JP2014100754A - ボルト締付装置及びボルト締付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボルト締付工程を合理化することが可能なボルト締付装置及びボルト締付方法を提供する。
【解決手段】ソケット3に設けられたノズル22からエアを噴射することでねじ穴24を洗浄する。これにより、ボルト締付工程とは別工程で行われていたねじ穴24の洗浄工程をボルト締付工程に集約することが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
【選択図】図2
【解決手段】ソケット3に設けられたノズル22からエアを噴射することでねじ穴24を洗浄する。これにより、ボルト締付工程とは別工程で行われていたねじ穴24の洗浄工程をボルト締付工程に集約することが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、ボルト締付装置及びボルト締付方法に関するもので、特に、ソケットにボルトが装着されるボルト締付装置及びボルトが装着されたソケットを回転させてボルトを締付ける方法に関する。
ソケットに装着されたボルトを規定トルクで締付けるボルト締付装置として、ナットランナが周知である(例えば、特許文献1参照)。ナットランナは、例えば、自動車製造ラインのエンジン組立工程で使用される。この場合、ボルトを締付ける直前に部品のねじ穴をエアブローによって清掃する必要がある。これは、ワークが搬送される過程でねじ穴に入り込んだ切粉等の異物を除去するためである。
前述したエアブローによるねじ穴の清掃は、作業者が各ねじ穴毎に行っていたので、作業効率が悪く工数が増大する要因になっていた。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ボルト締付工程を合理化することが可能なボルト締付装置及びボルト締付方法の提供を課題としてなされたものである。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ボルト締付工程を合理化することが可能なボルト締付装置及びボルト締付方法の提供を課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のボルト締付装置は、ボルトが装着されるソケットを備え、前記ソケットを回転させて対象となるねじ穴に前記ボルトを締付けるボルト締付装置であって、前記ソケットは、凹形に形成されて前記ボルトの頭部を保持するボルト装着部と、前記ボルト装着部の開口周縁に設けられて前記ねじ穴へ向けて流体を噴射するノズルと、流体供給源から圧送される流体を前記ノズルへ供給する流体回路と、を有することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のボルト締付方法は、請求項1または2に記載のボルト締付装置を使用するボルト締付方法であって、ソケットにボルトを装着するステップと、前記ソケットに設けられたノズルから流体を噴射して対象となるねじ穴を洗浄するステップと、前記ソケットを回転させて前記ねじ穴に前記ボルトを締付けるステップと、を含むことを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)、(3)、(5)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1、2、3の各々に相当する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)、(3)、(5)項の各々が、特許請求の範囲に記載した請求項1、2、3の各々に相当する。
(1)ボルトが装着されるソケットを備え、ソケットを回転させて対象となるねじ穴にボルトを締付けるボルト締付装置であって、ソケットは、凹形に形成されてボルトの頭部を保持するボルト装着部と、ボルト装着部の開口周縁に設けられてねじ穴へ向けて流体を噴射するノズルと、流体供給源から圧送される流体をノズルへ供給する流体回路と、を有するボルト締付装置。
本項に記載のボルト締付装置によれば、ソケットにノズルを設けたことにより、ノズルから噴射される流体によって対象となるねじ穴を洗浄することができる。これにより、ボルトが締付けられる直前のタイミングでねじ穴に流体を噴射してねじ穴内の異物を除去する、延いては、ねじ穴の洗浄工程をボルト締付工程に組み込むことができる。その結果、作業者によって実施されていたエアブローによってねじ穴内の異物を除去する工程を省く(ボルト締付工程に集約する)ことが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
また、本項に記載のボルト締付装置では、ねじ穴に対して同軸上に位置決めされるソケットにノズルが設けられるので、ノズルから噴射された流体をねじ穴の軸線に沿ってねじ穴の底部へ向けて送り込むことが可能であり、ねじ穴内の異物を確実に除去することができる。さらに、機械加工工程でねじ穴が洗浄される従来技術では、洗浄工程とボルト締付工程との間を搬送する過程でワークのねじ穴に異物が入り込み、この異物がねじに噛み込むことでボルトの締付け不良が発生する虞があったが、本項に記載のボルト締付装置では、そのようなボルトの締付け不良を抑止することが可能であり、品質の向上に貢献することができる。また、ソケットがねじ穴に対して同軸上に位置決めされると同時にねじ穴内の異物が流体を噴射することにより除去されるので、流体の噴射に伴うボルト締付工程における工数の増加は皆無である。
なお、ノズルは、ボルト装着部の開口周縁に開口する穴、換言すると、ソケットの環形の端面に開口する穴とすることができる。この場合、ねじ穴内の異物の除去をより効率的に行うことができるように、ノズル(穴)の軸線をソケットの軸線(ねじ穴の軸線)に対して傾けて配置することができる。また、ソケットに複数個のノズルを設けることができる。さらに、穴の開口に銅パイプ等の筒体を装着してノズルとした場合、流体の噴射方向を調節することができる。
また、ノズルから噴射される流体は、例えば、エア、窒素ガス、アルゴンガス等の気体、あるいは、潤滑剤等の液体の中から適宜選択することができる。以下、選択可能な流体の一例としてエアを挙げて説明するが、ノズルから噴射される流体がエアに限定されるものではないことはもちろんである。
本項に記載のボルト締付装置によれば、ソケットにノズルを設けたことにより、ノズルから噴射される流体によって対象となるねじ穴を洗浄することができる。これにより、ボルトが締付けられる直前のタイミングでねじ穴に流体を噴射してねじ穴内の異物を除去する、延いては、ねじ穴の洗浄工程をボルト締付工程に組み込むことができる。その結果、作業者によって実施されていたエアブローによってねじ穴内の異物を除去する工程を省く(ボルト締付工程に集約する)ことが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
また、本項に記載のボルト締付装置では、ねじ穴に対して同軸上に位置決めされるソケットにノズルが設けられるので、ノズルから噴射された流体をねじ穴の軸線に沿ってねじ穴の底部へ向けて送り込むことが可能であり、ねじ穴内の異物を確実に除去することができる。さらに、機械加工工程でねじ穴が洗浄される従来技術では、洗浄工程とボルト締付工程との間を搬送する過程でワークのねじ穴に異物が入り込み、この異物がねじに噛み込むことでボルトの締付け不良が発生する虞があったが、本項に記載のボルト締付装置では、そのようなボルトの締付け不良を抑止することが可能であり、品質の向上に貢献することができる。また、ソケットがねじ穴に対して同軸上に位置決めされると同時にねじ穴内の異物が流体を噴射することにより除去されるので、流体の噴射に伴うボルト締付工程における工数の増加は皆無である。
なお、ノズルは、ボルト装着部の開口周縁に開口する穴、換言すると、ソケットの環形の端面に開口する穴とすることができる。この場合、ねじ穴内の異物の除去をより効率的に行うことができるように、ノズル(穴)の軸線をソケットの軸線(ねじ穴の軸線)に対して傾けて配置することができる。また、ソケットに複数個のノズルを設けることができる。さらに、穴の開口に銅パイプ等の筒体を装着してノズルとした場合、流体の噴射方向を調節することができる。
また、ノズルから噴射される流体は、例えば、エア、窒素ガス、アルゴンガス等の気体、あるいは、潤滑剤等の液体の中から適宜選択することができる。以下、選択可能な流体の一例としてエアを挙げて説明するが、ノズルから噴射される流体がエアに限定されるものではないことはもちろんである。
(2)駆動源としてのエアモータを備え、エアモータへ供給される一次側のエアを分岐させてエア回路へ供給する分岐通路を有する(1)のボルト締付装置。
本項に記載のボルト締付装置では、例えば、ボルト締付装置がエアモータを駆動源とするナットランナである場合、一次側から分岐させたエアがエアブロー用のエア回路へ供給されるように構成する。この場合、エア源を新規に確保する必要がないので、装置を安価に構成することが可能である。
本項に記載のボルト締付装置では、例えば、ボルト締付装置がエアモータを駆動源とするナットランナである場合、一次側から分岐させたエアがエアブロー用のエア回路へ供給されるように構成する。この場合、エア源を新規に確保する必要がないので、装置を安価に構成することが可能である。
(3)ソケットとスピンドルとを連結するロータリジョイントを備え、エア回路は、ソケットに形成されてノズルに接続される第1エア回路と、エア供給源から圧送されるエアをロータリジョイントを経由して第1エア回路へ供給する第2エア回路と、を有する(1)、(2)のボルト締付装置。
本項に記載のボルト締付装置によれば、エア源のエアを回転するソケットに設けられたノズルへ供給することができる。
ここで、ロータリジョイントの軸線回りに相対回転可能な2つのジョイント部材のうち、一方のジョイント部材を回転部(シャフト)、他方のジョイント部材を非回転部(スリーブ)と定義する。この場合、ソケットとスピンドルとをロータリジョイントの回転部によって連結する。そして、ロータリジョイントの非回転部へエア供給源のエアを供給する。このように構成することにより、エア源のエアを回転するソケットに形成された第1エア回路へ供給することができる。
なお、ソケットは、市販品にノズル及び第1エア回路を追加工して使用してもよいし、必要に応じて専用に製作してもよい。
本項に記載のボルト締付装置によれば、エア源のエアを回転するソケットに設けられたノズルへ供給することができる。
ここで、ロータリジョイントの軸線回りに相対回転可能な2つのジョイント部材のうち、一方のジョイント部材を回転部(シャフト)、他方のジョイント部材を非回転部(スリーブ)と定義する。この場合、ソケットとスピンドルとをロータリジョイントの回転部によって連結する。そして、ロータリジョイントの非回転部へエア供給源のエアを供給する。このように構成することにより、エア源のエアを回転するソケットに形成された第1エア回路へ供給することができる。
なお、ソケットは、市販品にノズル及び第1エア回路を追加工して使用してもよいし、必要に応じて専用に製作してもよい。
(4)エア回路は、ソケットに形成されてノズルに接続される第1エア回路と、スピンドルに設けられて第1エア回路に接続されるエア供給路を有する(1)のボルト締付装置。
本項の態様において、例えば、ボルト締付装置がエアモータを駆動源とするナットランナであって、ナットランナのスピンドルにエアブロー用のエアを供給するためのエア供給路が設けられる場合、エアブロー用のエアをエア供給路から第1エア回路へ直接供給することができる。この場合、ロータリジョイント等のジョイントを必要としないことに加えて、エアブロー用の配管が外部に露出していないことから、(1)−(3)のボルト締付装置と比較して、ソケット周辺を省スペース化することができる。
本項の態様において、例えば、ボルト締付装置がエアモータを駆動源とするナットランナであって、ナットランナのスピンドルにエアブロー用のエアを供給するためのエア供給路が設けられる場合、エアブロー用のエアをエア供給路から第1エア回路へ直接供給することができる。この場合、ロータリジョイント等のジョイントを必要としないことに加えて、エアブロー用の配管が外部に露出していないことから、(1)−(3)のボルト締付装置と比較して、ソケット周辺を省スペース化することができる。
(5)(1)−(4)のボルト締付装置を使用するボルト締付方法であって、ソケットにボルトを装着するステップと、ソケットに設けられたノズルからエアを噴射して対象となるねじ穴を洗浄するステップと、ソケットを回転させてねじ穴にボルトを締付けるステップと、を含むボルト締付方法。
本項に記載のボルト締付方法によれば、ソケットに設けられたノズルからエアを噴射してねじ穴を洗浄するステップを含むので、ボルトが締付けられる直前のタイミングでねじ穴にエアを噴射してねじ穴内の異物を除去する、延いては、ねじ穴の洗浄工程をボルト締付工程に組み込むことができる。その結果、作業者によって実施されていたエアブローによってねじ穴内の異物を除去する工程を省く(ボルト締付工程に集約する)ことが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
また、本項に記載のボルト締付方法では、ねじ穴に対して同軸上に位置決めされるソケットに設けられたノズルからエアが噴射されるので、エアをねじ穴の軸線に沿ってねじ穴の底部へ向けて送り込むことができ、ねじ穴内の異物を確実に除去することが可能である。さらに、機械加工工程でねじ穴が洗浄される場合、洗浄工程とボルト締付工程との間を搬送する過程でワークのねじ穴に異物が入り込み、この異物がねじに噛み込むことでボルトの締付け不良が発生する虞があったが、本項に記載のボルト締付装置では、そのようなボルトの締付け不良を抑止することが可能であり、品質の向上に貢献することができる。また、ソケットがねじ穴に対して同軸上に位置決めされると同時にねじ穴内の異物が噴射されたエアによって除去されるので、エアの噴射に伴うボルト締付工程における工数の増加は皆無である。
本項に記載のボルト締付方法によれば、ソケットに設けられたノズルからエアを噴射してねじ穴を洗浄するステップを含むので、ボルトが締付けられる直前のタイミングでねじ穴にエアを噴射してねじ穴内の異物を除去する、延いては、ねじ穴の洗浄工程をボルト締付工程に組み込むことができる。その結果、作業者によって実施されていたエアブローによってねじ穴内の異物を除去する工程を省く(ボルト締付工程に集約する)ことが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
また、本項に記載のボルト締付方法では、ねじ穴に対して同軸上に位置決めされるソケットに設けられたノズルからエアが噴射されるので、エアをねじ穴の軸線に沿ってねじ穴の底部へ向けて送り込むことができ、ねじ穴内の異物を確実に除去することが可能である。さらに、機械加工工程でねじ穴が洗浄される場合、洗浄工程とボルト締付工程との間を搬送する過程でワークのねじ穴に異物が入り込み、この異物がねじに噛み込むことでボルトの締付け不良が発生する虞があったが、本項に記載のボルト締付装置では、そのようなボルトの締付け不良を抑止することが可能であり、品質の向上に貢献することができる。また、ソケットがねじ穴に対して同軸上に位置決めされると同時にねじ穴内の異物が噴射されたエアによって除去されるので、エアの噴射に伴うボルト締付工程における工数の増加は皆無である。
本発明によれば、ボルト締付工程を合理化することが可能なボルト締付装置及びボルト締付方法を提供することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
ここでは、本発明が適用されたボルト締付装置としてナットランナ1を例示する。なお、ナットランナ1は、エアモータを駆動源としてスピンドル2に着脱可能に装着されたソケット3を回転させる周知のナットランナと基本構造が同一である。したがって、以下の説明において、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、ナットランナ1の基本構造に関連する説明を省略する。また、便宜上、図における上方向(上側)を上方向(上側)並びに図における下方向(下側)を下方向(下側)と定義する。
本発明の第1実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
ここでは、本発明が適用されたボルト締付装置としてナットランナ1を例示する。なお、ナットランナ1は、エアモータを駆動源としてスピンドル2に着脱可能に装着されたソケット3を回転させる周知のナットランナと基本構造が同一である。したがって、以下の説明において、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、ナットランナ1の基本構造に関連する説明を省略する。また、便宜上、図における上方向(上側)を上方向(上側)並びに図における下方向(下側)を下方向(下側)と定義する。
図1に示されるように、ナットランナ1は、遊星歯車機構等の減速機構が収容された円筒形のハウジング4を有する。ハウジング4の下端部にはスプライン軸5が設けられており、このスプライン軸5には、ボルト締付時の反力を受けるためのステーの先端のボス部6に設けられたスプライン穴7が結合される。また、ナットランナ1は、スプライン軸5の端面中央から突出するスピンドル2を有する。周知のように、スピンドル2は、軸直角平面による断面が略正方形に形成されており、予め定められた側面には、ソケット3を連結させる時に利用される凹部が形成されている。
ソケット3は、ボルト9の頭部10(図2参照)を保持するための凹形状のボルト装着部11を有する。ボルト装着部11はソケット3の下端部端面12に開口して、これにより、ソケット3の下側部分は筒形状に形成される。ソケット3は、同軸上に配置されたロータリジョイント13を介してスピンドル2に連結される。ロータリジョイント13は、上端部にスピンドル2が結合されるとともに下端部にソケット3が結合されるシャフト14と、シャフト14に外挿されてシャフト14に対して軸線回りに相対回転可能なスリーブ15とを有する。
シャフト14の上端部端面16の中央には、スピンドル2を結合させるための凹部17が設けられる。他方、シャフト14の下端部端面18の中央には、ソケット3を結合させるための凸部19が設けられる。なお、シャフト14の凹部17は、ソケット3の上端部端面20に開口する凹部21(周知のソケットに設けられるスピンドルを結合させる部分)と同一形状に形成することができる。同様に、シャフト14の凸部19は、スピンドル2と同一形状に形成することができる。さらに、ナットランナ1は、スリーブ15がステーのボス部6に対して軸線回りに回転するのを阻止する回り止め機構を有する。これにより、ナットランナ1は、エアモータの駆動によってスピンドル2を回転させることで、スリーブ15は固定(軸線回りに回転しない)で、シャフト14とソケット3とが軸線回りに一体で回転される構造になっている。
図1に示されるように、ナットランナ1は、ソケット3に設けられる2つのノズル22と、ナットランナ1の一次側(エア供給源)を分岐させたエアをノズル22へ供給するエア回路とを有する。ノズル22は、前述したソケット3の下側の筒形状に形成された部分、すなわち、ソケット3の外周面23とボルト装着部11との間に形成されており、噴射口がソケット3の下端部端面12(ボルト装着部11の開口周縁)に開口される。また、ノズル22は、エア(流体)が対象となるねじ穴24(図2参照)の底部25へ向けて噴射されるように、ナットランナ1の軸線に対して角度を持たせて配置される。なお、便宜上、ノズル22へ向かう方向をエア回路における下流側、その反対方向をエア回路における上流側と定義する。
エア回路は、ソケット3に形成される第1エア回路26と、第1エア回路26へエアを供給するための第2エア回路27とによって構成される。第1エア回路26は、下流側端部がノズル22に接続されるとともに上流側端部がソケット3の外周面23に設けられた第1ポート28に接続される2つの第1エア通路29を含む。なお、第1実施形態では、市販のソケット3を流用することが可能であり、第1エア回路26は、ソケット3に追加工することにより形成することができる。
第2エア回路27は、第2エア通路30、第3エア通路31、第4エア通路32及び第5エア通路33を含む。第2エア通路30は、上流側端部がナットランナ1の一次側のエア配管の分岐部に接続されるとともに、下流側端部がスリーブ15の外周面34に設けられた第2ポート35に接続される。第3エア通路31は、上流側端部が第2ポート35に接続されるとともに、下流側端部がシャフト14の外周面36(スリーブ15との接触面)に設けられた周方向へ延びる環形状の溝部37に開口(連通)される。
第4エア通路32は、上流側端部が溝部37の底面に開口されるとともに、下流側端部がシャフト14の外周面36(スリーブ15との非接触面)に設けられて溝部37の下方に配置された第3ポート38に接続される。そして、第5エア通路33は、上流側端部が第3ポート38に接続されるとともに、下流側端部がソケット3の第1ポート28に接続されるチューブによって構成される。なお、溝部37の上下方向両側には、溝部37と外気との連通を阻止するためのOリング等のシール部材が設けられる。
次に、図2を参照して第1実施形態のナットランナ1(ボルト締付装置)を使用したボルト締付方法を説明する。
(ボルト装着ステップ)
まず、ソケット3のボルト装着部11でボルト9の頭部10を保持するようにして、ソケット3にボルト9を装着する。なお、ボルト9は、作業者が直接装着する他、周知のボルト供給装置によって供給することができる。
(ボルト装着ステップ)
まず、ソケット3のボルト装着部11でボルト9の頭部10を保持するようにして、ソケット3にボルト9を装着する。なお、ボルト9は、作業者が直接装着する他、周知のボルト供給装置によって供給することができる。
(エアブローステップ)
ソケット3にボルト9が装着されると、ナットランナ1は対象となるねじ穴24に対して同軸上に位置決めされる。この状態で、エア回路によって供給されるエアが、ノズル22からねじ穴24の底部25へ向けて噴射される。これにより、ねじ穴24内に切粉等の異物がある場合、この異物はエアブロー効果によってねじ穴24外へ排出される。
ソケット3にボルト9が装着されると、ナットランナ1は対象となるねじ穴24に対して同軸上に位置決めされる。この状態で、エア回路によって供給されるエアが、ノズル22からねじ穴24の底部25へ向けて噴射される。これにより、ねじ穴24内に切粉等の異物がある場合、この異物はエアブロー効果によってねじ穴24外へ排出される。
(ボルト締付ステップ)
一方、ノズル22からエアが噴射されると同時に、ソケット3を予め定められた回転速度で軸線回りに回転させる。そして、ナットランナ1を軸線に沿って下方向へ予め定められた送り速度で移動させて、ソケット3に装着されたボルト9をねじ穴24に螺合させるとともに予め定められたトルクで締付ける。このように、第1実施形態では、エアブローステップは、ボルト締付ステップに並行して行われる。
一方、ノズル22からエアが噴射されると同時に、ソケット3を予め定められた回転速度で軸線回りに回転させる。そして、ナットランナ1を軸線に沿って下方向へ予め定められた送り速度で移動させて、ソケット3に装着されたボルト9をねじ穴24に螺合させるとともに予め定められたトルクで締付ける。このように、第1実施形態では、エアブローステップは、ボルト締付ステップに並行して行われる。
第1実施形態では以下の効果を奏する。
第1実施形態によれば、ソケット3に設けられたノズル22から噴射されるエアによってねじ穴24が洗浄されるので、ボルト9が締付けられる直前のタイミングでねじ穴24をエアブローしてねじ穴24内の異物を除去する、延いては、ねじ穴24の洗浄工程をボルト締付工程に組み込むことができる。
これにより、作業者によって実施されていたエアブローによってねじ穴24内の異物を除去する工程を省く(ボルト締付工程に集約する)ことが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
第1実施形態によれば、ソケット3に設けられたノズル22から噴射されるエアによってねじ穴24が洗浄されるので、ボルト9が締付けられる直前のタイミングでねじ穴24をエアブローしてねじ穴24内の異物を除去する、延いては、ねじ穴24の洗浄工程をボルト締付工程に組み込むことができる。
これにより、作業者によって実施されていたエアブローによってねじ穴24内の異物を除去する工程を省く(ボルト締付工程に集約する)ことが可能であり、ボルト締付工程を合理化することができる。
また、第1実施形態では、ねじ穴24に対して同軸上に位置決めされるソケット3に設けられたノズル22からエアが噴射されるので、エアをねじ穴24の軸線に沿ってねじ穴24の底部25へ向けて送り込むことが可能であり、ねじ穴24内の異物を確実に除去することができる。さらに、ワークを搬送する過程でワークのねじ穴24に入り込んだ異物に起因するボルト9の締付け不良を抑止することが可能であり、品質の向上に貢献することができる。
さらに、第1実施形態では、ナットランナ1の一次側から分岐させたエアがエアブロー用のエア回路へ供給されるので、エア源を新規に確保する必要がなく、装置を安価に構成することができる。
なお、第1実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
第1実施形態では、ボルト締付装置としてナットランナ1を例示したが、本発明は、例えば、インパクトレンチ等にも適用することができる。
第1実施形態では、ボルト締付装置としてエアモータを駆動源とするナットランナ1を例示したが、電動モータを駆動源とするナットランナにも適用することができる。この場合、エア回路へエアを供給するためのエア供給源を別途に確保する必要があるが、エア供給源を他の流体供給源とするが可能であり、窒素ガス、アルゴンガス等の気体、あるいは、潤滑剤等の液体の中から適宜選択した流体を、ノズルから噴射するようにボルト締付装置を構成することができる。
第1実施形態では、市販のソケットに第1エア回路26を追加工してソケット3を得るようにしたが、専用のソケット3を製作してもよい
ノズル22からねじ穴24の底部25へ向けてエアを噴射するエアブローのタイミングは適宜設定することができる。この場合、エアブローのタイミングを設定するため、ソレノイドバルブ等を含む周知のエア回路を適用することができる。
第1実施形態では、ボルト締付装置としてナットランナ1を例示したが、本発明は、例えば、インパクトレンチ等にも適用することができる。
第1実施形態では、ボルト締付装置としてエアモータを駆動源とするナットランナ1を例示したが、電動モータを駆動源とするナットランナにも適用することができる。この場合、エア回路へエアを供給するためのエア供給源を別途に確保する必要があるが、エア供給源を他の流体供給源とするが可能であり、窒素ガス、アルゴンガス等の気体、あるいは、潤滑剤等の液体の中から適宜選択した流体を、ノズルから噴射するようにボルト締付装置を構成することができる。
第1実施形態では、市販のソケットに第1エア回路26を追加工してソケット3を得るようにしたが、専用のソケット3を製作してもよい
ノズル22からねじ穴24の底部25へ向けてエアを噴射するエアブローのタイミングは適宜設定することができる。この場合、エアブローのタイミングを設定するため、ソレノイドバルブ等を含む周知のエア回路を適用することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図3を参照して説明する。
なお、前述した第1実施形態のナットランナ1の構成に相当する第2実施形態のナットランナ41の要素には同一の名称及び符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
本発明の第2実施形態を図3を参照して説明する。
なお、前述した第1実施形態のナットランナ1の構成に相当する第2実施形態のナットランナ41の要素には同一の名称及び符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
第2実施形態のナットランナ41は、第5エア通路33を持たない点で第1実施形態のナットランナ1と相違する。すなわち、ナットランナ41では、ソケット3に設けられた第1エア通路29が、ロータリジョイント13のシャフト14に設けられた第4エア通路32に直接接続される。このため、ナットランナ41では、第1エア通路29の上流側端部がソケット3の上端部端面20に開口されるとともに、第4エア通路32の下流側端部が第1エア通路29の上流側端部に整合させるようにしてシャフト14の下端部端面18に開口される。なお、第1エア通路29と第4エア通路32との接続部は、Oリング等のシール部材によってシールされる。
第2実施形態によれば、前述した第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。また、第2実施形態では、第1実施形態に対して、第5エア通路33を省略することで構造を簡素化することができる。これにより、ソケット3周辺を省スペース化することが可能である。また、製造コストを削減することができるとともに組付け性を向上させることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図4を参照して説明する。
なお、前述した第1及び第2実施形態のナットランナ1及び41の構成に相当する第3実施形態のナットランナ51の要素には同一の名称及び符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
本発明の第3実施形態を図4を参照して説明する。
なお、前述した第1及び第2実施形態のナットランナ1及び41の構成に相当する第3実施形態のナットランナ51の要素には同一の名称及び符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
第3実施形態のナットランナ51は、ソケット3とロータリジョイント13のシャフト14とを一体化させた点で第2実施形態のナットランナ41と相違する。ナットランナ51は、図4においてソケット3の左右両側に配置された各第1エア通路29を連通させる第6エア通路52を有しており、第4エア通路32の下流側端部が第6エア通路52にナットランナ51の軸線上で接続される。なお、第3実施形態では、ソケット3を専用に製作する必要がある。
第3実施形態によれば、前述した第1及び第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。また、第3実施形態では、ソケット3とシャフト14とが一体化されたことにより、第2実施形態に対して組付け性を向上させることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図5を参照して説明する。
なお、前述した第1、第2、第3実施形態のナットランナ1、41、51の構成に相当する第4実施形態のナットランナ61の要素には同一の名称及び符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
本発明の第4実施形態を図5を参照して説明する。
なお、前述した第1、第2、第3実施形態のナットランナ1、41、51の構成に相当する第4実施形態のナットランナ61の要素には同一の名称及び符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
第4実施形態のナットランナ61は、周知のナットランナのように、ソケット3がロータリジョイントを介さずに、直接、スピンドル2に装着される。ナットランナ61は、スピンドル2の軸線上にスピンドル2を貫通して設けられて下流側端部がスピンドル2の端面62の中央に開口される第7エア通路63を有する。また、第6エア通路52は、第7エア通路63の下流側端部に整合させるようにしてソケット3の凹部21の底部中央に開口される。なお、第6エア通路52と第7エア通路63との接続部は、Oリング等のシール部材によってシールされる。また、第7エア通路63は、ナットランナ61の本体内部を通過して上流側端部が一次側のエア配管に接続される。
第4実施形態によれば、前述した第1乃至第3実施形態と同等の作用効果を得ることができる。また、第4実施形態では、第1乃至第3実施形態に対してロータリジョイント13が省略されるため、ナットランナ61の軸線方向の全長を短縮する(周知のナットランナと全長を同じにする)ことがことができる。
1 ナットランナ(ボルト締付装置)、3 ソケット、9 ボルト、11 ボルト装着部、12 下端部端面(ボルト装着部の開口周縁)、22 ノズル、24 ねじ穴、26 第1エア回路、27 第2エア回路
Claims (3)
- ボルトが装着されるソケットを備え、前記ソケットを回転させて対象となるねじ穴に前記ボルトを締付けるボルト締付装置であって、
前記ソケットは、
凹形に形成されて前記ボルトの頭部を保持するボルト装着部と、
前記ボルト装着部の開口周縁に設けられて前記ねじ穴へ向けて流体を噴射するノズルと、
流体供給源から圧送される流体を前記ノズルへ供給する流体回路と、
を有することを特徴とするボルト締付装置。 - 前記ソケットとスピンドルとを連結するロータリジョイントを備え、
前記流体回路は、
前記ソケットに形成されて前記ノズルに接続される第1流体回路と、
前記流体供給源から圧送される流体を前記ロータリジョイントを経由して前記第1流体回路へ供給する第2流体回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のボルト締付装置。 - 請求項1または2に記載のボルト締付装置を使用するボルト締付方法であって、
ソケットにボルトを装着するステップと、
前記ソケットに設けられたノズルから流体を噴射して対象となるねじ穴を洗浄するステップと、
前記ソケットを回転させて前記ねじ穴に前記ボルトを締付けるステップと、
を含むことを特徴とするボルト締付方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012253298A JP2014100754A (ja) | 2012-11-19 | 2012-11-19 | ボルト締付装置及びボルト締付方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220170560A (ko) * | 2021-06-23 | 2022-12-30 | (주)바텍 | 자동 볼트 압입기 |
-
2012
- 2012-11-19 JP JP2012253298A patent/JP2014100754A/ja active Pending
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KR20220170560A (ko) * | 2021-06-23 | 2022-12-30 | (주)바텍 | 자동 볼트 압입기 |
KR102517555B1 (ko) * | 2021-06-23 | 2023-04-04 | (주)바텍 | 자동 볼트 압입기 |
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