JP2014108508A - 吸着搬送装置および吸着搬送方法 - Google Patents
吸着搬送装置および吸着搬送方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014108508A JP2014108508A JP2012265602A JP2012265602A JP2014108508A JP 2014108508 A JP2014108508 A JP 2014108508A JP 2012265602 A JP2012265602 A JP 2012265602A JP 2012265602 A JP2012265602 A JP 2012265602A JP 2014108508 A JP2014108508 A JP 2014108508A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adsorber
- negative pressure
- article
- adsorbers
- expansion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Manipulator (AREA)
Abstract
【課題】吸着搬送装置で搬送される物品を傾斜した状態で所定位置に載置する自動的な移載作業において、搬送中における物品の保持状態の安定化を図りつつ、移載作業の高速化を実現する。
【解決手段】吸着搬送装置1に、ヘッド部54と、該ヘッド部を移動させる移動手段50と、ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品Pの第1ポジションを吸着させる第1の吸着器21と、ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品Pの第2ポジションを吸着させる第2の吸着器22と、第1の吸着器と第2の吸着器とに負圧を供給する負圧供給手段30,31と、該負圧供給手段により第1の吸着器21に供給される負圧を調整することにより第1の吸着器21の伸縮量を調整する伸縮量調整手段41,42,100と、を設ける。
【選択図】図5
【解決手段】吸着搬送装置1に、ヘッド部54と、該ヘッド部を移動させる移動手段50と、ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品Pの第1ポジションを吸着させる第1の吸着器21と、ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品Pの第2ポジションを吸着させる第2の吸着器22と、第1の吸着器と第2の吸着器とに負圧を供給する負圧供給手段30,31と、該負圧供給手段により第1の吸着器21に供給される負圧を調整することにより第1の吸着器21の伸縮量を調整する伸縮量調整手段41,42,100と、を設ける。
【選択図】図5
Description
本発明は、複数の筒状の吸着器の下端部に物品を吸着させて、該物品を搬送する装置および方法に関する。
近年、物品の箱詰め作業の自動化が進んでいる。自動的な箱詰め作業には、コンベアで搬送される物品を保持して箱の中へ搬送する吸着搬送装置が用いられる。この種の吸着搬送装置は、例えば蛇腹ホース等の筒状の伸縮部材からなる吸着器を備える。この吸着器に負圧が供給されることにより、該吸着器に物品が吸着されて保持され、吸着器への負圧供給が停止されることにより、吸着器から物品が解放される。
ところで、例えば土産用等の菓子を箱詰めして販売する場合、箱の中の傾斜したトレー部上に菓子を敷き詰めることがある。また、ポテトチップス等の袋入りの商品を段ボール箱等の箱に入れて出荷する場合、1つの箱にできるだけ多くの商品を詰め込むために、個々の商品を傾斜させて、隣接する一方の商品の下端部の上に他方の商品の上端部を重ねることで、全体として刺身の盛りつけ状態となるように商品を敷き詰めることがある。このように各物品を傾斜させて箱詰めする作業を自動化した技術の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1の技術では、物品を傾斜させた状態で箱の中の所定位置に載置するために、吸着搬送装置の吸着器に物品が傾斜した状態で保持されるように構成されている。具体的には、物品の中心からずれた位置を吸着器に吸着させることで、物品が傾斜した状態で保持されるようになっている。
しかしながら、特許文献1の技術のように、吸着器により物品を傾斜させた状態で保持する場合、水平な状態で保持する場合に比べて、物品の保持状態が不安定となる。そのため、吸着搬送装置により物品をコンベアから箱の中へ搬送するときに荷重がかかることにより、搬送中に物品の位置ずれ又は落下が生じやすくなる。
この問題を回避するための技術として、吸着器を支持するヘッド部に傾斜機構を設ける技術が知られている。この技術では、搬送中は物品を水平状態に維持して、物品が所定位置に搬送されたときに傾斜機構を作動させてヘッド部と共に物品を傾斜させた状態で、負圧供給の停止により吸着器から物品を解放することで、物品を傾斜した状態で載置することができる。
しかしながら、この技術を採用すると、傾斜機構を設けることによりヘッド部の重量が増大するため、ヘッド部の移動速度の低下を招き、例えばパラレルリンクロボットを用いた高速の移載作業に対応できない問題がある。
そこで、本発明は、吸着搬送装置で搬送される物品を傾斜した状態で所定位置に載置する自動的な移載作業において、搬送中における物品の保持状態の安定化を図りつつ、移載作業の高速化を実現することを課題とする。
本発明に係る吸着搬送装置は、
ヘッド部と、
該ヘッド部を移動させる移動手段と、
前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品の第1ポジションを吸着させる第1の吸着器と、
前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において前記物品の第2ポジションを吸着させる第2の吸着器と、
第1の吸着器と第2の吸着器とに負圧を供給する負圧供給手段と、
該負圧供給手段により第1の吸着器に供給される負圧を調整することにより第1の吸着器の伸縮量を調整する伸縮量調整手段と、を備えたことを特徴とする。
ヘッド部と、
該ヘッド部を移動させる移動手段と、
前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品の第1ポジションを吸着させる第1の吸着器と、
前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において前記物品の第2ポジションを吸着させる第2の吸着器と、
第1の吸着器と第2の吸着器とに負圧を供給する負圧供給手段と、
該負圧供給手段により第1の吸着器に供給される負圧を調整することにより第1の吸着器の伸縮量を調整する伸縮量調整手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明に係る吸着搬送装置を用いれば、第1の吸着器に供給される負圧の調整により第1の吸着器の伸縮量を調整することで、第1の吸着器に吸着される物品の第1ポジションの高さを調整することができる。これにより、物品の第1ポジションと第2ポジションとの高さ関係、ひいては、物品の姿勢を調整することができる。
そのため、移動手段により物品が搬送されているときは、物品が安定した姿勢に維持されるように第1の吸着器の伸縮量が調整されることで、安定した搬送を実現することができる。また、移動手段により所定位置に搬送された物品が所定の載置面に載置されるときは、負圧の低減または増大により第1の吸着器が伸縮されることにより、物品の姿勢を、載置面の傾斜に応じた姿勢に傾けることができる。
さらに、この発明に係る吸着搬送装置によれば、ヘッド部に特別な傾斜機構を設けなくても、上記のように第1の吸着器に供給される負圧を調整するだけで物品の姿勢を調整することができる。したがって、上記傾斜機構の省略によりヘッド部の重量の増大が回避されるため、ヘッド部を高速で移動させることが可能になり、例えばパラレルリンクロボットを用いた高速の移載作業に対応することができる。
また、上記の吸着搬送装置において、
前記伸縮量調整手段は、第1の吸着器に供給される負圧を調整する第1の負圧調整部と、第2の吸着器に供給される負圧を調整する第2の負圧調整部と、第1の負圧調整部と第2の負圧調整部とを制御する制御部と、を備えてもよく、
前記制御部は、
前記移動手段による前記ヘッド部の移動により、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置へ搬送されているとき、第1の吸着器の伸縮量が第1の量となり、且つ、第2の吸着器の伸縮量が第2の量となるように、第1の負圧調整部及び第2の負圧調整部を制御し、
前記物品が前記所定位置へ搬送されたとき、第2の吸着器の伸縮量が第2の量に維持され、且つ、第1の吸着器の伸縮量が第1の量よりも低減または増大するように、第1の負圧調整部及び第2の負圧調整部を制御してもよい。
前記伸縮量調整手段は、第1の吸着器に供給される負圧を調整する第1の負圧調整部と、第2の吸着器に供給される負圧を調整する第2の負圧調整部と、第1の負圧調整部と第2の負圧調整部とを制御する制御部と、を備えてもよく、
前記制御部は、
前記移動手段による前記ヘッド部の移動により、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置へ搬送されているとき、第1の吸着器の伸縮量が第1の量となり、且つ、第2の吸着器の伸縮量が第2の量となるように、第1の負圧調整部及び第2の負圧調整部を制御し、
前記物品が前記所定位置へ搬送されたとき、第2の吸着器の伸縮量が第2の量に維持され、且つ、第1の吸着器の伸縮量が第1の量よりも低減または増大するように、第1の負圧調整部及び第2の負圧調整部を制御してもよい。
なお、ここでいう「第1の量」と「第2の量」は、同じ伸縮量であってもよいし、異なる伸縮量であってもよい。
これにより、物品の搬送中は第1及び第2の吸着器の伸縮量をそれぞれ適量に維持することで、物品を所定の姿勢で安定して搬送することができ、物品が所定位置へ搬送されたときに、第2の吸着器の伸縮量を維持しつつ、第1の吸着器の伸縮量を低減または増大させることで、物品を所望の姿勢に傾けることができる。
さらに、前記制御部は、
前記移動手段による前記ヘッド部の移動により、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置に向かって搬送されているとき、第1の吸着器と第2の吸着器に負圧が供給されるように制御し、
前記物品が前記所定位置へ搬送されたとき、第2の吸着器への負圧供給を維持しつつ、第1の吸着器への負圧供給を停止するように制御してもよい。
前記移動手段による前記ヘッド部の移動により、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置に向かって搬送されているとき、第1の吸着器と第2の吸着器に負圧が供給されるように制御し、
前記物品が前記所定位置へ搬送されたとき、第2の吸着器への負圧供給を維持しつつ、第1の吸着器への負圧供給を停止するように制御してもよい。
この発明によれば、物品が所定位置へ搬送されたときに、第1の吸着器への負圧供給を停止するだけで、第1の吸着器が下方へ伸長することにより、物品の姿勢を簡単に傾けることができる。
また、第1の吸着器と第2の吸着器とは、負圧が供給されていない状態において第1及び第2の吸着器の上端部の高さが互いに等しく且つ第1及び第2の吸着器の下端部の高さが互いに等しくなるように設けられることが好ましい。
これにより、第1及び第2の吸着器の下端部に、これらの吸着器の下方において略水平に配置された物品の上面を吸着させる際、移動手段によりヘッド部を下方に移動させることで、互いに高さが等しい第1及び第2の吸着器の下端部を、ほぼ同時に前記物品の上面に当接させることができる。よって、物品を確実に両吸着器へ吸着させることができる。また、両吸着器の上端部の高さも互いに等しいため、負圧の供給により両吸着器が収縮したときにも、両吸着器の下端部の高さが互いに略等しい状態を維持できる。そのため、物品の被吸着面が略水平に配置された状態で、該物品を両吸着器により安定的に保持することができる。
また、本発明に係る吸着搬送方法は、
ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなる第1の吸着器と、前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなる第2の吸着器とに負圧を供給して、第1及び第2の吸着器の下端部に物品を吸着させる吸着ステップと、
前記ヘッド部を移動させることで、第1及び第2の吸着器に吸着された前記物品を所定位置へ搬送する搬送ステップと、
前記物品が前記所定位置に搬送されたときに、第1の吸着器の伸縮量が低減または増大するように第1の吸着器に供給される負圧を調整することで、前記物品の姿勢を傾ける傾斜ステップと、
該傾斜ステップにより前記物品の姿勢が傾けられた状態で、第1及び第2の吸着器に対する前記物品の吸着を停止する吸着停止ステップと、を備えたことを特徴とする。
ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなる第1の吸着器と、前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなる第2の吸着器とに負圧を供給して、第1及び第2の吸着器の下端部に物品を吸着させる吸着ステップと、
前記ヘッド部を移動させることで、第1及び第2の吸着器に吸着された前記物品を所定位置へ搬送する搬送ステップと、
前記物品が前記所定位置に搬送されたときに、第1の吸着器の伸縮量が低減または増大するように第1の吸着器に供給される負圧を調整することで、前記物品の姿勢を傾ける傾斜ステップと、
該傾斜ステップにより前記物品の姿勢が傾けられた状態で、第1及び第2の吸着器に対する前記物品の吸着を停止する吸着停止ステップと、を備えたことを特徴とする。
この発明に係る吸着搬送方法を用いれば、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置に搬送されたときに、第1の吸着器の伸縮量が低減または増大するように負圧調整されることで、前記物品が搬送中とは異なる姿勢に傾けられる。そのため、ヘッド部に特別な傾斜機構を設けなくても、所定位置に搬送された物品を所望の傾斜姿勢で載置することができる。したがって、上記傾斜機構の省略によりヘッド部の重量の増大が回避されるため、ヘッド部を高速で移動させることが可能になり、例えばパラレルリンクロボットを用いた高速の移載作業に対応することができる。
本発明によれば、第1及び第2の吸着器に吸着された物品を安定した姿勢で所定位置へ搬送した後、第1の吸着器に供給される負圧の調整により第1の吸着器の伸縮量を調整することで、物品の姿勢を載置面の傾斜に応じた姿勢に傾けることができる。そのため、ヘッド部において特別な傾斜機構を省略することができ、ヘッド部の軽量化を図ることができる。よって、ヘッド部を高速で移動させることが可能になり、例えばパラレルリンクロボットを用いた高速の移載作業に対応することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る吸着搬送装置1は、コンベア10で搬送される物品Pを吸着して、該物品Pを所定位置へ搬送するために用いられる。
図1において、コンベア10は、紙面に直交する方向に沿って紙面の手前側に向かって移動しているものとする。ただし、コンベア10の移動方向は特に限定されるものでなく、例えば、図1における左右方向に沿って移動するようにコンベア10を設置してもよい。
吸着搬送装置1は、ヘッド部54と、ヘッド部54を移動させる移動手段としての移載ロボット50と、ヘッド部54から下方に延びる第1及び第2の吸着器21,22と、を備える。
移載ロボット50に関して、図1には、移載ロボット50の先端アーム部52のみが簡略化されて図示されている。移載ロボット50の構成は特に限定されるものでないが、移載ロボット50としてパラレルリンクロボットを用いることが好ましく、これにより、高速の移載作業を行うことができる。
ヘッド部54は、移載ロボット50の先端アーム部52の先端に連結されており、移載ロボット50のエンドエフェクタを構成している。ヘッド部54は、該ヘッド部54の下面が常に略水平に維持されるように移載ロボット50の先端アーム部52に支持される。
第1及び第2の吸着器21,22は、例えば蛇腹ホースからなる筒状の伸縮部材であり、各吸着器21,22は、吸着器21,22の内部空間が真空状態となることで収縮される。第1及び第2の吸着器21,22の材料としては例えばゴムが用いられるが、吸着器21,22の材料は特に限定されるものでない。本実施形態では、第1及び第2の吸着器21,22として、長さ、直径、形状および材料が互いに等しい伸縮部材が用いられる。そのため、同じ負圧が供給されたときの第1及び第2の吸着器21,22の収縮量は互いに略等しくなる。
第1及び第2の吸着器21,22の上端部は、ヘッド部54の下面に固定されている。上述のようにヘッド部54の下面は常に略水平に配置されるため、第1及び第2の吸着器21,22は、いずれの吸着器21,22にも負圧が供給されていない状態において両吸着器21,22の上端部の高さが互いに等しく且つ両吸着器21,22の下端部の高さが互いに等しくなるように配置される。
ヘッド部54には、第1の接続パイプ部33と第2の接続パイプ部34とが設けられている。第1の接続パイプ部33の一端は第1の吸着器21の上端部に接続され、第2の接続パイプ部34の一端は第2の吸着器22の上端部に接続されている。また、第1の接続パイプ部33の他端には第1のホース35の一端が接続され、第2の接続パイプ部34の他端には第2のホース36の一端が接続されている。第1及び第2のホース35,36の他端は負圧供給源30(図2参照)に接続されている。
このような接続構造により、第1のホース35と第1の接続パイプ部33とが、負圧供給源30と第1の吸着器21の内部空間とを繋ぐ第1の負圧供給経路31を構成し、第2のホース36と第2の接続パイプ部34とが、負圧供給源30と第2の吸着器22の内部空間とを繋ぐ第2の負圧供給経路32を構成している。また、第1及び第2の負圧供給経路31,32は、負圧供給源30と共に、第1の吸着器21と第2の吸着器22とに負圧を供給する負圧供給手段を構成している。
第1及び第2のホース35,36並びに第1及び第2の接続パイプ部33,34の構成は特に限定されるものでないが、ホース35,36としては例えばフレキシブルホースが用いられ、接続パイプ部33,34としては例えば金属管が用いられる。
負圧供給源30としては例えば真空ポンプが用いられる。なお、本実施形態では、1つの負圧供給源30によって第1の吸着器21と第2の吸着器22とに負圧が供給されるが、吸着器21,22毎に負圧供給源を個別に設けてもよい。
第1の負圧供給経路31には第1の負圧調整弁41(図2参照)が設けられ、第2の負圧供給経路32には第2の負圧調整弁42(図2参照)が設けられている。負圧調整弁41,42が閉じられた状態では、負圧供給経路31,32が大気から遮断され、負圧調整弁41,42が開放された状態では、負圧供給経路31,32が大気に連通するようになっている。そのため、第1の負圧調整弁41は、該弁41の開閉により、第1の吸着器21に供給される負圧を調整する第1の負圧調整部として機能することができ、第2の負圧調整弁42は、該弁42の開閉により、第2の吸着器22に供給される負圧を調整する第2の負圧調整部として機能することができる。また、第1及び第2の負圧調整弁41,42は、後述のコントロールユニット100と共に、特許請求の範囲に記載された伸縮量調整手段を構成している。
図2を参照しながら、吸着搬送装置1の制御システムについて説明する。
吸着搬送装置1の各種動作はコントロールユニット(制御部)100によって制御される。コントロールユニット100は、例えば、移載ロボット50のロボット本体(図示せず)に取り付けられるが、コントロールユニット100の取付け位置は限定されるものでない。
コントロールユニット100には、移載ロボット50に搭載されたエンコーダ58からの信号が入力される。このエンコーダ58からの入力信号に基づいて、コントロールユニット100は、移載ロボット50の動作状態、すなわち、ヘッド部54の位置及び向きの情報を読み取ることができる。
また、コントロールユニット100には、コンベア10上の所定位置を物品Pが通過したことを検出する通過センサ60からの信号が入力される。
コントロールユニット100は、入力信号に基づいて、移載ロボット50、負圧供給源30、第1の負圧調整弁41及び第2の負圧調整弁42に制御信号を出力する。これにより、コントロールユニット100は、移載ロボット50によってコンベア10から物品Pをピックアップする動作(以下、「ピックアップ動作」ともいう)、ピックアップされた物品Pを移載ロボット50により所定位置へ搬送する動作(以下、「搬送動作」ともいう)、負圧供給源30をオン・オフする動作、並びに、第1及び第2の負圧調整弁41,42を開閉する動作を制御する。
以下、図3〜図6を参照しながら、コントロールユニット100により制御される吸着搬送装置1の一連の動作について説明する。
この説明では、扁平な形状を有する物品P(例えば、包装された板状の菓子)をコンベア10からピックアップして所定位置へ搬送し、搬送された物品Pを、図5に示すトレー70の傾斜面72に載置する場合について説明する。なお、トレー70には、互いに平行な複数の傾斜面72が設けられ、各傾斜面72に物品Pが載置されるようになっている。
先ず、図3に示すように、物品Pのピックアップ動作が行われる。
ピックアップ動作では、負圧供給源30がオンにされ且つ第1及び第2の負圧調整弁41,42が閉じられた状態、すなわち、第1及び第2の吸着器21,22の内部空間に負圧が供給された状態で、移載ロボット50によりヘッド部42が下方へ移動される。
ヘッド部42を下方へ移動させるタイミングは、通過センサ60からの入力信号に基づいて制御される。具体的には、通過センサ60からの入力信号に基づいて、コンベア10上の物品Pがヘッド部54の真下に到達するタイミングを算出し、算出されたタイミングで、第1及び第2の吸着器21,22の下端部が物品Pの上面の高さまで下がるように、ヘッド部54が下方へ移動される。
ヘッド部54の下方への移動は、第1の吸着器21の下端部が物品Pの上面の第1ポジションに当接し、第2の吸着器22の下端部が物品Pの上面の第2ポジションに当接するように行われる。ここで、第1ポジション及び第2ポジションは、物品Pの被吸着部として予め設定される位置である。
第1ポジション及び第2ポジションは、第1及び第2の吸着器21,22により物品Pを所望の姿勢で保持可能な任意の位置に設定することができる。ただし、第1ポジション及び第2ポジションは、平面視において両ポジションの間に物品Pの重心が位置するように設定することが好ましく、平面視において両ポジションを結ぶ仮想線分の中点と物品Pの重心とが一致するように設定することが望ましい。これにより、第1及び第2の吸着器21,22に吸着された物品Pを、安定した姿勢に維持することができる。特に、物品Pが扁平である場合は、該物品Pを略水平な姿勢に維持することができる。
なお、物品Pは、基本的には所定の向きでコンベア10上に載置されているが、何らかの原因により物品Pの向きにばらつきが生じる。このようなばらつきが生じた場合にも、第1の吸着器21の下端部を確実に第1ポジションに当接させ、第2の吸着器22の下端部を確実に第2ポジションに当接させるために、予めコンベア10上の物品Pを上方からカメラで撮像することで物品Pの向きを検知しておき、検知された物品Pの向きにヘッド部54の向きを合わせるように、移載ロボット50を動作させてもよい。
ヘッド部54が下方へ移動されると、第1の吸着器21の下端部と、第2の吸着器22の下端部とは、略水平な物品Pの上面に対して略同時に当接し、内部空間に負圧が供給された両吸着器21,22に物品Pが確実に吸着される。具体的には、第1の吸着器21の下端部に物品Pの第1ポジションが吸着され、第2の吸着器22の下端部に物品Pの第2ポジションが吸着される。
このとき、第1及び第2の吸着器21,22の下端開口部は物品Pによって塞がれるため、両吸着器21,22の内部空間は真空状態となる。これにより、図4に示すように、第1及び第2の吸着器21,22は収縮し、両吸着器21,22の下端部に吸着された物品Pをコンベア10から持ち上げる。このように両吸着器21,22が収縮した状態においても、両吸着器21,22の下端部の高さは互いに略等しい状態に維持される。そのため、両吸着器21,22により、物品Pを略水平な姿勢で安定的に保持することができる。
このピックアップ動作の後、移載ロボット50によりヘッド部54が移動されることで、第1及び第2の吸着器21,22に吸着された物品Pが所定位置へ搬送される。この搬送中において、第1及び第2の負圧調整弁41,42は閉じられた状態が維持され、第1及び第2の吸着器21,22の内部空間に負圧が供給された状態が維持される。よって、搬送中において、物品Pは、図4に示す略水平な姿勢で第1及び第2の吸着器21,22に吸着された状態に維持され、これにより、物品Pの安定した搬送を実現することができる。
図5に示すように、物品Pは、傾斜面72の上方の所定位置に搬送されると、第1の負圧調整弁41が開放されて、第1の吸着器21への負圧供給が停止される。このとき、第2の負圧調整弁42は閉じた状態に維持され、第2の吸着器22への負圧供給は維持される。第1の負圧調整弁41の開放制御は、移載ロボット50のエンコーダ58からの入力信号に基づいて、物品Pが上記所定位置に搬送されたタイミングに合わせて実行される。
第1の吸着器21への負圧供給が停止されると、第1の吸着器21は下方へ伸長する。このように伸長した第1の吸着器21により、物品Pの第1ポジションは下方へ押し込まれ、物品Pの姿勢は、第2ポジションよりも第1ポジションが低くなるように傾けられる。これにより、物品Pの姿勢を、傾斜面72と同様に傾斜した姿勢にすることができる。このとき、第1の吸着器21への物品Pの吸着状態は解消されるが、第2の吸着器22への物品Pの吸着状態を維持されている。そのため、物品Pは、第2の吸着器22によって傾斜姿勢で保持される。
続いて、図6に示すように、傾斜姿勢の物品Pを傾斜面72の直上の吸着停止位置まで搬送するように、ヘッド部54が下方へ移動される。
最後に、第2の負圧調整弁42が開放されて、第2の吸着器22への負圧供給も停止される。この第2の負圧調整弁42の開放制御は、移載ロボット50のエンコーダ58からの入力信号に基づいて、物品Pが前記吸着停止位置に搬送されたタイミングに合わせて実行される。
これにより、物品Pの姿勢が傾斜面72に合わせて傾けられた状態で、両吸着器21,22に対する物品Pの吸着が停止され、傾斜面72に対して物品Pが確実に載置される。
以上のように、本実施形態によれば、搬送動作の後、第1の吸着器21への負圧供給を停止して第1の吸着器21を伸長させるだけで、簡単に物品Pの姿勢を傾けることができる。そのため、ヘッド部54に特別な傾斜機構を設ける必要がなく、ヘッド部54の軽量化を図ることができる。したがって、移載ロボット50によりヘッド部54を高速で移動させることが可能になり、例えば、移載ロボット50としてパラレルリンクロボットを用いた高速の移載作業に対応することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、扁平な物品Pを吸着および搬送する場合について説明したが、本発明により吸着および搬送される物品の形状、大きさ、及び種類は限定されるものでない。
また、上述の実施形態では、搬送された物品Pを傾斜面72に載置する場合について説明したが、本発明は、載置面が傾斜面でない場合、例えば、水平面に複数の物品を刺身の盛りつけ状態で載置する場合にも、有効に適用することができる。
さらに、上述の実施形態では、第1及び第2の吸着器21,22として、それぞれ1つの吸着器のみを用いる場合について説明したが、本発明では、複数の吸着器を第1及び/又は第2の吸着器21,22として用いてもよい。
また、上述の実施形態では、物品Pの姿勢を傾ける工程(傾斜ステップ)において、第1の吸着器21への負圧供給を停止することにより第1の吸着器21を伸長させる場合について説明したが、本発明では、第1の吸着器21に供給される負圧を完全に停止させずに、低減させることによって、第1の吸着器21を伸長させてもよい。さらに、本発明では、第1の吸着器21に供給される負圧を増大させて、第1の吸着器21を収縮させることによって、物品Pの姿勢を傾けるようにしてもよい。
さらに、上述の実施形態では、物品Pを搬送する工程(搬送ステップ)が、第1の吸着器21と第2の吸着器22とが同じ量だけ収縮した状態で実行される場合について説明したが、本発明では、場合によっては(例えば、物品Pの形状が扁平でない場合、第1の吸着器21の長さと第2の吸着器22の長さが異なる場合など)、両吸着器21,22の伸縮量が異なる状態で搬送ステップが実行されてもよい。
1 :吸着搬送装置
10:コンベア
21:第1の吸着器
22:第2の吸着器
30:負圧供給源
31:第1の負圧供給経路
32:第2の負圧供給経路
41:第1の負圧調整弁
42:第2の負圧調整弁
50:移載ロボット(移動手段)
54:ヘッド部
72:載置面
100:コントロールユニット(制御部)
P :物品
10:コンベア
21:第1の吸着器
22:第2の吸着器
30:負圧供給源
31:第1の負圧供給経路
32:第2の負圧供給経路
41:第1の負圧調整弁
42:第2の負圧調整弁
50:移載ロボット(移動手段)
54:ヘッド部
72:載置面
100:コントロールユニット(制御部)
P :物品
Claims (5)
- ヘッド部と、
該ヘッド部を移動させる移動手段と、
前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において物品の第1ポジションを吸着させる第1の吸着器と、
前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなり、下端部において前記物品の第2ポジションを吸着させる第2の吸着器と、
第1の吸着器と第2の吸着器とに負圧を供給する負圧供給手段と、
該負圧供給手段により第1の吸着器に供給される負圧を調整することにより第1の吸着器の伸縮量を調整する伸縮量調整手段と、を備えたことを特徴とする吸着搬送装置。 - 前記伸縮量調整手段は、第1の吸着器に供給される負圧を調整する第1の負圧調整部と、第2の吸着器に供給される負圧を調整する第2の負圧調整部と、第1の負圧調整部と第2の負圧調整部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記移動手段による前記ヘッド部の移動により、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置へ搬送されているとき、第1の吸着器の伸縮量が第1の量となり、且つ、第2の吸着器の伸縮量が第2の量となるように、第1の負圧調整部及び第2の負圧調整部を制御し、
前記物品が前記所定位置へ搬送されたとき、第2の吸着器の伸縮量が第2の量に維持され、且つ、第1の吸着器の伸縮量が第1の量よりも低減または増大するように、第1の負圧調整部及び第2の負圧調整部を制御することを特徴とする請求項1に記載の吸着搬送装置。 - 前記制御部は、
前記移動手段による前記ヘッド部の移動により、第1及び第2の吸着器に保持された物品が所定位置へ搬送されているとき、第1の吸着器と第2の吸着器に負圧が供給されるように制御し、
前記物品が前記所定位置に向かって搬送されたとき、第2の吸着器への負圧供給を維持しつつ、第1の吸着器への負圧供給を停止するように制御することを特徴とする請求項2に記載の吸着搬送装置。 - 第1の吸着器と第2の吸着器とは、負圧が供給されていない状態において第1及び第2の吸着器の上端部の高さが互いに等しく且つ第1及び第2の吸着器の下端部の高さが互いに等しくなるように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸着搬送装置。
- ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなる第1の吸着器と、前記ヘッド部から下方に延びる筒状の伸縮部材からなる第2の吸着器とに負圧を供給して、第1及び第2の吸着器の下端部に物品を吸着させる吸着ステップと、
前記ヘッド部を移動させることで、第1及び第2の吸着器に吸着された前記物品を所定位置へ搬送する搬送ステップと、
前記物品が前記所定位置に搬送されたときに、第1の吸着器の伸縮量が低減または増大するように第1の吸着器に供給される負圧を調整することで、前記物品の姿勢を傾ける傾斜ステップと、
該傾斜ステップにより前記物品の姿勢が傾けられた状態で、第1及び第2の吸着器に対する前記物品の吸着を停止する吸着停止ステップと、を備えたことを特徴とする吸着搬送方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012265602A JP2014108508A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 吸着搬送装置および吸着搬送方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012265602A JP2014108508A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 吸着搬送装置および吸着搬送方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014108508A true JP2014108508A (ja) | 2014-06-12 |
Family
ID=51029443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012265602A Pending JP2014108508A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 吸着搬送装置および吸着搬送方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014108508A (ja) |
-
2012
- 2012-12-04 JP JP2012265602A patent/JP2014108508A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102137192B1 (ko) | 식품의 투입 장치 | |
KR102137191B1 (ko) | 식품의 투입 장치 | |
WO2016185862A1 (ja) | 箱詰め装置 | |
WO2018155690A1 (ja) | 箱詰め装置及び箱詰め方法 | |
JP6116879B2 (ja) | 吸着搬送装置および吸着搬送方法 | |
WO2015129388A1 (ja) | 箱詰めシステム | |
JP6386833B2 (ja) | 包装体整列搬送装置 | |
JP7135733B2 (ja) | 物品移載設備 | |
JP6480692B2 (ja) | 集積ヘッド及び箱詰め装置 | |
JP6422220B2 (ja) | 吸着装置 | |
JP6371494B2 (ja) | 物品積み替え装置 | |
JPH1072014A (ja) | 物品吊持用の吸着子及びこれを用いた箱詰装置 | |
JP2011241027A (ja) | 包装機における物品供給装置 | |
JP2016078878A (ja) | ピロー包装体の保持具、搬送装置、吸着保持方法 | |
JP2023126681A (ja) | 物品移載設備 | |
JP2014108508A (ja) | 吸着搬送装置および吸着搬送方法 | |
JP5620149B2 (ja) | 箱詰装置 | |
JP4326233B2 (ja) | 合成樹脂シート梱包製品の吸着装置 | |
JP6193022B2 (ja) | 被包装品供給装置 | |
JP6324929B2 (ja) | 箱詰装置 | |
JP7211078B2 (ja) | 搬送装置、搬送システム及び搬送方法 | |
US20230286759A1 (en) | Article accumulating apparatus and packing apparatus | |
JP7063236B2 (ja) | 物品移載設備 | |
JP2023174236A (ja) | パラレルリンクロボット及び物品移載装置 | |
JP2015160300A (ja) | 吸着装置 |