡散防止マスク層2の開口部5から基板1の裏面にn型不純物を拡散して、n型不純物拡散層6を形成した。具体的には、少なくとも拡散防止マスク層2の開口部5を埋設するように基板1の裏面側にリンを含む溶剤をスピンコートにより塗布し、150℃〜200℃程度で乾燥処理を行なった後、800℃〜900℃程度に設定したチューブ炉で熱拡散処理を行なって、n型不純物拡散層6を形成した。
次に、図1(e)に示すように、拡散防止マスク層2、拡散防止マスク層3、およびリンの拡散によって形成されたPSG層(図示せず)を、濃度が50%程度のフッ酸を用いたエッチングにより除去した。
次に、図1(f)に示すように、基板1の裏面上に拡散防止マスク層7を形成するとともに、基板1の受光面上に拡散防止マスク層8を形成した。具体的には、水蒸気雰囲気のチューブ炉に基板1を設置して、基板1の裏面および受光面の熱酸化処理を行ない、基板1の裏面および受光面にそれぞれ酸化膜を形成することによって行なった。このとき、たとえば図1(f)に示すように、基板1の裏面上に形成された拡散防止マスク層7のn型不純物拡散層6上に形成される部分が、他の部分と比べて、局所的に厚くなることが確認された。
次に、図1(g)に示すように、拡散防止マスク層7の一部を除去することによって、拡散防止マスク層7の一部に開口部9を形成し、開口部9から基板1の裏面を露出させた。具体的には、拡散防止マスク層7の厚い部分が残り、拡散防止マスク層7の薄い部分がすべて除去されるようなエッチング条件でエッチングを行なうことにより、拡散防止マスク層7に開口部9を形成した。
次に、図1(h)に示すように、拡散防止マスク層7の開口部9から基板1の裏面にp型不純物を拡散して、p型不純物拡散層11を形成した。具体的には、少なくとも開口部9を埋設するように、ボロンを含む溶剤10をスピンコートにより塗布した後、150℃以上200℃以下の温度で乾燥処理を行ない、その後、800℃以上900℃以下の温度に設定されたチューブ炉にて熱処理を行なうことによってp型不純物拡散層11を形成した。
次に、拡散防止マスク層7、拡散防止マスク層8、およびボロンの拡散によって形成されたBSG層(図示せず)を除去した。
次に、図1(i)に示すように、基板1の裏面上にパッシベーション層12を形成するとともに、基板1の受光面上に反射防止層13を形成した。具体的には、基板1の受光面上および裏面上にプラズマCVD法により窒化シリコン層を形成することにより、パッシベーション層12および反射防止層13を形成した。
次に、図1(j)に示すように、拡散防止マスク層2に開口部5を形成したときと同様にパルスレーザ光4を照射し、図1(k)に示すように、パッシベーション層12にコンタクトホール14を形成した。
その後、図1(l)に示すように、コンタクトホール14から露出したn型不純物拡散層6の表面に接触するようにn電極15を形成するとともに、コンタクトホール14から露出したp型不純物拡散層11の表面に接触するようにp電極16を形成した。具体的には、n電極15およびp電極16は、コンタクトホール14を埋設するように銀ペーストを塗布した後に、500℃以上600℃以下の温度で焼成することによって形成された。以上の工程を経ることにより、実施例1の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
<比較例1>
拡散防止マスク層2に対するパルスレーザ光4の照射を図5の模式的平面図に示すパターンで行なったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
比較例1においては、パルスレーザ光4の1パルス当たりの照射領域41は、直径82μmの真円とした。
そして、パルスレーザ光4を、第1の方向45aに直線状に11.6m/sの速度で移動させながら照射した。その後、パルスレーザ光4の照射位置を、第1の方向45aとは垂直な第2の方向45bに距離P2が58μmとなるように2m/sの速度で移動させた。そして、上記と同一の条件および同一の方法で、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射した。
そして、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射する工程と、パルスレーザ光4の照射位置を移動させる工程とを交互に4回繰り返した後に、パルスレーザ光4を第1の方向45aに移動させながら照射する工程を最後に1回行なった。これにより、図5に示すように、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が、平行に位置し、かつ他の隣接する4つの照射領域41のそれぞれの一部と重なり合うようにして、パルスレーザ光4が照射され、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が第1の方向45aに配列されたラインが計5ラインからなり、線幅46が280μmの直線状の加工部である開口部5が形成された。
<評価>
表1に、実施例1および比較例1におけるパルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の重複する重複領域43(パルスレーザ光4が2回照射される領域)の割合である重複率(%)と、パルスレーザ光4の照射時間(ミリ秒)とを示す。
ここで、重複率(%)は、以下の式(I)により算出したものであり、照射時間(ミリ秒)は、5ラインにて線幅46が280μmであり、かつ全長が155.5mmの開口部5を形成するのに要した時間である。
重複率(%)=100×(パルスレーザ光4の重複領域43の面積)/(パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の面積) …(I)
Figure 2014112584
表1に示すように、実施例1における重複率(%)は35%であり、パルスレーザ光4の照射時間(ミリ秒)は60ミリ秒であった。一方、比較例1における重複率(%)は73%であり、パルスレーザ光4の照射時間(ミリ秒)は67ミリ秒であった。
したがって、実施例1においては、比較例1と比べて、重複率(%)が半分となり、パルスレーザ光4の照射時間(ミリ秒)は短縮可能であった。それゆえ、実施例1においては、比較例1と比べて基板1にダメージが入るのを抑制し、かつn型不純物拡散層6のような微細な形状を安定して加工することができるため、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができると考えられる。
<実施例2>
拡散防止マスク層2に対して、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光を図4の模式的平面図に示すパターンで照射したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
すなわち、実施例2においては、所定のパルスレーザ光を分岐して、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光とし、ビームエキスパンダによって、パルスレーザ光4の1パルス当たりの照射領域41は直径78μmの真円とし、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの照射領域42は直径45μmの真円とした。また、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光は、2台のガルバノスキャナによって、それぞれ同時に照射することによって、開口部5の高速加工を可能とした。
また、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光は、共に、第1の方向45aに直線状に15.6m/sの速度で移動させながら照射した。その後、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光の照射位置を、それぞれ、第1の方向45aとは垂直な第2の方向45bに移動させた。そして、上記と同一の条件および同一の方法で、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光を第1の方向45aに移動させながら照射した。
これにより、図4に示すように、パルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41が他の隣接する6つの照射領域41のそれぞれと接しており、かつ第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域42が、パルスレーザ光4の照射によっては加工されない未加工部51を含むように、パルスレーザ光4および第2のパルスレーザ光が照射された。
<実施例3>
第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの照射領域42を直径50μmの真円としたこと以外は実施例2と同様にして、実施例3の裏面電極型太陽電池セルを作製した。
<評価>
表2に、実施例2〜3および比較例1におけるパルスレーザ光4の1パルス当たりの円形状の照射領域41の重複する重複領域43(パルスレーザ光4が2回照射される領域)の割合である重複率(%)を示す。なお、実施例2〜3の重複率(%)も、上記の式(I)により算出したものである。
Figure 2014112584
表2に示すように、実施例2〜3の重複率(%)は、それぞれ、56%および59%であり、比較例1の重複率(%)である73%よりも、それぞれ、17%および14%も低減できている。そのため、実施例2〜3においても、比較例1と比べて基板1にダメージが入るのを抑制し、かつn型不純物拡散層6のような微細な形状を安定して加工することができるため、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができると考えられる。
<まとめ>
本発明は、基板の表面上に被覆膜を形成する工程と、被覆膜にパルスレーザ光を移動させながら照射することによって被覆膜の一部を除去する工程とを含み、被覆膜の一部を除去する工程は、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域が千鳥格子状に位置するようにパルスレーザ光を照射する工程を有し、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域は、他の隣接する6つの照射領域のそれぞれの一部と重なり合う、若しくは他の隣接する6つの照射領域のそれぞれと接している太陽電池セルの製造方法である。このような構成とすることにより、基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
ここで、本発明の太陽電池セルの製造方法において、被覆膜の一部を除去する工程は、パルスレーザ光を照射する工程の後に、第2のパルスレーザ光を照射する工程を有し、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径がパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径よりも小さく、第2のパルスレーザ光を照射する工程は、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域がパルスレーザ光の照射によって形成される被覆膜の加工部以外の未加工部を含むように第2のパルスレーザ光を照射することにより行なわれることが好ましい。このような構成とすることにより、基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明の太陽電池セルの製造方法において、第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径は、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径の1/√3以下であることが好ましい。このような構成とすることにより、基板にダメージが入るのを抑制し、かつ微細な形状を安定して加工することによって、高特性の太陽電池セルを高い歩留まりで製造することができる。この場合には、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の間の未加工部を含むように第2のパルスレーザ光を照射したときに、パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域と第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域とが重複する重複領域の面積をより小さく抑えることができるため、重複領域において基板が受ける熱ダメージをより小さく抑えることができる。
また、本発明の太陽電池セルの製造方法は、被覆膜の一部を除去する工程の後に、被覆膜の除去部分から基板に不純物を拡散する工程および被覆膜の除去部分を通して基板に電極を形成する工程の少なくとも一方をさらに含むことが好ましい。このような構成とすることによって、パルスレーザ光が照射されることによって基板が受ける熱ダメージを抑制して、微細な形状に、不純物拡散層および電極を安定して形成することができる。
さらに、本発明は、上記の太陽電池セルの製造方法により製造された太陽電池セルであって、基板にパルスレーザ光の照射痕を有する太陽電池セルである。このような構成とすることによって、高い歩留まりで製造することができる高特性の太陽電池セルとすることができる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、太陽電池セルの製造方法および太陽電池セルに利用することができ、特に、裏面電極型太陽電池セルの製造方法および裏面電極型太陽電池セルに好適に利用することができる。
1 基板、2,3,7,8 拡散防止マスク層、4 パルスレーザ光、5,9 開口部、6 n型不純物拡散層、10 溶剤、11 p型不純物拡散層、12 パッシベーション層、13 反射防止層、14 コンタクトホール、15 n電極、16 p電極、21 レーザ発振器、22 ビームエキスパンダ、23 ガルバノスキャナ、24 fθレンズ、25 吸着ステージ、41,42 照射領域、41a,42a 中心、43,53 重複領域、45a 第1の方向、45b 第2の方向、46 線幅、51 未加工部。

Claims (5)

  1. 基板の表面上に被覆膜を形成する工程と、
    前記被覆膜にパルスレーザ光を移動させながら照射することによって前記被覆膜の一部を除去する工程とを含み、
    前記被覆膜の一部を除去する工程は、前記パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域が千鳥格子状に位置するように前記パルスレーザ光を照射する工程を有し、
    前記パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域は、他の隣接する6つの照射領域のそれぞれの一部と重なり合う、若しくは他の隣接する6つの照射領域のそれぞれと接している、太陽電池セルの製造方法。
  2. 前記被覆膜の一部を除去する工程は、前記パルスレーザ光を照射する工程の後に、第2のパルスレーザ光を照射する工程を有し、
    前記第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径は、前記パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径よりも小さく、
    前記第2のパルスレーザ光を照射する工程は、前記第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域が、前記パルスレーザ光の照射によって形成される前記被覆膜の加工部以外の未加工部を含むように、前記第2のパルスレーザ光を照射することにより行なわれる、請求項1に記載の太陽電池セルの製造方法。
  3. 前記第2のパルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径は、前記パルスレーザ光の1パルス当たりの円形状の照射領域の直径の1/√3以下である、請求項2に記載の太陽電池セルの製造方法。
  4. 前記被覆膜の一部を除去する工程の後に、前記被覆膜の除去部分から前記基板に不純物を拡散する工程および前記被覆膜の除去部分を通して前記基板に電極を形成する工程の少なくとも一方をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池セルの製造方法により製造された太陽電池セルであって、
    前記基板に前記パルスレーザ光の照射痕を有する、太陽電池セル。
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