JP2014101629A - エポキシ樹脂塗り床材および塗り床 - Google Patents

エポキシ樹脂塗り床材および塗り床 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶剤やモノマ成分等を含まず、作業環境や臭気の点で問題を生じたりしない水系であって、なおかつ有機酸に対する耐性や有機溶剤に対する耐性等に優れた塗り床を形成できる、新規なエポキシ樹脂塗床材と、前記エポキシ樹脂塗り床材からなり、前記有機酸や有機溶剤に対する耐性に優れた塗り床を提供する。
【解決手段】水系のエポキシ樹脂塗り床材は、エポキシ樹脂、硬化触媒、および水に、さらに硬化剤として、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物を配合した。塗り床は、前記エポキシ樹脂塗り床材を下地上に塗布して乾燥させるとともに、硬化反応させた。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂塗り床材、および前記エポキシ樹脂塗り床材を下地上に塗布して乾燥させるとともに、硬化反応させて得られる塗り床に関するものである。
各種工場等の施設の床としては、美観の向上、コンクリート等の下地の保護などを目的として、合成樹脂系の塗り床、特に美観、機械的強度、耐薬品性等の特性のバランスが良いエポキシ樹脂系の塗り床材からなる塗り床が広く普及している。しかし、かかるエポキシ樹脂系の塗り床材ならなる塗り床が万全という訳ではない。
例えば食品工場や厨房等の床は、食材の酸化によって生じる酢酸等の有機酸に対する耐性に特に優れることが求められる。また、例えば有機溶剤を多く用いる印刷工場等の床は、前記有機溶剤に対する耐性に特に優れることが求められる。
ところが、従来のエポキシ樹脂系塗り床材からなる塗り床は、かかる有機酸や有機溶剤に対する耐性の点で決して十分とは言えない。
また、従来のエポキシ樹脂系塗り床材の多くは、溶剤として有機溶剤を含んでおり、例えば低温環境下(冬季等)等において粘度が上昇して塗装作業の作業性が低下した際には、希釈剤として同じもしくは同系の有機溶剤を添加して粘度を調整しなければならない。
しかし、前記溶剤や希釈剤として有機溶剤を使用すること、例えば作業者へのマスクの着用や換気の徹底等の対策を施したとしても、周知のように作業環境や臭気の点で決して好ましくない。また、呼吸がしにくかったり視界を遮ったりしやすいマスクの装着は、作業者の作業の妨げとなって作業性低下の原因ともなりやすい。
また、特に施設供用中の改修工事では、作業者だけでなく施設の従業者など、より多くの人々が施工現場の近くにおり、その全員にマスクを装着してもらう訳には行かない上、前記施設で生産される製品に臭い移り等を生じるおそれもあるため、有機溶剤の使用は実質的に不可能である。
有機溶剤に代えて、溶剤や希釈剤として水を用いる水系のエポキシ樹脂系塗り床材によれば、有機溶剤を用いることによる前記の問題を解消できる。
しかし、前記水系のエポキシ樹脂系塗り床材を用いて形成される塗り床は、有機酸や有機溶媒に対する耐性が従来のものよりもさらに低下するという問題がある。
有機酸に対する耐性の点では、前記エポキシ樹脂系の塗り床材よりも、例えばMMA樹脂−ビニルエステル樹脂系の塗り床材の方が、優れた塗り床を形成できる。同様に有機溶剤に対する耐性の点では、ビニルエステル樹脂系の塗り床材の方が、前記エポキシ樹脂系の塗り床材よりも優れた塗り床を形成できる。
しかしこれらの塗り床材は、いずれも材料組成中に含まれるモノマ成分の臭気が強いために、希釈剤として有機溶剤を使用する場合と同様の問題を生じる。そのため、特に施設供用中の改修工事などにこれらの塗り床材を使用することは困難である。
特開平11−172195号公報 特開2007−277508号公報
本発明の目的は、有機溶剤やモノマ成分等を含まず、作業環境や臭気の点で問題を生じたりしない水系であって、なおかつ有機酸に対する耐性や有機溶剤に対する耐性等に優れた塗り床を形成できる、新規なエポキシ樹脂塗床材と、前記エポキシ樹脂塗り床材からなり、前記有機酸や有機溶剤に対する耐性に優れた塗り床を提供することにある。
発明者は、前記水系のエポキシ樹脂系塗り床材からなる塗り床の、有機酸や有機溶媒に対する耐性を向上するため、エポキシ樹脂の硬化剤について検討した。
その結果、前記硬化剤として、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物を用いると、特異的に、水系のエポキシ樹脂系塗り床材を用いて形成した塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性を向上できることを見出した。
したがって本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化触媒、および水を少なくとも含む水系のエポキシ樹脂塗り床材であって、前記硬化剤は、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物であることを特徴とするものである。
本発明によれば、前記のように水系とすることにより、溶剤や希釈剤として水を使用できるため、作業環境や臭気の点で問題を生じるおそれがない上、有機酸に対する耐性や有機溶剤に対する耐性等に優れた塗り床を形成することが可能となる。
また水系とすることにより、エポキシ樹脂系塗り床材を非危険物扱いとすることができ、保管上の配慮等を軽減することもできる。
また、例えば従来の、有機溶剤系のエポキシ樹脂系塗り床材や、MMA樹脂−ビニルエステル樹脂系あるいは、エポキシ樹脂系の塗り床材を、水を含む湿潤状態の下地上に施工した場合には、水が障害となって、前記塗り床材を下地の表層に十分に浸透させることができず、前記下地に対する接着性に優れた塗り床を形成できないという問題がある。またそのため、下地が十分に乾燥するまで施工ができないという問題もある。
これに対し水系のエポキシ樹脂系塗り床材は、水を含む湿潤状態の下地上に施工しても下地の表層に十分に浸透させて、前記下地に対する接着性に優れた塗り床を形成できる。したがって、下地の乾燥を待たずに施工できるという利点もある。
なお特許文献1には、エポキシ樹脂の硬化剤として、エチレンジアミン類でない通常のアミン化合物のマンニッヒ変性物が記載されている。また特許文献2には、エポキシ樹脂の硬化剤として、ポリアミンと、アルデヒド類と、炭素数1〜8のアルキル基を芳香環上の置換基として2個以上有するアルキルフェノール類とを縮合させて得られるマンニッヒ変性物が記載されている。
しかし前記いずれのものも、溶剤や希釈剤として有機溶剤を使用する有機溶剤系の塗り床材用であって、水系のエポキシ樹脂系塗り床材に使用することについては考慮されていないし、前記いずれの硬化剤を水系のエポキシ樹脂系塗り床材に使用しても、本発明と同じ効果を奏することはできない。すなわち、有機酸や有機溶剤に対する耐性等に優れた塗り床を形成することはできない。
前記本発明のエポキシ樹脂塗り床材において、硬化触媒は3級アミンであり、前記3級アミンの配合割合は、エポキシ樹脂の総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下であるのが好ましい。
硬化触媒としての3級アミンを前記の割合で併用することにより、前記炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物による硬化反応を補助して、塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等をさらに向上することができる。
なお3級アミンの配合割合が前記範囲に限定されるのは、前記範囲未満では、かかる補助効果が十分に得られず、塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等を十分に向上できないおそれがあるためである。また前記範囲を超える場合には、当該3級アミン自体が可塑剤として機能して、却って塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等が低下するおそれがあるためである。
本発明の塗り床は、前記本発明のエポキシ樹脂塗り床材を塗布して形成されたことを特徴とするものである。
本発明の塗り床は、前記のように有機酸や有機溶剤に対する耐性に優れており、例えば食品工場や厨房、あるいは印刷工場等の床として好適に利用することができる。
本発明によれば、有機溶剤やモノマ成分等を含まず、作業環境や臭気の点で問題を生じたりしない水系であって、なおかつ有機酸に対する耐性や有機溶剤に対する耐性等に優れた塗り床を形成できる、新規なエポキシ樹脂塗床材と、前記エポキシ樹脂塗り床材からなり、前記有機酸や有機溶剤に対する耐性に優れた塗り床を提供することができる。
〈エポキシ樹脂塗り床材〉
本発明のエポキシ樹脂塗り床材は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化触媒、および水を少なくとも含み、かつ前記硬化剤が、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物であることを特徴とするものである。
かかる本発明のエポキシ樹脂塗り床材の具体例としては、例えば前記エポキシ樹脂を含む主剤成分と、硬化剤、および硬化触媒を含む硬化剤成分とを別個に調製しておき、施工現場で前記両者を所定の割合で混合したのち下地上に塗布して塗り床を形成することができる、いわゆる2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材等が挙げられる。
前記2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材において水は、いずれの成分に含ませてもよいが、通常は、エポキシ樹脂とともに主剤成分に配合するのが好ましい。かかる水は、主剤成分の溶剤として、例えば当該主剤成分の粘度を調整したりするために機能する。
また2液を混合して調製したエポキシ樹脂塗り床材の粘度を調整する希釈剤としても、水を用いることができる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールとエピハロヒドリン類とから誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、およびこれを更にノボラック樹脂で変性した変性エポキシ樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ビフェニルノボラック樹脂等のノボラック樹脂のエポキシ化物;水素化ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体等の二価アルコールとエピハロヒドリン類とから誘導されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ハイドロキノン、カテコール等の多価フェノールとエピハロヒドリン類とから誘導されるエポキシ樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
またエポキシ樹脂は、主剤成分や塗り床材の粘度を下げて混合や塗布等の作業性を向上するために、反応性希釈剤を含んでいてもよい。
かかる反応性希釈剤としては、例えばフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエステル、α−オレフィンエポキサイド、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、メチルフェノールグリシジルエーテル、エチルフェノールグリシジルエーテル、プロピルフェノールグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェノールグリシジルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
(硬化剤)
硬化剤として、本発明では、先に説明したように炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物が用いられる。かかる化合物を硬化剤として選択的に用いることにより、水系のエポキシ樹脂塗り床材からなる塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等を向上することができる。
前記炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物の具体例としては、例えばジエチレントリアミン(炭素数4)、トリエチレンテトラミン(炭素数6)、ペンタエチレンヘキサミン(炭素数10)等のマンニッヒ変性物の1種または2種以上が挙げられる。
前記変性物のもとになるエチレンジアミン類の炭素数が4以上に限定されるのは、それ以下、つまり炭素数2のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物を硬化剤として用いても、前記効果が得られず、特に塗り床の、有機溶剤に対する耐性が低下するためである。
なお、エチレンジアミン類の炭素数は、前記範囲内でも10以下であるのが好ましい。炭素数が前記範囲を超えるエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物は入手が困難である上、もし使用できたとしても、硬化剤成分の、ひいてはエポキシ樹脂塗り床材の粘度を上昇させて、混合や塗布の作業性を低下させるおそれがある。
また炭素数4以上のエチレンジアミン類をマンニッヒ変性せずにそのまま単体で、あるいはアダクト変性等の他の変性を施して硬化剤として使用したとしても、やはり前記効果が得られず、特に塗り床の、有機溶剤に対する耐性が低下する。
したがって硬化剤は、前述した炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物である必要がある。
ただし前記化合物を硬化剤として用いることによる効果を阻害しない範囲で、他の硬化剤を併用することもできる。かかる他の硬化剤としては、前述した炭素数2のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物や未変性のエチレンジアミン類、あるいはエチレンジアミン類のアダクト変性物等の1種または2種以上が挙げられる。
硬化剤としての、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物の配合割合は、通常通りエポキシ樹脂中、またはエポキシ樹脂+反応性希釈剤中に含まれるエポキシ基と、前記変性物中に含まれる活性水素がおよそ当モルとなるように設定すればよい。
硬化剤として、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物と、前記他の硬化剤とを併用する場合は、両硬化剤中に含まれる活性水素の合計が、エポキシ樹脂中、またはエポキシ樹脂+反応性希釈剤中に含まれるエポキシ基とおよそ当モルとなるように設定すればよい。
(硬化触媒)
硬化触媒としては、前記硬化剤によるエポキシ樹脂の硬化反応を補助しうる種々の硬化触媒がいずれも使用可能である。中でも特に、前記補助効果に優れた3級アミンが、硬化触媒として好適に使用される。
前記3級アミンとしては、エポキシ樹脂の硬化触媒として使用可能な種々の3級アミンが、いずれも使用可能である。かかる3級アミンとしては、例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の1種または2種以上が挙げられる。
前記3級アミンの配合割合は、エポキシ樹脂の総量、例えばエポキシ樹脂が反応性希釈剤を含む場合は両者の合計量100質量部あたり5質量部以上、特に6質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下、特に10質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、かかる補助効果が十分に得られず、塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等を十分に向上できないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、当該3級アミン自体が可塑剤として機能して、却って塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等が低下するおそれがある。
これに対し、3級アミンの配合割合を前記範囲内とすることにより、前記炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物による硬化反応を補助して、塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性等をさらに向上することができる。
(その他)
前記本発明のエポキシ樹脂塗り床材には、さらに必要に応じて充填剤(骨材)、着色剤、消泡剤、その他の添加剤を、適宜の割合で配合してもよい。これらの添加剤は、前記2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材においては、水等を含み分量の多い主剤成分に配合しておくのが好ましい。
前記添加剤のうち充填剤としては、例えば亜鉛末、アルミニウムフレーク、亜酸化鉛、炭酸カルシウム、水和アルミナ、炭酸バリウム、カオリン、シリカ粉、石英粉、タルク、硫酸バリウム、珪藻土、ウォラストナイト、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、ガラス繊維、有機繊維、重合体粒子、含水ケイ酸アルミニウムカリウム、金属酸化物被覆雲母等の1種または2種以上が挙げられる。
着色剤としては、有機または無機の種々の顔料等が挙げられる。
さらに消泡剤としては、例えばイソパラフィン、流動パラフィン、シリコンオイル、ポリシロキサン系オリゴマー、フッ素系化合物、アクリル酸エステルやビニル系化合物の共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
なお本発明のエポキシ樹脂塗り床材は、前記各成分を、例えば施工現場等において一度に配合して調製するようにしてもよい。
また2液タイプの主剤成分として、充填剤を配合しないもの、あるいは少な目に配合したものを用意しておき、例えば施工現場等において、下地の状況や塗り床に求められる特性等を考慮して求めた配合量となるように、充填剤を追加するようにしてもよい。
同様に主剤成分として、着色剤を配合しないものを用意しておき、例えば施工現場等において、塗り床に求められる色調に応じて着色剤を追加するようにしてもよい。
〈塗り床〉
本発明の塗り床は、前記本発明のエポキシ樹脂塗り床材を塗布し、乾燥させるとともに、エポキシ樹脂を硬化反応させて形成されたことを特徴とするものである。
本発明の構成は単層の、または多層構造を有する種々の塗り床に適用可能である。すなわち本発明のエポキシ樹脂塗り床材を塗布し、硬化させて形成した層単層で塗り床を形成してもよいし、前記層を含む多層構造の塗り床を構成してもよい。
いずれの場合にも、有機酸や有機溶剤に対する耐性に優れ、例えば食品工場や厨房、あるいは印刷工場等の床として好適に利用しうる塗り床を構成することができる。
前記多層構造の塗り床を構成する他の層としては、例えば前記本発明のエポキシ樹脂塗り床材を塗布し、硬化させて形成される層の下に、先に形成されるプライマ層や、前記層の上に後から形成されるトップコート層等が挙げられる。
〈実施例1〉
下記の主剤成分と硬化剤成分とを組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
(主剤成分)
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔三菱化学(株)製のjER(登録商標)828、粘度:12〜15Pa・s(25℃)、エポキシ当量:184〜194〕80質量部、および反応性希釈剤としてのp−tert−ブチルフェノールグリシジルエーテル20質量部に、下記の各成分を配合して、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材の主剤成分を調製した。
Figure 2014101629
表1中の各成分は下記のとおり。
充填剤1:白石カルシウム(株)製のホワイトン(登録商標)B、重質炭酸カルシウム、平均粒子径:3.60μm
充填剤2:(株)龍森製のクリスタライト(登録商標)A−1、高純度結晶性石英フィラー、平均粒子径:12μm
消泡剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)−190
顔料:水系エポキシトナー、御国色素(株)製の商品名SAカラー
なお表中の質量部は、前記エポキシ樹脂と反応性希釈剤の合計量100質量部に対する質量部である。
(硬化剤成分)
硬化剤としてのジエチレントリアミン(炭素数4)のマンニッヒ変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールHD−355、DETAマンニッヒ変性物〕27質量部と、硬化触媒としてのトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール8質量部とを配合して、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材の硬化剤成分を調製した。なお両成分の質量部は、前記エポキシ樹脂と反応性希釈剤の合計量100質量部に対する質量部である。
〈実施例2〉
硬化剤として、トリエチレンテトラミン(炭素数6)のマンニッヒ変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールE−9377A、TETAマンニッヒ変性物〕27質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製し、実施例1で調製したのと同じ主剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈実施例3〉
硬化剤として、ペンタエチレンヘキサミン(炭素数10)のマンニッヒ変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールE−9584、PEHAマンニッヒ変性物〕25質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも35質量部、水の量を42質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈実施例4〉
硬化触媒としてのトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの量を5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも35質量部、水の量を42質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈実施例5〉
硬化触媒としてのトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールの量を15質量部としたこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも37質量部、水の量を45質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈比較例1〉
硬化触媒としてのトリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも34質量部、水の量を40質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈比較例2〉
硬化剤として、エチレンジアミン(炭素数2)のマンニッヒ変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールD−377、EDAマンニッヒ変性物〕29質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製し、実施例1で調製したのと同じ主剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈比較例3〉
硬化剤として、メタキシリレンジアミンのマンニッヒ変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールSK−900、MXDAマンニッヒ変性物〕42質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも39質量部、水の量を47質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈比較例4〉
硬化剤として、イソフォロンジアミンのマンニッヒ変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールI−9511A、IPDAマンニッヒ変性物〕40質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも39質量部、水の量を47質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈比較例5〉
硬化剤として、トリエチレンテトラミンのアダクト変性物〔大都産業(株)製の商品名ダイトクラールE−5870A、TETAアダクト変性物〕23質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして硬化剤成分を調製した。また、充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量をいずれも35質量部、水の量を41質量部としたこと以外は実施例1と同様にして主剤成分を調製し、前記硬化剤成分と組み合わせて、2液タイプのエポキシ樹脂塗り床材を構成した。
〈参考例1〉
水を含まない非水系のエポキシ樹脂塗り床材の参考例として、実施例1の主剤成分、硬化剤成分から水、および硬化触媒を除いた各成分を配合してエポキシ樹脂塗り床材を調製した。なお充填剤1としての重質炭酸カルシウム、および充填剤2としての高純度結晶性石英フィラーの量はいずれも34質量部とした。
〈有機酸、有機溶剤に対する耐性試験〉
前記各実施例、比較例の主剤成分と硬化剤成分とを混合してエポキシ樹脂塗り床材を調製し、当該エポキシ樹脂塗り床材、および前記参考例1のエポキシ樹脂塗り床材を、それぞれ型内に流し込み、温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間、硬化養生させて、縦50mm×横50mm×厚み5mmの板状の試験体を作製した。試験体は、各実施例、比較例、参考例ごとに4つずつ作製した。
次いで前記試験体の、23℃でのデュロメータタイプD硬さを(株)テクロック製のGS−720Gを用いて測定したのち、各試験体を、それぞれ有機酸としての20%酢酸、有機溶媒としてのn−メチル−2−ピロリドン(NMP)、酢酸エチル、またはアセトンに、温度23℃で24時間浸漬したのち引き上げて、再び23℃でのデュロメータタイプD硬さを測定した。
そして下記の基準で、有機酸、および有機溶剤に対する耐性を評価した。
◎:硬さ値は全く変化しなかった。耐性極めて良好。
○:硬さ値は低下したが、その差は5未満であった。耐性良好。
△:硬さ値は、5以上、10未満の範囲で低下した。耐性不良。
×:硬さ値は10以上低下した。耐性極めて不良。
以上の結果を表2、表3に示す。
Figure 2014101629
Figure 2014101629
表3の比較例1、参考例1の結果より、エポキシ樹脂塗り床材を水系とした場合には、形成した塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性が低下することが判った。
これに対し表2、表3の実施例1〜5、比較例1〜5の結果より、硬化剤として炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物を選択的に用い、かつ硬化触媒を併用することにより、水系のエポキシ樹脂塗り床材からなる塗り床の、有機酸や有機溶剤に対する耐性を、非水系のもの(参考例1)と同等程度まで向上できることが判った。しかも実施例1〜5のものは水系であるため、前記参考例1のように溶剤または希釈剤として有機溶剤を使用する必要がなく、当該有機溶剤を使用することによる問題を解消できることも確認された。
さらに表2の実施例1〜5の結果より、前記硬化触媒としては3級アミンが好ましいこと、前記3級アミンの配合割合は、エポキシ樹脂の総量、つまりエポキシ樹脂と反応性希釈剤の合計量100質量部あたり5質量部以上、特に6質量部以上であるのが好ましく、15質量部以下、特に10質量部以下であるのが好ましいことが判った。

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤、硬化触媒、および水を少なくとも含む水系のエポキシ樹脂塗り床材であって、前記硬化剤は、炭素数4以上のエチレンジアミン類のマンニッヒ変性物であることを特徴とするエポキシ樹脂塗り床材。
  2. 前記硬化触媒は3級アミンであり、前記3級アミンの配合割合は、エポキシ樹脂の総量100質量部あたり5質量部以上、15質量部以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂塗り床材。
  3. 前記請求項1または2に記載のエポキシ樹脂塗り床材を塗布して形成されたことを特徴とする塗り床。
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