JP2014104564A - センタリング方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より小型化、省スペース化された構成によって、ワーク両端部にセンタ穴を加工する加工部を同一軸線上に合わせる。
【解決手段】第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8を移動させて実ワーク軸心の上下方向位置を予め与えられた目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8を移動させ、かつ加工部を前後方向に移動させて実ワーク軸心の前後方向位置を目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせることにより、ワークのセンタ穴を加工すべき目標ワーク軸心を両加工部の軸心と同一軸線上に合わせるようにする。
【選択図】図5
【解決手段】第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8を移動させて実ワーク軸心の上下方向位置を予め与えられた目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8を移動させ、かつ加工部を前後方向に移動させて実ワーク軸心の前後方向位置を目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせることにより、ワークのセンタ穴を加工すべき目標ワーク軸心を両加工部の軸心と同一軸線上に合わせるようにする。
【選択図】図5
Description
本発明は、クランクシャフト等のワークの両端面にセンタ穴を加工する際のセンタリング方法及び装置に関するものである。
自動車エンジンに用いられるクランクシャフト等の回転体においては、その回転時の重量バランスを正確に取ることがエンジン特性、性能を高める上で極めて重要である。このため、この回転体の加工基準となるセンタ穴の加工位置が重要となる。
従来、ワークの両端面に加工用センタ穴を形成するためのセンタ穴加工装置として、特許文献1に記載されたものがある。この文献に記載のセンタ穴加工装置では、ワークとしての素材クランクシャフトを把持して固定するために、両端のメインジャーナルを把持する一対の把持部を有するメインクランパ(ワーククランパ)と、素材クランクシャフトの形状測定のために、メインクランパに把持された状態の素材クランクシャフトの両端部をチャックする求芯チャックと、メインクランパに把持された素材クランクシャフトの両端部にセンタ穴を形成する加工刃具とを備えた構成とされている。
ところで、この種のセンタ穴加工装置においては、ワークを一対のワーククランパで強固にクランプし、指定された位置に両側の加工部(ドリル)を割り出してセンタリングを行った際、加工された両側のセンタ穴が同一軸線上に来ない場合がある。すなわち、図6(a)に示されるように、ワークWに対する形状測定に基づき算出されたワーク軸心CがワークWの中心線に対して傾斜していることにより、図6(b)に示されるように、ワークWの一端側のセンタ穴H1の軸線C1と、他端側のセンタ穴H2の軸線C2とが同一軸線上にならない場合があり、このような場合に、図6(c)(d)(図6(d)は図6(c)のA部拡大図)に示されるように、次工程以降の加工機(例えば旋盤)のセンタ部材Pがセンタ穴H1,H2に片当たりしてしまい、この片当たり状態のまま加工がなされることにより、ワークWの真円度が悪くなり、加工精度が悪化するという問題点がある。
このような問題点を解消するために、本出願人は、カッタ駆動台の前後方向及び上下方向の移動と、第1ワーククランパの前後方向の移動と、第2ワーククランパの上下方向の移動とを組み合わせることにより、ワーク両端部に形成されるセンタ穴の軸線を合わせることのできるセンタリング方法及び装置を既に提案している(特許文献2参照)。この既提案の技術によれば、ワーク両端部にセンタ穴を加工する一対のセンタドリルの軸線の位置合わせを簡易な構成によって行うことが可能である。
しかしながら、上記特許文献2に記載されたセンタリング方法では、カッタ駆動台を、前後方向だけでなく上下方向にも移動させる必要があり、これに加えてワーク把持部を有するワーククランパの本体フレーム全体を前後方向又は上下方向に移動させる必要があるために、これらカッタ駆動台及びワーククランパの本体フレームの剛性を高める必要があり、装置構成の大型化が避けられないという問題点がある。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、より小型化、省スペース化された構成によって、ワーク両端部にセンタ穴を加工するセンタドリルの軸線合わせを容易に行うことのできるセンタリング方法及び装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明によるセンタリング方法は、
ワークの両端部をそれぞれ把持する第1ワーククランパ及び第2ワーククランパと、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパに把持された状態のワークの両端部にセンタ穴を加工する加工部とを備えるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパがそれぞれ、ワークを下方から受ける一対の受け部材と、これら一対の受け部材により受けられたワークを上方から押し付けるクランプ部材とを備えるワークのセンタリング方法であって、
前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパを移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置を予め与えられた目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパを移動させ、かつ前記加工部を前後方向に移動させて前記実ワーク軸心の前後方向位置を前記目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせることにより、ワークのセンタ穴を加工すべき目標ワーク軸心を両加工部の軸心と同一軸線上に合わせることを特徴とするものである。
ワークの両端部をそれぞれ把持する第1ワーククランパ及び第2ワーククランパと、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパに把持された状態のワークの両端部にセンタ穴を加工する加工部とを備えるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパがそれぞれ、ワークを下方から受ける一対の受け部材と、これら一対の受け部材により受けられたワークを上方から押し付けるクランプ部材とを備えるワークのセンタリング方法であって、
前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパを移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置を予め与えられた目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパを移動させ、かつ前記加工部を前後方向に移動させて前記実ワーク軸心の前後方向位置を前記目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせることにより、ワークのセンタ穴を加工すべき目標ワーク軸心を両加工部の軸心と同一軸線上に合わせることを特徴とするものである。
また、第2発明によるセンタリング装置は、
ワークの両端部をそれぞれ把持する第1ワーククランパ及び第2ワーククランパと、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパに把持された状態のワークの両端部にセンタ穴を加工する加工部と、前記加工部を装置本体に対し前後方向に移動させる加工部移動手段とを備えるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパがそれぞれ、ワークを下方から受ける一対の受け部材と、これら一対の受け部材により受けられたワークを上方から押し付けるクランプ部材とを備えるワークのセンタリング装置であって、
前記第1ワーククランパの一対の受け部材を移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置及び前後方向位置を調整する第1ワーククランパ移動手段と、
前記第2ワーククランパの一対の受け部材のうち少なくとも一方の受け部材を移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置及び前後方向位置を調整する第2ワーククランパ移動手段と、
予め与えられた目標ワーク軸心を記憶する記憶手段と、
前記第1ワーククランパ移動手段及び第2ワーククランパ移動手段により前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパをそれぞれ移動させるとともに、前記加工部移動手段により前記加工部を前後方向に移動させて、ワークの実ワーク軸心の上下方向位置を前記目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、前記実ワーク軸心の前後方向位置を前記目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせるように前記第1ワーククランパ移動手段及び第2ワーククランパ移動手段並びに前記加工部移動手段をそれぞれ制御するワーククランパ制御手段及び加工部制御手段
を備えることを特徴とするものである。
ワークの両端部をそれぞれ把持する第1ワーククランパ及び第2ワーククランパと、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパに把持された状態のワークの両端部にセンタ穴を加工する加工部と、前記加工部を装置本体に対し前後方向に移動させる加工部移動手段とを備えるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパがそれぞれ、ワークを下方から受ける一対の受け部材と、これら一対の受け部材により受けられたワークを上方から押し付けるクランプ部材とを備えるワークのセンタリング装置であって、
前記第1ワーククランパの一対の受け部材を移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置及び前後方向位置を調整する第1ワーククランパ移動手段と、
前記第2ワーククランパの一対の受け部材のうち少なくとも一方の受け部材を移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置及び前後方向位置を調整する第2ワーククランパ移動手段と、
予め与えられた目標ワーク軸心を記憶する記憶手段と、
前記第1ワーククランパ移動手段及び第2ワーククランパ移動手段により前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパをそれぞれ移動させるとともに、前記加工部移動手段により前記加工部を前後方向に移動させて、ワークの実ワーク軸心の上下方向位置を前記目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、前記実ワーク軸心の前後方向位置を前記目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせるように前記第1ワーククランパ移動手段及び第2ワーククランパ移動手段並びに前記加工部移動手段をそれぞれ制御するワーククランパ制御手段及び加工部制御手段
を備えることを特徴とするものである。
前記第2発明において、前記第1ワーククランパの一対の受け部材は、ワークを下方から受ける略V字形状の受け部を上端部に有し、各受け部材の移動軸線が鉛直方向に対して所定角度傾斜するとともに、互いに交差する方向に進退動されるのが好ましい(第3発明)。
また、前記第2発明又は第3発明において、前記第2ワーククランパの一対の受け部材は、ワークを下方から受ける略V字形状の受け部を上端部に有し、一方の受け部材が、鉛直方向に対して所定角度傾斜する移動軸線に沿って進退動され、他方の受け部材が、固定されていて、受け部に沿ってワークを摺動させるように構成されているのが好ましい(第4発明)。
前記第1発明又は第2発明においては、第1ワーククランパ及び第2ワーククランパはワークを把持して前後方向及び上下方向に移動され、また、加工部は前後方向に移動されることにより、ワークのセンタ穴を加工すべき目標ワーク軸心を両加工部の軸心と同一軸線上に合わせることができ、この同一軸線上を保ったまま両センタ穴を加工することができる。
本発明によれば、センタ穴を加工する加工部の前後方向への移動と、第1ワーククランパ及び第2ワーククランパの所定位置への移動のみで、ワークの中心線と両加工部の軸心とを同一軸線上に合わせることができ、加工部の上下方向への移動機構が不要となる。ここで、加工部は、ワークの端面加工のために前後方向への移動機構を備えていることから、この移動機構をそのまま利用することができ、しかも、第1ワーククランパ及び第2ワーククランパはワーククランパの本体フレーム全体を前後方向又は上下方向に移動させる必要がなく、ワーク把持部のみを移動させる機構を備えるだけで良いので、装置構成の小型化、省スペース化を実現できるという効果がある。
本発明によれば、センタ穴を加工する加工部の前後方向への移動と、第1ワーククランパ及び第2ワーククランパの所定位置への移動のみで、ワークの中心線と両加工部の軸心とを同一軸線上に合わせることができ、加工部の上下方向への移動機構が不要となる。ここで、加工部は、ワークの端面加工のために前後方向への移動機構を備えていることから、この移動機構をそのまま利用することができ、しかも、第1ワーククランパ及び第2ワーククランパはワーククランパの本体フレーム全体を前後方向又は上下方向に移動させる必要がなく、ワーク把持部のみを移動させる機構を備えるだけで良いので、装置構成の小型化、省スペース化を実現できるという効果がある。
第3発明又は第4発明の構成によれば、受け部材の傾斜方向への移動量制御により前後方向及び上下方向の所定位置への位置決めが行えるので、より装置構成の小型化とセンタリング時間の短縮化とを図ることができる。
次に、本発明によるセンタリング方法及び装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるセンタリング装置の全体構成図において、本実施形態のセンタリング装置1は、ワークとしての素材クランクシャフト(以下、「クランクシャフト」という。)2の両端面にセンタ穴を加工するセンタ穴加工機3と、前記ワークに加工されるセンタ穴の位置を決定する制御装置(コンピュータ)4とを備えて構成されている。ここで、クランクシャフト2は、メインジャーナル2aとピンジャーナル2bとカウンタウェイト2cとを有する形状とされている。
センタ穴加工機3は、図示されていないが、クランクシャフト2の外形形状を例えばレーザ変位計等によって測定する形状測定機を備えている。また、制御装置4は、所定プログラムを実行する中央処理装置(CPU)4Aと、このプログラム及び各種マップを記憶する読出し専用メモリ(ROM)4Bと、このプログラムを実行するのに必要なワーキングメモリとして、また各種レジスタとしての書込み可能メモリ(RAM)4C等により構成されている。こうして、前記形状測定機からのワークの形状データ(三次元形状データ)が制御装置4の書込み可能メモリ(RAM)4Cに入力されるようになっている。
前記センタ穴加工機3は、Z軸方向(水平方向)に延設される機台(ベッド)5を有する装置本体を備えている。機台5のZ軸方向の両端部近傍には一対のカッタ駆動台6が設置され、また機台5のZ軸方向の異なる位置には、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8よりなる一対のワーククランパが設置されている。
カッタ駆動台6には、クランクシャフト2の端面に対向するように円盤状のフライスカッタ11が回転自在に装着されている。このフライスカッタ11には、その回転軸心を中心とする円周に沿って多数のフライスカッタチップ11aが設けられており、またフライスカッタ11の中心部にはクランクシャフト2の端面にセンタ穴を加工するセンタリングドリル(加工部)12が設けられている。なお、センタリングドリル12によってドリル加工する際には、フライス加工用のフライスカッタチップ11aはクランクシャフト2の端面の外側に被さるように配置されることになり、このフライスカッタチップ11aがクランクシャフト2の端面に干渉することはない。
各カッタ駆動台6には、フライスカッタ11を回転駆動させるモータ(図示せず)が内蔵されている。また、図2に示されるように、カッタ駆動台6を、サーボモータ13の駆動によりネジ機構14を介して、機台5の上面に設けられたリニアガイド5Aに沿って装置の前後方向であるX軸方向(矢印D方向)に前進又は後退させる機構が内蔵されている。各カッタ駆動台6の移動動作は、制御装置4からの指令信号によって制御される。なお、本実施形態におけるサーボモータ13及びネジ機構14等が、本発明における加工部移動手段に対応する。
第1ワーククランパ7は、図3に示されるように、加工対象であるクランクシャフト2(以下、「ワーク2」という。)のメインジャーナル2aの一端部を下方から受ける一対の受け部材15,16と、これら一対の受け部材15,16により受けられたワーク2を上方から押し付けるクランプ部材17とを備えている。こうして、ワーク2の端部は、一対の受け部材15,16により受けられ、クランプ部材17によって上方から押し付けられることにより把持・固定される。
第1ワーククランパ7の各受け部材15,16は、ワーク2を下方から受ける受け部15a,16aを上端部に有し、サーボモータ18,18の駆動によりネジ機構19,19を介してそれぞれ矢印E,F方向に進退動される。各受け部材15,16は、その移動軸線が鉛直方向に対して所定角度(例えば45°)傾斜することにより互いに交差する方向に配され、これにより受け部15a,16aが略V字形状をなすようにされている。
各受け部材15,16に対向配置されたクランプ部材17は、先端部にワーク2を上方から押圧する押圧部17aを有し、前後方向(X軸方向)の中央部に設けられた支軸20を支点として鉛直面に沿って上下方向に回動できるように支持されている。このクランプ部材17の後端部は、アクチュエータ(油圧シリンダ)21のロッド先端部に固定された支軸22に連結されている。こうして、アクチュエータ21が伸張方向に作動されると、支軸20を支点としてクランプ部材17先端部の押圧部17aが下方へ回動し、クランプ部材17がワーク2のクランプ位置に移動される。また、アクチュエータ21が収縮方向に作動されると、支軸20を支点としてクランプ部材17先端部の押圧部17aが上方へ回動し、ワーク2のクランプが解除される。なお、支軸20,22はクランプ部材17に前後方向(X軸方向)に向けて形成された長孔23,24にそれぞれ摺動可能に挿通され、付設の前進・後退機構25により支軸20,22が長孔23,24に沿って摺動することでクランプ部材17の前後位置が調整できるようにされている。
このような第1ワーククランパ7に対して、ワーク2のメインジャーナル2aの他端部を把持する第2ワーククランパ8の構造については、図4に示されるように、ワーク2の他端部を下方から受ける一対の受け部材16,26のうち、一方の受け部材26の構成が第1ワーククランパ7と異なるのみで、他の構成については、図3に示される第1ワーククランパ7と共通している。したがって、第1ワーククランパ7と共通する部分には図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとする。
この第2ワーククランパ8における受け部材26は、装置本体に固定された支持部材であって、対向配置された受け部材16の進退方向(矢印F方向)に平行な傾斜状の受け部26aを上端部に有しており、受け部材16がサーボモータ18の駆動により進退動を行った際にその受け部26aによってワーク2の移動を案内するように構成されている。なお、ワーク2が受け部材16,26の受け部16a,26aとクランプ部材17の押圧部17aとによって把持される点は第1ワーククランパ7と同様である。
上記各ワーククランパ7,8の移動動作は、制御装置4からの指令信号によって制御される。特に、第1ワーククランパ7の受け部材15,16がそれぞれ矢印E方向、F方向に進退動されることによりワーク2の一端部のX軸方向及びY軸方向の位置が規定され、第2ワーククランパ8の受け部材16が矢印F方向に進退動されることによりワーク2の他端部のX軸方向及びY軸方向の位置が規定される。なお、本実施形態における第1ワーククランパ7の受け部材15,16を進退動させるサーボモータ18、ネジ機構19等が、本発明における第1ワーククランパ移動手段に対応し、第2ワーククランパ8の受け部材16を進退動させるサーボモータ18、ネジ機構19等が、本発明における第2ワーククランパ移動手段に対応する。
次に、以上のように構成された本実施形態のセンタリング装置1によるクランクシャフト(ワーク)2のセンタリング動作を図5によって説明する。なお、説明を容易にするために、図5(a)(b)においてワーク(クランクシャフト)2は円柱状のものとして模式的に示されている。
制御装置4の書き込み可能メモリ4Cに記憶されたワーク形状データ(形状測定機により測定されたワーク形状データ)において、算出されたワーク軸心(目標ワーク軸心)Cが図5(a)に示されるようにワークの中心線に対して傾斜しているとする。この場合、ワークの中心線に対するアンバランス量に応じた移動量が演算され、この移動量に基づき第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8を駆動する各サーボモータ18、更にはカッタ駆動台6を駆動するサーボモータ13のNC制御によってワーク2の位置決めがなされ、センタリングドリル12のセンタリングが行われる。
<Y軸方向の位置決め>
ワーク2のY軸方向(上下方向)の位置決めは、ワーク2を第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の受け部材15,16にて支持した状態で、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の各サーボモータ18の駆動によって、現在のワーク軸心(実ワーク軸心)C1が目標ワーク軸心Cと同じ高さになるようにする。これにより、実ワーク軸心C1の上下方向(Y軸方向)位置が、センタドリル12の上下方向(Y軸方向)位置と同じ高さ位置になる。
ワーク2のY軸方向(上下方向)の位置決めは、ワーク2を第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の受け部材15,16にて支持した状態で、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の各サーボモータ18の駆動によって、現在のワーク軸心(実ワーク軸心)C1が目標ワーク軸心Cと同じ高さになるようにする。これにより、実ワーク軸心C1の上下方向(Y軸方向)位置が、センタドリル12の上下方向(Y軸方向)位置と同じ高さ位置になる。
<X軸方向の位置決め>
ワーク2のX軸方向(前後方向)の位置決めは、ワーク2を第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の受け部材15,16にて支持した状態で、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の各サーボモータ18の駆動によって、現在のワーク軸心(実ワーク軸心)C1が目標ワーク軸心Cと平行になるようにする。これにより、実ワーク軸心C1の前後方向(X軸方向)位置が、センタドリル12の前後方向(X軸方向)位置と平行位置になる。この状態でクランプ部材17を作動させてワーク2をクランプする。
ワーク2のX軸方向(前後方向)の位置決めは、ワーク2を第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の受け部材15,16にて支持した状態で、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8の各サーボモータ18の駆動によって、現在のワーク軸心(実ワーク軸心)C1が目標ワーク軸心Cと平行になるようにする。これにより、実ワーク軸心C1の前後方向(X軸方向)位置が、センタドリル12の前後方向(X軸方向)位置と平行位置になる。この状態でクランプ部材17を作動させてワーク2をクランプする。
<センタドリルの軸心の位置決め>
第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8にてワーク2の両端部を把持した後、目標ワーク軸心をセンタドリル12の軸心と合わせるには、サーボモータ13の駆動によりカッタ駆動台6を機台5の上面に設けられたリニアガイド5Aに沿ってX軸方向に移動させて所定位置に位置決めするようにする。これにより、センタドリル12の位置を目標ワーク軸心Cに一致させることができる。この結果、センタドリル12により穿孔される両センタ穴を同一軸線上に合わせることができ、この同一軸線上を保ったまま両センタ穴を加工することが可能となる。ここで、センタ穴を加工するセンタドリル12は通常、ワークの端面加工のためにX軸方向への移動機構を備えていることから、この移動機構をそのまま利用することができる。また、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8はワーククランパの本体フレーム全体を前後方向又は上下方向に移動させる必要がなく、ワーク把持部のみを移動させる機構を備えるだけで良いので、装置構成を簡素化することができる。
第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8にてワーク2の両端部を把持した後、目標ワーク軸心をセンタドリル12の軸心と合わせるには、サーボモータ13の駆動によりカッタ駆動台6を機台5の上面に設けられたリニアガイド5Aに沿ってX軸方向に移動させて所定位置に位置決めするようにする。これにより、センタドリル12の位置を目標ワーク軸心Cに一致させることができる。この結果、センタドリル12により穿孔される両センタ穴を同一軸線上に合わせることができ、この同一軸線上を保ったまま両センタ穴を加工することが可能となる。ここで、センタ穴を加工するセンタドリル12は通常、ワークの端面加工のためにX軸方向への移動機構を備えていることから、この移動機構をそのまま利用することができる。また、第1ワーククランパ7及び第2ワーククランパ8はワーククランパの本体フレーム全体を前後方向又は上下方向に移動させる必要がなく、ワーク把持部のみを移動させる機構を備えるだけで良いので、装置構成を簡素化することができる。
上述の説明では、Y軸方向の位置決め工程、X軸方向の位置決め工程及びセンタドリルの軸心の位置決め工程を別々の工程として説明したが、制御装置4による、第1ワーククランパ7の移動制御及び第2ワーククランパ8の移動制御並びにカッタ駆動台6のX軸方向の移動制御は同時に行うことができるので、上記各工程は同時並行で実施することができる。こうすることで、センタリング時間の短縮化を図ることができる。
前記実施形態においては、ワーク(クランクシャフト)2を円柱状のものとして模式的に示したが、実際には、ワーク2には、図5(c)に示されるように、端部に径の異なる部材が設けられている。この場合、第1ワーククランパ7のクランプ位置は一端部から距離pだけ内側の位置となり、第2ワーククランパ8のクランプ位置は他端部から距離rだけ内側の位置となる。したがって、各ワーククランパ7,8のX軸方向及びY軸方向の移動量は、これら距離p,rを加味した値に補正演算されることになる。
前記実施形態においては、第1ワーククランパ7を、ワーク2を下方から受ける進退動可能な一対の受け部材15,16と、ワーク2を上方から押し付けるクランプ部材17とよりなるものとし、第2ワーククランパ8を、ワーク2を下方から受ける進退動可能な受け部材16及び固定の受け部材26と、ワーク2を上方から押し付けるクランプ部材17とよりなるものについて説明した。しかし、第2ワーククランパ8を第1ワーククランパ7と同様の構成のものとする実施形態も可能である。また、これらワーククランパ7,8の受け部材15,16として、その移動軸線が鉛直方向に対して傾斜した構成のものを用いる代わりに、V字形状の受け部を有する一対の受け部材が水平方向に移動することによりワークをX軸方法及びY軸方向に移動させる構成のワーククランパを用いることもできる。
前記実施形態では、ワークとしてクランクシャフトを例にして説明したが、ワークとしては、クランクシャフトに限る必要はなく、種々のワークに適用することができる。
前記実施形態では、センタ穴加工機3に付設された形状測定機からのワークの形状データ(三次元形状データ)に基づき算出されたワーク軸心(目標ワーク軸心)Cを得るものとしたが、この目標ワーク軸心は、オペレータが手入力により制御装置4に入力するようにしても良い。
なお、前記実施形態における制御装置4の書き込み可能メモリ4C等が本発明における記憶手段に対応し、前記実施形態における制御装置4の中央処理装置(CPU)4A等が本発明におけるワーククランパ制御手段、加工部制御手段に対応する。
本発明は、クランクシャフト加工ラインの初加工工程の際に、ワークの両端にセンタ穴加工を行うセンタリング装置(センタリングマシン)に適用してその実施効果が大である。
1 センタリング装置
2 素材クランクシャフト(ワーク)
3 センタ穴加工機
4 制御装置(コンピュータ)
6 カッタ駆動台
7 第1ワーククランパ
8 第2ワーククランパ
11 フライスカッタ
12 センタリングドリル
13,18 サーボモータ
14,19 ネジ機構
15,16,26 受け部材
15a,16a,26a 受け部
17 クランプ部材
17a 押圧部
21 アクチュエータ
2 素材クランクシャフト(ワーク)
3 センタ穴加工機
4 制御装置(コンピュータ)
6 カッタ駆動台
7 第1ワーククランパ
8 第2ワーククランパ
11 フライスカッタ
12 センタリングドリル
13,18 サーボモータ
14,19 ネジ機構
15,16,26 受け部材
15a,16a,26a 受け部
17 クランプ部材
17a 押圧部
21 アクチュエータ
Claims (4)
- ワークの両端部をそれぞれ把持する第1ワーククランパ及び第2ワーククランパと、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパに把持された状態のワークの両端部にセンタ穴を加工する加工部とを備えるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパがそれぞれ、ワークを下方から受ける一対の受け部材と、これら一対の受け部材により受けられたワークを上方から押し付けるクランプ部材とを備えるワークのセンタリング方法であって、
前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパを移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置を予め与えられた目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパを移動させ、かつ前記加工部を前後方向に移動させて前記実ワーク軸心の前後方向位置を前記目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせることにより、ワークのセンタ穴を加工すべき目標ワーク軸心を両加工部の軸心と同一軸線上に合わせることを特徴とするセンタリング方法。 - ワークの両端部をそれぞれ把持する第1ワーククランパ及び第2ワーククランパと、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパに把持された状態のワークの両端部にセンタ穴を加工する加工部と、前記加工部を装置本体に対し前後方向に移動させる加工部移動手段とを備えるとともに、前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパがそれぞれ、ワークを下方から受ける一対の受け部材と、これら一対の受け部材により受けられたワークを上方から押し付けるクランプ部材とを備えるワークのセンタリング装置であって、
前記第1ワーククランパの一対の受け部材を移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置及び前後方向位置を調整する第1ワーククランパ移動手段と、
前記第2ワーククランパの一対の受け部材のうち少なくとも一方の受け部材を移動させてワークの実ワーク軸心の上下方向位置及び前後方向位置を調整する第2ワーククランパ移動手段と、
予め与えられた目標ワーク軸心を記憶する記憶手段と、
前記第1ワーククランパ移動手段及び第2ワーククランパ移動手段により前記第1ワーククランパ及び第2ワーククランパをそれぞれ移動させるとともに、前記加工部移動手段により前記加工部を前後方向に移動させて、ワークの実ワーク軸心の上下方向位置を前記目標ワーク軸心と同じ高さに合わせるとともに、前記実ワーク軸心の前後方向位置を前記目標ワーク軸心の前後方向位置に合わせるように前記第1ワーククランパ移動手段及び第2ワーククランパ移動手段並びに前記加工部移動手段をそれぞれ制御するワーククランパ制御手段及び加工部制御手段
を備えることを特徴とするセンタリング装置。 - 前記第1ワーククランパの一対の受け部材は、ワークを下方から受ける略V字形状の受け部を上端部に有し、各受け部材の移動軸線が鉛直方向に対して所定角度傾斜するとともに、互いに交差する方向に進退動される請求項2に記載のセンタリング装置。
- 前記第2ワーククランパの一対の受け部材は、ワークを下方から受ける略V字形状の受け部を上端部に有し、一方の受け部材が、鉛直方向に対して所定角度傾斜する移動軸線に沿って進退動され、他方の受け部材が、固定されていて、受け部に沿ってワークを摺動させるように構成されている請求項2又は3に記載のセンタリング装置。
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---|---|---|---|
JP2012261019A JP2014104564A (ja) | 2012-11-29 | 2012-11-29 | センタリング方法及び装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104493240A (zh) * | 2014-12-03 | 2015-04-08 | 江苏武进不锈股份有限公司 | 棒材中心孔钻孔机 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009279734A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Nagahama Seisakusho Ltd | マスセンタリング加工装置 |
JP2012086330A (ja) * | 2010-10-22 | 2012-05-10 | Komatsu Ntc Ltd | センタリング方法及び装置 |
-
2012
- 2012-11-29 JP JP2012261019A patent/JP2014104564A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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