JP2014098820A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のローラ部材に張架したベルト部材を当接回転体に当接させた初期段階において、外部加熱ベルトに不安定な寄り移動が発生してもローラ部材の端部を超えてベルト部材が寄り移動しにくい画像加熱装置を提供する。
【解決手段】外部加熱ベルト105を定着ローラ101に当接させた状態で、フォトインタラプタ133、134の出力に基づいてウォームホイール118を制御して、上流ローラ103および下流ローラ104の端部の所定位置で外部加熱ベルト105の寄り移動を反転させる。制御部140は、外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間した後、定着ローラ101に当接する前に、定着ローラ101に当接後の外部加熱ベルト105が寄り移動の中心側へ向かって寄り移動する方向の交差角度θを設定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録材のニップ部を形成する当接回転体に、複数のローラ部材に張架したベルト部材を当接させて回転させる画像加熱装置、詳しくはローラ部材からベルト部材を離間して再び当接した際のベルト部材の寄り移動の不安定を回避する制御に関する。
像担持体に形成したトナー像を直接又は中間転写体を介して記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を画像加熱装置の一例である定着装置で加熱加圧して記録材に画像を定着させる画像形成装置が広く用いられている。画像加熱装置は、当接回転体の一例である加熱回転体(ベルト部材又はローラ部材)に同じく当接回転体の一例である圧接回転体(ベルト部材又はローラ部材)を圧接して記録材のニップ部を形成している。
近年、画像加熱装置の生産性の向上や厚紙の加熱処理への対応等から熱負荷が高まって加熱回転体の表面温度の低下が発生し易くなっている。そのため、加熱回転体のニップ部の上流側に外部加熱ベルトを当接させて配置し、加熱回転体の周面を外側から補助加熱する画像形成装置が実用化されている(特許文献1)。
一般的に、複数のローラ部材にベルト部材を張架して回転させると、ベルト部材には、ローラ部材に沿った寄り移動が発生し、寄り移動を放置するとベルト部材がローラ部材から脱落する可能性がある(特許文献2)。このため、特許文献2の定着装置では、ベルトエッジを検知するフォトインタラプタの出力に基づいて、1本のローラ部材の傾き角度を調整してベルト部材の寄り移動を動的に制御するステアリング制御を採用している。ベルト部材が寄り移動してローラ部材の端部に達するごとに、1本のローラ部材の傾き角度を反転させて、ローラ部材に沿ったベルト部材の寄り移動を反転させている。
特開2007−212896号公報 特開2009−163073号公報
しかし、特許文献2のステアリング機構は、後述するように、加熱回転体や圧接回転体としてのベルト部材には応用できても、加熱回転体よりも小型に形成されるべき外部加熱ベルトでは応用が難しい。
そこで、複数のローラ部材に外部加熱ベルトを張架して加熱回転体に当接させた状態で、当接面に沿った方向へ複数のローラ部材を一体に回動して複数のローラ部材に沿った外部加熱ベルトの寄り移動を制御するステアリング機構が提案された。図5に示すように、加熱回転体(101)と外部加熱ベルト(105)の当接面における加熱回転体(101)の母線と外部加熱ベルト(105)の母線の交差角度θを右回り方向と左回り方向とに反転して、寄り移動の方向を反転している。
ところで、普通紙のような熱負荷の小さな記録材の加熱処理においては、外部加熱ベルトは不要なため、加熱回転体から離間させておくことが望ましい。そして、厚紙のような熱負荷の大きな記録材の加熱処理に際して、初めて外部加熱ベルトを加熱回転体へ当接させることが望ましい。しかし、複数のローラ部材を一体に回動して外部加熱ベルトの寄り移動を制御する上述のステアリング機構では、外部加熱ベルトを加熱回転体へ当接させた初期段階において、外部加熱ベルトの寄り移動が不安定になり易い。外部加熱ベルトが複数のローラ部材の端部に達する直前の状態で離間して待機させた後に、そのまま加熱回転体に当接させると、そこからローラ部材の外側へ向かう寄り移動が発生して、ベルト部材がローラ部材の端部を超える可能性がある。
本発明は、複数のローラ部材に張架したベルト部材を当接回転体に当接させた初期段階において、外部加熱ベルトに不安定な寄り移動が発生してもローラ部材の端部を超えてベルト部材が寄り移動しにくい画像加熱装置を提供することを目的としている。
本発明の画像加熱装置は、記録材に当接して回転する当接回転体と、前記当接回転体との間に当接面を形成して回転するベルト部材と、前記ベルト部材を張架する複数のローラ部材と、前記当接面に交差する方向へ前記複数のローラ部材を一体に移動して前記当接回転体に対して前記ベルト部材を接離させる接離機構と、前記当接面に沿った方向へ前記複数のローラ部材を一体に回動して前記当接面における前記当接回転体の母線と前記ベルト部材の母線の交差角度を変更する回動機構と、前記複数のローラ部材に沿って前記ベルト部材が寄り移動して前記複数のローラ部材の端部の所定位置で前記ベルト部材の寄り移動が反転するように前記回動機構を制御する制御手段と、を備えるものである。そして、前記制御手段は、前記ベルト部材が前記当接回転体から離間した後、前記当接回転体に当接する前に、前記回動機構を作動させて、それまでの回動角度よりも絶対値が小さい回動角度を前記交差角度として設定する。
本発明の画像加熱装置では、ベルト部材を当接回転体に当接する前に、当接後のベルト部材の寄り移動の速度が小さくなるように交差角度を設定するので、当接後にベルト部材が複数のローラ部材に沿って外側へ移動する場合の寄り速度も小さくなる。したがって、複数のローラ部材に張架したベルト部材を当接回転体に当接させた初期段階において、外部加熱ベルトに不安定な寄り移動が発生してもローラ部材の端部を超えてベルト部材が寄り移動しにくい。
画像形成装置の構成の説明図である。 実施例1の定着装置の構成の説明図である。 外部加熱ベルトの接離機構の説明図である。 外部加熱ユニットの外観の斜視図である。 定着ローラと外部加熱ベルトの交差角度の説明図である。 外部加熱ベルトのステアリング機構の説明図である。 ステアリング機構の駆動部の説明図である。 ステアリング機構の駆動部の拡大図である。 支持軸の移動量と外部加熱ベルトの寄り力の関係の説明図である。 ベルト寄り量検知センサの配置の説明図である。 ベルト寄り方向とセンサフラグの回転方向の関係の説明図である。 定着装置の制御系のブロック図である。 外部加熱ベルトのステアリング制御のフローチャートである。 実施例2におけるベルト寄り位置検出の説明図である。 実施例2における離間後の交差角度の設定の説明図である。 実施例2の制御のフローチャートである。 実施例3における離間後の交差角度の設定の説明図である。 実施例5における外部加熱ベルトの寄り移動の反転タイミングの説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト130に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部Paでは、感光ドラム3aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト130に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム3bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト130に一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、感光ドラム3c、3dにそれぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、中間転写ベルト130に順次一次転写される。
記録材Pは、記録材カセット10から1枚ずつ取り出されてレジストローラ12で待機する。レジストローラ12は、中間転写ベルト130上のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ給送する。二次転写部T2を搬送されて中間転写ベルト130から四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置9へ搬送され、定着装置9で加熱加圧を受けてトナー像を定着された後に、機体外部のトレイ7へ排出される。
両面印刷の場合、第一面にトナー像を転写して定着装置9で画像を定着された記録材Pは、フラッパー16によって反転パス18に導かれる。反転パス18の記録材Pは、反転ローラ17により反転されて両面パス19へ導かれる。そして、記録材Pは、再び、レジストローラ12で待機して二次転写部T2へ送り込まれて第二面にトナー像が転写される。定着装置9で第二面に画像が定着されて両面に画像が定着された記録材が機体外部のトレイへ7排出される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置1a、1b、1c、1dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、画像形成部Pb、Pc、Pdに関する重複した説明を省略する。
画像形成部Paは、感光ドラム3aの周囲に、帯電ローラ2a、露光装置5a、現像装置1a、一次転写ローラ6a、及びドラムクリーニング装置4aを配置している。感光ドラム3aは、アルミニウムの円筒材料の表面に感光層が形成されている。
帯電ローラ2aは、感光ドラム3aの表面を一様な電位に帯電させる。露光装置5aは、レーザービームを走査して感光ドラム3aに画像の静電像を書き込む。現像装置1aは、静電像を現像して感光ドラム3aにトナー像を形成する。一次転写ローラ6aは、電圧を印加されて感光ドラム3aのトナー像を中間転写ベルト130へ一次転写させる。
ドラムクリーニング装置4aは、感光ドラム3aにクリーニングブレードを摺擦させて、中間転写ベルト130への転写を逃れて感光ドラム3aに付着した転写残トナーを回収する。ベルトクリーニング装置15は、二次転写部T2で記録材への転写を逃れて中間転写ベルト130に付着した転写残トナーを回収する。
<定着装置>
図2は実施例1の定着装置の構成の説明図である。図2に示すように、定着装置9は、定着ローラ101に加圧ローラ102を圧接して、記録材のニップ部Nを形成する。ニップ部Nは、未定着トナーKを担持した記録材Pを挟持搬送して、トナーを融解して記録材P上に画像を定着させる。定着ローラ101は、芯金101aの外周面に弾性層101bを配置し、弾性層101bの表面を離型層101cで被覆している。定着ローラ101は、不図示のギア列を含む駆動機構141に駆動されて、矢印A方向に所定のプロセススピードで回転する。
加圧ローラ102は、芯金102aの外周面に弾性層102bを配置し、弾性層102bの表面を離型層102cで被覆している。加圧ローラ102は、駆動機構141に駆動されて、矢印B方向に所定のプロセススピードで回転する。加圧ローラ102は、偏心カムを用いた不図示の加圧機構に駆動されて、定着ローラ101に対して接離する。不図示の加圧機構は、加圧ローラ102を所定の加圧力で定着ローラ101に加圧して、定着ローラ101と加圧ローラ102の間にニップ部Nを形成する。
ハロゲンヒータ111は、定着ローラ101の芯金101aの内部に非回転に配置される。サーミスタ121は、定着ローラ101に接触して配置されて定着ローラ101の表面温度を検出する。制御部140は、サーミスタ121の検出温度に応じてハロゲンヒータ111をON/OFF制御して、定着ローラ101の表面温度を記録材の種類に応じた所定の目標温度に維持する。
ハロゲンヒータ112は、加圧ローラ102の芯金102aの内部に非回転に配置される。サーミスタ122は、加圧ローラ102に接触して配置されて加圧ローラ102の表面温度を検出する。制御部140は、サーミスタ122の検出温度に応じてハロゲンヒータ112をON/OFF制御して、加圧ローラ102の表面温度を所定の目標温度に維持する。
外部加熱ベルト105の表層は、記録材から移転(オフセット)したトナーや紙粉等の異物の付着によって汚れるため、外部加熱ベルト105の表層を清掃するクリーニングローラ108が必要となる。クリーニングローラ108は、表面に設けたシリコンゴム層にトナーや紙粉等の異物を吸着する。クリーニングローラ108は、所定の圧力で外部加熱ベルト105に押圧されて従動回転して、外部加熱ベルト105の表面をクリーニングする。
<外部加熱ベルト>
図3は外部加熱ベルトの接離機構の説明図である。図2に示すように、画像形成装置は、厚紙など坪量(単位面積当たり重量)の大きな記録材でも、高い生産性(単位時間当たりのプリント枚数)を求められる。坪量の大きな記録材で生産性を上げるためには、定着装置9における加熱処理のスピードを高速化する必要がある。しかし、坪量の大きな記録材は、熱を多く奪うため、定着に要する熱量が、坪量の低い記録材に比べて大きくなる。
そこで、図3に示すように、定着装置9は、定着ローラ101に対して外部加熱ベルト105を当接/離間が可能に配置している。必要に応じて、定着ローラ101の表面に外部加熱ベルト105を圧接して外部から定着ローラ101を加熱する。定着装置9は、外部加熱ベルト105を定着ローラ101から離間させた状態で、次の画像形成ジョブを待機する。
図1に示すように、画像形成装置100に画像形成ジョブが送信されると、画像形成装置100内の各装置で準備動作が開始され、定着装置9で加熱動作が開始される。図3に示すように、加熱動作において定着ローラ101、加圧ローラ102、上流ローラ103と下流ローラ104がそれぞれの目標温度に達すると、外部加熱ベルト105を定着ローラ101に加圧当接させて画像形成ジョブが開始される。その後、画像形成ジョブが終了すると、定着ローラ101から外部加熱ベルト105を離間して、次の画像形成の開始時までその状態を保持させる。
図3に示すように、外部加熱ユニット150は、上流ローラ103と下流ローラ104に外部加熱ベルト105を掛け渡して張架する。外部加熱ベルト105は、上流ローラ103と下流ローラ104から定着ローラ101へ熱伝導を行う接触面積を増やして、定着ローラ101の加熱効率を高める。
図2に示すように、外部加熱ベルト105は、定着ローラ101の外周面に当接してニップ部Neを形成して、定着ローラ101を外部加熱する無端ベルトである。外部加熱ベルト105は、ステンレス、ニッケル等の金属製の基層又はポリイミド等の樹脂製の基層を有する。基層の表面は、トナーの付着を防止するために、フッ素系樹脂を用いた耐熱性の摺動層で被覆されている。外部加熱ベルト105は、定着ローラ101の回転に伴って摩擦駆動されて、矢印C方向に従動回転する。
上流ローラ103は、熱伝導率の高いアルミニウム、鉄、ステンレス等の金属で形成される。上流ローラ103の中心を貫通させてハロゲンヒータ113が非回転に配置されている。サーミスタ123は、上流ローラ103に支持された領域において外部加熱ベルト105に接触して、上流ローラ103の温度を検出する。制御部140は、サーミスタ123の検出温度に応じてハロゲンヒータ113をON/OFF制御して、上流ローラ103の温度を所定の目標温度に維持する。
下流ローラ104は、熱伝導率の高いアルミニウム、鉄、ステンレス等の金属で形成される。下流ローラ104の中心を貫通させてハロゲンヒータ114が非回転に配置されている。サーミスタ124は、下流ローラ104に支持された領域において外部加熱ベルト105に接触して、下流ローラ104の温度を検出する。制御部140は、サーミスタ124の検出温度に応じてハロゲンヒータ114をON/OFF制御して、下流ローラ104の温度を所定の目標温度に維持する。
上流ローラ103と下流ローラ104の温度調整の目標温度は、定着ローラ101の温度調整の目標温度よりも高く設定される。上流ローラ103と下流ローラ104の表面温度が定着ローラ101の表面温度よりも高温に保たれている方が、定着ローラ101の表面温度の降下に対して効率的に熱供給できるからである。厚紙の連続画像形成時、定着ローラ101の目標温度165℃に対して、上流ローラ103と下流ローラ104の目標温度は230℃に設定される。上流ローラ103と下流ローラ104の表面温度は、定着ローラ101の表面温度よりも75℃高く保たれる。
<ローラ支持機構>
図4は外部加熱ユニットの外観の斜視図である。図5は定着ローラと外部加熱ベルトの交差角度の説明図である。
図3に示すように、外部加熱ベルト105は、定着ローラ101との間にニップ部Neを形成する。外部加熱ベルト105は、定着ローラ101の回転に従動回転するように、上流ローラ103と下流ローラ104によって回転自在に支持される。
外部加熱ベルト105は、接離機構200によって、定着ローラ101に対して当接/離間が可能である。接離機構200は、外部加熱ベルト105を介して上流ローラ103と下流ローラ104を定着ローラ101に圧接させる圧接機構を兼ねている。加圧フレーム201は、支持軸203を中心にして、定着装置9の筐体フレーム9fに対して回動自在である。
加圧フレーム201の回動端と定着装置9の筐体フレーム9fとの間に加圧ばね204が配置される。加圧ばね204は、加圧フレーム201の回動端を押し下げて、揺動フレーム208を定着ローラ101に向かって付勢する。揺動フレーム208は、手前側と奥側に配置された一対の中間コロ210によって加圧フレーム201に対して回動自在に支持される。外部加熱ベルト105を介して上流ローラ103と下流ローラ104が定着ローラ101に圧接した状態で、加圧ばね204は、上流ローラ103と下流ローラ104を総圧力392N(約40kgf)にて加圧する。
圧力解除カム205は、加圧フレーム201の回動端の下面に当接している。制御部140は、モータ210を制御して、回動軸205aを中心にして圧力解除カム205を回動させて、加圧フレーム201の回動端を昇降させる。圧力解除カム205が加圧フレーム201から離間しているとき、加圧ばね204が加圧フレーム201の回動端を押し下げて、外部加熱ベルト105を定着ローラ101に圧接させる。圧力解除カム205が加圧ばね204を縮めて加圧フレーム201を押し上げるとき、外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間する。
図4の(a)に示すように、ローラ保持フレ−ム(206:図3)は、上流ローラ103と下流ローラ104の長手中央部で手前側のローラ保持フレ−ム206aと奥側のローラ保持フレ−ム206bとに分割されている。上流ローラ103と下流ローラ104の手前側の端部は、ローラ保持フレ−ム206aに支持され、上流ローラ103と下流ローラ104の奥側の端部は、ローラ保持フレ−ム206bに支持されている。
図4の(b)に示すように、手前側のローラ保持フレ−ム206aは、支持軸207a、207bによって揺動フレーム208に回動自在に支持される。奥側のローラ保持フレ−ム206bは、支持軸207c、207dによって揺動フレーム208に回動自在に支持される。ローラ保持フレ−ム206aは、不図示の断熱ブッシュとベアリングとを介して、上流ローラ103と下流ローラ104の手前側の端部を回転自由に軸受支持する。ローラ保持フレ−ム206bは、不図示の断熱ブッシュとベアリングとを介して、上流ローラ103と下流ローラ104の奥側の端部を回転自由に軸受支持する。
加圧フレーム201の長手方向の両端部に加圧ばね204がそれぞれ配置されている。一対の加圧ばね204は、上流ローラ103と下流ローラ104を介して、外部加熱ベルト105を定着ローラ101の外周面に対して所定の圧力で接触させる。図3に示すように、支持軸207a、207b、207c、207dと定着ローラ101の中心を結ぶ直線は、外部加熱ベルト105が定着ローラ101に密着した状態で、上流ローラ103と下流ローラ104の中心を結ぶ直線の垂直二等分線になっている。
図5に示すように、上流ローラ103と下流ローラ104が傾いて定着ローラ101に対する回転軸の交差角度θを持っている場合、奥側の端部では、上流ローラ103と下流ローラ104の一方が先行して定着ローラ101に加圧開始する。同時に、手前側の端部では、上流ローラ103と下流ローラ104の他方が先行して定着ローラ101に加圧開始する。このとき、上流ローラ103と下流ローラ104の加圧力差が、手前側のローラ保持フレーム206aと奥側のローラ保持フレーム206bとを自律的に回動させて上流ローラ103と下流ローラ104の端部の加圧力差を相殺する。手前側のローラ保持フレーム206aと奥側のローラ保持フレーム206bとが相対的に回動して、定着ローラ101の曲面に応じたねじれ位置へ上流ローラ103と下流ローラ104を位置決める。上流ローラ103と下流ローラ104の相対的なねじれ角が自在であるため、定着ローラ101の曲面に応じたねじれ位置へ上流ローラ103と下流ローラ104の姿勢が自律的に修正されて、外部加熱ベルト105が定着ローラ101に密着する。上流ローラ103と下流ローラ104の両方が定着ローラ101に均等に加圧されて、手前側でも奥側でも上流ローラ103と下流ローラ104から外部加熱ベルト105を介して定着ローラ101へ十分な外部加熱が行われる。
<ステアリング機構>
図6は外部加熱ベルトのステアリング機構の説明図である。図7はステアリング機構の駆動部の説明図である。図8はステアリング機構の駆動部の拡大図である。図9は支持軸の移動量と外部加熱ベルトの寄り力の関係の説明図である。
図2に示すように、当接回転体の一例である定着ローラ101は、記録材に当接して回転する。定着ローラ101は、記録材の画像面を加熱する。外部加熱ベルト105は、定着ローラ101に当接して従動回転する。ベルト部材の一例である外部加熱ベルト105は、定着ローラ101との間に当接面を形成して回転する。外部加熱ベルト105は、上流ローラ103および下流ローラ104によって加熱されて定着ローラ101の表面を加熱する。複数のローラ部材の一例である上流ローラ103および下流ローラ104は、外部加熱ベルト105を張架する。上流ローラ103および下流ローラ104は回転自在に支持される。
図3に示すように、接離機構の一例である接離機構200は、当接面に交差する方向へ上流ローラ103および下流ローラ104を一体に移動して定着ローラ101に対して外部加熱ベルト105を接離させる。接離機構200は、所定の種類の記録材の加熱処理に先立たせて外部加熱ベルト105を定着ローラ101に当接させ、所定の種類の記録材の加熱処理の終了後に外部加熱ベルト105を定着ローラ101から離間させる。
図6に示すように、回動機構の一例であるウォームホイール118は、当接面に沿った方向へ上流ローラ103および下流ローラ104を一体に回動して当接面における定着ローラ101の母線と外部加熱ベルト105の母線の交差角度θを変更する。検出手段の一例であるフォトインタラプタ133、134は、上流ローラ103および下流ローラ104に沿った外部加熱ベルト105の寄り位置を検出する。制御手段の一例である制御部140は、フォトインタラプタ133、134の出力に基づいてウォームホイール118を制御する。これにより、上流ローラ103および下流ローラ104に沿って外部加熱ベルト部材105が寄り移動して、上流ローラ103および下流ローラ104の端部の所定位置で外部加熱ベルト105の寄り移動が反転する。
図5に示すように、外部加熱ベルト105(上流ローラ103、下流ローラ104)と定着ローラ101との平行度のずれがあった場合、回転動作時に上流ローラ103と下流ローラ104に沿って外部加熱ベルト105が寄り移動する。そこで、定着装置9では、外部加熱ベルト105と定着ローラ101の交差角度θを外部から強制的に変更して、外部加熱ベルト105の寄り移動を反転させて、外部加熱ベルト105の寄り移動範囲を所定範囲に収めるステアリング機構を設けている。外部加熱ベルト105を張架する上流ローラ103と下流ローラ104を回動軸209を中心にして一体的に傾けて、定着ローラ101との間に意図的に交差角度θを設定して、外部加熱ベルト105の寄り方向を制御している。回動軸209は、外部加熱ベルト105と定着ローラ101の交差角度θを変化させる回転中心である。
図6に示すように、定着ローラ101と外部加熱ベルト105が接触している当接面に対して法線方向に回動軸209を設ける。回動軸209を中心にして外部加熱ベルト105に交差角度(θ)が設定される。加圧フレーム201の支持軸203は、本体側板202に両端が固定されている。揺動フレーム208及び外部加熱ベルト105は、回動軸209の周りで加圧フレーム201に対して一体に回動可能である。揺動フレーム208に固定された支持軸207aは、本体側板202とクリアランスをもって保持され、アーム部118aの移動に伴ってクリアランスの範囲で矢印H、J方向に移動可能である。
図7に示すように、回転軸119の周りで回転可能な扇状のウォームホイール118は、ウォームギア120と噛み合っている。
図8に示すように、モータ125が順方向に回転してウォームホイール118を矢印G方向に回転させると、アーム部118aが矢印H方向に移動して支持軸207aを矢印H方向に移動させる。モータ125が逆方向に回転してウォームホイール118を矢印I方向に回転させると、アーム部118aが矢印J方向に移動して支持軸207aを矢印J方向に移動させる。
図6に示すように、揺動フレーム208の手前側が矢印H方向又はJ方向に移動すると、上流ローラ103と下流ローラ104が回動軸209の周りで回動して、定着ローラ101と上流ローラ103と下流ローラ104の間に交差角度(θ)が設定される。定着ローラ101と外部加熱ベルト105の交差角度θと外部加熱ベルト105の寄り速度には関係がある。アーム部118aの移動量に応じて定着ローラ101と外部加熱ベルト105の交差角度(θ)が設定される。アーム部118aの移動量に応じて外部加熱ベルト105の寄り力が変化するため、外部加熱ベルト105が上流ローラ103と下流ローラ104に沿って寄る方向と寄り速度を制御できる。
図6を参照して図9に示すように、支持軸207aが寄り力0の点からH方向に移動した場合、外部加熱ベルト105を定着ローラ101の奥側(矢印M方向)へ移動させる寄り力が大きくなる。支持軸207aが寄り力0の点からJ方向に移動した場合、外部加熱ベルト105を定着ローラ101の手前側(矢印L方向)へ移動させる寄り力が大きくなる。このようにして、支持軸207aを矢印H、J方向へ移動することで、外部加熱ベルト105の寄る方向を制御することができる。
図9は、加熱ローラ保持フレーム支持軸207aの取付位置を変化させ、外部加熱ベルト105の寄る力を測定した結果を示す。
外部加熱ベルト105の寄る力は、次のように測定した。(1)外部加熱ベルト105の両端に回転可能なコロを当接し、外部加熱ベルト105を定着ローラ101に従動回転させた。(2)その際に、外部加熱ベルト105が長手方向に寄ることで生じる回転コロに加わる負荷をロードセルによって出力させて寄る力を測定した。
図9中、横軸に加熱ローラ保持フレーム支持軸207aの取付位置を取り、ゼロ点を外部加熱ベルト105が寄ることなく留まる理想の取付位置とする。図6の矢印H方向をプラス、矢印J方向をマイナスとした。縦軸に外部加熱ベルト105の寄る力を示し、矢印L方向に移動する力をプラス、矢印M方向に移動する力をマイナスとした。
<ベルト寄り量検知センサ>
図10はベルト寄り量検知センサの配置の説明図である。図11はベルト寄り方向とセンサフラグの回転方向の関係の説明図である。
図10に示すように、アーム129とコロ128は、回転軸136の周りで一体に回転する。センサフラグ132は、回転軸137の周りで回転する。アーム129とセンサフラグ132は、リンク部138で係合して回転を伝達する。
コロ128は、外部加熱ベルト105のベルトエッジに当接している。ねじりばね131は、アーム129にトルクを付与してコロ128を矢印Q方向に付勢している。そのため、外部加熱ベルト105が矢印Q方向に寄ると、図11の(b)に示すように、リンク部138が矢印U方向に移動する。外部加熱ベルト105が矢印R方向に寄ると、図11の(a)に示すように、リンク部138が矢印S方向に移動する。
センサフラグ132に沿ってフォトインタラプタ133、134が配置される。フォトインタラプタ133、134は、センサフラグ132に形成された2つのスリットが有する4つのエッジを検出して出力を反転させる。センサフラグ132の4つのエッジに対応させて外部加熱ベルト105の寄り位置が規定されている。一例として、外部加熱ベルト105が5mmの振幅で寄り移動を繰り返すように、フォトインタラプタ133、134が配置されている。
図11の(a)に示すように、外部加熱ベルト105が矢印R方向に寄ってきた場合、アーム129が矢印S方向に回転して、センサフラグ132が矢印T方向に回転してフォトインタラプタ133をOFFしてフォトインタラプタ134をONする。
図11の(b)に示すように、外部加熱ベルト105が矢印Q方向に寄ってきた場合、アーム129が矢印U方向に回転して、センサフラグ132が矢印V方向に回転してフォトインタラプタ133をONしてフォトインタラプタ134をOFFする。
<実施例1>
図12は定着装置の制御系のブロック図である。図13は外部加熱ベルトのステアリング制御のフローチャートである。
図6に示すように、実施例1では、制御部140は、外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間した後、定着ローラ101に当接する前に、ウォームホイール118を作動させる。これにより、それまでの回動角度よりも絶対値が小さい所定の回動角度を交差角度θとして設定する。具体的には、外部加熱ベルト105は、画像形成ジョブの終了後に定着ローラ101から離間させてホームポジション(交差角度≒0°)を設定する。また、次の画像形成ジョブの開始時にもホームポジションを確認してステアリング制御を開始する。したがって、上流ローラ103と下流ローラ10に対して外部加熱ベルト105がいかなる寄り位置で停止していても、定着ローラ101に対して外部加熱ベルト105を交差角度≒0°で当接させる。
図8を参照して図12に示すように、制御部140は、モータコントローラ51及びモータドライバ52を介してモータ125を制御して外部加熱ベルト105を寄り制御する。制御部140は、フォトインタラプタ133、134の出力に基づいて外部加熱ベルト105の寄り位置を検知する。
制御部140は、外部加熱ベルト105が手前側の所定位置まで寄ってくると、モータ125を作動させて支持軸207aを矢印H方向へ移動させて、外部加熱ベルト105に奥側へ向かう寄り力を作用させる。制御部140は、外部加熱ベルト105が奥側の所定位置まで寄ってくると、モータ125を作動させて支持軸207aを矢印J方向へ移動させて、外部加熱ベルト105に手前側へ向かう寄り力を作用させる。
図9に示すように、フォトインタラプタ135は、ウォームホイール118のホームポジションを検知する。フォトインタラプタ135は、モータ125を作動させて上流ローラ103と下流ローラ104を定着ローラ101と平行にした際にホームポジションを検知する。
図7に示すように、定着ローラ101の回転に伴って外部加熱ベルト105が従動回転して外部加熱ベルト105が手前側又は奥側へ寄ってきた際に、外部加熱ベルト105の寄り方向とは逆の方向に寄り力が作用するように、支持軸207aを移動させる。支持軸207aの移動量は、ホームポジションから矢印H、J方向ともに2mmとする。
したがって、外部加熱ベルト105が片側端部から逆側の端部に5mm移動した際に、フォトインタラプタ133、134が寄り移動の限界を検知して、支持軸207aの移動位置をホームポジションから±2mmに反転する。
図12を参照して図13に示すように、制御部140は、スタンバイ動作が開始すると(S11)、モータ125を回転して外部加熱ベルト105の交差角度θを0°にしてフォトインタラプタ135でホームポジション位置を検知する(S12)。制御部140は、ハロゲンヒータ111、112、113、114へ通電して、定着ローラ101、加圧ローラ102、上流ローラ103と下流ローラ104の温度調整を開始する(S13)。制御部140は、画像形成ジョブが開始すると(S14のYES)、圧力解除カム205を回転させて外部加熱ベルト105を定着ローラ101に当接させる(S15)。定着ローラ101の回転に伴って外部加熱ベルト105が従動回転する。
制御部140は、外部加熱ベルト105が手前側に寄ってフォトインタラプタ133がOFFすると(S17のYES)、モータ125を回転させて、外部加熱ベルト105を奥側に寄らす方向に支持軸207aを移動する(S18)。制御部140は、外部加熱ベルト105が奥側に寄ってフォトインタラプタ134がOFFすると(S19のYES)、モータ125を回転させて、外部加熱ベルト105を手前側に寄らす方向に支持軸207aを移動する(S20)。
制御部140は、画像形成ジョブが終了するまで(S21のNO)、外部加熱ベルト105の寄り制御を継続する(S17〜S21)。制御部140は、画像形成ジョブが終了すると(S21のYES)、圧力解除カム205を回転して、外部加熱ベルト105を定着ローラ101から退避させる(S22)。
制御部140は、外部加熱ベルト105の離間後、モータ125を回転して、定着ローラ101に対する上流ローラ103及び下流ローラ104の交差角度θを0°に近付けていく。制御部140は、フォトインタラプタ135がホームポジションを検知したタイミングでモータ125を停止させる(S23)。
実施例1の定着装置は、上流ローラ103及び下流ローラ104を保持する揺動フレーム208を回動させて定着ローラ101と外部加熱ベルト105の交差角度θを変えることにより、外部加熱ベルト105の寄り方向を制御する。したがって、上流ローラ103及び下流ローラ104に規制部(つば)を設けたり、外部加熱ベルト105の内側面にリブを設けたりする必要が無い。ストレスフリーの外部加熱ベルト105によって定着ローラ101に対する密着性が高められる。
実施例1のステアリング機構は、加熱回転体に当接して従動回転するベルト部材でも安定した寄り制御を行うことができる。これに対して、特許文献1に示されるステアリング機構は、ローラ部材を回転駆動してベルト部材を回転させている場合には寄り移動を制御できるが、加熱回転体に当接して従動回転するベルト部材では安定した寄り制御を行うことができない。
実施例1のステアリング機構は、上流ローラ103及び下流ローラ104を外側から一体に回動させるので、ベルト部材を含むユニットを小型化できる。これに対して、特許文献1に示されるステアリング機構は、1本のローラ部材を独立して傾動させる機構をベルト部材の内側のスペースに格納しているため、ベルト部材を含むユニットの小型化が難しい。ベルト部材を含むユニットが大型化するとステアリング機構も大型化して画像加熱装置の大型化を招く。
<実施例2>
図14は実施例2におけるベルト寄り位置検知の説明図である。図15は実施例2における離間後の交差角度の設定の説明図である。図16は実施例2の制御のフローチャートである。
図6に示すように、実施例2では、制御部140は、定着ローラ101から外部加熱ベルト105を離間させてから定着ローラ101に外部加熱ベルト105を当接させるまでの間にウォームホイール118を作動させる。これにより、外部加熱ベルト105が寄り移動の中心位置へ向かう方向に交差角度が変更される。制御部140は、外部加熱ベルト105の寄り位置に応じた方向の交差角度を設定する。外部加熱ベルト105の停止後に、停止状態の外部加熱ベルト105の寄り位置を検知して、寄り位置に応じた交差角度θを外部加熱ベルト105に設定する。
実施例1では、外部加熱ベルト105が回転駆動時に寄り制御によって奥側から手前側に移動し、手前側の寄り限界位置を検知する直前の位置で外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間されて停止している場合がある。この場合、次に、外部加熱ベルト105が定着ローラ101に対して当接動作をしたときに、その動作直後に外部加熱ベルト105が手前側の寄り限界位置を検知することになる。外部加熱ベルト105と定着ローラ101の不十分な密着状態では、逆寄り方向の交差角度を設定しても外部加熱ベルト105の寄り移動の反転が遅れてしまい、外部加熱ベルト105が当初の寄り方向にオーバーランする可能性がある。
そこで、実施例2では、次の画像形成ジョブの開始時は、交差角度θで規定される寄り方向に大きな寄りしろを確保した状態で、外部加熱ベルト105を定着ローラ101に当接させる。外部加熱ベルト105が定着ローラ101に当接して回転駆動され始める初期段階において、外部加熱ベルト105を、寄り移動のスペースが十分にある方向に移動させる。このため、外部加熱ベルト105の当接直後に寄り限界位置が検出されて交差角度が変更されないで済む。
図6に示すように、制御部140は、外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間した後、定着ローラ101に当接する前に、ウォームホイール118を作動させる。これにより、定着ローラ101に当接後の外部加熱ベルト105が寄り移動の中心側へ向かって寄り移動する方向の回動角度を交差角度θとして設定する。制御部140は、フォトインタラプタ133、134の出力に基づいて、外部加熱ベルト105の寄り位置が寄り移動の中心を超えていると判断した場合、それまでの回動角度とは逆方向の所定の回動角度を交差角度θとして設定する。
図14に示すように、実施例2では、図11に示す実施例1のフォトインタラプタの配置において、フォトインタラプタ139を追加している。フォトインタラプタ139の出力は、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも手前側にある場合と奥側にある場合とで反転する。フォトインタラプタ139は、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置にあるときにセンサフラグ131の端部がフォトインタラプタ139を半分遮光するように配置している。
制御部(140:図12)は、フォトインタラプタ139の遮光:ON/開放:OFFを検知して、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置に対して手前側寄り位置か、奥側寄り位置かを判別する。そして、手前側寄り位置か、奥側寄り位置かに応じた交差角度θを設定する。
図15の(a)に示すように、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも手前側にある場合、図15の(b)に示すように、外部加熱ベルト105を奥側へ寄り移動させる交差角度θを設定する。図15の(c)に示すように、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも奥側にある場合、図15の(d)に示すように、外部加熱ベルト105を手前側へ寄り移動させる交差角度θを設定する。
図16に示す実施例2の制御中、ステップS11、S13〜S23の制御は実施例1と同一であるため、図13と共通の符号を付して、重複する説明を省略する。図12を参照して図16に示すように、制御部140は、定着ローラ101に対する外部加熱ベルト105の当接に先立たせて上流ローラ103及び下流ローラ104に対する外部加熱ベルト105の寄り位置を検出する(S12A)。制御部140は、ホームポジション(交差角度≒0°)からモータ125を回転して、定着ローラ101に対する上流ローラ103及び下流ローラ104の交差角度θを、検出した寄り位置に応じた方向の所定値にしてモータ125を停止させる(S12B)。
実施例2の定着装置9は、外部加熱ベルト105が定着ローラ101に対して中途半端に接触した状態で交差角度θを反転されることがなくなる。このため、外部加熱ベルト105が定着ローラ101に当接する動作初期において、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の端部をはみ出して寄り移動することがない。はみ出し走行によるベルト表面の変形を回避できる。オーバーランした外部加熱ベルト105のベルトエッジが他の部品に接触してダメージを受けることもない。
実施例2の定着装置9は、外部加熱ベルト105の寄り位置を検知して、寄り位置に応じて、外部加熱ベルト105が定着ローラ101に対して当接する際の姿勢を制御する。これにより、外部加熱ベルト105が回転している定着ローラ101に当接する動作初期において、定着ローラ101に対して圧が完全にかかっていない不安定な状態での外部加熱ベルト105の寄り切りを防止できる。
<実施例3>
図17は実施例3における外部加熱ベルトの交差角度の設定の説明図である。
図6に示すように、実施例3では、制御部140は、定着ローラ101から外部加熱ベルト105を離間させてから定着ローラ101に外部加熱ベルト105を当接させるまでの間にウォームホイール118を作動させる。これにより、記録材の加熱処理中よりも小さな所定の回動角度に交差角度を変更する。制御部140は、外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間した際に外部加熱ベルト105の寄り位置が寄り移動の中心を超えていなければ、それまでの回動角度よりも小さな同一方向の回動角度を交差角度θとして設定する。
実施例2では、定着ローラ101に対する外部加熱ベルト105の当接に先立たせて外部加熱ベルト105の寄り位置に応じて方向の異なる所定の交差角度θを設定した。これに対して、実施例3では、外部加熱ベルト105の寄り位置の検出を省略して、そのときの交差角度θを同じ方向の交差角度θ/2に修正している。
交差角度θが小さければ、定着ローラ101に外部加熱ベルト105が当接した際の寄り速度が小さい。寄り速度が小さければ、外部加熱ベルト105が寄り限界位置に近い状態で停止していても、当接後に寄り限界位置を越えにくくなるからである。
図17の(a)に示すように、交差角度θが設定された外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間しており、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも奥側に寄っているとする。このとき、図6に示すように、アーム部118aがホームポジションから上流に2mmシフトした状態であれば上流に1mmシフトした状態に移行させる。アーム部118aがホームポジションから下流に2mmシフトした状態であれば下流に1mmシフトした状態に移行させる。これにより、図17の(b)に示すように、外部加熱ベルト105は、定着ローラ101に対して同じ方向の交差角度θ/2を持って当接することになる。
図17の(c)に示すように、交差角度θが設定された外部加熱ベルト105が定着ローラ101から離間しており、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも手前側に寄っているとする。このとき、図6に示すように、アーム部118aがホームポジションから上流に2mmシフトした状態であれば上流に1mmシフトした状態に移行させる。アーム部118aがホームポジションから下流に2mmシフトした状態であれば下流に1mmシフトした状態に移行させる。これにより、図17の(d)に示すように、外部加熱ベルト105は、定着ローラ101に対して同じ方向の交差角度θ/2を持って当接することになる。
<実施例4>
実施例4は、実施例2と実施例3の組み合わせである。
図15の(a)に示すように、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも手前側にある場合、図15の(b)に示すように、外部加熱ベルト105を奥側へ寄り移動させる交差角度θを設定する。ただし、交差角度θは、通常の寄り制御で寄り移動を反転させる際に使用する値の1/2に設定する。図6に示すように、アーム部118aがホームポジションから上流に2mmシフトした状態であれば下流に1mmシフトした状態に移行させる。アーム部118aがホームポジションから下流に2mmシフトした状態であれば上流に1mmシフトした状態に移行させる。
図15の(c)に示すように、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の中央位置よりも奥側にある場合、図15の(d)に示すように、外部加熱ベルト105を手前側へ寄り移動させる交差角度θを設定する。ただし、交差角度θは、通常の寄り制御で寄り移動を反転させる際に使用する値の1/2に設定する。図6に示すように、アーム部118aがホームポジションから下流に2mmシフトした状態であれば上流に1mmシフトした状態に移行させる。アーム部118aがホームポジションから上流に2mmシフトした状態であれば下流に1mmシフトした状態に移行させる。
実施例4では、寄り移動の余地を大きく確保しつつ寄り速度を低下させる。このため、実施例2、実施例3に比較して、画像形成ジョブの開始時に外部加熱ベルト105を定着ローラ101に当接させた際に、外部加熱ベルト105が上流ローラ103及び下流ローラ104の端部をはみ出しにくくなる。
<実施例5>
図18は実施例5における外部加熱ベルトの寄り移動の反転タイミングの説明図である。
実施例5では、実施例2と同様に、定着ローラ101への当接に先立たせて、外部加熱ベルト105の寄り方向に応じた外部加熱ベルト105の交差角度θを設定する。しかし、実施例2のようにフォトインタラプタの追加なく、外部加熱ベルト105の寄り方向を検出する。
図18に示すように、定着ローラ101に外部加熱ベルト105を当接して従動回転させている場合、周期Tでフォトインタラプタ133、134が交互にON(遮光)して定着ローラ101に対する外部加熱ベルト105の交差角度θが反転される。制御部140は、フォトインタラプタ133、134の最後のON(遮光)から外部加熱ベルト105の離間動作までの時間T1の計測値に基づいて外部加熱ベルト105の寄り位置を判別する。
図12を参照して、図18に示すように、ベルト退避時において、フォトインタラプタ133が最後にONしているとする。このとき、フォトインタラプタ134のON(遮光)から外部加熱ベルト105の離間動作までの時間T1がT/2より短ければ、ベルト退避時の外部加熱ベルト105の寄り位置は奥側に偏っている。そのため、制御部140は、外部加熱ベルト105の次回の着時の寄り方向が手前側となるように交差角度θを設定する。しかし、時間T1がT/2より長ければ、ベルト退避時の外部加熱ベルト105の寄り位置は手前側に偏っている。そのため、制御部140は、外部加熱ベルト105の次回の着時の寄り方向が奥側となるように交差角度θを設定する。
逆に、フォトインタラプタ133が最後にONしている場合、ベルト退避時において時間T1がT/2より短ければ、ベルト退避時の外部加熱ベルト105の寄り位置は手前側に偏っている。そのため、制御部140は、外部加熱ベルト105の次回の着時の寄り方向が奥側となるように交差角度θを設定する。しかし、ベルト退避時において時間T1がT/2より長ければ、ベルト退避時の外部加熱ベルト105の寄り位置は奥側に偏っている。そのため、制御部140は、外部加熱ベルト105の次回の着時の寄り方向が手前側となるように交差角度θを設定する。
実施例5によれば、外部加熱ベルト105の寄り位置を検出するためのフォトインタラプタ(138:実施例2)が不要である。
<実施例6>
本発明は、ベルト部材を張架する上流ローラと下流ローラの当接回転体に対する交差角度を変更してベルト部材の寄り移動を制御する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
したがって、ローラ部材及びベルト部材の加熱方法は、ハロゲンヒータには限らない。ローラ部材及びベルト部材に誘導加熱層を設けて交番磁束により誘導加熱してもよい。本発明におけるローラ部材及びベルト部材は、加熱回転体の加熱用途には限らない。本発明は、加熱回転体の回転軸線方向の温度分布を平均化する均熱用途、加熱回転体の冷却を促進する冷却用途でも実施できる。加熱回転体は定着ローラには限らない。本発明は、記録材の画像面の裏面を加熱する加圧ローラにおいても実施できる。
像加熱装置は、定着装置の他に、半定着又は定着済画像の光沢や表面性を調整する表面加熱装置を含む。定着済画像が形成された記録材のカール除去装置も含む。画像加熱装置は、画像形成装置に組み込む以外に、単独で設置、操作される1台の装置又はコンポーネントユニットとして実施できる。画像形成装置は、モノクロ/フルカラー、枚葉型/記録材搬送型/中間転写型、トナー像形成方式、転写方式の区別無く実施できる。本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
9 定着装置、101 定着ローラ、102 加圧ローラ
103 上流ローラ、104 下流ローラ、105 外部加熱ベルト
108 クリーニングローラ
111、112、113、114 ハロゲンヒータ、117 加圧アーム
118 ウォームホイール、125 モータ、126 ベアリング
128 コロ、129 寄り検知アーム、131 加圧部材
132 センサフラグ、133、134、135、139 フォトインタラプタ
137 シャフト、140 制御部
201 加圧フレーム、202 本体側板、203 シャフト
204 加圧ばね、205 圧力解除カム、206a、206b ローラ保持フレーム
207a 支持軸、208 支持フレーム、P 記録材、K トナー

Claims (8)

  1. 記録材に当接して回転する当接回転体と、
    前記当接回転体との間に当接面を形成して回転するベルト部材と、
    前記ベルト部材を張架する複数のローラ部材と、
    前記当接面に交差する方向へ前記複数のローラ部材を一体に移動して前記当接回転体に対して前記ベルト部材を接離させる接離機構と、
    前記当接面に沿った方向へ前記複数のローラ部材を一体に回動して前記当接面における前記当接回転体の母線と前記ベルト部材の母線の交差角度を変更する回動機構と、
    前記複数のローラ部材に沿って前記ベルト部材が寄り移動して前記複数のローラ部材の端部の所定位置で前記ベルト部材の寄り移動が反転するように前記回動機構を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記ベルト部材が前記当接回転体から離間した後、前記当接回転体に当接する前に、前記回動機構を作動させて、それまでの回動角度よりも絶対値が小さい回動角度を前記交差角度として設定することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 記録材に当接して回転する当接回転体と、
    前記当接回転体との間に当接面を形成して回転するベルト部材と、
    前記ベルト部材を張架する複数のローラ部材と、
    前記当接面に交差する方向へ前記複数のローラ部材を一体に移動して前記当接回転体に対して前記ベルト部材を接離させる接離機構と、
    前記当接面に沿った方向へ前記複数のローラ部材を一体に回動して前記当接面における前記当接回転体の母線と前記ベルト部材の母線の交差角度を変更する回動機構と、
    前記複数のローラ部材に沿って前記ベルト部材が寄り移動して前記複数のローラ部材の端部の所定位置で前記ベルト部材の寄り移動が反転するように前記回動機構を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記ベルト部材が前記当接回転体から離間した後、前記当接回転体に当接する前に、前記回動機構を作動させて、前記当接回転体に当接後の前記ベルト部材が寄り移動の中心側へ向かって寄り移動する方向の回動角度を前記交差角度として設定することを特徴とする画像加熱装置。
  3. 前記複数のローラ部材に沿った前記ベルト部材の寄り位置を検出する検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記ベルト部材の寄り位置が寄り移動の中心を超えている場合には、それまでの回動角度とは逆方向の所定の回動角度を前記交差角度として設定するように、前記検出手段の出力に基づいて前記回動機構を制御することを特徴とする請求項2記載の画像加熱装置。
  4. 前記所定の回動角度は、それまでの回動角度よりも絶対値が小さな回動角度であることを特徴とする請求項3記載の画像加熱装置。
  5. 前記制御手段は、前記ベルト部材が前記当接回転体から離間した際に前記ベルト部材の寄り位置が寄り移動の中心を超えていなければ、それまでの回動角度よりも小さな同一方向の回動角度を前記交差角度として設定することを特徴とする請求項3又は4記載の画像加熱装置。
  6. 前記接離機構は、所定の種類の記録材の加熱処理に先立たせて前記ベルト部材を前記当接回転体に当接させ、前記所定の種類の記録材の加熱処理の終了後に前記ベルト部材を前記当接回転体から離間させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記複数のローラ部材は回転自在に支持され、前記ベルト部材は、前記当接回転体に当接して従動回転することを特徴とする請求項6記載の画像加熱装置。
  8. 前記当接回転体は、記録材の画像面を加熱する加熱ローラであって、
    前記ベルト部材は、前記複数のローラ部材によって加熱されて前記加熱ローラの表面を加熱する外部加熱ベルトであることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
JP2012250947A 2012-11-15 2012-11-15 画像加熱装置 Pending JP2014098820A (ja)

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