JP2014102464A - 感光性樹脂組成物、レジスト積層体及びそれらの硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)エポキシ基含有シラン化合物及び(E)反応性エポキシモノマーを含有する感光性樹脂組成物であって、(A)エポキシ樹脂が4核のフェノール誘導体と、エピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂(a)及び下記式(2)
で表されるエポキシ樹脂(b)であって、(E)反応性エポキシモノマーがビスフェノール型エポキシ樹脂である感光性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)エポキシ基含有シラン化合物及び(E)反応性エポキシモノマーを含有する感光性樹脂組成物であって、
該(A)エポキシ樹脂が下記式(1)
該(B)ポリオール化合物が下記式(3)
下記式(4)
(2)(E)反応性エポキシモノマーが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールA型エポキシ樹脂である前項(1)に記載の感光性樹脂組成物、
(3)(E)反応性エポキシモノマーの配合割合が、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリオール化合物の合計質量に対して2〜12質量%である前項(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物、
(4)(B)ポリオール化合物の配合割合が、(A)エポキシ樹脂の合計質量に対して1〜30質量%である前項(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(5)(C)光カチオン重合開始剤の配合割合が、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物及び(E)反応性エポキシモノマーの合計質量に対して0.1〜15質量%である前項(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(6)(D)エポキシ基含有シラン化合物が、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物である前項(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(7)(D)エポキシ基含有シラン化合物の配合割合が、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤及び(E)反応性エポキシモノマーの合計質量に対して1〜15質量%である前項(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(8)更に(F)溶剤を含有する前項(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物、
(9)(F)溶剤の配合割合が、(F)溶剤以外の成分の合計質量に対して5〜95質量%である請求項8に記載の感光性樹脂組成物、
(10)前項(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物、
(11)前項(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基材で挟み込んで得られるレジスト積層体、
(12)前項(11)に記載のレジスト積層体から得られるドライフィルムレジストの硬化物、
に関する。
本発明の感光性樹脂組成物が含有する(A)エポキシ樹脂は、上記式(1)で表されるフェノール誘導体とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂(a)及び上記式(2)で表されるエポキシ樹脂(b)の両者を必須成分とする。このうち、エポキシ樹脂(a)は、本発明の感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー加工により得られる硬化物(パターン)の、垂直側壁形状並びに微細な解像性に寄与するものであり、式(1)で表されるフェノール誘導体とエピハロヒドリンを用いて、従来公知のエポキシ樹脂の合成方法により得ることができる。
前記の合成反応に用いる式(1)で表されるフェノール誘導体とエピハロヒドリンとの使用比率によって、エポキシ樹脂(a)中の主成分の異なるエポキシ樹脂(a)が得られることが知られている。例えば、フェノール誘導体のフェノール性水酸基に対して過剰量のエピハロヒドリンを用いた場合、式(1)中の3つのフェノール性水酸基の全てがエポキシ化された3官能のエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂(a)が得られるが、フェノール性水酸基に対するエピハロヒドリンの使用量が少なくなるのに伴い、複数のフェノール誘導体のフェノール性水酸基がエピハロヒドリンを介して結合し、残りのフェノー性水酸基がエポキシ化された分子量の大きい多官能エポキシ樹脂の含有率が増加する。
この様な多量体のエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂(a)を得る方法としては、前記のフェノール誘導体とエピハロヒドリンの使用比率で制御する方法の他に、エポキシ樹脂(a)に更にフェノール誘導体を反応させる方法も挙げられ、該方法で得られたエポキシ樹脂(a)も本発明の感光性樹脂の含有するエポキシ樹脂(a)の範疇に含まれる。
式(1)で表されるフェノール誘導体とエピハロヒドリンとの反応は、フェノール誘導体1モル(水酸基3モル相当)に対して、エピハロヒドリンを通常0.3〜30モル、好ましくは1〜20モル。より好ましくは3〜15モル用いて行われる。
尚、本願でいうところの「主成分」とは、エポキシ樹脂(a)が含有する単量体のエポキシ樹脂や多量体のエポキシ樹脂のうち、最も含有量の多いエポキシ樹脂成分を意味する。
250〜400g/eq.であることが好ましく、又その軟化点は60〜85℃であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物においては、エポキシ樹脂(a)の質量に対してエポキシ樹脂(b)を通常2〜4900質量%、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは10〜70質量%用いる。エポキシ樹脂(a)の質量に対するエポキシ樹脂(b)の使用率が4900質量%を超える場合は感光画像パターンが垂直な側壁形状とならず、丸みを帯び易くなり、また、2質量%未満の場合は感光画像パターン表面に亀裂を生じ易くなる。
また、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜を基材で挟み込んだレジスト積層体(ドライフィルム)として使用する場合には、レジスト積層体をプラスチック製の円筒に長尺ロールとして巻いた際に、レジスト塗膜に亀裂が起きない効果も得られる。
R3は2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は酸素原子で結合されていてもよい。R3が表す脂肪族炭化水素残基とは、通常は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖の2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖の2価の脂肪族炭化水素基、より好ましくは炭素数2〜8の2価の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基であり、その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等の直鎖の脂肪族炭化水素基や、前記の直鎖脂肪族炭化水素基に、側鎖としてアルキル基が結合した分岐鎖の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
また、R3が表す脂肪族炭化水素残基は酸素原子で結合されていてもよい。ここでいう酸素原子で結合された脂肪族炭化水素基とは、2価の脂肪族炭化水素基が酸素原子を介して結合した2価の連結基を意味し、具体的には、例えばメチレン基とエチレン基が酸素原子を介して結合した連結基である。該連結基中の酸素数は特に限定されず、例えば、前記のメチレン基と酸素原子とエチレン基からなる連結基に、更に酸素原子とエチレン基が結合した連結基もR3の定義に含まれる。
酸素原子により結合される2価の脂肪族炭化水素基は、該連結基中の炭素数が前記の範囲内であれば特に限定されず、直鎖同士、分岐鎖同士、直鎖と分岐鎖の組み合わせのいずれでも構わないし、また、それぞれの炭素数が異なっても構わない。尚、該連結基中の酸素原子の数は通常は1〜3個であり、1〜2個であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
R4は3価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は酸素原子で結合されていてもよい。R4が表す脂肪族炭化水素残基とは、通常は、炭素数1〜15の分岐鎖の3価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10の分岐鎖の3価の脂肪族炭化水素基、より好ましくは炭素数2〜8の3価の分岐鎖の脂肪族炭化水素基であり、これらの脂肪族炭化水素基には、側鎖としてアルキル基を有するもの含まれる。
また、R4が表す脂肪族炭化水素残基は酸素原子で結合されていてもよい。ここでいう酸素原子で結合された脂肪族炭化水素基とは、酸素原子を介して脂肪族炭化水素基が結合した3価の連結基であり、前記したR3が表す酸素原子で結合された脂肪族炭化水素基の説明に準ずるものである。
本発明の感光性樹脂組成物における(B)ポリオール化合物の配合割合は、(A)エポキシ樹脂の合計質量に対して通常1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%、より好ましくは3〜15質量%である。(B)ポリオール化合物の配合割合が、30質量%を超える場合は感光画像パターンが垂直な側壁形状とならず丸みを帯び易くなり、また1質量%未満の場合は充分な希釈効果や乾燥塗膜の軟化効果が得られない恐れや感光画像パターン表面に亀裂を生じ易くなる。
尚、式(3)及び式(4)で表されるポリエステルポリオールを併用する場合の両者の使用割合は、(A)エポキシ樹脂に対する(B)ポリオール化合物の配合割合が上記の範囲内であれば特に限定されない。
には硬化させる際の光を深部へ充分に透過させることが出来なくなる一方で、少量使用の場合(例えば3質量%未満)では充分な硬化速度を得ることが難しくなる。薄膜の場合には、少量(例えば1質量%以上)の添加で充分な性能を発揮する。逆に、(C)成分を多量に使用した場合には、深部への光の透過に関しては問題ないが、高価な開始剤を不必要に使用することになるため、経済的ではない。これらの点から、本発明の感光性樹脂組成物における(C)光カチオン重合開始剤成分の配合割合は、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物及び(E)反応性エポキシモノマーの合計質量に対して、通常0.1〜15質量%、好ましくは0.2〜8質量%である。但し、(C)光カチオン重合開始剤の、波長300〜380nmにおけるモル吸光係数が高い場合は、感光性樹脂組成物を用いる際の膜厚に応じて適切な配合量に調整する必要がある。
本発明の感光性樹脂組成物における(D)エポキシ基含有シラン化合物の配合割合は、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤及び(E)反応性エポキシモノマーの合計質量に対して、通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明の感光性樹脂組成物における(E)反応性エポキシモノマーの配合割合は、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリオール化合物の合計質量に対して、通常2〜12質量%、好ましくは3〜10質量%である。
これら溶剤は、単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。(F)溶剤成分は、基材へ塗布する際の膜厚や塗布性を調整する目的で加えるものであり、主成分の溶解性や成分の揮発性、組成物の液粘度等を適正に保持する為の使用量は、溶剤を含んでの感光性樹脂組成物中において、95質量%以下が好ましく、特に好ましくは10〜90質量%である。
別法として、防爆型霧化用噴霧ノズル、又は防爆型微小シャワーヘッド噴霧ノズルのいずれかを使用して吹付けにより現像液溶媒を塗布できる。更に、他の現像方法としては、パドル法を使用して現像液を塗布する方法が挙げられる。パドル法とは、現像する基板を、回転するツールヘッド上に置き、次いで基板面積全体の上に澱んでいる層、又はパドルを形成するに足る量の現像液を、低速回転する基板上に計量分配し回転を停止し、形成された現像液パドルを、一定時間基板上で静置させた後、基板の回転を加速して使用済みの現像液をスピン除去し、回転が止まるまで減速する。明瞭な感光画像が得られるまで、必要に応じシーケンスを数回繰り返す方法を用いるのが通常である。
適切な濯ぎ液としては、任意の上述の現像液溶媒、並びにメタノール、エタノール、イソプロパノール、及び酢酸n−ブチルが挙げられる。この内、速やかに洗浄ができ急速に乾燥させることができる、アセトン、エタノール、及びイソプロパノールが特に好ましい。最後に、基板の耐熱性に応じて、130〜200℃の温度条件で加熱処理を施し、膜を熱硬化させることにより、諸特性を満足する永久保護膜が得られる。
本発明のレジスト積層体によって、感光性樹脂組成物ドライフィルムレジストとして使用すれば、支持体又は基板上への塗布、および乾燥の工程を省略することが可能であり、より簡便に本発明の感光性樹脂組成物を用いた微細パターンの形成が可能となる。
(感光性樹脂組成物溶液(液状レジスト)の調整)
表1に記載の配合量(単位は質量部、溶液品は本体の固形分質量部とした)に従って、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)エポキシ基含有シラン化合物及び(E)反応性エポキシモノマーを、シクロペンタノンによって濃度が65質量%となるように希釈したものを「液状レジスト−A」、濃度が34質量%となるように希釈したものを「液状レジスト−B」とし、攪拌機付きフラスコで60℃、1時間攪拌混合溶解し、放冷後、孔径1.0μmのメンブランフィルターによって各々濾過を施し、本発明及び比較用の感光性樹脂組成物溶液(液状レジスト)を得た。
実施例1〜6及び比較例1〜7で得られた各液状レジスト−Aを、シリコンウエハ上にスピンコーターで塗工後、95℃のホットプレートにより10分間のプレベークを行い、塗工後乾燥膜厚25μmの感光性樹脂組成物層を得た。その後、ウエハ端面の塗膜盛り上がり部分を溶解除去、乾燥後、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いて解像性評価用グレースケール付きフォトマスクを介して、露光量500mJ/cm2(ソフトコンタクト、i線)を照射した。続いて、95℃のホットプレートにより5分間の露光後ベーク(以下「PEB」と記載する)を行った。次にSU−8 Developer(商品名、マイクロケム社製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート主成分)によって23℃で3分間浸漬現像し、イソプロパノールでリンス洗浄、乾燥を経て、シリコンウエハ上に硬化した樹脂パターンを得た。
前記のパターニング試験において、マスク転写精度が最良となる露光量を最適露光量とし、それぞれの感光性樹脂組成物の感度の評価を行った。最適露光量の値が小さいほど感度が高いことを表す。結果を下記表1に示した。
また、1〜100μmのラインアンドスペース及び真円形のホールパターンの配置されたフォトマスクを使用し、各組成物の最適露光量(ソフトコンタクト、i線、表1の露光量参照)の照射をし、95℃のホットプレートにより5分間のPEBを行った。SU−8 Developer(商品名、マイクロケム社製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート主成分)によって23℃で3分間浸漬現像し、イソプロパノールでリンス洗浄後、乾燥を行った。残渣及び曲がりがなく垂直な側壁形状に解像されたレジストパターン中、基板へ密着している最も細かいパターン幅を測定して解像性の評価を行った。結果を下記表1に示した。
また、得られた感光画像パターンのクラック発生について評価を行った。膜全面に亀裂(膜底部まで不連続な断裂を生じている)がある状態を「××」、矩形ホールパターンの角にのみひび(膜の極表面部に生じる断裂状態を指す)を生じている状態を「×」、ひびの発生が全く無い状態を「○」とした。結果を下記表1に示した。
実施例1〜6及び比較例1〜7で得られた各液状レジスト−Aを、シリコンウエハ上にスピンコーターで塗工後、95℃のホットプレートにより10分間のプレベークを行い、塗工後乾燥膜厚25μmの感光性樹脂組成物層を得た。その後、ウエハ端面の塗膜盛り上がり部分を溶解除去、乾燥後、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いて密着性評価用パターンフォトマスクを介して、各組成物の最適露光量(ソフトコンタクト、i線、表1の露光量参照)の照射をし、95℃のホットプレートにより5分間のPEBを行った。SU−8 Developer(商品名、マイクロケム社製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート主成分)によって23℃で3分間浸漬現像し、イソプロパノールでリンス洗浄、乾燥、200℃のオーブンで60分間ハードベーク処理を経て、シリコンウエハ上に硬化した樹脂パターンを得た。この樹脂パターン付きウエハを切断し、PTFE製内筒型密閉容器中で、水溶性有機溶剤入り水溶液−A(組成:2−イミダゾリジノン10質量%、2,2’−スルホニルジエタノール7.5質量%、グリセリトール5質量%、ペンチレングリコール5質量%、エチレンオキシド変性アセチレノール0.4質量%)、同−B(組成:ガンマブチロラクタム30質量%、2,2’−オキシジエタノール10質量%、ヘキサメチレングリコール5質量%、エチレンオキシド変性アセチレノール0.2質量%)、同−C(組成:グリセリトール15質量%、ポリエチレングリコール#400 5質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル3質量%)の各溶液に、各切断片を個別に浸して、80℃、24時間の湿熱試験に処した。試験前後の樹脂パターンの接着力を、シェア強度試験機にて測定し、接着力劣化無き場合を「○」、劣化の有った場合を「×」、試験後にパターンの浮きや剥離があった場合を「××」とした。結果を下記表1に示した。
「膜付き基板の内部応力」とは、触針式表面形状測定器Dektak8(商品名、Veeco社製)によって、3点支持されたシリコンウエハ基板(直径100mm
厚さ0.5mm)の膜形成前と膜形成後の基板の反り量を測定し、前後の反り量の変化を応力に換算したものである。一般に、膜の応力は、膜を形成される基材の形状・材質によって影響されるものではないので、シリコンウエハ基板上に膜を形成し、形成前後の基板反り量を測定して得られたものが、内部応力を示す。樹脂膜が硬化収縮する場合は圧縮応力となり、その応力の大きさにつれて、硬化膜のストレスが基板の反りを増大させ、膜自体もクレイジングやクラックなどの亀裂を生じる。内部応力が小さいほど、基板の反りも低減し、膜自体の亀裂も解消する。
実施例1〜6及び比較例1〜7で得られた各液状レジスト−Bを、反り量測定済みの各シリコンウエハ(直径100mm 厚さ0.5mm)上にスピンコーターで塗工後、95℃のホットプレートにより5分間のプレベークを行い、塗工後乾燥膜厚2.0μmの感光性樹脂組成物層を得た。その後、ウエハ端面の塗膜盛り上がり部分を溶解除去、乾燥後、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いて、各組成物の最適露光量(ソフトコンタクト、i線、表1の露光量参照)を膜全面に照射し、95℃のホットプレートにより5分間のPEBを行った後、200℃のオーブンで60分間ハードベーク処理を経て、硬化した樹脂膜付きシリコンウエハを得た。膜付き基板の各サンプルを23℃に充分放冷した後、反り量を測定し、圧縮応力を計算した。結果を下記表1に示した。
(A−1):NC−6300H(商品名、日本化薬社製、エポキシ樹脂(a)、エポキシ当量225g/eq.)
(A−2):NER−7604(商品名、日本化薬社製、エポキシ樹脂(b)、エポキシ当量330g/eq.)
(A−3):NER−7403(商品名、日本化薬社製、エポキシ樹脂(b)、エポキシ当量250g/eq.)
(A’−1):EPON SU−8(商品名、モーメンティブ社製、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量213g/eq.)
(A’−2):ERL−4221(商品名、ポリサイエンシズ社製、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、エポキシ当量126g/eq.)
(A’−3): EHPE−3150(商品名、ダイセル社製、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物、エポキシ当量180g/eq.)
(A’−4):XD−1000(商品名、日本化薬社製、ジシクロペンタジエンフェノール縮合型エポキシ樹脂、エポキシ当量253g/eq.)
(B−1):Capa3050(商品名、パーストープ社製、式(4)におけるyが1〜2、R4が炭素数6の3価の脂肪族炭化水素基である三官能ポリオール、分子量540、OH当量310mgKOH/g)
(B−2):プラクセル308(商品名、ダイセル社製、式(4)におけるyが2〜3、R4が炭素数6の3価の脂肪族炭化水素基である三官能ポリオール、分子量850、OH当量195mgKOH/g)
(B−3):プラクセル312(商品名、ダイセル社製、式(4)におけるyが3〜4、R4が炭素数6の3価の脂肪族炭化水素基である三官能ポリオール、分子量1250、OH当量135mgKOH/g)
(B−4):プラクセル205(商品名、ダイセル社製、式(3)におけるxが1〜3、R3が炭素数4〜6の2価の脂肪族炭化水素基である二官能ポリオール、分子量530、OH当量210mgKOH/g)
(B−5): プラクセル220(商品名、ダイセル社製、式(3)におけるxが8〜9、R3が炭素数5の2価の脂肪族炭化水素基である二官能ポリオール、分子量2000、OH当量56mgKOH/g)
(B’−1):ポリエチレングリコール1000(分子量1000)
(C−1):SP−172(商品名、ADEKA社製、50wt%炭酸プロピレン溶液、但し表中記載配合量は固形分値を表記した)
(C−2):CPI−6976(商品名、ACETO社製、50wt%炭酸プロピレン溶液、但し表中記載配合量は固形分値を表記した)
(C−3):イルガキュアPAG290(商品名、BASF社製)
(D−1):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(D−2):3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
(E−1):エポトートYDF−8170(商品名、新日鉄住金化学社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量157g/eq.、分子量320)
(E−2):エポトートYD−8125(商品名、新日鉄住金化学社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量170g/eq.、分子量340)
(E’−1):jER1003(商品名、三菱化学社製、ビスフェノールA型長鎖エポキシ樹脂、エポキシ当量720g/eq.、分子量1300)
表1の結果の通り、各実施例から得られた組成物の特性は、最適露光量が小さく高感度で、感光パターンの解像寸法が高解像であり、内部応力も低くパターンにクラックを発生せず、湿熱後の密着性も保持されていることが判った。
表1の実施例1の配合組成比に、更にエチレングリコールジメチルエーテルを追加配合し、攪拌機付きフラスコで60℃、1時間攪拌混合溶解して、25℃における溶液粘度が3Pa・sになるよう希釈し、放冷後、孔径1.0μmのメンブラン濾過を施し、本発明の感光性樹脂組成物ドライフィルム用ラッカーを得た。このラッカーを、ベースフィルム(ポリプロピレン製、三菱樹脂社製、膜厚38μm)上に均一に塗布し、温風対流乾燥機により65℃で5分間および80℃で15分間乾燥した後、露出面上にカバーフィルム(ポリプロピレン製、三菱樹脂社製、膜厚38μm)をラミネートして、膜厚25μmのドライフィルムレジストを挟んでなるレジスト積層体(感光性樹脂組成物積層体)を得た。
前記で得られた感光性樹脂組成物積層体からカバーフィルムを剥離し、ロール温度70℃、エアー圧力0.2MPa、速度0.5m/分でシリコンウエハ上にラミネートした後に、ベースフィルムを剥離し、25μmの感光性樹脂組成物層(ドライフィルムレジスト)を得た。この感光性樹脂組成物層に、i線露光装置(マスクアライナー:ウシオ電機社製)を用いてコンタクト露光を行った。その後、95℃ホットプレートで5分間のPEBを行い、SU−8 Developer(商品名、マイクロケム社製、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート主成分)によって23℃で3分間浸漬現像し、イソプロパノールでリンス洗浄、乾燥させ、基板上に硬化した樹脂パターンを得た。最適露光量125mJ/cm2で、残渣及び亀裂がなく、細線密着パターン幅が3μmの垂直な側壁を有する硬化物が得られた。
Claims (12)
- (A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤、(D)エポキシ基含有シラン化合物及び(E)反応性エポキシモノマーを含有する感光性樹脂組成物であって、
該(A)エポキシ樹脂が下記式(1)
該(B)ポリオール化合物が下記式(3)
下記式(4)
- (E)反応性エポキシモノマーが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (E)反応性エポキシモノマーの配合割合が、(A)エポキシ樹脂及び(B)ポリオール化合物の合計質量に対して2〜12質量%である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- (B)ポリオール化合物の配合割合が、(A)エポキシ樹脂の合計質量に対して1〜30質量%である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- (C)光カチオン重合開始剤の配合割合が、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物及び(E)反応性エポキシモノマーの合計質量に対して0.1〜15質量%である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- (D)エポキシ基含有シラン化合物が、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- (D)エポキシ基含有シラン化合物の配合割合が、(A)エポキシ樹脂、(B)ポリオール化合物、(C)光カチオン重合開始剤及び(E)反応性エポキシモノマーの合計質量に対して1〜15質量%である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 更に(F)溶剤を含有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- (F)溶剤の配合割合が、(F)溶剤以外の成分の合計質量に対して5〜95質量%である請求項8に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基材で挟み込んで得られるレジスト積層体。
- 請求項11に記載のレジスト積層体から得られるドライフィルムレジストの硬化物。
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