JP2014111728A - 多孔質樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

多孔質樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質樹脂粒子を効率よくかつ容易に製造することができ、例えば、化粧料、光拡散剤、艶消し剤、診断薬、気孔付与剤、吸着剤、軽量化剤、断熱材、断熱塗料、白色顔料、インクジェット受理剤、徐放剤などに使用することが期待される多孔質樹脂粒子を製造する方法を提供すること。
【解決手段】多孔質樹脂粒子を製造する方法であって、溶媒として樹脂粒子を構成している樹脂に対して膨潤性を有する溶媒を用い、当該溶媒で樹脂粒子を膨潤させた後、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させることを特徴とする多孔質樹脂粒子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質樹脂粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、例えば、化粧料、光拡散剤、艶消し剤、診断薬、気孔付与剤、吸着剤、軽量化剤、断熱材、断熱塗料、白色顔料、インクジェット受理剤、徐放剤などに使用することが期待される多孔質樹脂粒子の製造方法に関する。
近年、多孔質樹脂粒子は、軽量であり、かつ分散性に優れていることから、例えば、化粧料などの原料に使用することが検討されている。当該多孔質樹脂粒子を製造する方法として、単量体混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液を用いてシード粒子を膨潤させた後、当該単量体混合物を重合させることにより、多孔性単分散粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、当該方法によって得られる多孔性単分散粒子は、単量体混合物および油溶性重合開始剤を含む膨潤液でシード粒子を膨潤させた状態で当該単量体混合物を重合させるため、粒子中には、ある程度の孔が形成されるが、多孔質化を十分に進行させることができない。また、前記方法では、多官能単量体の量が少ない場合には、得られる多孔質を有する粒子の孔が潰れるようになることから、多量の多官能単量体を用いることが考えられるが、多量の多官能単量体を用いた場合には、コスト高となり、ひいては工業的生産が低下するという欠点がある。
また、多孔質樹脂粒子を製造する他の方法として、無水メタクリル酸、架橋性単量体、単量体に可溶の遊離基重合開始剤およびポロゲンを含有する単量体混合物を重合させ、得られた粒子を洗浄する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法では、ポロゲンとしてキシレン、トルエンなどの高沸点を有する溶媒が用いられていることから、当該溶媒を除去するための煩雑な操作を必要とする。
特開2006−241226号公報 特開平6−49139号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、多孔質樹脂粒子を効率よくかつ容易に製造することができる多孔質樹脂粒子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、
(1) 多孔質樹脂粒子を製造する方法であって、溶媒として樹脂粒子を構成している樹脂に対して膨潤性を有する溶媒を用い、当該溶媒で樹脂粒子を膨潤させた後、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させることを特徴とする多孔質樹脂粒子の製造方法、
(2) 樹脂粒子を構成している樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂である前記(1)に記載の多孔質樹脂粒子の製造方法、
(3) 溶媒が、アルコール系溶媒またはアルコール系溶媒と水との混合溶媒である前記(1)または(2)に記載の多孔質樹脂粒子の製造方法、
(4) 溶媒で樹脂粒子を膨潤させる際に当該溶媒を加熱する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子の製造方法、および
(5) 膨潤した樹脂粒子を貧溶媒と接触させ、当該膨潤した樹脂粒子に含まれる溶媒組成を変化させることにより、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子の製造方法
に関する。
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、多孔質樹脂粒子を効率よくかつ容易に製造することができるという優れた効果が奏される。
実施例1で得られた多孔質樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真である。 実施例4において、樹脂粒子を50℃で15分間加熱することによって膨潤させて製造したときの多孔質樹脂粒子の走査型透過電子顕微鏡写真である。 実施例4において、樹脂粒子を50℃で60分間加熱することによって膨潤させて製造したときの多孔質樹脂粒子の走査型透過電子顕微鏡写真である。 実施例4において、樹脂粒子を50℃で1時間加熱し、さらに70℃で1時間加熱することによって膨潤させて製造したときの多孔質樹脂粒子の走査型透過電子顕微鏡写真である。
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法は、前記したように、溶媒として樹脂粒子を構成している樹脂に対して膨潤性を有する溶媒を用い、当該溶媒で樹脂粒子を膨潤させた後、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させることを特徴とする。
なお、本発明において、「膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させること」は、膨潤した樹脂粒子を冷却させたり、膨潤した樹脂粒子を水と接触させることにより、膨潤した樹脂粒子に含まれている溶媒の組成を変化させることを意味する。また、多孔質樹脂粒子は、孔径および孔の形状がそれぞれ同一または異なる複数個の空孔が存在する樹脂粒子を意味する。前記空孔は、独立している孔(独立孔)であってもよく、あるいは連続している孔(連続孔)であってもよい。
樹脂粒子の原料として用いられる樹脂には、使用される溶媒によって膨潤性を呈する樹脂が用いられる。したがって、樹脂の原料として用いられる樹脂は、使用される溶媒との関係で相対的に定まるものである。なお、本明細書において、「膨潤性」とは、溶媒が樹脂中に拡散する性質を意味する。
樹脂粒子を構成する樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの樹脂のなかでは、加熱によって樹脂の膨潤性を容易に向上させることができることから、熱可塑性樹脂が好ましく、(メタ)アクリル系樹脂がより好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル系樹脂」は、アクリル系樹脂またはメタクリル系樹脂を意味する。アクリル系樹脂およびメタクリル系樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。また、アクリル系樹脂は、その原料の単量体成分にアクリル系単量体が使用されているものを意味し、メタクリル系樹脂は、その原料の単量体成分にメタクリル系単量体が使用されているものを意味する。したがって、アクリル系樹脂およびメタクリル系樹脂の原料の単量体成分にアクリル系単量体およびメタクリル系単量体が使用されている場合、両者は相互に重複する概念を有する。
樹脂に対して膨潤性を有する溶媒は、樹脂粒子に使用される樹脂との関係で相対的に定まるものである。前記溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノールなどのモノアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類などのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノールなどのグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどのアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、水などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記溶媒としては、樹脂粒子に使用される樹脂との関係で相対的に定まるものであることから、当該樹脂に対して膨潤性を呈するものが選択して用いられる。
以下に、樹脂粒子として(メタ)アクリル系樹脂粒子を用いたときの例を代表例として説明する。なお、(メタ)アクリル系樹脂は、当該(メタ)アクリル系樹脂を調製する際に用いられる単量体成分における(メタ)アクリル系単量体の含有率が50質量%以上であるものを意味する。
なお、前記「(メタ)アクリル系単量体」は、アクリル系単量体またはメタクリル系単量体を意味し、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アラルキル(メタ)アクリレート、オキソ基含有(メタ)アクリレート、フッ素原子含有(メタ)アクリレート、窒素原子含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、カルボニル基含有(メタ)アクリレート、アジリジニル基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記「(メタ)アクリル酸」は、具体的には、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。また、前記「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタクリレートを意味し、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレートなどのエステル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1〜18の水酸基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリプロポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アラルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレートなどの炭素数が7〜18のアラルキル基を有するアラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアラルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
オキソ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレートなどの(ジ)エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのオキソ基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、前記「(ジ)エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレート」は、「エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレート」または「ジエチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレート」を意味し、前記「(メトキシ)」は、メトキシを有するものまたは当該メトキシを有しないものを意味する。
フッ素原子含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が2〜6のフッ素原子含有アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのフッ素原子含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
窒素原子含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素原子含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの窒素原子含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボニル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、アセトニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシアルキルプロペナールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボニル基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、前記「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル」または「メタクリロイル」を意味する。
アジリジニル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアジリジニル基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系単量体のなかでは、多孔質樹脂粒子を効率よくかつ容易に製造することができることから、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂を調製する際に用いられる単量体成分における(メタ)アクリル系単量体の含有率は、加熱したときの膨潤性を向上させる観点から、50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、当該(メタ)アクリル系単量体の含有率の上限値は100質量%である。
なお、前記単量体成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内で(メタ)アクリル系単量体以外の単量体が含まれていてもよい。
(メタ)アクリル系単量体以外の単量体としては、例えば、スチレン系単量体、カルボキシル基含有単量体、窒素原子含有単量体、シラン基含有単量体、カルボニル基含有単量体、チオール基含有単量体、オレフィン系単量体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの(メタ)アクリル系単量体以外の単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。スチレン系単量体は、ベンゼン環にメチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシル基、アシル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子などの基または原子が存在していてもよい。スチレン系単量体のなかでは、スチレンが好ましい。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、ビニル安息香酸などのカルボキシル基含有脂肪族系単量体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
窒素原子含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの窒素原子含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。なお、前記「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドまたはメタクリルアミドを意味し、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。また、前記「(メタ)アクリロニトリル」は、アクリロニトリルまたはメタクリメニトリルを意味し、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
シラン基含有単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルヒドロキシシランなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのシラン基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボニル基含有単量体としては、例えば、アクロレイン、ホウミルスチロール、ビニルエチルケトンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボニル基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
チオール基含有単量体としては、例えば、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸ソーダ、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレンなどの単官能チオール基含有単量体;1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−へキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、デカンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジンなどの多官能チオール基含有単量体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのチオール基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
オレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン、ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのオレフィン系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明においては、樹脂粒子に紫外線安定性や紫外線吸収性を付与するために、本発明の目的が阻害されない範囲内で、紫外線安定性単量体、紫外線吸収性単量体などを単量体成分に含有させてもよい。
紫外線安定性単量体としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイル−1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
紫外線吸収性単量体としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体、ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの紫外線吸収性単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体としては、例えば、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルアミノメチル−5’−tert−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチル−3’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5′−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3’−tert−ブチルフェニル]−4−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収性単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ]プロポキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ]ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]ブトキシベンゾフェノンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのベンゾフェノン系紫外線吸収性単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル系樹脂を調製する際に用いられる単量体成分における(メタ)アクリル系単量体以外の単量体の含有率は、加熱したときの膨潤性を向上させる観点から、50質量%以下、より好ましくは60質量%以下であり、当該(メタ)アクリル系単量体の含有率の下限値は0質量%である。
単量体成分の具体的な組成は、多孔質樹脂粒子の用途などによって異なることから一概には決定することができないため、当該多孔質樹脂粒子の用途などに応じて適宜決定することが好ましい。
なお、単量体成分には、多孔質樹脂粒子の硬度や機械的強度を向上させる観点から、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート;エチレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜4のアルキレンオキシド基の付加モル数が2〜50であるアルキルジ(メタ)アクリレート;エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのテトラ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのペンタ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのヘキサ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2−(2’−ビニルオキシエトキシエチル)(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
架橋剤のなかでは、耐ブロッキング性を向上させる観点から、水酸基を2個有するアルキル基の炭素数が4〜8のアルキルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート、多価アルコールのテトラ(メタ)アクリレート、多価アルコールのペンタ(メタ)アクリレートおよび多価アルコールのヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートがより好ましい。
単量体成分100質量部あたりの架橋剤の量は、多孔質樹脂粒子の硬度または機械的強度を向上させる観点から、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、加熱時の樹脂の膨潤性を向上させる観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
単量体成分を重合させる際には、重合方法に応じて重合開始剤を適宜用いることができる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩基酸、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシメチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}などのアゾ系化合物;過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウムなどの過酸化物と、アスコルビン酸およびその塩、エリソルビン酸およびその塩、酒石酸およびその塩、クエン酸およびその塩、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ロンガリットC(NaHSO・CHO・HO)、ロンガリットZ(ZnSO・CHO・HO)、デクロリン(Zn(HSO・CHO))などの還元剤を組み合わせたレドックス系重合開始剤などの水溶性重合開始剤;ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジtert−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサンなどの過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ系重合開始剤などの油溶性重合開始剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合開始剤の量は、重合方法によって異なることから、当該重合方法に応じて適宜調整することが好ましい。単量体成分100質量部あたりの重合開始剤の量は、特に限定されないが、重合反応を促進させる観点から、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、樹脂中に取り込まれる重合開始剤の残存量を低減させる観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
重合開始剤の添加方法は、特に限定されない。その添加方法としては、例えば、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などが挙げられる。
また、単量体成分を重合させることによって得られる樹脂の分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。単量体成分100質量部あたりの連鎖移動剤の量は、通常、0.01〜10質量部であることが好ましい。
単量体成分には、必要により、顔料を含有させてもよい。顔料としては、有機顔料および無機顔料が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
有機顔料としては、例えば、ベンジジン、ハンザイエローなどのアゾ顔料、アゾメチン顔料、メチン顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニンブルーなどのフタロシアニン顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イミノイソインドリン顔料、イミノイソインドリノン顔料、キナクリドンレッドやキナクリドンバイオレットなどのキナクリドン顔料、フラバントロン顔料、インダントロン顔料、アントラピリミジン顔料、カルバゾール顔料、モノアリーライドイエロー、ジアリーライドイエロー、ベンゾイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ、キノフタロン顔料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの有機顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、三酸化アンチモン、亜鉛華、リトポン、鉛白、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化鉄、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黄鉛、モリブデン赤、フェロシアン化第二鉄(プルシアンブルー)、ウルトラマリン、クロム酸鉛などをはじめ、雲母(マイカ)、クレー、アルミニウム粉末、タルク、ケイ酸アルミニウムなどの扁平形状を有する顔料、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの体質顔料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの無機顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
原料ポリマーおよび単量体成分の合計量100質量部あたりの顔料の量は、樹脂粒子の用途などによって異なるので一概には決定することができないため、当該用途などに応じて適宜決定することが好ましいが、通常、顔料の添加によって十分に樹脂粒子を着色させる観点から、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上であり、得られる樹脂粒子の脆性が高くならないようにする観点から、好ましくは200質量部以下、より好ましくは190質量部以下である。
また、単量体成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、例えば、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、無機材料、フッ素材料などの充填剤、レベリング剤、分散剤、増粘剤、湿潤剤、可塑剤、安定剤、染料、酸化防止剤などの添加剤が適量で含まれていてもよい。
単量体成分を重合させる方法としては、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法、塊状重合法、溶液重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法または分散重合法を採用した場合には、樹脂粒子を直接的に調製することができる。一般に、懸濁重合法で得られた樹脂粒子の粒子径は、乳化重合法で得られた樹脂粒子の粒子径よりも大きい。単量体成分を塊状重合法または溶液重合法で単量体成分を重合させる場合、所望の粒子径を有する樹脂粒子が得られるようにするためには、得られた樹脂の塊状物を適宜破砕または粉砕すればよい。
以下に、樹脂粒子を製造する際の代表的な重合方法である懸濁重合法によって単量体成分を重合させるときの一実施態様について説明する。
まず、単量体成分を水中に分散させる。水は、単量体成分を分散させる媒体として用いられる。前記水には、必要により、例えば、低級アルコール、水溶性ケトン類などの親水性有機溶媒が本発明の目的を阻害しない範囲内で含まれていてもよい。
単量体成分には、重合開始剤が適量で含まれていてもよい。また、単量体成分は、単量体成分と水との親和性を向上させる観点から、あらかじめ界面活性剤と混合することが好ましい。このとき、界面活性剤は、水溶液として用いることが好ましい。
懸濁重合法によって単量体成分を重合させる際、水の量は、得られる水性樹脂分散体における樹脂粒子の固形分含量が5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%となるように調整することが望ましい。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤などが挙げられ、これらの界面活性剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート、ナトリウムアルキルジフェニルエーテルジスルホネートなどのアルキルスルホネート塩;アンモニウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合物;アンモニウムラウリレート、ナトリウムステアリレートなどの脂肪酸塩;ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレートスルホネート塩、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩などのアリル基を有する硫酸エステルまたはその塩;アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレンの硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合生成物、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライドなどのアルキルアンモニウム塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタインエステル型界面活性剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
高分子界面活性剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリヒドロキシエチルアクリレートなどのポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;これらの重合体を構成する単量体のうちの1種類以上を共重合成分とする共重合体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
反応性界面活性剤としては、例えば、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩〔例えば、三洋化成工業(株)製、商品名:エレミノールRS−30など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンBC−10〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10など〕、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンKH−10など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSE−10など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−10、SR−30など〕、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート塩〔例えば、日本界面活性剤(株)製、商品名:アントックスMS−60など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−20など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンRN−20など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープNE−10など〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
単量体成分100質量部あたりの界面活性剤の量は、単量体成分の分散性を向上させる観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは2質量部以上、さらに一層好ましくは3質量部以上であり、単量体成分の重合安定性を向上させる観点から、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは4質量部以下である。
次に、単量体成分を水中で懸濁重合させる。単量体成分を水中で懸濁重合させる際の単量体成分100質量部あたりの水の量は、単量体成分の重合安定性の観点から、好ましくは150〜1000質量部、より好ましくは200〜600質量部である。
また、単量体成分には、必要により、pH緩衝剤、キレート剤、造膜助剤などの添加剤を添加してもよい。添加剤の量は、その種類によって異なるので一概には決定することができない。通常、単量体成分100質量部あたりの添加剤の量は、好ましくは0.01〜5質量部程度、より好ましくは0.1〜3質量部程度である。
単量体成分を重合させる際の雰囲気は、特に限定されないが、重合開始剤の効率を高める観点から、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであることが好ましい。
単量体成分を重合させる際の重合温度は、特に限定されないが、通常、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜95℃である。重合温度は、一定であってもよく、重合反応の途中で変化させてもよい。
また、単量体成分を重合させる際には、単量体成分が均一に重合するようにするために、適宜、撹拌することが好ましい。
単量体成分を重合させる重合時間は、重合温度などの重合条件によって異なることから一概には決定することができないため、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、通常、2〜9時間程度である。
以上のようにして単量体成分を重合させることにより、樹脂粒子を水性分散体の形態で得ることができる。
樹脂粒子の平均粒子径は、当該樹脂粒子の用途などによって異なるため一概には決定することができないことから、当該樹脂粒子の用途などに応じて適宜決定することが好ましい。通常、樹脂粒子の平均粒子径は、1〜100μm程度である。なお、樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー光散乱回折法粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、品番:LS13 320)を用いて測定したときの値である。樹脂粒子の粒子径を揃える場合には、メッシュを用いて樹脂粒子を分級することができる。
次に、溶媒として樹脂粒子を構成している樹脂に対して膨潤性を有する溶媒を用い、当該溶媒で樹脂粒子を膨潤させた後、当該溶媒を樹脂粒子から除去することにより、多孔質樹脂粒子を得ることができる。このとき、樹脂粒子は、前記で得られた樹脂粒子の水性分散体の状態で用いることができるほか、前記で得られた樹脂粒子の水性分散体から溶媒を除去した後に用いることができる。
樹脂粒子を前記溶媒で膨潤させる方法としては、例えば、当該樹脂粒子またはその水性分散体と前記溶媒とを混合する方法が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。樹脂粒子またはその水性分散体と前記溶媒とを混合する際には、樹脂粒子またはその水性分散体に前記溶媒を添加した後に両者を混合してもよく、樹脂粒子またはその水性分散体を前記溶媒に添加した後に両者を混合してもよい。樹脂粒子またはその水性分散体を前記溶媒に添加する際には、樹脂粒子またはその水性分散体を前記溶媒に滴下してもよい。
樹脂粒子として、例えば、(メタ)アクリル系樹脂粒子などの樹脂粒子を用いる場合には、前記溶媒は、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、アルコール系溶媒またはアルコール系溶媒と水との混合溶媒であることが好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどの1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの多価アルコールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルコール系溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのアルコール系溶媒のなかでは、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、1価アルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールがより好ましい。
前記溶媒として、アルコール系溶媒と水との混合溶媒を用いる場合、当該混合溶媒におけるアルコール系溶媒の含有率は、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。なお、アルコール系溶媒と水との混合溶媒を用いる場合、当該混合溶媒は、アルコール系溶媒と水とを混合することによって得られる混合溶媒であってもよく、あるいは樹脂粒子とアルコール系溶媒と水とを別々に用い、これらを混合することにより、その結果として混合溶媒が形成されているものであってもよい。
溶媒100質量部あたりの樹脂粒子の量は、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.05〜25質量部、さらに好ましくは0.1〜20質量部である。
樹脂粒子と溶媒とを混合する際の雰囲気は、特に限定されず、大気であってもよく、あるいは窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであってもよい。また、前記雰囲気は、常圧であってもよく、加圧されていてもよい。
樹脂粒子と溶媒とを混合することによって得られた混合物は、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、均一な組成となるように撹拌することが好ましい。
前記混合物は、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、加熱することが好ましい。前記混合物を加熱するときの加熱温度は、当該混合物に含まれている樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度、溶解度パラメーターなどによって異なるので一概には決定することができないが、樹脂粒子に効率よく当該溶媒を拡散させて樹脂粒子を膨潤させる観点から、好ましくは30〜90℃、より好ましくは35〜85℃である。前記混合物の加熱時間は、多孔質樹脂粒子に要求される多孔度などによって異なるので一概には決定することができないことから、多孔質樹脂粒子の用途に応じた多孔度となるように適宜選択することが好ましいが、通常、5分間〜3時間程度である。
以上のようにして溶媒が樹脂粒子中に拡散し、膨潤した樹脂粒子が得られる。
次に、この膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させることにより、多孔質樹脂粒子を得ることができる。膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させることによって多孔質樹脂粒子を得る方法としては、例えば、膨潤した樹脂粒子を貧溶媒、好ましくは水と接触させ、当該膨潤した樹脂粒子に含まれる溶媒組成を変化させることにより、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させる方法、膨潤した樹脂粒子を含有する混合物を室温程度の温度に冷却することにより、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させる方法などが挙げられる。これらの方法のなかでは、多孔質樹脂粒子を効率よく製造する観点から、前者の方法が好ましい。
膨潤した樹脂粒子を貧溶媒と接触させる際の温度は、目的とする多孔質粒子の種類、構造などによって異なることから一概には決定することができない。したがって、前記温度は、目的とする多孔質粒子の種類、構造などに応じて適宜選択することが好ましい。膨潤した樹脂粒子を貧溶媒と接触させる方法としては、例えば、前記で得られた膨潤した樹脂粒子を含有する混合物を貧溶媒中に滴下させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
以上のようにして得られた多孔質樹脂粒子は、そのままの状態で用いてもよく、必要により、乾燥させることによって、多孔質樹脂粒子に含まれている溶媒を除去した後に用いてもよい。多孔質樹脂粒子を乾燥させる方法としては、例えば、減圧乾燥法、加熱乾燥法、温風乾燥法、自然乾燥法、送風乾燥法、赤外線照射による乾燥法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、樹脂粒子を多孔質化させる際の条件にもよるが、例えば、孔径が10〜500nm程度の多孔質樹脂粒子を効率よくかつ容易に製造することができる。
また、本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、樹脂粒子と溶媒との親和性を制御することにより、中心部が非多孔質であり、当該中心部から表面までが多孔質の多孔質樹脂粒子、粒子全体が多孔質である多孔質樹脂粒子、表面に非多孔質層が存在し、その内部が多孔質である多孔質樹脂粒子などの種々の多孔質構造を有する多孔質粒子を製造することができ、当該多孔質粒子に存在する孔の孔径、当該多孔質粒子の孔間の壁の厚さなどを調製することができる。樹脂粒子と溶媒との親和性を決定する要因としては、例えば、樹脂の分子量、架橋度、ガラス転移温度、溶解性パラメーターなどの樹脂粒子に用いられる樹脂の物性、樹脂粒子を膨潤化させる際に用いられる溶媒の種類、樹脂粒子を膨潤化させる際の温度および時間などが挙げられる。
したがって、本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、その使用目的などに応じて多孔質粒子の粒子構造、当該多孔質粒子に存在する孔の孔径、当該多孔質粒子の孔間の壁の厚さなどを制御することができる。
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によって得られた多孔質樹脂粒子は、例えば、化粧料、光拡散剤、艶消し剤、診断薬、気孔付与剤、吸着剤、軽量化剤、断熱材、断熱塗料、白色顔料、インクジェット受理剤、徐放剤などに好適に使用することができる。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
調製例1
メチルメタクリレート148.4部(質量部、以下同じ)、アクリル酸1.5部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート0.15部およびラウロイルパーオキサイド1.5部を容器内に入れ、撹拌下で混合することにより、単量体成分を得た。
次に、前記で得られた単量体成分にポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンBC−10〕水溶液12部および脱イオン水145.5部を添加し、撹拌機で撹拌することにより、分散液を得た。
前記で得られた分散液を1リットル容のセパラブルフラスコ内に仕込み、さらに脱イオン水463.5部を当該フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下、回転速度60rpmで撹拌しながら当該フラスコ内の内容物を70℃に昇温させることにより、重合反応を開始させた。重合反応の開始後、フラスコ内の内容物は85℃まで発熱した。重合反応の開始時から4.5時間熟成させることにより、樹脂粒子の水性分散体Aを得た。
前記で得られた樹脂粒子の水性分散体Aにおける固形分含有率は17.5質量%であり、樹脂粒子の水性分散体Aに含まれている樹脂粒子の平均粒子径をレーザー光散乱回折法粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、品番:LS13 320)で測定したところ、当該平均粒子径は約25μmであった。
調製例2
メチルメタクリレート97.5部、2−エチルヘキシルメタクリレート148.4部、ブチルアクリレート10.95部、アクリル酸1.5部、ブチルメタクリレート24.3部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート0.15部およびラウロイルパーオキサイド1.5部を容器内に入れ、撹拌下で混合することにより、単量体成分を得た。
次に、前記で得られた単量体成分に25%ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンBC−10〕水溶液12部および脱イオン水145.5部を添加し、撹拌機で撹拌することにより、分散液を得た。
前記で得られた分散液を1リットル容のセパラブルフラスコ内に仕込み、さらに脱イオン水463.5部を当該フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下で回転速度60rpmにて撹拌しながら当該フラスコ内の内容物を70℃に昇温させることにより、重合反応を開始させた。重合反応の開始後、フラスコ内の内容物は85℃まで発熱した。重合反応の開始時から4.5時間熟成させることにより、樹脂粒子の水性分散体Bを得た。
前記で得られた樹脂粒子の水性分散体Bにおける固形分含有率は18質量%であり、樹脂粒子の水性分散体Bに含まれている樹脂粒子の平均粒子径を調製例1と同様にして測定したところ、当該平均粒子径は約20μmであった。
調製例3
シクロヘキシルメタクリレート148.35部、アクリル酸1.5部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート0.15部およびラウロイルパーオキサイド1.5部を容器内に入れ、撹拌下で混合することにより、単量体成分を得た。
次に、前記で得られた単量体成分に25%ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンBC−10〕水溶液12部および脱イオン水145.5部を添加し、撹拌機で撹拌することにより、分散液を得た。
前記で得られた分散液を1リットル容のセパラブルフラスコ内に仕込み、さらに脱イオン水463.5部を当該フラスコ内に仕込み、窒素雰囲気下で回転速度60rpmにて撹拌しながら当該フラスコ内の内容物を70℃に昇温させることにより、重合反応を開始させた。重合反応の開始後、フラスコ内の内容物は85℃まで発熱した。重合反応の開始時から4.5時間熟成させることにより、樹脂粒子の水性分散体Cを得た。
前記で得られた樹脂粒子の水性分散体Cにおける固形分含有率は17.5質量%であり、樹脂粒子の水性分散体Cに含まれている樹脂粒子の平均粒子径を調製例1と同様にして測定したところ、当該平均粒子径は約50.7μmであった。
実施例1
調製例1で得られた樹脂粒子の水性分散体A5.7g、エタノール79.2gおよび脱イオン水15.1gを容器内に入れて十分に混合し、70℃で1時間加熱することによって樹脂粒子を膨潤させた。前記で得られた混合物を70℃の水300g中に添加した後、当該混合物に含まれている溶媒を真空乾燥によって除去することにより、粉末状の多孔質樹脂粒子を得た。前記で得られた多孔質樹脂粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1に、当該樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真を図2に示す。図1および図2に示された結果から、実施例1で得られた多孔質樹脂粒子は、孔径が100nm程度である孔を複数有するものであることが確認された。また、図2に示された結果から、実施例1で得られた多孔質粒子は、内部が多孔質であり、その外部が非多孔質である多層構造を有することが確認された。
実施例2
実施例1において、樹脂粒子の水性分散体Aの代わりに、調製例2で得られた樹脂粒子の水性分散体Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質樹脂粒子を得た。前記で得られた多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真を図3に示す。図3に示された結果から、実施例2で得られた多孔質樹脂粒子は、孔径が100nm程度である孔を複数有するものであることが確認された。
実施例3
調製例3で得られた樹脂粒子の水性分散体C5.68g、イソプロパノール89.1gおよび脱イオン水5.22gを容器内に入れて十分に混合し、70℃で1時間加熱することによって樹脂粒子を膨潤させた。前記で得られた混合物を70℃の水300g中に添加した後、当該混合物に含まれている溶媒を真空乾燥によって除去することにより、粉末状の多孔質樹脂粒子を得た。前記で得られた多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真を図4に示す。図4に示された結果から、実施例3で得られた多孔質樹脂粒子は、孔径が350nm程度である孔を複数有するものであることが確認された。
以上の結果から、各実施例によれば、多孔質樹脂粒子を効率よくかつ容易に製造することができることがわかる。
実施例4
調製例3で得られた樹脂粒子の水性分散体C5.5g、イソプロパノール79.2gおよび脱イオン水15.3gを容器内に入れて十分に混合し、得られた混合物を50℃で15分間加熱することによって樹脂粒子を加熱し、膨潤させた。この膨潤した樹脂粒子を70℃の水300g中に添加した後、当該混合物に含まれている溶媒を真空乾燥によって除去することにより、粉末状の樹脂粒子を得た。前記で得られた粉末状の多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真を図5に示す。図5に示された結果から、前記多孔質樹脂粒子は、その中心部が非多孔質であり、当該中心部から表面までが多孔質の樹脂粒子であることがわかる。
実施例5
実施例4において、混合物を50℃で60分間加熱したことを除き、実施例4と同様にして樹脂粒子を加熱し、膨潤させた。この膨潤した樹脂粒子を70℃の水300g中に添加した後、当該混合物に含まれている溶媒を真空乾燥によって除去することにより、粉末状の多孔質樹脂粒子を得た。前記で得られた粉末状の多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真を図6に示す。図6に示された結果から、前記多孔質樹脂粒子は、粒子全体が多孔質であることがわかる。
実施例6
実施例4において、混合物を50℃で1時間加熱し、さらに70℃で1時間加熱したことを除き、実施例4と同様にして樹脂粒子を加熱し、膨潤させた。この膨潤した樹脂粒子を70℃の水300g中に添加した後、当該混合物に含まれている溶媒を真空乾燥によって除去することにより、粉末状の多孔質樹脂粒子を得た。前記で得られた粉末状の多孔質樹脂粒子の断面における走査型透過電子顕微鏡写真を図7に示す。図7に示された結果から、前記多孔質樹脂粒子は、その表面に非多孔質層が存在し、その内部が多孔質であることがわかる。
実施例4〜6の結果から、本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によれば、樹脂粒子を加熱し、膨潤させる際の加熱温度、加熱時間などの条件を変更することにより、中心部が非多孔質であり、当該中心部から表面までが多孔質の多孔質樹脂粒子、粒子全体が多孔質である多孔質樹脂粒子、表面に非多孔質層が存在し、その内部が多孔質である多孔質樹脂粒子などの種々の形態を有する多孔質粒子を製造することができることがわかる。
本発明の多孔質樹脂粒子の製造方法によって得られた多孔質樹脂粒子は、例えば、化粧料、光拡散剤、艶消し剤、診断薬、気孔付与剤、吸着剤、軽量化剤、断熱材、断熱塗料、白色顔料、インクジェット受理剤、徐放剤などに使用することが期待されるものである。

Claims (5)

  1. 多孔質樹脂粒子を製造する方法であって、溶媒として樹脂粒子を構成している樹脂に対して膨潤性を有する溶媒を用い、当該溶媒で樹脂粒子を膨潤させた後、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させることを特徴とする多孔質樹脂粒子の製造方法。
  2. 樹脂粒子を構成している樹脂が(メタ)アクリル系樹脂である請求項1に記載の多孔質樹脂粒子の製造方法。
  3. 溶媒がアルコール系溶媒またはアルコール系溶媒と水との混合溶媒である請求項1または2に記載の多孔質樹脂粒子の製造方法。
  4. 溶媒で樹脂粒子を膨潤させる際に、当該溶媒を加熱する請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子の製造方法。
  5. 膨潤した樹脂粒子を貧溶媒と接触させ、当該膨潤した樹脂粒子に含まれる溶媒組成を変化させることにより、膨潤した樹脂粒子の膨潤状態を変化させる請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子の製造方法。
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