JP2014105088A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷済み用紙を使用した場合でも、重送を確実に検出する。
【解決手段】搬送経路上に設けられ、搬送される用紙に対して第1センサ光を照射し、搬送される用紙を透過した透過光を受光することにより、用紙の透過率を検出する透過センサ21と、搬送経路上の印字ユニット11と対向する側に設けられ、印字ユニット11へ搬送される用紙に対して第2センサ光を照射し、用紙で反射された反射光を受光することにより、色を検出する色センサ22と、搬送される用紙における各色の透過率を記憶するメモリ232bと、メモリ232bから、色センサにより検出された色に対応する透過率を抽出し、抽出された透過率と透過センサにより検出された透過率との差分が所定の閾値の範囲外である場合に、搬送される用紙が重送であると判定するCPU232aとを備える。
【選択図】 図6

Description

本発明は、給紙ユニットから印刷ユニットへ用紙を供給して印刷(コピーも含む。)を行う印刷装置に関する。
一般的に、搬送中の用紙に透過センサの光を照射して、用紙を透過した透過光の受光量の変化に応じて重送を検出する印刷装置が良く知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
一方で、近年、資源を再利用することがより重要視されるようになっており、コピー機やプリンタ等の印刷装置においても、既に片面に印字された用紙の裏面に印字することで、1枚の紙に2回印字する、いわゆる裏紙印刷が頻繁に行われるようになってきた。
特開2008−168994号公報 特開2005−244425号公報
しかしながら、上述の特許文献1,2に記載の印刷装置では、裏紙印刷を行う場合、適切に重送を検出することが困難であった。
特許文献1,2に記載の印刷装置では、用紙を透過した透過光の受光量の変化に応じて重送を検出するが、用紙の一方の面に印字されたインクの色によって透過率が変化するため、塗り潰し部分(ベタ部分)の多い図形や写真等の画像が印刷された印刷済み用紙の場合、正常に1枚ずつ搬送されている場合でも、重送であると誤検出する場合があるという問題があった。
特に、最近は、地球環境に優しい用紙として比較的に厚さの薄い用紙が用いられることが多くなっており、このような薄い用紙は透過率が高いため、何も印刷されていない箇所と図形や写真等の画像が印刷された箇所とでは、光の透過率が大きく変化する。そのため、透過率が高い用紙の場合には、上述の特許文献1,2に記載の印刷装置のように透過率の変化のみに基づいて重送を検出すると、重送を誤検出する可能性が高まることになる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、印刷済み用紙を使用した場合でも、重送を確実に検出する印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、搬送経路上を搬送される一方の面が印刷済みの用紙に対して、印刷手段が印刷を行う印刷装置において、前記搬送経路上に設けられ、前記搬送される用紙に対して第1センサ光を照射し、前記搬送される用紙を透過した透過光を受光することにより、前記用紙の透過率を検出する透過センサと、前記搬送経路上の前記印刷手段と対向する側に設けられ、前記印刷手段へ搬送される用紙に対して第2センサ光を照射し、前記用紙で反射された反射光を受光することにより、色を検出する色センサと、前記搬送される用紙における各色の透過率を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から、前記色センサにより検出された色に対応する透過率を抽出し、前記抽出された透過率と前記透過センサにより検出された透過率との差分が所定の閾値の範囲外である場合に、前記搬送される用紙が重送であると判定する制御手段と、を備えたことにある。
また、本発明に係る印刷装置の第2の特徴は、前記制御手段は、前記色センサが検出した色に対応する透過率が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記色センサが検出した色に対応する透過率を新たに記憶することにある。
また、本発明に係る印刷装置の第3の特徴は、前記制御手段は、前記搬送される用紙に対して、前記色センサにより連続的に検出された色の変化が所定の範囲内である場合に、前記用紙の搬送を停止することにある。
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、記憶手段から、色センサにより検出された色に対応する透過率を抽出し、抽出された透過率と透過センサにより検出された透過率との差分が所定の閾値の範囲外である場合に、搬送される用紙が重送であると判定するので、印刷済み用紙を使用した場合でも、重送を確実に検出することができる。
本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、色センサが検出した色に対応する透過率が記憶手段に記憶されていない場合、色センサが検出した色に対応する透過率を新たに記憶するので、透過率を学習することができ、より精度良く重送を検出することができる。
本発明に係る印刷装置の第3の特徴によれば、搬送される用紙に対して、色センサにより連続的に検出された色の変化が所定の範囲内である場合に、用紙の搬送を停止するので、印刷済み用紙の既印刷面側に印刷される可能性がある場合には、用紙の供給を停止することができる。
本発明の実施形態に係る印刷装置の主要な構成を示す構成図である。 印刷装置の制御部の構成例を示すブロック図である。 印刷装置のメモリに記憶した透過率プロファイルのイメージを示す図である。 印刷ジョブ実行時における透過センサおよび色センサの制御処理を示すフローチャートである。 図4におけるステップS120の重送検出処理を示すフローチャートである。 印刷装置によって検出される重送を示す図である。 図4におけるステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る印刷装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置10における用紙搬送経路を中心にした構成の概要を示す構成図である。本実施形態では、印刷装置10は、多数のノズルが形成された印字ヘッド11aを複数備え、それぞれの印字ヘッド11aから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のラインカラープリンタを一例に説明する。
図1に示すように、この印刷装置10は、環状の搬送経路上を搬送される用紙の表面に画像や文字等を形成する装置であり、搬送経路は、用紙を供給する給紙系搬送路FRと、この給紙系搬送路FRから印字ユニット11を経て排紙経路DRへ至る通常経路CRと、通常経路CRに分岐接続された反転経路SRとから概略構成されている。
給紙系搬送路FRにおいて、用紙の供給を行う給紙機構としては、筐体側面の外部に配設されたサイド給紙台12と、筐体内部に設けられた複数の給紙トレイ13a〜13dとが備えられている。また、印刷された用紙を排出する排紙機構として排紙口14を備えている。ここでは、サイド給紙台12に、片面が印刷済みの用紙が載置されているものとする。
サイド給紙台12または給紙トレイ13a〜13dのいずれかの給紙機構から給紙された用紙は、ローラー等の駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路FRに沿って搬送され、用紙の先頭部分の基準位置であるレジスト部Rに導かれる。レジスト部Rのさらに搬送方向側には、複数の印字ヘッド11aを備えた印字ユニット11が設けられている。用紙は、印字ユニット11の対向面に設けられた搬送ベルトであるプラテンベルト16によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、印字ユニット11の各印字ヘッド11aから吐出されたインクによりライン単位で画像形成される。
そして、この印刷装置10では、レジスト部Rと印字ユニット11との間の通常経路CR上に、搬送される用紙に対して透過率検出用センサ光を(第1センサ光)を照射し、搬送される用紙を透過した透過光を受光することにより、用紙の透過率を検出する透過センサ21が設けられている。また、レジスト部Rと印字ユニット11との間の通常経路CR上であって、通常経路CRの印字ユニット11と対向する側、即ち、通常経路CRの下方には、印字ユニット11へ搬送される用紙に対して色検出用センサ光(第2センサ光)を照射し、用紙で反射された反射光を受光することにより、色を検出する色センサ22が設けられている。
なお、給紙系搬送路FRや通常経路CRには、図示しない搬送センサも複数個配置され、給紙系搬送路FRや通常経路CRにおける搬送ジャムを検出できるように構成されている。これら透過センサ21や色センサ22、搬送センサ等の各種センサからの検出信号は、後述する制御部23へ出力される。
用紙は、さらに、搬送ローラー等の搬送手段によって通常経路CR上を搬送される。用紙の片側の面のみに印刷を行う片面印刷の場合は、そのまま排紙経路DRを経て、排紙口14に導かれて排紙され、排紙口14の受台として設けられたフェイスダウン排紙台15に印刷面を下にして積載されていく。フェイスダウン排紙台15は、傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙口14から排紙された用紙が自然に整えられて重なっていくように構成されている。
一方、用紙の両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面(最初に印刷される面を「表面」、次に印刷される面を「裏面」とする。)印刷終了時には排紙経路DR側に導かれずに、さらに筐体内を搬送され、反転経路SRに送出される。このため、この印刷装置10には、裏面印刷用に搬送路を切り替えるための切替機構17aが設けられており、切替機構17aによって排紙経路DRへ送出されなかった用紙は、反転経路SRに引き込まれる。反転経路SRでは、通常経路CRから用紙が受け渡され、用紙を往復させることにより用紙の表裏を反転させる、いわゆるスイッチバックを行う。そして、ローラー等の駆動機構によって、切替機構17bを経由して反転経路SRから通常経路CRに戻され、レジスト部Rを経て再給紙されて、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行われる。その後、裏面の印刷が行われ、両面に画像が形成された用紙は、排紙経路DRを通じて排紙口14に導かれて排紙され、排紙口14の受台として設けられたフェイスダウン排紙台15に積載されていく。なお、本実施形態では、両面印刷時におけるスイッチバックを、フェイスダウン排紙台15内に設けられた空間を利用して行うようにしている。
また、この印刷装置10では、給紙された用紙の先頭部分の基準位置となるレジスト部Rには、両面印刷時に片面印刷済みの用紙も再給紙されてくる。このため、レジスト部Rの直前部分には、新規に給紙される用紙の搬送経路と、裏面印刷の用紙が循環して搬送されてくる再給紙経路とが合流する合流地点が形成される。そして、レジスト部Rは、給紙系搬送路FRと通常経路CRとの合流点近傍において、用紙の送り出しを行う。なお、この印刷装置10では、この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙系搬送路FRとし、それ以外の経路を搬送経路とする。この搬送経路は環状をなし、上述したように通常経路CRと反転経路SRとが含まれる。
さらに、この印刷装置10には、本装置全体を制御する制御部23と、ユーザによる指示や設定操作を受け付ける操作パネル24が設けられている。
図2は、制御部23の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、この制御部23は、操作パネル24からの操作指示に基づいて主に印字ユニット11による印刷処理を制御する主コントローラ231と、操作パネル24からの操作指示や、透過センサ21や色センサ22等の各種センサからの検出信号に基づいて給紙駆動部220等の各種アクチュエータを制御するメカコントローラ232とを備えている。
主コントローラ231は、CPU231aと、CPU231aを動作させるためのプログラムやデータ等を記憶するメモリ231bと、操作パネル24等の外部と通信するための外部I/F231cと、印字ユニット11と接続するためのヘッドI/F231dと、メカコントローラ232と接続するためのメカコントローラI/F231eとを有している。
メカコントローラ232は、CPU232aと、メモリ232bと、透過センサ21や色センサ22、図示しない搬送センサ等の各種センサと接続するためのセンサI/F232cと、給紙ローラーや搬送ローラー、切替機構17a,17b等の各種アクチュエータのドライバ等と接続するためのアクチュエータI/F232dと、主コントローラ231と接続するための主コントローラI/F232eとを有している。そして、メモリ232bには、図3に示すような用紙が1枚の場合における各色に対応した透過率が透過率プロファイルPとして記憶される。
図3は、制御部23のメモリ232bに記憶された透過率プロファイルPのイメージを示す説明図である。
透過率プロファイルPは、制御部23のメモリ232bに予め記憶されるもので、印字ユニット11の印字ヘッド11aが1枚の用紙に印字した場合のインクの各色の透過率を記憶する。例えば、図3に示す透過率プロファイルPでは、インクの各色をR(赤色)G(緑色)B(青色)に分けると共に、RGBの各濃度を20%毎に分けて各色の透過率を記憶する。例えば、図3に示す透過率プロファイルPでは、Gの濃度が0%〜20%、20%〜40%、40%〜60%、60%〜80%、80%〜100%の場合をそれぞれG基準プロファイルP1〜P5として、各G基準プロファイルP1〜P5においてRおよびBの各濃度をそれぞれ横軸と縦軸にとり、それぞれが0%〜20%、20%〜40%、40%〜60%、60%〜80%、80%〜100%の座標に透過率を記憶する。例えば、G基準プロファイルP5の座標P51では、Gの濃度が80%〜100%でRの濃度が80%〜100%、Bの濃度が0%〜20%である色の透過率を記憶する。また、G基準プロファイルP5の座標P52では、Gの濃度が80%〜100%でRの濃度が60%〜80%、Bの濃度が20%〜40%である色の透過率を記憶する。さらにG基準プロファイルP5の座標P53では、Gの濃度が80%〜100%でRおよびBの濃度が40%〜60%である色の透過率を記憶する。この色と透過率の関係が、次回同色検知時の期待値となる。
ただし、透過率プロファイルPに色センサ22が検出した色の透過率が記憶されていない場合には、メカコントローラ232のCPU232aは、色センサ22の検出信号に基づいてRGBの各濃度を決定し、その濃度に対応する座標に透過センサ21が検出した透過率を記憶することで学習していく。例えば、色センサ22が用紙から新しい色(R50%、G100%、B50%)を検出した際、その色のRGBの各濃度に対応した座標P53に透過率が記憶されていない場合、CPU232aは、図3に示すように座標P53に透過センサ21が検出した透過率80%を新たに記憶する。なお、色センサ22や透過センサ21のセンサ位置がずれている場合、タイミングをオフセットする。また、透過率プロファイルPを予め作成する場合、印刷に使用する用紙で作成したカラーパッチを読み込ませると良い。
このように透過率は色毎に異なるので、制御部23は、後述するように、この透過率プロファイルPを用いて、透過センサ21が検出した色の透過率と、色センサ22が検出した色に対応する透過率プロファイルPの透過率とを比較し、これらの透過率の差分が所定の閾値(例えば、±5%程度。)の範囲外である場合、用紙が重送されていることを検出することができる。
次に、この印刷装置における透過センサ21および色センサ22の制御処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、この動作説明では、一度片面に印刷がされた印刷済み用紙が、既印刷面(表面)が下向きになるようにサイド給紙台12に積載され、印刷済み用紙がサイド給紙台12から印字ユニット11へ搬送されて、印字(印刷)される場合を一例に説明する。
図4は、印刷ジョブ実行時における透過センサ21および色センサ22の制御処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、印刷装置10において、ユーザが操作パネル24を操作して、印刷済み用紙が置かれたサイド給紙台12を指定して印刷ジョブを開始すると、まず、サイド給紙台12から印刷済み用紙が供給され(ステップS100)、レジスト部Rと印字ユニット11との間の通常経路CRに設けられた透過センサ21と色センサ22とが図1に示すように下方からそれぞれ印刷済み用紙に光を照射して、照射部分の透過率と色の検出を開始し、停止するまでの間一定間隔で検出を継続する(ステップS110)。
次に、制御部23のメカコントローラ232側のCPU232aは、透過センサ21と色センサ22とが検出した検出信号に基づいて、後述する図5で詳細に示すような重送検出処理を行うと共に(ステップS120)、後述する図7で詳細に示すような印刷済み用紙の裏面検出処理を行う(ステップS130)。
次に、CPU232aは、透過センサ21と色センサ22との近傍に設けられた図示しない搬送センサ等からの検出信号に基づいて、透過センサ21と色センサ22の検出範囲から印刷済み用紙が通過したか否か、すなわち透過センサ21と色センサ22が印刷済み用紙の存在しない用紙間を検出しているか否かを判定する(ステップS140)。
ステップS140において、CPU232aは、用紙間でないと判定された場合(NO)、ステップS120に処理を移行し、透過センサ21と色センサ22とが検出した検出信号に基づいて、図5に示すステップS120の重送検出処理を行うと共に、図7に示すステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を行う。
一方、ステップS140において、用紙間を検出していると判定された場合(YESの場合)、CPU232aは、透過センサ21と色センサ22との検出値は正しい値ではないので、透過センサ21と色センサ22との検出値を無視する等のマスク処理を行う(ステップS150)。
そして、CPU232aは、印刷ジョブが終了したか否かを判定する(ステップS160)。
ステップS160において、印刷ジョブが終了していないと判定された場合(NOの場合)、CPU232aは、ステップS140の処理に戻り、次の用紙が通紙されるまで、ステップS140、ステップS150、ステップS160の処理をループする。
一方、ステップS160において、印刷ジョブが終了したと判定された場合(YESの場合)、CPU232aは、透過センサ21と色センサ22とに透過率と色の検出処理とを停止させる(ステップS170)。
図5は、図4に示すステップS120の重送検出処理を詳細に示すフローチャートである。
制御部23のCPU232aは、図4に示すステップS120の重送検出処理を開始すると、まず、色センサ22が検出した色に対応する透過率がメモリ232bの透過率プロファイルPに記憶されているか否かを判定する(ステップS121)。
ステップS121において、色センサ22が検出した色に対応する透過率がメモリ232bに記憶されていない場合(NOの場合)、CPU232aは、検出した色に対応する透過率をメモリ232bに透過率プロファイルPとして新たに記憶し、ステップS121の処理に戻る。これにより、色センサ22が検出した色の透過率が記憶されていない場合には、ユーザが使用する用紙の透過率や紙質に応じた各印字色に応じた用紙の透過率を透過センサ21が検出し、透過率プロファイルPとして記憶していくため、重送および印刷済み用紙の表裏をより正確に検出することができる。
一方、ステップS121において、色センサ22が検出した色に対応する透過率がメモリ232bに透過率プロファイルPとして記憶されている場合(YESの場合)、CPU232aは、検出した色に対応する透過率をメモリ232bから読み出し、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bから読み出した透過率とを比較する(ステップS123)。
そして、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bから読み出した透過率とが同等、即ち、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bから読み出した透過率との差分が、所定の閾値(例えば、その±5%程度とする。)以内である場合(ステップS124;YES)、CPU232aは、用紙が重送されていないものと判定して、図5に示すステップS120の重送検出処理を終了する。つまり、図4における次のステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理、すなわち図7で詳細に示す印刷済み用紙の裏面検出処理を行う。
一方、ステップS124において、メモリ232bから読み出した透過率とが同等ではない、即ち、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bに透過率プロファイルPとして記憶されている透過率との差分が所定の閾値を超えると判定された場合には(NOの場合)、CPU232aは、用紙が重送されているものと判定する。例えば、色センサ22が色検出用センサ光を照射している部分に、他の用紙の画像や文字等が印刷された印字部分が重なると、透過率が低下する。そのため、CPU232aは、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bに透過率プロファイルPとして記憶されている透過率との差分が所定の閾値を超える場合、重送であると判定できる。
そして、CPU232aは、印刷済み用紙が重送されているものと判定すると、アクチュエータI/F232dを介して図示しない搬送ローラーのドライバ等にその印刷済み用紙の搬送を停止する指令を送信して、印刷済み用紙の搬送を停止させる(ステップS125)。また、その旨を主コントローラI/F232eおよびメカコントローラI/F231eを介して主コントローラ231に送信し、主コントローラ231側のCPU231aに外部I/F231c等を介して操作パネル24上の表示画面等に「重送発生」等のメッセージを表示して(ステップS126)、ステップS120の重送検出処理を終了する。なお、ステップS125とステップS126の処理の順序は、いずれでもよい。
図6は、印刷装置10において、印刷済み用紙P1,P2の重送の一例を示す説明図であり、(a)は透過センサ21と色センサ22に印刷済み用紙P1,P2の重送状態を示し、(b)は色センサ22の検出データを示し、(c)は透過センサ21の検出データを示している。ここで、印刷済み用紙P1の一方の面(表面)には、青色の画像G2と黒色の画像G3とが印刷されており、印刷済み用紙P2の一方の面(表面)には、赤色の画像G1が印刷されているとする。
図6(a)に示すように、透過センサ21と色センサ22に印刷済み用紙P1,P2が重送されると、色センサ22は、色センサ22側、即ち、印字ユニット11の印字ヘッド11aで印字を行わない下側の印刷済み用紙P2の下面に色検出用センサ光(第2センサ光)を照射して、図6(b)に示すような検出データを出力する。つまり、印刷済み用紙P2の一方の面に何も印字されていない区間1および区間3では、白色または用紙の色を検出する一方、赤色の画像G1が印字されている区間2では、赤色を検出する。
一方、透過センサ21は、色センサ22の近傍で透過率検出センサ光(第1センサ光)を照射して透過率のセンシングを行っている。
そして、CPU232aは、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bに透過率プロファイルPとして記憶されている用紙が一枚の場合における色の透過率との比較を行う。
ここで、用紙が重送されていない場合には、透過センサ21が検出した透過率と、メモリ232bに透過率プロファイルPとして記憶されている透過率との差分が所定の閾値(例えば、±5%程度。)以内になる。具体的には、用紙が重送されていない場合には、区間2においては、透過率プロファイルPの透過率L2の閾値±LTHの範囲内であり、区間3においては、透過率プロファイルPの透過率L1の閾値±LTHの範囲内として、検出されることになる。
しかしながら、図6に示した例では、印刷済み用紙P1,P2が重送されているので、図6(a)に示す区間2−1では、印刷済み用紙P1に印刷された青色の画像G2の影響を受け、透過センサ21が検出した透過率が低下し、透過率プロファイルPの透過率L2の閾値±LTHの範囲外として検出されている。
具体的には、図6(b)に示すように、区間2−1において、透過センサ21の検出した透過率の値S1は、透過率プロファイルPの透過率L2±LTHの範囲を越えて低下している。即ち、透過率プロファイルPの透過率L2と、透過センサ21の検出した透過率S1との差分が所定の閾値±LTH以上となるので、CPU232aは、重送が発生していると判定する。
同様に、図6(a)における区間3では、印刷済み用紙P2では、印字されていないが、印刷済み用紙P1では、区間3内の区間3−2に黒色の画像G3が印字されており、この黒色の画像G3により透過率が低下する。
具体的には、図6(b)に示すように、区間3−2において、透過センサ21の検出した透過率の値S1は、透過率プロファイルPの透過率L1±LTHの範囲を越えて低下している。即ち、透過率プロファイルPの透過率L1と、透過センサ21が検出した透過率S1との差分が所定の閾値±LTH以上となるので、CPU232aは、重送が発生していると判定する。
以上のように、本発明の実施の形態に係る印刷装置10によれば、ステップS120の重送検出処理によって、透過率プロファイルPから色センサ22により検出された色に対応する透過率を抽出し、抽出された透過率と透過センサ21により検出された透過率との差分が所定の閾値±LTH以上である場合に、搬送される用紙が重送であると判定するので、塗り潰し部分(ベタ部分)の多い図形や写真等の画像が印刷された印刷済み用紙や、透過率が高い印刷済み用紙を使用した場合でも、重送を誤検出することなく確実に検出でき、ユーザビリティが向上する。
特に、重送した上下の印刷済み用紙で印字された画像の位置がずれる等して、透過率の変化が小さい場合には、従来技術のように透過率の変化だけでは重送を検出できない場合があるが、印刷装置10によれば、色センサ22により検出された検出データを利用して重送の判定を行うので、重送を確実に検出できる。
図7は、図4に示すステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を詳細に示すフローチャートである。
制御部23のCPU232aは、図4に示すステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を開始すると、まず、ユーザの選択操作に基づいて、印刷済み用紙が給紙される予定であるか否かを判定する(ステップS131)。ここでは、CPU232aは、印刷済み用紙が搭載されたサイド給紙台12からの給紙が選択されている場合、印刷済み用紙が給紙される予定であると判定する。
ステップS131において、印刷済み用紙が給紙される予定でない場合には(NOの場合)、白紙用紙による印刷が行われるということなので、ステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を終了する。
一方、ステップS131において、印刷済み用紙が給紙される予定にある場合(YESの場合)、CPU232aは、搬送される印刷済み用紙に対して、色センサ22により連続的に検出された色の変化が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS132)。
ステップS132において、色センサ22により連続的に検出された色の変化が所定の範囲外であると判定された場合には(YESの場合)、色センサ22がセンサ光を照射している印刷済み用紙の面は、既に印刷がされた既印刷面で、印字ユニット11の各印字ヘッド11aと対向している面は白紙の状態にあり、正常に裏紙印刷が行われるということなので、CPU232aは、この印刷済み用紙の裏面検出処理を終了する。
一方、ステップS132において、色センサ22により連続的に検出された色の変化が所定の範囲内であると判定された場合には(NOの場合)、CPU232aは、操作パネル24上の表示画面等に「印刷済み用紙(裏紙)に正しく印刷されているか確認して下さい。」等のメッセージを表示させる(ステップS133)。具体的には、色センサ22の検出データに色の変化がない場合、色センサ22がセンサ光を照射している印刷済み用紙の面は印刷がされていない面であり、印字ユニット11の各印字ヘッド11aと対向している面は既印刷面の可能性が高い。そのため、ユーザが表裏を誤ってサイド給紙台12に積載している可能性が高く、既印刷面に印刷が行われる可能性が高いため、CPU232aは、主コントローラI/F232eおよびメカコントローラI/F231eを介して主コントローラ231に送信し、主コントローラ231側のCPU231aに外部I/F231c等を介して操作パネル24上の表示画面等に「印刷済み用紙(裏紙)に正しく印刷されているか確認して下さい。」等のメッセージを表示させる。
また、それと同時に、CPU232aは、アクチュエータI/F232dを介して図示しない搬送ローラーのドライバ等にその印刷済み用紙の搬送を停止する指令を送信して、印刷済み用紙の搬送を停止させる(ステップS134)。なお、ステップS133とステップS134の処理の順序は、この逆でも良い。
次に、主コントローラ231側のCPU231aは、外部I/F231c等を介して操作パネル24上の表示画面等に「印刷を継続しますか。」等のメッセージを表示して(ステップS135)、ユーザに印刷の継続の有無を選択させる(ステップS136)。これは、色センサ22の検出データに色の変化がない場合(ステップS132;NO)でも、色センサ22がセンサ光を照射した用紙が印刷済み用紙ではなく、白紙用紙の可能性もあるため、印刷の継続をユーザの判断に任せるためである。
そして、ステップS136において、CPU231aは、ユーザが印刷の継続を選択した場合(YESの場合)、ステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を終了する。
一方、ステップS136において、ユーザが印刷の継続せずを選択した場合(NOの場合)、CPU231aは、エラー表示等を行って(ステップS137)、ステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を終了して、図4の次のステップS140の処理に移行する。
従って、印刷装置10によれば、ステップS130の印刷済み用紙の裏面検出処理を実行することにより、色センサ22の検出信号に基づき印刷済み用紙における透過率検出用センサ光の照射面が既印刷面であるか否かを判断するようにしため、印刷済み用紙の既印刷面側に印刷される可能性がある場合には、用紙の供給を一時停止してユーザに報知して、印刷済み用紙の裏面(白紙面)に正しく印刷を実行することができる。その結果、印刷済み用紙の裏紙印刷を行う場合に、印刷ミスが減少するので、インクコストおよび印刷時間の無駄を省くことが可能となり、この点で、ユーザビリティが向上する。
10…印刷装置
11…印字ユニット
12…サイド給紙台
13a〜13d…給紙トレイ
21…透過センサ
22…色センサ
23…制御部
24…操作パネル
231…主コントローラ
232…メカコントローラ
CR…通常経路
DR…排紙経路
FR…給紙系搬送路
R…レジスト部
SR…反転経路

Claims (3)

  1. 搬送経路上を搬送される一方の面が印刷済みの用紙に対して、印刷手段が印刷を行う印刷装置において、
    前記搬送経路上に設けられ、前記搬送される用紙に対して第1センサ光を照射し、前記搬送される用紙を透過した透過光を受光することにより、前記用紙の透過率を検出する透過センサと、
    前記搬送経路上の前記印刷手段と対向する側に設けられ、前記印刷手段へ搬送される用紙に対して第2センサ光を照射し、前記用紙で反射された反射光を受光することにより、色を検出する色センサと、
    前記搬送される用紙における各色の透過率を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段から、前記色センサにより検出された色に対応する透過率を抽出し、前記抽出された透過率と前記透過センサにより検出された透過率との差分が所定の閾値の範囲外である場合に、前記搬送される用紙が重送であると判定する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記色センサが検出した色に対応する透過率が前記記憶手段に記憶されていない場合、前記色センサが検出した色に対応する透過率を新たに記憶する
    ことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記搬送される用紙に対して、前記色センサにより連続的に検出された色の変化が所定の範囲内である場合に、前記用紙の搬送を停止する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の印刷装置。
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