JP2014108570A - 金属調赤外線透過加飾シート - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線センサを覆うカバー部材の、赤外線透過部分に金属調の加飾を施し、赤外線透過率と可視光反射率を確保し、加工時の帯電を抑制金属調赤外線透過加飾シートを提供する。
【解決手段】それぞれ厚み方向に少なくとも500層以上、600層以下に規則的に積層された2枚のポリエステルフィルムが接着層を介して張り合わせされ基材フィルムを構成し、該基材フィルムの少なくとも片面に化合物を用いてなる層(X)が設けられた積層フィルムであって、積層フィルムの該層(X)側の表面抵抗値が1×1012Ω/□以下で、積層フィルムの厚みが100μm以上300μm以下で、波長350〜750nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下、であることを特徴とする金属調赤外線透過加飾シート。
【選択図】なし
【解決手段】それぞれ厚み方向に少なくとも500層以上、600層以下に規則的に積層された2枚のポリエステルフィルムが接着層を介して張り合わせされ基材フィルムを構成し、該基材フィルムの少なくとも片面に化合物を用いてなる層(X)が設けられた積層フィルムであって、積層フィルムの該層(X)側の表面抵抗値が1×1012Ω/□以下で、積層フィルムの厚みが100μm以上300μm以下で、波長350〜750nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下、であることを特徴とする金属調赤外線透過加飾シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、赤外線透過能を有した加飾シートに関する。
赤外線通信は、家電製品のリモコンによる操作、携帯電話やノートパソコンによる情報伝達、3Dテレビ用シャッターメガネの操作など、様々な用途で用いられている。通常赤外線センサを覆うカバーは黒色系のものが使用されているが、これは隠蔽性の問題だけでなく、赤外帯域以外の光が入ってきた場合にノイズになってセンサの反応に支障をきたすため、赤外線センサに対して特に可視光域の光を遮蔽している。
しかし、多くの場合、このカバーは筐体を構成する他の部分と外観が異なり一体感がなく、また黒色系のために機器のデザイン性を損なう問題があった。
そこで機器のデザイン性を高めるために、表示パネルが用いられている。
これは、赤外線を透過させるベース樹脂の部分の厚みを他の部分より薄くし、その表面に転写材の転写層またはインサートフィルムを積層することでデザイン性を高めた表示パネルである。しかし、赤外線を透過させるベース樹脂の部分だけを薄くすることは、成形工程において局部的な偏肉による表面のヒケや反りなどを誘発させるだけでなく、場合によっては、薄くした部分は樹脂が充填しにくいため、ウエルドラインなどの外観上の問題が発生する。また、ベース樹脂の厚みを薄くしても、表面に積層する転写材の転写層またはインサートフィルムが赤外線を吸収するので、これらに適用できる材料および厚さには制約があり、デザインの自由度も狭く限定されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のような問題を解決するために、赤外線センサを覆うカバー部材の、赤外線透過部分に金属調の加飾を施してデザイン性を高めつつ、赤外線の透過率と可視光の反射率を確保する方法として、電磁波透過性の基板上にGe層を積層した加飾基板の提案があるが、波長800nm〜100μmの赤外帯域の電磁波を透過率10%以上までしか透過させることが出来なかった(例えば、特許文献2参照)。
また、金属酸化物を蒸着した多層膜を用いて可視光の反射率スペクトルを任意に制御し、意匠性を向上させた赤外線受発光部が提案されている(特許文献3)。一般的に金属酸化物の多層膜は蒸着回数を減らすために、屈折率差の大きな物質が用いられる。しかし、屈折率差が大きくなると、多層膜中の各層それぞれの反射率スペクトルの幅が広くなる問題がある。そのため、特定の色のみを反射するような、急峻な反射率スペクトルを作り出すことは非常に困難であった。
これは、赤外線を透過させるベース樹脂の部分の厚みを他の部分より薄くし、その表面に転写材の転写層またはインサートフィルムを積層することでデザイン性を高めた表示パネルである。しかし、赤外線を透過させるベース樹脂の部分だけを薄くすることは、成形工程において局部的な偏肉による表面のヒケや反りなどを誘発させるだけでなく、場合によっては、薄くした部分は樹脂が充填しにくいため、ウエルドラインなどの外観上の問題が発生する。また、ベース樹脂の厚みを薄くしても、表面に積層する転写材の転写層またはインサートフィルムが赤外線を吸収するので、これらに適用できる材料および厚さには制約があり、デザインの自由度も狭く限定されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のような問題を解決するために、赤外線センサを覆うカバー部材の、赤外線透過部分に金属調の加飾を施してデザイン性を高めつつ、赤外線の透過率と可視光の反射率を確保する方法として、電磁波透過性の基板上にGe層を積層した加飾基板の提案があるが、波長800nm〜100μmの赤外帯域の電磁波を透過率10%以上までしか透過させることが出来なかった(例えば、特許文献2参照)。
また、金属酸化物を蒸着した多層膜を用いて可視光の反射率スペクトルを任意に制御し、意匠性を向上させた赤外線受発光部が提案されている(特許文献3)。一般的に金属酸化物の多層膜は蒸着回数を減らすために、屈折率差の大きな物質が用いられる。しかし、屈折率差が大きくなると、多層膜中の各層それぞれの反射率スペクトルの幅が広くなる問題がある。そのため、特定の色のみを反射するような、急峻な反射率スペクトルを作り出すことは非常に困難であった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、赤外線センサを覆うカバー部材の、赤外線透過部分に金属調の加飾を施してデザイン性を高めつつ、赤外線の透過率と可視光の反射率を確保し、加工工程時の帯電を抑制することで、塵埃吸着による表面欠点を低減した金属調赤外線透過加飾シートを提供する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。
すなわち、
(1)
2枚のポリエステルフィルムが接着層を介して貼り合わせられ基材フィルムを構成し、当該2枚のポリエステルフィルムが、それぞれ、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンナフタレートからなるポリエステルAを主成分とする層と、シクロヘキサンジメタノール成分を酸成分に対して25mol%〜35mol%含むポリエステルBとを主成分とする層とが厚み方向に規則的に積層されたポリエステルフィルムであって、合計の層数が少なくとも500層以上、600層以下であって、該基材フィルムの少なくとも片面に、エポキシ化合物(C)、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)および陰イオン構造を有する化合物(d−2)を用いてなる層(X)が設けられた積層フィルムであって、
該層(X)における、前記化合物(C)の配合量が該層(X)の100重量部に対して20〜30重量部、かつ、前記化合物(d−1)と前記化合物(d−2)の配合量の合計が該層(X)の100重量部に対して3〜10重量部であり、
積層フィルムの該層(X)側の表面抵抗値が1×1012Ω/□以下で、
積層フィルムの厚みが100μm以上300μm以下で、
波長350〜750nmの光線平均反射率が70%以上、100%以下、
波長900〜1000nmの光線平均透過率が85%以上、100%以下、
であることを特徴とする金属調赤外線透過加飾シート、
(2)
長径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜10.0μmの凹みが1m2当たり両面合わせて5個以下であることを特徴とする(1)に記載の金属調赤外線透過加飾シート、
(3)
赤外線センサ機器の赤外線を送受信する素子を隠蔽保護する用途に用いられる、(1)に記載の金属調赤外線透過加飾シート、
である。
すなわち、
(1)
2枚のポリエステルフィルムが接着層を介して貼り合わせられ基材フィルムを構成し、当該2枚のポリエステルフィルムが、それぞれ、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンナフタレートからなるポリエステルAを主成分とする層と、シクロヘキサンジメタノール成分を酸成分に対して25mol%〜35mol%含むポリエステルBとを主成分とする層とが厚み方向に規則的に積層されたポリエステルフィルムであって、合計の層数が少なくとも500層以上、600層以下であって、該基材フィルムの少なくとも片面に、エポキシ化合物(C)、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)および陰イオン構造を有する化合物(d−2)を用いてなる層(X)が設けられた積層フィルムであって、
該層(X)における、前記化合物(C)の配合量が該層(X)の100重量部に対して20〜30重量部、かつ、前記化合物(d−1)と前記化合物(d−2)の配合量の合計が該層(X)の100重量部に対して3〜10重量部であり、
積層フィルムの該層(X)側の表面抵抗値が1×1012Ω/□以下で、
積層フィルムの厚みが100μm以上300μm以下で、
波長350〜750nmの光線平均反射率が70%以上、100%以下、
波長900〜1000nmの光線平均透過率が85%以上、100%以下、
であることを特徴とする金属調赤外線透過加飾シート、
(2)
長径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜10.0μmの凹みが1m2当たり両面合わせて5個以下であることを特徴とする(1)に記載の金属調赤外線透過加飾シート、
(3)
赤外線センサ機器の赤外線を送受信する素子を隠蔽保護する用途に用いられる、(1)に記載の金属調赤外線透過加飾シート、
である。
本発明によれば、可視光(波長350〜750nm)の反射率を70%以上確保することでセンサ基板内を隠蔽できるのみならず、金属調の高いデザイン性を付与でき、赤外線センサの反応に必要な赤外線(波長900nm〜1000nm)の透過率を、入射角0°で85%以上とすることで、入射角60°の透過率を80%以上確保することができ、赤外線操作性が確保できる。また、加工工程時の帯電を抑制することで、塵埃吸着による表面欠点を低減し、優れた表面性状の成形加工部材を提供することができる。
以下に本発明について詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定して解釈されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の態様は当然本発明の範囲に含まれる。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートは、2枚のポリエステルフィルムが接着層を介して貼り合わせられ基材フィルムを構成し、当該2枚のポリエステルフィルムが、それぞれ、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリエチレンナフタレートからなるポリエステルAを主成分とする層と、シクロヘキサンジメタノール成分を酸成分に対して25mol%〜35mol%含むポリエステルBを主成分とする層とが厚み方向に規則的に積層されたポリエステルフィルムであって、合計の層数が少なくとも500層以上、600層以下である基材フィルムを用いてなる。
ポリエステルBにおいて、シクロヘキサンジメタノールが25mol%未満ではポリエステルAとの密度差が小さく屈折率差が不十分となり、35mol%を越えると密着性が不足して層間剥離が発生する。
また、本発明において前記ポリエステルAを主成分とする層と、前記ポリエステルBを主成分とする層とは、面内平均屈折率差が、0.03以上であることが好ましい。より好ましくは、0.05以上であり、更に好ましくは0.1以上である。屈折率差が0.03より小さい場合には、十分な反射率が得られないことがある。これを達成するには、B層のポリエステルが非晶性であるとよい。この場合、テンターでの熱処理によりB層の配向緩和が起き、より面内平均屈折率差が広がるため好ましい。本発明におけるポリエステルAとポリエステルBの好ましい組み合わせとしては、ポリエステルAとポリエステルBのSP値(溶解パラメーター)の差の絶対値が1.0以下であることが好ましい。SP値の差の絶対値が1.0以下である場合、層間剥離が生じにくくなる。より好ましくは、ポリエステルAからなる層とポリエステルBからなる層が同一の基本骨格を含んでなることが好ましい。ここでいう基本骨格とはポリエステルを構成する繰り返しの単位であり、例えば一方のポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合は、エチレンテレフタレートが基本骨格である。ポリエステルAとポリエステルBが同一の基本骨格を含むポリエステルであるとさらに層間での剥離は生じにくくなるものである。
また、本発明における積層フィルムはポリエステルAがポリエチレンテレフタレート、ポリエステルBが酸成分としてシクロヘキサンジメタノールが25mol%〜35mol%共重合したポリエステルを主成分とするポリエステルであるが、スピログリコールをジオール成分として25mol%〜35mol%含んでなるポリエステルであることも好ましく、スピログリコールを共重合したコポリエステル、またはホモポリエステル、または、それらをブレンドしたポリエステルを用いることが好ましい。スピログリコールを含んでなるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくいため好ましい。本発明のポリエステルBはシクロヘキサンジカルボン酸を酸成分として25mol%〜35mol%含んでなるポリエステルであり、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとの面内屈折率差が大きくなるため、高い反射率を得やすくなる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートとのガラス転移温度差が小さいため、成形時に過延伸になりにくく、かつ層間剥離もしにくい。
ここで、主成分とするとは、全成分中の70質量%以上を占めることを言う。
ここで、主成分とするとは、全成分中の70質量%以上を占めることを言う。
また、本発明において規則的に積層するとは、ポリエステルAからなる層をA層、ポリエステルBからなる層をB層とした場合に、A層とB層以外の層がない場合には、A層と、B層とが厚み方向に交互に積層した構造を有していることと定義する。なお、A層とB層以外の第3の成分からなる層(仮にC層とする)や、さらにそれ以上の層についてはその配置の序列については特に限定されるものではない。また、A層、B層に加えて、ポリエステルA、ポリエステルB以外の樹脂CからなるC層を有する場合には、A|BCA|n、A|BCBA|n、A|BABCBA|nなどの規則的順序で積層されることがより好ましい。ここでnは繰り返しの単位数であり、例えばA|BCA|nにおいてn=3の場合、厚み方向にABCABCABCAの順列で積層されているものを表す。
また、屈折率の異なる2種類の樹脂を積層させることにより、下記式(1)を用いて任意の波長にて反射率を得ることが可能である。また、各層厚みによって任意に反射波長を調整できる。反射率についてはA層とB層の屈折率差と、A層とB層の層数にて制御する。
2×(na・da+nb・db)=λ (1)
na:A層の面平均屈折率
nb:B層の面平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
さらに、層厚みが一方の表層から反射側の表面に向かうにつれて徐々に厚くなる層構成を含んでいることが好ましい。この場合、広帯域で反射率を得られるため意匠姓に優れた樹脂フィルムとなる。
2×(na・da+nb・db)=λ (1)
na:A層の面平均屈折率
nb:B層の面平均屈折率
da:A層の層厚み(nm)
db:B層の層厚み(nm)
λ:主反射波長(1次反射波長)
さらに、層厚みが一方の表層から反射側の表面に向かうにつれて徐々に厚くなる層構成を含んでいることが好ましい。この場合、広帯域で反射率を得られるため意匠姓に優れた樹脂フィルムとなる。
具体的には、所望の反射波長帯域の端部となる波長λ、λ’を決定し、既知の薄膜層における積層比と屈折率から上記式(5)に従い反射波長λに対応する設計層厚みdA、dBを、さらに、もう一方の反対帯域の端部である反射波長λ’に対応する層厚みdA’、dB’をそれぞれ求める。層厚みdA→dA’間、dB→dB’間を、それぞれ単調増加もしくは単調減少と連続的、もしくは離散的に変化する層厚み分布となるような積層構成とする。但し、ここでの積層比とは、薄膜層に対しての倍率が既知である厚膜層を考慮した上で、ポリエステルAに対するポリエステルBの吐出量の比から求められる値である。如何なる光学性能も目的となる機能が決定すれば、光学計算により、その最適な構造が決定されうる。光学計算の理論については、H.A.Macleod(訳小倉繁太郎)「光学薄膜」(日刊工業新聞社)(1989)、小檜山 光信「光学薄膜の基礎理論」(オプトロニクス社)(2003)に記載されている。
層の厚みの分布を制御する方法は、フィードブロックの各スリット板のスリット毎の巾や長さを全て調整することである。スリット内を通過するポリマーは、一般に下記式(6)で表されることからも理解される。
ここで
Q:樹脂流量
t:スリットの巾
W:スリットの奥行き
μ:樹脂粘度
L:スリットの長さ
ΔP:圧力降下である。
すなわち、液溜め部内の圧力が均一化されて圧力降下ΔPが一定であると考えると、1層の層厚みに対応する流量Qは、一つのスリットサイズを調整することにより容易に調整することができる。しかしながら、全てのスリットサイズ設計だけでは、層間の流量バランスが決定されるのみであるため、最終的な層厚み分布は積層フィルムの厚みによって決定される。
Q:樹脂流量
t:スリットの巾
W:スリットの奥行き
μ:樹脂粘度
L:スリットの長さ
ΔP:圧力降下である。
すなわち、液溜め部内の圧力が均一化されて圧力降下ΔPが一定であると考えると、1層の層厚みに対応する流量Qは、一つのスリットサイズを調整することにより容易に調整することができる。しかしながら、全てのスリットサイズ設計だけでは、層間の流量バランスが決定されるのみであるため、最終的な層厚み分布は積層フィルムの厚みによって決定される。
本発明の積層フィルムは、少なくとも最表層に厚膜層があり、厚膜層の順列において隣り合う厚膜層間に、層厚みが0.01以上0.4μm以下である薄膜層が少なくとも50層以上含まれることが好ましい。
本発明の積層フィルムの少なくとも最表層に厚膜層を形成することにより、積層プロセス上では近傍の薄膜層の薄膜化を抑制するだけでなく、本発明の積層フィルムの表層部の層間剥離を抑制する保護層としての役割を果たす。この薄膜化の原因は、一般的な流体論で議論できる。すなわち、最表層部となる樹脂流れは、製造工程では、流路の壁面部に沿って流れるため流動抵抗を受けやすくなる。同様に、隣接する薄膜層になる層も壁面からの距離が近いために流動抵抗を受けて流量が少なくなり、各層毎でみると結果的に層厚みが薄くなる。しかしながら、最表層に流れる樹脂流れの流量を多くすることにより、薄膜層になる層の樹脂流れは、壁面から遠ざかるにつれて、流動抵抗を受け難くなり薄膜化を防ぐことができる。この薄膜化を防ぐ観点から表裏の最表層には、1μm以上10μm以下である厚膜層があることがより好ましい。また、厚膜層と厚膜層の間に位置する薄膜層の層厚みは、各層を構成する樹脂の屈折率に応じて設定すると良いが、通常、樹脂の屈折率はおよそ1.35〜1.8の範囲にあり、この場合、各層の厚みは、近紫外〜赤外領域までの光の波長について光干渉現象を起こさせる観点から、薄膜層の厚みが0.01μm以上0.4μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.05μm以上0.3μm以下である。
さらに、厚膜層の順列において隣り合う厚膜層の間には、薄膜層が50層以上含まれていることが好ましい。通常、厚膜層がなければ、ポリマー流路の内壁の抵抗に依存して、薄膜層がより薄膜化する層数は、50層程度である。最も厚膜層を有効活用する観点から、薄膜層は50層以上含まれていることが好ましい。さらに好ましくは、100層以上である。厚膜層の順列とは、本発明の積層フィルムの全ての層うち、1μm以上の厚みを有する厚膜層のみに着目したときの厚膜層の並びのことである。
上記した積層構造を達成する手段としては、層数については、フィードブロック内のスリット数、また、層厚みについては、スリット長さ、奥行き、および巾を調整することで層間の厚みの比率(層厚み分布)が決定され、さらに積層フィルムの厚み調整により、個々の層厚みが決定される。積層フィルムの厚み調整は、キャスティングドラムなどの冷却ロールの周速度、もしくは押出機の吐出量により調整することができる。
本発明の積層フィルムを構成する少なくとも1種類の樹脂の薄膜層における層番号と層厚みの分布において、一方の最表層側から30層分の層厚み平均をE1(nm)、他方の最表層側から30層分の層厚み平均をE2(nm)、および厚み方向中央部の30層分の層厚み平均をC(nm)としたとき、下記(1)式、(2)式を同時に満足することが好ましい。
E1 ≧ C ≧ E2 ・・・式(1)
0.9 ≧ E2/E1 ≧ 0.3 ・・・式(2)。
E1 ≧ C ≧ E2 ・・・式(1)
0.9 ≧ E2/E1 ≧ 0.3 ・・・式(2)。
層番号とは、本発明の積層フィルムの各層毎に番号を割り当てた値のことである。すなわち、一方の最表層を1とすれば、他方の最表層は、総積層数の番号となる。但し、ここでの1層とは、異なる媒質の間に形成される境界線と隣のもう一方の境界線間に挟まれた層を1層と数える。例えば、同組成の樹脂層が隣接して2つ並んだ状態で積層された2層は、1層とみなす。さらに詳細に説明すると、例えば、最表層側からポリエステルAの厚膜層、ポリエステルAの薄膜層、ポリエステルBの薄膜層、ポリエステルAの薄膜層、・・・・・と並んでいるときは、層番号1がポリエステルAの厚膜層と薄膜層を足し合わせたものが厚膜層となり、次いで、層番号2がポリエステルBの薄膜層となり、さらに層番号3がポリエステルAの薄膜層と定義される。本発明の積層フィルムが2種の樹脂構成される場合、この定義が繰り返されるため、必ず、層番号の奇数か偶数かで樹脂の種類が決定されることになる。但し、樹脂Cが用いられる場合は、その層番号については、最初および/または最後の層番号が割り当てられる。
薄膜層の層厚み分布は、積層フィルムの厚み方向の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて約4万倍程度の倍率で観察することにより、各層番号毎の層厚みを求める。一方、5μm以上の厚膜層の厚みは、TEMで約1万倍での断面観察、もしくは走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、約5000倍程度の断面観察で求めることができる。
本発明の積層フィルムの厚み方向中央部の30層分とは、薄膜層の総積層数の中点にあたる層を中心として、連続して配列している同種の樹脂層を厚み方向上下、それぞれについて、14または15層分加えたものである。例えば、薄膜層の総積層数Nが奇数であれば、中点にあたる層は(N+1)/2番目の層となり、厚み方向上下、それぞれ、奇数の層番号に当たる(N+1)/2−30・・・(N+1)/2−2、(N+1)/2、(N+1)/2+2、・・・・(N+1)/2+28が厚み方向中央部の30層分となる。なお、本発明の積層フィルムが2種の樹脂を厚み方向に交互に積層したものであれば、層番号が奇数か偶数により樹脂層の種類が区別される。また、同様に薄膜層の総積層数Nが偶数であれば、中点にあたる層は、N/2番目とし、厚み方向上下、それぞれ、N/2−30・・・N/2−2、N/2、N/2+2、・・・・N/2+28に当たる層番号が、厚み方向中央部の30層分となる。そして、これらの層厚みの平均をC(nm)とする。E1、E2においても、同様の方法で求めることができる。但し、式(1)と式(2)は、少なくとも1種類の樹脂層に着目したときに、同時に成立することが好ましい。より好ましくは、2種類の樹脂層、それぞれについて、同時に成立していることが好ましい。また、スクエアミキサーを用いて得られた積層フィルムでも同様に求めることができる。傾斜構造かつ非等分配スクエアミキサーを用いた場合は、設計上最も層厚みが厚くなる薄膜層の層厚み分布が積層フィルムの最外層側へ配置されているものとする。設計上最も厚くなる薄膜層の層厚み分布とは、厚膜層間に挟まれた薄膜層において、その平均層厚みが最も厚くなるようにスリット設計された層厚み分布のことである。
本発明の積層フィルムにおいて、部分的な波抜けを少なくする観点から、式(2)において、E2/E1は0.4以上0.8以下であることがより好ましい。このような傾斜構造は、スリット巾や奥行きを一定とし、スリット長のみを連続的に変化させることで達成できる。また、そのスリット長の変化の割合である最短スリット長/最長スリット長の値が、0.4〜0.7の範囲とすることで達成することができる。ここで、分光反射スペクトルにおける部分的な波抜け(低反射帯域)について説明する。本発明の傾斜構造を有した積層フィルムは、その分光反射スペクトルにおいて、一山分(尾根の部分が高反射帯域)の矩形波的な形状をした分光スペクトルとなるように光学設計されたものであるため、一山中に低反射率領域が存在したり、一山の隣に小さな反射ピークが存在することは、品質面で光学性能を低下させる。この光学性能を低下させている低反射帯域の箇所を、本発明では部分的な波抜けと称す。
上記式(1)と式(2)を同時に満足する積層構造は、薄膜層を形成するスリットの長さを単調増加、もしくは、単調減少的に変化させたスリット板を用いたフィードブロック構成とし、さらに、本発明のポリエステルA、ポリエステルBを用いることで達成される。また、フィードブロック内のスリット板において、両端部に位置した厚膜層を形成するスリット巾が、他の薄膜層を形成するスリット巾の2倍以上となるように設計されていることが必要であり、スリットの形状、フィードブロックから出た直後のポリマーが通る短管内のポリマー流路の形状を最適化することも重要である。
さらに、本発明の積層フィルムは、高い積層精度の実現、分光反射スペクトルにおける部分的な波抜け(低反射帯域)を少なくする観点から、厚膜層を挟んだ薄膜層領域において、厚膜層側から厚み方向上下に向かった10層分の薄膜層のそれぞれの平均層厚みをD1(nm)、D2(nm)とし、同様に、厚膜層側から厚み方向上下に向かった次の厚膜層までの薄膜層の平均層厚みを、それぞれR1(nm)、R2(nm)としたときに、下記の(3)式と(4)式を同時に満足する積層構造であることが好ましい。
R1 ≧ R2 ・・・式(3)
D1 ≦ D2 ・・・式(4)
本発明の積層フィルムにおいては、同一樹脂における層厚み分布において、上記した2つの式を同時に満足する積層構造を有する積層部位が少なくとも1つ以上存在することが好ましい。その部位は、厚膜層の数にも依存するため、例えば、最表層に厚膜層2層を有し、内部に厚膜層を2層の計4層の厚膜層を有する積層フィルムでは、上記した2式を同時に満足する積層部位の数は、最大で2箇所となる。異なる樹脂であるポリエステルAとポリエステルBを考慮すると、最大で4箇所となる。そのため、この場合の最適な態様は、2つ以上がより好ましい。
R1 ≧ R2 ・・・式(3)
D1 ≦ D2 ・・・式(4)
本発明の積層フィルムにおいては、同一樹脂における層厚み分布において、上記した2つの式を同時に満足する積層構造を有する積層部位が少なくとも1つ以上存在することが好ましい。その部位は、厚膜層の数にも依存するため、例えば、最表層に厚膜層2層を有し、内部に厚膜層を2層の計4層の厚膜層を有する積層フィルムでは、上記した2式を同時に満足する積層部位の数は、最大で2箇所となる。異なる樹脂であるポリエステルAとポリエステルBを考慮すると、最大で4箇所となる。そのため、この場合の最適な態様は、2つ以上がより好ましい。
上記した積層構造を図1を用いて、その一態様を例示する。図1にポリエステルAとポリエステルBを交互に積層したときの層番号と層厚み(nm)の関係の一例を示す。該分布が3つのスリット板で構成されたフィードブロックにより製膜された場合を表すものとする。図1中に、ポリエステルAの層厚み分布とポリエステルBの層厚み分布を示す。ポリエステルAの層厚み分布は、ポリエステルBの層厚み分布より上段に位置し、図1中で詳細に示すと、4、5、8、9の層厚み分布で構成されたものである。ポリエステルAについて、厚膜層5を挟んだ薄膜層領域とは、実線で記した厚膜層5の層番号から昇順、降順に層番号を進め、次の厚膜層5に到達するまでの薄膜層の分布のことであり、ここでは8と9である。薄膜層の層厚み分布8の平均層厚みはR1(nm)であり、層厚み分布9の平均層厚みはR2(nm)である。また、それぞれの層厚み分布中で、厚膜層5から昇順、降順にそれぞれ、数えた層番号うち、厚膜層5の層番号から近い10層分の薄膜層についてそれぞれの平均層厚みをD1(nm)、D2(nm)とする。図1では、順列が2番目の厚膜層5の層番号から近い10層分の薄膜層はそれぞれ、7と6に対応する。
式(3)および式(4)を満足する積層構造は、各スリット板のスリット長さの分布を調整することにより達成される。例えば、図1に示されるような構造とする場合の達成方法を説明する。この場合、スリット板は3枚構成であり、個々のスリット板のスリット長さは単調増加しているスリット長さの分布を有しており、かつ、隣合うスリット板間(ここでは、1と2)において、層の繋ぎ目となる厚膜層を形成するスリットを中心として、それぞれ、前後に配列する少なくとも10層分以上のスリットの長さと巾の分布が、前後で同じになるように設計することで達成される。各スリット板のスリット長の変化の割合は、0.9〜0.5に調整することにより達成できる。
ここで本発明の特徴である波長350〜750nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下であることを達成するためには、各層ごとの層厚みを個別に制御できるフィードブロックと流路形状がほぼ四角のスタティックミキサーを併用する積層装置を用いることが好ましい。ここで、各層の厚みを精度良く制御するためには、加工精度0.1mm以下の放電加工、ワイヤー放電加工にて、各層の流量を調整する微細スリットを設けたフィードブロックが好ましい。また、この際、樹脂温度の不均一性を低減するため、熱媒循環方式による加熱であることも好ましい。また、フィードブロック内の壁面抵抗を抑制するため、壁面の粗さを0.4S以下にするか、室温下における水との接触角が30°以上であることも好ましい。また、このようなフィードブロックに併用するスタティックミキサーとしては、下記式gを満たすことが好ましい。
0.02≦Q/(L×A1/2)≦0.08 式g
Q:時間あたりのスタティックミキサーを通過する総吐出量(Kg/h)
L:スタティックミキサー1段分の長さ(mm)
A:スタティックミキサーの流路断面積(mm2)。
従来の方法のフィードブロックだけを用い、可視光350〜750nm帯域の平均反射率70%以上を達成しようとすると、必要となる層数の関係から、流量を調整するスリット部で圧損の均一性が不足し流量むらが発生し積層精度が低下したり、装置が大型で滞留部が生じ、熱劣化による異物が生じるようになったり、装置の精度や装置内の流速分布のために積層精度が不十分となり、反射性能が低いなどの問題が発生する場合がある。このような点から実際には300層以上のフィードブロックは現実的ではなかった。そのため、さらに層数が必要な場合はスタティックミキサーを用いることが必要とされていたが、スタティックミキサーではその内部で流速の方向が幾度か変化するために、これによりスクエアーミキサー内で流速分布が発生し、積層精度が充分ではなく、可視光350〜750nm帯域の平均反射率70%以上を達成できなかったり、赤外線領域に反射帯域が発生し、目的の性能が損なわれる問題があった。そこで本発明では、上記式を満たすことにより流速分布を解消することができ、スタティックミキサーを用いても高い積層精度を達成することができるようになり、可視光350〜750nm帯域の平均反射率を70%以上でかつ、赤外線900nm〜1000nmの反射帯域が生じない(波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下)ように制御できるようになったものである。
0.02≦Q/(L×A1/2)≦0.08 式g
Q:時間あたりのスタティックミキサーを通過する総吐出量(Kg/h)
L:スタティックミキサー1段分の長さ(mm)
A:スタティックミキサーの流路断面積(mm2)。
従来の方法のフィードブロックだけを用い、可視光350〜750nm帯域の平均反射率70%以上を達成しようとすると、必要となる層数の関係から、流量を調整するスリット部で圧損の均一性が不足し流量むらが発生し積層精度が低下したり、装置が大型で滞留部が生じ、熱劣化による異物が生じるようになったり、装置の精度や装置内の流速分布のために積層精度が不十分となり、反射性能が低いなどの問題が発生する場合がある。このような点から実際には300層以上のフィードブロックは現実的ではなかった。そのため、さらに層数が必要な場合はスタティックミキサーを用いることが必要とされていたが、スタティックミキサーではその内部で流速の方向が幾度か変化するために、これによりスクエアーミキサー内で流速分布が発生し、積層精度が充分ではなく、可視光350〜750nm帯域の平均反射率70%以上を達成できなかったり、赤外線領域に反射帯域が発生し、目的の性能が損なわれる問題があった。そこで本発明では、上記式を満たすことにより流速分布を解消することができ、スタティックミキサーを用いても高い積層精度を達成することができるようになり、可視光350〜750nm帯域の平均反射率を70%以上でかつ、赤外線900nm〜1000nmの反射帯域が生じない(波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下)ように制御できるようになったものである。
また、本発明では基材フィルムとして貼り合わせられるポリエステルフィルムがポリエステルAからなる層(A層)と、ポリエステルBからなる層(B層)が交互に500層以上積層されていることが重要である。500層以上であると、目標とする反射帯域において70%以上の反射率を有することが可能となり、2枚それぞれのポリエステルフィルムを貼り合わせ、目標とする反射波長を、350〜750nmの領域に設定することで赤外線を透過する金属調の外観を有する積層フィルムを得ることができる。
また、装置の大型化や層数が多くなりすぎることによる積層精度の低下に伴う波長選択性の低下を考慮すると、層数が600層以下であることが重要である。500層から600層に層数を制御する方法は、フィードブロックを変更することによって可能であり、500層から600層の範囲に層数が含まれる場合、赤外線の透過率と可視光の反射率を本発明の目的の範囲でバランスさせることができる。
本発明では、波長350〜750nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下であることを同時に達成させるために2つのポリエステルフィルムを貼り合わせてなる。
張り合わせるポリエステルフィルムの1つは、波長350〜570nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長620〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下であるものであり、他の一つは、波長570〜750nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長350〜550nmと900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下であることが好ましい。これら2つのポリエステルフィルムを貼り合わせることで波長350〜750nmの平均反射率が70%以上、100%以下、波長900〜1000nmの平均透過率が85%以上、100%以下であることを同時に達成することができる。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートは、波長350〜750nmの平均反射率が70〜100%、かつ、波長900〜1000nmの平均透過率が85〜100%である。可視波長の350〜750nmの反射率が70%未満であると、高意匠性の金属調を得ることが出来ない。また、900〜1000nmの平均透過率が85%未満となると、本発明の好ましい用途である赤外線センサの受信に支障をきたす可能性がある。赤外線を受光する場合、様々な角度から赤外線を透過させる必要がある。本発明の金属調赤外線透過加飾シートを用いた装置であれば、入射角度が大きくなるに伴い、赤外線の透過波長が低波長側にシフトしていき、操作の妨げを防ぐことが出来る。
また、本発明の積層フィルムの厚みは100μm以上300μm以下である。
金属調赤外線透過加飾シートの積層フィルムの全厚みは、成型時のシワ防止および、ハンドリング性の向上、および、加飾フィルムのウォッシュアウト防止のため100μm以上あることが望ましい。100μm未満であると、枚葉シートにした場合にコシが出ず、成型装置枠へのシートセットの際にシートが垂れ下がり成型した際にシワとなる。厚みが300μmを超えると、巻き癖が強くなり、これも成型装置枠へのシートセットの際に手間がかかり実用的ではない。
本発明に用いられるエポキシ化合物(C)、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)および陰イオン構造を有する化合物(d−2)を用いてなる層(X)は、アクリルウレタン共重合樹脂が主成分であることが望ましい。ここでいうアクリルウレタン共重合樹脂(a)とは、アクリル樹脂とウレタン樹脂が共重合された樹脂であれば特に限定されないが、特にアクリル樹脂をスキン層とし、ウレタン樹脂をコア層とするアクリルウレタン共重合樹脂が、印刷層やハードコート層との接着性に優れるために好ましい。
アクリルウレタン共重合樹脂(a)に用いるアクリルモノマーとしては、例えばアルキルアクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルなど)、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシルなど)、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などのカルボキシル基またはその塩を含有するモノマーなどを挙げることができる。
また、これらアクリルモノマーは、他種モノマーと併用して用いることもできる。他種モノマーとしては、例えばアリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有モノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルピロリドンなどを用いることができる。
アクリルモノマーは1種または2種以上を用いて重合させるが、他種モノマーを併用する場合、全モノマー中、アクリルモノマーの割合が50重量%以上、さらには70重量%以上となることが好ましい。
ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)としては、例えば、チオフェン環の3位と4位の位置が置換された構造を有する化合物などを用いることができる。更にはチオフェン環の3位と4位の炭素原子に酸素原子が結合した化合物を好適に用いることができる。該炭素原子に直接、水素原子あるいは炭素原子が結合したものは、塗液の水性化が容易でない場合がある。
次に、陰イオン構造を有する化合物(d−2)について、説明する。
本発明において、陰イオン構造を有する化合物(d−2)とは、遊離酸状態の酸性高分子であり、例えば高分子カルボン酸、あるいは、高分子スルホン酸、ポリビニルスルホン酸などが挙げられる。高分子カルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸が例示される。また、高分子スルホン酸としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸が例示され、特に、ポリスチレンスルホン酸が帯電防止性の点で最も好ましい。なお、遊離酸は、一部が中和された塩の形をとってもよい。また、陰イオン構造を有する化合物(d−2)は、共重合可能な他のモノマー、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンなどと共重合した形で用いることもできる。このとき、陰イオン構造を有する化合物(d−2)中の他のモノマーの割合が、20重量%以下であることが帯電防止性の点から好ましい。
陰イオン構造を有する化合物(d−2)として用いられる高分子カルボン酸や高分子スルホン酸の分子量は特に限定されないが、塗剤の安定性や帯電防止性の点で、その重量平均分子量は1000以上1000000以下であることが好ましく、より好ましくは5000以上150000以下である。発明の特性を阻害しない範囲で、一部、リチウム塩やナトリウム塩などのアルカリ塩やアンモニウム塩などを含んでもよい。ポリ陰イオンが中和された塩の場合も、ドーパントとして作用すると考えられる。これは、非常に強い酸として機能するポリスチレンスルホン酸とアンモニウム塩は、中和後の平衡反応の進行により、酸性サイドに平衡がずれるためである。
これらの陰イオン構造を有する化合物(d−2)を、チオフェン構造を有する化合物(d−1)の重合時に添加することにより、本来、水に不溶なポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)を水分散あるいは水性化しやすくすることができる。更には、陰イオンの酸としての機能が、ポリチオフェンのドーピング剤としての機能も果たし、帯電防止性の向上につながる。そのため本発明では、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)と陰イオン構造を有する化合物(d−2)からなる組成物(d)を用いることが、帯電防止性の点で好ましい。
ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)に対して、陰イオン構造を有する化合物(d−2)は、固形分重量比で過剰に存在させた方が帯電防止性の点で好ましく、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)1重量部に対し、陰イオン構造を有する化合物(d−2)は1重量部以上5重量部以下が好ましく、1重量部以上3重量部以下が更に好ましい。
層(X)量を100重量部とした時に、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)と陰イオン構造を有する化合物(d−2)の含有量の合計が3重量部以上10重量部以下であることが必要である。ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)と陰イオン構造を有する化合物(d−2)の含有量の合計を上記範囲とし、かつ、エポキシ化合物(C)の含有量を所定の範囲とすることで、層(X)は高い透明性、接着性、帯電防止性を発現することができる。
ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)と陰イオン構造を有する化合物(d−2)の含有量の合計が3重量部未満の場合、層(X)は充分な帯電防止性を発現しない。また、10重量部を超えると、層(X)が印刷層やハードコート層との湿熱接着性に劣る。ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)と陰イオン構造を有する化合物(d−2)の含有量の合計の好ましい範囲は、層(X)を100重量部とした時に、3重量部以上、10重量部以下である。
層(X)中を100重量部とした時に、エポキシ化合物(C)の配合量を20重量部以上30重量部以下、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)と陰イオン構造を有する化合物(d−2)の含有量の合計を3重量部以上10重量部以下とした場合に、層(X)は連続相構造を取ることができる。その結果、層(X)に高い接着性と帯電防止性を付与することが可能となる。更に驚くべきことに、層(X)は、積層ポリエステルフィルムに成形加工を施した後も、優れた接着性と帯電防止性を維持することができるようになる。
層(X)を備えることで、フィルム表面比抵抗値を1×1012Ω/□以下にすることが出来る。
フィルムの表面比抵抗値を1×1012Ω/□以下にすることで、フィルムの貼り合わせ後、巻取りまでの搬送ゾーンでの、フィルムの貼り合わせたシートの接触角度が60〜180°となる搬送ロールにおいて剥離帯電を抑えることができ、長径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜0.5μmの凹みが1m2当たり両面合わせて5個以下を提供することが出来る。
フィルムの表面比抵抗値を1×1012Ω/□以下にすることで、フィルムの貼り合わせ後、巻取りまでの搬送ゾーンでの、フィルムの貼り合わせたシートの接触角度が60〜180°となる搬送ロールにおいて剥離帯電を抑えることができ、長径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜0.5μmの凹みが1m2当たり両面合わせて5個以下を提供することが出来る。
本発明では、長径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜0.5μmの凹みが1m2当たり両面合わせて5個以下であることが好ましいが、5個を超えると、最終製品とした場合に、表面品位に高級感が得られず、歩留まりが悪化することがある。
また、本発明の金属調赤外線透過加飾シートは、シート長手方向および/またはシート幅方向の破断時の応力が220MPa以下であることが好ましい。より好ましくは200MPa以下である、応力が220MPa以下であると、成形性が良好であるためにインサート成形や真空圧空成形、超高圧成形に適した成形用加飾シートとなる。また、シート長手方向および/またはシート幅方向の破断時の応力が140MPa以上であることが好ましい。より好ましくは160MPa以上である、応力が140MPa未満であると、成形前のシート加工時に幅縮が起こる場合がある。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートは、伸度100%時における接着剤層とポリエステルフィルムの90°剥離強度が0.3kg/cm以上であることが好ましい。剥離強度が0.3kg/cm未満の場合、延伸あるいは成形途中でフィルムが剥離してしまう可能性があるため好ましくない。より好ましくは0.5kg/cm以上である。延伸あるいは成形後であっても、剥離は発生せず、意匠性を維持できるため好ましい。
また、本発明において2層のポリエステルフィルムを貼り合わせる接着剤層に用いる接着剤としては、ウレタン系樹脂からなる接着剤が好ましい。ウレタン系樹脂からなる接着剤とは、末端に水酸基を持つポリオールとポリイソシアネート、または末端にイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーとポリオールを組み合わせ反応させることで硬化し、接着剤として機能するものである。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオールが使用できる。例えば、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレン−プロピレン共重合ポリオール、ポリテトラメチレンポリオールなどの単独あるいはそれらの混合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸など)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコールなど)とを重縮合させ得られたポリオール、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリエチレン−プロピレンアジペート等のポリオールがあり、また、ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンポリオールの単独あるいはそれらの混合物、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートおよび脂環式系ポリイソシアネートが挙げられる。上記ポリイソシアネートは単独あるいはそれらの混合物として使用できる。
また、本発明において用いられる接着剤層には各種の添加剤、例えば粘度調整剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、耐電防止剤、核剤などが配合されてもよい。
本発明に好ましく用いられる耐擦傷樹脂層(ハードコート層)は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂または金属酸化物などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂が好ましく、更に、硬化性、可撓性および生産性の点で、アクリル系樹脂、特に、活性線硬化型のアクリル系樹脂からなるものが好ましい。
ハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤などを用いることができる。ハードコート層の厚さは、用途に応じて決定すればよいが、通常0.1〜30μmが好ましく、より好ましくは1〜15μmである。ハードコート層の厚さが0.1μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために表面硬度が十分でなく傷が付きやすくなる傾向にあり、一方、厚さが30μmを超える場合には、折り曲げなどの応力により硬化膜にクラックが入りやすくなる傾向にある。
耐擦傷樹脂層に用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂などを挙げることができる。
アクリル系樹脂としては、1分子中に、3(より好ましくは4、さらに好ましくは5)個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートまたはその変性モノマーを共重合させた樹脂を用いることができる。多官能アクリレートまたはその変性モノマーにおける1分子中に有する(メタ)アクリロイルオキシ基の上限は、10個以下(より好ましくは9個以下、さらに好ましくは8個以下)が好ましい。多官能アクリレートまたはその変性モノマーが、1分子中に10個を超える(メタ)アクリロイルオキシ基を有すると硬化時の収縮率が大きく、耐擦傷樹脂層がカールする場合があるためである。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能アクリレートまたはその変性モノマーとして、具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの単量体は、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている多官能アクリルモノマーとしては三菱レーヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”など)、東亞合成化学工業株式会社;(“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
またアクリル系樹脂には、多官能アクリレートまたはその変性モノマーとポリエステル系ポリオールのオリゴマーの共重合体からなるポリエステルアクリレートや、多官能アクリレートまたはその変性モノマーとウレタンオリゴマーの共重合体からなるウレタンアクリレートも含まれる。
メラミン系樹脂とは、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。またメラミン系樹脂としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。
次に、本発明の金属調赤外線透過加飾シートを製造する好ましい製造方法を以下に説明する。
まず、本発明の金属調赤外線透過加飾シートに用いられる前記ポリエステルAを主成分とする層と前記ポリエステルBを主成分とする層とを少なくとも500層以上積層したポリエステルフィルム(以下積層フィルムと記す)の製造方法を以下に説明する。
まず、本発明の金属調赤外線透過加飾シートに用いられる前記ポリエステルAを主成分とする層と前記ポリエステルBを主成分とする層とを少なくとも500層以上積層したポリエステルフィルム(以下積層フィルムと記す)の製造方法を以下に説明する。
2種類のポリエステルAおよびポリエステルBをペレットなどの形態で用意する。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行い、押出機に供給される。押出機内において、融点以上に加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除く。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出されたポリエステルAおよびポリエステルBは次に多層積層装置に送り込まれる。多層積層装置としては、マルチマニホールドダイやフィールドブロックやスタティックミキサー等を用いることができる。また、これらを任意に組み合わせても良い。中でも、各層ごとの層厚みを個別に制御できるマルチマニホールドダイもしくはフィードブロックが好ましい。さらに各層の厚みを精度良く制御するためには、加工精度0.1mm以下の放電加工、ワイヤー放電加工にて、各層の流量を調整する微細スリットを設けたフィードブロックが好ましい。また、この際、樹脂温度の不均一性を低減するため、熱媒循環方式による加熱が好ましい。また、フィードブロック内の壁面抵抗を抑制するため、壁面の粗さを0.4S以下にするか、室温下における水との接触角が30°以上であると良い。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートに用いるポリエステルフィルムを得るためには、設計する反射フィルムの分光特性に応じて、最適な積層構成とすることが重要であるが、前記記載の調整を各波長帯域に対応した微細スリットを有するフィードブロックにて製膜を行うことが特に好ましい。
このようにして所望の層構成に形成した溶融積層体は、次にダイにて目的の形状に成形された後、吐出される。そして、ダイから吐出された多層に積層されたシートは、キャスティングドラム等の冷却体上に押し出され、冷却固化され、キャスティングフィルムが得られる。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法や、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させる方法、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させる方法が好ましい。
このようにして得られたキャスティングフィルムは、必要に応じて二軸延伸することが好ましい。二軸延伸とは、長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次二軸延伸しても良いし、同時に二方向に延伸してもよい。また、さらに長手および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。特に本発明では、面内の配向差を抑制できる点や、表面傷を抑制する観点から、同時二軸延伸を用いることが好ましい。
逐次二軸延伸の場合について、まず説明する。ここで、長手方向への延伸とは、フィルムに長手方向の分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロールの周速差により施され、この延伸は1段階で行ってもよく、また、複数本のロール対を使用して多段階に行っても良い。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成するポリエステルのいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+100℃が好ましい。
このようにして得られた一軸延伸されたフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、層(X)をコーティングする。
コーティング方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程とは別工程でコーティングを行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、ポリエステルフィルムの製造工程中にコーティングを行い、ポリエステルフィルムに層(X)が積層された積層ポリエステルフィルムを一気に得る、いわゆるインラインコーティング方法がある。しかしながら、コストの面や塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いられる塗液の溶剤は、環境汚染や防爆性の点から水系であることが好ましく、水を用いることが最も好ましい態様である。
コーティング方法としては、ポリエステルフィルムの製造工程とは別工程でコーティングを行う方法、いわゆるオフラインコーティング方法と、ポリエステルフィルムの製造工程中にコーティングを行い、ポリエステルフィルムに層(X)が積層された積層ポリエステルフィルムを一気に得る、いわゆるインラインコーティング方法がある。しかしながら、コストの面や塗布厚みの均一化の面からインラインコーティング方法を採用することが好ましく、その場合に用いられる塗液の溶剤は、環境汚染や防爆性の点から水系であることが好ましく、水を用いることが最も好ましい態様である。
溶剤として水を用いた塗材(水系塗剤)の塗布方法としては、例えば、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法およびダイコート法などを用いることができる。
また、幅方向の延伸とは、フィルムに幅方向の配向を与えるための延伸を言い、通常は、テンターを用いて、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、幅方向に延伸する。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、2〜15倍が好ましく、積層フィルムを構成するポリエステルのいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、2〜7倍が特に好ましく用いられる。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。
また、塗布されたフィルムは、150〜250℃の加熱ゾーンで熱処理を施すことで、基材フィルムの結晶配向を完了させるだけでなく、不安定構造である層(X)の連続相構造を固定化することができるため、好ましい。
また、塗布されたフィルムは、150〜250℃の加熱ゾーンで熱処理を施すことで、基材フィルムの結晶配向を完了させるだけでなく、不安定構造である層(X)の連続相構造を固定化することができるため、好ましい。
同時二軸延伸の場合について次に説明する。同時二軸延伸の場合、幅方向における反射ピークの反射率の差が±10%以下にすることが容易となるため好ましい。同時二軸延伸の場合には、得られたキャストフィルムに、必要に応じてコロナ処理やフレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施した後、易滑性、易接着性などの機能をインラインコーティングにより付与してもよい。
次に、キャストフィルムを、同時二軸テンターへ導き、フィルムの両端をクリップで把持しながら搬送して、長手方向と幅方向に同時および/または段階的に延伸する。同時二軸延伸機としては、パンタグラフ方式、スクリュー方式、駆動モーター方式、リニアモーター方式があるが、任意に延伸倍率を変更可能であり、任意の場所で弛緩処理を行うことができる駆動モーター方式もしくはリニアモーター方式が好ましい。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、通常、面積倍率として6〜50倍が好ましく、積層フィルムを構成する樹脂のいずれかにポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、面積倍率として8〜30倍が特に好ましく用いられる。特に同時二軸延伸の場合には、面内の配向差を抑制するために、長手方向と幅方向の延伸倍率を同一とするとともに、延伸速度もほぼ等しくなるようにすることが好ましい。また、延伸温度としては積層フィルムを構成する樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+120℃が好ましい。こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内で延伸温度以上融点以下の熱処理を行うのが好ましい。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートを製造するのに用いられる接着剤としては、接着部での90°剥離強度が0.3kg/cm以上となる接着剤を選択することが好ましい。1.0kg/cmであればより好ましく、1.5kg/cm以上であれば更に好ましい。剥離強度が0.3kg/cm未満の場合には、十分な密着性が得られず、延伸あるいは成型途中でフィルムが剥離してしまう可能性があるため好ましくない。接着強度が1.5kg/cm以上であると、使用時に剥離は発生せず、意匠性を維持できるため好ましい。
本発明では接着剤を介して2枚のポリエステルフィルムが貼り合わせられてなるが、接着剤を介して貼り合わせた場合、熱融着などに比べて、加熱によるポリエステルBの結晶化が進むのを防ぐことができ、反射波長領域を設計の通りに発現させることができる。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートを製造する製造方法において前記ポリエステルフィルムの片面に形成する接着剤層の単位面積当たりの質量は約1〜30g/m2であることが好ましい。かかる単位面積当たりの質量とすることで、1〜30μmの厚みの接着層が得られる。1g/m2未満であると接着力が弱く、剥離しやすくなり、30g/m2より多い場合、乾燥性が低下し、外観不良となりやすい。また、異物の押し痕が残りやすく、意匠性の低下につながるため好ましくない。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートを製造する製造方法において硬化型接着剤層を形成する際の塗工方式は、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、リップコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、キスタッチリバースコーター、コンマコーター、コンマリバースコーター、マイクロリバースコーターなどの塗工方式を用いることが出来る。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートの製造方法において、前記ポリエステルフィルムの片面に1〜30g/m2の接着剤層を形成する際の塗工方式は前述の方式を適宜選択して用いることができるが、塗工方式に合わせた粘度とするために適宜希釈剤を添加しても良い。本発明において用いられる接着剤の塗液調整に用いる希釈剤には、沸点が120℃以下の1種以上の低沸点溶剤と、その低沸点溶剤よりも高沸点の高沸点溶剤との混合溶剤を用いることができる。ここで、120℃以下としたのは、基材フィルムの耐熱性を考慮した乾燥温度130℃以下で、できるだけ速やかに蒸発する必要があるからである。さらに、高沸点溶剤は、好ましくは、低沸点溶剤の中で最も高沸点の溶剤よりも少なくとも40℃以上、より好ましくは40℃以上80℃以下高い沸点を有するものを用いることが好ましい。高沸点溶剤は、塗膜表面の固化を防止して他の低沸点の蒸発を促進する働きをするものである。また、塗工時の塗液の粘度上昇を抑制して塗工性を向上させる働きも有する。低沸点溶剤の具体例を挙げれば、炭化水素系溶剤としては、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン等を挙げることができ、ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等を挙げることができ、エステル系溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等を挙げることができ、エーテル系溶剤としては、1,4−ジオキサン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチルから選択された1種以上の溶剤である。これに対し、高沸点溶剤には、メチルブチルケトン、ダイアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等を挙げることができる。好ましくは、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルから選択された1種の溶剤である。また、高沸点溶剤の希釈溶剤中の含有量は、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは7〜15重量%である。5重量%より少ないと、低沸点溶剤の蒸発促進に十分な効果がなく、また20重量%を超えると、高沸点溶剤自体が塗膜内から完全に除去されず、塗膜内に残留する可能性があるからである。
貼り合わせ工程は、前記ポリエステルフィルムの片面に接着剤を塗布した後、他のポリエステルフィルムをラミネートニップロールで貼り合わせる。このとき、前記ポリエステルフィルムの片面に接着剤を塗布した後、40〜120℃で熱処理することが好ましく、40〜120℃に加熱したラミネートニップロール上で0.2〜1.0MPaのニップ圧力で第2のポリエステルをラミネートすることが好ましい。
貼り合わせた後、巻取りまでの搬送ゾーンでは、欠点を検出する機構及び/または、張力の調整や巻取りロールの切替の際のシートのたるみを吸収するための機構等のために、通常複数の搬送ロールが用いられ、シートの幅方向のずれを抑制するために各搬送ロールにおいては、適当な接触角度をもってシートが搬送される。そしてこのような搬送ロールにおいては、剥離帯電を抑制するため、自己放電除電器を設置することが好ましく、更に全ての搬送ロールの出側に設置することが望ましい。ここで、自己放電除電器は、両端を接地点に連結することにより帯電した電荷を接地点に逃がす機能を有する導電性を有する線状体である。かかる線状体としては銅、アルミニウム、鉄などが上げられる。また、酸化された場合には導電性の低下や破断の懸念があることから、酸化しにくい素材が好ましい。例えば、0.1から0.5mmφタングステンの素線ワイヤーを用いることができる。
また、設置に当たっては、ワイヤーの両端をバネ等で張力をかけて保持し、シートの搬送方向を横切るように、好ましくはシートの搬送方向に垂直に設置する。
更に好ましくは、搬送ロールと中心を同じくする同心円で、搬送ロールの半径+25mm、及び、搬送ロールの半径+80mmの半径の円周を示しており、シートと平行な最短距離が1mm及び20mmとなる位置に設置する。更に好ましくは、搬送ロールとの最短距離Mが25〜80mmの範囲かつ積層フィルムとの最短距離が1〜20mmの範囲に設置する。
更に好ましくは、搬送ロールと中心を同じくする同心円で、搬送ロールの半径+25mm、及び、搬送ロールの半径+80mmの半径の円周を示しており、シートと平行な最短距離が1mm及び20mmとなる位置に設置する。更に好ましくは、搬送ロールとの最短距離Mが25〜80mmの範囲かつ積層フィルムとの最短距離が1〜20mmの範囲に設置する。
複数の搬送ロールを通過させた後にシート巻取りコア上に巻き取り、接着剤の硬化を目的に、得られた積層フィルムをロールに巻き取った状態で、20〜60℃、24〜168時間熱処理を行う。かかる熱処理の温度が、20℃に満たない場合及び/または熱処理の時間が24時間に満たない場合には接着剤の硬化が十分には進まず、十分な接着強度が得られず、後の工程で貼り合わせたフィルムにズレが生じる場合がある。また、60℃を越える場合及び/または熱処理の時間が168時間を越える場合には、ロールとなったシートの巻き締まり痕が顕著となり、加飾用途としては適さない。
また、シート巻取りコア上に巻き取る前に前記シート巻取りコアの積層フィルムの表層近傍の位置に除電器を設置して除電を行うことが好ましい。かかる場合に適用する除電器としては、前に記載したワイヤー型自己放電除電器(前記シート巻取りコアの積層フィルムの表層から1〜20mmの位置に設置)や、接地された細かいブラシ状導電物を除電対象である帯電体に接近させ、ブラシ先端でコロナ放電によりイオンを発生させて除電するブラシ型自己放電除電器や、針状電極に周波数50〜60Hzの交流の高電圧や直流の高電圧を印加してコロナ放電によりイオンを発生させて除電するコロナ放電式(前記シート巻取りコアの積層フィルムの表層から20〜70mmの位置に設置)を用いることが好ましい。中でも、交流式のコロナ放電式除電器を被除電物である積層フィルムロールに対して前記フィルム巻取りコアの積層フィルムの表層から20〜70mmの位置に、除電電極の針先を巻取りコアの中心に向けて設置することで累積帯電を除電することが好ましい。20mm未満の位置に配置した場合は積層フィルムに直接放電が発生し欠点を生じる場合があり、70mmを越えると除電効果が不十分となる場合がある。好ましくは、30〜70mmの位置である。更に好ましくは、交流式電圧印加方式除電器を2列設置する。
また、積層フィルム巻取りコアは、接地されていることが好ましい。さらに好ましくは、コアの素材として電位抵抗が0.1MΩ以下のコアを接地することであり、更に好ましくは、電位抵抗が0.1MΩ以下、硬度75の導電性ゴムコアを用いることである。
導電性ゴムコアであると、フィルムとコアの密着性があがり、除電の効果が向上するため好ましい。
導電性ゴムコアであると、フィルムとコアの密着性があがり、除電の効果が向上するため好ましい。
積層フィルムを巻取るときの張力は、0.5〜1.5MPaが好ましく、0.9〜1.1MPaが更に好ましい。0.5MPa未満では、巻きズレが発生する可能性が大きく、1.5MPaを越えると、巻き締まりや、張り合わせ後の接着剤硬化処理(エージング処理)後に発生する、シート表面の核の無い円状の直径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜10.0μmの凹み欠陥(以下D(ディンプル変形欠陥)欠と記す)が発生しやすい。
本発明の金属調赤外線透過加飾シートは、上記以外にハードコート層、帯電防止層、耐摩耗性層、反射防止層、色補正層、紫外線吸収層、印刷層、透明導電層、ガスバリア層、ホログラム層、剥離層、粘着層、エンボス層、接着層、離形層などの機能性層を形成してもよい。
[物性値評価方法]
[積層厚み、積層数]
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いても良い。
積層構造の具体的な求め方を、説明する。約4万倍のTEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで画像処理ソフトImage−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このJPGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。
[積層厚み、積層数]
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、加速電圧75kVでフィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuO4やOsO4などを使用した染色技術を用いても良い。
積層構造の具体的な求め方を、説明する。約4万倍のTEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をJPEG形式で保存し、次いで画像処理ソフトImage−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このJPGファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。
[400〜750nmの平均反射率、900〜1000nmの透過率]
サンプルを5cm×5cmで切り出した。日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で反射率および透過率測定を行った(入射角0°)。測定は装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準とし、測定条件としてスリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/min.で測定した。また、付属の角度可変絶対反射装置を取り付け、入射角30°、60°の測定を実施した。
サンプルを5cm×5cmで切り出した。日立製作所製 分光光度計(U−4100 Spectrophotomater)に付属の積分球を用いた基本構成で反射率および透過率測定を行った(入射角0°)。測定は装置付属の酸化アルミニウムの副白板を基準とし、測定条件としてスリットは2nm(可視)/自動制御(赤外)とし、ゲインは2と設定し、走査速度を600nm/min.で測定した。また、付属の角度可変絶対反射装置を取り付け、入射角30°、60°の測定を実施した。
[接着層厚み]
ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、日立走査型電子顕微鏡S−3400Nシステムを用い、加速電圧15kvでフィルムの断面を7500倍に拡大観察し、断面写真を撮影、接着層厚みを幅方向100mm間隔で測定した。
ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、日立走査型電子顕微鏡S−3400Nシステムを用い、加速電圧15kvでフィルムの断面を7500倍に拡大観察し、断面写真を撮影、接着層厚みを幅方向100mm間隔で測定した。
[表面比抵抗の測定方法および評価方法]
表面比抵抗は、シートを常態(温度23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下でデジタル超高抵抗/微小電流計(アドバンテスト製R8340A)を用いて、印加電圧100Vで1分間印加後の表面比抵抗値を求めた。なお、測定面はシートの層(X)積層面とする。単位は、Ω/□である。表面比抵抗が9×1012Ω/□以下のものであれば実用上問題のないレベルであり、5×1012Ω/□以下のものは優れた帯電防止性を示す。
表面比抵抗は、シートを常態(温度23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下でデジタル超高抵抗/微小電流計(アドバンテスト製R8340A)を用いて、印加電圧100Vで1分間印加後の表面比抵抗値を求めた。なお、測定面はシートの層(X)積層面とする。単位は、Ω/□である。表面比抵抗が9×1012Ω/□以下のものであれば実用上問題のないレベルであり、5×1012Ω/□以下のものは優れた帯電防止性を示す。
[ディンプル変形欠陥]
エージング後のシートロール表層と巻芯部の1m2カットサンプルを切り出し、次いで、下地に東レ X35S 黒フィルムを敷きその上に切り出したサンプルを置き、500〜1,000ルックスの蛍光灯環境下で、欠陥の長径をJIS P8208/P8145一般ドットケージにて目視測定し、0.1mm以上の欠陥の個数を数えた。
本実施例で用いた接着剤は以下の通りである。
エージング後のシートロール表層と巻芯部の1m2カットサンプルを切り出し、次いで、下地に東レ X35S 黒フィルムを敷きその上に切り出したサンプルを置き、500〜1,000ルックスの蛍光灯環境下で、欠陥の長径をJIS P8208/P8145一般ドットケージにて目視測定し、0.1mm以上の欠陥の個数を数えた。
本実施例で用いた接着剤は以下の通りである。
[摩擦帯電評価]
25±5℃、65±5%RHに調温湿された室内にて、ガラス板上にA4サイズにカットしたサンプルを置き、トラスコ中山株式会社の商品名:αメリヤスウエス(綿100%)と、東レ株式会社の商品名:OAトレシー(ポリエステル100%)を摩擦子として、サンプル上を10cm/sの速度で、長手方向に5往復した直後の表面帯電値を、「TRek Model 523−1CE」を使用し、n数3のそれぞれの平均値を求めた。
25±5℃、65±5%RHに調温湿された室内にて、ガラス板上にA4サイズにカットしたサンプルを置き、トラスコ中山株式会社の商品名:αメリヤスウエス(綿100%)と、東レ株式会社の商品名:OAトレシー(ポリエステル100%)を摩擦子として、サンプル上を10cm/sの速度で、長手方向に5往復した直後の表面帯電値を、「TRek Model 523−1CE」を使用し、n数3のそれぞれの平均値を求めた。
[隠蔽性評価]
A4サイズの高さ5cmの上部が空いている箱を用意し、その箱の内面底に背景色R,G,B=0,0,0、文字サイズ500、書式MSゴシック、文字色調R,G,B=95,95,95で「A」と印刷したA4用紙を置き、更にその箱の空いている上部にB4サイズのガラス板を置き、ガラス版の上にB4サイズにカットしたサンプルを、外部の光が箱の中に入らないように置き、500〜1,000ルックスの蛍光灯環境下で、20〜29歳、30〜39歳、40〜49歳、それぞれ男女1名にサンプルを目視で「A」の視認具合を次のとおりに、隠蔽度合いを評価した。合計値を表1に示した。
隠蔽度合い:文字がまったく見えない「3」
文字がうっすら見える 「2」
文字がはっきり見える 「1」。
A4サイズの高さ5cmの上部が空いている箱を用意し、その箱の内面底に背景色R,G,B=0,0,0、文字サイズ500、書式MSゴシック、文字色調R,G,B=95,95,95で「A」と印刷したA4用紙を置き、更にその箱の空いている上部にB4サイズのガラス板を置き、ガラス版の上にB4サイズにカットしたサンプルを、外部の光が箱の中に入らないように置き、500〜1,000ルックスの蛍光灯環境下で、20〜29歳、30〜39歳、40〜49歳、それぞれ男女1名にサンプルを目視で「A」の視認具合を次のとおりに、隠蔽度合いを評価した。合計値を表1に示した。
隠蔽度合い:文字がまったく見えない「3」
文字がうっすら見える 「2」
文字がはっきり見える 「1」。
(実施例1)
ポリエステルAとして、固有粘度0.8のポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す)を用いた。またポリエステルBは、酸成分としてシクロヘキサンジメタノール30mol%、ジオール成分としてスピログリコール30mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用いた。これらポリエステルAおよびポリエステルBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
ポリエステルAとして、固有粘度0.8のポリエチレンテレフタレート(以下PETと称す)を用いた。またポリエステルBは、酸成分としてシクロヘキサンジメタノール30mol%、ジオール成分としてスピログリコール30mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(PE/SPG・T/CHDC)を用いた。これらポリエステルAおよびポリエステルBは、それぞれ乾燥した後、押出機に供給した。
ポリエステルAおよびポリエステルBは、それぞれ、押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプにて吐出比がポリエステルA組成物/ポリエステルB組成物=1.66/1になるように計量しながら、フィルタを介した後、フィードブロックにて合流させた。合流したポリエステルAおよびポリエステルBは、スタティックミキサーに供給し、ポリエステルAが275層、ポリエステルBが274層からなる厚み方向に交互にスリット数275個のスリット板1枚と、274個のスリット板1枚を用いた構成である549層フィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に549層積層された積層体とした。但し、用いた各スリット板において、両端部に位置した厚膜層を形成するスリット巾が、他の薄膜層を形成するスリット巾の2.8倍設計とし、さらに、薄膜層を形成するスリットの層番号とスリット長さの関係が、図1の層厚み分布と類似した設計とした。ここでは、スリット巾は、全て一定とし、長さのみ変化させた。なお、スリット長の変化の割合は、0.59とした。また、積層構造の内訳は、ポリエステルAが275層、ポリエステルBが274層からなる厚み方向に交互に積層された傾斜構造を有する積層体とした。
このようにして得られた計549層からなる積層体をTダイに供給しシート状に成形した後、静電印加しながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。
得られたキャストフィルムは、85℃から100℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.2倍延伸後、この一軸延伸フィルムに、下記組成で混合した水系塗剤(x−1)を塗布した。
得られたキャストフィルムは、85℃から100℃に設定したロール群で加熱し、縦方向に3.2倍延伸後、この一軸延伸フィルムに、下記組成で混合した水系塗剤(x−1)を塗布した。
(水系塗剤(X)組成)
・アクリルウレタン共重合樹脂(a−1)の水分散体:山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製“エラストロン”E−37(固形分濃度28重量%)
・エポキシ化合物(c):DIC(株)製“CR−5L”(固形分濃度100重量%)
・ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)および陰イオン構造を有する化合物(d−2)からなる組成物の水分散体:
陰イオン構造を有する化合物であるポリスチレンスルホン酸を20.8重量部含む1887重量部の水溶液中に、1重量%硫酸鉄(III)水溶液49重量部、チオフェン構造を有する化合物である3,4−エチレンジオキシチオフェン8.8重量部、および10.9重量%のペルオキソ二硫酸水溶液117重量部を加えた。この混合物を18℃で、23時間攪拌した。次いで、この混合物に、154重量部の陽イオン交換樹脂および232重量部の陰イオン交換樹脂を加えて、2時間攪拌した後、イオン交換樹脂をろ別して、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる組成物(d‐1)+(d‐2)の水分散体を得た。なお、ポリチオフェン構造を有する化合物と陰イオン構造を有する化合物の重量比(ポリチオフェン構造を有する化合物/陰イオン構造を有する化合物)は、4/6である。また、得られたポリチオフェン構造を有する化合物および陰イオン構造を有する化合物からなる組成物(d‐1)+(d‐2)の水分散体の固形分濃度は1.3重量%である。
・アクリルウレタン共重合樹脂(a−1)の水分散体:山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製“エラストロン”E−37(固形分濃度28重量%)
・エポキシ化合物(c):DIC(株)製“CR−5L”(固形分濃度100重量%)
・ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)および陰イオン構造を有する化合物(d−2)からなる組成物の水分散体:
陰イオン構造を有する化合物であるポリスチレンスルホン酸を20.8重量部含む1887重量部の水溶液中に、1重量%硫酸鉄(III)水溶液49重量部、チオフェン構造を有する化合物である3,4−エチレンジオキシチオフェン8.8重量部、および10.9重量%のペルオキソ二硫酸水溶液117重量部を加えた。この混合物を18℃で、23時間攪拌した。次いで、この混合物に、154重量部の陽イオン交換樹脂および232重量部の陰イオン交換樹脂を加えて、2時間攪拌した後、イオン交換樹脂をろ別して、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる組成物(d‐1)+(d‐2)の水分散体を得た。なお、ポリチオフェン構造を有する化合物と陰イオン構造を有する化合物の重量比(ポリチオフェン構造を有する化合物/陰イオン構造を有する化合物)は、4/6である。また、得られたポリチオフェン構造を有する化合物および陰イオン構造を有する化合物からなる組成物(d‐1)+(d‐2)の水分散体の固形分濃度は1.3重量%である。
・水系溶媒(G):純水
上記した(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/100/75/25となるように、かつ水系塗剤(x−1)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整した。
上記した(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/100/75/25となるように、かつ水系塗剤(x−1)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整した。
水系塗剤(X)を塗布した一軸延伸フィルムをテンターに導き、100℃の熱風で予熱後、110℃の温度で幅方向に3.3倍延伸した。延伸したフィルムは、テンター内でリラックス率3%および150℃の熱風にて熱処理を行い、室温まで徐冷後、巻き取った。厚み52μmである第一フィルムを得た。
ポリエステルフィルムの厚み以外は上記と同様にして、厚み71μmである第二フィルムを得た。
得られた第一フィルムに下記接着剤をウェット厚みで7g/m2塗布し、乾燥温度70℃から90℃で速度20m/minで乾燥後、第二フィルムとニップ圧力0.4MPa、温度40℃でニップロールで張り合わせを行った。
ポリエステルフィルムの厚み以外は上記と同様にして、厚み71μmである第二フィルムを得た。
得られた第一フィルムに下記接着剤をウェット厚みで7g/m2塗布し、乾燥温度70℃から90℃で速度20m/minで乾燥後、第二フィルムとニップ圧力0.4MPa、温度40℃でニップロールで張り合わせを行った。
[接着剤]
三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケネート A−971”5重量部、三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケラック A−3”0.5重量部を酢酸エチル5重量部に溶解させたものを用いた。
三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケネート A−971”5重量部、三井化学ポリウレタン株式会社製ウレタンプレポリマー溶液“タケラック A−3”0.5重量部を酢酸エチル5重量部に溶解させたものを用いた。
張り合わせ後の搬送工程で、搬送ロールとシートの接触角度が、60〜180°となる直径100mm搬送ロール17本に、距離Lが80mm、距離Dが20mmとなる位置に0.2mmφタングステンをバネで両端部を把持して接地した。
貼り合わせ後にシートを巻き取ったが、シート巻取り部にはイオン電流(イオン電流測定器 除電モニターSW001)が±0.3μA以上を発生する交流式電圧印加方式(コロナ放電式)除電器を、除電電極の針先が巻取りコアの中心に向けてダブルで設置。設置距離は被除電物であるシートロールと除電電極の針先が巻き長増加による距離をふまえ、50mm以下のところへ設置した。
得られた結果を表1に示した。
貼り合わせ後にシートを巻き取ったが、シート巻取り部にはイオン電流(イオン電流測定器 除電モニターSW001)が±0.3μA以上を発生する交流式電圧印加方式(コロナ放電式)除電器を、除電電極の針先が巻取りコアの中心に向けてダブルで設置。設置距離は被除電物であるシートロールと除電電極の針先が巻き長増加による距離をふまえ、50mm以下のところへ設置した。
得られた結果を表1に示した。
(実施例2)
ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが30mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGと称す)を用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが30mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGと称す)を用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例3)
第一フィルムの厚みを47μm、第二フィルムの厚みを70μmとした以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
第一フィルムの厚みを47μm、第二フィルムの厚みを70μmとした以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例4)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/90/90/25となるように、かつ水系塗剤(x−1)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したとした以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/90/90/25となるように、かつ水系塗剤(x−1)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したとした以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例5)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/60/24となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/60/24となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例6)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/70/10となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したとした以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/70/10となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したとした以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例7)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/100/75/30となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したとした以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/100/75/30となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したとした以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例8)
実施例3で得られたシートに、耐擦傷樹脂層として東レフィルム加工株式会社の商品名タフトップハードコートSHOを2μm塗布したフィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
実施例3で得られたシートに、耐擦傷樹脂層として東レフィルム加工株式会社の商品名タフトップハードコートSHOを2μm塗布したフィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
(実施例9)
実施例3で得られたシートに、東レフィルム加工株式会社の商品名タフトップハードコートSHOを5μm塗布したフィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
実施例3で得られたシートに、東レフィルム加工株式会社の商品名タフトップハードコートSHOを5μm塗布したフィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例1)
積層を第一フィルム及び第二フィルム共に903層とし、第一フィルムの厚み95μm、第二フィルムとしては厚み110μmとした以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
積層を第一フィルム及び第二フィルム共に903層とし、第一フィルムの厚み95μm、第二フィルムとしては厚み110μmとした以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例2)
一軸延伸フィルムに、下記組成で混合した水系塗剤(x−2)を塗布した以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(水系塗剤(x−2)組成)
・アクリルウレタン共重合樹脂(a−1)の水分散体:山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製“エラストロン”E−37(固形分濃度28重量%)
・水系溶媒(G):純水
上記した(a−1)〜(b)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)=100/80となるように、かつ水系塗剤(x−1)の固形分濃度が3重量%となるように(G)を混合し濃度調整した。
一軸延伸フィルムに、下記組成で混合した水系塗剤(x−2)を塗布した以外は、実施例1と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(水系塗剤(x−2)組成)
・アクリルウレタン共重合樹脂(a−1)の水分散体:山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−658(固形分濃度30重量%)
・イソシアネート化合物(b)の水分散体:第一工業製薬(株)製“エラストロン”E−37(固形分濃度28重量%)
・水系溶媒(G):純水
上記した(a−1)〜(b)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)=100/80となるように、かつ水系塗剤(x−1)の固形分濃度が3重量%となるように(G)を混合し濃度調整した。
(比較例3)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/120/30となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/120/30となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例4)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/40/15となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/40/15となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例5)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/60/5となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/110/60/5となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例6)
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/111/90/55となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(a−1)〜(d−2)の水分散体を固形分重量比で、(a−1)/(b)/(c)/(d−1)+(d−2)=100/111/90/55となるように、かつ水系塗剤(x)の固形分濃度が3重量%となるように(X)を混合し濃度調整したこと以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例7)
ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが40mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGと称す)を用いた以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが40mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGと称す)を用いた以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例8)
ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが20mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGと称す)を用いた以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
ポリエステルBとしてシクロヘキサンジメタノールが20mol%共重合された共重合ポリエステル(以下、PETGと称す)を用いた以外は、実施例3と同様の装置・条件で、ラミネートシートを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例9)
ラミネート加工を行わない以外は実施例2と同様にして第一フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例10)
ラミネート加工を行わない以外は実施例2と同様にして第二フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
ラミネート加工を行わない以外は実施例2と同様にして第一フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
(比較例10)
ラミネート加工を行わない以外は実施例2と同様にして第二フィルムを得た。得られた結果を表1に示した。
本発明は、赤外線センサを覆うカバー部材に好ましく用いることができる。
1:スリット板1により作製される層厚み分布
2:スリット板2により作製される層厚み分布
3:スリット板3により作製される層厚み分布
4:スリット板3内のポリエステルAの層厚み分布
5:厚膜層
6:平均層厚みD2(nm)となるポリエステルAの薄膜層10層分の層厚み分布
7:平均層厚みD1(nm)となるポリエステルAの薄膜層10層分の層厚み分布
8:スリット板2内のポリエステルAの層厚み分布
9:スリット板1内のポリエステルAの層厚み分布
2:スリット板2により作製される層厚み分布
3:スリット板3により作製される層厚み分布
4:スリット板3内のポリエステルAの層厚み分布
5:厚膜層
6:平均層厚みD2(nm)となるポリエステルAの薄膜層10層分の層厚み分布
7:平均層厚みD1(nm)となるポリエステルAの薄膜層10層分の層厚み分布
8:スリット板2内のポリエステルAの層厚み分布
9:スリット板1内のポリエステルAの層厚み分布
Claims (3)
- 2枚のポリエステルフィルムが接着層を介して貼り合わせられ基材フィルムを構成し、当該2枚のポリエステルフィルムが、それぞれ、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートからなるポリエステルAを主成分とする層と、シクロヘキサンジメタノール成分を酸成分に対して25mol%〜35mol%含むポリエステルBを主成分とする層とが厚み方向に規則的に積層されたポリエステルフィルムであって、合計の層数が少なくとも500層以上、600層以下であって、該基材フィルムの少なくとも片面に、エポキシ化合物(C)、ポリチオフェン構造を有する化合物(d−1)および陰イオン構造を有する化合物(d−2)を用いてなる層(X)が設けられた積層フィルムであって、
該層(X)における、前記化合物(C)の配合量が該層(X)の100重量部に対して20〜30重量部、かつ、前記化合物(d−1)と前記化合物(d−2)の配合量の合計が該層(X)の100重量部に対して3〜10重量部であり、
積層フィルムの該層(X)側の表面抵抗値が1×1012Ω/□以下で、
積層フィルムの厚みが100μm以上300μm以下で、
波長350〜750nmの光線平均反射率が70%以上、100%以下、
波長900〜1000nmの光線平均透過率が85%以上、100%以下、
であることを特徴とする金属調赤外線透過加飾シート。 - 長径0.10〜1.0mm、深さ0.1〜10.0μmの凹みが1m2当たり両面合わせて5個以下であることを特徴とする
請求項1に記載の金属調赤外線透過加飾シート。 - 赤外線センサ機器の赤外線を送受信する素子を隠蔽保護する用途に用いられる、請求項1に記載の金属調赤外線透過加飾シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012264054A JP2014108570A (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | 金属調赤外線透過加飾シート |
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JP2012264054A JP2014108570A (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | 金属調赤外線透過加飾シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=51029485
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012264054A Pending JP2014108570A (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | 金属調赤外線透過加飾シート |
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JP (1) | JP2014108570A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019078679A (ja) * | 2017-10-26 | 2019-05-23 | サカエ理研工業株式会社 | 車両用ドアハンドル装置及び車両 |
CN115151418A (zh) * | 2019-12-27 | 2022-10-04 | 大日本印刷株式会社 | 金属色调装饰片和具有其的金属色调装饰成型体 |
-
2012
- 2012-12-03 JP JP2012264054A patent/JP2014108570A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019078679A (ja) * | 2017-10-26 | 2019-05-23 | サカエ理研工業株式会社 | 車両用ドアハンドル装置及び車両 |
CN115151418A (zh) * | 2019-12-27 | 2022-10-04 | 大日本印刷株式会社 | 金属色调装饰片和具有其的金属色调装饰成型体 |
CN115151418B (zh) * | 2019-12-27 | 2024-01-05 | 大日本印刷株式会社 | 金属色调装饰片和具有其的金属色调装饰成型体 |
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