JP2014097833A - 金属製燃料容器の製造方法および金属製燃料容器 - Google Patents

金属製燃料容器の製造方法および金属製燃料容器 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性及び耐溶剤性に優れた金属製燃料容器の製造方法および金属製燃料容器を提供すること。
【解決手段】本発明に係る金属製燃料容器の製造方法では、金属製燃料タンク内面に、25℃での粘度が10Pa・s以下、表面張力が40mN/m以下であり、かつ、接着性付与剤を塗料組成物全体の質量を基準にして0.1〜10質量%含むフッ素ゴム系塗料を、塗膜として1μm〜2000μm形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、プレス成形後の耐食性に優れた金属製燃料容器の製造方法および金属製燃料容器に関するものであり、特に、長期内面側耐食性を発揮することが可能な自動車用、自動二輪用、機械用、等における金属製燃料容器の製造方法および金属製燃料容器に関する。
自動車用、自動二輪用、機械用、等における金属製燃料容器には、燃料タンク材料として、これまで内外面耐食性、加工性、はんだ性(溶接性)等の優れたPb−Sn合金めっき鋼板が主として用いられ、自動車用燃料タンクとして幅広く使用されて来た。
また、Sn−Zn合金めっき鋼板は、例えば特許文献1に開示されているように、ZnおよびSnイオンを含む水溶液中で電解する電気めっき法によって主として製造されてきた。Snを主体とするSn−Zn合金めっき鋼板は、耐食性やはんだ性に優れており、電子部品などに多く使用されてきた。近年では、自動車燃料タンク用途でこのSn−Znめっき鋼板が優れた特性を有することが知見され、例えば特許文献2や特許文献3において、耐食性やはんだ性に優れた溶融Sn−Znめっき鋼板が開示されている。
特開昭52−130438号公報 特開平8−269733号公報 特開平8−269734号公報 特開平9−241866号公報 特開2005−153337号公報 特開2011−11803号公報 特開2010−208154号公報
自動車用燃料容器用金属素材として使用されてきたPb−Sn合金めっき鋼板は、各種の優れた特性(例えば、加工性・タンク内面耐食性、はんだ性、シーム溶接性等)が認められ愛用されてきたが、近年の地球環境認識の高まりにつれ、Pbフリー化の方向に移行しつつある。前記した溶融Sn−Znめっき鋼板は、確かに優れた耐食性、加工性、はんだ性を有するものであり、燃料容器用金属素材としては主流となっている。
しかしながら、最近、更なる燃料タンク内面側の耐食性の向上が求められている。上述の溶融Sn−Znめっき鋼板でも、劣化しやすいバイオ燃料の適用により、生成した有機酸環境中では赤錆発生に至るまでの期間が短く、穴あきやフィルター詰り等の市場不具合が発生する可能性が高く、金属製燃料容器材料の信頼性が低下している。
これを解消するために、金属製燃料容器内面側に塗料等の樹脂層を設定して絶縁することが考えられ、特許文献4では導電性樹脂被覆層を、特許文献5では樹脂被覆層をめっき表面に設けたプレコート材が提案されている。
しかしながら、プレコート材では、必要部位以外にも塗布することになり経済性が悪くなるとともに、加工性を高めるために皮膜中にWAXを添加する必要があり、さらに、樹脂も完全に架橋させることができないために、皮膜のバリアー性や素地との密着性は十分とはいえない。また、容器製造の溶接時には、塗膜が塗布されているところは通電させるために剥離させる必要があるため、燃料容器の生産性を阻害している。
また、特許文献6,7では、プレス後の金属表面にポリエステル系塗料を塗布したものが提案されているが、昨今の厳しい燃料タンク内面環境では、十分な塗膜密着性を確保することが出来ない。
そこで、本発明は、従来技術における上記問題点を解決し、耐食性及び耐溶剤性に優れた金属製燃料容器の製造方法および金属製燃料容器を提供することを課題とする。
本発明者らは、金属製燃料容器内面に相当するプレス後金属板表面に規定のフッ素ゴム系塗料を特定の膜厚で塗布することにより、耐食性や耐溶剤性に優れた金属製燃料容器が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見を基に完成させたものであって、本発明がその要旨とするところは、以下の通りである。
(1)金属製燃料容器の内面に相当するプレス後金属板の表面に、25℃での粘度が10Pa・s以下、表面張力が40mN/m以下であり、かつ、接着性付与剤を塗料組成物全体の質量を基準にして0.1〜10質量%含むフッ素ゴム系塗料を、塗膜として1μm〜2000μm形成することを特徴とする金属製燃料容器の製造方法。
(2)(1)に記載の製造方法により得られる金属製燃料容器。
本発明により、耐食性に優れ、且つ耐溶剤性にも優れる金属性燃料容器の製造方法を提供することが可能となった。そのため、金属板を使用した燃料容器内で有機酸が生成したり、スラッジ等の異物が付着したりしても、塗膜により金属面を腐食環境から隔離することで、燃料容器内での腐食を長期間抑制することが可能となった。従って、本発明は、産業上の極めて価値の高い発明であるといえる。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、金属製燃料容器の内面に相当するプレス後金属板の表面に、25℃での粘度が10Pa・s以下、表面張力が40mN/m以下であり、かつ、接着性付与剤を塗料組成物全体の質量を基準にして0.1〜10質量%含むフッ素ゴム系塗料を、塗膜として1μm〜2000μm形成することを特徴とする金属製燃料容器の製造方法である。
本発明に使用する金属板は、一般に公知の金属材料を用いることができる。この金属材料は、合金材料であってもよい。このような金属材料としては、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板、アルミ合金板、チタン板、銅板等が挙げられる。これらの材料の表面には、一般に公知のめっきが施されていてもよい。めっきの種類としては、例えば、亜鉛めっき、アルミめっき、銅めっき、ニッケルめっき、錫めっき等が挙げられる。また、金属材料の表面に施されるめっきは、これらの合金めっきであってもよい。また、鋼板を用いる場合には、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板、溶融合金化亜鉛めっき鋼板、アルミめっき鋼板、アルミ−亜鉛合金化めっき鋼板、錫−亜鉛めっき等、一般に公知の鋼板及びめっき鋼板を適用できる。これらの中でも、燃料容器内での耐食性が最も優れる錫−亜鉛めっきとの組み合せが、最も耐食性向上効果が顕著であり、望ましい。
本発明に用いる金属板の化成処理は、リン酸亜鉛系化成処理、塗布クロメート処理、電解クロム酸処理、反応クロメート処理、クロメートフリー系化成処理等を使用することができる。ノンクロメート系化成処理としては、3価クロム系、シランカップリング剤、ジルコニウム化合物、チタニウム化合物、タンニン又はタンニン酸、樹脂、シリカ等を含む水溶液で処理したもの等が知られており、特開昭53−9238号公報、特開平9−241576号公報、特開2001−89868号公報、特開2001−316845号公報、特開2002−60959号公報、特開2002−38280号公報、特開2002−266081号公報、特開2003−253464号公報等に記載されている公知の技術を使用しても良い。これらの化成処理は、市販の化成処理剤、例えば、日本パーカライジング社製のクロメート処理「ZM−1300AN」、日本パーカライジング社製のクロメートフリー化成処理「CT−E300N」、日本ペイント社製の3価クロム系化成処理「サーフコートTMNRC1000」等を使用することで利用することができる。
本発明の金属製燃料容器内面に相当するプレス後金属板表面に塗布するフッ素ゴム系塗料組成物(A)は、フッ素ゴム、接着性付与剤及び所望により用いるその他の成分(加硫剤、加硫補助剤、充填材、着色剤、受酸剤、分散剤、媒体(有機溶剤・水)、安定剤)を混合したものである。
フッ素ゴム系塗料組成物(A)は、金属板との密着性を確保するために、25℃での粘度が10Pa・s以下であり、かつ、表面張力が40mN/m以下である必要がある。なお、表面張力は低ければ低いほどよいが、15mN/mを下限とするのが望ましい。表面張力が15mN/m未満にするために界面活性剤の添加量が多くなり、経済的効果が乏しくなるためである。
25℃での粘度が10Pa・sを超過したり、表面張力が40mN/mを超過したりすると、塗料を塗布した際の塗料濡れ広がり性が悪くなり、金属板との隙間に空隙が形成され、腐食環境(有機酸水溶液)下で該空隙に腐食液が浸透して、塗膜剥離に繋がる。粘度は低いほどよいが、塗工性を考えると、0.1〜1Pa・sであることがより好ましい。
なお、上記粘度及び表面張力は、例えば、25℃の室内にてトルクバランス・サーボ方式の粘度計、及び、プレート法(Wilhelmy法)の自動表面張力計を用いることで測定可能である。
フッ素ゴム系塗料組成物(A)中の接着性付与剤の添加量は、0.1%〜10%が必要である。添加量が0.1%以下では、金属板との密着性が不十分で腐食環境下で塗膜剥離が起きてしまう。添加量が10%を超えると、塗膜のバリアー性が低くなり、有機酸を含有した燃料の透過性が上がるため、耐食性を確保できない。
さらに、フッ素ゴム系塗料組成物(A)の塗膜形成後膜厚は、1μm〜2000μmが必要である。膜厚が1μm未満では、塗膜欠陥が存在するために、その塗膜欠陥を通じて腐食が進展する。また、膜厚が2000μm以上では、塗膜硬化時の応力が塗膜との界面に集中するため、塗膜剥離に起こり耐食性が劣化する。フッ素ゴム系塗料組成物(A)の塗膜形成後膜厚は、好ましくは5μm〜800μmであり、更に好ましくは15μm〜400μmである。
フッ素ゴム系塗料組成物(A)中のフッ素ゴムとしては、例えば、主鎖が以下の繰り返し単位を含む分子構造を有する共重合体等が挙げられる。
−CF−CH−、−CH−CH−及び−CH−CH(CH)−から選択される少なくとも1種の繰り返し単位、並びに、−CF−CF(CF)−、−CF−CF−、−CF−CFCl−、−CF−CF(CFH)−及びCF−CF(ORf)−〔式中、Rfは、炭素数1〜9のフルオロアルキル基である。〕から選択される少なくとも1種の繰り返し単位。
上記フッ素ゴムとしては、例えば、ビニリデンジフルオライド[VdF]とヘキサフルオロプロピレン[HFP]の共重合体、VdFとテトラフルオロエチレン[TFE]とHFPの共重合体等のVdF系含フッ素共重合体、TFEとプロピレンの共重合体、エチレンとHFPの共重合体等のパーフルオロアルキルビニルエーテル[PFVE]とアルケンの共重合体等が挙げられる。なかでも、架橋性の点から、VdF系含フッ素共重合体が好ましい。ここで、VdF系含フッ素共重合体とは、単量体成分としてVdFを含有する含フッ素共重合体である。
上記フッ素ゴムの分子量は、好ましくは5000〜200000である。分子量が5000未満であると、加硫度に劣る場合があり、分子量が200000を超えると、上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)の流動性が悪化し、塗装作業性に劣る場合がある。
上記フッ素ゴムとしては、弾性を呈することができる含フッ素共重合体であることが好ましく、例えば、市販品を用いることができ、例えば、「ダイエル」(登録商標、ダイキン工業社製)、「バイトン・フローム」(登録商標、E.I.デュポン社製)、「カルレッツ」(登録商標、E.I.デュポン社製)、「アフラス」(登録商標、旭硝子社製)等が挙げられる。上記フッ素ゴムとしては、また、例えば乳化重合等の従来公知の方法等により合成したものであってもよい。上記フッ素ゴムとしては、1種又は2種以上を用いることができる。
上記フッ素ゴムは、加硫され、硬化されてもよい。上記加硫に用いられる加硫剤としては特に限定されず、例えば、通常使用されるフッ素ゴムの加硫剤を用いることができる。上記加硫剤としては、好ましくは下記のものが用いられる。
(1)ポリアミン系加硫剤
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、エタノールアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ−2−スピロ[5.5]−ウンデカン等の脂肪族ポリアミン及びその塩;ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族アミン及びその塩;変性ポリアミン;ポリアミドアミン
(2)ポリオール系加硫剤
水酸基、特にフェノール性水酸基を分子内に少なくとも2個有する化合物及び高分子化合物であって、加硫性能を有するものが挙げられる。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、ヒドロキノン等のフェノール誘導体及びその塩;フェノール樹脂等エノール型水酸基を分子内に2個以上有するポリヒドロキシ化合物及びその塩;下記一般式Rf’(CHOH)〔ただし、Rf’は、パーフルオロアルキルポリエーテル基である。〕で表される化合物等が挙げられる。
(3)ポリチオール系加硫剤
トリアジンチオール、1,6−ヘキサンジチオール、4,4’−ジメチルメルカプトジフェニル、1,5−ナフタレンジチオール等が挙げられる。
上記加硫剤としては、上記以外にも、フッ素ゴム用加硫剤として市販されている加硫剤はいずれも使用することができ、1種又は2種以上を用いることができる。上記加硫剤としては、後述する媒体が有機溶剤の場合にはその有機溶剤に可溶なものを用いることが好ましく、上記媒体が水の場合には水に可溶なものを用いることが好ましい。
上記加硫剤は、効率よく充分に上記加硫を行わせる点から、固形分基準で上記フッ素ゴム100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜15質量部であることがより好ましい。
上記フッ素ゴムには、上記加硫を促進させるために、加硫助剤を用いることもできる。上記加硫助剤としては特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィンベンジルクロライド塩等の4級ホスフォニウム塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジメチルn−ブチルアミン、ジメチルイソブチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル−sec−ブチルアミン、ジメチル−tert−ブチルアミン、トリアリルアミン、ジアリルメチルアミン、アリルジメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン、N−アリルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−シクロヘキシルピロリジン、N−n−ブチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−ベンジルピロリジン、2,4,6−トリメチルピリジン等の3級アミン;第4級アンモニウム塩等の化合物が好ましい。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ジメチルデシルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ミリスチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、1,4−フェニレンジメチレンビストリメチルアンモニウムジクロライド、1,4−フェニレンジメチレンビストリエチルアンモニウムジクロライド、エチレンビストリエチルアンモニウムジブロマイド等のアルキル及びアラルキル第4級アンモニウム塩;8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム−メチルサルフェート、8−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド、8−プロピル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロマイド、8−ドデシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ドデシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4、0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−テトラコシル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロオキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザ−ピシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド等の第4級1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム塩等が挙げられる。
上記加硫助剤としては、上記媒体が有機溶剤の場合にはその有機溶剤に可溶なものを用いることが好ましく、上記媒体が水の場合には水に可溶なものを用いることが好ましい。
上記加硫助剤は、効率よく充分に上記加硫を行わせる点から、固形分基準で上記フッ素ゴム100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.1〜8質量部がより好ましい。
上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)に用いる接着性付与剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤等が挙げられる。上記接着性付与剤としては、また、上記加硫剤の中で接着性を有するものを用いることができ、例えば、アミノシラン化合物、ポリアミドアミン、フェノール樹脂等の添加量に応じて接着性付与剤として機能し得るもの等が挙げられる。
上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)は、上記フッ素ゴムに加え、一般的なフッ素ゴム組成物に通常添加される各種添加剤、例えば充填材、着色剤、受酸剤等を必要に応じて配合したものであってよい。
上記充填材としては特に限定されず、例えば、カーボンブラック、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。上記着色剤としては特に限定されず、例えば、無機顔料、複合酸化物顔料等が挙げられる。上記受酸剤としては特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化亜鉛、炭酸鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト等の複塩が挙げられる。上記受酸剤は、通常、その活性度に応じ、固形分基準で上記フッ素ゴム100質量部に対し、1〜40質量部を配合することができる。
上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)は、更に、媒体を含有するものであってもよい。本明細書において、上記媒体とは、塗料組成物の成分を溶解又は分散させる物質である。上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)に用いられる媒体としては特に限定されず、有機溶剤又は水の何れを用いてもよい。これら媒体の選択および添加量により、規定の粘度および表面張力を制御することができる。
上記有機溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸イソペンチル等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;トルエン、キシレン等の炭化水素類;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類等が挙げられる。上記有機溶剤は、上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)全体の質量を基準にして40〜90質量%用いることが好ましい。
上記媒体として水を用いる場合には、上記フッ素ゴムを上記媒体中に分散させるため、分散剤を用いることが好ましい。上記分散剤としては、ラウリル硫酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、ω−ハイドロパーフルオロアルキルカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール誘導体等の非イオン性界面活性剤;アルキルポリエチレングリコールエーテル、アルキルフェニルポリエチレングリコールエーテル、アルキルポリエチレングリコールエステル、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、ポリエチレングリコールアルキルエステル、ポリカルボン酸塩等の樹脂系分散剤等が挙げられる。上記分散剤は、上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)全体の質量を基準にして、0.1〜10質量%用いることが好ましい。
上記媒体として水を用いる場合、乾燥遅延剤を用いてもよい。上記乾燥遅延剤としては特に限定されず、例えば、水溶性かつ高沸点の有機溶剤等が挙げられ、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ブチルカルビトール、セロソルブ、酢酸セロソルブ等が挙げられる。また、媒体として水を用いる場合には、乾燥遅延剤を加えることが好ましい。
上記媒体としての水は、上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)全体の質量を基準にして30〜90質量%用いることが好ましい。上記媒体としては、得られる塗膜の表面平滑化、環境保護等の点から、水を用いることが好ましく、上記水は、上記媒体中70〜100質量%であることがより好ましい。
上記フッ素ゴム系塗料組成物(A)としては、保存安定性の向上を目的として、安定剤を添加したものであってよい。上記安定剤としては特に限定されず、例えば、炭素数1〜12の有機酸等が挙げられ、炭素数1〜9の有機酸が好ましい。炭素数が9を越える有機酸は、塗膜中に残存しやすい。上記安定剤は、より好ましくは、炭素数1〜4の有機酸である。上記安定剤として更に好ましい有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
以下、実験に用いた燃料容器金属板について詳細を説明する。
新日本製鐵株式会社製の亜鉛−錫合金めっき鋼板「エココート−S(QMT)」(以下、ECと称す。)、電気亜鉛ニッケル合金めっき鋼板「ジンクライト(QM)」(以下、ZLと称す。)、電気亜鉛めっき鋼板「ジンコート(QM)」(以下、EGと称す。)を原板として準備した。板厚は0.8mmのものを使用した。本実験で用いためっき付着量は、全種類の30〜32g/mのものを用いた。
上記鋼板に、パラフィン系潤滑油(出光興産製Z3)を塗布後、ポンチ径φ75mm−R3のエリクセン加工により、高さ43mmとして燃料容器を得た。次に、準備した原板を日本パーカライジング社製のアルカリ脱脂液「FC−4336」の2質量%濃度、50℃水溶液にてスプレー脱脂して、水洗後乾燥した。その後、容器の内側底に、表1に示す塗料組成物をスプレーにて規定の硬化塗膜厚みになるように塗装し硬化させて、目的の燃料容器を得た(温度は物温にて測定し、時間は設定温度キープ時間である。)。
フッ素ゴムとしては、ダイキン工業社製「ダイエル」を使用し、加硫剤としては、トリエチレンテトラミンを使用した。接着性付与剤としては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを使用した。また、メチルイソブチルケトンを適宜添加して表面張力を制御し、トルエンを使って粘度を制御した。
なお、本実施例において、粘度及び表面張力は、25℃の室内にてトルクバランス・サーボ方式の粘度計(東機産業社製TV−25形粘度計)、及び、プレート法(Wilhelmy法)の自動表面張力計(協和界面科学社製DY−700)により測定した。
以下、作製した燃料容器の評価方法の詳細を記載する。
(1)塗料密着性
サンプル内に有機酸水溶液(蟻酸100ppm、酢酸200ppm、NaCl 100ppm)を80mL入れ、65℃で1000時間放置した。その後、1mm幅の碁盤目カット(100マス)し、テープ剥離試験を行った。塗膜が全く剥離しない場合を◎、カット入れた塗膜の縁が欠けているのみの場合を○、マスの残存塗膜面積が50%以上の場合を△、マスの残存塗膜面積が50%未満の場合を×と評価した。
(2)耐燃料溶解性
サンプル内に市販のレギュラーガソリン80mL入れ、O−リングを介してステンレス板で機械的にフタをして、これを45℃で1000時間放置した。放置後の塗膜膨潤状態を目視観察して評価した。塗膜表面が浸漬前と比較して変化がない場合を◎、塗膜表面にミミズ腫れの様な跡残りが僅かにある場合を○、塗膜の膨潤が僅かに認められる場合を△、塗膜表面にミミズ腫れの様な跡残りが激しくあり塗膜の膨潤が激しく認められる場合を×と評価した。
(3)内面耐食性試験
サンプル内に蟻酸100ppm、酢酸200ppmからなる有機酸水溶液8mLと市販のレギュラーガソリン72mLを入れ、ステンレス板で機械的にフタをして、これを65℃で2000時間放置した。放置後の塗膜膨潤状態を目視観察して評価した。塗膜表面が浸漬前と比較して変化がない場合を◎、塗膜表面の変色が僅かにある場合を○、塗膜の膨潤が僅かに認められる場合を△、塗膜が剥離してめっきが腐食している場合を×、地鉄が腐食している場合を××と評価した。
表2に作製した燃料容器の評価結果を示す。
Figure 2014097833
Figure 2014097833
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. 金属製燃料容器の内面に相当するプレス後金属板の表面に、25℃での粘度が10Pa・s以下、表面張力が40mN/m以下であり、かつ、接着性付与剤を塗料組成物全体の質量を基準にして0.1〜10質量%含むフッ素ゴム系塗料を、塗膜として1μm〜2000μm形成することを特徴とする、金属製燃料容器の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により得られる、金属製燃料容器。


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