JP2014098639A - 接触式内部温度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】接触式内部温度計において、迅速でかつ連続の測定を可能とする。
【解決手段】本発明に係る接触式内部温度計100は、第1の温度センサと第1の熱抵抗体が積層され、測定面20に熱的に結合される第1の温度センサ積層体31と、第2の温度センサと第2の熱抵抗体が積層され、測定面20に熱的に結合される第2の温度センサ積層体41と、環境温度を測定する環境温度センサ50と、非定常状態における複数の測定結果から、前記第1の温度センサの定常状態における第1の予測温度及び前記第2の温度センサの定常状態における第2の予測温度を予測し、前記第1の予測温度、前記第2の予測温度及び前記環境温度より定常状態における前記第1の熱抵抗体の第3の予測温度及び前記第2の熱抵抗体の第4の予測温度を算出し、これら第1乃至第4の予測温度に基づいて測定対象物の内部温度を算出するコントローラと、を有する。
【選択図】図3
【解決手段】本発明に係る接触式内部温度計100は、第1の温度センサと第1の熱抵抗体が積層され、測定面20に熱的に結合される第1の温度センサ積層体31と、第2の温度センサと第2の熱抵抗体が積層され、測定面20に熱的に結合される第2の温度センサ積層体41と、環境温度を測定する環境温度センサ50と、非定常状態における複数の測定結果から、前記第1の温度センサの定常状態における第1の予測温度及び前記第2の温度センサの定常状態における第2の予測温度を予測し、前記第1の予測温度、前記第2の予測温度及び前記環境温度より定常状態における前記第1の熱抵抗体の第3の予測温度及び前記第2の熱抵抗体の第4の予測温度を算出し、これら第1乃至第4の予測温度に基づいて測定対象物の内部温度を算出するコントローラと、を有する。
【選択図】図3
Description
本発明は、接触式内部温度計に関する。
様々な状況において、測定対象物の表面温度ではなく、その内部温度を迅速・正確かつ簡便(すなわち、非侵襲)に測定したいとの要求が存在している。そのような要求の代表的なものとして、人体を含む生体の体温測定が挙げられる。しかしながら、生体の内部温度(深部体温などと称されることもある)、すなわち、血流により概ね恒温に保たれていると考えられる程度の生体内部の温度を測定するのは通常困難である。測定対象が人体の場合、一般的には、舌下や脇の下など熱が外部に逃げにくい場所に温度計を保持し、温度計と人体とが熱平衡状態となってからの温度計の読みを体温として採用することが多いが、熱平衡状態が得られるまでに5分から10分程度と長時間を要し、また得られる体温は必ずしもその内部温度と一致するとは限らない。このため、かかる方式は、乳幼児やある種の傷病患者等、長時間の体温測定が困難な対象への適用が困難な場合があり、また、精密な体温管理を行うに足る精度の高い体温を得るのは難しい。
そこで、人体の内部温度を迅速・正確に測定するための温度計として、体表面に接触する第1の温度センサと、第1の温度センサに対し断熱材を挟んで配置される第2の温度センサからなるセンサの組を用いて、各温度センサにおける温度測定結果から内部温度を求めるものが提案されている。
例えば、特許文献1には、1組のセンサの対を用いて、非定常状態において熱伝達方程式を数学的に解くことにより、測定対象物の内部温度を予測する高速精密温度測定装置が記載されている。
また、特許文献2には、2組のセンサの組を用い、第2の温度センサ(中間センサ)と外気との間にさらに断熱材を配置し、各センサの組を通過する熱流束の値を異なるものとした体温計が開示されている。同文献記載の体温計では、定常状態における各センサの出力から測定対象物の内部温度を算出する。
上述の特許文献1のように、1組のセンサの組を用いて非定常状態で内部温度を予測する方法では、確かに短時間での測定が可能であるものの、例えば一度測定を行った直後など、センサの組が十分に昇温している状況で続けざまに測定を行おうとすると、センサの組が定常状態に達してしまい、測定を行い得なくなる場合がある。このようなときには、センサの組が自然放熱により十分に温度が下がるまで長時間待たなければならなかった。
一方、特許文献2のように、定常状態で内部温度を算出する方法では、連続での測定には特段の支障はないものの、最初(例えば、体温計が室温にある場合など)の測定においては、センサの組が定常状態となるまで相当の時間を有するため、迅速な測定は難しい。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、接触式内部温度計において、迅速でかつ連続の測定を可能とすることである。
なお、ここまでの記載は接触式内部温度計の代表的な例として人体の内部温度を測定する体温計について主に説明したが、本発明が対象とする接触式内部温度計はこれに限定されるものでなく、生物・無生物問わず非侵襲にてその内部温度を測定する必要があるいかなる測定対象物にも適用可能である。
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下のとおりである。
(1)測定対象物の内部温度を算出するため前記測定対象物の被測定面に接触させる測定面と、第1の温度センサと第1の熱抵抗体が積層され、前記測定面に前記第1の温度センサ又は前記第1の熱抵抗体が熱的に結合される第1の温度センサ積層体と、第2の温度センサと第2の熱抵抗体が積層され、前記測定面に前記第2の温度センサ又は前記第2の熱抵抗体が熱的に結合される第2の温度センサ積層体と、前記第1の温度センサ積層体及び前記第2の温度センサ積層体がおかれた環境温度を測定する環境温度センサと、前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサの定常状態における予測温度並びに前記環境温度センサにより測定された環境温度に基づいて前記測定対象物の内部温度を算出するコントローラであって、前記第1の温度センサの非定常状態における複数の測定結果から、前記第1の温度センサの定常状態における第1の予測温度を予測し、前記第2の温度センサの非定常状態における複数の測定結果から、前記第2の温度センサの定常状態における第2の予測温度を予測し、前記第1の予測温度及び前記環境温度より定常状態における前記第1の熱抵抗体の温度である第3の予測温度を算出し、前記第2の予測温度及び前記環境温度より定常状態における前記第2の熱抵抗体の温度である第4の予測温度を算出し、前記第1の予測温度、前記第2の予測温度、前記第3の予測温度及び前記第4の予測温度に基づいて前記内部温度を算出するコントローラと、を有する接触式内部温度計。
(2)(1)において、前記第1の熱抵抗体は前記測定面に熱的に結合された第3の温度センサであり、前記第2の熱抵抗体は前記測定面に熱的に結合された第4の温度センサである接触式内部温度計。
(3)(1)又は(2)において、前記第3の予測温度は、前記第1の温度センサ積層体に依存する定数C1に関する下記数1により算出し、前記第4の予測温度は、前記第2の温度センサ積層体に依存する定数C1に関する下記数2により算出する接触式内部温度計。
ただし、Tc1は前記第1の予測温度、Tc2は前記第2の予測温度、Tc3は前記第3の予測温度、Tc4は前記第4の予測温度、Teは前記環境温度である。
(4)(2)の接触式内部温度計において、前記第3の予測温度及び前記第4の予測温度を算出する際に用いる定数C1及びC2を求める方法であって、
(5)(2)又は(3)において、前記コントローラは、前記第1の温度センサ積層体及び前記第2の温度センサ積層体が定常状態にあることを検出した場合、前記第1の温度センサにより測定された温度、前記第2の温度センサにより測定された温度、前記第3の温度センサにより測定された温度、及び前記第4の温度センサにより測定された温度に基づいて前記内部温度を算出する接触式内部温度計。
(6)(1)乃至(3)及び(5)のいずれかにおいて、前記コントローラは、前記第1の温度センサの非定常状態における温度T1及び前記第2の温度センサの非定常状態における温度T2の温度変化が次の式:
(7)(1)乃至(3)、(5)及び(6)のいずれかにおいて、前記第1の温度センサ積層体、前記第2の温度センサ積層体及び前記環境温度センサが配置される空間を換気する換気機構を有する接触式内部温度計。
上記(1)又は(2)の側面によれば、接触式内部体温計において、迅速でかつ連続の測定が可能となる。
上記(3)又は(4)の側面によれば、温度を予測する際に用いる定数を温度センサ積層体の個体ごとに校正でき、製造時誤差を排除した精度の高い測定が可能となる。
上記(5)の側面によれば、温度センサ積層体が定常状態となった場合にも、定常状態における熱伝導方程式に基づいて正しく内部温度を算出できる。
上記(6)の側面によれば、非定常状態における複数の温度測定結果から、定常状態における温度を予測できる。
上記(7)の側面によれば、環境温度の変動による影響を排除し、精度の高い測定が可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る接触式内部温度計100を背面側から見た外観図、図2は同実施形態に係る接触式内部温度計100を測定面側から見た外観図である。なお、本明細書にて接触式内部温度計とは、温度計であって、測定対象表面に接触させることにより内部温度を測定する温度計を意味している。また、内部温度とは、測定対象の表面温度でなく、その内部であって、実質的に恒温熱源と考えられる部位の温度を意味している。ここで、実質的に恒温熱源と考えられるとは、測定対象内部の熱容量が大きい場合や、測定対象内部に常に熱が供給される結果、接触式内部温度計による測定がその温度に実用上の影響を及ぼさないと考えられることを意味している。たとえば、測定対象が生体である場合には、血流により体幹より常に熱が供給されることとなるので、後者に該当する。
本実施形態で示す接触式内部温度計100は、図示の通り携帯式であり、ケース1の先端に測定ヘッド2が取り付けられている。測定ヘッド2はケース1から突き出すように設けられており、その先端はおおむね平坦な測定面20となっている。そして、かかる測定面20を測定対象物の被測定面、例えば皮膚に接触させることによりその内部温度を計測する。測定面20の表面には、略円形の第1のプローブ30及び第2のプローブ40が図2に示すように、接触式内部温度計100の長手方向に沿って直列に配置されている。なお、これら第1のプローブ30及び第2のプローブ40の配置は任意であり、その配置方向は必ずしも接触式内部温度計100の長手方向に沿ったものでなくともよい。
ケース1の測定面20の反対側の面である背面10には、ランプ11、表示部12、ブザー13が設けられている。以降、本明細書では、測定面20が向く方向を測定面側、その反対方向である背面が向く方向を背面側と称する。また、ケース1は長く伸び丸みを帯びた形状をしており、使用者が手に持つグリップ14を形成している。図2に見られるように、ケース1のグリップ14の測定面側には電池蓋15が設けられ、内部に接触式内部温度計100の電源となる電池を収容するようになっている。また、ケース1の適宜の位置、ここでは図2に示した位置に吸気穴16が、測定ヘッド2の側面に排気穴21が設けられ、それぞれの内部空間が外気と連通するようになされている。ケース1と測定ヘッド2は、支持環5により接続されている。
なお、図1及び図2に示した接触式内部温度計100のデザインは一例である。かかるデザインは、その主たる用途や市場性等を考慮の上適宜変更して差し支えない。また、各構成部品の配置は、その機能を損なわない範囲で任意に選択してよい。
図3は、図1のIII−III線による接触式内部温度計100の概略断面図である。ケース1は、好ましくはABS樹脂等任意の合成樹脂製の中空の成形品であり、接触式内部温度計100を構成する各種部品をその内部に一体に収容する。グリップ14内には、電池6及び回路基板17が収容されている。回路基板17上には、その上に図示しないコントローラをはじめとする各種の電子部品が実装されており、電池6からの電力供給を受けて、電力を必要とする全ての部品への電力を供給するとともにその動作を制御している。電池6は、図示のものは市販の単4型(米国ではAAAと称される)乾電池であるが、その形式は任意のものであってよく、ボタン型、角型等の形状や、1次電池・2次電池の別も任意であってよい。なお、各部品と回路基板17とを電気的に接続する配線は、図示が煩雑となるため省略している。
ランプ11は、好ましくは多色発光可能な発光ダイオードであり、接触式内部温度計100の状態を使用者に通知するために点灯するものである。表示部12は、本実施形態では液晶表示装置であり、接触式内部温度計100の測定結果を図1に示すような態様で使用者に通知するためのものである。もちろん、表示部12にはこのほかにも任意の情報、例えば、電池6の残量等を表示するようにしてよい。あるいは、接触式内部温度計100の状態を併せて表示するようにして、ランプ11を省略してもよい。ブザー13は、本実施形態では一般的な電子ブザーであり、ビープ音により接触式内部温度計100の状態を使用者に通知するためのものである。なお、ブザー13の形式も又任意であり、スピーカを備えるようにして、音声あるいはメロディ等による通知をするようにしてもよい。あるいは、ランプ11及び/又は表示部12による通知のみとして、ブザー13を省略してもよい。
また、ケース1内部には隔壁18が設けられており、ケース1内部をグリップ空間19aとヘッド空間19bとに仕切っている。隔壁18には開口が設けられており、かかる開口を塞ぐようにブロア7が取り付けられている。ブロア7の機能については後述する。
ケース1の先端部には、支持環5を介して測定ヘッド2が取り付けられる。支持環5は、好ましくはシリコンゴム或いはその発泡体等の弾力を有し且つ断熱性に優れた材料で形成され、測定ヘッド2のケース1に対する若干の動きを許容するとともに、測定ヘッド2からケース1への伝熱を遮断するようになっている。これは、測定面20を測定対象物に接触させる際に、測定面20が確実に測定対象物に密着するようにするためと、測定ヘッド2からケース1へと熱が流出することによる測定誤差の発生を防止するためである。しかしながら、支持環5は必須の構成でなく、測定面20と測定対象物との密着に問題がなく、また測定ヘッド2が十分に熱伝導率の低い材質であり実用上問題ない場合には、これを省略し、測定ヘッド2を直接ケース1に固定する又は両者を一体に形成するなどしてもよい。また、支持環5の形状も環状に限定されるものでなく、任意の形状のものを用いてよい。
測定ヘッド2は、形状が安定しており、熱伝導率が低く、かつ比熱の小さい材質で形成することが好ましく、例えば、硬質発泡ウレタンや硬質発泡塩化ビニルが好適に用いられる。しかしながら、この点についても実用上の問題がなければ材質は特に限定されるものでなく、任意でよい。
測定ヘッド2の測定面20には第1のプローブ30及び第2のプローブ40に対応する位置にそれぞれ開口が設けられており、各プローブが測定面20からわずかに突出するように取り付けられている。各プローブは、熱伝導率の高い材質であることが好ましく、本実施形態では金属製である。なお、各プローブの材質は耐腐食性を備えていることが好ましく、金属材料では、アルミニウムやステンレスが好適である。なお、上述の通り、測定ヘッド2自体は熱伝導率が低い材質から構成されるため、第1のプローブ30及び第2のプローブ40は、互いに熱的に隔離されることとなる。
第1のプローブ30の背面側には、第1の温度センサ積層体31が設けられ、両者は互いに熱的に結合している。また、第2のプローブ40の背面側には、第2の温度センサ積層体41が設けられており、両者は互いに熱的に結合している。第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41の詳細については後述する。なお、温度センサ積層体は、本実施形態では第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41の2つを設けているが、誤差の分散あるいは故障時のバックアップ目的で、プローブ及び温度センサ積層体を3つ以上設けるようにしてもよい。また、第1の温度センサ積層体31と第2の温度センサ積層体41が配置される空間には、第1の温度センサ積層体31と第2の温度センサ積層体41がおかれた環境温度を測定する環境温度センサ50が配置されている。なお、環境温度センサ50を固定する構造については後述するものとし、同図ではその図示を省略している。
図4は、図3における測定ヘッド2近傍の拡大断面図である。ここでは、図3の支持環5より背面側に位置する部材は図示を省略している。
同図に詳細に示されるように、第1の温度センサ積層体31は、背面側に配置された第1の温度センサ31aと、測定面20側に配置され、第1のプローブ30と接触し熱的に結合される第3の温度センサ31bとが積層された構造となっている。第1の温度センサ31aと第3の温度センサ31bの間には、熱流路を形成する第1の熱抵抗31cが挟まれている。また、第2の温度センサ積層体41も第1の温度センサ積層体31と同様の構造となっており、背面側に配置される第2の温度センサ41aと測定面側に配置され、第2のプローブ40に接触し熱的に結合する第4の温度センサ41bが積層され、その間に第2の熱抵抗41cが挟まれている。従って、測定面20を測定対象物に接触させると、測定対象物から熱が第1のプローブ30及び第2のプローブ40に伝わり、その熱はそれぞれ第1の温度センサ積層体31については第3の温度センサ31b、第1の熱抵抗31c、第1の温度センサ31aを順番に通過し、第2の温度センサ積層体41については第4の温度センサ41b、第2の熱抵抗41c、第2の温度センサ41aを順番に通過して大気に放散されることになる。
各温度センサの形式は特に限定するものではないが、本実施形態ではサーミスタである。それぞれの温度センサは、回路基板17(図3参照)に図示しない配線により接続されており、各温度センサにおける温度を測定できるようになっている。
ここで、理解を容易にするため、非定常状態における接触式内部温度計100の内部温度の測定動作を説明する前に、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41が定常状態となった場合における、内部温度の測定方法を説明する。
定常状態は、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41の温度変化がなくなった状態であり、被測定面から大気へと、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41のそれぞれを通る熱流束が生じている。このとき、内部温度Tbは、第1の温度センサ31aにおける定常状態での温度をTc1、第2の温度センサ41aにおける定常状態での温度をTc2、第3の温度センサ31bにおける定常状態での温度をTc3、第4の温度センサ41bにおける定常状態での温度をTc4、第1の熱抵抗31cと第2の熱抵抗41cの熱抵抗値の比をKとすると、次式
しかしながら、先に述べたように、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41が定常状態となるには相当の時間を要する。この時間は、測定対象物の温度や各プローブ、温度センサ積層体の熱容量や材質によって異なるため一概に言えないが、現時点で通常の手段により入手できる小型のサーミスタを温度センサとして用い、測定対象物を人体とした場合、概ね60秒から100秒程度以上の時間が必要である。
そこで、測定時間を短縮するため、第1の温度センサ31a、第2の温度センサ41a、第3の温度センサ31b及び第4の温度センサ41bの定常状態での温度Tc1、Tc2、Tc3及びTc4を、非定常状態における過渡的な温度変化に基づいて予測することを考える。
4つの温度センサのうち、代表として第1の温度センサ31aについて熱収支方程式を考えると、次のようになる。
この数8の微分方程式の一般解はA1、B1を定数として次の形になる。
第2の温度センサ41a、第3の温度センサ31b及び第4の温度センサ41bについても同様であり、それらの非定常状態における温度を示す式はそれぞれ、
これら数9乃至数12を用いたTc1乃至Tc4の予測は、非定常状態における測定結果であるT1乃至T4の測定点数を増加させるにつれてその精度が向上するという性質を有している。ところが、T1乃至T4、すなわち、第1の温度センサ31a乃至第4の温度センサ41bの温度の測定は、単一のコントローラを用いる限り、同時に実行することができず、順番に実行せざるを得ない。さらに、第1の温度センサ31a乃至第4の温度センサ41bに加え、基準抵抗の抵抗値を測定する必要があるため、測定に要する時間は、1点の測定に要する時間に、温度センサの数に基準抵抗の分の1を加えた数(=5)と、繰り返し測定回数を乗じたものとなる。例えば1点の測定当たり0.3sの時間を要し、繰り返し測定回数を10回とすると、
0.3[s]×5×10=15[s]
となり、測定には15秒を要することとなってしまう。
0.3[s]×5×10=15[s]
となり、測定には15秒を要することとなってしまう。
この理由を図5及び図6を用いて簡単に説明する。図5は、接触式内部温度計100の温度測定部の概略の回路図である。温度測定部は、コントローラ60に、第1の温度センサ31a乃至第4の温度センサ41b、環境温度センサ50、充電時抵抗61及び、基準抵抗62を接続したものとなっている。また、各抵抗はコンデンサ63を介し、接地される。さらに、各抵抗のコンデンサ63側の配線は、コントローラ60内部に設けられたコンパレータ64に接続される。充電時抵抗61はFET65を介して電源電圧Vccに、また、第1の温度センサ31a乃至第4の温度センサ41b、環境温度センサ50及び充電時抵抗61はそれぞれFET66を介して接地される。FET65のオン/オフは充電信号CSにより、FET66のオン/オフは個別に放電信号DSにより制御される。コンパレータ64には、電源電圧Vccより低い値である参照電圧Vrefが入力される。コンパレータ64からの出力は、タイマカウンタ67に入力される。
図5の回路により、代表として第1の温度センサ31aの温度を測定するときを考える。図6は、第1の温度センサ31aの温度を測定する際のコンデンサ63の充電電圧(すなわち、コンパレータ64に入力される電圧)の変化を示すグラフである。同グラフの縦軸は電圧V、横軸は時間tである。
まず、時刻t0において充電信号CSにより、FET65をオンとする。このとき、放電信号DSにより、FET66は全てオフとされているため、コンデンサ63は電源電圧Vccまで充電される。なお、このとき用いる充電時抵抗61の抵抗値は、基準抵抗62や各温度センサの抵抗値より十分低いものとされており、コンデンサ63への充電が速やかに行われる。
時刻t1で、充電信号CSによりFET65をオフとし、放電信号DSにより、第1の温度センサ31aに接続されたFET66のみをオンとしてコンデンサ63に蓄積された電気を放電する。これにより、充電電圧は図6に示したように降下し、参照電圧Vrefを下回った時点でコンパレータ64の出力が反転する。
このときの放電速度は第1の温度センサ31aの抵抗値により変化するので、放電を開始した時刻t1からコンパレータ64の出力が反転する時刻t2までの放電時間Δtをタイマカウンタ67により計測する。測定時誤差を排除するため、同様の計測を所定の回数、例えば15回行い平均値をとる等して、第1の温度センサ31aについての放電時間Δt1が得られる。この計測に要する時間は、例えば充電におよそ10ms、放電におよそ10msが必要であり、計測の繰り返し数が15回であれば300msを要することとなる。
同様の計測を温度依存のない基準抵抗62に対して行い、基準抵抗62についての放電時間Δtrefを測定すると、第1の温度センサ31aの抵抗値R1は、基準抵抗62の抵抗値Rrefを用いて、
他の温度センサについても、測定の精度を担保するため、第1の温度センサ31aと共通の基準抵抗62、共通のコンデンサ63を用いなければならず、そのため、複数の温度センサによる計測を並列で同時に実行することはできない。
そこで、本実施形態の接触式内部温度計100では、第1の温度センサ積層体31の温度センサのいずれか一方(すなわち、第1の温度センサ31a又は第3の温度センサ31b)、第2の温度センサ積層体41の温度センサのいずれか一方(すなわち、第2の温度センサ41a又は第4の温度センサ41b)に加え、環境温度センサ50による計測のみで内部温度Tbを測定するようにしている。このようにすれば、測定に要する時間は、計測に係る温度センサの数に基準抵抗の分の1を加えた数(=3)と繰り返し測定回数の積に、さらに環境温度センサ50の測定回数である1を加え、1点の測定に要する時間に乗じたものとなる。先ほどの例と同様に1点の測定に要する時間を0.3sとし、繰り返し測定回数を10回とすると、
0.3[s]×(3×10+1)=9.3[s]
となり、測定時間は9.3秒で済むことになる。なお、環境温度センサ50はすでに定常状態にあると考えられるため、繰り返しの測定は不要である。
0.3[s]×(3×10+1)=9.3[s]
となり、測定時間は9.3秒で済むことになる。なお、環境温度センサ50はすでに定常状態にあると考えられるため、繰り返しの測定は不要である。
この測定の原理を説明する。発明者の知見によれば、定常状態において、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41それぞれについて、C1及びC2を定数としたときに次の関係が成り立っている。
このことは、定数C1が既知であれば、定常状態における第1の温度センサ31aの温度Tc1及び第3の温度センサ31bの温度Tc3のいずれか一方と環境温度Teを測定することにより、第1の温度センサ31aの温度Tc1及び第3の温度センサ31bの温度Tc3の他方は測定することなく数14により算出でき、同様に、定数C2が既知であれば、定常状態における第2の温度センサ41aの温度Tc2及び第4の温度センサ41bの温度Tc4のいずれか一方と環境温度Teを測定することにより、第2の温度センサ41aの温度Tc2及び第4の温度センサ41bの温度Tc4の他方は測定することなく数15により算出できる、ということを意味している。
したがって、接触式内部温度計100のコントローラにあらかじめC1及びC2を記憶させておくことにより、第1の温度センサ31a及び第3の温度センサ31bのいずれか一方並びに第2の温度センサ41a及び第4の温度センサ41bのいずれか一方における測定を省略できるのである。
本実施形態に係る接触式内部温度計100では、非定常状態において、第1の温度センサ31a及び第2の温度センサ41aにおける温度の計測を行うものとしている。すなわち、コントローラは、次のように動作することにより、内部温度Tbを算出し測定する。
ステップ1:非定常状態において、第1の温度センサ31aの温度を複数回、例えば10回測定し、その結果から数9を用いて定常状態における第1の温度センサ31aの温度である第1の予測温度Tc1を予測する。
ステップ2:非定常状態において、第2の温度センサ41aの温度を複数回、例えば10回測定し、その結果から数10を用いて定常状態における第2の温度センサ41aの温度である第2の予測温度Tc2を予測する。
ステップ3:定常状態にある環境温度センサにより環境温度Teを測定する。
ステップ4:数14より定常状態における第1の熱抵抗体の温度である第3の予測温度Tc3を算出する。
ステップ5:数15より定常状態における第2の熱抵抗体の温度である第4の予測温度Tc4を算出する。
ステップ6:数7より、内部温度Tbを算出する。
ステップ1:非定常状態において、第1の温度センサ31aの温度を複数回、例えば10回測定し、その結果から数9を用いて定常状態における第1の温度センサ31aの温度である第1の予測温度Tc1を予測する。
ステップ2:非定常状態において、第2の温度センサ41aの温度を複数回、例えば10回測定し、その結果から数10を用いて定常状態における第2の温度センサ41aの温度である第2の予測温度Tc2を予測する。
ステップ3:定常状態にある環境温度センサにより環境温度Teを測定する。
ステップ4:数14より定常状態における第1の熱抵抗体の温度である第3の予測温度Tc3を算出する。
ステップ5:数15より定常状態における第2の熱抵抗体の温度である第4の予測温度Tc4を算出する。
ステップ6:数7より、内部温度Tbを算出する。
以上の説明より明らかなように、接触式内部温度計100の非定常状態における内部温度の測定においては、第3の温度センサ31b及び第4の温度センサ41bは、温度センサとしては機能しておらず、単なる熱抵抗体である(これをそれぞれ、第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体と呼びかえてもよい)。このことは、前述の数14及び数15における定数C1及びC2の値が既知であれば、第1の熱抵抗体及び第2の熱抵抗体をサーミスタ等の温度センサとする必要はなく、適宜の材料を用いた単なる熱抵抗体であってもよいということを意味している。
例えば、図7に示すように、第1の温度センサ積層体31を第1の温度センサ31aと第1の熱抵抗体31dを積層したものとし、第1の熱抵抗体31dを第1のプローブ30と熱的に結合させ、第2の温度センサ積層体41を第2の温度センサ41aと第2の熱抵抗体41dを積層したものとし、第2の熱抵抗体41dを第2のプローブ40と熱的に結合させたものとしてもよい。或いは、図8に示すように、第1の温度センサ31aを第1のプローブ30と熱的に結合させ、第2の温度センサ41aを第2のプローブ40と熱的に結合させるようにしてもよい。図7に示した第1の温度センサ積層体31と、図8に示した第2の温度センサ積層体41を組み合わせても、その逆に、図7に示した第2の温度センサ積層体41と、図8に示した第1の温度センサ積層体31を組み合わせてもよい。
しかしながら、図7及び図8に示した構造は、定数C1及びC2の値が事前に十分な精度で確定でき、また温度センサ積層体を製造した際の個体ごとの定数C1及びC2の値のばらつきが実用上問題ない範囲に収まる状況において採用すべきものである。接触式内部温度計100に要求される内部温度の測定精度が高く、温度センサ積層体の個体ごとの特性の差異を考慮すべきである場合には、図4に示したように、第3の温度センサ31b及び第4の温度センサ41bを用いる構成を採用するとよい。
この理由は、第3の温度センサ31b及び第4の温度センサ41bにおける測定結果を使用することにより、定数C1及びC2の値の校正ができるからである。すなわち、接触式内部温度計100の測定面20を任意の恒温熱源に接触させた状態で、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41の温度変化がない定常状態となるのを待ち、その後、第1の温度センサ31aの温度Tc1、第2の温度センサ41aの温度Tc2、第3の温度センサ31bの温度Tc3、第4の温度センサ41bの温度Tc4及び、環境温度Teを測定し、前述の数14及び数15に代入することにより、定数C1及びC2の値を正確に求めることができるのである。コントローラには、新たに得られたC1及びC2の値を記憶させる。これにより、温度センサ積層体の個体ごとの特性を反映させ、より正確な内部温度の測定結果が得られるようになる。
なお、この定数C1及びC2の値の校正は、温度センサ積層体の個体ごとの特性を反映させる目的で、接触式内部温度計100の製造時に行うほか、他の任意のタイミングで行ってもよい。例えば、温度センサ積層体の経年劣化等に伴う特性の変化を反映させるため、あらかじめ定められた期間ごと或いは測定回数ごとに行ってもよいし、周辺環境(例えば気温)の変化を反映させるため季節毎に行う等してもよい。そのため、コントローラは、使用者からの指示等に従い、前述した定数C1及びC2の値の校正動作を行うようになっていてもよい。
また、図4に示す第3の温度センサ31b及び第4の温度センサ41bを用いる構成であれば、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41が定常状態になっている場合には、数7により、各温度センサの測定結果から直接内部温度Tbを算出することができる。したがって、コントローラは、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41が定常状態であることを検出したならば、数14及び数15を用いることなく数7より内部温度Tbを算出するようになっていてよい。定常状態の検出は、第1の温度センサ31aの温度T1及び第2の温度センサ41aの温度T2を一定時間ごとに測定し、温度変化があらかじめ定められた閾値以下であることによりおこなってよい。なお、この温度T1及び温度T2の一定時間ごとの測定は、数9及び数10による温度Tc1及び温度Tc2の予測のために行う測定と兼ねてよい。
続いて、環境温度センサ50を固定する構造について述べる。環境温度センサ50は、図3に示すように、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41がおかれる環境温度を測定するものであり、その配置や個数は特に限定されない。例えば、環境温度センサ50の個数を1つとして、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41とは独立にFPC(Flexible Printed circuits)上に設け、回路基板17に接続するとともに、環境温度センサ50を例えば測定ヘッド2に設けた適宜の支持構造上に固定する等してもよい。
あるいは、図9に示すように、第1の温度センサ31a及び第3の温度センサ31bを両面に実装し、第1の温度センサ積層体31を構成しているFPC31eの延長部分の途中に環境温度センサ50を実装するようにしてもよい。FPC31eの延長部分は、さらに回路基板17まで延びて接続される。もちろん、環境温度センサ50は、第2の温度センサ積層体41の側に設けてもよい。或いは、第1の温度センサ積層体31の側と第2の温度センサ積層体41の側の両方に設けてもよい。その場合には、環境温度Teは、2つの環境温度センサ50のいずれか片方の測定結果を用いるか、若しくは両方の測定結果の平均値を用いるかして測定するとよい。
続いて、本実施形態に係る接触式内部温度計100を用いて内部温度を測定する手順、すなわち測温動作の手順を図1乃至4を参照しつつ説明する。
手順1:接触式内部温度計100の測定面20を測定対象物に接触させる。
手順2:回路基板17に搭載されたコントローラにより、測温動作が開始される。なお、この測温動作の開始は、第1の温度センサ31a又は第2の温度センサ41a或いはその両方により測定される温度の上昇を検知することにより自動的に行ってもよいし、図示しない押ボタン等のスイッチを使用者が操作することにより行ってもよい。このとき、コントローラはブザー13によるビープ音により測定を開始したことを使用者に通知する。同時に、ランプ11を任意の色、例えば赤色に点灯し、使用者に測定面20を測定対象物に接触させたまま維持するよう促す。また、このとき、コントローラは、ブロア7を作動させ、ヘッド空間19bを換気する。この動作により、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41を通過してヘッド空間19b内の空気に伝達された熱によりヘッド空間19b内の気温が上昇することによる環境温度の変動を防止する。
手順3:コントローラは、前述した方法により測定対象物の内部温度Tbを算出し、図1に示したように表示部12に表示する。また、ブザー13によるビープ音の発生、並びに、ランプ11を先ほどの色とは異なる任意の色、例えば緑色に点灯することにより、使用者に測定が終了したことを通知する。なお、算出された内部温度Tbは、本実施形態では表示部12に表示することにより使用者に通知することとしているが、これに限られず、接触式内部温度計100に設けたメモリに蓄積したり、接触式内部温度計100の外部の機器に有線又は無線にて出力したりしてもよい。この場合には、表示部12は必ずしも必須の構成ではない。また、算出された内部温度Tbを表示する際に、かかる内部温度Tbが非定常状態における測定により得られたのか、定常状態における測定により得られたのかを示すようにしてもよい。
なお、以上の説明では、使用者への測定開始及び測定終了の各種通知をいずれもブザー13によるビープ音及びランプ11の点灯により行ったが、これらの通知の方法はここで例示したものに限定されない。特に、ビープ音についてはこれを省略し、或いは使用者の設定によりこれを発声しないこととしてもよい。音声を用いず、ランプ11の点灯のみにより使用者に各種の通知を行うようにすると、例えば測定対象が就寝中の乳児である場合に、乳児の睡眠を妨げることなく測定が可能である等好ましい場合がある。もちろん、ランプ11の点灯をどのようにするか、例えば発光色をどのように選択するかは任意である。また、発色光によらず、ランプ11を点滅させたり、発光光の強度を変化させたり、あるいはランプ11を複数設けておき、その点灯数や位置を違えることにより使用者に各種通知を行うようにしてもよい。さらに前述したように、ランプ11でなく、表示部12により使用者に各種通知を行ってもよい。
なお、以上の説明では、コントローラはブロア7を測温動作中に作動させるものとしているが、これに換え、例えば測温動作の終了ごとに一定時間動作させる等してもよい。本実施形態では、ブロア7は図1のグリップ空間19aからヘッド空間19bへと流れる気流を発生させる。そのため、ブロア7により誘起される空気の流れは、図中矢印に示すように、吸気穴16から吸い込まれ、ブロア7を通過し、第1の温度センサ積層体31及び第2の温度センサ積層体41の近傍を通過して排気穴21から排出されるものとなる。従って、本実施形態のブロア7、吸気穴16及び排気穴21は協働してヘッド空間19bを換気する換気機構を構成することになる。
なお、換気機構の構成はどのようなものであってもよく、ブロア7、吸気穴16及び排気穴21の配置は任意である。また、吸排気の向きを逆にしてもよい。また、ブロア7の形式は特に限定されず、一般的なファンであってもよいし、圧電素子を利用したマイクロブロアであってもよい。あるいは、換気性能に問題がなければ、ブロア7を省略し、吸気穴16及び排気穴21のみにより換気機構を構成しても差し支えない。
以上説明した実施形態に示した具体的な構成は例示として示したものであり、本明細書にて開示される発明をこれら具体例の構成そのものに限定するものではない。当業者はこれら開示された実施形態に種々の変形、例えば、各部材あるいはその部分の形状や数、配置等を適宜変更してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
1 ケース、2 測定ヘッド、5 支持環、6 電池、7 ブロア、10 背面、11 ランプ、12 表示部、13 ブザー、14 グリップ、15 電池蓋、16 吸気穴、17 回路基板、18 隔壁、19a グリップ空間、19b ヘッド空間、20 測定面、21 排気穴、30 プローブ、31 第1の温度センサ積層体、31a 第1の温度センサ、31b 第3の温度センサ、31c 第1の熱抵抗、31d 第1の熱抵抗体、31e FPC、40 第2のプローブ、41 第2の温度センサ積層体、41a 第2の温度センサ、41b 第4の温度センサ、41c 第2の熱抵抗、41d 第2の熱抵抗体、50 環境温度センサ、60 コントローラ、61 充電時抵抗、62 基準抵抗、63 コンデンサ、64 コンパレータ、65 FET、66 FET、67 タイマカウンタ、100 接触式内部温度計。
Claims (7)
- 測定対象物の内部温度を算出するため前記測定対象物の被測定面に接触させる測定面と、
第1の温度センサと第1の熱抵抗体が積層され、前記測定面に前記第1の温度センサ又は前記第1の熱抵抗体が熱的に結合される第1の温度センサ積層体と、
第2の温度センサと第2の熱抵抗体が積層され、前記測定面に前記第2の温度センサ又は前記第2の熱抵抗体が熱的に結合される第2の温度センサ積層体と、
前記第1の温度センサ積層体及び前記第2の温度センサ積層体がおかれた環境温度を測定する環境温度センサと、
前記第1の温度センサ及び前記第2の温度センサの定常状態における予測温度並びに前記環境温度センサにより測定された環境温度に基づいて前記測定対象物の内部温度を算出するコントローラであって、
前記第1の温度センサの非定常状態における複数の測定結果から、前記第1の温度センサの定常状態における第1の予測温度を予測し、
前記第2の温度センサの非定常状態における複数の測定結果から、前記第2の温度センサの定常状態における第2の予測温度を予測し、
前記第1の予測温度及び前記環境温度より定常状態における前記第1の熱抵抗体の温度である第3の予測温度を算出し、
前記第2の予測温度及び前記環境温度より定常状態における前記第2の熱抵抗体の温度である第4の予測温度を算出し、
前記第1の予測温度、前記第2の予測温度、前記第3の予測温度及び前記第4の予測温度に基づいて前記内部温度を算出するコントローラと、
を有する接触式内部温度計。 - 前記第1の熱抵抗体は前記測定面に熱的に結合された第3の温度センサであり、
前記第2の熱抵抗体は前記測定面に熱的に結合された第4の温度センサである
請求項1に記載の接触式内部温度計。 - 前記コントローラは、前記第1の温度センサ積層体及び前記第2の温度センサ積層体が定常状態にあることを検出した場合、前記第1の温度センサにより測定された温度、前記第2の温度センサにより測定された温度、前記第3の温度センサにより測定された温度、及び前記第4の温度センサにより測定された温度に基づいて前記内部温度を算出する請求項2又は3に記載の接触式内部温度計。
- 前記第1の温度センサ積層体、前記第2の温度センサ積層体及び前記環境温度センサが配置される空間を換気する換気機構を有する請求項1乃至3、5及び6のいずれかに記載の接触式内部温度計。
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JP2012250700A JP2014098639A (ja) | 2012-11-14 | 2012-11-14 | 接触式内部温度計 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016057199A (ja) * | 2014-09-10 | 2016-04-21 | セイコーエプソン株式会社 | 温度測定装置及び温度測定方法 |
-
2012
- 2012-11-14 JP JP2012250700A patent/JP2014098639A/ja active Pending
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