JP2014097897A - 炭素棒およびマンガン乾電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】マンガン乾電池の正極集電体として用いられる炭素棒の抗折力を向上させるとともに、この炭素棒をマンガン乾電池に用いた場合に、電解液の浸透性を抑制して耐漏液特性を向上させる。
【解決手段】炭素質粉末と粘土を混合して焼成することによって、混合時の不均一さを解消し、焼成時のクラック発生を抑止した緻密な炭素棒が得られ、これをマンガン乾電池に用いることによって、電解液の浸透を抑えて優れた耐漏液特性を有するマンガン乾電池を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、マンガン乾電池において、正極集電体として機能する炭素棒の改良に関する。
従来から、携帯機器および情報機器等の電子機器の電源として、マンガン乾電池が広く用いられている。
マンガン乾電池では、有底円筒形の負極缶内に円筒形の正極合剤が収納されている。正極合剤と負極缶との間にセパレータが配置されている。正極合剤の中央部には、正極集電体として機能する炭素棒が圧入されている。炭素棒は、電池缶の開口部を覆う正極端子板に電気的に接続されている。
炭素棒は、黒鉛、カーボンブラック、コークス等の炭素質粉末と、ピッチ、タール等の結着剤とを混合し、棒状に圧縮成形する。この成型体を焼成した後、パラフィンワックス等を含浸させ、任意の円柱状形状に表面を研磨して得られる。
炭素棒の結着剤は、前述した石油や石炭由来のピッチ、タール等が用いられていることが一般的であるが、その他の結着剤として、例えば、ポリスチレンやポリエチレン(特許文献1参照)、フェノール、エポキシ、フラン樹脂等が提案されている。(特許文献2参照)
すなわち、天然由来の炭化水素や合成樹脂などの有機物が炭素棒の結着剤として知られている。
特開昭57−202663号公報 特公昭51−5493号公報
しかしながら、従来の結着剤を用いた炭素棒にあっては、天然由来の炭化水素の軟化点および合成樹脂の融点以上の温度で混合する必要がある。これらの有機物は、加熱後も粘性が高いため炭素質粉末との分散性が悪く、混合して棒状に圧縮成形する際に結着剤の偏りが見られた。さらに、これらを加熱、焼成した場合、結着剤が炭化する際に大きなクラックが生じていた。特に、天然由来の炭化水素は揮発分が多く、加熱、焼成した際に生じるクラックは顕著であった。
上述したクラックは、炭素棒の機械的強度の劣化を招来し、炭素棒の抗折力が低下してしまうという問題があった。
そして、こうした大きなクラックを内在した炭素棒を用いたマンガン乾電池にあっては、貯蔵中ないし使用中に電解液が炭素棒に浸透し、炭素棒の頭部に嵌合した正極端子板まで達して正極端子板を腐食させるという問題があった。
そこで、本発明は、炭素棒の抗折力を向上させるとともに、マンガン乾電池に用いた場合に、電解液の浸透性を抑制することをすることを目的とする。
本発明の一局面は、炭素質粉末と粘土を混合し、焼成して得られる炭素棒であることを特徴とする。
前記粘土は、珪酸塩鉱物を主成分であることが好ましい。
前記粘土は、具体的には、カオリナイト系、ディッカイト系、ナクライト系、ハロイサイト系、セリサイト系、モンモリロナイト系の粘土鉱物からなる群より選択される少なくとも1種の粘土とすればよい。
より具体的には、前記粘土は、土岐口蛙目粘土、島ヶ原蛙目粘土、原蛙目粘土、土岐口木節粘土、島ヶ原木節粘土、本山木節粘土、伊賀木節粘土、ドイツ粘土、金剛カオリン、ニュージーランドカオリン、福島長石、釜戸長石、大平長石、インド長石、南郷長石、三雲長石、インド長石、福島珪石、天草陶石、柿谷陶石、泉山陶石、三石蝋石、および白絵土からなる群より選択される少なくとも1種の粘土とすればよい。
前記炭素質粉末を前記粘土に対して0.7〜19.0の質量比で混合するのが好ましい。
本発明の炭素棒の別の一局面は、炭素質粉末と、Siを1.0〜15.7質量%、およびAlを0.7〜12.1質量%含有することを特徴とする。
さらに、本発明の炭素棒の別の一局面は、メジアン細孔径が、0.4μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の別の一局面は、二酸化マンガンを含む円筒形の正極合剤と、亜鉛を含む負極缶と、前記正極合剤と前記負極缶との間に配されたセパレータと、前記正極合剤の中央部に挿入された炭素棒と、電解液とを備えたマンガン乾電池であって、前記炭素棒が、上述した炭素棒であるマンガン乾電池に関する。
本発明によれば、炭素質粉末と揮発分の少ない結着剤とを常温で均一に混ぜて焼成するため、大きなクラックが発生せず、炭素棒の抗折力が向上する。
また、炭素質粉末と結着剤を均一に混合できるため、焼成後はメジアン細孔径が小さく、緻密な焼成体となるため、高い抗折力が得られるばかりか、抗折力のばらつきも低減できるという効果を奏する。
さらに、炭素質粉末同士の接触性も向上することから、低い電気抵抗を有する炭素棒を安定して得ることができる。
そして、本発明の炭素棒を用いて正極集電体を構成したマンガン乾電池においては、貯蔵中ないし使用中に電解液が炭素棒に浸透し、炭素棒の頭部に嵌合した正極端子板まで達して正極端子板を腐食させにくくするという効果を奏する。
さらに、本発明の炭素棒は電気抵抗が低いことから、マンガン乾電池の内部抵抗を低減して強放電特性を向上させることができる。
本発明に係る単3形のマンガン乾電池の一部の断面を示した正面図である。
本発明の一局面は、炭素質粉末と粘土を混合し、焼成して得られる炭素棒であることを特徴とする。
炭素質粉末と揮発分の少ない粘土とを常温で均一に混ぜて焼成するため、大きなクラックが発生せず、炭素棒の抗折力が向上する。
また、炭素質粉末と粘土を均一に混合できるため、焼成後はメジアン細孔径が小さく、緻密な焼成体となるため、高い抗折力が得られるばかりか、抗折力のばらつきも低減できるという効果を奏する。
さらに、メジアン細孔径が小さく、緻密な焼成体となるため、炭素質粉末同士の接触性も向上することから、低い電気抵抗を有する炭素棒を安定して得ることができる。
前記粘土は、珪酸塩鉱物を主成分であることが好ましい。
具体的には、前記粘土は、カオリナイト系、ディッカイト系、ナクライト系、ハロイサイト系、セリサイト系、モンモリロナイト系の粘土鉱物からなる群より選択される少なくとも1種の粘土を用いればよい。
より具体的には、前記粘土は、土岐口蛙目粘土、島ヶ原蛙目粘土、原蛙目粘土、土岐口木節粘土、島ヶ原木節粘土、本山木節粘土、伊賀木節粘土、ドイツ粘土、金剛カオリン、ニュージーランドカオリン、福島長石、釜戸長石、大平長石、インド長石、南郷長石、三雲長石、インド長石、福島珪石、天草陶石、柿谷陶石、泉山陶石、三石蝋石、および白絵土からなる群より選択される少なくとも1種の粘土とすればよい。また、複数種の前記粘土を併用して用いても構わない。
前記炭素質粉末には、人造黒鉛と、カーボンブラックおよびコークスの少なくとも一方を用いるのが好ましい。
人造黒鉛と、カーボンブラックおよびコークスの少なくとも一方との配合比は、85〜30:15〜70が好ましい。
人造黒鉛は一般的に固定炭素分が98%以上と高いため、人造黒鉛の配合比が高い場合は、緻密な焼成体となり、高い抗折力が得られ、さらに低い電気抵抗を有する炭素棒を得ることができる。
カーボンブラックおよびコークスの両方を用いる場合、カーボンブラックおよびコークスの配合比は、25〜75:75〜25が好ましい。
コークスが炭素質粉末に使用されている場合、炭素質粉末と結着剤の混合物を押し出し成形機にて成形して得られる円柱状の成形体の密度が高く、高い抗折力を有する炭素棒を得ることができる。
一方、カーボンブラックが炭素質粉末に使用されている場合、カーボンブラックは導電性が高いため、低い電気抵抗を有する炭素棒を得ることができる。
前記炭素質粉末を前記粘土に対して0.7〜19.0の質量比で混合するのが好ましい。このように構成すると、炭素質粉末と粘土を均一に混合できるため、焼成後はメジアン細孔径が小さく、緻密な焼成体となるため、高い抗折力が得られると同時に、炭素質粉末同士の接触性も向上するため、低い電気抵抗を有する炭素棒を得られるとういう効果を奏する。
前記炭素質粉末を前記粘土に対して1.5〜4.0の質量比で混合するのが、さらに好ましい。このように構成すると、高い抗折力と低い電気抵抗のバランスに優れる。
本発明の炭素棒の別の一局面は、炭素質粉末と、Siを1.0〜13.0質量%、およびAlを0.7〜9.5質量%含有することを特徴とする。粘土を用いて焼成するために前記元素を特異的に含有する。
さらに、本発明の炭素棒の別の一局面は、メジアン細孔径が、0.4μm以下であることを特徴とする。焼成の際にクラックが発生しにくいために、極めて小さな細孔を有する。
本発明の一局面は、前述した炭素棒を用いたマンガン乾電池である。
以下、本発明のマンガン乾電池の一実施形態を、図1を参照しながら説明する。図1は、単3形のマンガン乾電池(R6)の一部を断面にした正面図である。
亜鉛を含む有底円筒形の負極缶4内に円筒形の正極合剤1が収納されている。正極合剤1と負極缶4との間にはセパレータ3が配置されている。セパレータ3には、例えば、クラフト紙に、架橋デンプンとポリ酢酸ビニルを主とする結着剤とを水系溶媒に溶かした糊材を塗布し乾燥させたものが用いられる。セパレータ3は、糊材が塗布された面が負極缶4に対向するように配されている。セパレータ3は、電解液を含む。電解液には、例えば、塩化亜鉛を含む水溶液が用いられる。正極合剤1の中央部に炭素棒2が挿入されている。
正極合剤1には、例えば、粉末状の二酸化マンガンと、アセチレンブラック等の粉末状の導電剤と、電解液との混合物が用いられる。正極合剤1中の二酸化マンガンの含有量は、40〜60重量%が好ましい。正極合剤1中の導電剤の含有量は、5〜15重量%が好ましい。
上述した電解液は、塩化亜鉛を含む水溶液が用いられる。電解液に塩化アンモニウムを少量添加してもよい。例えば、塩化亜鉛を20〜35質量%および塩化アンモニウムを0〜5質量%を含む水溶液を用いるとよい。
樹脂製のガスケット5は、その中央部の孔に円柱状の炭素棒2が挿入されている。なお、炭素棒2におけるガスケット5の孔との接触部分、および、ガスケット5の外周部下面の溝と負極缶4の開口端部との接触部には、密閉性を確保するため、ポリブテン等の封止剤が塗布されている。開口部を有する円形状の鍔紙9は、正極合剤1の上部に配置され、鍔紙9の開口部に炭素棒2が挿入されている。
負極缶4の開口部は、ガスケット5、および、中央部に凸部およびその周囲に平板状の鍔部を有するキャップ状のブリキ板からなる正極端子板11で覆われている。炭素棒2の頂部は正極端子板11の凸部内側に形成される凹部と嵌合されており、電気的に接続されている。正極端子板11の平板状の鍔部には、樹脂製の絶縁リング12が配置されている。正極合剤1の底部と負極缶4の底部との間の絶縁性を確保するため、両者間に底紙13が設けられている。負極端子板6の平板状外周部の外面側にシールリング7が配置されている。
負極缶4の外周に、熱収縮性を有する樹脂フィルムからなる樹脂チューブ8が配され、樹脂チューブ8の上端部はガスケット5の外周部上面を覆い、樹脂チューブ8の下端部はシールリング7の下面を覆う。
筒状のブリキ板からなる金属外装缶10は、樹脂チューブ8の外側に配置され、その下端部はシールリング7を覆うように内側に折り曲げられている。また、金属外装缶10の上端部を内方にカールさせるとともに、当該上端部の先端を、絶縁リング12を介して正極端子板11にかしめることにより、マンガン乾電池は密閉されている。
炭素棒2には、本発明の炭素棒が用いられる。焼成後の炭素棒を90〜150℃で溶融した液状のパラフィンワックス中に1〜6時間浸漬後、取り出して室温にてパラフィンワックスを固化させて表面を研磨することによって、炭素棒2を得ることができる。
本発明の炭素棒は抗折力が大きいため、電池を組立てる際(例えば、正極合剤の中空部およびガスケットの孔への炭素棒の挿入時、および正極端子板の凹部への炭素棒の嵌合時)に炭素棒に過度の力が加わることによる、炭素棒2の欠け、割れ、折れ等の低い機械的強度に起因する不具合の発生が抑制される。
本発明の炭素棒は緻密な焼成体となるため、電気抵抗が低く、内部抵抗の低い電池が得られる。炭素棒内部にクラックが存在することにより、貯蔵中ないし使用中に電解液が炭素棒に浸透し、炭素棒の頭部に嵌合した正極端子板まで達することによる、正極端子板の腐食が抑制される。よって、電池の信頼性が向上する。
以下に、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
《実施例1〜3および従来例》
表1に示す割合で、炭素質粉末および結着剤を配合した。炭素質材料には、人造黒鉛(小林商事製のAGP−40)、カーボンブラック(China Synthetic Rubber Corporation製の中橡炭黒原礦)、およびコークス(遼寧石油焦製)を用いた。結着剤には、後述の表2に示す所定の粘土(共立マテリアル製)を用いた。
なお、従来例として、ピッチおよびタール(共に、China Synthetic Rubber Corporation製)を結着剤に用いた。
この混合物をZ式攪拌機にて90分間混合した。混合物を押し出し成形機にて成形し、円柱状の成形体(径4mm、長さ700mm)を得た。
成形体をトンネル炉内で焼成し炭素棒を得た。非酸化性雰囲気下で、焼成温度は1000℃、および焼成時間は48時間焼成とした。
炭素棒を長さ50mmに切断した。炭素棒を120℃で溶融させた液状のパラフィンワックス(Taiwan Wax Company製の白蝋)に2時間浸漬した。室温環境下で炭素棒中に含まれるパラフィンワックスを固化させた。パラフィンワックスを含む炭素棒の表面を研磨し、円柱状の炭素棒(径4mm、長さ47.2mm)を得た。炭素棒のパラフィンワックス含有量は、炭素棒に対して約5質量%であった。
そして、得られた各々の炭素棒に関して、以下の(a)〜(d)に述べる評価を実施した。
(a)メジアン細孔径の測定
炭素棒にアルゴンガスを吹き込みながら、400℃の電気炉で3時間加熱し、パラフィンワックスを蒸発させた。このパラフィンワックスを蒸発した炭素棒のメジアン細孔径を水銀圧入法により測定した。
(b)抗折力の測定
炭素棒の長手方向が水平に向くように炭素棒を配置し、炭素棒を一対の支点で支えた。一対の支点は、炭素棒の長手方向に沿って、互いに所定距離Lだけ離して、対称に配置した。2つの支点の反対側(上方)より荷重をかけ、炭素棒が破断する荷重Wを求めた。
炭素棒の径D、一対の支点間の距離L、および荷重Wを用いて、下記式(2)より抗折力Fを求めた。
F=(8L/πD)×W・・・(2)
(c)電気抵抗の測定
電圧計の一対の端子を、炭素棒の長手方向に沿って、互いに所定距離Lだけ離して、所定位置に取り付けた。炭素棒の径Dは4mm、距離Lは30mmであった。炭素棒に電流を供給するための電源を準備し、その一対の端子を、炭素棒の両端に取り付けた。炭素棒と電源との間に、電源より供給される電流値を測定するための電流計を取り付けた。炭素棒に電流I(1.0A)を流し、その時の電圧Eを測定した。
電流値I、電圧値E、炭素棒の径D、および電圧計の一対の端子間の距離Lを用いて、下記式(1)より電気抵抗Rを求めた。
R=(πD/4)×(E/LI)・・・(1)
(d)含有元素の測定
炭素棒のSi量およびAl量は原子吸光分光分析法により測定した。
これらの評価結果を表2に示す。
実施例1〜3は、炭素質粉末と粘土を常温で均一に混合できるため、従来例よりもメジアン細孔径が小さな焼成体が得られた。
実施例1〜3は、メジアン細孔径が小さく緻密な焼成体となるのに加え、ピッチやタールに比べ揮発分の少ない粘土を使用するため、大きなクラックが発生せず、炭素棒の抗折力が従来例よりも向上した。
実施例1〜3は、メジアン細孔径が小さく緻密な焼成体となるため、炭素質粉末同士の接触性も向上し、従来例よりも低い電気抵抗を有する炭素棒が得られた。
Si含有量やAl含有量の多い粘土鉱物は、鉱物或いは微粒子同士の間に水を取り込み易く、粘土鉱物と炭素質粉末を攪拌機にて混合する際、粘土鉱物と炭素質粉末がくっ付きやすくなる為、緻密な焼成体を得られやすい。また、SiやAlは焼成中に溶解し始めるため、結着剤として作用し、高い抗折力を得られ易い。
《実施例4〜7》
続いて、炭素質粉末と粘土の混合する割合に関する検討を行った。粘土に対する炭素質粉末の質量比(炭素質粉末/粘土)を表3に示す所定の質量比に変化させて、実施例1と同様の手順で炭素棒2を作成した。なお、炭素質粉末として、人造黒鉛、カーボンブラックおよびコークスは、実施例1と同様の質量比(35:30:10)で用いた。その評価結果を表3に示す。
実施例4〜7は、炭素質粉末と粘土を常温で均一に混合できるため、メジアン細孔径が小さな焼成体が得られた。
実施例4〜7は、メジアン細孔径が小さく緻密な焼成体となるのに加え、ピッチやタールに比べ揮発分の少ない粘土を使用するため、大きなクラックが発生せず、炭素棒の抗折力が向上した。
実施例4〜7は、メジアン細孔径が小さく緻密な焼成体となるため、炭素質粉末同士の接触性も向上し、低い電気抵抗を有する炭素棒が得られた。
特に、実施例5および6では、抗折力および電気抵抗のバランスが良好であった。
粘土鉱物と炭素質粉末を攪拌機にて混合する際の作業性を考慮すると、炭素質粉末が粘土に対して質量比で19.0以下にすると混合しやすい。また、電気抵抗を考慮すると、炭素質粉末が粘土に対して質量比で0.8以上混合すればよい。したがって、前記炭素質粉末を前記粘土に対して0.8〜19.0の質量比で混合するのが好ましい。
次に、上述した各々の炭素棒を用いて、図1に示す本発明の単3形のマンガン乾電池(R6)を以下の手順により作製し評価した。
鉛0.4重量%含む亜鉛合金からなる有底円筒形の負極缶4に円筒形の正極合剤1を収納した。このとき、正極合剤1と負極缶4との間にセパレータ3を配置した。セパレータ3には、クラフト紙に、架橋デンプンとポリ酢酸ビニルを主とする結着剤とを水系溶媒に溶かした糊材を塗布し乾燥させたものを用いた。そして、糊材が塗布された面が負極缶4に対向するように、セパレータ3を配した。
次に、開口部を有する円形状の鍔紙9を、正極合剤1の上部に配置した。その後、正極合剤1の中空部に炭素棒2を配置した。正極合剤1には、二酸化マンガンと、アセチレンブラックと、電解液とを、45:10:45の重量比で混合したものを用いた。電解液には、塩化亜鉛30重量%含む水溶液を用いた。
ポリオレフィン系樹脂からなる、中央に孔を有するガスケット5を準備した。その中央部の孔に炭素棒2を嵌合させた。なお、炭素棒2をガスケット5の孔に嵌合させる際には、ガスケット5と炭素棒2との嵌合部分に、封止剤としてポリブテンを介在させた。
中央部に凸部およびその周囲に平板状の鍔部を有する、キャップ状のブリキ板からなる正極端子板11を準備した。炭素棒2の上部を正極端子板11の中央部の凹部に嵌合させ、正極端子板11の平板状の鍔部には、樹脂製の絶縁リング12を配した。正極合剤1の底部と負極缶4の間に底紙13を設け、両者間の絶縁状態を確保した。負極端子板6の平板状外周部の外面側にシールリング7を配置した。
負極缶4の外周には、絶縁を確保するための熱収縮性を有する樹脂フィルムからなる樹脂チューブ8を配し、その上端部が、ガスケット5の外周部上面を覆い、その下端部がシールリング7の下面を覆うように熱収縮させた。筒状のブリキ板からなる金属外装缶10を、樹脂チューブ8の外側に配置し、その下端部を内側に折り曲げ、その上端部を内方にカールさせるとともに、その上端部の先端を絶縁リング12にかしめた。
上記電池作製時において、実施例1〜7および従来例の炭素棒を用い、それぞれ実施例1〜7の電池A1〜A7および従来例の電池B1を作製した。
強放電特性を評価するため、各電池について、1.8Ωで15秒間放電した後、45秒間休止するステップを、放電電圧が0.9Vに達するまで、繰り返し実施した。このときの、繰り返した回数(サイクル数)を求めた。
また、耐漏液性を評価するため、作製した電池を60℃に3ヶ月保存した。表中の数字は試験乾電池数各100個のうち、炭素棒の頂部に嵌合した正極端子板が電解液の漏液によって腐食して不良となった個数を示している。その結果を表4に示す。
その結果、実施例1〜7の電池A1〜A7は、サイクル数は約165サイクル以上を示した。実施例1〜7の電池A1〜A7では、従来例の電池B1と比べて、大きなサイクル数を示した。実施例1〜5のA1〜A5では、電気抵抗が小さく乾電池の短絡電流が大きくなるので、その分大きな電流が取り出せ、サイクル数は約180サイクル以上と優れた強放電特性が得られた。特に、実施例4の電池A4では、サイクル数は約190サイクルであり、強放電特性が大幅に向上した。
実施例1〜7の電池A1〜A7では、漏液に至ることはなかった。メジアン細孔が小さく、炭素棒中に大きなクラックも発生しないため、電解液に対する防水性が向上し、マンガン乾電池に組み込まれた場合に炭素棒中への電解液の浸透が阻止されるので、炭素棒を通じて電解液が乾電池の外部まで漏液し、使用機器に損傷を与えるという問題がなくなる。
本発明の炭素棒は、マンガン乾電池の正極集電体として好適に用いられ、そのマンガン乾電池は、当該電池を電源とするあらゆる機器に用いられる。
1 正極合剤
2 炭素棒
3 セパレータ
4 負極缶
5 ガスケット
6 負極端子板
7 シールリング
8 樹脂チューブ
9 鍔紙
10 金属外装缶
11 正極端子板
12 絶縁リング
13 底紙

Claims (8)

  1. 炭素質粉末と粘土を混合し、焼成して得られる炭素棒。
  2. 前記粘土は、珪酸塩鉱物を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の炭素棒。
  3. 前記粘土は、カオリナイト系、ディッカイト系、ナクライト系、ハロイサイト系、セリサイト系、モンモリロナイト系の粘土鉱物からなる群より選択される少なくとも1種の粘土であることを特徴とする請求項1記載の炭素棒。
  4. 前記粘土は、ドイツ粘土、土岐口木節粘土、島ヶ原木節粘土、本山木節粘土、伊賀木節粘土、土岐口蛙目粘土、島ヶ原蛙目粘土、原蛙目粘土、金剛カオリン、ニュージーランドカオリン、福島長石、釜戸長石、大平長石、インド長石、南郷長石、三雲長石、インド長石、福島珪石、天草陶石、柿谷陶石、泉山陶石、三石蝋石、および白絵土からなる群より選択される少なくとも1種の粘土であることを特徴とする請求項1記載の炭素棒。
  5. 前記炭素質粉末を、前記粘土に対して0.8〜19.0の質量比で混合することを特徴とする請求項1記載の炭素棒。
  6. 炭素質粉末と、Siを1.0〜13.0質量%、およびAlを0.7〜9.5質量%含有することを特徴とする炭素棒。
  7. メジアン細孔径が、0.4μm以下であることを特徴とする炭素棒。
  8. 二酸化マンガンを含む円筒形の正極合剤と、
    亜鉛を含む負極缶と、
    前記正極合剤と前記負極缶との間に配されたセパレータと、
    前記正極合剤の中央部に挿入された炭素棒と、
    電解液とを備えたマンガン乾電池であって、
    前記炭素棒が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の炭素棒であるマンガン乾電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012204080A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Mitsubishi Pencil Co Ltd 乾電池用炭素集電体とその製造方法

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