JP2014102144A - 糖化ヘモグロビン測定キットおよび糖化ヘモグロビン測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糖化ヘモグロビン測定キットは、バイオセンサ11が装置本体に着脱可能に設けられた糖化ヘモグロビン測定装置と、プロテアーゼと、を具備する。バイオセンサ11は、第1電極24と、第2電極26と、検体が導入される試料空間40と、クリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)由来のフルクトシルバリルヒスチジンオキシダーゼおよび電子メディエータを含む試薬と、を備える。装置本体は、バイオセンサの第1電極24及び第2電極26に電圧を印加する電圧印加手段と、第1電極24と第2電極26との間に生じた電流値を測定する電流測定手段と、を備える。プロテアーゼは、オリエンターゼ(エイチビィアイ株式会社商品名)である。
【選択図】図2
Description
図1に示されるように、糖化ヘモグロビン測定装置10は、バイオセンサ11と装置本体12とを有する。バイオセンサ11が装置本体12の接続部13に差し込まれることによって、バイオセンサ11と装置本体12とが電気的に接続される。バイオセンサ11は、1回の測定毎に取り替えられるものである。
図1に示されるように、装置本体12は、筐体50に電子部品が収容された電子装置である。筐体50の表側には、液晶ディスプレイ51及び操作キー52,53,54が配置されている。操作キー52,53,54は、ユーザの操作に基づいて対応するコマンドを発生させるためのものである。液晶ディスプレイ51は、装置本体12の状態や測定結果、エラー表示などを行う。各図には現れていないが、筐体50の内部には、電圧印加手段及び電流測定手段としての制御基板が内蔵されている。制御基板は、CPU、ROM、RAMなどを有する演算装置として構成されており、液晶ディスプレイ51及び操作キー52,53,54と電気的に接続されている。操作キー52,53,54からの入力に応じて、制御基板は、予めROMに格納されたプログラムを動作させる。また、筐体50の内部には、バイオセンサ11に電位を印加するための電源が内蔵されている。制御基板は、電源から所定の電位をバイオセンサ11に印加する。この電源及び制御基板によって、電圧印加手段が構成されている。また、制御基板は、所定の電位に応答してバイオセンサ11に流れた電流値から糖化ヘモグロビン濃度を演算する。演算された糖化ヘモグロビン濃度は、液晶ディスプレイ51に表示される。
図1に示されるように、バイオセンサ11は、細長なシート形状である。バイオセンサ11の長手方向101の一端が、装置本体12の接続部13に差し込まれることによって、バイオセンサ11が装置本体12に装着される。また、バイオセンサ11が長手方向101に引き抜かれることによって、バイオセンサ11が装置本体10から取り外される。
図2に示されるように、第1基板23は、平面視がバイオセンサ11と概ね同じ形状であって、長手方向101において第2基板24より若干短いシートである。第1基板23は、電気絶縁性の材料からなる。この電気絶縁性の材料として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のポリエステルや、フッ素樹脂及びポリカーボネイト、ガラスなどが挙げられる。
図2に示されるように、第2基板28は、平面視がバイオセンサ11と概ね同じ形状のシートである。第2基板28は、電気絶縁性の材料からなる。この電気絶縁性の材料として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のポリエステルや、フッ素樹脂及びポリカーボネイト、ガラスなどが挙げられる。
図2に示されるように、第1電極24は、第2基板28における裏面22と反対側の面34に設けられている。第1電極24は、第2基板28の面34において、長手方向101へ延出されており、方向102において第2基板28の1/3程度の幅を有する。面34において、第1電極24は、後述される第2電極26及び第3電極27と電気的に非接続に配置されている。第1電極24の素材としては、例えば、カーボンが挙げられる。第1電極24にカーボンが用いられることによって、銀/塩化銀、金、パラジウム、白金などが用いられた電極の抵抗値より、カーボン製の第1電極24の抵抗値が低くなるので、比較的弱い電位による小さな応答電流によっても、糖化ヘモグロビン濃度の測定感度が維持され易くなる。第1電極24は、第1基板23に対して、スクリーン印刷法、インクジェット法、スパッタリング、真空蒸着、ゾルゲル法、クラスタビーム蒸着又はPLDなどの手法によって面34に積層されている。第1電極24において、装置本体12の接続部13側に対応する端部は、第1基板23と対向せずに露出されている。この端部が装置本体12と電気的に接続される接続端子33である。
図2に示されるように、第2電極26は、第2基板28における裏面22と反対側の面34に設けられている。第2電極26は、第2基板28の面34において、長手方向101へ延出されており、方向102において第2基板28の1/3程度の幅を有する。面34において、第2電極26は、第1電極24及び後述される第3電極27と電気的に非接続に配置されている。第2電極26の素材としては、例えば、カーボン、銀/塩化銀、金、パラジウム、白金などが挙げられる。第2電極26において、装置本体12の接続部13側に対応する端部は、第1基板23と対向せずに露出されている。この端部が装置本体12と電気的に接続される接続端子37である。
図2に示されるように、第3電極27は、第2基板28における裏面22と反対側の面34に設けられている。第3電極27は、第2基板28の面34において、長手方向101へ延出されており、方向102において第2基板28の1/3程度の幅を有する。面34において、第3電極27は、第1電極24及び第2電極26と電気的に非接続に配置されている。第3電極27の素材としては、例えば、カーボン、銀/塩化銀、金、パラジウム、白金などが挙げられる。第3電極27は、空間40へ血液が導入されたか否かを検出するための電極である。第3電極27において、装置本体12の接続部13側に対応する端部は、第1基板23と対向せずに露出されている。この端部が装置本体12と電気的に接続される接続端子39である。
図2に示されるように、スペーサ25は、平面視がバイオセンサ11と概ね同じ形状のシートである。スペーサ25としては、電気絶縁性を有する両面テープが好適に用いられる。スペーサ25は、着色部30,31に対応する位置に、方向102へ延びる空間40を有する。つまり、スペーサ25は、長手方向101に対して空間40によって分断された2枚のシートから構成されている。空間40によって、領域38と領域42との間に、スペーサ25の厚み分の試料空間が形成される。つまり、空間40が試料空間となる。空間40には、第1電極24の一部、第2電極26の一部及び第3電極27の一部がそれぞれ露出されている。第1電極24において、空間40に対応する領域38には、試薬の各成分が固定されている。試薬の各成分の詳細については、後述される。
領域38,42に固定される試薬は、少なくともクリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)由来のフルクトシルバリルヒスチジンオキシダーゼ、電子メディエータ及びプロテアーゼを含む。
以下、糖化ヘモグロビン測定キットを用いた糖化ヘモグロビンの測定方法が説明される。
前述された糖化ヘモグロビンの測定方法と並行してヘモグロビンの全体量(糖化ヘモグロビンも含む)が測定されることが望ましい。ヘモグロビンの全体量(糖化ヘモグロビンも含む)を測定する方法は、シアンメトヘモグロビン法などの従来公知の方法で測定しても問題ないが、電気化学的に測定する方法が好ましく、1回の血液の採取で済むよう、バイオセンサ11にヘモグロビンの全体量を測定するための電極系を設けることが最も好ましい。ヘモグロビンの全体量(糖化ヘモグロビンも含む)を電気化学的に測定する方法は、例えば、全血をコール酸系界面活性剤で処理することにより、全血を溶血させた後、フェリアシアン化カリウム等のヘモグロビンによって直接還元されるメディエータを用いることができる。この発明について、出願人は本願と同日付けにて特許出願をしている。
本実施形態によれば、高感度で血中の糖化ヘモグロビン濃度を測定することができる。とりわけ、電気化学糖化ヘモグロビンを分解するプロテアーゼとして、オリエンターゼ90(エイチビィアイ株式会社商品名)を選択し、糖化ヘモグロビンの分解産物におけるフルクトシルバリルヒスチジン、フルクトシルバリンおよびフルクトシルリジンを基質とするフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(フルクトシルペプチド酸オキシダーゼ)として、クリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)由来のフルクトシルバリルヒスチジンオキシダーゼを選択したことにより、驚くべきことに従来のナノアンペアオーダーであった測定感度が、マイクロアンペアオーダーまで向上した。
バイオセンサとしては、前述された実施形態と同様の構成のバイオセンサ11を製造した。第1電極24、第2電極26及び第3電極27の素材としてはカーボンを用いた。バイオセンサ11の領域38には、50U/mLクリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)由来のフルクトシルバリルヒスチジンオキシダーゼおよび300mMヘキサシアノルテニウムを含むMES緩衝液の試薬を2μL塗布して乾燥させた。
ヒトから採取された全血20μLと、オリエンターゼ90水溶液80μLを混合(オリエンターゼ90終濃度5000U/mL)し、42℃に加温してプロテアーゼ処理血液を調製した。なお、ヒトから採取された全血には、少なからず糖化ヘモグロビンは存在する。このプロテアーゼ処理血液3μLを、バイオセンサの試料空間に導入した。検体が検知された後に、第1電極24と第2電極26との間の電位を30秒間、0mVに保持し、その後、第1電極24と第2電極26との間の電位を60秒間、500mVに保持して、60秒後の応答電流を測定した。測定結果を表1に示す。
実験例1において、全血20μLに代わって生理食塩水20μLを用いたこと以外は、実験例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
11・・・バイオセンサ
12・・・装置本体
24・・・第1電極
26・・・第2電極
40・・・空間(試料空間)
Claims (3)
- バイオセンサが装置本体に着脱可能に設けられた糖化ヘモグロビン測定装置と、プロテアーゼと、を具備する糖化ヘモグロビン測定キットであって、
上記バイオセンサは、第1電極と、第2電極と、検体が該第1電極及び第2電極と接触可能に導入される試料空間と、少なくともクリプトコッカス・ネオフォーマンス(Cryptococcus neoformans)由来のフルクトシルバリルヒスチジンオキシダーゼおよび電子メディエータを含む試薬と、を備えており、
上記装置本体は、上記バイオセンサが装着された状態において、上記バイオセンサの第1電極及び第2電極に電圧を印加する電圧印加手段と、該第1電極と該第2電極との間に生じた電流値を測定する電流測定手段と、を備えてなり、
上記プロテアーゼが、オリエンターゼ90(エイチビィアイ株式会社商品名)である糖化ヘモグロビン測定キット。 - 上記プロテアーゼは、上記バイオセンサの試料空間に設けられたものである請求項1に記載の糖化ヘモグロビン測定キット。
- 請求項1に記載の糖化ヘモグロビン測定キットを用いて血液中の糖化ヘモグロビン濃度を測定する方法であって、
ヒトから採取した血液をオリエンターゼ90(エイチビィアイ株式会社商品名)で処理をする工程を含む糖化ヘモグロビン測定方法。
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