JP2014108947A - アミノ酸含有免疫調整剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然免疫系と獲得免疫系の両方の免疫状態を著しく改善または増強する安全な免疫調整剤を提供すること。
【解決手段】飢餓状態の生体に投与される、イソロイシンと、アジュバントおよび/またはイソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸を含む免疫調整剤。当該免疫調整剤は、さらにトレハロースや乳酸菌を含んでいてもよい。前記アジュバンドとしては、たとえばセラミック化ホッキ貝粉末、イカキチンおよびPoly(I:C)が挙げられる。このような免疫調整剤は、医薬組成物の有効成分として、または乳酸菌食品への添加物として使用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アミノ酸含有免疫調整剤に関する。より詳しくは、飢餓状態の生体に投与されるイソロイシンおよび他の成分を含有する免疫調整剤に関する。
ヒトを含む有顎動物、脊椎動物は、自然免疫系と獲得免疫系という2つの異なる免疫システムを持つ。自然免疫系は、先天的に備わる抗原非特異的な免疫反応であり、例えば、好中球やマクロファージによる細菌の貪食作用等が典型的に挙げられる。これに対して獲得免疫系は、一度感作された抗原に対する免疫記憶により、2回目以降の感作において、強力な免疫反応が誘導される抗原特異的な免疫反応であり、例えば、T細胞やB細胞を介した抗原抗体反応等が典型的に挙げられる。
それぞれの免疫系は独立して働くものではなく、両免疫系のクロストークを介して協調的に働くことで疾病の予防および改善ならびに健康増進等の効果が最大限に発揮される。したがって、世界中の研究者が、この両免疫系を結ぶクロストークを調節することにより、自然免疫系および獲得免疫系の両方の免疫状態を著しく改善または増強する物質および方法を探索している。
近年、ザスロフらは分岐鎖アミノ酸の1種であるイソロイシンが抗菌ペプチドを誘導することを発見し、アミノ酸が自然免疫を活性化させる可能性を示唆した(非特許文献1)。これを契機として、免疫系の調節物質としてアミノ酸が注目されるようになってきている。ただし、非特許文献1には、ロイシンおよびバリンは、イソロイシンと同様の分岐鎖アミノ酸でありながらもそのような作用を有さないと報告されている。
アミノ酸は生体を構成する最小単位であることから、生体にとって安全な物質であり、また、工業的な生産方法も確立されているため安価に入手できるという利点がある。したがって、上記ザスロフらの報告以降、アミノ酸を用いることで免疫状態を改善または増強し、疾病の予防および改善ならびに健康増進等を図る種々の試みがなされてきた。
例えば、長谷川らはイソロイシン投与が粘膜および上皮における免疫状態の増強を誘導することを見出し、安全かつ低コストのインフルエンザ感染予防剤を提案している(特許文献1)。
免疫状態を調整する物質としてはアジュバントと称される一群の物質が知られており、代表的アジュバントとして、アルミニウム、結核菌(フロイントアジュバント)、ミネラルオイル等が挙げられる(非特許文献2)。またはコレラトキシンなどの腸管に作用するものなどがある。
アジュバントは獲得免疫系と自然免疫系を活性化させる働きがあり、ワクチン等に用いられているが、副作用が問題になることも多い。発明者は、これまでに、効果的で天然由来の安全なアジュバントとして、セラミック化ホッキ貝粉末のアジュバント活性を報告してきた(特許文献2)。さらに経鼻粘膜に作用するアジュバントを報告した(特許文献3)。
しかし、現在のところ生体にとって安全な物質を用いて自然免疫系および獲得免疫系のクロストークを調節し、自然免疫系と獲得免疫系の両方の免疫状態を著しく改善または増強する方法は示されていない。
特開2004−262924号公報 特開2005−314277号公報 特開2007−77073号公報
Fehlbaum P, Rao M, Zasloff M, Anderson GM. Proc Natl Acad Sci U S A. 7;97(23):12723-12728, 2000. 中山哲夫、薬学雑誌, 131(12), 1723-1731, 2011.
本発明の課題は、自然免疫系および獲得免疫系の両方の免疫状態を著しく改善または増強する極めて安全性の高い医薬組成物(免疫調整剤)を提供することである。
本発明者は、驚くべきことに、飢餓状態にある生体にイソロイシンおよびアジュバントおよび/または分岐鎖アミノ酸を含む組成物を投与すると、自然免疫系および獲得免疫系の両方の免疫状態が著しく改善または増強するとともに、腸内細菌の状態が回復されることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
[1]飢餓状態の生体に投与される、イソロイシンと、アジュバントおよび/またはイソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸とを含む免疫調整剤。
[2]さらに、トレハロースを含む、[1]に記載の免疫調整剤。
[3]さらに、乳酸菌を含む、[1]または[2]に記載の免疫調整剤。
[4]前記アジュバントが、セラミック化ホッキ貝粉末、イカキチンまたはPoly(I:C)である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の免疫調整剤。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の免疫調整剤を有効成分として含む医薬組成物。
[6][1]〜[4]のいずれか一項に記載の免疫調整剤を含む乳酸菌食品。
本発明の免疫調整剤および医薬組成物によれば、生体にとって安全な物質により生体の自然免疫系および獲得免疫系の両方の免疫状態を著しく改善または増強することができ、また、そのことにより、消化器系の不調、例えば、過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)を改善し、アレルギー症状を改善し、睡眠の質を改善することができる。さらに、体温を上昇させることができ、アンモニアの代謝を促進することができる。
また、飢餓状態にある疾患における免疫状態を改善することができ、例えば、炎症性腸疾患の症状を改善することができる。
さらに、トレハロースを含有させることにより、上記効果に加え、ダイエット効果を有し、無理なく体重の減量を確保することができる。
また、本発明の乳酸菌食品は、ヨーグルト、特定保健用食品等の形態を採用しうるものであり、日常的に自然に免疫能が調整される利点を有している。
図1は、参考例1の全試験対象者におけるイソロイシン投与時の水様/泥状下痢/1日の平均発生回数の推移を示す図である。 図2は、参考例1の過敏性腸症候群患者[クローン病患者(CD)および潰瘍性大腸炎患者(UC)]におけるイソロイシン投与時の水様/泥状下痢/1日の平均発生回数の推移を示す図である。 図3は、参考例2のイソロイシン投与前およびイソロイシン投与後の乳酸杆菌(Lactobacilli)について、Log CFUの変動を示した図である。
本発明は、自然免疫と獲得免疫を結び付け、両免疫系のクロストークを調節する医薬組成物を提供するものであり、本発明を用いた施術はアジュバント・ファスティング(Adjuvant Fasting)またはイムノ・ファスティング(Immuno Fasting)とも称すべきものである。
以下、本発明の免疫調整剤、医薬組成物および乳酸菌食品について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「アジュバント」とは、生体の免疫反応(免疫調整作用)を増強する作用を有する物質をいう。「飢餓状態」とは、生体のエネルギー需要を充足するだけの十分な栄養が外部から補給されていない状態をいい、好ましくは、断食状態にある生体の状態をいう。ヒトにおける飢餓状態とは、例えば、通常12時間以上の断食状態にある状態をいい、イスラム教におけるラマダーン月に行われる断食(日の出から日没まで)において生じる状態が典型例として挙げられる。また、消化管内腔に直接栄養が供給されない状況も消化管の飢餓状態ということができ、本明細書における「飢餓状態」に含まれる。
≪免疫調整剤≫
本発明の免疫調整剤は、イソロイシンと、アジュバントおよび/またはイソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸を含む。さらに必要に応じて、トレハロース、乳酸菌、製剤用担体、その他の成分を含むことができる。
<イソロイシン>
本発明の免疫調整剤は、イソロイシン(2-アミノ-3-メチルペンタン酸)を含む。本発明の免疫調整剤に含まれるイソロイシンは通常L体であり、生体内でイソロイシンとなるイソロイシン誘導体であってもよい。
イソロイシンの含有量としては、1日量として1g/60kg体重〜3g/60kg体重であることが好ましい。なお、イソロイシンは必須アミノ酸の一種であって(体内のアミノ酸プールは120〜160gである)、その安全性は十分確認されており、ある程度過剰量を投与しても、何ら悪影響をあたえるものではない。
<アジュバント>
本発明の免疫調整剤は、一つの実施形態においてアジュバントを含む。アジュバントとしては、生体における免疫賦活作用(アジュバント作用)を奏し、生体にとっての安全性が高いものであって、かつ、本発明の効果が得られるものであれば特に限定されないが、核酸ポリマー、セラミックスカルシウム、食物繊維、乳酸菌、β−グルカン、酵母等があげられる。
〔核酸ポリマー〕
核酸ポリマーとしては、Poly(I:C)を好適に挙げることができる。Poly(I:C)は、Toll様レセプター(Toll−like receptor:TLR)のリガンドである2本鎖RNAである。本発明で使用する二本鎖RNAであるPoly(I:C)は、その塩基対(bp)として低〜高サイズの種々のものを用いることが可能であるが、免疫応答に対してより優れた応答を発揮する観点から、300bp以上の分子サイズであることが好ましい。そのような分子サイズを有するものとして、例えば、100〜1000bpのPoly(I:C)は、一般試薬会社から容易に入手することができる。
本発明の免疫調整剤のおけるPoly(I:C)の含有量としては、強い免疫賦活作用が得られる観点から、イソロイシンに1gに対し、0.01〜0.1mgであることが、好ましい。
〔セラミックカルシウム〕
セラミックスカルシウムとしては、例えば、セラミック化ホッキ貝微粉末等を挙げることができる。セラミック化ホッキ貝微粉末は、ホッキ貝を焼成して得た粉末であり、多孔質の微粉末である。より詳しくは、10〜100μg程度の不定形の構造物よりなるものである。セラミック化ホッキ貝微粉末は、除菌作用あるいは殺菌作用を有し、また微量有害物質、例えば、残留農薬等の除去効果があるため、好ましい。セラミック化ホッキ貝粉末自体は、製品として市販されているものを用いることができる。
本発明の医薬組成物のおけるセラミックスカルシウムの含有量としては、強い免疫調整作用が得られる観点から、イソロイシン1gに対し0.1g〜0.5gであることが、好ましい。
〔食物繊維〕
食物繊維としては、例えば、キチン、キトサン等を好適に挙げることができる。キチンとしては、イカ由来キチン(イカキチン)を好適に挙げることができる。食物繊維の含有量としては、本発明の医薬組成物のおける強い免疫調整作用が得られる観点から、イソロイシンに1gに対し、0.1g〜0.5gであることが、好ましい。
〔β−グルカン〕
β−グルカンとしては、市販の精製品を用いればよいが、β−グルカンを多量に含むキノコ担子類を用いてもよい。キノコ担子類としては、例えば、アガリクス、ハナビラタケ、メシマコブ、マイタケ、カバノアナタケ、冬虫夏草、霊芝、シイタケ等が挙げられる。本発明の免疫調整剤のおける強い免疫調整作用が得られる観点から、イソロイシン1gに対し、0.01〜0.1mgであることが、好ましい。
本発明の免疫調整剤が含むアジュバントとしては、Poly(I:C)またはセラミック化ホッキ貝粉末が、強い免疫賦活作用(アジュバント作用)を得られる点で好ましい。
<イソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸>
本発明の免疫調整剤は、もう一つの実施形態において、イソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸として、ロイシン(2-アミノ-4-メチルペンタン酸)およびバリン(2-アミノ-3-メチル酪酸)からなる群から選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を含む。ロイシンまたはバリン自体の代わりに、生体内でこれらのアミノ酸となるアミノ酸誘導体を用いてもよい。これらのアミノ酸を含むと本発明の免疫調整効果が増強されるため好ましい。
また、これらのアミノ酸のうち、さらに肝機能回復および異常プリオンの増幅抑制を期待する観点からは、ロイシンを含むことが好ましく、さらに肝機能回復を期待する観点からは、バリンを含むことが好ましい。
本発明の免疫調整剤のおけるイソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸含有量としては、強い免疫調整作用が得られる観点から、イソロイシンに対し20〜105重量%であることが好ましく、95〜105重量%含むことがより好ましい。
<トレハロース>
本発明の免疫調整剤は、さらにトレハロースを含むことができる。トレハロースを含む本発明の免疫調整剤はダイエット効果を有する点で好ましい。トレハロースは市販されており、例えば株式会社長瀬産業(品名:トレハ(登録商標))より入手することが可能である。
本発明の免疫調整剤のおけるトレハロースの含有量としては、ダイエット効果を得る観点から、イソロイシン1gに対し、1〜5gであることが、好ましい。
<乳酸菌>
本発明の免疫調整剤は、さらに乳酸菌を含むことができる。乳酸菌を含む本発明の免疫調整剤は飢餓状態における腸内環境を改善する点で好ましい。乳酸菌としては、乳酸球菌または乳酸桿菌のいずれを用いてもよいが、乳酸桿菌を用いることが好ましい。
<製剤用担体>
本発明の免疫調整剤は、必要に応じて製剤用担体を含むことができる。製剤用担体としては、本発明の目的を阻害しない範囲において、公知の物質を用いることができるが、例えば、デンプン、乳糖、白糖、結晶セルロース、リン酸水素カルシウム等の賦形剤;アカシア、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤;ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等の滑沢剤;加工デンプン、カルシウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤を含むことができる。
<その他の成分>
本発明の免疫調整剤は、その他の成分として、医薬品、食品等に含まれ得る既知の成分を含むことができる。その他の成分としては、例えば、香料、色素、防腐剤等が挙げられる。
≪剤型≫
本発明の免疫調整剤は、そのまま摂取することもできるが、医薬組成物の有効成分として、または乳酸菌食品への添加物として使用することができる。本発明の免疫調整剤の剤型は、生体に投与が可能であれば特に限定されないが、製剤学的に汎用されている経口投与製剤である錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤等が好適に挙げられる。また、食品の形態にすることもでき、例えば、乳酸菌食品等が好適に挙げられ、ヨーグルト、乳酸菌飲料がより好適に挙げられる。
≪免疫調整剤の投与方法≫
本発明の免疫調整剤は、飢餓状態にある生体に投与される。投与回数は特に限定されないが、毎日、3〜4日間隔で5〜6回投与するか、または、2〜3週間の間に3〜4回投与することを任意の回数繰り返すことが好ましい。
≪飢餓状態の生体≫
本発明に係る飢餓状態の生体としては、自然免疫系および獲得免疫系の両方を有する生物であれば限定されないが、通常脊椎動物であり、哺乳類であることが好ましく、ヒトであることがさらに好ましい。また、非経口的に栄養を摂取している対象も本発明に係る飢餓状態の生体であり、例えば炎症性腸疾患患者が好適に挙げられる。
≪免疫状態改善の指標≫
なお、対象となる生体の免疫状態の改善は、自覚症状によるもののほか、既知の免疫学的指標を用いて評価することができる。免疫学的指標としては、例えば、唾液中のIgA量、ツベルクリン反応、糖代謝能等を好適に挙げることができる。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(ヨーグルト)
以下の成分を、牛乳を乳酸発酵させたヨーグルト中に均一に混合し、ヨーグルトを調製した。
(組成)ヨーグルト100g部中
イソロイシン 0.5〜3.0g
トレハロース 1〜10.0g
セラミック化ホッキ貝粉末 0.1〜1.5g
1日服用としての自然免疫ヨーグルトが調製された。なお、イソロイシンにあっては、適宜上記の範囲で変動させることができる。
[実施例2]
(乳酸菌飲料)
以下の組成からなる乳酸菌飲料を調製した。
(組成)乳酸菌飲料100mL中
イソロイシン 0.6〜3.0g
ロイシン 0.6〜3.0g
トレハロース 1〜10g
乳固形21%発酵乳 15.0g
ペクチン 0.5g
クエン酸 0.08g
香料 適量
水 残部
なお、イソロイシン、ロイシンにあっては、適宜上記の範囲で変動させることができる。
[実施例3]
<試験方法>
1.対象患者
18〜50才の健常人(体重60kg以下)、男女各25名を被験者とした。
2.免疫調整剤のプロトコールおよびその試験評価
イソロイシン0.5g%およびロイシン0.5gからなる組成物を、1回1g×1回(飢餓時)/日、2週間(14日間)、連日経口投与した。投与終了後、所定の項目に該当するかどうかについてアンケートを行った。アンケートの項目および結果を下記表1に示す。この結果から、上記組成物を飢餓時に摂取することにより、自然免疫系および獲得免疫系の両方の免疫状態を改善する効果があったと考えられる。
[参考例]
(イソロイシンによる飢餓状態にある生体の免疫状態の改善)
潰瘍性大腸炎(IBD:Inflammatory Bowel Disease)の患者は、経口摂取による栄養補給が困難であり、腸内細菌の欠如、一種の飢餓状態にあるということができる。本発明の医薬組成物の飢餓状態にある生体の免疫状態改善の効果について、IBD患者を対象に試験を実施した。なお、試験にあたっては、前もって被験者からのインフォームドコンセントを得ている。
[参考例1]
(排便状態の改善)
<試験方法>
1.対象患者
潰瘍性大腸炎、クローン病患者および健常人ボランティアとして、下記の対象者を被験者(19名)とした。
クローン病患者:12名
潰瘍性大腸炎患者:5名
健常人ボランティア:2名
2.イソロイシン投与のプロトコールおよびその試験評価
イソロイシン(1回2g×2回/日:全4g/日)を4週間(28日間)、連日経口投与した。投与前2週間前から投与終了後の2週間経過時まで、下痢の回数について記録を行った。
<結果>
全試験対象者における水様/泥状下痢/1日の平均発生回数の推移を図1に示し、クローン病患者(CD)および潰瘍性大腸炎患者(IBD、UC)における水様/泥状下痢/1日の平均発生回数の推移を図2に示した。
図1および図2に示した結果から明らかなように、イソロイシンを投与することにより水様/泥状下痢/1日の平均発生回数が有意に低下した。
[参考例2]
(糞便中の乳酸杆菌数)
<試験方法>
6名のクローン病患者に、イソロイシン(1回2g×2回/日:全4g/日)を1週間にわたり経口投与し、投与前の患者の糞便と、イソロイシンを1週間投与した後の7日目における患者の糞便を採取し、糞便中の乳酸杆菌(Lactobacilli)数を評価した。培地としてLBS(Lactobacilli Selective agar)寒天培地(ベクトン&デイッキンソン社製)を使用し、37℃にて72時間嫌気性条件下に培養した。培地上に認められたコロニー数をCFU(colony forming unit:コロニー形成単位)として表示した。
<結果>
イソロイシン投与前およびイソロイシン投与後のLog CFUの変動を図3に示した。図中に示した結果からも判明するように、常在腸内細菌である乳酸杆菌(Lactobacilli)の増加の傾向が認められた。
以上より、飢餓状態にある生体へのイソロイシン投与により、免疫状態の改善が認められ、イソロイシンを含む本発明の免疫調整剤の効果が示唆された。
以上記載のように、本発明は、新たな免疫学的知見に基づき、対象となる生体の自然免疫系と獲得免疫系の両方の免疫状態を著しく改善または増強することができる安全な免疫調整剤および医薬組成物であり、かつ、低コストに供給し得ることから、その医療上の価値は多大なものである。

Claims (6)

  1. 飢餓状態の生体に投与される、イソロイシンと、アジュバントおよび/またはイソロイシン以外の分岐鎖アミノ酸とを含む免疫調整剤。
  2. さらに、トレハロースを含む、請求項1に記載の免疫調整剤。
  3. さらに、乳酸菌を含む、請求項1または2に記載の免疫調整剤。
  4. 前記アジュバントが、セラミック化ホッキ貝粉末、イカキチンまたはPoly(I:C)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫調整剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の免疫調整剤を有効成分として含む医薬組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の免疫調整剤を含む乳酸菌食品。
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