JP2014095060A - エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、新規なエポキシ樹脂硬化剤および該硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、さらには耐熱性、接着強度に優れたエポキシ樹脂硬化物に関するものである。
さらに詳しくは、新規なエポキシ樹脂硬化剤および該硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、さらには耐熱性、接着強度に優れたエポキシ樹脂硬化物に関するものである。
近年、高度情報化社会の実現に向け、半導体分野、情報通信分野、表示装置分野、精密機械分野、輸送機器分野、航空宇宙分野などの技術進歩が著しく、それに伴い、各分野の進展を支える基礎材料として、ポリマー材料(樹脂材料)に対する期待が高まっている。
ポリマー材料として、優れた特性を有する熱硬化性のエポキシ樹脂は、注目されている。
エポキシ樹脂は、硬化後の機械的特性、電気的特性に優れており、例えば、電子材料用封止剤、塗料・舗装材料、あるいは接着剤と広い範囲に用いられている。
ポリマー材料として、優れた特性を有する熱硬化性のエポキシ樹脂は、注目されている。
エポキシ樹脂は、硬化後の機械的特性、電気的特性に優れており、例えば、電子材料用封止剤、塗料・舗装材料、あるいは接着剤と広い範囲に用いられている。
さらに近年、機械特性、耐熱性に優れることから繊維強化複合材料用マトリックス樹脂として用いられるようになってきており、特に炭素繊維を補強材として航空機用途、また釣竿、ゴルフクラブシャフト、テニスラケットなどのレジャー、スポーツ用途などに広く用いられている。
一方、エポキシ樹脂の更なる用途拡大には、特性が改良されたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物の開発が望まれている。
エポキシ樹脂硬化剤として、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが知られており、これらのエポキシ樹脂硬化剤を用いて製造されたエポキシ樹脂硬化物は、室温では充分な接着強度を有している(特許文献1)。
一方、エポキシ樹脂の更なる用途拡大には、特性が改良されたエポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物の開発が望まれている。
エポキシ樹脂硬化剤として、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが知られており、これらのエポキシ樹脂硬化剤を用いて製造されたエポキシ樹脂硬化物は、室温では充分な接着強度を有している(特許文献1)。
しかしながら、これらのエポキシ樹脂硬化剤を用いて硬化させたエポキシ樹脂硬化物でも、高温下では、その接着強度が低下するという難点があった。
現在、各分野では耐熱性の一層の改良されたエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物の開発が望まれている。
さらには、その目的に沿ったエポキシ樹脂硬化剤の開発が望まれている。
現在、各分野では耐熱性の一層の改良されたエポキシ樹脂組成物、およびその硬化物の開発が望まれている。
さらには、その目的に沿ったエポキシ樹脂硬化剤の開発が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、新規なエポキシ樹脂硬化剤および該硬化剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物、さらには耐熱性、接着強度に優れたエポキシ樹脂硬化物を提供することである。
本発明者らは、各種エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物に関し、鋭意検討した結果、特定構造のエポキシ樹脂硬化剤を含有して成るエポキシ樹脂組成物が、耐熱性、および接着強度に優れたエポキシ樹脂硬化物となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明により、新規なエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂組成物、および耐熱性、接着強度に優れたエポキシ樹脂硬化物を提供することが可能になった。
以下、本発明に関し詳細に説明する。
本発明は、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂硬化剤である。
一般式(1)で表される化合物において、アミノ基は、エーテル結合(−O−)に対して、オルト位、メタ位またはパラ位を表し、より好ましくは、二つのアミノ基は同時に、メタ位またはパラ位を表す。
本発明は、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂硬化剤である。
一般式(1)で表される化合物において、アミノ基は、エーテル結合(−O−)に対して、オルト位、メタ位またはパラ位を表し、より好ましくは、二つのアミノ基は同時に、メタ位またはパラ位を表す。
一般式(1)で表される化合物としては、より好ましくは、式(1−A)または式(1−B)で表される化合物である。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。勿論、式(1−A)で表される化合物と、式(1−B)で表される化合物を併用することもできる。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。勿論、式(1−A)で表される化合物と、式(1−B)で表される化合物を併用することもできる。
尚、本明細書において、「エポキシ樹脂」とは1分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物を表す。
「エポキシ樹脂組成物」とは少なくとも1種のエポキシ樹脂、および少なくとも1種のエポキシ樹脂硬化剤とから成り、さらに所望に応じて、充填材、反応性希釈剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤などを含有する未硬化状態の混合物を表す。
また、「エポキシ樹脂硬化物」とはエポキシ樹脂組成物を、加熱して架橋反応させた高分子化合物であり、より好ましくは、ガラス転移温度が50℃以上を有するまで高分子量化した高分子化合物を表す。
「エポキシ樹脂組成物」とは少なくとも1種のエポキシ樹脂、および少なくとも1種のエポキシ樹脂硬化剤とから成り、さらに所望に応じて、充填材、反応性希釈剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤などを含有する未硬化状態の混合物を表す。
また、「エポキシ樹脂硬化物」とはエポキシ樹脂組成物を、加熱して架橋反応させた高分子化合物であり、より好ましくは、ガラス転移温度が50℃以上を有するまで高分子量化した高分子化合物を表す。
(エポキシ樹脂)
本発明のエポキシ樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂としては、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する任意の構造を有する化合物を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂としては、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよく、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する任意の構造を有する化合物を挙げることができる。
係るエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールAF、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラヒドロビスフェノールF、ヘキサヒドロビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、または水素化ビスフェノールFなどのビスフェノール系化合物と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるビスフェノール型エポキシ樹脂、
例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、プロピルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、ペンチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、またはノニルフェノールノボラックなどのノボラックと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるノボラック型エポキシ樹脂、
例えば、カテコール、レゾルシン、トリヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ビスレゾルシノール、ハイドロキノン、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノールまたはビキシレノールなどの多価フェノールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるフェノール型エポキシ樹脂、
例えば、グリセロール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールなどの脂肪族多価アルコールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるポリグリシジルエーテル、
例えば、p−オキシ安息香酸、またはβ−オキシナフトエ酸などのヒドロキシカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるグリシジルエーテルエステル、
例えば、フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ダイマー酸、または重合脂肪酸などのポリカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるポリグリシジルエステル、
例えば、フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ダイマー酸、または重合脂肪酸などのポリカルボン酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるポリグリシジルエステル、
例えば、アミノフェノールまたはアミノアルキルフェノールと、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるグリシジルアミノグリシジルエーテル、
例えば、アミノ安息香酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるジグリシジルアミノエステル、
例えば、アニリン、トルイジン、2,4,6−トリブロモアニリン、m−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ヒダントイン、アルキルヒダントイン、またはシアヌル酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
これらエポキシ樹脂は1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
例えば、アミノ安息香酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるジグリシジルアミノエステル、
例えば、アニリン、トルイジン、2,4,6−トリブロモアニリン、m−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ヒダントイン、アルキルヒダントイン、またはシアヌル酸と、エピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されるポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
これらエポキシ樹脂は1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
本発明で使用できるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール系化合物とエピクロロヒドリンとを反応させることにより得られるビスフェノール型エポキシ樹脂、或いは、ポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂であることが好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールF型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
ポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノール、N,N,O−トリグリシジルアミノクレゾール、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
さらには、ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂を併用することにより、エポキシ樹脂硬化物の接着性、耐熱性、剛性、さらには生産性を向上させることができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールF型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
ポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノール、N,N,O−トリグリシジルアミノクレゾール、トリグリシジルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
さらには、ビスフェノール型エポキシ樹脂とポリグリジジルアミン型エポキシ樹脂を併用することにより、エポキシ樹脂硬化物の接着性、耐熱性、剛性、さらには生産性を向上させることができる。
(エポキシ樹脂硬化剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂硬化剤としては、一般式(1)で表される化合物を使用する。
本発明において、一般式(1)で表される化合物であるエポキシ樹脂硬化剤の使用量は、エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、エポキシ樹脂中のエポキシ基に対して、0.5〜2.0当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤の使用量が0.5当量未満であると、エポキシ樹脂硬化物の十分な耐熱性を得ることができない場合があり、また、2.0当量を超えると、エポキシ樹脂硬化物中の架橋点数は増加するが、架橋密度が低下し、充分な剛性および耐熱性が得られない場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物の成分であるエポキシ樹脂硬化剤としては、一般式(1)で表される化合物を使用する。
本発明において、一般式(1)で表される化合物であるエポキシ樹脂硬化剤の使用量は、エポキシ基1molに対し、活性水素1molを有するアミンを使用した場合を1当量と定めたとき、エポキシ樹脂中のエポキシ基に対して、0.5〜2.0当量であることが好ましく、0.8〜1.2当量であることがより好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤の使用量が0.5当量未満であると、エポキシ樹脂硬化物の十分な耐熱性を得ることができない場合があり、また、2.0当量を超えると、エポキシ樹脂硬化物中の架橋点数は増加するが、架橋密度が低下し、充分な剛性および耐熱性が得られない場合がある。
(エポキシ樹脂組成物)
本発明においては、エポキシ樹脂硬化剤である一般式(1)で表される化合物は、エポキシ樹脂中に溶解、または分散させて使用することが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤をエポキシ樹脂中に溶解、または分散させる方法としては、特に制限するものではなく、公知の方法を適用することができる。
また、エポキシ樹脂硬化剤をエポキシ樹脂中に分散させた後に、ロールミル、ボールミル、ニーダー、押し出し機を用いて、微粒化、溶解させてもよい。
本発明においては、エポキシ樹脂硬化剤である一般式(1)で表される化合物は、エポキシ樹脂中に溶解、または分散させて使用することが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤をエポキシ樹脂中に溶解、または分散させる方法としては、特に制限するものではなく、公知の方法を適用することができる。
また、エポキシ樹脂硬化剤をエポキシ樹脂中に分散させた後に、ロールミル、ボールミル、ニーダー、押し出し機を用いて、微粒化、溶解させてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、製造されるエポキシ樹脂硬化物の特性を損なわない範囲で、所望に応じ、一般にエポキシ樹脂組成物に用いられる各種の添加剤、例えば、充填材、反応性希釈剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、さらには難燃剤、消泡剤、湿潤剤、レベリング剤などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化チタンなどの金属酸化物、例えば、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸化物、さらには、ガラスバルーン、シリカ、マイカ、タルク、ウォラストナイト、カーボンブラック、グラファイト、金、アルミニウム粉、鉄粉などを挙げることができる。
反応性希釈剤としては、末端にグリシジルエーテル基を有する低粘度の液状樹脂を挙げることができる。
反応性希釈剤としては、例えば、ブチルモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリシジルアニリン、グリシジルオルトトルイジン、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどを挙げることができる。
反応性希釈剤としては、例えば、ブチルモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリシジルアニリン、グリシジルオルトトルイジン、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどを挙げることができる。
カップリング剤としては、例えば、シラン系化合物、アルミニウム系化合物、またはチタネート系化合物を用いることができる。
カップリング剤の具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン系化合物、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム系化合物、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなどのチタネート系化合物を挙げることができる。
カップリング剤の具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのシラン系化合物、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム系化合物、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなどのチタネート系化合物を挙げることができる。
界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、またはフッ素系界面活性剤などを用いることができる。
界面活性剤の具体例としては、例えば、Byk−300、Byk−306、Byk−335、Byk−310、Byk−341、Byk−344、またはByk−370〔商品名;ビック・ケミー(株)製〕などのシリコン系界面活性剤、Byk−354、ByK−358、またはByk−361〔商品名;ビック・ケミー(株)製〕などのアクリル系界面活性剤、フタージェント250、またはフタージェント251〔商品名;ネオス(株)製〕などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
界面活性剤の具体例としては、例えば、Byk−300、Byk−306、Byk−335、Byk−310、Byk−341、Byk−344、またはByk−370〔商品名;ビック・ケミー(株)製〕などのシリコン系界面活性剤、Byk−354、ByK−358、またはByk−361〔商品名;ビック・ケミー(株)製〕などのアクリル系界面活性剤、フタージェント250、またはフタージェント251〔商品名;ネオス(株)製〕などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
また、酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物などを用いることができる。
酸化防止剤の具体例としては、例えば、IRGAFOS
XP40、IRGAFOS XP60、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L〔商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕などを挙げることができる。
酸化防止剤の具体例としては、例えば、IRGAFOS
XP40、IRGAFOS XP60、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L〔商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕などを挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、エポキシ樹脂硬化剤として、一般式(1)で表される化合物を用いるものであるが、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、所望に応じて、一般式(1)で表される化合物と、公知の硬化剤および/または公知の硬化促進剤を併用することができる。
これら公知の硬化剤としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、トリアミノジエチルトルエン、ジシアンジアミド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、フェノールノボラック樹脂などのフェノール化合物、アミンアダクト型硬化剤、マイクロカプセル型硬化剤などを挙げることができる。
また、公知の硬化促進剤としては、例えば、モノメチルアミンのBF3錯体、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3級アミン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、tert−ブチルカテコールなどを挙げることができる。
これら公知の硬化剤としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、トリアミノジエチルトルエン、ジシアンジアミド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、フェノールノボラック樹脂などのフェノール化合物、アミンアダクト型硬化剤、マイクロカプセル型硬化剤などを挙げることができる。
また、公知の硬化促進剤としては、例えば、モノメチルアミンのBF3錯体、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3級アミン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、tert−ブチルカテコールなどを挙げることができる。
エポキシ樹脂硬化剤として、一般式(1)で表される化合物と、公知の他の硬化剤を併用する場合、総エポキシ樹脂硬化剤中、一般式(1)で表される化合物は、好ましくは、30モル%以上であり、より好ましくは、50モル%以上であり、さらに好ましくは、70モル%以上である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法に関しては、特に制限するものではないが、一般には、エポキシ樹脂と一般式(1)で表される化合物を、約10〜80℃で、より好ましくは、約20〜30℃で混合することが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂組成物を、一般に150〜200℃で、0.5〜5時間程度硬化させることにより製造することができる。
尚、エポキシ樹脂組成物の成形方法としては、特に制限するものではなく、例えば、注形法、含浸法、湿式積層法、乾式積層法、プルトルージョン法、トランスファー成形法、圧縮成形法、射出成形法などの公知の成形方法を適用することができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、エポキシ樹脂組成物を、一般に150〜200℃で、0.5〜5時間程度硬化させることにより製造することができる。
尚、エポキシ樹脂組成物の成形方法としては、特に制限するものではなく、例えば、注形法、含浸法、湿式積層法、乾式積層法、プルトルージョン法、トランスファー成形法、圧縮成形法、射出成形法などの公知の成形方法を適用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は種々の用途に使用することができ、好ましくは、繊維強化複合材料用のエポキシ樹脂組成物として使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、これを強化繊維に含浸させることによって繊維強化複合材料の前駆体である「プリプレグ」を得ることができる。
強化繊維の種類に関しては、特に制限するものではなく、複合材料の強化繊維として用いられる繊維を用いることができる。
強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、さらには表面処理した有機繊維を挙げることができる。
強化繊維としては1種を単独で使用してもよく、また複数種の強化繊維を使用することもできる。強化繊維としては、より好ましくは、炭素繊維である。
プリプレグの形態に関しては、特に限定するものではなく、一方向材、織物、組紐状織物、不織布などの任意の形態をとることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、これを強化繊維に含浸させることによって繊維強化複合材料の前駆体である「プリプレグ」を得ることができる。
強化繊維の種類に関しては、特に制限するものではなく、複合材料の強化繊維として用いられる繊維を用いることができる。
強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、さらには表面処理した有機繊維を挙げることができる。
強化繊維としては1種を単独で使用してもよく、また複数種の強化繊維を使用することもできる。強化繊維としては、より好ましくは、炭素繊維である。
プリプレグの形態に関しては、特に限定するものではなく、一方向材、織物、組紐状織物、不織布などの任意の形態をとることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させる方法に関しては、特に制限するものではない。
一般には、本発明のエポキシ樹脂組成物を、60〜90℃に加温して強化繊維に含浸させる方法(ホットメルト法)が好ましく適用される。
このようにして製造されたプリプレグは、公知の方法により繊維強化複合材料に成形される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料の製造方法として、例えばハンドレイアップ法、ホットメルト含浸プリプレグ法、ウェット含浸プリプレグ法、FW(filament winding)法などを挙げることができる。
プリプレグ法とは、プリプレグを積層して、例えば、オートクレーブ中、または加圧プレス下の条件で、一般に、150〜200℃で、0.5〜5時間程度硬化させることにより繊維強化複合材料を製造する方法である。
また、FW法とは、例えば、エポキシ樹脂組成物を含浸した強化繊維をマンドレル(芯金)に巻き付け、一般に、150〜200℃で、0.5〜5時間程度硬化させることにより繊維強化複合材料を製造する方法である。
一般には、本発明のエポキシ樹脂組成物を、60〜90℃に加温して強化繊維に含浸させる方法(ホットメルト法)が好ましく適用される。
このようにして製造されたプリプレグは、公知の方法により繊維強化複合材料に成形される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた繊維強化複合材料の製造方法として、例えばハンドレイアップ法、ホットメルト含浸プリプレグ法、ウェット含浸プリプレグ法、FW(filament winding)法などを挙げることができる。
プリプレグ法とは、プリプレグを積層して、例えば、オートクレーブ中、または加圧プレス下の条件で、一般に、150〜200℃で、0.5〜5時間程度硬化させることにより繊維強化複合材料を製造する方法である。
また、FW法とは、例えば、エポキシ樹脂組成物を含浸した強化繊維をマンドレル(芯金)に巻き付け、一般に、150〜200℃で、0.5〜5時間程度硬化させることにより繊維強化複合材料を製造する方法である。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物はRTM(Resin Transfer Molding)法を利用した繊維強化複合材料の製造にも好適に用いることができる。
RTM法とは、強化繊維からなる繊維基材あるいはプリフォームを成形型内に設置し、その成形型内にエポキシ樹脂組成物を注入して強化繊維に含浸させ、その後に加熱し、エポキシ樹脂組成物を硬化させて、成形品である繊維強化複合材料を得る方法である。
RTM法とは、強化繊維からなる繊維基材あるいはプリフォームを成形型内に設置し、その成形型内にエポキシ樹脂組成物を注入して強化繊維に含浸させ、その後に加熱し、エポキシ樹脂組成物を硬化させて、成形品である繊維強化複合材料を得る方法である。
また、繊維強化複合材料の諸特性(例えば、耐衝撃性)などの改良目的で、バインダーの存在下で、実施することができる。
係るバインダーとしては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂であるポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどを挙げることができる。
係るバインダーとしては、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、耐熱性に優れた熱可塑性樹脂であるポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどを挙げることができる。
エポキシ樹脂硬化剤として、一般式(1)で表される化合物を用いてなる本発明のエポキシ樹脂組成物と、強化繊維からなる繊維強化複合材料は、強化繊維の体積含有率が高く(一般には、50〜60%程度)、軽量であり、機械物性に優れている。
特に、強化繊維とエポキシ樹脂組成物の接着性が優れていることから、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席および内装材などの航空機部材、外板、シャシー、空力部材および座席などの自動車部材、構体および座席などの鉄道車両部材、船体および座席などの船舶部材、モーターケースおよび主翼などの宇宙機部材、構体およびアンテナなどの人工衛星部材など多くの構造材料に好適に用いることができる。
特に、強化繊維とエポキシ樹脂組成物の接着性が優れていることから、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席および内装材などの航空機部材、外板、シャシー、空力部材および座席などの自動車部材、構体および座席などの鉄道車両部材、船体および座席などの船舶部材、モーターケースおよび主翼などの宇宙機部材、構体およびアンテナなどの人工衛星部材など多くの構造材料に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例、および比較例で用いたエポキシ樹脂は、式(2−A)で表される化合物、または式(2−B)で表される化合物である。
尚、式(2−A)で表される化合物のエポキシ当量は、185であり、式(2−A)中、nは0〜2の整数を表す。
式(2−B)で表される化合物のエポキシ当量は、110である。
実施例、および比較例で用いたエポキシ樹脂は、式(2−A)で表される化合物、または式(2−B)で表される化合物である。
尚、式(2−A)で表される化合物のエポキシ当量は、185であり、式(2−A)中、nは0〜2の整数を表す。
式(2−B)で表される化合物のエポキシ当量は、110である。
また、実施例、および比較例で示した各種物性の試験方法は次に示すとおりである。
<エポキシ樹脂硬化物の熱変形温度(℃)>
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤をエポキシ基とアミノ基が当量になるように25℃で混合し、180℃で2時間加熱し、エポキシ樹脂硬化物を得た。
このエポキシ樹脂硬化物の熱変形温度は、JIS K7196の方法に従い、針入法によるTMA(Thermal Mechanical Analysis)を行うことにより測定した。数値が大きいほど、熱変形温度が高く、耐熱性に優れていることを示している。測定結果は、第1表に示した。
<エポキシ樹脂硬化物の熱変形温度(℃)>
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤をエポキシ基とアミノ基が当量になるように25℃で混合し、180℃で2時間加熱し、エポキシ樹脂硬化物を得た。
このエポキシ樹脂硬化物の熱変形温度は、JIS K7196の方法に従い、針入法によるTMA(Thermal Mechanical Analysis)を行うことにより測定した。数値が大きいほど、熱変形温度が高く、耐熱性に優れていることを示している。測定結果は、第1表に示した。
<エポキシ樹脂硬化物の引張り接着強度(kgf/cm2)>
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤をエポキシ基とアミノ基が当量になるように、25℃で混合し、ステンレススチール試験片に塗布した後、もう1枚のステンレススチール試験片を圧着し、180℃で、2時間加熱して、2枚のステンレススチールを接着した。この接着した試験片をJIS K6849の方法により、引張り試験を行うことにより、接着強度を測定した。尚、測定は、25℃および100℃で実施した。
数値が大きいほど、接着強度に優れていることを示している。
測定結果は、第1表に示した。
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤をエポキシ基とアミノ基が当量になるように、25℃で混合し、ステンレススチール試験片に塗布した後、もう1枚のステンレススチール試験片を圧着し、180℃で、2時間加熱して、2枚のステンレススチールを接着した。この接着した試験片をJIS K6849の方法により、引張り試験を行うことにより、接着強度を測定した。尚、測定は、25℃および100℃で実施した。
数値が大きいほど、接着強度に優れていることを示している。
測定結果は、第1表に示した。
第1表には、実施例、および比較例で使用したエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤を示した。
第1表中、比較例1で使用したエポキシ樹脂硬化剤は、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(第1表中、Cと略記した)であり、比較例2および比較例3で使用したエポキシ樹脂硬化剤は、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(第1表中、Dと略記した)である。
第1表中、比較例1で使用したエポキシ樹脂硬化剤は、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(第1表中、Cと略記した)であり、比較例2および比較例3で使用したエポキシ樹脂硬化剤は、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(第1表中、Dと略記した)である。
本発明のエポキシ樹脂硬化剤を用いて製造されるエポキシ樹脂硬化物は、熱変形温度が高く、さらには、接着強度に優れており、耐熱性の要求される分野へ使用することができる。
Claims (3)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012248869A JP2014095060A (ja) | 2012-11-12 | 2012-11-12 | エポキシ樹脂硬化剤およびエポキシ樹脂組成物 |
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