JP2014095963A - 入力装置、入力方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる入力装置、入力方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネル200を含む入力装置を備えた携帯電話機100は、タッチパネル200に表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が操作キーの領域内での入力位置の移動を伴う操作である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する入力判断部410と、入力判断部410で、検出した一の操作が操作キーへの入力として判断された場合に、操作キーへの入力に対応する処理を実行する入力処理部420と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネル200を含む入力装置を備えた携帯電話機100は、タッチパネル200に表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が操作キーの領域内での入力位置の移動を伴う操作である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する入力判断部410と、入力判断部410で、検出した一の操作が操作キーへの入力として判断された場合に、操作キーへの入力に対応する処理を実行する入力処理部420と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子機器等におけるタッチパネルによる誤入力を防止する入力装置、入力方法、およびプログラムに関する。
近年、タッチパネルを搭載した電子機器が広く普及している。タッチパネルは、指やタッチペン(以下、指等という)により表示画面が接触(タッチ)されると接触を検知し位置情報を検出、指等により表示画面が押圧されると押圧を検知し位置情報および押圧を検出、または指等が表示画面に近づけられると接近を検知し位置情報を検出する。この検出された位置情報や押圧を用いて表示画面に表示されたアイコンや操作ボタンへの入力を行うことができる。タッチパネルには、指等と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量式や、指等でタッチパネルを押す圧力を捉えて位置を検出する感圧式等がある。
タッチパネルは、物理的なボタン(凹凸)がなく、表示画面に指等を接触させること、または、接近させることで、表示画面に表示されているアイコンや操作ボタンへの入力ができる。そのために、ユーザは意識せずに入力を行ってしまったり、迷っている間に指等が表示画面に接近してしまったことで入力を行ってしまったり、ユーザが意図しない入力がなされ、誤入力が発生してしまうという問題点があった。
そこで、表示画面に表示されるアイコンや操作ボタンの重要度に応じて、それぞれに入力と判断する押圧のしきい値を設定し、検出された押圧が設定されたしきい値以上である場合に入力を有効と判断する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、誤入力されることが特に好ましくないアイコンや操作ボタンについては、押圧のしきい値を高くすることで誤入力を防止することができるが、ユーザの押圧力の違いによって動作ボタン等の応答に差がでてしまい、ユーザによって操作性が異なってしまうという問題点があった。特に、力の弱い高齢者や子供には操作性が悪いという問題点があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる入力装置、入力方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
(1) 本発明は、1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、前記操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネルを備えた入力装置であって、前記タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が当該操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断する入力判断手段(例えば、図1の入力判断部410に相当)と、前記入力操作判断手段で、前記検出した一の操作が前記操作キーへの入力として判断された場合に、前記操作キーへの入力に対応する処理を実行する入力処理手段(例えば、図1の入力処理部420に相当)と、を備えることを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力判断手段は、タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する。入力処理手段は、入力操作判断手段で、検出した一の操作が操作キーへの入力として判断された場合に、操作キーへの入力に対応する処理を実行する。したがって、ユーザが意図して行った入力とユーザが意図せずに行った入力とを、入力位置の移動を伴う操作であるか否かによって判断することによって、ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる。また、入力として入力位置の移動を伴う操作をユーザに行わせることで、ユーザは意識的に入力を行うことができ、入力の確実性や誤った入力を行っていないという安心感が得ることができる。
(2) 本発明は、(1)の入力装置について、前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動距離を算出し、算出した前記移動距離が所定の値より大きい場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力判断手段が、検出した一の操作における入力位置の移動距離を算出し、算出した移動距離が所定の値より大きい場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する。したがって、操作における入力位置の移動距離が所定の値よりも大きい場合に、ユーザが意図して行った入力と判断することによって、ユーザが意図せずに行った入力を効果的に除くことができる。
(3) 本発明は、(1)または(2)の入力装置について、前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動速度を算出し、算出した前記移動速度が所定の値より速い場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力判断手段が、検出した一の操作における入力位置の移動速度を算出し、算出した移動速度が所定の値より速い場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する。したがって、操作における入力位置の移動速度が所定の値よりも速い場合に、ユーザが意図して行った入力と判断することによって、ユーザが意図せずに行った入力を効果的に除くことができる。
(4) 本発明は、(1)から(3)の入力装置について、前記入力操作判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動軌跡が、所定の形状である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力操作判断手段が、検出した一の操作における入力位置の移動軌跡が、所定の形状である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する。したがって、操作における入力位置の移動軌跡が所定の形状である場合に、ユーザが意図して行った入力と判断することによって、ユーザが意図せずに行った入力を効果的に除くことができる。
(5) 本発明は、(1)から(4)の入力装置について、前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動方向が、所定の方向である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力判断手段が、検出した一の操作における入力位置の移動方向が、所定の方向である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する。したがって、操作における入力位置の移動方向が所定の方向である場合に、ユーザが意図して行った入力と判断することによって、ユーザが意図せずに行った入力を効果的に除くことができる。
(6) 本発明は、(1)から(5)の入力装置について、前記タッチパネルが感圧式タッチパネルであって、前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における総押圧量を算出し、算出した前記総押圧量が、所定の値よりも大きい場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力判断手段が、検出した一の操作における総押圧量を算出し、算出した総押圧量が、所定の値よりも大きい場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断する。したがって、操作における入力位置の総押圧量が所定の値よりも大きい場合に、ユーザが意図して行った入力と判断することによって、ユーザが意図せずに行った入力を効果的に除くことができる。
(7) 本発明は、(1)から(6)の入力装置について、前記入力判断手段が、前記検出した一の操作に、前記タッチ操作の開始から直前までの操作に対する逆操作が含まれる場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断しないことを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力判断手段は、検出した一の操作に、タッチ操作の開始から直前までの操作に対する逆操作が含まれる場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力として判断しない。したがって、ユーザが誤って操作キーを選択した場合に、直感的にその操作キーに対する入力を取り消すことができる。
(8) 本発明は、(1)から(7)の入力装置について、前記入力判断手段において、前記操作キーへの入力として判断する操作に関する入力操作情報を記憶する入力操作情報記憶手段(例えば、図6の入力操作情報テーブル340に相当)と、前記タッチ操作を検出する、前記操作キーの周辺領域の形状を、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて変化させる検出制御手段(例えば、図6の検出制御部440に相当)と、を備えることを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、入力操作情報記憶手段は、入力操作判断手段において、操作キーへの入力として判断する操作に関する入力操作情報を記憶する。検出制御手段は、タッチ操作を検出する、操作キーの周辺領域の形状を、入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて変化させる。したがって、操作キーの周辺領域を、ユーザが入力を行う領域に対応させることにより、入力の操作性を向上させることができる。
(9) 本発明は、(8)の入力装置について、前記検出制御手段が、前記操作キーの周辺領域について、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、前記タッチ操作を検出する検出点の密度を変化させることを特徴とする請求項8に記載の入力装置を提案している。
この発明によれば、検出制御手段は、操作キーの周辺領域について、入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、タッチ操作を検出する検出点の密度を変化させる。したがって、ユーザが指等を払うような操作を行った場合でも、指等が完全に離れた時をタッチ操作が解除されたときとすることができる。
(10) 本発明は、(8)または(9)の入力装置について、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、前記操作キーの形状を決定するキー表示制御手段(例えば、図6のキー表示制御部431に相当)を備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の入力装置を提案している。
この発明によれば、キー表示制御手段は、入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、操作キーの形状を決定する。したがって、ユーザが意図して行った入力として判断する操作を操作キーの形状によりユーザに提示することができ、入力の操作性を向上させることができる。
(11) 本発明は、(8)から(10)の入力装置について、前記操作キーの周辺領域へのタッチ操作がされた際に、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、当該操作キーへの入力操作として判断する前記一の操作を促す表示を行う操作表示制御手段(例えば、図6の操作表示制御部432に相当)を備えることを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、操作表示制御手段が、操作キーの周辺領域へのタッチ操作がされた際に、入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、操作キーへの入力操作として判断する一の操作を促す表示を行う。したがって、ユーザが意図して行った入力として判断する操作を促す表示を行うことにより、入力の操作性を向上させることができる。
(12) 本発明は、(1)から(11)の入力装置について、前記操作キーの周辺領域へのタッチ操作がされた際に、当該操作キーがタッチ操作されたことを示す表示を行う強調表示制御手段(例えば、図6の強調表示制御部433に相当)を備えることを特徴とする入力装置を提案している。
この発明によれば、強調表示制御手段は、操作キーの周辺領域へのタッチ操作がされた際に、操作キーがタッチ操作されたことを示す表示を行う。したがって、ユーザは、タッチ操作を行った操作キーを認識することができる。
(13) 本発明は、1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、前記操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネルを備えた入力装置における入力方法であって、前記入力装置は、入力操作判断手段と、入力操作処理手段とを備え、前記入力操作判断手段が、前記タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が当該操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力操作として判断する第1のステップ(例えば、図5のステップS11からステップS14に相当)と、前記入力操作処理手段が、前記第1のステップで、前記検出した一の操作が前記操作キーへの入力操作として判断された場合に、前記操作キーへの入力操作に対応する処理を実行する第2のステップ(例えば、図5のステップS15に相当)と、を含むことを特徴とする入力方法を提案している。
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、入力判断手段が、タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力操作として判断する。次に、第2のステップにおいて、入力操作処理手段が、第1のステップで、検出した一の操作が操作キーへの入力操作として判断された場合に、操作キーへの入力操作に対応する処理を実行する。したがって、ユーザが意図して行った入力とユーザが意図せずに行った入力とを、入力位置の移動を伴う操作であるか否かによって判断することによって、ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる。また、入力として入力位置の移動を伴う操作をユーザに行わせることで、ユーザは意識的に入力を行うことができ、入力の確実性や誤った入力を行っていないという安心感が得ることができる。
(14) 本発明は、1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、前記操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネルを備えた入力装置における入力方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記入力装置は、入力判断手段と、入力操作処理手段とを備え、前記入力操作判断手段が、前記タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が当該操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力操作として判断する第1のステップ(例えば、図5のステップS11からステップS14に相当)と、前記入力操作処理手段が、前記第1のステップで、前記検出した一の操作が前記操作キーへの入力操作として判断された場合に、前記操作キーへの入力操作に対応する処理を実行する第2のステップ(例えば、図5のステップS15に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、入力判断手段が、タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、検出した一の操作を操作キーへの入力操作として判断する。次に、第2のステップにおいて、入力操作処理手段が、第1のステップで、検出した一の操作が操作キーへの入力操作として判断された場合に、操作キーへの入力操作に対応する処理を実行する。したがって、ユーザが意図して行った入力とユーザが意図せずに行った入力とを、入力位置の移動を伴う操作であるか否かによって判断することによって、ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる。また、入力として入力位置の移動を伴う操作をユーザに行わせることで、ユーザは意識的に入力を行うことができ、入力の確実性や誤った入力を行っていないという安心感が得ることができる。
本発明によれば、ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる。また、ユーザは意識的に入力を行うことができ、入力の確実性や誤った入力を行っていないという安心感が得ることができる。更に、表示画面に操作内容や操作を誘導する表示を行うことにより、入力の操作性を向上させることができる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1の実施形態>
<入力装置の構成>
本発明の入力装置は、携帯電話端末や、タブレット型コンピュータ等の電子機器に対してユーザが入力を行うために利用する装置である。入力装置は、電子機器に搭載され、表示部と入力部が一体となっているタッチパネルを備えて構成される。本実施形態において、本発明の入力装置を搭載した携帯電話機を例に説明する。
<入力装置の構成>
本発明の入力装置は、携帯電話端末や、タブレット型コンピュータ等の電子機器に対してユーザが入力を行うために利用する装置である。入力装置は、電子機器に搭載され、表示部と入力部が一体となっているタッチパネルを備えて構成される。本実施形態において、本発明の入力装置を搭載した携帯電話機を例に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る入力装置を備える携帯電話機100の機能構成を示す図である。本実施形態に係る携帯電話機100は、タッチパネル200、記憶部300、主制御部400、および携帯電話機としての機能を提供するために必要な各種機能部から構成される。携帯電話機としての機能を提供するために必要な各種機能部は、例えば、マイク等により構成される音声入力部500、スピーカー等により構成される音声出力部600、インターネットや無線通信を介して基地局と情報の送受信を行うアンテナ700等であって、これらは全て公知技術のものと特に変わるところはないため、説明を省略する。
タッチパネル200は、各種情報を表示する表示部210の前面または後面に、ユーザからの入力を受け付ける入力部220が重畳されて構成される。
表示部210は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等の公知のものを用いて構成される。表示部210は、携帯電話機100の前面に一定の表示画面を有し、表示画面に、携帯電話機100に搭載されているアプリケーションに応じた表示情報や、入力部220へのユーザの入力を受け付ける各種メニュー、アイコン、ボタン、およびキーボード等の画面オブジェクトを表示する。
入力部220は、例えば感圧方式や静電容量方式等の公知のものを用いて構成される。入力部220は、指やタッチペン等(以下、指等という)の接触、押圧、または接近(以下、タッチという)による入力を検知する。入力部220は、入力を検知した場合、入力位置の座標情報を取得し、後述する入力判断部410に通知する。また、入力部220は、スライド操作といった、指等をタッチしたまま移動する操作の場合には、指等が離れるまで、一定時間毎に、その時点での入力位置の座標情報を取得し、後述する入力判断部410に通知する。なお、入力部220は、仮想的に座標平面を設定しており、座標情報は(x,y)で表される。
記憶部300は、例えば、不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置であり、携帯電話機100に様々な機能を提供するために、後述する主制御部400が使用するアプリケーションプログラム310および初期データ等の固定データ320を記憶している。本実施形態においては、記憶部300のアプリケーションプログラム310には、ユーザが意図しない入力を制御する後述する入力判断部410を実現するプログラムが含まれる。また、記憶部300には、ユーザが意図しない入力を制御するために入力判断部410が必要な入力判断情報テーブル330が記憶されている。なお、入力判断情報テーブル330については、後述する。
主制御部400は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話機100の動作を制御する。また、主制御部400は、記憶部300に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することによって、携帯電話機100は様々な機能を提供するアプリケーションを搭載することができる。本実施形態における入力装置について、主制御部400は、入力判断部410、および入力処理部420を有する。なお、携帯電話機に搭載されたアプリケーション全てに本実施形態における入力装置を適用しなくてもよく、慎重な操作が必要なアプリケーション、例えば、電話発信や、メール発信や、承認操作を行うアプリケーションのみに適用してもよい。
入力判断部410は、入力部220が検知した、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、有効な入力であるか否かを判断する。そして、入力判断部410は、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、有効な入力であると判断した場合には、入力部220から取得した、タッチ開始時からタッチ解除時の入力位置の座標情報を後述する入力処理部420に通知する。ここで、有効な入力とは、ユーザが意図して行った入力であって、画面オブジェクトに対応する処理を実行するための入力である。一方、有効でない入力とは、ユーザが意図せずに行った入力であり、画面オブジェクトに対応する処理を実行すべきでない入力である。
タッチパネル200は、物理的なボタン(凹凸)がなく、表示画面上の画面オブジェクトへの入力は画面オブジェクトへのタッチにより行われる。そのために、ユーザは意識せずに入力を行ってしまったり、操作しやすくするためにタッチ操作の検知感度を上げているために指を近づけただけで入力を行ってしまったり、ユーザが意図しない入力、すなわち、有効でない入力が発生しやすいという問題点があった。
そこで、本実施形態において、ユーザが意図して行う有効な入力を、ユーザが意図せずに行ってしまうことが少ないスライド操作により行う。また、更に、ユーザが意図しない入力を防ぐために、ユーザが意図して行う有効な入力を、ユーザが意図せずに行ってしまうことがほとんどない予め規定された所定のスライド操作により行ってもよい。ここで、スライド操作とは、指等をタッチパネル200にタッチしたまま滑らせる操作であって、タッチ開始時からタッチ解除時まで入力位置が移動する操作である。
それにより、入力部220が検知した入力が、スライド操作であるか、または、予め規定された所定のスライド操作であるか否かによって、ユーザが意図して行った有効な入力であるか、ユーザが意図せずに行った有効でない入力であるかを判別する。その結果、ユーザが意図せずに行った有効でない入力を排除することができ、ユーザが意図せずに行った有効でない入力では、画面オブジェクトに対応する処理が実行されず、誤入力を防ぐことができる。また、ユーザに意識的に入力を行わせることができるために、入力の確実性や誤った入力を行っていないという安心感が得られるという効果も得られる。
ここで、有効な入力として行うスライド操作例について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の本実施形態における表示画面20および有効な入力であるスライド操作の具体例を示す図である。図2の(a)、(b)および(c)に示す表示部210の表示画面20には、ボタン1、2が表示されている。ユーザは、入力したいボタン1の周辺領域に指をタッチさせたのち、指をタッチしたまま所定のスライド操作を行うことにより、ボタン1を入力することができる。ここで、周辺領域とは、ボタン周辺の領域であって、この領域への指等のタッチはボタンへの入力として入力部220が検出する範囲である。なお、形状や範囲の大きさは任意に決定することができる。
図2(a)には、ボタン1上にて指を横に直線的に滑らせるスライド操作10を示す。図2(b)には、ボタン1からはみ出して指をやや上向きに滑らせるスライド操作11を示す。また、図2(c)には、ボタン1の入力として予め規定された軌跡、図においては円、を描くように指を滑らせるスライド操作12を示す。このようなスライド操作をユーザが行うことにより、ボタン1に対し、有効な入力を行うことができる。なお、図2(b)、(c)に示すように、スライド操作はボタン1上からはみ出しても、ボタン1の周辺領域内であればボタン1への入力として検出される。更に、ボタン1の外から開始してボタン1を通過するスライド操作や、ボタン1の外から開始してボタン1の領域内で終了するスライド操作等であってもよく、スライド操作の一部がボタン1にかかっていれば、ボタン1の入力とみなしてよい。
スライド操作を有効な入力として判断する場合、入力判断部410は、入力部220から取得したタッチ開始時の入力位置とタッチ解除時の入力位置とに基づいて、タッチ開始時の入力位置が移動したか否かによって、スライド操作が行われたか否かを判断する。また、上述したように、画面オブジェクトからはみ出すスライド操作の場合には、画面オブジェクト内において、入力位置が移動したか否かによって、スライド操作が行われたか否かを判断してもよい。
そして、入力判断部410は、タッチ開始時の入力位置が移動しスライド操作が行われたと判断した場合には、入力部220で検知した、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、ユーザが意図して行う有効な入力であると判断する。一方、タッチ開始時の入力位置が移動せずスライド操作が行われなかったと判断した場合には、入力部220で検知した、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、ユーザが意図して行う有効でない入力であると判断する。
また、予め規定された所定のスライド操作を有効な入力として判断する場合、入力判断部410は、入力判断情報テーブル330を参照して、予め規定された所定のスライド操作が行われたか否かを判断する。そして、入力判断部410は、予め規定された所定のスライド操作が行われたと判断した場合には、入力部220が検知した、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、ユーザが意図して行った有効な入力であると判断する。一方、予め規定された所定のスライド操作が行われなかったと判断した場合には、入力部220が検知した、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、ユーザが意図せずに行った有効でない入力であると判断する。
ここで、入力判断情報テーブル330には、入力部220が検知した入力が、有効な入力として予め規定されたスライド操作であるか否かの判断基準となる入力制御情報が記憶されている。入力制御情報は、例えば、有効な入力として予め規定されたスライド操作であると判定する、入力時における入力位置の移動距離のしきい値や、入力時における入力位置の移動速度のしきい値や、入力時における入力位置の移動方向、入力時における入力位置の軌跡の形状である。しきい値は下限値、上限値、およびその両方のいずれであってもよい。また、入力部220が感圧方式である場合には、有効な入力として予め規定されたスライド操作であると判定する、入力時における総押圧量のしきい値であってもよい。入力制御情報は、1つでなくてもよく、入力時における入力位置の移動距離のしきい値と入力時における入力位置の軌跡の形状といったように、複数を組み合わせた情報であってもよい。
以下に、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力制御情報が入力時における入力位置の移動距離のしきい値である場合における、入力判断部410の判断処理について、図3および図4を用いて説明する。図3は、本説明において使用する、ユーザの画面オブジェクトに対する入力を示す図である。図4は、本発明の第1の本実施形態に係る入力判断部410の入力判断処理フローを示す図である。
まず、ステップS1において、入力判断部410は、入力部220から通知されたタッチ開始時の入力位置の座標情報(Start_x,Start_y)を取得する。
次に、ステップS2において、入力判断部410は、タッチ解除時の入力位置の座標情報(End_x,End_y)を取得する。なお、予め入力検出時間を設定してある場合には、タッチ開始から入力検出時間が経過した時の入力位置の座標情報をタッチ解除時の入力位置の座標情報(End_x,End_y)とする。
次に、ステップS3において、入力判断部410は、ステップS1で取得したタッチ開始時の入力位置の座標情報(Start_x,Start_y)、およびタッチ解除時の入力位置の座標情報(End_x,End_y)から画面オブジェクト(図3におけるボタン1)を特定する。なお、画面オブジェクトを特定できない場合には、処理を終了する。
次に、ステップS4において、ステップS1で取得したタッチ開始時の入力位置の座標情報(Start_x,Start_y)と、ステップS3で取得したタッチ解除時の入力位置の座標情報(End_x,End_y)に基づいて、入力位置の移動距離Move_thをStart_x−End_xにより算出する。なお、ユーザがまっすぐなスライド操作ができるとは限らないので、タッチ開始時の入力位置の座標情報(Start_x,Start_y)と、タッチ解除時の入力位置の座標情報(End_x,End_y)におけるy座標の上下の許容量を決めておき、許容量を超えない場合に、入力位置の移動距離Move_thを算出するようするのが望ましい。許容量を超えた場合には、有効でない操作と判断してもよい。
次に、ステップS5において、入力判断部410は、入力判断情報テーブル330を参照して、ステップS4で算出された入力位置の移動距離Move_thと、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値と比較する。
ステップS6において、入力判断部410は、ステップS4で算出された入力位置の移動距離Move_thが、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値よりも大きいか否かを判断し、ステップS4で算出された入力位置の移動距離Move_thが大きい場合には、ステップS7に処理を進め、一方、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値が大きい場合にはステップS8に処理を進める。
ステップS7において、入力判断部410は、入力部220が検知した入力が有効な入力であると判断する。
ステップS8において、入力判断部410は、入力部220検知した入力が有効でない入力であると判断する。
なお、入力部220は、タッチ解除時の入力位置の座標情報を入力判断部410に通知するまで、一定時間毎に各時点での入力位置の座標情報を入力判断部410に通知しているので、入力判断部410は、入力部220から入力位置の座標情報を取得する毎に、入力位置の移動距離を算出し、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値と比較を行ってもよい。この場合、入力判断部410は、算出した入力位置の移動距離が、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値より大きくなった際に、入力判断処理を終了し、入力部220からタッチ解除時の入力位置の座標情報を受信したことに応じて、タッチ開始時の入力位置の座標情報を後述する入力処理部420に通知する。
図4に示した入力判断処理フローは、タッチ開始時からタッチ解除時までの入力位置の移動距離と、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値と比較との比較により、入力部220検知した入力が有効であるか否かを判断している。一方、画面オブジェクト内における入力位置の移動距離、すなわち、画面オブジェクトへのタッチ開始時からタッチ解除時までの入力位置の移動距離と、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力時における入力位置の移動距離のしきい値と比較との比較により、入力部220検知した入力が有効であるか否かを判断してもよい。
図4に示した入力判断処理フローは、入力判断情報テーブル330に記憶されている入力制御情報が入力時における入力位置の移動距離のしきい値である場合であるが、入力制御情報が入力時における入力位置の移動速度のしきい値である場合には、入力判断部410は、タッチ開始からタッチ解除までの時間も取得し、ステップS4で算出された入力位置の移動距離Move_thを取得した時間で割ることで移動速度を算出し、入力判断情報テーブル330に記憶されている移動速度のしきい値と比較することで、有効な入力であるか否かを判断する。この場合も、タッチ開始時からタッチ解除時ではなく、画面オブジェクトへのタッチ開始時からタッチ解除時としてもよい。
また、入力制御情報が入力時における入力位置の移動方向である場合には、入力判断部410は、ステップS1で取得したタッチ開始時の入力位置の座標情報(Start_x,Start_y)と、ステップS3で取得したタッチ解除時の入力位置の座標情報(End_x,End_y)に基づいて、入力位置の移動方向を求め、入力判断情報テーブル330に記憶されている移動方向と一致するか否かによって、有効な入力であるか否かを判断する。この場合も、タッチ開始時からタッチ解除時ではなく、画面オブジェクトへのタッチ開始時からタッチ解除時としてもよい。
更に、入力制御情報が入力時における入力位置の軌跡の形状である場合には、入力判断部410は、入力部220により、タッチ解除時の入力位置の座標情報を通知するまで一定時間毎に通知される各時点での入力位置の座標情報に基づいて、入力位置の軌跡の形状を求め、入力判断情報テーブル330に記憶されている軌跡の形状と一致するか否かによって、有効な入力であるか否かを判断する。この場合も、タッチ開始時からタッチ解除時ではなく、画面オブジェクトへのタッチ開始時からタッチ解除時としてもよい。
更にまた、入力制御情報が入力時における総押圧量のしきい値である場合には、入力判断部410は、入力部220によりタッチ解除時の押圧量が通知されるまで、一定時間毎に通知される各時点の押圧量に基づいて、入力時における総押圧量を算出し、入力判断情報テーブル330に記憶されている総押圧量のしきい値と比較することによって、有効な入力であるか否かを判断する。この場合も、タッチ開始時からタッチ解除時ではなく、画面オブジェクトへのタッチ開始時からタッチ解除時としてもよい。
図1に戻って、入力判断部410は、タッチ開始時からタッチ解除時までのスライド操作に、タッチ開始時から直前までの操作に対する逆操作が含まれる場合には、スライド操作が行われたと判断せず、入力部220で検知した、表示画面上の画面オブジェクトへの入力が、ユーザが意図して行った有効な入力でないと判断する。ここで、逆操作とは、そこまでに行った操作を逆に行うことであって、例えば、図2(a)から(c)に示したスライド操作10〜12を矢印の逆方向に行うことである。これにより、ユーザは直感的に入力を取り消すことができる。
図1に戻って、入力処理部420は、入力判断部410からタッチ開始時からタッチ解除時の入力位置の座標情報を取得する。そして、入力処理部420は、タッチ開始時からタッチ解除時の入力位置の座標情報から画面オブジェクトを特定し、特定した画面オブジェクトに対応する機能を実行する。
<入力処理フロー>
図5は、本発明の第1の本実施形態に係る入力装置を備えた携帯電話機における入力処理フローを示す図である。
図5は、本発明の第1の本実施形態に係る入力装置を備えた携帯電話機における入力処理フローを示す図である。
まず、ステップS11において、入力判断部410は、入力部220から、タッチ開始時の入力位置の座標情報とタッチ解除時の入力位置の座標情報とを取得する。
次に、ステップS12において、入力判断部410は、ステップS11で取得したタッチ開始時の入力位置の座標情報およびタッチ解除時の入力位置の座標情報から画面オブジェクトを特定する。なお、画面オブジェクトが特定できない場合には処理を終了する。
次に、ステップS13において、入力判断部410は、ステップS11で取得したタッチ開始時の入力位置の座標情報とタッチ解除時の入力位置の座標情報とに基づいて、タッチ開始時の入力位置が移動したか、すなわち、スライド操作がされたか否かを判断する。タッチ開始時の入力位置が移動したと判断した場合には、ステップS14に処理を進め、タッチ開始時の入力位置が移動していないと判断した場合には、処理を終了する。
次に、ステップS14において、入力判断部410は、ステップS11で取得したタッチ開始時からタッチ解除時の入力位置の座標情報を入力処理部420に通知する。
次に、ステップS15において、入力処理部420は、入力判断部410から取得したタッチ開始時からタッチ解除時の入力位置の座標情報から画面オブジェクトを特定し、特定した画面オブジェクトに対応する機能を実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザが意図して行った入力とユーザが意図せずに行った入力とを、入力位置の移動を伴うスライド操作であるか否かによって判断すること、または、予め規定された所定のスライド操作であるか否かによって判断することによって、ユーザによって操作性が異なることなく、ユーザが意図しない入力を行っても誤入力を防止することができる。また、入力として入力位置の移動を伴う操作をユーザに行わせることで、ユーザは意識的に入力を行うことができ、入力の確実性や誤った入力を行っていないという安心感が得ることができる。
<第2の実施形態>
図6を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態における入力装置は、ユーザがタッチパネルに入力を行う際に、表示画面に操作結果や操作を誘導する表示を行うことにより、入力の操作性を向上させることができる。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
図6を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態における入力装置は、ユーザがタッチパネルに入力を行う際に、表示画面に操作結果や操作を誘導する表示を行うことにより、入力の操作性を向上させることができる。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
<入力装置の構成>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る入力装置を備える携帯電話機800の機能構成を示す図である。本実施形態においても、第1の実施形態同様に、本発明の入力装置を搭載した携帯電話機を例に説明する。本実施形態に係る携帯電話機800は、タッチパネル200、記憶部301、主制御部401、および携帯電話機としての機能を提供するために必要な各種機能部から構成される。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る入力装置を備える携帯電話機800の機能構成を示す図である。本実施形態においても、第1の実施形態同様に、本発明の入力装置を搭載した携帯電話機を例に説明する。本実施形態に係る携帯電話機800は、タッチパネル200、記憶部301、主制御部401、および携帯電話機としての機能を提供するために必要な各種機能部から構成される。
記憶部301は、例えば、不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置であり、携帯電話機800に様々な機能を提供するために、後述する主制御部401が使用するアプリケーションプログラム310、および固定データ320を記憶している。本実施形態においては、記憶部301のアプリケーションプログラム310には、第1の実施形態で説明した入力判断部410を実現するプログラムとともに、表示画面の表示を制御する表示制御部430を実現するプログラム、および入力部220の検出点の密度を変化させる検出制御部440を実現するプログラムが含まれる。また、記憶部301には、第1の実施形態で説明した入力判断情報テーブル330とともに、入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作内容を記憶する入力操作情報テーブル340、および表示画面の表示を制御する表示制御部430が必要な表示制御情報テーブル350が記憶されている。
入力操作情報テーブル340には、予め設定された、入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作内容が記憶される。スライド操作内容とは、例えば、横方向のスライド操作、左から右への横方向のスライド操作、右肩上がりの横方向のスライド操作、円形を描くスライド操作等である。表示制御情報テーブル350については、後述する。
主制御部401は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話機800の動作を制御する。また、主制御部401は、記憶部301に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することによって、携帯電話機800は様々な機能を提供するアプリケーションを搭載することができる。本実施形態における入力装置について、主制御部401は、入力判断部410、入力処理部420、表示制御部430、検出制御部440を有する。
表示制御部430は、入力操作情報テーブル340を参照して、表示画面上の表示を制御し、キー表示制御部431、操作表示制御部432、および強調表示制御部433を備える。
キー表示制御部431は、入力操作情報テーブル340に記憶されているスライド操作内容に応じて、表示画面上の画面オブジェクトの形状を変更する。キー表示制御部431における表示画面上の画面オブジェクトの形状を決定する処理について、説明する。
まず、表示制御情報テーブル350について説明する。表示制御情報テーブル350には、スライド操作内容に応じた形状が記憶されている。例えば、横方向のスライド操作については、横長矩形の形状、右肩上がりの横方向のスライド操作については左下から右上に向かって上向きの矢印の形状、円を描くスライド操作については円形の形状といったように、表示制御情報テーブル350には、スライド操作内容毎に形状が記憶される。本実施形態において、表示制御情報テーブル350を入力操作情報テーブル340と別に設けているが、表示制御情報テーブル350を入力操作情報テーブル340に含めてもよい。
キー表示制御部431は、入力操作情報テーブル340に記憶されているスライド操作内容に応じて、表示制御情報テーブル350から形状を取得する。そして、キー表示制御部431は、取得した形状に、表示部210に表示される画面オブジェクトの形状を変更する。
図7は、本発明の第2の実施形態において、表示画面20に通常に表示されるボタン1を、入力操作情報テーブル340に記憶されているスライド操作内容に応じて変更する例を示す。(a)には、スライド操作内容が横方向のスライド操作である場合に、画面オブジェクトを三角形に変更する例を示す。(b)には、スライド操作内容が右肩上がりの横方向のスライド操作である場合に、画面オブジェクトを左下から右上に向かって上向きの矢印に変更する例を示し、(c)には、スライド操作内容が円を描くスライド操作である場合に、画面オブジェクトを円に変更する例を示す。
このように、入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作内容に応じて画面オブジェクトを変更することにより、画面オブジェクトの形をなぞることで容易にユーザは有効な入力を行うことができる。その結果、入力の操作性を向上させることができる。
操作表示制御部432は、入力操作情報テーブル340に記憶されているスライド操作内容に応じて、ユーザに入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作を促す表示を表示画面に出力する。操作表示制御部432における、ユーザに入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作を促す表示を表示画面に出力する処理について説明する。
この場合、表示制御情報テーブル350には、表示画面上にユーザに入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作を促す表示を行うために用いる、スライド操作内容に応じた誘導表示情報が記憶されている。例えば、画面オブジェクトを、左から右への横方向のスライド操作については、画面オブジェクトの色を左から右へ薄い色から濃い色へグラデーションさせるための情報、円を描くスライド操作については、円を描く矢印を表示するための情報といったように、表示制御情報テーブル350には、スライド操作内容毎に表示画面に表示を行うための誘導表示情報が記憶される。
操作表示制御部432は、入力操作情報テーブル340に記憶されているスライド操作内容に応じて、表示制御情報テーブル350から誘導操作情報を取得する。そして、操作表示制御部432は、取得した誘導操作情報に基づいて、表示部210に表示を行う。例えば、スライド操作内容が円を描くスライド操作である場合に、操作表示制御部432は誘導操作情報に基づいて、表示画面上に円を描く矢印を表示する。
このように、入力判断部410にて有効な入力と判断するスライド操作内容に応じてスライド操作を促す表示を表示画面に行うことにより、ユーザは有効な入力を容易に行うことができる。その結果、入力の操作性を向上させることができる。
強調表示制御部433は、入力部220からタッチ開始時の入力位置の座標情報を取得すると、取得した入力位置の座標情報に基づいて画面オブジェクトを特定する。そして、強調表示制御部433は、特定した画面オブジェクトをハイライト表示する。ここで、ハイライト表示とは、画面オブジェクトに対して、ユーザの指先等が触れていることをユーザに認識させるために行う強調表示である。これによりユーザは、タッチしている画面オブジェクトを認識することができる。
検出制御部440は、タッチを検出する、画面オブジェクトの周辺領域の形状を、入力操作情報テーブル340および表示制御情報テーブル350を参照して、変化させる。ここで、周辺領域とは、第1の実施形態でも説明したように、ボタン周辺の領域であって、この領域への指等のタッチはボタンへの入力として入力部220が検出する範囲である。具体的には、検出制御部440は、上述したキー表示制御部431による表示画面上の画面オブジェクトの形状を決定する処理と同様の処理にて、画面オブジェクトの周辺領域の形状を決定し、変化させる。なお、検出制御部440は、周辺領域の形状を変化させるとともに、範囲の大きさを変化させてもよい。
図8に、画面オブジェクトの周辺領域の形状を、入力操作情報テーブルに記憶されているスライド操作内容に応じて変更する例を示す図である。スライド操作内容が横方向のスライド操作である場合に、図8(a)に示すように、検出制御部440は、画面オブジェクトの周辺領域の形状を長方形に変更する。また、スライド操作内容が右肩上がりの横方向のスライド操作である場合には、図8(b)に示すように、検出制御部440は、画面オブジェクトの周辺領域の形状を逆L字型に変更する。更に、スライド操作内容が円を描くスライド操作である場合に、図8(c)に示すように、検出制御部440は、画面オブジェクトの周辺領域の形状を円に変更する。このように、指等のタッチをボタンへの入力として入力部220が検出する周辺領域の形状や範囲の大きさを変更することにより、ユーザのスライド操作を検出しやすくすることができ、入力の操作性を向上させることができる。
また、検出制御部440は、入力操作情報テーブル340を参照して、画面オブジェクトへのタッチを検出する検出点の密度を変化させる。具体的には、検出制御部440は、入力操作情報テーブル340のスライド操作内容に基づいて、画面オブジェクトの始端と終端とを特定し、始端から終端に向かってタッチを検出する検出点の密度を増加させる。それにより、ユーザが指等を払うような操作を行った場合でも、指等が完全に離れるまで入力部220がタッチを検知することができる。
本発明の第2の実施形態に係る入力装置を備える携帯電話機800は、上述した、画面オブジェクトの形状の変更、有効な入力であるスライド操作を促す表示、画面オブジェクトの強調表示、周辺領域の形状の変更、および検出点の密度の変更を、組み合わせて行ってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示画面に表示される画面オブジェクトの形状を入力判断部410で入力と判断するスライド操作内容に応じて、画面オブジェクトの形状を変化させることや、スライド操作を促す表示を行うことや、スライド操作に応じて画面オブジェクトへの入力を検出する領域や入力の検出感度を調整したりすることにより、入力の操作性を向上させることができる。
なお、入力装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを機器に読み込ませ、実行することによって本発明の入力装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
100 携帯電話機
200 タッチパネル
210 表示部
220 入力部
300 記憶部
310 アプリケーションプログラム
320 固定データ
330 入力判断情報テーブル
400 主制御部
410 入力判断部
420 入力処理部
500 音声出力部
600 音声入力部
700 アンテナ部
200 タッチパネル
210 表示部
220 入力部
300 記憶部
310 アプリケーションプログラム
320 固定データ
330 入力判断情報テーブル
400 主制御部
410 入力判断部
420 入力処理部
500 音声出力部
600 音声入力部
700 アンテナ部
Claims (14)
- 1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、前記操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネルを備えた入力装置であって、
前記タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が当該操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断する入力判断手段と、
前記入力判断手段で、前記検出した一の操作が前記操作キーへの入力として判断された場合に、前記操作キーへの入力に対応する処理を実行する入力処理手段と、
を備えることを特徴とする入力装置。 - 前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動距離を算出し、算出した前記移動距離が所定の値より大きい場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
- 前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動速度を算出し、算出した前記移動速度が所定の値より速い場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
- 前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動軌跡が、所定の形状である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力装置。
- 前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における前記入力位置の移動方向が、所定の方向である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の入力装置。
- 前記タッチパネルが感圧式タッチパネルであって、
前記入力判断手段が、前記検出した一の操作における総押圧量を算出し、算出した前記総押圧量が、所定の値よりも大きい場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の入力装置。 - 前記入力判断手段が、前記検出した一の操作に、前記タッチ操作の開始から直前までの操作に対する逆操作が含まれる場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力として判断しないことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の入力装置。
- 前記入力判断手段において、前記操作キーへの入力として判断する操作に関する入力操作情報を記憶する入力操作情報記憶手段と、
前記タッチ操作を検出する、前記操作キーの周辺領域の形状を、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて変化させる検出制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の入力装置。 - 前記検出制御手段が、前記操作キーの周辺領域について、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、前記タッチ操作を検出する検出点の密度を変化させることを特徴とする請求項8に記載の入力装置。
- 前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、前記操作キーの形状を決定するキー表示制御手段を備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の入力装置。
- 前記操作キーの周辺領域へのタッチ操作がされた際に、前記入力操作情報記憶手段に記憶されている入力操作情報に基づいて、当該操作キーへの入力操作として判断する前記一の操作を促す表示を行う操作表示制御手段を備えることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の入力装置。
- 前記操作キーの周辺領域へのタッチ操作がされた際に、当該操作キーがタッチ操作されたことを示す表示を行う強調表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の入力装置。
- 1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、前記操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネルを備えた入力装置における入力方法であって、
前記入力装置は、入力判断手段と、入力操作処理手段とを備え、
前記入力判断手段が、前記タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が当該操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力操作として判断する第1のステップと、
前記入力操作処理手段が、前記第1のステップで、前記検出した一の操作が前記操作キーへの入力操作として判断された場合に、前記操作キーへの入力操作に対応する処理を実行する第2のステップと、
を含むことを特徴とする入力方法。 - 1以上の操作キーを表示する表示機能とともに、前記操作キーが表示された入力面へのタッチ操作による入力機能を有するタッチパネルを備えた入力装置における入力方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記入力装置は、入力判断手段と、入力操作処理手段とを備え、
前記入力判断手段が、前記タッチパネルに表示されている操作キーの周辺領域へのタッチ操作が開始されてからタッチ操作が解除されるまでを一の操作として検出し、検出した一の操作が当該操作キーの領域内での入力位置の移動を含む操作である場合に、当該検出した一の操作を前記操作キーへの入力操作として判断する第1のステップと、
前記入力操作処理手段が、前記第1のステップで、前記検出した一の操作が前記操作キーへの入力操作として判断された場合に、前記操作キーへの入力操作に対応する処理を実行する第2のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
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JP2019114014A (ja) * | 2017-12-22 | 2019-07-11 | 株式会社ミクシィ | 情報処理装置、メニュー項目表示方法、及びメニュー項目表示プログラム |
JP2022130496A (ja) * | 2018-07-10 | 2022-09-06 | オムロン株式会社 | 入力装置 |
-
2012
- 2012-11-08 JP JP2012245966A patent/JP2014095963A/ja active Pending
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