JP2014104568A - クランクシャフトミラーの運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油圧ポンプ27からレスト移動制御弁41を介して供給される圧油で作動され、カッタユニット4a,4bに対しレストクランパ18,18Aを相対移動させるアクチュエータ30を備えるクランクシャフトミラー1において、ワークWに対しその軸線方向に沿ってカッタ12aを備えるカッタユニット4a,4bによる長手割出しを行う際、レスト移動制御弁41の弁位置をN位置(中立状態)とした後に、カッタユニット4a,4bをワークWの軸線方向に移動させるものとする。
【選択図】図5
Description
このクランクシャフトミラーには、切削加工中にワークが振れないようにするために、カッタユニットと一体となって共に移動されるワークレストが装備されており、このワークレストに設けられた一対のレストクランパによって、ワークの切削加工が施される部分に隣接するメインジャーナル部が挟持されるようになっている。
このため、従来のクランクシャフトミラーでは、上記のアンクランプ−再クランプ動作を行う分だけサイクルタイムが長くなるという問題点がある。また、例えば、クランクシャフトミラーを用いてワークWに対し、ジャーナル部Mj,Pjに隣接するカウンタウェイト部Cwの切削加工を行う際にも、上記のアンクランプ−再クランプ動作を行わなければならないため、同様にサイクルタイムが長くなるという問題点がある。
ワークの軸線方向に移動自在に設けられ、ワークを切削加工するカッタユニットと、
前記カッタユニットに対しワークの軸線方向に相対移動可能に設けられ、ワークを挟持するレストクランパと、
レスト移動制御弁を介して供給される作動流体で作動され、前記カッタユニットに対し前記レストクランパを相対移動させるアクチュエータと、
を備えるクランクシャフトミラーにおいて、
ワークに対しその軸線方向に沿って前記カッタユニットによる長手割出しを行う際、前記レスト移動制御弁の弁位置を中立状態とした後に、前記カッタユニットをワークの軸線方向に移動させることを特徴とするものである。
図1に示されるクランクシャフトミラー1は、水平Z軸方向に延びるベッド2を備え、このベッド2上に互いに対向するように2基のワークヘッド3,3が設置され、これらワークヘッド3,3間に2基のカッタユニット4a,4bが設置され、各ワークヘッド3,3の対向面にワークW(図5参照)をクランプするチャック5がそれぞれ配されて構成されている。
各カッタユニット4a,4bは、図示されないZ軸送り機構によってベッド2の長手方向(水平Z軸方向)に移動自在なサドル6を備えるとともに、このサドル6上に設置され、図示されないY軸送り機構によって水平Z軸方向と直交する水平Y軸方向(奥行方向)へ移動自在なスライド7を備えている。
そして、これらスライド7には、一端部が支軸8に支承されるとともに、他端部がそのスライド7上に設置された揺動機構9により上下方向(X軸方向)に揺動されるスイングヘッド10が装着されている。
各カッタユニット4a,4bのサドル6には、互いに対向するようにワークレスト13が設けられている。これらワークレスト13は、各カッタ12aでワークWのメインジャーナル部Mj、ピンジャーナル部Pjおよびカウンタウェイト部Cw(いずれも図5参照)の外周面を加工する際に、その加工部に隣接するメインジャーナル部Mjをクランプして支持する役目をする。なお、片方のカッタユニット4a,4bのサドル6にのみワークレスト13が設けられる場合もある。
一方、レストクランパ18,18Aの開放端側にはそれらレストクランパ18,18Aを閉合状態にクランプするレストロック機構21が配されている。このレストロック機構21は、上下に互いに離間して設けられる一対のガイドレール22,22に案内されてワークWの中心に向けて接離自在に移動されるクランプジョー23と、このクランプジョー23の中央部に形成される角孔23a内に配されて本体フレーム15に固定されるレストロックシリンダ24とを備え、このレストロックシリンダ24のピストンロッド24aの先端がクランプジョー23に取り付けられることで、レストロックシリンダ24の伸縮作動によってクランプジョー23がワークWの中心に向けて進退動されるようになっている。
図2において、レストロック制御弁28がA位置にあるときには、油圧ポンプ27からの圧油がレストロック制御弁28を介してレストロックシリンダ24のボトム側油室に供給されると同時に、レストロックシリンダ24のヘッド側油室からの戻り油がレストロック制御弁28を介してタンク29に還流され、これによってレストロックシリンダ24が伸長作動されてクランプジョー23がワークWの中心に向けて押進される。
一方、レストロック制御弁28がB位置にあるときには、油圧ポンプ27からの圧油がレストロック制御弁28を介してレストロックシリンダ24のヘッド側油室に供給されると同時に、レストロックシリンダ24のボトム側油室からの戻り油がレストロック制御弁28を介してタンク29に還流され、これによってレストロックシリンダ24が収縮作動されてクランプジョー23がワークWの中心から離れる方向に後退される。
また、レストロック制御弁28がN位置にあるとき、つまり中立状態にあるときには、レストロックシリンダ24のヘッド側油室とボトム側油室ともにタンク29に通じ、両油室の圧がニュートラル状態となるため、レストクランパ18,18Aにクランプジョー23が係合状態であっても、レストクランパ18,18Aの閉合状態を強固に保持(ロック)することができず、本体フレーム15に対するレストクランパ18,18AのワークWの軸線方向に沿う相対移動を許容する状態となる。
本実施形態のワークレスト13においては、レストクランパ18,18Aが本体フレーム15に対して、以下に詳述するアクチュエータ30により支軸17,17Aの軸線方向(ベッド2の長手方向)に移動できるような構造が採られている。以下、この構造について図3および図4を用いて詳述する。なお、以下においては一方側のレストクランパ18について説明するが、他方側のレストクランパ18Aについても略同じ構造である。
図3に示されるように、アクチュエータ30は、支軸17の中心軸部に有底穴が設けられることによって形成されるシリンダ部31と、このシリンダ部31の内周面に摺接するように配される円柱状の摺動体(ピストン)32と、シリンダ部31の開口部を覆う蓋体33とを備えて構成されている。
シリンダ部31には2系統の圧油通路が形成され、各圧油通路が、シリンダ部31と摺動体32との摺動面に形成されるチャンバー34,35にそれぞれ開口することで、シリンダ部31、言い換えれば支軸17に対して摺動体32がその支軸17の軸線方向に移動できるようにされている。なお、図示による説明は省略するが、これらシリンダ部31と摺動体32との摺接面には、オイルシールとしてのピストンシール並びにダストシールとしてのUパッキン等が介挿されている。
なお、図3中、符号40にて示されるのは、切粉等の侵入を防止するために本体フレーム15に取り付けられた覆いである。
図3において、レスト移動制御弁41がA位置にあるときには、油圧ポンプ27からの圧油がレスト移動制御弁41を介してアクチュエータ30のチャンバー35に供給されると同時に、アクチュエータ30のチャンバー34からの戻り油がレスト移動制御弁41を介してタンク29に還流され、これによって摺動体32がシリンダ部31から支軸17の軸線方向に沿って押し出されて、連結板39と共に駆動ギヤ38およびレストクランパ18がワークWの軸線方向に沿って本体フレーム15から離れるように相対移動(レストクランパ前進)される。
一方、レスト移動制御弁41がB位置にあるときには、油圧ポンプ27からの圧油がレスト移動制御弁41を介してアクチュエータ30のチャンバー34に供給されると同時に、アクチュエータ30のチャンバー35からの戻り油がレスト移動制御弁41を介してタンク29に還流され、これによって摺動体32がシリンダ部31の内部に支軸17の軸線方向に沿って引き込まれて、連結板39と共に駆動ギヤ38およびレストクランパ18がワークWの軸線方向に沿って本体フレーム15に近づくように相対移動される(レストクランパ後退)。
また、レスト移動制御弁41がN位置にあるとき、つまり中立状態にあるときには、アクチュエータ30のチャンバー34とチャンバー35ともにタンク29に通じ、両チャンバー34,35の圧がニュートラル状態となって、本体フレーム15に対しレストクランパ18,18AをワークWの軸線方向に自由に相対移動させることができる状態となる。
図2に示されるように、駆動ギヤ38は、隣接するレストクランパ18Aの従動ギヤ38Aと噛合されており、これによりレスト駆動シリンダ19の伸縮操作時に各レストクランパ18,18Aが連動して図2の実線位置と仮想線位置との間で開閉作動されるようになっている。
図2において、レスト駆動制御弁42がA位置にあるときには、油圧ポンプ27からの圧油がレスト駆動制御弁42を介してレスト駆動シリンダ19のボトム側油室に供給されると同時に、レスト駆動シリンダ19のヘッド側油室からの戻り油がレスト駆動制御弁42を介してタンク29に還流され、これによってレスト駆動シリンダ19が伸長作動されて、各レストクランパ18,18Aが連動して図2の仮想線位置から実線位置まで閉作動される。
一方、レスト駆動制御弁42がB位置にあるときには、油圧ポンプ27からの圧油がレスト駆動制御弁42を介してレスト駆動シリンダ19のヘッド側油室に供給されると同時に、レスト駆動シリンダ19のボトム側油室からの戻り油がレスト駆動制御弁42を介してタンク29に還流され、これによってレスト駆動シリンダ19が収縮作動されて、各レストクランパ18,18Aが連動して図2の実線位置から仮想線位置まで開作動される。
また、レスト駆動制御弁42がN位置にあるとき、つまり中立状態にあるときには、レスト駆動シリンダ19のヘッド側油室とボトム側油室ともにタンク29に通じ、両油室の圧がニュートラル状態となる。
なお、以下の長手割出し加工は、図6に示される時刻t0〜t1において、レストロック制御弁28をB位置として、クランプジョー23を各レストクランパ18,18Aに対し非係合状態とし、レスト駆動制御弁42をB位置として、各レストクランパ18,18Aを開いた状態(図2の仮想線位置)とし、レスト移動制御弁41をA位置として、各レストクランパ18,18Aを本体フレーム15から最も離れた所に位置させた状態で、時刻t1以降に実施される。
時刻t1〜t2において、サドル6を水平Z軸方向に移動させてカッタ12aを図5(a)に示される位置に位置決めし、その後(時刻t2以降)、レスト駆動制御弁42をA位置として、各レストクランパ18,18Aを閉じてそれらレストクランパ18,18AでワークWのメインジャーナル部Mjを同図に示されるように挟持する。次いで、時刻t3以降において、レストロック制御弁28をA位置として、各レストクランパ18,18Aの閉合状態をクランプジョー23でロックする。これにより、ワークWが各レストクランパ18,18Aによって挟持された図5(a)に示される状態が強固に保持される。
そして、時刻t4〜t6において、カッタドラムモータ11の作動にてカッタ12aを回転させながら、スライド7の水平Y軸方向の運動とスイングヘッド10のX軸方向の揺動運動との合成にてその回転状態にあるカッタ12aをワークWのピンジャーナル部Pjの回りに公転させることにより、ワークWのピンジャーナル部Pjの切削加工を行う。
時刻t6以降において、上記のカッタ12aによるワークWのピンジャーナル部Pjの切削加工を中断し、レストロック制御弁28をN位置として、クランプジョー23による各レストクランパ18,18Aの閉合状態のロックを解除するとともに、レスト移動制御弁41をN位置として、各レストクランパ18,18Aを本体フレーム15に対しワークWの軸線方向に沿って自由に相対移動可能な状態とする。
次いで、時刻t7〜t8において、サドル6を水平Z軸方向に移動させてカッタ12aを図5(b)に示される位置に前進・位置決めし、その後(時刻t8以降)、レストロック制御弁28をA位置として、各レストクランパ18,18Aの閉合状態をクランプジョー23でロックする。
そして、時刻t9〜t11において、カッタドラムモータ11の作動にてカッタ12aを回転させながら、スライド7の水平Y軸方向の運動とスイングヘッド10のX軸方向の揺動運動との合成にてその回転状態にあるカッタ12aをワークWのピンジャーナル部Pjの回りに公転させることにより、ワークWのピンジャーナル部Pjの切削加工を行う。
加工が終了すれば、時刻t11以降において、レストロック制御弁28をB位置として、クランプジョー23をワークWの中心から離れる方向に後退させて各レストクランパ18,18Aとの係合状態と解き、時刻t12以降において、レスト駆動制御弁42をB位置として、各レストクランパ18,18Aを開いた状態(図2の仮想線位置)とし、時刻t13以降において、レスト移動制御弁41をA位置として、各レストクランパ18,18Aを本体フレーム15から最も離れた所に位置させて、戻り動作が完了する。
本実施形態のクランクシャフトミラー1の運転方法においては、時刻t6〜t11においてカッタユニット4a,4bによる長手割出し加工を行う際、時刻t6〜t8でレストロック制御弁28がN位置とされてクランプジョー23による各レストクランパ18,18Aの閉合状態のロックが解除されるとともに、レスト移動制御弁41がN位置とされて各レストクランパ18,18Aが本体フレーム15に対しワークWの軸線方向に沿って自由に相対移動可能な状態とされる。これにより、レストクランパ18,18AがワークWを挟持した状態でも、レストクランパ18,18Aに対してカッタユニット4a,4bをワークWの軸線方向に自由に相対移動させることができる状態にされ、カッタユニット4a,4bをワークWの軸線方向に移動させて長手割出しを実施することができる。したがって、例えば、図5(a)に示されるように、カッタ12aの幅よりも広い幅のピンジャーナル部Pjの切削加工を行う際には、ワークWに対するカッタユニット4a,4bの長手割出し位置を変更する必要があることから、従来は図8(a)〜(d)に示されるように、ワークWに対してレストクランパ18,18Aを一旦解放した後に再度挟持するというアンクランプ−再クランプ動作を行わなければならなかったが、本実施形態のクランクシャフトミラー1の運転方法によれば、そのアンクランプ−再クランプ動作が不要であり、フレキシブルな長手割出し加工を実現することができるとともに、サイクルタイムを短縮することができる。
このアクチュエータ50が組み込まれたワークレスト13´においては、支軸17´が、下部支軸17aとその下部支軸17aの上端部を覆うように設けられる上部支軸17bとにより構成されている。下部支軸17aの外周面には、中央部に設けられる段部51によって大径の第1摺動面52と小径の第2摺動面53とが形成され、上部支軸17bの外周面には第1摺動面52と略同径の第3摺動面54が形成されるとともに、この上部支軸17bの下部支軸17a寄りの外周面に段部55が形成されている。一方、駆動ギヤ38´の中央部内周側には突出部56が形成され、この突出部56の内周面(第4摺動面57)が第2摺動面53と摺接するようにされるとともに、第1摺動面52と摺接する第5摺動面58および第3摺動面54と摺接する第6摺動面59が設けられている。
チャンバー34´は、突出部56の一端面(図7で上面)と上部支軸17bの段部55との間に形成される一方、チャンバー51´は、突出部56の他端面(図7で下面)と下部支軸17aの段部51との間に形成され、これらチャンバー34´,35´にそれぞれ圧油通路が開口するようにされている。
このように構成されているので、チャンバー35´(もしくはチャンバー34´)内に圧油を供給して駆動ギヤ38´を支軸17´の軸線方向に摺動させると、これに伴ってクランパ18が摺動される。こうして、本体フレーム15に対してクランパ18を相対移動させることができ、上記の実施形態のアクチュエータ30と同様の機能を有するものとすることができる。
また、上記の実施形態では、アクチュエータ30,50を作動させる作動流体として、圧油を用いた例を示したが、圧縮空気を用いてもよい。
4a,4b カッタユニット
13 ワークレスト
18,18A レストクランパ
30,50 アクチュエータ
41 レスト移動制御弁
W ワーク
Claims (1)
- ワークの軸線方向に移動自在に設けられ、ワークを切削加工するカッタユニットと、
前記カッタユニットに対しワークの軸線方向に相対移動可能に設けられ、ワークを挟持するレストクランパと、
レスト移動制御弁を介して供給される作動流体で作動され、前記カッタユニットに対し前記レストクランパを相対移動させるアクチュエータと、
を備えるクランクシャフトミラーにおいて、
ワークに対しその軸線方向に沿って前記カッタユニットによる長手割出しを行う際、前記レスト移動制御弁の弁位置を中立状態とした後に、前記カッタユニットをワークの軸線方向に移動させることを特徴とするクランクシャフトミラーの運転方法。
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