JP2014104889A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両における騒音の低減が図れる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置1は、ヒートポンプサイクル10に設けられ、電動機11bの回転数に応じて冷媒吐出量が変化する圧縮機11と、電動機11bの回転数を変化させて圧縮機11の冷媒吐出量を制御するECU50と、を備える。ECU50は、ヒートポンプサイクル10において予め定める高圧冷媒領域の圧力が第1の圧力閾値以上である高圧状態の場合には、所定の高圧時上限値を超えないように電動機11bの回転数を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載される圧縮機の運転制御を実施する車両用空調装置に関する。
従来の車両用空調装置における圧縮機の運転制御の一例として、特許文献1には、車速に応じて圧縮機のモータの回転数を制御する技術が開示されている。特許文献1の圧縮機は、電気自動車のコントロールパネルに設けられた静音スイッチがオン状態になると、車速が5km/h以下で圧縮機の回転数が4000rpm以上である場合にはそれ以上にならないように制限される。
これにより、車両が停止状態または低速走行状態で車両の走行用モータの回転数が小さく、騒音の発生も少ない状況では、空調制御による騒音の発生が一定以下になるように抑制されるようになる。したがって、空調制御を実行しながら、使用者にとって車室内を静音状態に保持して快適な走行を行うことができる。
特開平7−223428号公報
車両における圧縮機の運転に起因する騒音は、特許文献1に記載するように車両用空調装置用の圧縮機の回転数が大きいことに伴う騒音と、圧縮機自身の振動に伴う騒音とがある。特許文献1に記載の制御では、車速が5km/h以下で回転数の上限を設定して騒音を抑制できるが、圧縮機自身の振動に起因して発生する騒音に関して効果的に抑制することができない。
そこで、出願人は、圧縮機自身の振動を抑制することにより、車両における騒音を低減することに着目した。出願人は、鋭意研究により、圧縮機によって吐出される冷媒圧力と圧縮機の振動との間に相関関係が高いことを突きとめ、この相関関係を利用した本願発明を創作した。
本願発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両における騒音の低減が図れる車両用空調装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。本願の車両用空調装置に係る発明は、冷媒サイクル(10)に設けられ、電動機(11b)の回転数に応じて冷媒吐出量が変化する圧縮機(11)と、電動機の回転数を変化させて圧縮機の冷媒吐出量を制御する制御装置(50)と、を備え、
制御装置は、冷媒サイクルにおいて予め定める高圧冷媒領域の圧力が閾値以上である高圧状態の場合には、所定の高圧時上限値を超えないように電動機の回転数を制限することを特徴とする。
この発明によれば、車室内空調用の冷媒サイクルにおける高圧冷媒領域の圧力が閾値以上である場合には、電動機の回転数(以下、単に「圧縮機の回転数」ともいう)を所定の高圧時上限値以下に抑制する。そして、車両の走行状態及び自動空調の制御状態のいかんにかかわらず、電動機は高圧時上限値を超えない回転数となる。このように、高圧状態と圧縮機の振動増大との相関関係が高いという出願人が着目した課題を、圧縮機の回転数制限による圧縮機の振動抑制によって、圧縮機から発生する騒音を低減することで解決することができる。したがって、車両における騒音の低減が図れる車両用空調装置を提供することができる。
なお、高圧冷媒領域とは、冷媒サイクルを構成する全通路のうち、冷媒が圧縮機からの吐出された後、蒸発器(冷媒が吸熱作用を発揮する熱交換器)に流入する前に減圧されるまでの通路区間のことである。したがって、高圧冷媒領域の圧力は、当該通路区間の任意の箇所における冷媒の圧力である。
さらに、制御装置は、高圧冷媒領域の圧力が当該閾値未満である低圧状態の場合には、車両の走行速度の増加に応じて段階的に増加する値に設定された所定の低圧時上限値を超えないように電動機の回転数を制限することを特徴とする。
この発明によれば、車室内空調用の冷媒サイクルにおける高圧冷媒領域の圧力が閾値未満である場合には、車速の増加に応じて複数段階に設定された低圧時上限値以下に電動機の回転数を抑制する。そして、車両の走行状態及び自動空調の制御状態のいかんにかかわらず、電動機の回転数は、車速が増加しても段階的に増加する上限値以下に制限されることになる。この制御によれば、短期間の車速増加や、ブレーキ作動による急激な減速による圧縮機回転数の変動を抑制し、回転数変動に伴う圧縮機の振動発生を抑制することができる。したがって、低圧状態においても車両の騒音低減が図れる車両用空調装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の構成図である。 車両用空調装置に係る制御構成を示すブロック図である。 車両用空調装置が実施する空調制御を示したフローチャートである。 空調制御において、高圧時制御と低圧時制御の切り替えタイミングを示す制御マップである。 高圧時制御が設定された場合の車速と圧縮機回転数の上限値との関係を示す制御マップである。 低圧時制御が設定された場合の車速と圧縮機回転数の上限値との関係を示す制御マップである。
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6を用いて詳細に説明する。本発明の車両用空調装置1が適用可能な車両は、車両走行用の駆動力を走行用電動機から得る電気自動車、電動発電機及びエンジンのいずれの駆動力を駆動輪に伝達できるハイブリッド自動車、ガソリン自動車、ディーゼル自動車等である。電気自動車、ハイブリッド自動車では、車両停止時に外部電源(商用電源)から供給される電力をバッテリ40に充電し、車両走行時にバッテリ40に蓄えられた電力を走行用電動機へ供給して走行する。
バッテリ40は、例えばニッケル水素蓄電池、リチウムイオン電池等で構成される。さらに、車両は、車室内空調、走行等によって消費した電力を充電するための充電装置を備える。この充電装置は、電力供給源としての電気スタンドや商用電源に接続されるコンセントを備えており、このコンセントに電源供給源を接続することにより、電池の充電を行うこともできる。
車両用空調装置1は、乗員等が操作パネル60等を使用して車室内の空調温度を設定した場合に、車室内が当該設定温度になるように空調運転を実施する装置である。例えば、自動空調運転や手動空調運転により、車室内の空調温度が設定されると、エアコン制御装置であるECU50は、空調運転の命令信号を受信し、所定のプログラムによる演算を行って、空調装置の各種機器の作動状態を決定する。さらに、車両では、バッテリ40に蓄えられた電力あるいは外部電力から供給される電力を、ECU50を介して車両用空調装置1の各種機器へ供給することによって車両用空調装置1を作動させている。したがって、車両用空調装置1は、車両停止時、車両走行時にかかわらず、また、外部電源が車両のバッテリ40等に接続されている場合であっても、車室内の空調を実施することができる。
図1及び図2を用いて車両用空調装置1の構成を説明する。車両用空調装置1は、冷媒サイクルの一例であって、車室内への送風空気の温度を調整する蒸気圧縮式のヒートポンプサイクル10、ヒートポンプサイクル10によって温度調整された送風空気を車室内へ吹き出すための空調ユニット30、及び車両用空調装置1の各種の構成機器の作動を制御する制御装置としてのECU50等を備えている。
ヒートポンプサイクル10は、送風空気を冷却して車室内を冷房する冷房モードの冷媒回路と、送風空気を加熱して車室を暖房する暖房モードの冷媒回路と、さらに、暖房モード時にヒートポンプサイクル10にて冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する室外熱交換器16に着霜が生じた際に、これを除霜する除霜モードの冷媒回路とを切替え可能に構成されている。なお、図1では、冷房モードにおける冷媒の流れを破線矢印で示し、暖房モードにおける冷媒の流れを実線矢印で示し、さらに、除霜モードにおける冷媒の流れを白抜き矢印で示している。
ヒートポンプサイクル10は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機11、送風空気を加熱または冷却する室内熱交換器としての凝縮器13及び蒸発器18、冷媒を減圧膨張させる暖房用固定絞り14及び冷房用固定絞り17、並びに、冷媒回路切替手段としての開閉弁15aおよび三方弁20等を備えている。また、ヒートポンプサイクル10では、例えば、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧冷媒領域の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。
高圧冷媒領域とは、ヒートポンプサイクル10を構成する全通路のうち、冷媒が圧縮機11からの吐出された後、蒸発器18に流入する前に減圧されるまでの通路区間のことである。したがって、高圧冷媒領域の圧力は、当該通路区間の任意の箇所における冷媒の圧力となる。例えば、破線矢印で図示する冷房モードの場合、高圧冷媒領域は、圧縮機11の吐出口から冷房用固定絞り17までの通路である。実線矢印で図示する暖房モードの場合、高圧冷媒領域は、圧縮機11の吐出口から暖房用固定絞り14までの通路である。
圧縮機11は、車室外となる車両のボンネット内に配置され、ヒートポンプサイクル10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出し、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構11aを電動機11bにて駆動する電動圧縮機として構成されている。固定容量型の圧縮機構11aとしては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
電動機11bは、インバータ61から出力される交流電圧によって、その回転数が制御される交流モータである。また、インバータ61は、ECU50から出力される制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力する。そして、この周波数または回転数制御によって、圧縮機11の冷媒吐出能力が変更される。したがって、電動機11bは、圧縮機11の吐出能力変更手段を構成する。
圧縮機11の吐出口側には、凝縮器13の冷媒入口側が接続されている。凝縮器13は、空調ユニット30において車室内へ送風される送風空気の空気通路を形成するケーシング31内に配置されて、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させることで送風空気に対して放熱する加熱用熱交換器である。
凝縮器13の冷媒出口側には、暖房モード時に冷媒を減圧させる暖房用固定絞り14を介して室外熱交換器16の冷媒入口側が接続されている。暖房用固定絞り14としては、オリフィス、キャピラリチューブ等を採用することができる。また、暖房モード時に冷媒を減圧させる機能を発揮できれば、固定絞りに限定されることなく全開機能付き電気式膨張弁等の可変絞り機構を採用してもよい。
さらに、ヒートポンプサイクル10には、凝縮器13から流出した冷媒を、暖房用固定絞り14を迂回させて室外熱交換器16の冷媒入口側へ導くバイパス通路15が設けられている。バイパス通路15には、バイパス通路15を開閉する開閉弁15aが配置されている。開閉弁15aは、冷房モードにおける冷媒回路、暖房モードにおける冷媒回路、及び除霜モードにおける冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段を構成し、ECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電磁弁である。開閉弁15aは、冷房モード時及び除霜モード時に開き、暖房モード時に閉じるように制御される。
また、開閉弁15aが開いた状態で冷媒がバイパス通路15を通過する際に生じる圧力損失は、開閉弁15aが閉じた状態で冷媒が暖房用固定絞り14を通過する際に生じる圧力損失に対して極めて小さい。したがって、開閉弁15aが開いた状態では、室外熱交換器16から流出した冷媒のほぼ全流量がバイパス通路15を介して室外熱交換器16側へ流れることになる。
室外熱交換器16は、ボンネットの内側に配置されて、内部を流通する冷媒と室外ファン16aから送風された車室外の空気(外気)とを熱交換させる。室外ファン16aは、ECU50から出力される制御電圧によって回転数が制御される電動式送風機である。室外熱交換器16の冷媒出口側には、三方弁20が接続されている。三方弁20は、開閉弁15aとともに各運転モードにおける冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段を構成しており、ECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される電気式の三方弁である。
三方弁20は、冷房モード時には図1の破線矢印で示すように室外熱交換器16の冷媒出口側と冷房用固定絞り17とを接続する冷媒回路に切り替え、暖房モード時及び除霜モード時には図1の実線矢印または白抜き矢印で示すように室外熱交換器16の冷媒出口側とアキュムレータ19の入口側とを接続する冷媒回路に切り替える。冷房用固定絞り17の基本的構成は暖房用固定絞り14と同様である。蒸発器18は、空調ユニット30のケーシング31内に形成される通路のうち、凝縮器13の送風空気流れの上流側に配置されて、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
蒸発器18の冷媒出口側には、アキュムレータ19の入口側が接続されている。アキュムレータ19は、内部に流入した冷媒の気液を分離して、冷媒サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。さらに、アキュムレータ19の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
次に空調ユニット30について説明する。空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤等の内側に配置され、その外殻を形成するケーシング31内に室内用ブロワ32、蒸発器18、凝縮器13、エアミックスドア34等を収容する。ケーシング31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されており、その内部に車室内へ送風される送風空気の空気通路を形成している。このケーシング31の送風空気流れの最上流側には、ケーシング31内へ車室内の空気(内気)と外気とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。
内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気を導入させる内気導入口及び外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させる。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータ52によって駆動される。電動アクチュエータ52は、ECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する室内用ブロワ32が配置されている。室内用ブロワ32は、遠心多翼ファンを電動機にて駆動する電動送風機であって、ECU50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
室内用ブロワ32の空気流れ下流側には、蒸発器18及び凝縮器13が、送風空気の流れに対して、蒸発器18、凝縮器13の順に配置されている。ケーシング31内には、蒸発器18を通過後の送風空気のうち、凝縮器13を通過させる風量と凝縮器13を通過させない風量との風量割合を調整するエアミックスドア34が配置されている。エアミックスドア34は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータ53によって駆動される。電動アクチュエータ53は、ECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
本実施形態では、除霜モード時には図1の二点鎖線で示すように、蒸発器18を通過後の送風空気の全風量を凝縮器13を迂回させる冷房位置に、エアミックスドア34を変位させる。冷房モード時には、目標吹き出し温度が得られるように、蒸発器18を通過後の送風空気の一部を凝縮器13へ流入させる位置にエアミックスドア34を変位させる。暖房モード時には図1の実線で示すように、蒸発器18を通過後の送風空気の全風量を凝縮器13へ流入させる暖房位置に、エアミックスドア34を変位させる。
さらに、ケーシング31の空気流れ最下流部には、凝縮器13を通過した送風空気または凝縮器13を迂回した送風空気を、空調対象空間である車室内へ吹き出すための開口が設けられている。この開口としては、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ開口部37a、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス開口部37b、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット開口部37cが設けられている。これらの開口部の空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口(図示せず)に接続されている。
したがって、冷房モード時に、エアミックスドア34の開度を調整して、蒸発器18にて冷却された送風空気の一部を凝縮器13で再加熱することで、フェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口から車室内へ吹き出される送風空気の温度を調整するようにしてもよい。また、デフロスタ開口部37a、フェイス開口部37b及びフット開口部37cの空気流れ上流側には、それぞれ、デフロスタ開口部37aの開口面積を調整するデフロスタドア38a、フェイス開口部37bの開口面積を調整するフェイスドア38b、フット開口部37cの開口面積を調整するフットドア38cが配置されている。
デフロスタドア38a、フェイスドア38b及びフットドア38cは、吹出口モードを切替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ54に連結されて連動して回転操作される。なお、電動アクチュエータ54も、ECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、吹出口モード切替手段によって切り替えられる吹出口モードとしては、フェイス吹出口を全開してフェイス吹出口から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口を全開するとともにデフロスタ吹出口を小開度だけ開口して、フット吹出口から主に空気を吹き出すフットモード、及びフット吹出口及びデフロスタ吹出口を同程度開口して、フット吹出口及びデフロスタ吹出口の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。さらに、乗員が操作パネル60に設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口を全開してデフロスタ吹出口からフロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。ECU50は、CPU、ROM及びRAM等を周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、空調制御を行う制御装置である。そして、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された圧縮機11用のインバータ51、開閉弁15a及び三方弁20、室外ファン16a、室内用ブロワ32、各種電動アクチュエータ52〜54の作動を制御する。
ECU50の入力側には、内気センサ70、外気センサ71、日射センサ72、吐出温度センサ73、吐出圧力センサ74、蒸発器温度センサ75等の空調制御用のセンサ群の検出信号、車速センサ76の検出信号が入力される。内気センサ70は、車室内温度(内気温)Trを検出する。外気センサ71は、車室外温度(外気温)Tamを検出する。日射センサ72は、車室内へ照射される日射量Tsを検出する。吐出温度センサ73は、圧縮機11の吐出冷媒の吐出冷媒温度Tdを検出する。
吐出圧力センサ74は、圧縮機11から吐出された冷媒の吐出冷媒圧力Pdを検出する。吐出冷媒圧力Pdは、前述の高圧冷媒領域の圧力の一例である。蒸発器温度センサ75は、蒸発器18における冷媒蒸発温度(蒸発温度)Teを検出する。車速センサ76は、車両の速度(km/h)を検出する車速検出装置の一例であり、例えば、自動車における車軸の回転数に比例してパルス信号を発生させ、パルス信号の数量に比例した車両移動が生じたとしてECU50にその情報を送る。
なお、吐出冷媒圧力Pdは、冷房モードでは、圧縮機11の冷媒吐出口側から冷房用固定絞り17の入口へ至るまでのサイクルの高圧冷媒領域の冷媒圧力となり、暖房モードでは、圧縮機11の冷媒吐出口側から暖房用固定絞り14の入口へ至るまでのサイクルの高圧冷媒領域の冷媒圧力となる。蒸発器温度センサ75は、例えば、蒸発器18の熱交換フィン温度を検出している。また、蒸発器温度センサ75は、蒸発器18のその他の部位の温度を検出してもよいし、蒸発器18を流通する冷媒自体の温度を直接検出してもよい。
さらに、ECU50の入力側には、車室内前部の計器盤付近の操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチとしては、例えば、車両用空調装置1の作動スイッチ、車両用空調装置1の自動制御を設定あるいは解除するオートスイッチ60a、運転モードを切り替える運転モード切替スイッチ、吹出口モードを切り替える吹出モード切替スイッチ、室内用ブロワ32の風量設定スイッチ、車室内の目標温度Tset(設定温度)を設定する設定温度スイッチ、所定条件が成立する場合に圧縮機11の回転数を制限するための低騒音モードスイッチ60b、当該圧縮機11の回転数制限を解除するための解除入力スイッチ60c等がある。
オートスイッチ60aが操作されると、ECU50は、車室内の空気が設定温度に近づくように空調空気を制御することに加え、高圧冷媒領域の冷媒圧力に応じて圧縮機11の回転数を制限する制御を実施する。この圧縮機11の回転数を制限する制御は、吐出冷媒圧力Pdが高圧状態である場合に実施する高圧時制御、吐出冷媒圧力Pdが低圧状態である場合に実施する低圧時制御である。
ECU50は、高圧冷媒領域の圧力が閾値以上である高圧状態の場合には、空調の目標温度に関係なく、所定の高圧時上限値を超えないように電動機11bの回転数を制限する。さらに、ECU50は、高圧冷媒領域の圧力が閾値未満である低圧状態の場合には、空調の目標温度に関係なく、車両の走行速度の増加に応じて段階的に増加するように設定された所定の低圧時上限値を超えないように電動機11bの回転数を制限する。
解除入力スイッチ60cは、高圧時制御や低圧時制御を取り消す際に、操作される解除入力部である。解除入力スイッチ60cが操作されると、高圧時制御や低圧時制御を実施しないことを命令する信号がECU50に入力される。ECU50は、解除入力スイッチ60cが操作された場合に、空調の目標温度に関係なく、電動機11bの回転数に制限を設ける制御を取り消す。したがって、ECU50は、圧縮機11の回転数を敢えて制限することなく、車室内の空気が設定温度に近づくように圧縮機11の作動を制御する
次に、車両用空調装置1の作動を図3〜図6を参照して説明する。車両用空調装置1による空調制御処理は、車両走行中、車両停止時にかかわらず、ECU50に電力が供給されていれば、主にECU50によって実行される。当該空調制御は、操作パネル60の作動スイッチが投入された状態でオートスイッチ60aがONされていれば、スタートする。そして、ステップ10で、低騒音モードが設定されているか否か、すなわち、自動空調運転状態で、すでに低騒音モードが設定されているか否か、または低騒音モードスイッチ60bがONされたか否かを判定する。
ステップ10で低騒音モードが設定されていると判定した場合にはステップ20へ進み、設定されていないと判定した場合にはステップ15へ進んで自動空調運転である通常の空調制御を実行する。通常の空調制御を実行した後は、再びステップ10に戻り、前述の以降の処理を実行する。
以下に、ステップ15で実行される「通常の空調制御」の内容について説明する。まず、フラグ、タイマー等の初期化、及び上述した各電動アクチュエータを構成するステッピングモータの初期位置合わせ等のイニシャライズが行われる。次に、操作パネル60の操作信号等を読み込み、空調制御に用いられる車両環境状態の信号、すなわち上述の空調制御用のセンサ群70〜76等の検出信号を読み込む。
そして、車室内吹出空気の目標温度TAOを算出する。目標温度TAOは、内気温Trを速やかに乗員の所望の目標温度Tsetに近づけるために決定される値であって、下記の数式により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
ここで、Tsetは車室内温度設定スイッチによって設定された車室内の目標温度であり、Trは内気センサ70によって検出された車室内温度(内気温)であり、Tamは外気センサ71によって検出された車室外温度(外気温)であり、Tsは日射センサ72によって検出された日射量である。また、Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
次のステップでは、目標温度TAOに基づいて、予めECU50のROM内に記憶された制御マップを参照して、室内用ブロワ32により送風される空気の目標送風量、すなわち、室内用ブロワ32の電動モータに印加するブロワモータ電圧を決定する。
次のステップでは、吸込口モード、すなわち内外気切替装置33の切替え状態を決定する。この吸込口モードも目標温度TAOに基づいて、予めECU50に記憶された制御マップを参照して決定する。基本的には外気を導入する外気モードが優先されるが、目標温度TAOが最大冷房域となって高い冷房性能を得たい場合等には内気を導入する内気モードが選択される。
次のステップでは、吹出口モードを決定する。この吹出口モードも目標温度TAOに基づいて、予めECU50に記憶された制御マップを参照して決定する。例えば、目標温度TAOが低温域から高温域へと上昇するに伴って吹出口モードをフェイスモード→バイレベルモード→フットモードへと順次切り替える。したがって、目標温度TAOが低温域となりやすい夏季は主にフェイスモード、目標温度TAOが中温域となりやすい春秋季は主にバイレベルモード、目標温度TAOが高温域となりやすい冬季は主にフットモードが選択される。さらに、車両窓ガラス近傍の相対湿度を検出する湿度検出手段の検出値から算出される窓ガラス表面の相対湿度RHWに基づいて、窓ガラスに曇りが発生する可能性が高いと判定された場合には、フットデフロスタモードあるいはデフロスタモードを選択するようにしてもよい。
次のステップでは、エアミックスドア34の制御状態が決定される。前述のように、本実施形態では、冷房モード時及び除霜モード時には蒸発器18を通過後の送風空気の全風量を凝縮器13を迂回させるようにエアミックスドア34を変位させる、また、暖房モード時には蒸発器18を通過後の送風空気の全風量を凝縮器13へ流入させるようにエアミックスドア34を変位させる。
次のステップでは、圧縮機11の吐出冷媒温度Tdに基づいて、予めECU50に記憶された制御マップを参照して室外ファン16aの稼働率、すなわち室外ファン16aの回転数を決定する。この制御マップでは、吐出冷媒温度Tdの上昇に伴って室外ファン16aの回転数を増加するように決定する。
次のステップでは、設定温度に伴う運転モード、または運転モード切替スイッチによって設定された運転モードに応じて、開閉弁15a及び三方弁20の作動状態を決定する。冷房モード時には、開閉弁15aを開くとともに、室外熱交換器16の冷媒出口側と冷房用固定絞り17の冷媒入口側とを接続するように三方弁20の作動を制御する。一方、暖房モード時には、開閉弁15aを閉じるとともに、室外熱交換器16の冷媒出口側とアキュムレータ19の冷媒入口側とを接続するように三方弁20の作動を制御する。
次のステップでは、圧縮機11の冷媒吐出能力(具体的には、電動機11bの回転数)を決定する。冷房モードでは、目標温度TAO等に基づいて、予めECU50に記憶されている制御マップを参照して、空調フィーリングを悪化させないように、蒸発器温度センサ75によって検出される冷媒蒸発温度Teの目標蒸発温度TEOを決定する。
この目標蒸発温度TEOと冷媒蒸発温度Teの偏差En(TEO−Te)を算出し、今回算出された偏差Enから前回算出された偏差En−1を減算した偏差変化率Edot(En−(En−1))とを用いて、予めECU50に記憶されたメンバーシップ関数とルールとに基づいたファジー推論に基づいて、前回の圧縮機回転数fCn−1に対する回転数変化量dfCを求める。
また、暖房モードでは、目標温度TAO等に基づいて、予めECU50に記憶されている制御マップを参照して、吐出圧力センサ74によって検出される吐出冷媒圧力Pdの目標高圧PDOを決定する。この目標高圧PDOと吐出冷媒圧力Pdの偏差Pn(PDO−Pd)を算出し、今回算出された偏差Pnから前回算出された偏差Pn−1を減算した偏差変化率Pdot(Pn−(Pn−1))とを用いて、予めECU50に記憶されたメンバーシップ関数とルールとに基づいたファジー推論に基づいて、前回の圧縮機回転数fHn−1に対する回転数変化量dfHを求める。
次に、室外熱交換器16の除霜を行う除霜モードでの運転を実行するか否かを決定する。まず、室外熱交換器16に着霜が生じているか否かを判定する。このような着霜の判定は、様々な手法を採用できる。例えば、室外熱交換器温度センサ(図示せず)によって検出された室外器温度が予め定めた基準温度以下となった際に、室外熱交換器16に着霜が生じていると判定する。室外熱交換器16に着霜が生じていると判定された場合は、除霜モードの運転が実行される。除霜モードでは、開閉弁15aを開き、室外熱交換器16の冷媒出口側とアキュムレータ19の冷媒入口側とを接続するように三方弁20の作動を制御し、圧縮機11の回転数を予め定めた所定回転数に制御する。
次に、上記の各ステップで決定された制御状態が得られるように、ECU50より、上述する各種の構成機器11、15a、20、16a、32、52〜54に対して制御信号及び制御電圧が出力される。そして、上記一連のステップは、所定の制御周期感覚で繰り返し実行される。
車両用空調装置1は、以上のようにステップ15の「通常の空調制御」が実行される。各運転モードにおいて各種の構成機器は、以下のように作動する。
(冷房モード)
冷房モードでは、ECU50が、開閉弁15aを開き、室外熱交換器16の冷媒出口側と冷房用固定絞り17の冷媒入口側とを接続するように三方弁20の作動を制御する。さらに、ECU50が、蒸発器18を通過後の送風空気の全風量が凝縮器13を迂回するようにエアミックスドア34を変位させる。
これにより、図1の破線矢印に示すように、圧縮機11(→凝縮器13→バイパス通路15)→室外熱交換器16(→三方弁20)→冷房用固定絞り17→蒸発器18→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒が循環する冷媒サイクルが構成される。つまり、室外熱交換器16を冷媒に放熱させる放熱器として機能させ、蒸発器18を冷媒を蒸発させる蒸発器として機能さる冷凍サイクルが構成される。なお、冷房モードでは、エアミックスドア34の作用によって、送風空気が凝縮器13へ流入しないので、凝縮器13では冷媒はほとんど放熱しない。
したがって、圧縮機11にて圧縮された高圧冷媒は、室外熱交換器16にて室外ファン16aから送風された外気と熱交換して冷却され、冷房用固定絞り17にて減圧膨張される。冷房用固定絞り17にて減圧された低圧冷媒は蒸発器18へ流入し、室内用ブロワ32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。この冷媒の吸熱作用により、蒸発器18を通過する送風空気が冷却され、車室内の冷房が実現される。また、蒸発器18から流出した冷媒は、アキュムレータ19へ流入する。アキュムレータ19にて気液分離された気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
(暖房モード)
暖房モードでは、ECU50が、開閉弁15aを閉じ、室外熱交換器16の冷媒出口側とアキュムレータ19の冷媒入口側とを接続するように三方弁20の作動を制御する。さらに、ECU50が、蒸発器18を通過後の送風空気の全風量が凝縮器13へ流入するようにエアミックスドア34を変位させる。これにより、図1の実線矢印に示すように、圧縮機11→凝縮器13→暖房用固定絞り14→室外熱交換器16(→三方弁20)→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒が循環する冷媒サイクルが構成される。つまり、凝縮器13を放熱器として機能させ、室外熱交換器16を蒸発器として機能させる冷凍サイクルが構成される。
したがって、圧縮機11にて圧縮された冷媒は、凝縮器13にて室内用ブロワ32から送風された送風空気に放熱する。これにより、凝縮器13を通過する送風空気が加熱され、車室内の暖房が実現される。また、凝縮器13から流出した冷媒は、暖房用固定絞り14にて減圧されて室外熱交換器16へ流入する。室外熱交換器16へ流入した冷媒は、室外ファン16aから送風された車室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器16から流出した冷媒は、三方弁20を介してアキュムレータ19へ流入する。アキュムレータ19にて気液分離された気相冷媒は、圧縮機11に吸入されて再び圧縮される。
(除霜モード)
除霜モードでは、ECU50が、開閉弁15aを開き、室外熱交換器16の冷媒出口側とアキュムレータ19の冷媒入口側とを接続するように三方弁20の作動を制御する。さらに、ECU50が、蒸発器18を通過後の送風空気の全風量が凝縮器13を迂回するようにエアミックスドア34を変位させる。これにより、図1の白抜き矢印に示すように、圧縮機11(→凝縮器13→バイパス通路15)→室外熱交換器16→三方弁20)→アキュムレータ19→圧縮機11の順に冷媒が循環するホットガスサイクルが構成される。
したがって、圧縮機11にて圧縮された高圧高温冷媒は、室外熱交換器16へ流入して放熱する。これにより、室外熱交換器16が加熱されて室外熱交換器16の除霜が実現される。室外熱交換器16から流出した冷媒は、三方弁20を介してアキュムレータ19へ流入する。アキュムレータ19にて気液分離された気相冷媒は、圧縮機11に吸入される。
車両用空調装置1は、以上のように作動して、車室内の冷房及び暖房を実現することができるとともに室外熱交換器16に着霜が生じた際に、除霜モードの運転を実行することで室外熱交換器16を除霜することもできる。
図3のステップ10で低騒音モードが設定されていると判定した場合は、ステップ20で、高圧冷媒領域の冷媒圧力が高圧条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、ROM等に予め記憶されている制御マップ(図4参照)にしたがい、吐出圧力センサ74が検出する吐出冷媒圧力Pdが予め定められた第1の圧力閾値である1.6MPa以上であるか否かまたは第2の圧力閾値である1.4MPa以上であるか否かを判定する。吐出冷媒圧力Pdが第1の圧力閾値以上または第2の圧力閾値以上である場合には、高圧状態であり高圧条件を満たしていると判定してステップ30の高圧時制御を実行し、第1の圧力閾値未満または第2の圧力閾値未満である場合には、低圧状態であり高圧条件を満たしていないと判定してステップ40の低圧時制御を実行することになる。
ここで、第1の圧力閾値1.6MPaは、低圧状態(低圧制御時)から高圧状態(高圧制御時)に切り替わるために設定された閾値であり、第2の圧力閾値1.4MPaは、高圧状態(高圧制御時)から低圧状態(低圧制御時)に切り替わるために設定された閾値である。すなわち、図4に図示する制御マップのように、高圧条件の成立か否かを判定する閾値は、圧力が上昇変化する場合と下降変化する場合とで基準が異なり、上昇変化する場合の方が下降変化する場合よりも所定の圧力差(0.2MPa)分高い閾値に設定される。つまり、高圧時制御と低圧時制御とは、所定の冷媒圧力の範囲(1.4MPaから1.6MPaの範囲)でオーバーラップするように設定されている。
ステップ30では、高圧時の圧縮機制御に設定する処理を実行する。この処理は、ROM等に予め記憶されている制御マップ(図5参照)にしたがい、車速センサ76が検出する高圧時の車速が第3の車速閾値以上(40km/h)または第4の車速閾値(35km/h)以上であるか否かを判定する。高圧時の車速が第3の車速閾値以上または第4の車速閾値以上である場合には、圧縮機11の回転数を高圧時上限値の一つである8000rpmを超えないように制限する。
また、高圧時の車速が第3の車速閾値未満または第4の車速閾値未満である場合であって、さらに第1の車速閾値(25km/h)以上または第2の車速閾値(20km/h)以上である場合には、圧縮機11の回転数を高圧時上限値の一つである6600rpmを超えないように制限する。
また、高圧時の車速が第1の車速閾値(25km/h)未満または第2の車速閾値(20km/h)未満である場合には、圧縮機11の回転数を高圧時上限値の一つである5500rpmを超えないように制限する。
そして、ECU50は、ステップ50において、上述したステップ15と同様の「通常の空調制御」を実行する上で圧縮機11の回転数の上限値を、上述のとおり車速に適合する、8000rpm、6600rpm、5500rpmのいずれかに制限する。すなわち、車室内の設定温度に適合する圧縮機11の冷媒吐出能力を満たすための電動機11bの回転数にかかわらず、ECU50は、電動機11bの回転数の上限値を8000rpm、6600rpm、5500rpmのいずれかに制限することにより、高圧状態における圧縮機11の振動を抑制する。ステップ50の処理後は、再びステップ10に戻り、前述の以降の処理を実行する。
このように、高圧時制御では、車速に対応させて多段的に圧縮機11の回転数を制限する処理が行われる。また、車速に関する第3の車速閾値(40km/h)は、車速が上昇変化するときに高圧時上限値を切り替えるために設定された閾値であり、第4の車速閾値(35km/h)は、車速が下降変化するときに高圧時上限値を切り替えるために設定された閾値である。すなわち、図5に図示する制御マップのように、圧縮機回転数の高圧時上限値は、車速が上昇変化する場合と下降変化する場合とで基準が異なり、上昇変化する場合の方が下降変化する場合よりも所定の速度差(5km/h)分高い閾値に設定される。つまり、6600rpmの上限値と8000rpmの上限値とは、所定の車速範囲(40km/hから35km/hの範囲)でオーバーラップするように設定されている。また、5500rpmの上限値と6600rpmの上限値とは、所定の車速範囲(25km/hから20km/hの範囲)でオーバーラップするように設定されている。
ステップ20で、吐出冷媒圧力Pdが第1の圧力閾値未満または第2の圧力閾値未満である場合には、低圧状態であり高圧条件を満たしていないと判定してステップ40の低圧時制御を実行する。
ステップ40では、低圧時の圧縮機制御に設定する処理を実行する。この処理は、ROM等に予め記憶されている制御マップ(図6参照)にしたがい、車速センサ76が検出する低圧時の車速が第3の車速閾値以上(40km/h)または第4の車速閾値(35km/h)以上であるか否かを判定する。低圧時の車速が第3の車速閾値以上または第4の車速閾値以上である場合には、圧縮機11の回転数を低圧時上限値の一つである10000rpmを超えないように制限する。
また、低圧時の車速が第3の車速閾値未満または第4の車速閾値未満である場合であって、さらに第1の車速閾値(25km/h)以上または第2の車速閾値(20km/h)以上である場合には、圧縮機11の回転数を低圧時上限値の一つである8000rpmを超えないように制限する。
また、低圧時の車速が第1の車速閾値(25km/h)未満または第2の車速閾値(20km/h)未満である場合には、圧縮機11の回転数を低圧時上限値の一つである6600rpmを超えないように制限する。
そして、ECU50は、ステップ50において、上述したステップ15と同様の「通常の空調制御」を実行する上で圧縮機11の回転数の上限値を、上述のとおり車速に適合する、10000rpm、8800rpm、6600rpmのいずれかに制限する。すなわち、車室内の設定温度に適合する圧縮機11の冷媒吐出能力を満たすための電動機11bの回転数にかかわらず、ECU50は、電動機11bの回転数の上限値を10000rpm、8800rpm、6600rpmのいずれかに制限することにより、低圧状態における圧縮機11の振動を抑制する。ステップ50の処理後は、再びステップ10に戻り、前述の以降の処理を実行する。
このように、低圧時制御でも、車速に対応させて多段的に圧縮機11の回転数を制限する処理が行われる。また、車速に関する第3の車速閾値(40km/h)は、車速が上昇変化するときに低圧時上限値を切り替えるために設定された閾値であり、第4の車速閾値(35km/h)は、車速が下降変化するときに低圧時上限値を切り替えるために設定された閾値である。すなわち、図6に図示する制御マップのように、圧縮機回転数の低圧時上限値は、車速が上昇変化する場合と下降変化する場合とで基準が異なり、上昇変化する場合の方が下降変化する場合よりも所定の速度差(5km/h)分高い閾値に設定される。つまり、8000rpmの上限値と10000rpmの上限値とは、所定の車速範囲(40km/hから35km/hの範囲)でオーバーラップするように設定されている。
また、低圧状態における第1の車速閾値(25km/h)と第2の車速閾値(20km/h)についても同様である。つまり、車速が上昇変化する場合の方が下降変化する場合よりも所定の速度差(5km/h)分高い閾値に設定される。つまり、6600rpmの上限値と8000rpmの上限値とは、所定の車速範囲(25km/hから20km/hの範囲)でオーバーラップするように設定されている。
以下に、本実施形態の車両用空調装置1がもたらす効果を述べる。車両用空調装置1によれば、ECU50は、冷媒サイクルにおいて予め定める高圧冷媒領域の圧力が閾値以上である高圧状態の場合には、所定の高圧時上限値を超えないように電動機の回転数を制限する。
車内の騒音は、圧縮機の振動が大きくなるほど大きくなることがわかっている。そして、圧縮機の振動は、冷媒圧力との相関関係が強く、特に夏季、冬季等に発生する冷媒の高圧状態では圧縮機の振動増大が顕著になる。
そこで、本願の制御によれば、車室内空調用の冷媒サイクルにおける高圧冷媒領域の圧力が閾値以上である場合には、電動機11bの回転数を所定の高圧時上限値以下に抑制する。そして、車両の走行状態及び自動空調の制御状態のいかんにかかわらず、電動機11bは高圧時上限値を超えない回転数に抑えられる。このように、電動機11bの回転数制限による圧縮機11の振動抑制効果によって、圧縮機11から発生する騒音を低減することで高圧状態での圧縮機11の振動増大という出願人着目の課題を解決することができる。
特に、車両用空調装置1が搭載される車両が電気自動車である場合には、内燃機関を有する車両に比べて、車室内と車室外とを仕切る部材等の遮音性能が低く設定され、騒音が車室内に伝播しやすいため、本願の車両用空調装置1による騒音低減効果は多大なものとなる。
さらに、ECU50は、高圧冷媒領域の圧力が当該閾値未満である低圧状態の場合には、車両の走行速度の増加に伴って段階的に増加する値に設定された所定の低圧時上限値を超えないように電動機11bの回転数を制限する(ステップ20、30、図4、図5)。
この制御によれば、冷媒サイクルにおける高圧冷媒領域の圧力が閾値未満である場合には、車速の増加に応じて設定された複数段階の低圧時上限値以下に電動機11bの回転数を抑制する。そして、車両の走行状態及び自動空調の制御状態のいかんにかかわらず、電動機11bの回転数は、車速が増加しても段階的に増加する上限値以下に制限されることになる。ゆえに、多段的な回転数制限により、急激な車速増加や、ブレーキ作動による急激な減速による圧縮機11の回転数変動を抑制し、この回転数変動に伴う圧縮機11の振動発生を抑制することができる。
また、低圧時上限値は、高圧時上限値よりも高い値に設定される(図4、図5)。この制御によれば、低圧状態では、高圧状態に比べて圧縮機1の振動が小さいため、回転数の上限値を高めに設定し、かつ段階的な回転数制限を設けることにより、必要な空調能力の確保と車両の静音性とを両立する車両用空調装置1を提供できる。
さらにECU50は、低圧状態から高圧状態に切り替わる境界としての第1の圧力閾値(1.6MPa)と、高圧状態から低圧状態に切り替わる境界としての第2の圧力閾値(1.4MPa)とにしたがって高圧状態であるか否かを判定する(ステップ20)。そして、第1の圧力閾値は、第2の圧力閾値よりも高い値に設定される(図4)。
この制御によれば、冷媒圧力の急激な変動により、回転数の上限値が頻繁に変更されることを抑制することができる。さらに、冷媒圧力が急激に低下した場合には、圧縮機の作動音が残存発生している状況にもかかわらず、即座に低圧時制御に切り替わってしまうことで高い上限値に設定されてしまうことになる。そこで、この制御によれば、このような状況の発生を抑制することができ、車内の騒音低減を促進できる。
車両用空調装置1は、高圧時制御(電動機11bの回転数制御)を実施しないことを命令する信号をECU50に入力する際に操作される解除入力スイッチ60cを備える。ECU50は、解除入力スイッチ60cの操作により命令信号が入力された場合には、すでに設定されていた高圧時制御(電動機11bの回転数制御)を取り消す。
この制御によれば、乗員が、圧縮機11の作動音による車内騒音をあまり気にしない場合や空調能力を優先したい場合に、解除入力スイッチ60cを操作することにより、乗員に意思を優先する空調制御を実施できる。
また、ECU50は、低い上限値から高い上限値に切り替わる境界としての第1の車速閾値(25km/h)と、高い上限値から低い上限値に切り替わる境界としての第2の車速閾値(20km/h)とにしたがって圧縮機11の回転数の上限値を決定する(図5)。そして、第1の車速閾値は、第2の車速閾値よりも高い値に設定される(図5)。
この制御によれば、車速の急激な変動により、回転数の上限値が頻繁に変更されることを抑制することができる。特に、圧縮機11が高回転で作動中に、急激な減速が行われると、走行暗騒音が低減して、圧縮機の作動音が残存発生することがある。そこで、この制御によれば、このような状況の発生を抑制することができ、車内の騒音低減に貢献することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態において、高圧冷媒領域の圧力が閾値未満である低圧状態の場合または高圧状態の場合に、圧縮機11の回転数は、車速の増加に伴って3段階に増加する上限値が設定されている。しかしながら、車速の増加に伴い段階的に増加する上限値は、2段階に設定される形態でもよいし、4段階以上に細分化して設定される形態でもよい。
上記の実施形態に記載する冷媒サイクルは、空調ユニット30内部の送風通路に冷却用熱交換器と加熱用熱交換器を配するヒートポンプサイクル10であるが、本願発明に含まれる冷媒サイクルは、ヒートポンプサイクルに限定されない。冷媒サイクルは、例えば、空調ユニット内部の送風通路に冷却用熱交換器のみを配する冷凍サイクルであってもよい。
上記の実施形態のヒートポンプサイクル10においては、暖房、冷房の各運転における冷媒量の変動に対処するため、アキュムレータを備えているが、変動量が能力に影響を与えない場合は、アキュムレータを備えない形態としてもよい。
1…車両用空調装置
10…ヒートポンプサイクル(冷媒サイクル)
11…圧縮機
11b…電動機
50…ECU(制御装置)

Claims (5)

  1. 冷媒サイクル(10)を流れる冷媒の作用によって車室内の空調を行う車両用空調装置(1)であって、
    前記冷媒サイクルに設けられ、電動機(11b)の回転数に応じて冷媒吐出量が変化する圧縮機(11)と、
    前記電動機の回転数を変化させて前記圧縮機の冷媒吐出量を制御する制御装置(50)と、を備え、
    前記制御装置は、前記冷媒サイクルにおいて予め定める高圧冷媒領域の圧力が閾値以上である高圧状態の場合には、所定の高圧時上限値を超えないように前記電動機の回転数を制限することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御装置は、前記高圧冷媒領域の圧力が前記閾値未満である低圧状態の場合には、車両の走行速度の増加に応じて段階的に増加する値に設定された所定の低圧時上限値を超えないように前記電動機の回転数を制限することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記低圧時上限値は、前記高圧時上限値よりも高い値に設定されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御装置は、前記低圧状態から前記高圧状態に切り替わるとして設定された第1の圧力閾値と、前記高圧状態から前記低圧状態に切り替わる閾値として設定された第2の圧力閾値とにしたがって前記高圧状態であるか否かを判定し、
    前記第1の圧力閾値は、前記第2の圧力閾値よりも高い値に設定されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記高圧状態である場合の前記電動機の回転数制御を実施しないことを命令する信号を前記制御装置に入力する際に操作される解除入力部(60c)を備え、
    前記制御装置は、前記解除入力部の操作により前記命令信号が入力された場合に、すでに設定されていた前記電動機の回転数制御を取り消すことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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