JP2014097609A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル層の応力によりノズル端部に剥離が生じた場合においても、剥離部からの液体の侵入を抑制することができ、信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板4と、基板の上に、液体を吐出するための吐出口11及び吐出口に連通する液体流路12とを有する被覆樹脂層1と、を備える液体吐出ヘッドであって、基板の上であって被覆樹脂層の側壁に液体侵入防止構造体3を有し、液体侵入防止構造体は、被覆樹脂層に覆われていない基板表面から被覆樹脂層の側壁を伝い、被覆樹脂層の側壁中腹で被覆樹脂層内に埋没している。
【選択図】図1

Description

本発明は液体吐出ヘッドおよびその製造方法に関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッドの一例としては、インク小液を吐出し、それを紙等の被印刷媒体に付着させるインクジェット・プリント方式を利用するインクジェット記録ヘッドが挙げられる。
近年の記録技術の発達に伴い、インクジェット記録ヘッドに対して、インクを吐出する吐出する吐出口の配列密度を高密度化すること、また吐出口およびそれに連通する流路の形状を高精細化することが求められている。例えば特許文献1には、予め発熱素子及び駆動回路を設けたシリコンウェハ上にフォトリソ技術によりパターニングが可能な樹脂でノズル層を形成する液体吐出ヘッドの製造方法が開示されている。
しかし、ノズル層全体を樹脂で形成した場合、樹脂硬化により発生する応力により、ノズル層の端部に剥離が発生する可能性がある。ノズル層端部に剥離が生じると、剥離部からインクが侵入する場合があり、侵入したインクによってノズルの信頼性が低下する可能性が考えられる。
この対策として、特許文献2では、ポリエーテルアミド樹脂等からなる密着層を該基板と被覆樹脂層との間に設けることによって、該基板と被覆樹脂層との密着力を向上させ、剥離を抑制することが提案されている。
特開平6−286149号公報 特開平11−348290号公報
しかし、近年インクジェットプリンターに対して、印字速度の高速化の重要が高まり、高速化の達成手段としては、ノズルチップの長尺化が有効であるが、この際、チップの長尺化により被覆樹脂の体積が増加する。
このため、被覆樹脂の硬化収縮により発生する応力が増大し、特許文献1に提案されているような密着層だけでは、被覆樹脂層の応力に対する保持力が十分でなく、結果として被覆樹脂層の端部から剥がれが生じる可能性が考えられる。被覆樹脂層端部からインクが侵入した場合、ノズルの信頼性が低下する可能性が考えられるため、被覆樹脂層の剥離によるインク侵入を防止できるような対策が望まれている。
そこで、本発明の目的は、ノズル層の応力によりノズル端部に剥離が生じた場合においても、剥離部からの液体の侵入を抑制することができ、信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することである。
本発明の一形態は、液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、該基板の上に、前記液体を吐出するための吐出口及び該吐出口に連通する液体流路とを有する被覆樹脂層と、を備える液体吐出ヘッドであって、前記基板の上であって前記被覆樹脂層の側壁に液体侵入防止構造体を有し、前記液体侵入防止構造体は、前記被覆樹脂層に覆われていない基板表面から前記被覆樹脂層の側壁を伝い、前記被覆樹脂層の側壁の中腹で前記被覆樹脂層内に埋没していることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
また、本発明の一形態は、前記液体吐出ヘッドを製造する方法であって、
(1)前記吐出エネルギー発生素子を有する前記基板の上に、前記液体侵入防止構造体の前記被覆樹脂層への埋没位置を決定するための形成用パターンを形成する工程と、
(2)前記基板及び前記形成用パターンの上に、前記液体侵入防止構造体の材料を配置する工程と、
(3)前記液体侵入防止構造体の材料の上に、前記液体侵入防止構造体の形状を決定するためのマスクパターンを形成する工程と、
(4)前記マスクパターンを用いて前記液体侵入防止構造体の材料をエッチングし、前記液体侵入防止構造体を形成する工程と、
を有する液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明により、ノズル層の応力によりノズル端部に剥離が生じた場合においても、剥離部からの液体の侵入を抑制することができ、信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することが可能である。
本実施形態にかかる液体吐出ヘッドの構成例を示す上面図、斜視図及び断面図である。 本実施形態のインク侵入防止構造体の作用について説明するための断面図である。 本実施形態にかかる液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す工程断面図である。 本実施形態にかかる液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す工程断面図である。 本実施形態にかかる液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す工程断面図である。
本明細書では、本発明の適用例としてインクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、バイオチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッドにも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
本実施形態の液体吐出ヘッドの構成について図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの構成例を示す模式図である。また、図1(a)は液体吐出ヘッドの上面図であり、図1(b)は斜視図であり、図1(c)は、図1(a)に示すA−A’線に沿って基板4の面方向に垂直な面で切断した場合の断面図を示している。
当該インクジェット記録ヘッドは、インクを発泡せるためのヒーター等の吐出エネルギー発生素子14及び駆動回路が形成された基板4を有する。基板4には、インクをインク流路12に供給するためのインク供給口13が形成されている。基板4の上に、インク流路(液体流路)12及びインク吐出のためのインク吐出口11を構成するノズル層(被覆樹脂層とも称す)1が形成されている。さらに、インク侵入防止構造体(液体侵入防止構造体)3が、被覆樹脂層に覆われていない基板4の表面より被覆樹脂層の外周部側壁を伝い、側壁の中腹から被覆樹脂層内へ折り込む形で埋没されている。インク侵入防止構造体のうち被覆樹脂層に埋没する部分を埋没部と称す。
以下に、図2を参照して、本実施形態のインク侵入防止構造体の作用について説明する。図2(a)は、硬化収縮によりノズル層に応力が発生した状態を示す断面図である。本実施形態のインク侵入防止構造体3を側壁からノズル層に埋没させることで、硬化収縮により発生するノズル層応力5が生じた際に、インク侵入防止構造体3を起点に、図2(b)に示すように、ノズル層分断応力6とノズル層分断応力7に応力を分断することができる。
この際、図2(b)に示すように、ノズル分断応力6はノズルを剥離する方向に力が働く。また、分断応力6によるノズルを剥離する力が、ノズル層とインク侵入防止構造体との密着力を上回った段階で、ノズル層がインク侵入防止構造体の上面(埋没部上面)から剥離し、分断応力6の応力が緩和される。一方で、分断応力7の力はノズル層と基板4が剥離する方向に作用するが、インク侵入防止構造体とはより密着する方向に力が作用するため、結果としてノズル層とインク侵入防止構造の埋没部下面との密着力が向上する。
このため、分断応力6により、ノズル層とインク侵入防止構造体3の上面に剥離が生じた際も、分断応力7が作用するインク侵入防止構造体の埋没部下面は、よりノズル層との密着性が向上する。このため、インクが回路部に侵入する経路が生じることがなく、剥離部からのインク侵入を確実に防止することが可能となる。
液体侵入防止構造体は、基板と接する接地部と、ノズル層の側壁から内部に埋没する埋没部と、ノズル層の側壁に配置され、接地部と埋没部とに連通する側壁部と、を有する。液体侵入防止構造体の埋没部は、板状であることが好ましく、基板に対して平行となるようにノズル層中に埋没させることが好ましい。また、液体侵入防止構造体は、ノズル層の外周に亘って設けられることが好ましいが、特にこの形態に限定されるものではなく、ノズル層応力を考慮して、ノズル層の外周の一部に設けることもできる。インク侵入防止構造体により、上述の効果に加え、ノズル層の基板からの剥離を防止することができる。
インク侵入防止構造体の埋没部をノズル層内へ埋没させる位置(埋没部の上面の位置)は、ノズル層全体の高さ(基板表面からノズル層上面までの距離)をAとした場合、A/2以下の位置とすることが好ましい。下限は特になく、埋没部によってノズル層を高さ方向で分割できる位置であればよい。即ち、埋没部の下面が基板との間に間隔を有していればよい。これにより、分断応力6よりも分断応力7を確実に小さくすることができ、分断応力6によるノズル層の剥離を、確実にインク侵入防止構造体の上部から発生させることが可能となる。また、埋没部の上部の高さが基板表面からA/2以下であることが好ましい。
例えば、ノズル層の高さが50μmであった場合、インク侵入防止構造体を埋没させる位置は基板から25μmの位置以下とすれば、図1(d)に示す分断応力7をより効果的に減らすことができる。さらに、基板とノズル層の密着力の関係に応じて、インク侵入防止構造体の埋没位置を基板側に近づけることで、基板4とノズル層1の剥離をより効果的に防止することが出来る。さらに、例え剥離が生じた際もノズル層とインク侵入防止構造体の埋没部下面はより強固に密着するため、インクの侵入を防止することが可能である。
また、インク侵入防止構造体が基板と接触する長さ(接地部の幅)をb、ノズル層に埋没させる長さ(埋没部の幅)をcとした場合、b≧cとすることが好ましい。接地部の幅bが埋没部の幅c以上とすることで、ノズル層を保持する実効的な面積を増大させることができ、インク侵入防止構造体3と基板4の剥離をより効果的に防止可能である。
本実施形態において、インク侵入防止構造体を埋没させる位置やインク侵入防止構造体の厚さや形状は、発明を実施する液体吐出ヘッドの形態に応じて適宜変更することができる。
以下に本発明にかかる液体吐出ヘッドの製造工程の一例を図3〜5に基づいて説明する。
図3〜5は、本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の一例を示す模式的な断面工程図である。図1(c)に示す断面図と同様の断面が得られるように液体吐出ヘッドを切断した場合における各工程での切断面の様子を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、インクを吐出するためのエネルギーを発生させるための吐出エネルギー発生素子(例えばヒーター)と、該吐出エネルギー発生素子を駆動するための駆動回路が形成された基板(例えばSiウェハ)を用意する。なお、図において吐出エネルギー発生素子及び駆動回路は不図示である。
次に、図3(b)に示すように、基板4の上に、インク侵入防止構造体形成用パターン8を形成する。
インク侵入防止構造体形成用パターンは、例えばレジストを用いて形成することができる。レジスト層の形成方法としては、例えばスピンコート法、スリットコート法等があり、必要な膜厚や形成条件に応じて適宜選択することが可能である。このレジスト層をフォトリソグラフィー法によりパターニングすることにより、インク侵入防止構造体形成用パターン8を形成する。後工程において、インク侵入構造体形成用パターンの上面、壁面、基板の上にインク侵入構造体の材料を配置してパターニングすることにより、インク侵入構造体が形成される。
このインク侵入防止構造体形成用パターン8の高さが、インク侵入防止構造体をノズル層(被覆樹脂層)に埋没させる位置を規定する。そのため、レジスト層の膜厚(インク侵入防止構造体形成用パターン8の高さ)を調整することで、インク侵入防止構造体のノズル層へ折り込む位置を調整することが可能となる。
インク侵入防止構造体形成用パターン8の材料を、後工程の図3(d)に示すインク侵入防止構造体パターニング用のマスクパターン9と同一材料としておけば、その後の工程でインク侵入防止構造体形成用パターン8とマスクパターン9の一括除去が可能となる。また、使用するレジストは適宜選択し、形成用パターン8とマスクパターン9を個別の工程で除去することも可能である。
次に、図3(c)に示すように、基板4及びインク侵入防止構造体形成用パターン8の上に、基板4とノズル層1の密着力を向上させるための密着向上層2及びインク侵入防止構造体3を構成する密着性向上材料を形成する。
密着性向上材料の形成方法としては、例えばスピンコート法、スリットコート法等が挙げられる、必要な膜厚や形成条件に応じて適宜選択することが可能である。
密着性向上材料としては、有機SiO膜、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド等を用いることができる。具体的には、例えば日立化成工業製のHIMAL(商品名)が挙げられる。
本実施形態では、この密着性向上材料をパターニングして、後工程の図4(b)に示すように、密着向上層2とインク侵入防止構造体3を形成しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。また、密着性向上材料の厚みを制御することで、インク侵入防止構造体の厚みを適宜調整することが可能である。
実施形態によっては、密着向上層2とインク侵入防止構造体3を別個に形成しても良く、ことなる材料を用いて形成してもよい。密着向上層2とインク侵入防止構造体3を別個に形成すれば、インク侵入防止構造体の膜厚を制御し易くなり、より多くのノズル形態に対応することが可能となる。
次に、図3(d)に示すように、密着性向上材料の上に、インク侵入防止構造体パターニング用の及び密着向上層パターニング用のマスクパターン9を形成する。
該マスクパターンは例えばレジストを用いることができ、このレジストの塗布方法としては、上述のスピンコート法、スリットコート法等の一般的な樹脂層形成方法が挙げられる。また、マスクパターン9の膜厚や形成条件は、適宜選択することが可能である。
本実施形態では、マスクパターン9を用いて密着性向上材料をパターニングし、一括に密着向上層2及びインク侵入防止構造体3を形成するが、本発明は特にこれに限定されるものではない。
また、マスクパターン9としてインク侵入防止構造体形成用パターン8と同じ材料を用いれば、後工程で、インク侵入防止構造体形成用レジストパターン8とマスクパターン9を一括に除去することができ、工程を簡略化することが可能である。
インク侵入防止構造体の形状は、マスクパターン9の形状で適宜調整することができ、インク侵入防止構造体の埋没部をノズル層1へ埋没させる幅や長さ、インク侵入防止構造体と基板4との接地形状や密着面積を適宜調整することができる。
次に、図4(a)に示すように、マスクパターン9を用いて密着性向上材料をパターニングし、密着向上層2及びインク侵入防止構造体3を形成する。
次に、図4(b)に示すように、インク侵入防止構造体形成用パターン8とマスクパターン9を除去する。
本実施形態では、上述のように、密着向上層とインク侵入防止構造体を一括で形成する工程を説明しているが、インク侵入防止構造体の形成と密着向上層パターンの形成を各々別個で行ってもよい。
インク侵入防止構造体の材料としては金属材料を用いることが好ましく、Ti、Ta、W、またはこれらの酸化物若しくは窒化物であることがより好ましい。また、スパッタリング法やCVD法、蒸着法、イオンプレーティング法等により成膜した金属材料を用いてインク侵入防止構造体を形成すれば、インク侵入構造体自体の強度を向上させることが可能である。これにより、ノズル層の応力に対してより剥がれにくいインク侵入防止構造体を形成することも可能であり、構成材料と加工の工程については適宜選択することが可能である。
次に、図4(c)に示すように、インク流路の型材となる型パターン10を基板上に形成する。
型パターン10は、特に制限されるものではないが、例えばレジストを用いてフォトリソグラフィー法で形成することができ、ポジ型レジストを用いることが好ましい。また、型パターンは金属を用いて形成してもよい。
次に、図4(d)に示すように、基板4、型パターン10及びインク侵入防止構造体3の上に、ノズル層の材料となる被覆樹脂を配置する。
次に、図5(a)に示すように、被覆樹脂を塗布した後、フォトリソグラフィー法によって被覆樹脂に露光処理・現像処理を施し、インク吐出口11を有するノズル層(被覆樹脂層)を形成する。被覆樹脂の露光処理・現像処理は、インク侵入防止構造体の側壁部がノズル層の側面に露出するように実施される。
被覆樹脂としては、特に制限されるものではないが、ネガ型レジストを用いることが好ましい。
また、型パターンや被覆樹脂のパターニングについては、例えば、フォトリソグラフィー法、レーザー加工等、一般的なパターニング方法を用いることが可能である。
次に、図5(c)に示すように、基板の裏面側から異方性エッチングを行い、インク供給口を基板に形成する。その後、型パターンを除去してインク流路12を形成する。
以上の工程により、インク侵入防止構造体3をノズル層外周部に有する液体吐出ヘッドを作製できる。
「実施例1」
以下、本実施形態の実施例について図3〜5を参照して具体的に説明する。
まず、図3(a)に示すように、発熱素子と及び駆動回路が形成された直径200mm、厚み725μmのシリコンウェハを基板4として用意した。
この基板上に、インク侵入防止構造体形成用パターンの材料である樹脂をスピンコートにより塗布した。樹脂としては東京応化製のポジ型レジストを用い、塗布後にベーク処理を行った(温度:100℃、処理時間:10分)。また、ベーク処理後の樹脂の膜厚は10μmであった。
この樹脂膜をフォトリソ法によりパターニングし、図3(b)に示すようなインク侵入防止構造体形成用パターン8を形成した。
本実施例では、樹脂膜の膜厚や形成位置は、主にインク侵入防止構造体の高さと位置を決定するものとなり、十分な位置決め精度が得られる加工方式によって樹脂膜をパターニングすることが望ましいが、フォトリソグラフィー法に限定されるものではない。例えばインプリント法や、その他加工法であっても、インク侵入防止構造体形成用パターンを形成可能である。
次に、図3(c)に示すように、密着性向上材料をスピンコート法にて成膜した。密着性向上材料としては、日立化学の「HL−1200CH」(商品名)を用い、スピン回転数を調整して膜厚が3μmとなるよう調整した。
本実施例では、この密着性向上材料をパターニングして、図4(b)に示すように密着向上層2及びインク侵入防止構造体3を一括に形成する。これにより、工程数を抑えて、インク侵入防止構造体を形成することが可能である。
なお、インク侵入防止構造体を形成する方法としては、例えば、スパッタ法や蒸着法、イオンプレーティング等で金属膜を形成し、RIE等のエッチング法でパターニングする、といった方法も可能である。その場合、工程数は増加するが、ノズル層の応力に対してより機械的強度に優れたインク侵入防止構造体を形成することも可能である。
次に、密着性向上材料をパターニングするため、図3(d)に示すように、マスクパターン9をフォトリソグラフィー法で形成した。マスクパターン9に用いた樹脂としては、インク侵入防止構造体形成用パターンに用いた樹脂、つまり東京応化製のポジ型レジストを用いた。これにより、後工程で、インク侵入防止構造体形成用パターン8とマスクパターン9を一括で除去でき、除去工程を簡略化することが可能である。
次に、図4(a)に示すように、マスクパターン9をエッチングマスクとして、フルォロカーボン系ガスCFをエッチングガスとしたドライエッチングによって、密着性向上材料をパターニングし、密着向上層とインク侵入防止構造体を形成した。この際のエッチング方法としては、密着性向上材料のエッチングレートと下地となる基板4のエッチングレートに十分な差が得られるエッチング方法であることが好ましく、他のエッチングガスを用いることも可能である。
例えば、本実施例では下地基板の表面には絶縁層として窒化シリコンが形成されているため、エッチングガスとしてフッ化硫黄を用いることもでき、または、塩素と酸素の混合ガス等を用いたプラズマエッチングでも、密着性向上材料のパターニングは実施できる。
次に、エッチングマスク(形成用パターン8とマスクパターン9)として用いた東京応化製ポジ型レジストを露光し、現像液で除去した。
次に、インク流路の型パターンの材料となる樹脂をスピンコート法により基板上に塗布した。樹脂としては東京応化工業(株)製ポジ型Deep−UVレジストODUR(商品名)を用いた。塗布後のベーク処理は100℃、3分とした。ベーク処理後の膜厚を測定したところ17μmであった。この樹脂膜をフォトリソ法でパターニングし、図4(c)に示すように、型パターン10を形成した。
次に、図4(d)に示すように、基板、型パターン、インク侵入防止構造体の上に、ノズル層となる被覆樹脂をスピンコートにより配置した。被覆樹脂としては、化薬マイクロケム株式会社製ネガ型レジストSU−8(商品名)を用いた。塗布後のベーク処理は、温度を150℃、ベーク時間を60分とした。ベーク処理後の被覆樹脂の膜厚を測定したところ30μmであった。
この被覆樹脂をキヤノン製ミラープロジェクションマスクアライナー:MPA600(商品名)にて露光処理、続いて現像処理を実施し、図5(a)に示すように、インク吐出口11を有するノズル層を形成した。この際、インク侵入防止構造体がノズル層の側面に配置されるように位置合わせを行い、ノズル層の端部からインク侵入防止構造体が露出するようにパターニングを行った。
その後、基板の裏面側からシリコン異方性アルカリエッチングを行い、図5(c)に示すように、基板にインク供給口13を形成した。この際のエッチング液には、80℃、濃度25質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド液を用いた。エッチングマスクには日立製HL−1200CH(商品名)を用いたが、裏面加工方法はその他のドライエッチング方法でも可能である。
その後、有機アルカリ除去液にて型パターンを除去して、図5(b)に示すように、インク流路12を形成する。
以上の工程により、液体吐出ヘッドを完成させた。
この液体吐出ヘッドを用いて、実際にヘッドを形成して印字テストを行い、また、液体吐出ヘッド自体の耐久試験を行ったところ、ノズル層側壁からのインクの侵入がなく、良好な耐久性を有することを確認した。
1・・・ノズル層(被覆樹脂層)
2・・・密着向上層
3・・・液体侵入防止構造体(インク侵入防止構造体)
4・・・基板
5・・・ノズル層応力
6・・・インク侵入防止構造体直上にかかる応力
7・・・インク侵入防止構造体直下にかかる応力
8・・・インク侵入防止構造体形成用パターン
9・・・マスクパターン
10・・・型パターン
11・・・吐出口(インク吐出口)
12・・・液体流路(インク流路)
13・・・液体供給口(インク供給口)
14・・・吐出エネルギー発生素子(ヒーター)

Claims (6)

  1. 液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、該基板の上に、前記液体を吐出するための吐出口及び該吐出口に連通する液体流路とを有する被覆樹脂層と、を備える液体吐出ヘッドであって、
    前記基板の上であって前記被覆樹脂層の側壁に液体侵入防止構造体を有し、
    前記液体侵入防止構造体は、前記被覆樹脂層に覆われていない基板表面から前記被覆樹脂層の側壁を伝い、前記被覆樹脂層の側壁の中腹で前記被覆樹脂層内に埋没していることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記液体侵入防止構造体は、前記基板と接する接地部と、前記被覆樹脂層の側壁から内部に埋没する埋没部と、前記被覆樹脂層の側壁に配置され、前記接地部と前記埋没部とに連通する側壁部と、を有する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記基板と前記被覆樹脂層との間に、該被覆樹脂層と該基板との密着性を向上させるための密着向上層を有し、
    前記液体侵入防止構造体は前記密着向上層と同一材料を用いて構成される請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを製造する方法であって、
    (1)前記吐出エネルギー発生素子を有する前記基板の上に、前記液体侵入防止構造体の前記被覆樹脂層への埋没位置を決定するための形成用パターンを形成する工程と、
    (2)前記基板及び前記形成用パターンの上に、前記液体侵入防止構造体の材料を配置する工程と、
    (3)前記液体侵入防止構造体の材料の上に、前記液体侵入防止構造体の形状を決定するためのマスクパターンを形成する工程と、
    (4)前記マスクパターンを用いて前記液体侵入防止構造体の材料をエッチングし、前記液体侵入防止構造体を形成する工程と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記形成用パターンと前記マスクパターンは同一材料を用いて形成され、
    前記工程(4)の後、前記形成用パターンと前記マスクパターンを一括に除去する工程を有する請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記形成用パターンと前記マスクパターンが除去された後に、
    前記液体侵入防止構造体及び前記基板の上に被覆樹脂を配置する工程と、
    前記液体侵入防止構造体が前記被覆樹脂層の側壁に露出するように前記被覆樹脂を露光及び現像処理し、前記吐出口を有する前記被覆樹脂層を形成する工程と、
    を有する請求項4又は5に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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