JP2014108994A - ポリイミド組成物ワニス、それを用いたフィルム及びポリイミド組成物ワニスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムと、それに用いるポリイミド組成物ワニス及びポリイミド組成物ワニスの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩と、を含む。また、前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、前記有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を1質量部以上100質量部以下含んでもよい。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩と、を含む。また、前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、前記有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を1質量部以上100質量部以下含んでもよい。
【選択図】なし
Description
本発明はポリイミド組成物ワニス、それを用いたフィルム及びポリイミド組成物ワニスの製造方法に関する。特に、光学特性、寸法安定性、耐熱分解性に優れたフィルムと、それに用いるポリイミド組成物ワニス及びポリイミド組成物ワニスの製造方法に関する。
ガラス基板に代わり透明プラスチックフィルムを基板とした各種フレキシブルデバイスの研究が盛んに行われている。例えば、フレキシブル有機ELディスプレイ、フィルム型太陽電池、電子ペーパーなどが挙げられる。これらのデバイスの製造プロセス上、高い耐熱性と寸法安定性が求められている。
半芳香族ポリイミドあるいは全脂肪族ポリイミドは無色透明性に優れ、耐熱性も良好であることから、フレキシブルデバイス用の基材として研究されている。また、寸法安定性の向上を目的として、ポリイミドと無機層状化合物との複合化が研究され、報告されている。
しかしながら、これらの報告の殆どは無色透明性と寸法安定性にのみ着目しており、耐熱分解性、特に加熱質量減少については言及していない。実際のデバイスの製造工程では高温下での真空工程を経ることになるため、真空系を汚染しない材料の開発が強く求められている。
例えば、特許文献1には、ポリイミドと有機オニウムイオンと層状珪酸塩とからなる複合材料が提案されている。しかし、特許文献1は、バリア性については言及されているものの、耐熱分解性や透明性については記載されていない。また、変性剤としてアルキルアンモニウムイオンを用いる当該技術は、耐熱分解性が不十分であった。
特許文献2には、ポリイミドと合成粘土鉱物からなるフィルムが提案されている。しかし、特許文献1と同様に、変性剤としてアルキルアンモニウムを用いる技術では、耐熱分解性が不十分であった。特許文献2は透明性について言及しているが、開示された技術では層状珪酸塩添加前後の透明性の維持が不十分であった。これは層状珪酸塩がナノオーダーに分散していないためである。
特許文献3には、樹脂(含ポリイミド)と層状珪酸塩からなる光通信用樹脂組成物が提案されている。また、特許文献4にはポリイミドと有機オニウムイオンで処理された層状珪酸塩からなるポリイミド複合フィルムが提案されている。しかし、何れの文献も層状珪酸塩の変性剤としてアルキルアンモニウムを用いる技術であり、耐熱分解性が不十分であった。
特許文献5には、モノマー溶液中に有機オニウムイオンで処理した層状珪酸塩を分散させてポリアミド酸を重合し、イミド化した複合体が提案されている。しかし、特許文献5では、重合が進行するに伴い溶液全体の粘度が上昇するため、重合前は分散していた粘土が分散中に凝集する傾向にある。このような傾向は、粘土含量を多くすると顕著となり、粘土含量増加に伴う透明性の悪化(ヘイズの悪化)がこれを示唆している。したがって、これらの従来技術では、光学特性、耐熱性、寸歩安定性および耐熱分解性に優れた複合材料を得ることは困難であった。
本発明は、上述の問題を解決するものであって、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムと、それに用いるポリイミド組成物ワニス及びポリイミド組成物ワニスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩と、を含むポリイミド組成物ワニスが提供される。
本発明の一実施形態に係るポリイミド組成物ワニスは、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することができる。
前記ポリイミド組成物ワニスにおいて、前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、前記有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を1質量部以上100質量部以下含んでもよい。
本発明の一実施形態に係るポリイミド組成物ワニスは、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することができる。
前記ポリイミド組成物ワニスにおいて、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドから選択される1種類以上の有機溶媒をさらに含んでもよい。
本発明の一実施形態に係るポリイミド組成物ワニスは、前記有機溶媒を用いることにより、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に、有機化層状珪酸塩を均一に分散させることができる。
前記ポリイミド組成物ワニスにおいて、前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、前記有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩との含有量の合計が、3質量部以上40質量部以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係るポリイミド組成物ワニスは、前記含有量の合計とすることにより、均一に分散したポリイミド組成物ワニスとすることができる。
また、本発明の一実施形態によると、前記何れかに記載のポリイミド組成物ワニスを用いて形成したフィルムが提供される。
本発明の一実施形態に係るフィルムは、前記ポリイミド組成物ワニスを用いて形成することにより、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに優れた耐熱分解性を備えることができる。
前記フィルムは、400nmにおける光線透過率が80%以上、ヘイズが5%以下であり、100℃以上300℃以下での線膨張係数が30ppm/K以下、350℃における加熱質量減少が150℃基準に対して0.5%以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係るフィルムは、これらの光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに優れた耐熱分解性を備えることができる。
また、本発明の一実施形態によると、水に層状珪酸塩を加熱しながら分散して分散液を調製し、前記分散液に有機ホスホニウムイオンを添加して攪拌し、固液分離して上澄み液を除去し、水とエタノールとの混合溶液を加えて攪拌して、固液分離して上澄み液を除去して、有機化層状珪酸塩を得て、得られた前記有機化層状珪酸塩に有機溶媒を添加し、攪拌して有機化層状珪酸塩の分散液を調製し、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に前記有機化層状珪酸塩分散液を添加して、混合するポリイミド組成物ワニスの製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る製造方法は、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することが可能なポリイミド組成物ワニスを製造することができる。
前記ポリイミド組成物ワニスの製造方法において、前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下となるように、前記有機化層状珪酸塩を添加して、混合してもよい。
本発明の一実施形態に係る製造方法は、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することが可能なポリイミド組成物ワニスを製造することができる。
前記ポリイミド組成物ワニスの製造方法において、前記有機溶媒は、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドから選択される1種類以上であってもよい。
本発明の一実施形態に係る製造方法は、前記有機溶媒を用いることにより、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に、有機化層状珪酸塩を均一に分散させることができる。
前記ポリイミド組成物ワニスの製造方法において、前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、前記有機化層状珪酸塩との含有量の合計が、3質量部以上40質量部以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係る製造方法は、前記含有量の合計とすることにより、均一に分散したポリイミド組成物ワニスを製造することができる。
本発明によると、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムと、それに用いるポリイミド組成物ワニス及びポリイミド組成物ワニスの製造方法を提供することができる。
上述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、ポリイミドに、従来用いられなかった有機ホスホニウムイオンを用いて処理した層状珪酸塩を分散させたポリイミド組成物ワニスが、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明に係るポリイミド組成物ワニス、それを用いたフィルム及びポリイミド組成物ワニスの製造方法について説明する。但し、本発明のポリイミド組成物ワニス、それを用いたフィルム及びポリイミド組成物ワニスの製造方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩と、を含む。本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を均一に分散させることにより、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することができる。
本発明に係るポリイミド組成物ワニスに利用可能なポリイミドは、例えば、脂肪族テトラカルボン酸またはその誘導体とジアミンとを反応させることにより得られるポリイミドである。脂肪族テトラカルボン酸またはその誘導体としては、脂肪族テトラカルボン酸、脂肪族テトラカルボン酸エステル類、脂肪族テトラカルボン酸二無水物などを例示することができ、好ましくは脂肪族テトラカルボン酸二無水物である。ジアミンとしては、脂肪族ジアミンまたは芳香族ジアミンであり、それらの混合物であってもよい。以下に、例示する物質に限定されるものではない。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などを例示することができ、このましくは1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物である。これらの脂肪族テトラカルボン酸二無水物は、単独あるいは二種以上混合して使用することもできるが、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物を単独で用いるのが好ましい。
脂肪族ジアミンとしては、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ノルボルナンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、メタキシリレンジアミン、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、ビシクロヘキシルジアミン、シロキサンジアミン、トランス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、3(4),8(9),−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、2,5(6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン類などを例示することができる。これらのジアミンは、単独あるいは二種以上混合して使用してもよい。特に、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン等の脂環構造を有するジアミンは、高分子量化が容易で、耐熱性に優れるため、好適に用いることができる。これらのジアミンは、単独あるいは二種以上混合して使用してもよい。
芳香族ジアミンとしては、オキシジアニリン、ジアミノジフェニルメタン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、ジメチルベンジジン、ジメトキシベンジジン、ジアミノジフェニルスルフィド、ジアミノジフェニルスルホキシド、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(2−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ベンジジン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、o−トリジン、m−トリジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、p−ターフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィドなどを例示することができる。これらのジアミンは、単独あるいは二種以上混合して使用してもよい。
また、本発明に係るポリイミド組成物ワニスに利用可能なポリイミドは、ピロメリット酸二無水物及び9,9−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)フルオレン−ビス(トリメリテートアンハイドライド)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)及びイソホロンジアミンをイミド化反応して得られるポリイミド共重合体であってもよい。
本発明に係るポリイミド組成物ワニスに利用可能な有機ホスホニウムイオンとしては、例えば、総炭素数が4〜100であるアルキル鎖を少なくとも1つ有するテトラアルキルホスホニウム塩が挙げられる。テトラアルキルホスホニウム塩は、総炭素数が6〜50であるアルキル鎖を少なくとも1つ有することがより好ましく、総炭素数が8〜36であるアルキル鎖を少なくとも1つ有することが更に好ましい。アルキル鎖は、直鎖アルキル基であっても分岐アルキル基であってもよい。
テトラアルキルホスホニウム塩の置換基として好ましい分岐アルキル鎖は、例えば、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルイコシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基などが挙げられる。好ましくは2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルイコシル基など2位で分岐したアルキル鎖であり、さらに好ましくは2−ヘキサデシルイコシル基である。
また、これらの分岐アルキル鎖は、アルキル基の一部に不飽和結合(二重結合や三重結合)、エステル基、アミド基、エーテル基、フェニレン基などを含んでもよい。総炭素数が9以上の分岐アルキル鎖を有するテトラアルキルホスホニウム塩は、単独で使用してもよく、また複数を組み合わせてもよい。分岐アルキル鎖の数は特に限定されないが、1つであることが好ましい。
テトラアルキルホスホニウム塩として、リン原子に長鎖アルキル基が3本結合している化合物を用いることができる。3本の長鎖アルキル基を有するテトラアルキルホスホニウム塩の場合、各々のアルキル鎖の炭素数は4〜100であることが好ましく、6〜50であることがより好ましく、8〜36であることがさらに好ましい。
テトラアルキルホスホニウム塩の例としては、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアイオダイド、トリブチルオクチルホスホニウムブロマイド、トリブチルドデシルホスホニウムブロマイド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリオクチルエチルホスホニウムブロマイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、トリブチルメチルホスホニウムアイオダイド、トリブチルアリルホスホニウムブロマイド、トリブチルベンジルホスホニウムクロライド、トリオクチルビニルベンジルホスホニウムクロライド、トリブチル2−メチルアリルホスホニウムクロライド、トリオクチル2−メチルアリルホスホニウムクロライド、ジメチルジオクタデシルホスホニウムクロライド、ジメチルジオクタデシルホスホニウムブロマイド、ジメチルオクタデシルベンジルホスホニウムクロライド、ジメチルオクタデシルベンジルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルブチルホスホニウムブロマイド、ビス(ヒドロキシプロピル)オクタデシルイソブチルホスホニウムクロライド、トリフェニルカルボキシエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルカルボキシペンチルホスホニウムブロマイド等を挙げることができる。
また、本発明に係るポリイミド組成物ワニスに利用可能な層状珪酸塩は、例えば、膨潤性及び/又は劈開性を有する粘土鉱物やハイドロタルサイト類化合物及びその類似化合物が特に好ましい。これら粘土鉱物としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を例示することができる。層状珪酸塩は、天然物であっても合成物であってもよい。また、これらの層状珪酸塩は単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
層状珪酸塩の形状は、特に限定されるものではないが、層状珪酸塩が多層に重なっていると有機化した後に劈開することが困難になることから、親有機化されていない層状珪酸塩の厚さは、可能な限り1層における厚み(約1nm)であることが好ましい。また、平均長さは0.01〜50μm、好ましくは0.05〜10μm、アスペクト比は20〜500、好ましくは50〜200である。
層状珪酸塩は、層間にイオン交換可能な無機カチオンを有する。イオン交換可能な無機カチオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの金属イオンが挙げられる。これらのイオンを有することにより、層状珪酸塩はカチオン性物質とのイオン交換性を有し、有機ホスホニウムイオンを層間に挿入(インターカレート)することができる。
層状珪酸塩のカチオン交換容量(CEC)は、特に限定されるものではないが、10〜200meq/100gであることが好ましく、50〜150meq/100gであることがより好ましく、90〜130meq/100gであることがさらに好ましい。層状珪酸塩のカチオン交換容量が10meq/100g未満であると、イオン交換により層状珪酸塩の層間に挿入(インターカレート)される有機ホスホニウムイオンの量が少なくなるために、層間が十分に親有機化されない。一方、カチオン交換容量が200meq/100gを超えると、層状珪酸塩の層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離しにくくなる。
また、層状珪酸塩は合成物であってもよく、例えば、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素及びカーボンの微粉末原料を混合し、中性あるいは還元性雰囲気中で、1000℃で加熱することにより得ることができる。本発明に係るポリイミド組成物ワニスに用いる人工の層状珪酸塩は、これに限定されず、公知のものを用いることができる。
本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、上述したポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を1質量部以上100質量部以下含む。より好ましくは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、有機化層状珪酸塩を5質量部以上75質量部以下含む。本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、このような組成を有することにより、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することができる。
また、本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドから選択される1種類以上の有機溶媒をさらに含む。これらの溶媒は2種類以上混合して用いてもよい。一実施形態において、これらの有機溶媒は、ポリイミドの合成や、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に、有機化層状珪酸塩を分散させる溶媒として好適に用いることができる。これらの有機溶媒を用いることにより、有機化層状珪酸塩をポリイミドまたはポリイミド前駆体に均一に分散させることができる。
一実施形態において、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩との含有量の合計は、ポリイミド組成物ワニス全量に対して、3質量部以上40質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、5質量部以上20質量部以下である。ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機化層状珪酸塩との含有量の合計が3質量部未満であると、出来上がるポリイミド組成物ワニスの粘度が低すぎて、膜厚みなどの安定したフィルムを得ることが出来ないため好ましくない。また、40質量部を超えると、出来上がるポリイミドワニスの粘度が高すぎて、表面状態などの安定したフィルムを得ることが出来ないため好ましくない。本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機化層状珪酸塩との含有量の合計が上記範囲にあることにより、均一に分散したポリイミド組成物ワニスとすることができる。
(ポリイミド組成物ワニスの製造方法)
上述した本発明に係るポリイミド組成物ワニスの製造方法について、以下に説明する。一実施形態において、本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機化層状珪酸塩分散液とを均一に混合することにより得られる。例えば、水(例えば、蒸留水や超純水)に層状珪酸塩を加熱しながら分散して分散液を調製する。この分散液に有機ホスホニウムイオンを添加して攪拌し、固液分離して上澄み液を除去する。得られたゲル状物に水とエタノールとの混合溶液を加えて攪拌して、再び固液分離して上澄み液を除去することにより、有機化層状珪酸塩のゲル状物を得ることができる。このゲル状物に更に水とエタノールの混合溶液を加えて撹拌、固液分離して上澄み液を除去する作業を、上澄み液のナトリウムイオン濃度が測定限界以下になるまで繰り返し、有機化層状珪酸塩ゲル状物を得ることが出来る。
上述した本発明に係るポリイミド組成物ワニスの製造方法について、以下に説明する。一実施形態において、本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機化層状珪酸塩分散液とを均一に混合することにより得られる。例えば、水(例えば、蒸留水や超純水)に層状珪酸塩を加熱しながら分散して分散液を調製する。この分散液に有機ホスホニウムイオンを添加して攪拌し、固液分離して上澄み液を除去する。得られたゲル状物に水とエタノールとの混合溶液を加えて攪拌して、再び固液分離して上澄み液を除去することにより、有機化層状珪酸塩のゲル状物を得ることができる。このゲル状物に更に水とエタノールの混合溶液を加えて撹拌、固液分離して上澄み液を除去する作業を、上澄み液のナトリウムイオン濃度が測定限界以下になるまで繰り返し、有機化層状珪酸塩ゲル状物を得ることが出来る。
得られた有機化層状珪酸塩ゲル状物に有機溶媒を添加し、攪拌して有機化層状珪酸塩の分散液を調製する。ポリイミドまたはポリイミド前駆体を含有したワニスに有機化層状珪酸塩分散液を添加して、混合する。このとき、有機化層状珪酸塩がポリイミドまたはポリイミド前駆体に均一に分散するように混合する。なお、ポリイミドは、上述した脂肪族テトラカルボン酸またはその誘導体とジアミンとを反応させることにより得られ、反応時の溶媒として、上述した有機溶媒を用いる。
一実施形態において、ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下となるように、有機化層状珪酸塩を添加して、混合する。より好ましくは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、有機化層状珪酸塩を5質量部以上75質量部以下となるように、添加して、混合する。また、ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機化層状珪酸塩との含有量の合計が、ポリイミド組成物ワニス全量に対して、3質量部以上40質量部以下となるよう調製することが好ましい。より好ましくは、5質量部以上20質量部以下である。
以上説明したように本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を均一に分散させることにより、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れるフィルムを形成することができる。
(フィルム)
上述した本発明に係るポリイミド組成物ワニスを用いてフィルムを形成することができる。例えば、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に均一に有機化層状珪酸塩が分散した本発明に係るポリイミド組成物ワニスを基板上に塗布し、加熱することにより成膜することができる。
上述した本発明に係るポリイミド組成物ワニスを用いてフィルムを形成することができる。例えば、ポリイミドまたはポリイミド前駆体に均一に有機化層状珪酸塩が分散した本発明に係るポリイミド組成物ワニスを基板上に塗布し、加熱することにより成膜することができる。
本発明に係るフィルムは、400nmにおける光線透過率が80%以上、ヘイズが5%以下であり、100℃以上300℃以下での線膨張係数が30ppm/K以下、350℃における加熱質量減少が150℃基準に対して0.5%以下の特性を有する。400nmにおける光線透過率が80%未満、またヘイズが5%を超えるようであれば、得られたフィルムは光学特性に優れているとは言えず、ガラス基板代替を実現することは不可能である。100℃以上300℃以下での線膨張係数が30ppm/Kを超えると、もはや電子材料用の基板として用いるのは不可能である。350℃における加熱質量減少が150℃基準に対して0.5%を超えると、デバイスの製造工程において真空系を汚染してしまうため、安定的な生産を阻害することになるので、このフィルムの使用は不可能である。
従来のアルキルアンモニウム塩あるいはアルキルイミダゾリウム塩で有機化した層状珪酸塩を用いたポリイミドフィルムは、無色透明性と寸法安定性にのみ着目し、耐熱分解性、特に加熱質量減少について十分な検討をしていなかった。従って、従来のポリイミド組成物ワニスは耐熱分解性に劣り、デバイスの製造工程で真空系を汚染していた。これに対し、本発明に係るポリイミド組成物ワニスは、光学特性、耐熱性、寸法安定性に優れながら、さらに耐熱分解性に優れる本発明に係るフィルムを提供することができ、ガラス基板に代わり透明プラスチックフィルムを基板とした各種フレキシブルデバイス、例えばフレキシブル有機ELディスプレイ、フィルム型太陽電池、電子ペーパーなどに適用することができる。
本発明に係るポリイミド組成物ワニスについて、具体例を挙げてさらに説明する。
(A.ポリイミドあるいはポリイミド前駆体ワニス)
(A−1)
温度計、撹拌器、窒素導入環、分留器付き冷却管を備えた500mLの5つ口フラスコに、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン(和光純薬製)21.14g(0.1モル)と有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学製)54.54gおよびN,N−ジメチルアセトアミド(キシダ化学製)13.60gを入れて溶解し、氷水バスを用いて5℃に冷却した。同温に保ちながら、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(岩谷瓦斯製)22.62g(0.1モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン(東京化成製)0.50g(0.005モル)を一括で添加した。130℃まで昇温し、30分程撹拌することにより、生成した塊状の塩が均一に溶解した。その後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら6時間還流を行い、200℃まで昇温して反応を終了し、内温が100℃になるまで空冷した。希釈溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを加え、撹拌しながら冷却し、濃度10質量%のポリイミドワニス(A−1)を得た。
(A−1)
温度計、撹拌器、窒素導入環、分留器付き冷却管を備えた500mLの5つ口フラスコに、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン(和光純薬製)21.14g(0.1モル)と有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(キシダ化学製)54.54gおよびN,N−ジメチルアセトアミド(キシダ化学製)13.60gを入れて溶解し、氷水バスを用いて5℃に冷却した。同温に保ちながら、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(岩谷瓦斯製)22.62g(0.1モル)およびイミド化触媒としてトリエチルアミン(東京化成製)0.50g(0.005モル)を一括で添加した。130℃まで昇温し、30分程撹拌することにより、生成した塊状の塩が均一に溶解した。その後、180℃に昇温し、随時留出液を留去させながら6時間還流を行い、200℃まで昇温して反応を終了し、内温が100℃になるまで空冷した。希釈溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを加え、撹拌しながら冷却し、濃度10質量%のポリイミドワニス(A−1)を得た。
(A−2)
300mLセパラブルフラスコに、窒素気流下、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(岩谷瓦斯製)13.45g(60mmol)、γ−ブチロラクトン45g、ピリジン(和光純薬製)0.95g(12mmol)を加え、系内の温度を80〜90℃まで上昇させ、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が完全に溶けるまで攪拌した。完全溶解したのを確認後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)(JFEケミカル製)12.0g(60mmol)を加えた。その後、トルエン35gを滴下し、同時に反応により生成した水をトルエンとの共沸を利用して系外に除去した。共沸が始まって3時間後、末端封止剤を投入し、1時間反応を続け、その後内温が100℃になるまで空冷した。希釈溶媒としてγ−ブチロラクトンを加え、撹拌しながら冷却し、濃度10質量%のポリイミドワニス(A−2)を得た。
300mLセパラブルフラスコに、窒素気流下、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(岩谷瓦斯製)13.45g(60mmol)、γ−ブチロラクトン45g、ピリジン(和光純薬製)0.95g(12mmol)を加え、系内の温度を80〜90℃まで上昇させ、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が完全に溶けるまで攪拌した。完全溶解したのを確認後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)(JFEケミカル製)12.0g(60mmol)を加えた。その後、トルエン35gを滴下し、同時に反応により生成した水をトルエンとの共沸を利用して系外に除去した。共沸が始まって3時間後、末端封止剤を投入し、1時間反応を続け、その後内温が100℃になるまで空冷した。希釈溶媒としてγ−ブチロラクトンを加え、撹拌しながら冷却し、濃度10質量%のポリイミドワニス(A−2)を得た。
(A−3)
十分に乾燥させた攪拌機付密閉反応容器中に4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(9.5mmol)およびイソホロンジアミン(0.5mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、この溶液にピロメリット酸二無水物粉末(10mmol)を徐々に加え、室温で2時間撹拌し透明で粘稠な濃度10質量%ポリイミド前駆体ワニス(A−3)を得た。
十分に乾燥させた攪拌機付密閉反応容器中に4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)(9.5mmol)およびイソホロンジアミン(0.5mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、この溶液にピロメリット酸二無水物粉末(10mmol)を徐々に加え、室温で2時間撹拌し透明で粘稠な濃度10質量%ポリイミド前駆体ワニス(A−3)を得た。
(B.有機化層状珪酸塩分散液)
(B−1)
層状珪酸塩として合成サポナイト(クニミネ工業製、スメクトンSA)10gを蒸留水1000g中に加え、温度70℃に加熱しながらマグネチックスターラーで分散および膨潤させて分散液を得た。次に、分散液に市販のヘキシルトリフェニルホスホニウムブロミド(東京化成工業製)10.68gを添加して、更に2時間攪拌した。その後、10000回転で15分間遠心分離機にかけて固液分離をおこなった。分離した上澄み液を除去した後、全体の重量が500cm3になるように蒸留水/エタノール=40/60の混合溶液を加えて攪拌した。攪拌後に再び遠心分離機により上記条件で固液分離を行い、分離された上澄み液を再び除去した。以上の攪拌と遠心分離を上澄み液のナトリウムイオン濃度が1ppm以下になるまで繰り返し行った。以上の操作で得られた固形物は、固形分10%の水とエタノールを含んだゲル状のヘキシルトリフェニルホスホニウム修飾層状珪酸塩であった。
(B−1)
層状珪酸塩として合成サポナイト(クニミネ工業製、スメクトンSA)10gを蒸留水1000g中に加え、温度70℃に加熱しながらマグネチックスターラーで分散および膨潤させて分散液を得た。次に、分散液に市販のヘキシルトリフェニルホスホニウムブロミド(東京化成工業製)10.68gを添加して、更に2時間攪拌した。その後、10000回転で15分間遠心分離機にかけて固液分離をおこなった。分離した上澄み液を除去した後、全体の重量が500cm3になるように蒸留水/エタノール=40/60の混合溶液を加えて攪拌した。攪拌後に再び遠心分離機により上記条件で固液分離を行い、分離された上澄み液を再び除去した。以上の攪拌と遠心分離を上澄み液のナトリウムイオン濃度が1ppm以下になるまで繰り返し行った。以上の操作で得られた固形物は、固形分10%の水とエタノールを含んだゲル状のヘキシルトリフェニルホスホニウム修飾層状珪酸塩であった。
次に、上記で得られた固形分10%の水とエタノールを含んだゲル状のヘキシルトリフェニルホスホニウム修飾層状珪酸塩50gにγ−ブチロラクトン50gを加え、エースホモジナイザー「AM−001」(日本精機製作所製)を用い、5000rpmの回転数で60分間攪拌し、均一な分散液を得た。得られた分散液を減圧下で撹拌を行いながら水とエタノールを留去することによって、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−1)50gを得た。
(B−2)
ヘキシルトリフェニルフォスホニウムブロミドの代わりにトリオクチルメチルフォスホニウムブロミド(東京化成工業製)を用いること以外は(B−1)の調整と同様の操作を行い、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−2)50gを得た。
ヘキシルトリフェニルフォスホニウムブロミドの代わりにトリオクチルメチルフォスホニウムブロミド(東京化成工業製)を用いること以外は(B−1)の調整と同様の操作を行い、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−2)50gを得た。
(B−3)
ヘキシルトリフェニルフォスホニウムブロミドの代わりにトリオクチルメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業製)を用いること以外は(B−1)の調整と同様の操作を行い、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−3)50gを得た。
ヘキシルトリフェニルフォスホニウムブロミドの代わりにトリオクチルメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業製)を用いること以外は(B−1)の調整と同様の操作を行い、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−3)50gを得た。
(B−4)
トリオクチルメチルアンモニウム塩を用いて有機化処理された合成スメクタイト(コープケミカル製、STN)5gにγ−ブチロラクトン45gを加え、エースホモジナイザー「AM−001」(日本精機製作所製)を用い5000rpmの回転数で60分間攪拌し、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−4)を得た。
トリオクチルメチルアンモニウム塩を用いて有機化処理された合成スメクタイト(コープケミカル製、STN)5gにγ−ブチロラクトン45gを加え、エースホモジナイザー「AM−001」(日本精機製作所製)を用い5000rpmの回転数で60分間攪拌し、10%有機化層状珪酸塩分散液(B−4)を得た。
(実施例1)
ポリイミドワニス(A−1)20gに対して有機化層状珪酸塩分散液(B−1)を5g添加し、エースホモジナイザー「AM−001」(日本精機製作所製)を用い5000rpmの回転数で60分間攪拌し、均一な溶液を得た。この溶液をガラス支持基板に展開、塗布し、窒素ガス置換型オーブンで、100℃で30分間予備乾燥を行った後、350℃まで昇温し、60分間保持して成膜した。冷却後、ガラス支持基板から剥離して厚さ15μmのフィルムを得た。
ポリイミドワニス(A−1)20gに対して有機化層状珪酸塩分散液(B−1)を5g添加し、エースホモジナイザー「AM−001」(日本精機製作所製)を用い5000rpmの回転数で60分間攪拌し、均一な溶液を得た。この溶液をガラス支持基板に展開、塗布し、窒素ガス置換型オーブンで、100℃で30分間予備乾燥を行った後、350℃まで昇温し、60分間保持して成膜した。冷却後、ガラス支持基板から剥離して厚さ15μmのフィルムを得た。
(実施例2〜5及び比較例1〜5)
ポリイミドワニス(A−1)〜(A−3)と、有機化層状珪酸塩分散液(B−1)〜(B−4)とを、表1〜表3に示した組成で混合し、実施例1と同様の手順でフィルムを成膜した。
ポリイミドワニス(A−1)〜(A−3)と、有機化層状珪酸塩分散液(B−1)〜(B−4)とを、表1〜表3に示した組成で混合し、実施例1と同様の手順でフィルムを成膜した。
(実施例6及び比較例6〜7)
(A)ポリイミドワニスと(B)有機化層状珪酸塩分散液を表1〜表3に示した種類と分量を用い、実施例1と同様の手順で均一な溶液をガラス支持基板に展開、塗布した。その後、60℃のホットプレート上で予備乾燥を行った後に、窒素ガス置換型オーブンに移し、室温から350℃まで昇温し60分間保持して成膜した。冷却後、ガラス支持基板から剥離して厚さ15μmのフィルムを得た。
(A)ポリイミドワニスと(B)有機化層状珪酸塩分散液を表1〜表3に示した種類と分量を用い、実施例1と同様の手順で均一な溶液をガラス支持基板に展開、塗布した。その後、60℃のホットプレート上で予備乾燥を行った後に、窒素ガス置換型オーブンに移し、室温から350℃まで昇温し60分間保持して成膜した。冷却後、ガラス支持基板から剥離して厚さ15μmのフィルムを得た。
実施例及び比較例について、耐熱分解性、寸法安定性、400nmにおける光線透過率及びヘイズを評価した。
(耐熱分解性)
耐熱分解性の評価は、セイコーインスツルメント(株)製 EXSTAR TG/DTA6200を用いて、窒素雰囲気下、1分間に10℃の割合で室温から600℃まで昇温させ、150℃における質量を基準として、400℃における質量減少率を求めることにより行った。
耐熱分解性の評価は、セイコーインスツルメント(株)製 EXSTAR TG/DTA6200を用いて、窒素雰囲気下、1分間に10℃の割合で室温から600℃まで昇温させ、150℃における質量を基準として、400℃における質量減少率を求めることにより行った。
(寸法安定性)
寸法安定性の評価は、リガク(株)製 TMA8310を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で室温から400℃まで昇温させ、荷重45mN、引っ張りモードで寸法変化を測定し、100℃から300℃の温度範囲における線膨張係数を算出することにより行った。
寸法安定性の評価は、リガク(株)製 TMA8310を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で室温から400℃まで昇温させ、荷重45mN、引っ張りモードで寸法変化を測定し、100℃から300℃の温度範囲における線膨張係数を算出することにより行った。
(光線透過率)
光線透過率(400nm)の評価は、島津製作所(株)製 分光光度計UV−2200(積分球付き)を用い、400nmの波長範囲における光線透過率を測定することにより行った。
光線透過率(400nm)の評価は、島津製作所(株)製 分光光度計UV−2200(積分球付き)を用い、400nmの波長範囲における光線透過率を測定することにより行った。
(ヘイズ)
ヘイズの評価は、島津製作所(株)製 分光光度計UV−2200(積分球付き)を用い、380nmから780nmの波長範囲における全光線透過率(Tt)および拡散透過率(Td)を測定し、次の式に従いヘイズを算出することにより行った。
ヘイズ(%) = Td/Tt×100
ヘイズの評価は、島津製作所(株)製 分光光度計UV−2200(積分球付き)を用い、380nmから780nmの波長範囲における全光線透過率(Tt)および拡散透過率(Td)を測定し、次の式に従いヘイズを算出することにより行った。
ヘイズ(%) = Td/Tt×100
表1に示した実施例1及び2と比較例1〜3は、同量のポリイミドワニス(A−1)に対して、異なる種類の有機化層状珪酸塩分散液(B−1)〜(B−4)を分散させて形成したフィルムの結果である。実施例1及び2は、耐熱分解性、寸法安定性、400nmにおける光線透過率及びヘイズの何れも良好な結果を示した。ポリイミドワニス(A−1)のみで形成した比較例1のフィルムは、寸法安定性が著しく劣ることがわかる。トリオクチルメチルアンモニウム塩を用いて有機化処理した有機化層状珪酸塩分散液(B−3)を用いた比較例2及び(B−4)を用いた比較例3は、耐熱分解性が著しく低下し、寸法安定性も劣ることがわかる。また、これらの比較例では、ヘイズも低下した。
表2に示した実施例3及び4は、実施例1及び2と同量のポリイミドワニス(A−1)に対して、異なる量の有機化層状珪酸塩分散液(B−1)を分散させて形成したフィルムの結果である。有機化層状珪酸塩分散液(B−1)の添加量の少ない実施例3では寸法安定性が低下する。有機化層状珪酸塩分散液(B−1)の添加量の多い実施例4では寸法安定性が向上したものの、ヘイズが低下した。
表2に示した実施例5と比較例4及び5は、同量のポリイミドワニス(A−2)に対して、異なる種類の有機化層状珪酸塩分散液(B−3)を分散させて形成したフィルムの結果である。実施例5においても、耐熱分解性、寸法安定性、400nmにおける光線透過率及びヘイズの何れも良好な結果を示した。一方、ポリイミドワニス(A−2)のみで形成した比較例4のフィルムは、寸法安定性が著しく劣ることがわかる。また、トリオクチルメチルアンモニウム塩を用いて有機化処理した有機化層状珪酸塩分散液(B−3)を用いた比較例5は、耐熱分解性が著しく低下し、寸法安定性も劣ることがわかる。また、比較例5ではヘイズも低下した。
表3に示した実施例6と比較例6及び7は、同量のポリイミドワニス(A−3)に対して、異なる種類の有機化層状珪酸塩分散液(B−3)を分散させて形成したフィルムの結果である。実施例6においても、耐熱分解性、寸法安定性、400nmにおける光線透過率及びヘイズの何れも良好な結果を示した。一方、ポリイミドワニス(A−3)のみで形成した比較例6のフィルムは、寸法安定性が著しく劣ることがわかる。また、トリオクチルメチルアンモニウム塩を用いて有機化処理した有機化層状珪酸塩分散液(B−3)を用いた比較例7は、耐熱分解性が著しく低下し、寸法安定性も劣ることがわかる。また、比較例7ではヘイズも低下した。
以上説明したように、本発明に係るポリイミド組成物ワニスを用いて形成したフィルムは、耐熱分解性、寸法安定性、400nmにおける光線透過率及びヘイズの何れも従来に比して優れた特性を有することが実証された。
Claims (10)
- ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩と、を含むことを特徴とするポリイミド組成物ワニス。
- 前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、前記有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩を1質量部以上100質量部以下含むことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド組成物ワニス。
- γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドから選択される1種類以上の有機溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリイミド組成物ワニス。
- 前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、前記有機ホスホニウムイオンで層間イオンが交換された有機化層状珪酸塩との含有量の合計が、3質量部以上40質量部以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミド組成物ワニス。
- 請求項1乃至4の何れか一に記載のポリイミド組成物ワニスを用いて形成したことを特徴とするフィルム。
- 400nmにおける光線透過率が80%以上、ヘイズが5%以下であり、100℃以上300℃以下での線膨張係数が30ppm/K以下、350℃における加熱質量減少が150℃基準に対して0.5%以下であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム。
- 水に層状珪酸塩を加熱しながら分散して分散液を調製し、
前記分散液に有機ホスホニウムイオンを添加して攪拌し、固液分離して上澄み液を除去し、水とエタノールとの混合溶液を加えて攪拌して、固液分離して上澄み液を除去して、有機化層状珪酸塩を得て、
得られた前記有機化層状珪酸塩に有機溶媒を添加し、攪拌して有機化層状珪酸塩の分散液を調製し、
ポリイミドまたはポリイミド前駆体に前記有機化層状珪酸塩分散液を添加して、混合することを特徴とするポリイミド組成物ワニスの製造方法。 - 前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下となるように、前記有機化層状珪酸塩を添加して、混合することを特徴とする請求項7に記載のポリイミド組成物ワニスの製造方法。
- 前記有機溶媒は、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドから選択される1種類以上であることを特徴とする請求項7または8に記載のポリイミド組成物ワニスの製造方法。
- 前記ポリイミドまたはポリイミド前駆体と、前記有機化層状珪酸塩との含有量の合計が、3質量部以上40質量部以下であることを特徴とする請求項7乃至9の何れか一に記載のポリイミド組成物ワニスの製造方法。
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