JP2014093017A - インレット及び非接触icカード並びにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属ワイヤーからなる巻き線アンテナを複数内蔵させたインレットを折り畳んでから型抜きして所定のサイズのインレットもしくは非接触ICカードに仕上げても、型抜き工程でアンテナ線が断裁されないインレット及びその製造方法を提供することを目的とした。
【解決手段】折り畳まれたベース基材1の内側の一方にICチップと絶縁性材料で被覆された金属ワイヤーからなる第一の巻き線アンテナ5とを備え、他方に第二の巻き線アンテナ6を備えるインレットにおいて、第一の巻き線アンテナ5と第二の巻き線アンテナ6とをつなぐ部分の金属ワイヤー20が折り目から所定の距離以遠に敷設されていることを特徴とするインレットである。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信用アンテナを内蔵する非接触ICカード及びこれらに使用するインレットに係わり、詳しくは、複数の巻き線アンテナを備えるインレットを折り畳んで断裁してもアンテナ線が破断されないインレット構造及びその製造方法に関する。
無線通信が可能な非接触ICカードは、アンテナ回路を備えるベース基材の所定の部位に、ICチップが実装されたフィルム基板を嵌め込んだインレットの上下を、意匠性を付与したオーバーコート材で狭持したものである。導電体からなる通信用アンテナはコイル(スパイラル)状に前記ベース基材の周辺部に配設され、コイルの両端はICチップが実装されたフィルム上の接続端子に導かれてICチップにつながっている。コイルの起電力はコイルの囲む面積に反比例しコイルの巻き数に比例するので、使用できる面積が小さい場合はコイルの巻き数を増やす必要がある。
コイル状のアンテナ回路は、ベース基材の周辺部に、金属箔をフォトリソ法によりパタニングしたり、銀ペースト等導電性インクを使って印刷したり、あるいは、絶縁性繊維を巻きつけた径が100μm程度の銅ワイヤーを、布線機を用いてコイル状に描画し接着剤で固定する等幾つかあるが、コスト的・製法的に巻き線アンテナ(以下、単にアンテナと記す場合もある。)が使用されることも多い。
アンテナは、同一面上にコイル(スパイラル)状態で敷設されるので、アンテナ本体からみて相反する側に出る端部をICチップの端子に接続するためには、アンテナ端部をICチップのある同じ側に導く必要がある。フォトリソ法や印刷法は、同一面上ではアンテナ線が交差してしまうため、アンテナ線を乗り越えるジャンパー線を敷設するとか、ベース基材に貫通孔を設けてコイル端を裏面に引き出して引き回す必要がある。これに対し、巻き線アンテナは一応絶縁されており、同一面上で、前者に比べれば容易に交差させることが可能で一定程度曲げることもできるからである。
その場合、ジャンプする金属ワイヤー9Aは、図4(b)に示すような形態で、従前に描画したアンテナ線9Bを飛び越えている。浮かしたアンテナ線9Aは浮いた部分がかなり自由に動けるため、自由端近傍の埋め込まれたアンテナ線を引き剥がしやすいという問題がある。
また、図4(a)に示すように複数のアンテナが必要な場合、同一面内に複数のアンテナ5,6を描画すると、ジャンパー部9と高密度配線部が必然的に多くなるため、アンテナの描画自体が難しくなるという問題がある。加えて、描画スピードが上げられず生産性が低下する上、不良発生が多くなるという問題がある。
非接触ICカードは、カードサイズに制限があり、元来描画可能領域が十分でなく、設計の段階で複数のアンテナを並存させられず設計に苦慮することが多い。
この対策として、図3(a),(b)に示すように複数のアンテナ5,6A、6Bを広めのベース基材1上に別々に描画してから基材を折り畳むことで所定のサイズのインレットを得る技術が開示されている(特許文献3)。しかしながら、アンテナ線20が折り目を跨ぐように描画されているので、折り曲げた部分を加熱ラミネートして一体化してからカードサイズに型抜きするとアンテナ線20(金属ワイヤーとも記す。)が断裁されるという問題がある。
特許4367013号明細書 特開平11−134459号公報 特開2002−366917号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、金属ワイヤーからなる巻き線アンテナを複数内蔵させたインレットを折り畳んでから型抜きして所定のサイズのインレットもしくは非接触ICカードに仕上げるに当たり、型抜き工程でアンテナ線が断裁されないインレット及びその製造方法を提供することを目的とした。
上記の課題を達成するための請求項1に記載の発明は、折り畳まれたベース基材の一方にICチップと絶縁性材料で被覆された金属ワイヤーからなる第一の巻き線アンテナとを備え、他方に第二の巻き線アンテナを備えるインレットにおいて、第一の巻き線アンテナと第二の巻き線アンテナとをつなぐ部分の金属ワイヤーが折り目から所定の距離以遠に敷設されていることを特徴とするインレットとしたものである。
また、請求項2に記載の発明は、前記所定距離が3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のインレットとしたものである。
また、請求項3に記載の発明は、前記第一の巻き線アンテナと第二の巻き線アンテナとが折り畳まれたベース基材の内側で相対するように描画されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインレットとしたものである。
また、請求項4に記載の発明は、受動部品を前記アンテナとは離間した位置に備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインレットとしたものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインレットの両側をオーバーコート材で狭持したことを特徴とする非接触ICカードとしたものである。
また、請求項6に記載の発明は、ベース基材に第一の開口部とベース基材の折り畳み予定線上に第二の開口部を形成する工程と、
所定の幅と高さを有する突起部を備えたステージに、突起部が第二の開口部を挿通するようにベース基材を載置する工程と、
第一の開口部に接続端子を有するフィルム基板を収容する工程と、
折り畳み予定線の左右のいずれかの一方のベース基材上に第一の巻き線アンテナを描画する工程と、
突起部を越えてアンテナ線を描画して後、他方のベース基材上に第二の巻き線アンテナを描画する工程と、
巻き線アンテナの端子をフィルム基板の接続端子と接続する工程と、
ICチップをフィルム基板の所定の部位に実装する工程と、
ベース基材を折り畳む工程と、
折り曲げたベース基材を加熱圧着する工程と、を有することを特徴とするインレットの製造方法としたものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の工程に加え、
インレットの表裏を接着剤付きオーバーコート材で狭持する工程と、
加熱しながらラミネートする工程と、
個片に型抜きする工程と、を有することを特徴とする非接触ICカードの製造方法としたものである。
本発明は、従来はカードサイズの面積内に複数の巻き線アンテナを描画していたのと比較して、概ねカードサイズの2倍もしくはそれ以上の面積を有するベース基材上にそれぞれ巻き線アンテナを描画してから、該基材を折り曲げてカードサイズに戻したもので、その際に折り目の両側に配置された第一の巻き線アンテナと第二の巻き線アンテナとをつなぐアンテナ線が、通常であれば折り目を跨いで引き回されるところ、本発明では折り目から所定の距離より内側に配設されるようにしたものである。
その結果、カードの型抜き工程で、折り目の内側で断裁されても第一のアンテナと第二のアンテナを結ぶ金属ワイヤーが切断されたり引き抜かれたりすることがないという効果がある。
巻き線アンテナを別々に描画しているため、アンテナ線のジャンプ箇所と高密度配線部とが低減されているためアンテナ描画工程上のトラブルが減り歩留まりが向上するという効果がある。歩留まりが向上するだけでなく、アンテナの描画スピードを落とす必要がないため、その分生産効率が向上し、この点の利得のほうが折り畳みに工程追加の損失を上回るという効果がある。
工法的には、つなぎ部分のアンテナ線が折り目から所定距離はなれた内側に描画されるように、ベース基材の折り目線上に折り目を跨ぐ開口部を設けている。該開口部から突起を突出させてアンテナ線が突起上を這うように描画してから、突起を開口部から抜くとアンテナ線が浮いた状態になりベース基材を折り畳んでもアンテナ線が折り目を跨がないように敷設することができる。したがって、断裁工程でアンテナ線が破断されることがない。
本発明に係る、(a)大きなベース基材上に二つの巻き線アンテナを敷設した様子を模式的に説明する上面視の図である、(b)ベース基材を折り曲げて巻き線アンテナを重ねた形態を模式的に説明する上面視の図である。 (a)〜(f)ベース基材の折り畳みに伴う折り目近傍のアンテナ線の畳み込みの様子を模式的に説明する断面視の図である。 (a)三つ折用のベース基材上に3個の巻き線アンテナを敷設した様子を説明する上面視の図である。(b)折り畳んだ後の巻き線アンテナの重なり具合と折り目上にアンテナ線が敷設される様子を模式的に説明する断面視の図である。 (a)複数の巻き線アンテナが敷設された様子を説明する上面視の図である。(b)ジャンパー部の様子を説明する断面視の図である。 インレットの製造工程を説明する斜視工程図の一部である。
先ず、本発明の要点を図面を参照して説明する。
図4(a)は、スパイラル径が異なる二つの巻き線アンテナ5,6が、紙もしくはプラスチックからなるベース基材1の同一面上に敷設された様子を模式的に示す上面視の図である。二つの巻き線アンテナ5,6は大径のコイル(第一の巻き線アンテナ5の一部であり単にコイルともアンテナとも記す。以下、同様。)を描画してから小径のコイル(第二の
巻き線アンテナ6)を描画し、その後再び大径のコイル(第一のアンテナの一部)を描画するアンテナの敷設形態で、このような複雑なアンテナ配置は、例えば電磁結合用デュアルICカードの場合に必要とされるものである(例えば、特許3800765号参照)。
巻き線アンテナは、前記第一、第二に限らず第三、第四のアンテナが目的ごとに配置される場合がある。図3に3個の巻き線アンテナ5,6A、6Bが敷設された場合を示した。その他、ベース基材1上のコイル内には、アンテナと接続されるICチップが搭載されたフィルム基板2が嵌め込まれ、外側には配線基板7あるいは抵抗、コンデンサ等の受動素子8が配置される場合がある。
アンテナ布線機を用いて、金属ワイヤーをICチップが搭載されるフィルム基板2の左側端子を開始点として左回りで第一のコイルの描画を始める場合を考える。数本の第一の巻き線アンテナ5を樹脂粘着層11(図4(a)では省略)上に描画して(半)埋設した後、右側から描画したばかりのアンテナ線を乗り越えてコイル内に第二の巻き線アンテナ6を敷設する必要がある。このためにはジャンパー部9を設ける必要があるが、この様子を模式的に説明するのが図4(b)である。ジャンパー線9Aは樹脂粘着層11に触れる余裕が少なく、一般には浮いた状態であるので、引っ掻きによる剥がれ等のトラブルの原因となる。
ジャンパー線9Aは再度樹脂粘着層11内に埋め込まれるように第二の巻き線アンテナ6を外側から内側に向かって描画されてから、再度第一の巻き線アンテナ5のコイル描画を行っている。最後は描画済みのコイルをジャンプしてフィルム基板2の接続端子に導かれる。ジャンパー部9の位置や順序を無視すれば少なくとも4、5回のジャンプが必要である。アンテナ線が密集して部分やジャンプする部分9では布線機のスピードダウンが裂けられない。
上記のようにアンテナコイルの内部に別のアンテナコイルを敷設するようなアンテナ配置の場合、図3(a)に示すように、一旦ベース基材1の面積を所望のカードサイズ以上に広げ、この共通基材面上の離れた部位に第一の巻き線アンテナ5と第二の巻き線アンテナ6A、第三の巻き線アンテナ6Bを描画し、最後に、図3(b)に示すように共通ベース基材1を折り畳んで、所望の基板サイズ(インレット)にするというものである。
折り畳み方法は、二つ折りのみならず三つ折りでも構わないし、四つ折であっても構わない。図3(b)に示すように3個のアンテナコイルをベース基材1個分に押し込めて描画するとジャンプ数は21回程度になるが、分割して描画するとジャンプ数は3回程度に激減する。
ベース基材1の折り曲げ部分10におけるアンテナ線20の折り曲げの形態は、アンテナ線20が含まれる曲げ面がベース基材1面と角度をなすように曲げるのでなく、できるだけ平行になるように金属ワイヤーを湾曲させるのが好ましい。しかしながら、アンテナ線20が折り目を跨ぐように描画されているので、折り目の内側奥にアンテナ線20が配設されており、カード成形のため折り目近傍を断裁するとアンテナ線20が破断される。
本発明では、図1に示すように折り目10の近傍を断裁してもアンテナ線20を破断しないように、描画時にアンテナ線20が折り目10から所定の距離dはなれた部位に敷設されて、断裁線が折り目10と敷設されたアンテナ線20の中間にくるようにしたものである。以下、この工程を図2を用いて具体的に説明する。
このようなスペースを設けるために、ベース基材1の中間折り目10線上に、第二の開口部4を設けたベース基材1を用いる(図2(a))。第一の開口部3はICチップを搭載するフィルム基板2を嵌め込むためのものである。次にベース基材1の第二の開口部4
をステージ25に設けた突起24が挿通するようにステージ25上に載置して、突起24をベース基材1の上部に所定の高さだけ突出させる(図2(b))。
次に、いずれかの巻き線アンテナをベース基材1上に描画した後、別の巻き線アンテナを描画する前に、金属ワイヤー20が突起24面をなぞるように描画する(図2(c))。但し、同図では巻き線アンテナは省略してある。こうすると突起24基部の形状が第二の開口部4と概ね同じ形状であれば、折り目10と直交する方向の突起24基部の幅が、アンテナ線20が折り目からどの程度内側に入るかを決める。また突起24は、図に示すように断面が二等辺三角形の三角柱形状が好ましいが、図から推測できるようにアンテナ線20にも三角形状の折り目が形成される。ベース基材1をステージ25からはずすと、アンテナ線は三角形をなしてベース基材から浮き上がる(図2(d))。
次に、ベース基材1をアンテナ線が内側に来るように折り曲げ線で折り曲げていく(図2(e))。予め、アンテナ線20に突起24を使って三角形の折り目がついているので、完全に折り曲げるまでアンテナ線20が確実に巻き線アンテナ側に折り込まれて、外側にはみ出ることがない(図2(f))。突起24自体は同じ効果が見込めれば他の形状であっても構わない。折り目10から一番外側のアンテナ線20までの距離dは1mm以上、好ましくは3mm以上であれば、断裁時の位置ずれを考慮してもアンテナ線20を切断することはない。
図2(f)では、アンテナ線の折り曲がり部を含む面が、ベース基材面に直交しているように描かれているが、実際は平行になるように折り曲げられて、アンテナ線が180度の角度とか鋭角的に曲がることはない。また、断裁線は、アンテナ線と折り目の中ほどから折り目側に設定するのが好ましい。
また、第一、第二、第三と複数の巻き線アンテナの敷設が必要な場合、仮に二つ折りにする場合、一方の折り畳み面には第一の巻き線アンテナ、他方の折り畳み面に第二、第三の巻き線アンテナを敷設する場合に限らず、一方に第一と第二、他方に第三の巻き線アンテナを敷設しても構わないし、一方に第一と第三、他方に第二の巻き線アンテナを敷設してもよい。必要とするコイル径と巻き数の点から適宜設定することができる。
二つ折りでもアンテナ線が折り目を複数回往復する場合には、開口部をそれに応じて複数設けてもかまわないし、折り畳み回数が2回以上で複数の折り目となる場合は、それぞれに開口部を設けて構わない。それに対応した突起を有するステージを使う必要がある。
ICチップ12を搭載したフィルム基板2は、ベース基材1に設けた第一の開口部3に嵌め込むのが一般的であるが、三つ折り以上の場合は中間に配設されるベース基材1に開口部を設け、開口部表面からにICチップが余り突出しないように載置・接続してから折り畳む必要がある。最後に、意匠性のあるオーバーコート材を用いて折り畳まれたインレットを狭持する。
以下、製造工程に即し、図5を用いて本発明を説明する。
本実施形態に係るインレットは、図1(a)、図3(a)に示すように少なくとも、ベース基材1とベース基材1上に描画された第一、第二、第三の巻き線アンテナ5、6A、6BとICチップ12が搭載されたフィルム基板2とを有している。インレットはこの他に、抵抗、コンデンサ、インダクタ等の受動部品あるいは配線基板部分を備えることができるが、詳細は全て省略されている。最終的にインレットは、ホットメルト樹脂を用いてオーバーコート材で表裏から被覆され、非接触ICカードあるいは通帳等の冊子となるものである。
(ベース基材)
ベース基材1(以下、単に基材とも記す。)は、厚さが0.20mm程度の平板形状の上質紙やプラスチック樹脂などであって、大きさは単位の大きさの、概ね折り畳む回数倍程度の大きさを備える少なくとも表層が非導電性物質からなる。ベース基材1としては、折り畳んだ後、加熱プレスが可能なPET―GやPVC等比較的容易に溶融し、冷却により固形化する熱可塑性素材が好適である。ベース基材1の想定折り畳み位置には第二の開口部及び折り畳み方向と逆の面に貫通しない程度の切込みを入れておくのが好ましい。二つ折りするインレットを多面付けで製造する場合は、平行に並んだ折り曲げ想定位置を有するベース基材1を使用するのが望ましい。
ベース基材1表面のまき線アンテナ5、6が敷設される位置には、塗布等によって樹脂粘着層11として熱可塑性樹脂層が予め塗布されているベース基材1を使用する。さらにベース基材1には、図5で示すような、IC搭載用樹脂基板2(以下、単に樹脂基板とも記す。)と略同形の第一の開口部3が、所定のクリアランスを保つようにザグリ加工されており、その開口部3にフィルム基板2が嵌め込まれる。
(ICチップ搭載用フィルム基板)
ICチップ搭載用フィルム基板2は、FR−4、ポリイミド、PET、PENに代表される樹脂などの非導電性材料から板状に構成される。フィルム基板2の表面(上面)と裏面(下面)のうち、少なくとも表面には、図5(a)、(b)に示すように一対の接続用電極21A,21Bが形成されている。電極21A、21Bは、Cu、Al等の導電性材料で構成されている。尚、図5(a),(b)ではベース基材1上のアンテナ配線は省略してある。
電極部は、接続部21A,21B以外にICチップ実装部22を備えている。電極21A,21Bは、金属ワイヤーの端部20A,20Bを接続するための部分である。実装部22は、ICチップを電極のスリットを跨ぐように搭載する部分である。本実施形態の対を成す電極21は、図5に示すように、平面視において左右対称に形成され、所定のスリットを挟んで実装部22が対向配置し、その左右両側にそれぞれ長方形形状の接続用電極21A、21Bが形成されている。電極は、上記スリットと同方向に長辺を向けて配置している。但し、電極の形状自体は図示したものに限られず一対の電極がICチップと接続可能な範囲にあればよい。
また、図5(c)に示すように接続電極21A、21Bを含むフィルム基板2の総厚みを、ベース基材1の厚み(樹脂粘着層11の厚みは除く)よりも薄くなるように調整して、ICチップ12がベース基材1から過剰に突出しないようにしている。なお、非接触ICカードを製造する場合には、ベース基材1の厚みとフィルム基板2の厚みの差は0.2mm以下に収めるのが好ましい。
(インレットの製造方法)
ベース基材1を、上部に加熱圧着機構付金属ワイヤー敷設ヘッドを備えるステージ上の台座にセットする。台座のほかに第二の開口部4を挿通する突起を備えている。それと同時に台座に設けた吸引穴から吸引してベース基材1を固定する。ステージには、ステージから突出する台座と突起が設けられており、台座には、台座平端部の大きさがベース基材1の開口部3(ICチップ搭載用フィルム基板程度)より若干小さく、一定のクリアランスでベース基材1の下部から僅かに第一の開口部3に貫入するようになっている。台座の張り出し高さは、ベース基材1の厚みと第一の開口部3に収容されるフィルム基板2の厚みの差程度であって、丁度ベース基材1の上表面とフィルム基板2の表面が面一になる高さである。
次に、ベース基材1に形成した第一の開口部3に一対の電極21A,21B他が形成されたIC搭載用フィルム基板2(以下、フィルム基板と記す。)を嵌め込む(図5(a),(b)を参考に)。嵌め込むと同時に台座に設けた吸引穴から吸引して固定する。尚、ステージ上にベース基材1とフィルム基板2を載置する順序は、上述の順に限られず適宜入れ換えても構わない。
次に、ベース基材1表面に対し、金属ワイヤー敷設ヘッドから金属ワイヤー20Aを送り出し、接続電極21A上を通過させてから敷設ヘッドによって基材1の上面に塗布された樹脂粘着層を溶融・固化させることで、基材の左表面上に対して、第一の巻き線アンテナ4を敷設しつつ固定する(図5(c))。次に右表面上に敷設ヘッドを移動して径が第一のアンテナより小さい第二の巻き線アンテナ5を同じように敷設する。その途中では、突起に沿うようにつなぎ部分のアンテナ線を描画する。巻き線アンテナの描画が終われば、敷設ヘッドから金属ワイヤーを送り出して、接続電極21Bを通過するように金属ワイヤー端部を敷設する(図5(b))。その後、熱圧着ヘッドで金属ワイヤー20A、20Bを電極21A,21Bに押し付け熱圧着することで、アンテナ端部を電極に固定する。
このとき、台座のない平坦なステージの所定の位置にベース基材1載置すると、接続電極を含むフィルム基板2の総厚みが基材1の厚みよりも薄いことから、ベース基材1の上面よりも、フィルム基板2の電極が下方に凹んだ状態となる。この状態で金属ワイヤーを第一の開口部3を横断するように送り出して敷設すると、アンテナ線5は、弛んだ状態で敷設されることがあり、圧着後のフィルム基板2の開口部3内の停留形態と位置が安定しない。突出する台座を設けることでこうした不安定さが解消される。
次に、超音波実装ヘッドと前記と同じ台座を備える別のステージにベース基材を移動する。そして対をなす電極21A,21Bの実装部22に跨るようにICチップ12を配置する。また、台座とその周囲に形成した吸引穴から真空引きすることで、ベース基材1及びIC搭載用フィルム基板2を台座とステージに吸着固定した状態とする。この状態で、ICチップ12に上側から超音波実装ヘッドを当接して超音波を付与することで、ICチップ12を一対の実装部22に接合して固定する。この場合の台座の高さは金属ワイヤーを熱圧着する場合と同様である。
このようにベース基材1を持ち上げて支え、枠状の突起内にIC搭載用フィルム基板2を載置すれば、該フィルム基板2を所定の位置に吸着・固定することが可能となり、ICチップ12を超音波実装する際にも、超音波エネルギーを有効に活用できる。すなわち、IC搭載用フィルム基板2の裏面(下面)を台座に密着するように吸着した状態で、ICチップの実装を行うのが望ましい。上記工程を経て、図5(c)に示す折り畳む前のインレットが得られる。
上記加工に先立ってベース基材1の折り畳み想定部位には切り込み23を入れておくのが好ましく、切込みを入れた部分23でベース基材1を折り曲げる。折り目では金属ワイヤーは三角形状に浮いていることから、所定の距離だけ内側に入って折り込まれる。その後、PETGが溶融する温度(120℃から160℃)で金型プレスして、冷却するとカード状に外形を整えると折り畳まれたインレット13が得られる。加熱溶融により折り畳まれたPETGの接触面が消失する。最終的に型抜きすることで個片のインレット13が得られる。
多面付けしたままのインレットを型抜きせずに、ホットメルト樹脂15を表層として配した意匠性を付与したオーバーコート材14(PET)でそのまま狭持する。この丁合済みシートをラミネートして、最後にカード抜きを行うと非接触ICカードを製造することができる。
1、ベース基材
2、フィルム基板(IC搭載用)
3、第一の開口部
4、第二の開口部
5、第一の巻き線アンテナ
6、小径の巻き線アンテナ
6A、第二の巻き線アンテナ
6B、第三の巻き線アンテナ
7、配線基板
8、受動素子等
9、ジャンパー部
9A、ジャンパー線
9B、アンテナ線(敷設済み)
10、折り畳み線
11、樹脂粘着層
12、ICチップ
13、インレット
14、オーバーコート材
15、ホットメルト樹脂
20、金属ワイヤー(アンテナ線)
20A、金属ワイヤー端部
20B、金属ワイヤー端部
21、(接続用)電極
21A、接続用電極
21B、接続用電極
22、ICチップ実装部(電極間スリット)
23、切り込み
24、突起
25、ステージ

Claims (7)

  1. 折り畳まれたベース基材の一方にICチップと絶縁性材料で被覆された金属ワイヤーからなる第一の巻き線アンテナとを備え、他方に第二の巻き線アンテナを備えるインレットにおいて、第一の巻き線アンテナと第二の巻き線アンテナとをつなぐ部分の金属ワイヤーが折り目から所定の距離以遠に敷設されていることを特徴とするインレット。
  2. 前記所定距離が3mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のインレット。
  3. 前記第一の巻き線アンテナと第二の巻き線アンテナとが折り畳まれたベース基材の内側で相対するように描画されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインレット。
  4. 受動部品を前記アンテナとは離間した位置に備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のインレット。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のインレットの両側をオーバーコート材で狭持したことを特徴とする非接触ICカード。
  6. ベース基材に第一の開口部とベース基材の折り畳み予定線上に第二の開口部を形成する工程と、
    所定の幅と高さを有する突起部を備えたステージに、突起部が第二の開口部を挿通するようにベース基材を載置する工程と、
    第一の開口部に接続端子を有するフィルム基板を収容する工程と、
    折り畳み予定線の左右のいずれかの一方のベース基材上に第一の巻き線アンテナを描画する工程と、
    突起部を越えてアンテナ線を描画して後、他方のベース基材上に第二の巻き線アンテナを描画する工程と、
    巻き線アンテナの端子をフィルム基板の接続端子と接続する工程と、
    ICチップをフィルム基板の所定の部位に実装する工程と、
    ベース基材を折り畳む工程と、
    折り曲げたベース基材を加熱圧着する工程と、を有することを特徴とするインレットの製造方法。
  7. 請求項6に記載の工程に加え、
    インレットの表裏を接着剤付きオーバーコート材で狭持する工程と、
    加熱しながらラミネートする工程と、
    個片に型抜きする工程と、を有することを特徴とする非接触ICカードの製造方法。
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