JP2014097623A - 熱線遮蔽フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱線遮蔽性に優れるとともに可視光線透過性に優れ、かつ、優れた耐候性能および高い断熱性能を有する熱線遮蔽フィルムを提供する。
【解決手段】 プラスチックフィルムの一方の面に、少なくとも熱線反射層と表面保護層とをこの順に備えた熱線遮蔽フィルムであって、前記表面保護層は、プラズマCVD法で形成した炭素を含有する酸化珪素の層であり、前記炭素を含有する酸化珪素の層は、その組成を一般式SiOxCyで表したとき、xの値が1.5〜2.0の範囲であり、yの値が0.01〜0.30の範囲である熱線遮蔽フィルムとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、太陽光に含まれる近赤外線などの熱線を遮る目的で建物や自動車などの窓ガラスに貼り付けて用いられる熱線遮蔽フィルムに関するものである。
近年は、太陽光線の進入による室内の温度上昇の軽減および省エネルギー化を図るために、建物や車輌あるいは自動車等の窓に、可視光線を十分に取り入れながら熱線を遮蔽して、明るさを維持しつつ同時に室内の温度上昇を抑制する各種の熱線遮蔽手段が実施されている。
窓の熱線遮蔽手段の一つとしては、基体である透明性フィルムの表面に熱線反射層を形成した、例えば、粘着剤層/透明フィルム/熱線反射層/表面保護層という構成の熱線遮蔽フィルムを窓に貼り付ける方法が行われている。
熱線遮蔽フィルムの熱線反射層としては、例えば、スパッタリングや蒸着により形成したアルミニウム、銀、金等の金属薄膜が知られている。しかし、金属のスパッタリング薄膜や蒸着膜は、熱線遮蔽性能は優れているが、透明性が悪く可視光線透過率が損なわれるため、熱線反射層を、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の誘電体層と金属層とを積層した構成として透明性を高めたものが知られている。
そして、清掃などの際に表面にキズが入って透明性が低下するのを防止するため、および熱線反射層の耐候性を確保するために、熱線反射層の上に表面保護層として、耐擦傷性、耐摩耗性に優れた硬質表面を有するハードコート層が形成される。
表面保護層であるハードコート層は、例えば、特許文献1に開示されているように、紫外線硬化型樹脂の塗工液を塗布し、硬化させて形成することが知られている。そして、紫外線硬化型樹脂としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などの樹脂が知られている。
特開2000−117918号公報
しかしながら、上記の特許文献1などに開示されているような、表面保護層として樹脂系のハードコート層を形成した熱線遮蔽フィルムは、耐候性能と断熱性能との両立が困難であるという課題がある。すなわち、ハードコート層の膜厚が薄い場合には、水蒸気に対するバリア性が悪いため熱線反射層が劣化しやすく、耐候性が十分でないという課題がある。また、耐候性能を高めるために、ハードコート層の膜厚を厚くした場合には、熱貫流率が大きく、断熱性が十分でないという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、熱線遮蔽性に優れるとともに可視光線透過性に優れ、かつ、優れた耐候性能および高い断熱性能を有する熱線遮蔽フィルムを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の熱線遮蔽フィルムは、プラスチックフィルムの一方の面に、少なくとも熱線反射層と表面保護層とをこの順に備えた熱線遮蔽フィルムであって、前記表面保護層は、プラズマCVD法で形成した炭素を含有する酸化珪素の層であることを特徴とする。
本発明の熱線遮蔽フィルムによれば、熱線反射層上の表面保護層を、プラズマCVD法で形成し、炭素を含有する酸化珪素の層としているので、この表面保護層は、水蒸気に対する高いバリア性を有するとともに、熱貫流率を小さくすることができ、優れた耐候性能および高い断熱性能を有する熱線遮蔽フィルムとなる。
以下、本発明の熱線遮蔽フィルムの実施の形態について、詳細に説明する。
本実施の形態の熱線遮蔽フィルムは、プラスチックフィルムの一方の面に、少なくとも熱線反射層と表面保護層とをこの順に備えた熱線遮蔽フィルムであって、前記表面保護層は、プラズマCVD法で形成した炭素を含有する酸化珪素の層である構成としている。
以下、本実施の形態における熱線遮蔽フィルムとその製造方法について、それぞれの構成毎に順に説明する。
基材となるプラスチックフィルムとしては、可視光に対して透明なプラスチックフィルムを用いる。具体的なプラスチックの種類としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等が挙げられる。これらうち、耐熱性、機械的強度に優れ、安価でかつ透明性と柔軟性も兼ね備えている等の観点から、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。プラスチックフィルムの厚みは12〜200μmの範囲が好ましい。
また、プラスチックフィルムの表面には、接着性を向上させるために、予め、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面処理を施してもよく、共重合ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等の易接着層を設けてもよい。
そして、本実施の形態の熱線遮蔽フィルムにおいては、プラスチックフィルムの一方の面に、熱線反射層を備えている。熱線反射層としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、錫などの金属やその合金の金属薄膜を用いることができ、なかでも、可視光線の吸収がほとんどない銀やその合金の金属薄膜とすることが好ましい。金属薄膜の厚みは、波長400〜750nmにおける可視光透過率が少なくとも70%になるように、5〜500nmの範囲とすることが好ましい。厚みが5nm未満であると、近赤外線および赤外線透過率が高くなり十分な熱線反射効果が得られず、また、500nmを超えると可視光透過率が低下し透明性が悪くなるので好ましくない。金属薄膜の形成方法としては、気相成長法が好ましく、特に、真空蒸着法、スパッタリング法またはCVD法が好ましい。
また、熱線反射層は、可視光線の反射を抑制し透過特性を高めるために、上記の金属薄膜と、誘電体膜または透明導電膜とを交互に積層してなる層であることが好ましい。誘電体膜または透明導電膜としては、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)などの金属酸化物を薄膜化したものを用いることができる。なお、誘電体膜または透明導電膜は、上記の金属薄膜をサンドイッチ状に挟む積層構造とすることで、透明性を向上させることができる。誘電体膜または透明導電膜の厚みは、熱線遮蔽フィルムの光学特性を満足する範囲で金属薄膜とあわせて設定すれば良く、好ましい厚みは10〜750nmの範囲である。誘電体膜または透明導電膜の形成方法としては、気相成長法が好ましく、特に、真空蒸着法、スパッタリング法またはCVD法が好ましい。
そして、熱線反射層にキズが入って透明性が低下するのを防止するため、および熱線反射層の耐候性を確保するために、熱線反射層の上に表面保護層を設けている。本実施の形態の熱線遮蔽フィルムにおいては、特に、表面保護層として、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層をプラズマCVD法で形成している。
プラズマCVD法で形成した炭素を含有する酸化珪素のハードコート層は、耐擦傷性、耐摩耗性に優れた硬質表面を有するとともに、空気中の水分に対して優れたバリア性を有するため、熱線反射層の劣化を防止することができ、本実施の形態の熱線遮蔽フィルムの耐候性能を高めることができる。
そして、プラズマCVD法で形成した炭素を含有する酸化珪素のハードコート層は、従来の樹脂系のハードコート層と比較して、極めて薄い膜厚であっても、表面保護層としての機能が果たせるので、表面保護層の膜厚を薄くすることが可能である。また、赤外領域に吸収が少ない表面保護層である。これにより、熱貫流率を小さくすることができ、本実施の形態の熱線遮蔽フィルムの断熱性能を高めることができる。なお、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層の膜厚は、30〜1000nmの範囲であることが好ましい。膜厚が30nm未満であると表面保護層としての機能を十分に果たすことができず、また、1000nmを超えると可撓性が損なわれフィルムを曲げた場合にクラックが発生し、ガスバリア性が低下してしまうため、好ましくない。
また、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層の組成としては、炭素成分が少ないほど柔軟性に欠けクラックが発生しガスバリア性が低下しやすく、炭素成分が多いほど透明性が低下しやすいので、一般式SiOxCyで表したとき、yの値が0.01〜0.30の範囲であることが、特に好ましい。また、酸素成分に関しては、一般式SiOxCyで表したとき、xの値が2に近いほど、透明性が向上する傾向があり、また、反対にxの値が2より小さいほど、ガスバリア性が向上する傾向がある。すなわち、高い透明性と高いガスバリア性を両立して得るためには、xの値が1.5〜2.0の範囲であることが好ましい。
炭素を含有する酸化珪素のハードコート層は、上記したように、プラズマCVD法により形成される。また、プラズマ発生装置としては、直流(DC)プラズマ、低周波プラズマ、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、3極構造プラズマ、マイクロ波プラズマなどの低温プラズマ発生装置が用いられる。
プラズマCVD法により形成される炭素を含有する酸化珪素のハードコート層は、有機シラン化合物と酸素ガスを原料として成膜することができる。有機シラン化合物としては、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラメチルシラン(TMS)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テトラメチルジシロキサン、メチルトリメトキシシランなどの比較的低分子量の有機シラン化合物を用いることができる。
プラズマCVD法による成膜では、上記有機シラン化合物を気化させ酸素ガスと混合したものを電極間に導入し、低温プラズマ発生装置にて電力を印加してプラズマ化し、プラスチックフィルムの一方の面に形成した熱線反射層の上に、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層を形成する。また、プラズマCVD法では、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層の膜質を様々な方法で変えることが可能であり、例えば、有機シラン化合物やガス種の変更、有機シラン化合物と酸素ガスの混合比や、印加電力の増減などにより、比較的容易に、ハードコート層の酸素成分や炭素成分の組成比を設定することができる。
そして、本実施の形態の熱線遮蔽フィルムにおいては、窓などに貼り付けるために、プラスチックフィルムの熱線反射層と表面保護層とを形成した面の反対側のプラスチックフィルムの表面には、粘着剤層を備えていることが望ましい。熱線遮蔽フィルムは、透明性が必要な用途であるから、粘着剤層も透明でそれ自体高い耐候性を有していることが望ましい。このような粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の透明粘着剤が使用できる。粘着剤層の厚さは、透明性を阻害せず、適度な粘着性が得られるよう、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μmの範囲が望ましい。また、本実施の形態の熱線遮蔽フィルムにおいては、粘着剤層には、表面に離型処理を施した離型フィルムを貼り合わせて構成することができる。
以下、本発明の熱線遮蔽フィルムとその製造方法について、実施例に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
実施例1の熱線遮蔽フィルムは、以下のようにして作製した。まず、基材となるプラスチックフィルムとして、50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。
そして、以下のようにして、上記のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上の一方の面に、ITO層/銀層/ITO層の3層構造の熱線反射層を形成した。具体的には、まず、熱線反射層の第1層目として、30nmのITO層を直流マグネトロンスパッタリング法で形成した。スパッタリングは、ターゲットとして10重量%のSnOを含有したITOターゲットを用い、ガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用いた。続いて、熱線反射層の第2層目として、ITO層の上にAg層を形成した。Ag層の厚みは10nmとした。Ag層は、Agターゲットを用い、Arガスのみを用いて直流マグネトロンスパッタリング法で形成した。さらに、熱線反射層の第3層目として、Ag層の上に30nmのITO層を形成した。形成方法は、第1層目と同じとした。
次に、上記の熱線反射層の上に、表面保護層として、プラズマCVD法により、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層を形成した。具体的には、高周波プラズマCVD装置を用い、1×10−3Pa以下にチャンバー内を真空排気した後、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と酸素(O)との体積比が、HMDSO:O=1:135となるように制御して、チャンバー内に導入した。その後、プラズマ励起電力を0.3W/cmとして、高周波プラズマCVDを実行し、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層を形成した。この時形成したハードコート層の厚さは、150nmであった。以上により、実施例1の熱線遮蔽フィルムを得た。
また、得られた実施例1の熱線遮蔽フィルムの炭素を含有する酸化珪素のハードコート層の組成について、分析した。組成分析は、X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社製、ESCA5800)を用いて、Si、O、Cのスペクトルの比から原子組成百分率で算出した。この時、Cの量は7.4%、Siの量は30.9%、Oの量は61.7%であった。したがって、この組成を一般式SiOxCyで表したとき、xの値が1.997であり、yの値が0.240であった。
〈実施例2〉
実施例2の熱線遮蔽フィルムが、実施例1と異なる点は、形成した表面保護層であり、プラズマCVD法の条件、および、これにより形成した炭素を含有する酸化珪素のハードコート層の組成である。このほかの基材のプラスチックフィルム、熱線反射層の形成方法などは、実施例1と全く同様にして、実施例2の熱線遮蔽フィルムを作製した。
具体的には、実施例2では、プラズマCVD法の条件として、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と酸素(O)との体積比が、HMDSO:O=1:100となるように制御して導入した。そして、プラズマ励起電力を0.6W/cmとして、高周波プラズマCVDを実行し、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層を形成した。この時形成したハードコート層の厚さは、実施例1と同様に150nmであった。以上により、実施例2の熱線遮蔽フィルムを得た。
また、得られた実施例2の熱線遮蔽フィルムの炭素を含有する酸化珪素のハードコート層の組成について、実施例1と同様の方法で分析した。分析結果は、原子組成百分率で、Cの量は2.7%、Siの量は33.1%、Oの量は64.2%であった。したがって、この組成を一般式SiOxCyで表したとき、xの値が1.940であり、yの値が0.082であった。
〈比較例1〉
比較例1の熱線遮蔽フィルムが、実施例1と異なる点は、形成した表面保護層であり、このほかの基材のプラスチックフィルム、熱線反射層の形成方法などは、実施例1と全く同様にして、比較例1の熱線遮蔽フィルムを作製した。
比較例1では、表面保護層として、アクリル系ハードコート層を形成した。具体的には、実施例1と同様に形成した3層構造の熱線反射層の上に、紫外線硬化型アクリル樹脂系塗料を、硬化後の膜厚が2μmとなるよう塗布し、100℃で1分間乾燥した後、UV照射装置を用いて紫外線を照射して硬化し、アクリル系ハードコート層を形成した。以上により、比較例1の熱線遮蔽フィルムを得た。
〈比較例2〉
比較例2の熱線遮蔽フィルムも、比較例1と同様に、表面保護層としてアクリル系ハードコート層を形成した。比較例2の熱線遮蔽フィルムが、比較例1と異なる点は、形成した表面保護層としてのアクリル系ハードコート層の厚さであり、硬化後の膜厚を12μmとした。このほかは、比較例1と全く同様にして、比較例2の熱線遮蔽フィルムを作製した。
以上により作製した、実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2の4種の熱線遮蔽フィルムについて、可視光線透過率、遮蔽係数、熱貫流率、鉛筆硬度および耐候性を評価した。評価結果を、(表1)に示す。なお、可視光線透過率、遮蔽係数、および熱貫流率の評価は、試料の熱線遮蔽フィルムの熱線反射層と表面保護層を形成した面の反対面に透明粘着フィルムを貼付けて粘着剤層を形成し、この粘着剤層を介して、3mm厚のフロートガラスに貼付けて行った。
なお、可視光線透過率および遮蔽係数は、JIS A5759に基づき測定、算出した。測定は、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、UV−3600)を用い、波長300〜2500nmの範囲で透過率および反射率について行った。
熱貫流率は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用い、波長2500nm〜25μmの範囲で、表面保護層側の反射率を測定し、得られた反射率の値を元にJIS A5759に基づき熱貫流率を算出した。
表面保護層の鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に準じて、ひっかき硬度を評価した。耐候性は、試料の熱線遮蔽フィルムを60℃−95%RHの環境下に500時間放置して耐湿熱試験を行い、試験後の熱線遮蔽フィルムの外観を目視で観察して評価した。
Figure 2014097623
(表1)の評価結果に示したように、プラズマCVD法により炭素を含有する酸化珪素のハードコート層を表面保護層として形成した実施例1および実施例2の熱線遮蔽フィルムは、鉛筆硬度および耐候性がほぼ同程度である比較例2と比較して、遮蔽係数は殆ど差違が無いにもかかわらず、共に、熱貫流率が2W/mK以上も小さく、断熱性能に非常に優れていることが確認できた。
また、実施例1および実施例2の熱線遮蔽フィルムは、鉛筆硬度がHであり、耐擦傷性、耐摩耗性に優れた硬質表面を有するとともに、耐湿熱試験後の外観にも変化か無く、優れた耐候性能を有する熱線遮蔽フィルムであることが確認できた。
以上のように、実施例1および実施例2の熱線遮蔽フィルムは、熱線反射層上の表面保護層をプラズマCVD法で形成し、炭素を含有する酸化珪素の層としているので、この表面保護層は、水蒸気に対する高いバリア性を有するとともに、熱貫流率を小さくすることができ、優れた耐候性能および高い断熱性能を有する熱線遮蔽フィルムであることが確認できた。
一方、表面保護層としてアクリル系ハードコート層を形成した比較例1および比較例2の熱線遮蔽フィルムは、実施例と比較して、共に、熱貫流率が5W/mK以上と大きく、断熱性能に劣っていることがわかる。また、特に、アクリル系ハードコート層の厚さが2μmと薄い比較例1の熱線遮蔽フィルムは、鉛筆硬度がBで、耐擦傷性、耐摩耗性に劣り、耐湿熱試験後の外観にも白化を生じ、耐候性能にも課題があることがわかる。
本発明に係る熱線遮蔽フィルムは、熱線遮蔽性に優れるとともに可視光線透過性に優れ、かつ、優れた耐候性能および高い断熱性能を有するものであるので、太陽光に含まれる近赤外線などの熱線を遮る目的で建物や自動車などの窓ガラスに貼り付けて用いられる熱線遮蔽フィルムとして、特に有用である。

Claims (3)

  1. プラスチックフィルムの一方の面に、少なくとも熱線反射層と表面保護層とをこの順に備えた熱線遮蔽フィルムであって、前記表面保護層は、プラズマCVD法で形成した炭素を含有する酸化珪素の層であることを特徴とする熱線遮蔽フィルム。
  2. 前記炭素を含有する酸化珪素の層は、その組成を一般式SiOxCyで表したとき、xの値が1.5〜2.0の範囲であり、yの値が0.01〜0.30の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽フィルム。
  3. 前記プラスチックフィルムの他方の面に、粘着剤層を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱線遮蔽フィルム。

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