JP2014104738A - ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型およびポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型およびポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法 Download PDF

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昭憲 龍
Ryoichi Seki
亮一 関
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Abstract

【課題】ポリ(チオ)ウレタン系レンズの離型性、透明性および白濁抑制効果に優れるとともに、レンズ成形後におけるモールド部材の白濁が抑制されたポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型を提供する。
【解決手段】ポリ(チオ)ウレタン系レンズ鋳型10は、第1モールド部材12と、第2モールド部材14と、第1モールド部材12の周縁部12bと、第2モールド部材14の周縁部14bに配置され、対向する第1面12aと第2面14aとを所定距離離間させるためのスペーサー16と、第1モールド部材12と第2モールド部材14とスペーサー16とに囲繞された、前記レンズを形成するためのキャビティ18と、を備える。第1面12aおよび第2面14aの少なくとも一方の面は、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られる、ガラス転移点が15℃以上のポリオレフィンからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型および当該鋳型を用いたポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法に関する。
従来から、重合性組成物を鋳型のキャビティ内に注入し重合硬化する、注型重合法によりプラスチックレンズが製造されている。この鋳型には、ガラス等が用いられている。ポリ(チオ)ウレタンからなるレンズを調製する場合、レンズと鋳型とを容易に離型させるために、離型剤を用いる方法が提案されている。
特許文献1には、含硫ウレタン樹脂製レンズを注型重合により製造するに際し、重合性組成物中に特定の内部離型剤を添加する方法が開示されている。
特許文献2には、ガラス基材とウレタン系樹脂層との密着性を利用したハイブリッドレンズの製造方法が記載されている。当該方法においては、鋳型表面に、外部離型剤を予め塗布しておくことが記載されている。
特許文献3には、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂からなる鋳型を用い、含硫ウレタン樹脂の成型品を製造することが開示されている。成型品としては、レンズ等の光学部品が挙げられている。
特開平9−38998号公報 特開2007−187864号公報 特開昭62−236818号公報
しかしながら、当該文献記載の技術は以下の点に改善の余地があった。
特許文献1に記載された内部離型剤を用いる方法は、得られるレンズ内に内部離型剤が含まれるため、光学物性に影響を与えることがあった。
特許文献2に記載された外部離型剤を用いる方法は、注型重合によりレンズを調製する際に当該レンズの表面に外部離型剤が存在するため、得られるレンズの表面精度が低下し、製品の歩留まりが低下する場合があった。
特許文献3に記載の方法においては、含硫ウレタン樹脂からなる成形品と鋳型との離型性には優れるものの、得られる成形品に白濁が生じる場合があった。
本発明者らは鋭意検討したところ、特定のガラス転移点を有するポリオレフィンからなる鋳型を用いることにより、上記問題点を解決することができることを見出し、本願発明を完成した。
本発明は、以下に示すことができる。
[1] ポリ(チオ)ウレタン系レンズの一方の面を形成するための第1面を備える第1モールド部材と、
前記レンズの他方の面を形成するための第2面を備える第2モールド部材と、
前記第1モールド部材と前記第2モールド部材の周縁部に配置され、前記第1面と前記第2面とを所定距離離間させるためのスペーサーと、
前記第1モールド部材と前記第2モールド部材と前記スペーサーとに囲繞された、前記レンズを形成するためのキャビティとを備え、
前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の面は、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られる、ガラス転移点が15℃以上のポリオレフィンからなる、ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型。
[2] 前記ポリオレフィンは、炭素原子数5〜20の分岐状のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する単位の含有量が50〜100mol%である、[1]に記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型。
[3] 前記ポリオレフィンが、4−メチル−1−ペンテン系重合体である、[1]または[2]に記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型。
[4] [1]に記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型の前記キャビティ内に、イソシアネート化合物と活性水素化合物とを含む組成物を注入する工程と、
前記組成物を注入した後、該組成物を加熱重合して樹脂成形体を調製する工程と、
前記成形用鋳型から、前記樹脂成形体を取り出す工程と、
を含む、ポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法。
[5] [2]に記載の製造方法により得られた、ポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズ。
[6] 全光線透過率は87%以上である、[5]に記載のポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズ。
[7] [1]〜[3]のいずれかに記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型に用いられる、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られる、ガラス転移点が15℃以上のポリオレフィンからなる面を備える、モールド部材。
本発明のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型を用いることにより、ポリ(チオ)ウレタン系レンズの離型性に優れる。そのため、離型剤を低減もしくは無添加とするができ、レンズの生産性が向上する。さらに、透明性に優れ、かつ白濁が抑制されたポリ(チオ)ウレタン系レンズを得ることができ、レンズの歩留まりが向上する。またさらに、本発明のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型は、レンズ成形後におけるモールド部材自体の白濁も抑制されており、繰り返しレンズの製造に用いることができるため、製造コストの低減を図ることができる。
本実施形態のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宣説明を省略する。
[ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型]
図1に示すように、本実施形態のポリ(チオ)ウレタン系レンズ鋳型10(以下、「鋳型10」とも称する)は、第1モールド部材12と、第2モールド部材14と、第1モールド部材12の周縁部12bと、第2モールド部材14の周縁部14bに配置され、対向する第1面12aと第2面14aとを所定距離離間させるためのスペーサー16と、第1モールド部材12と第2モールド部材14とスペーサー16とに囲繞された、前記レンズを形成するためのキャビティ18とを備える。
(モールド部材)
モールド部材は、第1モールド部材12および第2モールド部材14からなる。第1モールド部材12は、ポリ(チオ)ウレタン系レンズの一方の面を形成するための第1面12aを備え、第2モールド部材14は、ポリ(チオ)ウレタン系レンズの他方の面を形成するための第2面14aを備える。第1モールド部材12および第2モールド部材14は、同一の形状あるいは異なる形状であってもよく、円板形状、四角板形状のいずれの形状であってもよい。
第1モールド部材12の第1面12aおよび第2モールド部材14の第2面14aの少なくとも一方の面は、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られる、ガラス転移点が15℃以上、好ましくは20℃以上のポリオレフィン(A)からなる。
本実施形態においては、第1面12aおよび第2面14aのいずれの面も、ポリオレフィン(A)から構成された例により説明する。なお、第1面12aおよび第2面14aの全面がポリオレフィン(A)から構成されていてもよく、第1面12aおよび第2面14aの一部にポリオレフィン(A)が存在していてもよい。本実施形態においては、効果の観点から、第1面12aおよび第2面14aの全面がポリオレフィン(A)から構成されていることが好ましい。
第1面12aおよび第2面14aをポリオレフィン(A)から構成するには、モールド部材を基材と該基材上に形成されたポリオレフィン(A)からなる層とから構成し、該層の表面を第1面12aおよび第2面14aとする形態や、第1モールド部材12および第2モールド部材14自体をポリオレフィン(A)から構成する形態を挙げることができる。
本実施形態におけるポリオレフィン(A)は、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られ、上記範囲のガラス転移点を有する。ここで、(共)重合とは、上記記載のα−オレフィンを単独で重合する場合や、上記記載のα−オレフィンと共に他のオレフィンを共重合する場合も包含する概念である。
炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとして具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどが挙げられる。
これらのうち、得られるポリオレフィンの耐熱性、および低誘電特性の観点から、使用するオレフィンとしては、炭素原子数5〜20の分岐状のα−オレフィンが好ましく、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンがより好ましく、4−メチル−1−ペンテンがさらに好ましい。
ポリオレフィン(A)が単独重合体の場合、上述した炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種のオレフィンを重合して得られる(α−オレフィンの構成単位が100mol%)。
ポリオレフィン(A)が共重合体の場合、上述した炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる2種以上のオレフィンを共重合して得られる。これらのうち、得られるポリオレフィンの耐熱性、および低誘電特性の観点から、炭素原子数5〜20の分岐状のα−オレフィンを主たる構成要素とし、共重合する他のオレフィンとして、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィン(前記主たる構成要素となる炭素原子数5〜20の分岐状のα−オレフィンから選ばれるα−オレフィンを除く)を含むことが好ましい。
前記共重合する炭素原子数3〜20のα−オレフィンとして具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどが含まれる。これらのオレフィンは1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
この際、炭素原子数5〜20の分岐状のα−オレフィンに由来する単位の含有量の下限は50mol%、好ましくは70mol%、より好ましくは85molであり、上限は、99.95mol、好ましくは99.9mol%、より好ましくは99.8molである。
ポリオレフィン(A)としては、4−メチル−1−ペンテン単独重合体、若しくは、4−メチル−1−ペンテンを主たる構成要素とする4−メチル−1−ペンテン共重合体からなる、4−メチル−1−ペンテン系重合体であることが好ましい。
なお、本発明においてポリオレフィン(A)の構成要素としては、上述したオレフィンの他、本発明の目的を損なわない範囲で環状オレフィン、官能化ビニル化合物、極性基(例えばカルボニル基、水酸基、エーテル結合基など)および重合性の炭素−炭素二重結合を分子中に有するモノマー、共役ジエン、非共役ポリエンなどを含んでもよい。
本発明のポリオレフィン(A)は、下記要件(A−i)および(A−ii)を満たすことが好ましい。
(A−i)メルトフローレート(MFR)が、1〜500g/10min、好ましくは2〜100g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。MFRは、ASTM D1238に準じて、測定温度260℃、荷重5kgfの条件下にて測定される。MFRが上記範囲にあると、得られるポリオレフィン樹脂組成物の成形金型内での流動性が高まる。
(A−ii)融点(Tm)が、220〜250℃、好ましくは224〜245℃、より好ましくは228〜240℃である。融点220℃未満であると、ポリオレフィン(A)自体の強度が低下するので、得られるポリオレフィン樹脂組成物の強度も十分でない場合がある。融点250℃を越えると、得られるポリオレフィン樹脂組成物の衝撃強度、および、靭性が低下する場合がある。ポリオレフィン(A)の融点は、JIS−K7121に準拠して、30〜280℃の温度範囲において窒素雰囲気下で測定することができる。この時、昇温速度および冷却速度は、それぞれ10℃/minとすればよい。
ポリオレフィン(A)は、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセン触媒やいわゆるポストメタロセン触媒などの公知のオレフィン重合用触媒の存在下で、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合することにより製造される。
より具体的に、ポリオレフィン(A)は、ポリオレフィン(A)を構成するオレフィンを、遷移金属触媒成分および共触媒成分を含む重合触媒の存在下にて、重合することにより製造される。
ポリオレフィン(A)の製造におけるオレフィンの重合反応は、溶液重合、懸濁重合、バルク重合法などの液相重合法や、気相重合法や、その他公知の重合方法で行うことができる。好ましくは、ポリオレフィン(A)の製造は、溶解重合および懸濁重合(スラリー重合)などの液相重合法が用いられ、さらに好ましくは懸濁重合(スラリー重合)法が用いられる。
前記重合を液相重合法で行う場合には、溶媒として不活性炭化水素を用いることもでき、反応条件下において液状であるオレフィンを用いることもできる。また、重合は回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行なうことができ;重合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともできる。重合反応系に水素を供給することで、得られる重合体の分子量を調節することができ、ポリオレフィン(A)のメルトフローレートを調整することができる。
前記重合における重合温度および重合圧力は、重合方法および重合するオレフィンの種類により異なる。通常は、重合温度は10〜200℃、好ましくは30〜150℃に設定され、重合圧力は常圧〜5MPaG、好ましくは0.05〜4MPaGに設定される。
ポリオレフィン(A)の製造に用いられる遷移金属触媒成分は、遷移金属としてマグネシウムとチタンを有し、配位子としてハロゲンおよび電子供与体を有する固体状チタン触媒やメタロセン触媒などであり;好ましくは固体状チタン触媒である。
遷移金属触媒成分は、特に好ましくは、不活性炭化水素溶媒に懸濁させたマグネシウム化合物と、電子供与体として複数の原子を間に介してエーテル結合を2以上有する化合物と、液体状態のチタン化合物とを接触させて得られる固体状チタン触媒である。当該固体状チタン触媒は、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲンおよび複数のエーテル結合を有する。
前記固体状チタン触媒の製造に用いられる不活性炭化水素溶媒としては、ヘキサン、デカンおよびドデカンなどが挙げられ;マグネシウム化合物としては、無水塩化マグネシウムおよびメトキシ塩化マグネシウムなどが挙げられ;電子供与体としての複数の原子を間に介してエーテル結合を2以上有する化合物としては、2−イソブチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパンおよび2−イソペンチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパンなどが挙げられる。
固体状チタン触媒に含まれる電子供与体の種類を選定することにより、得られる重合体の立体規則性を調整することが可能である。これにより、重合体の融点が調整されうる。
固体状チタン触媒におけるハロゲンおよびチタンの原子比率(ハロゲン/チタン)は、通常2〜100であり、好ましくは4〜90である。固体状チタン触媒における、2以上のエーテル結合を含む化合物とチタンのモル比率(2以上のエーテル結合を含む化合物/チタン)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10である。固体状チタン触媒におけるマグネシウムおよびチタンの原子比率(マグネシウム/チタン)は、2〜100、好ましくは4〜50である。
さらに、ポリオレフィン(A)を得るためのオレフィン重合に用いる重合触媒の好適な例には、特開昭57−63310号公報、特開昭58−83006号公報、特開平3−706号公報、特許3476793号公報、特開平4−218508号公報、特開2003−105022号公報等に記載されているマグネシウム担持型チタン触媒;国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報あるいは特開平02−41303号公報などに記載のメタロセン触媒などが含まれる。電子供与体成分としてポリエーテルを含むマグネシウム担持型チタン触媒を用いると、分子量分布の比較的狭いポリオレフィン(A)を得られる傾向があるため特に好ましい。
ポリオレフィン(A)の製造におけるモノマー重合を、液相重合法で行う場合には、固体状チタン触媒を、全液体容積1リットル当りチタン原子に換算して0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは0.0005〜0.1ミリモルの量で用いることが好ましい。
遷移金属触媒成分は、不活性有機溶媒(好ましくは、飽和脂肪族炭化水素)に懸濁して重合反応系に供給することが好ましい。
また、遷移金属触媒成分は、重合に供するα−オレフィンと予備重合した固体触媒成分として用いることが好ましい。予備重合によって、遷移金属触媒成分1g当たり、α−オレフィンを0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500g、より好ましくは1〜200g重合させる。予備重合は、オレフィンの重合における反応系内の触媒濃度よりも高い触媒濃度で行うことができる。
ポリオレフィン(A)の製造に用いられる共触媒成分は、有機金属化合物触媒成分であることが好ましく、具体的には有機アルミニウム化合物が挙げられる。有機アルミニウム化合物は、たとえば、R AlX3−nで示される。
AlX3−nにおけるRは、炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基およびトリル基などである。R AlX3−nにおけるXはハロゲンまたは水素であり、nは1〜3である。
AlX3−nで示される有機アルミニウム化合物の具体例には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムおよびトリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリドおよびジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリドおよびエチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリドおよびエチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなどが含まれる。
これらのうち、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムが好ましい。
ポリオレフィン(A)の製造における共触媒成分(有機金属化合物触媒成分)の使用量は、遷移金属触媒成分が固体状チタン触媒である場合には、固体状チタン触媒1g当たり、0.1〜1×10g、好ましくは1×10〜1×10gの重合体が生成するような量であればよい。また、共触媒成分(有機金属化合物触媒成分)の使用量は、固体状チタン触媒中のチタン原子1モル当たり、0.1〜1000モル、好ましくは約0.5〜500モル、より好ましくは1〜200モルである。
(スペーサー16)
本実施形態において、スペーサー16は、第1モールド部材12の周縁部12bと、第2モールド部材14の周縁部14bに配置され、対向する第1面12aと第2面14aとを所定距離離間させる。離間距離は、1〜40mm程度である。
スペーサー16としては、樹脂製のガスケットや、テープ等を挙げることができる。
樹脂製のガスケットは、特に限定されず、適宜公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、オレフィン系熱可塑性エラストマー等を主成分とする樹脂から形成することができる。テープは、特に限定されず、適宜公知のものを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル系樹脂等からなる基材と、シリコン系接着剤やアクリル系接着剤等からなる接着層とから構成される。このテープを周縁部12bと周縁部14bを覆うように巻き回して、テープから構成されたスペーサーを形成する。なお、本実施形態においては、スペーサー16としてガスケットを用いた例により説明する。
本実施形態の鋳型10は、第1モールド部材12と第2モールド部材14とスペーサー16とに囲繞された、レンズを形成するためのキャビティ18を備える。
スペーサー16は、キャビティ18内に通じる貫通孔(不図示)を備えていてもよく、当該貫通孔を通して後述する組成物をキャビティ18内に注入することができる。また、貫通孔を有していない場合であっても、スペーサー16の一部をめくり、そこから後述する組成物をキャビティ18内に注入することもできる。なお、本実施形態においては、キャビティ18内に通じる貫通孔を用いて組成物を注入した例により説明する。
[ポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法]
本実施形態のポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法は、上記の鋳型10を用いるものであり、下記工程を含む。
工程a:鋳型10のキャビティ18内に、イソシアネート化合物とチオール化合物とを含む組成物を注入する。
工程b:前記組成物を注入した後、該組成物を加熱重合して樹脂成形体を調製する。
工程c:鋳型10から、得られた樹脂成形体を取り出す。
(工程a)
本工程aにおいては、スペーサー16の貫通孔を通じて、イソシアネート化合物と活性水素化合物とを含む組成物を注入する。注入時における組成物の温度や粘度等は適宜設定することができる。この時、得られるプラスチックレンズに要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。なお、本実施形態においては、12a,14aの離型性に優れており、12aの表面および14aの表面に、外部離型剤を塗布する必要はなく、組成物中に内部離型剤を含む必要はない。
本実施形態において使用されるイソシアネート化合物は、イソチオシアネート基を有する化合物を含むものであり、具体的には、ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物である。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、上記に例示したポリイソシアネート化合物のイソシアナート基の一部をイソチオシアナート基に変えたものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリイソチオシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアナトメチルエステル、リジントリイソチオシアネート、m−キシリレンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアナトエチル)ジスルフィド等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物;
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5−ジイソチオシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソチオシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
さらに、これらイソシアネート化合物の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用することができる。これらイソシアネート化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
これらイソシアネート化合物のうち、入手の容易さ、価格、得られる樹脂の性能等から、ジイソシアネート化合物が好ましく使用される。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアンが好ましく使用され、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネートが特に好ましく使用される。
本実施形態において使用される活性水素化合物とは、ヒドロキシ基を有するチオール化合物、ポリチオール化合物、アルコール化合物から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物である。
ヒドロキシ基を有するチオール化合物としては、例えば、
2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンビス(メルカプトアセテート)、4−メルカプトフェノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
ポリチオール化合物としては、例えば、
メタンジチオール、1,2-エタンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2-メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3-メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,2-ビス(3-メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3-トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(3-メルカプトプロピルチオ)プロパン、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3-メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3-ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5-ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2、5-ジメルカプト-1,4-ジチアン、2,5-ジメルカプトメチル-2,5-ジメチル-1,4-ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2―メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3―メルカプトプロピネート)、2-メルカプトエチルエーテルビス(2-メルカプトアセテート)、2-メルカプトエチルエーテルビス(3-メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2-テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6-ビス(メルカプトメチルチオ)-1,3-ジチアン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2-メチルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、3,4-チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
さらにこれら活性水素化合物のオリゴマーや塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用しても良い。これら活性水素化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
これら活性水素化合物のうち、チオウレタン樹脂を製造するモノマーとしては、入手の容易さ、価格、得られる樹脂の性能等から、ポリチオール化合物が好ましく使用される。例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、2,5-ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンが好ましく使用され、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカンが特に好ましく使用される。
ウレタン樹脂を得るためのアルコール化合物は、1種以上の脂肪族または脂環族アルコールであり、具体的には、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール、脂環族アルコール、これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε-カプロラクトンを付加させたアルコール等が挙げられる。
直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオ-ル、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジ(トリメチロールプロパン)等が挙げられる。
脂環族アルコールとしては、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、4,4'−ビシクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
これらアルコールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ε-カプロラクトンを付加させた化合物でもよい。例えば、グリセロールのエチレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加体、グリセロールのプロピレンオキサイド付加体、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド付加体、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加体、カプロラクトン変性グリセロール、カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、カプロラクトン変性ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、本実施形態において使用されるイソシアネート化合物は、予め活性水素化合物の一部を予備的に反応させたものでもよい。また、本実施形態において使用される活性水素化合物は、予めイソシアネート化合物の一部を予備的に反応させたものでもよい。
更に、イソシアネート化合物、活性水素化合物に加えて、樹脂の改質を目的として、ヒドロキシ化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等の樹脂改質剤を加えてもよい。ここで、樹脂改質剤とは、チオウレタン系樹脂の屈折率、アッベ数、耐熱性、比重等の物性や耐衝撃性等の機械強度等を調整あるいは向上させる化合物である。
本実施形態において使用されるイソシアネート化合物と活性水素化合物(改質剤であるヒドロキシ化合物も含む)の使用割合は、通常(NCO+NCS)/(SH+OH)の官能基モル比が、通常、0.8〜1.5の範囲、好ましくは、0.9〜1.2の範囲である。
(工程b)
工程bにおいては、鋳型10のキャビティ18内で注入された樹脂組成物を加熱重合し、樹脂成形体を調製する。
例えば、樹脂組成物が注入された鋳型10をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて数時間から数十時間かけて加熱して硬化成型する。
重合硬化の温度は、重合性組成物の組成、触媒の種類、モールドの形状等によって条件が異なるため限定できないが、およそ、−50〜200℃の温度で1〜100時間かけて行われる。
通常、5℃から40℃の範囲の温度で開始し、その後徐々に80℃から130℃の範囲にまで昇温させ、その温度で1時間から4時間加熱するのが一般的である。
(工程c)
工程cにおいては、鋳型10から、得られた樹脂成形体を取り出す。
本実施形態において、ポリオレフィンAからなる12aおよび14aは、ポリ(チオ)ウレタン系レンズの離型性に優れているため、離型剤を低減もしくは無添加とするができ、レンズの生産性が向上する。透明性に優れ、さらに白濁が抑制されたポリ(チオ)ウレタン系レンズを得ることができ、レンズの歩留まりが向上する。
さらに、本発明のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型は、レンズ成形後におけるモールド部材自体の白濁も抑制されており、繰り返しレンズの製造に用いることができるため、製造コストの低減を図ることができる。
本実施形態のポリ(チオ)ウレタン系レンズは、重合による歪みを緩和することを目的として、離型したレンズを加熱してアニール処理を施すことが望ましい。アニール温度は通常80〜150℃の範囲、好ましくは100〜130℃の範囲、更に好ましくは110〜130℃の範囲である。アニール時間は、通常0.5〜5時間の範囲、好ましくは1〜4時間の範囲である。
本実施形態の鋳型10において、レンズの面を形成するための第1面12aおよび第2面が、所定にガラス転移点を有する特定のポリオレフィンから形成されているため、得られるポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの全光線透過率は87%以上であり透明性に優れ、さらに白濁が抑制されている。
本実施形態のポリ(チオ)ウレタン系レンズは、必要に応じ、片面又は両面にコーティング層を施して用いられる。コーティング層としては、プライマー層、ハードコート層、反射防止膜層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等が挙げられる。これらのコーティング層は、それぞれ単独で使用しても複数のコーティング層を多層化して使用してもよい。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても異なるコーティング層を施してもよい。
これらのコーティング層には、それぞれ、紫外線からレンズや目を守る目的で紫外線吸収剤、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上させる目的で光安定剤や酸化防止剤、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、さらにフォトクロミック染料やフォトクロミック顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高める目的で公知の添加剤を併用してもよい。塗布性の改善を目的として各種レベリング剤を使用してもよい。
プライマー層は、一般的には、ハードコート層の密着性や偏光レンズの耐衝撃性の向上を目的に、偏光レンズ基材(チオウレタン系樹脂)とハードコート層との間に形成され、その膜厚は、通常、0.1〜10μm程度である。
プライマー層は、例えば、塗布法や乾式法にて形成される。塗布法では、プライマー組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、固化させることによりプライマー層が形成される。乾式法では、CVD法や真空蒸着法などの公知の乾式法で形成される。プライマー層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じて、レンズの表面をアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行ってもよい。
プライマー組成物としては、固化したプライマー層がレンズ基材((チオ)ウレタン系樹脂)と密着性の高い素材が好ましく、通常、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラニン系樹脂、ポリビニルアセタールを主成分とするプライマー組成物などが使用される。プライマー組成物は、無溶剤での使用も可能であるが、組成物の粘度を調整する等の目的でレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。
ハードコート層は、レンズ表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐候性等の機能を与えることを目的としたコーティング層であり、その膜厚は、通常、0.3〜30μm程度である。
ハードコート層は、通常、ハードコート組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、硬化して形成される。硬化方法としては、熱硬化、紫外線や可視光線などのエネルギー線照射による硬化方法等が挙げられる。ハードコート層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じて、被覆表面(レンズ基材あるいはプライマー層)を、アルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行ってもよい。
ハードコート組成物としては、一般的には、硬化性を有する有機ケイ素化合物とSi、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、InおよびTi等の酸化物微粒子(複合酸化物微粒子を含む)の混合物が使用されることが多い。更にこれらの他に、アミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトネート錯体、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸類の塩、酸類、金属塩化物および多官能性エポキシ化合物等を使用してもよい。ハードコート組成物は、無溶剤での使用も可能であるが、レンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。
反射防止層は、必要に応じて、通常、ハードコート層の上に形成される。反射防止層には無機系と有機系があり、無機系の場合は、一般的には、SiO、TiO等の無機酸化物を用いて真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法等の乾式法により形成されることが多い。有機系の場合は、一般的には、有機ケイ素化合物と、内部空洞を有するシリカ系微粒子とを含む組成物を用いて湿式により形成されることが多い。
反射防止層は単層であっても多層であってもよいが、単層で用いる場合はハードコート層の屈折率よりも屈折率が少なくとも0.1以上低くなることが好ましい。効果的に反射防止機能を発現するには多層膜反射防止膜とすることが好ましく、その場合、通常は、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。この場合も低屈折率膜と高屈折率膜との屈折率差は0.1以上であることが好ましい。高屈折率膜としては、例えば、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、Ta等の膜が、低屈折率膜としては、SiO膜等が挙げられる。膜厚は、通常、50〜150nm程度である。
さらに、本実施形態のポリ(チオ)ウレタン系レンズは、必要に応じ、裏面研磨、帯電防止処理、染色処理、調光処理等を施してもよい。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[モールド材料]
ポリ(チオ)ウレタンレンズの製造のため、厚さ3.0mmのポリオレフィン樹脂製モールド平板を使用した。使用したポリオレフィン樹脂は、ポリ−4−メチル−1−ペンテン(商標名:TPX (tm)、三井化学社製)のRT18グレードまたはMX002グレードを単独で使用した。
[物性評価]
重合により得られた樹脂は性能試験を行い評価した。性能試験は、モールドと樹脂の離型性と、得られた樹脂の全光線透過率(T.T.)とし、以下の評価方法により評価した。
・離型性:重合終了後20℃までオーブン内で徐々に1時間かけて冷却し、自然離型したものを○、レンズに衝撃を加えて離型したものを△、離型しなかったものを×で評価した。
・全光線透過率(T.T.):日本電色工業株式会社製の濁度計(型番:NDH2000)を用い、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に則り、測定を行った。
[実施例1]
m−キシリレンジイソシアネート52.00gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.015gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。内部離型剤は使用しなかった。この均一溶液に、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン48.00gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、TPX(tm)モールド(グレードRT18、Tg:22℃)とテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して30mm厚樹脂平板を得た。得られた樹脂平板をさらに120℃で4時間アニール化を行った。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[実施例2]
2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン50.59gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.060gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。内部離型剤は使用しなかった。この均一溶液に、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート23.85gと4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン25.56gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、TPX(tm)モールド(グレードRT18、Tg:22℃)とテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して30mm厚樹脂平板を得た。得られた樹脂平板をさらに120℃で4時間アニール化を行った。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[比較例1]
m−キシリレンジイソシアネート52.00gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.015gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。内部離型剤は使用しなかった。この均一溶液に、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン48.00gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、TPX(tm)モールド(グレードMX002、Tg:11℃)とテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して30mm厚樹脂を得た。得られた樹脂平板をさらに120℃で4時間アニール化を行った。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[比較例2]
2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン50.59gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.060gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。内部離型剤は使用しなかった。この均一溶液に、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート23.85gと4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン25.56gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、TPX(tm)モールド(グレードMX002、Tg:11℃)とテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して30mm厚樹脂平板を得た。得られた樹脂平板をさらに120℃で4時間アニール化を行った。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[比較例3]
m−キシリレンジイソシアネート52.00gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.015gと、内部離型剤としてZelec UN(r)(酸性リン酸エステル:登録商標、Stepan社製)0.10gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。この均一溶液に、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン48.00gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、ガラス製モールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して30mm厚樹脂を得た。得られた樹脂平板をさらに120℃で4時間アニール化を行った。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[比較例4]
2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン50.59gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.060gと、内部離型剤としてZelec UN(r)(酸性リン酸エステル:登録商標、Stepan社製)0.10gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。この均一溶液に、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート23.85gと4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン25.56gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、ガラス製モールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、オーブンからモールド型を取り出し、離型して30mm厚樹脂平板を得た。得られた樹脂平板をさらに120℃で4時間アニール化を行った。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[比較例5]
m−キシリレンジイソシアネート52.00gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.015gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。内部離型剤は使用しなかった。この均一溶液に、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン48.00gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、ガラス製モールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、ガラスモールドと樹脂を離型させようと試みたが、離型できなかった。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
[比較例6]
2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン50.59gに、硬化触媒としてジブチル錫ジクロライド0.060gを15℃にて混合溶解し、均一溶液とした。内部離型剤は使用しなかった。この均一溶液に、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート23.85gと4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン25.56gを加え、水浴中15℃で30分かけて混合溶解し均一溶液とした。この均一溶液を、600Paにて1時間脱泡を行った後、1μmPTFE製フィルターにてろ過を行い、ガラス製モールドとテープからなるモールド型へ注入した。このモールド型をオーブンへ投入後、25℃から120℃まで20時間かけて徐々に昇温して重合した。重合終了後、ガラスモールドと樹脂を離型させようと試みたが、離型できなかった。得られた樹脂の物性評価結果を表−1にまとめた。
Figure 2014104738
表−1中の記号は以下の内容を示す。
(A)−1:m−キシリレンジイソシアネート
(A)−2: 2,5(6)−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
(2,5−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンおよび2,6−ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタンの混合物)
(B)−1:ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート
(B)−2:4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン
10 ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型
12 第1モールド部材
12a 第1面
12b 周縁部
14 第2モールド部材
14a 第2面
14b 周縁部
16 スペーサー
18 キャビティ

Claims (7)

  1. ポリ(チオ)ウレタン系レンズの一方の面を形成するための第1面を備える第1モールド部材と、
    前記レンズの他方の面を形成するための第2面を備える第2モールド部材と、
    前記第1モールド部材と前記第2モールド部材の周縁部に配置され、前記第1面と前記第2面とを所定距離離間させるためのスペーサーと、
    前記第1モールド部材と前記第2モールド部材と前記スペーサーとに囲繞された、前記レンズを形成するためのキャビティとを備え、
    前記第1面および前記第2面の少なくとも一方の面は、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られる、ガラス転移点が15℃以上のポリオレフィンからなる、ポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型。
  2. 前記ポリオレフィンは、炭素原子数5〜20の分岐状のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する単位の含有量が50〜100mol%である、請求項1に記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型。
  3. 前記ポリオレフィンが、4−メチル−1−ペンテン系重合体である、請求項1または2に記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型。
  4. 請求項1に記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型の前記キャビティ内に、イソシアネート化合物と活性水素化合物とを含む組成物を注入する工程と、
    前記組成物を注入した後、該組成物を加熱重合して樹脂成形体を調製する工程と、
    前記成形用鋳型から、前記樹脂成形体を取り出す工程と、
    を含む、ポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズの製造方法。
  5. 請求項2に記載の製造方法により得られた、ポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズ。
  6. 全光線透過率は87%以上である、請求項5に記載のポリ(チオ)ウレタン系プラスチックレンズ。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリ(チオ)ウレタン系レンズ成形用鋳型に用いられる、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを(共)重合して得られる、ガラス転移点が15℃以上のポリオレフィンからなる面を備える、モールド部材。
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