JP2014092221A - 動力伝達装置および農作業用車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワンウェイ型の動力伝達装置において、出力軸側の回転速度が入力軸側の回転速度を超えた場合においても入力軸からの動力伝達状態を維持することができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置100は、入力軸91に連結するカムドライブ101を備えている。カムドライブ101は、フランジ部102に動力伝達歯105を備えるとともにフランジ部102の両側にスライドスリーブ108およびカムセンタ111を支持している。スライドスリーブ108は、フランジ部102を貫通するロックピン107を支持している。カムセンタ111は、動力伝達歯105に噛み合う動力伝達歯112およびカムドリブン119に回転駆動力を伝達するための動力伝達歯114を備えるとともにロックピン107が嵌合するロックピン嵌合部113を備えている。カムドリブン119は、動力伝達歯114に噛み合う動力伝達歯121を備えて出力軸96に連結されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原動機によって回転駆動する入力軸とこの入力軸からの回転駆動力を受けて回転駆動する出力軸との間に配置されて入力軸の回転駆動力を断続的に伝達する動力伝達装置およびこの動力伝達装置を備えた農作業用車両に関する。
従来から、農作業用車両、例えば、水田に苗を植える自走式の田植え機においては、エンジンなどの原動機によって回転駆動する入力軸の回転駆動力を車輪などの従動体に連結される出力軸に対して伝達および遮断するために動力伝達装置が用いられている。この動力伝達装置の中には、出力軸側の回転速度が入力軸側の回転速度を超えた場合に入力軸からの動力の伝達状態を遮断するワンウェイ型の動力伝達装置がある。
例えば、下記特許文献1には、複数の台形状の動力伝達歯を有した入力側のカムドライブと複数の台形状の動力伝達歯を有した出力側のカムドリブンとの間にカムドライブおよびカムドリブンにそれぞれ噛合う複数の台形状の動力伝達歯を有したカムセンタをカムドライブおよびカムドリブン間において変位自在な状態で配置して構成したワンウェイ型の動力伝達装置が開示されている。そして、この動力伝達装置においては、ロックピンを用いてカムセンタを押圧することによりカムセンタとカムドリブンとを強制的に噛み合わせて動力伝達状態を固定するロック機能を備えている。
特開平10−331875号公報
しかしながら、上記特許文献1に示された動力伝達装置においては、ロックピンを用いてカムセンタとカムドリブンと噛み合い状態を強制的に維持したロック状態であっても、出力軸側の回転速度が入力軸側の回転速度を超えた場合には入力軸からの動力の伝達状態が遮断されることがあるという問題がある。このような動力伝達状態の失調過程を図3および図4を用いて簡単に説明する。
まず、動力伝達装置90は、図3(A)に示すように、入力軸91に連結されたカムドライブ92が回転駆動しない停止状態においては、カムドライブ92の動力伝達歯92aとカムセンタ93の動力伝達歯93aとが互に噛合っているのみでカムセンタ93の動力伝達歯93bとカムドリブン94の動力伝達歯94aとが噛み合っておらず、カムドライブ92とカムドリブン94との間で動力の伝達は行われない。
次に、動力伝達装置90は、図3(B)に示すように、入力軸91の回転駆動によりカムドライブ92が回転駆動を開始すると、カムセンタ93はカムドライブ92と同じ回転方向に回転駆動を開始するとともに動力伝達歯93aが動力伝達歯92aに押されるためカムドリブン94側に変位して動力伝達歯93bが動力伝達歯94aに噛合う。なお、図示しないロックピンを用いてカムセンタを強制的にカムドリブンに押圧した場合においても上記と同様に動力伝達歯93bと動力伝達歯94aとが噛み合った動力伝達状態となる。
次に、動力伝達装置90は、図4(A)に示すように、カムドリブン94の回転速度が何らかの理由(例えば、車両の走行抵抗など)によってカムドライブ92の回転速度を超えた場合には、カムセンタ93の回転速度が上昇するため、カムドライブ92の回転駆動によるカムセンタ93への噛み合い状態が解消される。
これにより、動力伝達装置90は、図4(B)に示すように、カムセンタ93がリターンスプリング95の弾性力によってカムドライブ92側に変位させられるため、カムセンタ93とカムドリブン94との噛合い状態が解消する。この結果、動力伝達装置90は、入力軸91から出力軸96側への動力の伝達状態が遮断される。
一方、カムセンタ93がロックピンの押圧によって強制的にカムドリブン94と噛み合った状態であっても、カムセンタ93がロックピンの押圧抵抗に抗しながら相対的に回転変位すると、カムセンタ93がリターンスプリング95の弾性力によってカムドライブ92側に変位させられるため、カムセンタ93とカムドリブン94との噛合い状態が解消する。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、所謂ワンウェイ型の動力伝達装置において、出力軸側の回転速度が入力軸側の回転速度を超えた場合においても入力軸からの動力伝達状態が遮断されることなく維持することができる動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、台形状に形成された動力伝達歯を複数有して原動機による回転駆動力によって回転駆動するカムドライブと、台形状に形成された動力伝達歯を複数有してカムドライブから伝達される回転駆動力によって回転駆動するカムドリブンと、カムドライブとカムドリブンとの間で変位可能な状態で設けられるとともにカムドライブおよびカムドリブンにおける各動力伝達歯にそれぞれ噛合う台形状に形成された動力伝達歯を複数有してカムドライブにおける動力伝達歯から回転駆動力を受けることによってカムドリブン側に変位するカムセンタと、カムドライブに一体回転可能かつカムセンタに対して接触および離隔する方向にそれぞれ変位自在に設けられたロックピンとを備え、カムセンタは、ロックピンが嵌合するロックピン嵌合部を有することにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、動力伝達装置は、ロックピンをカムセンタにおけるロックピン嵌合部に嵌合させることによってカムセンタとカムドライブとが一体的に回転駆動する状態でカムセンタをカムドリブンに噛み合わせることができる。これにより、動力伝達装置は、カムドリブン側の回転速度がカムセンタを含むカムドライブ側の回転速度を超えた場合であってもカムドリブンとカムセンタとがロックピンによって一体回転するように連結されているため、カムセンタを含むカムドライブ側はカムドリブンとともに一体的に回転する。これにより、動力伝達装置は、カムドリブン側の回転速度がカムセンタを含むカムドライブ側の回転速度を超えた場合であっても入力軸からの動力伝達状態が遮断されることなく維持することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記動力伝達装置において、ロックピン嵌合部は、底部を有する有底穴であることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、動力伝達装置は、ロックピンが嵌合するロックピン嵌合部が有底の穴によって構成されている。これにより、動力伝達装置は、ロックピンをロックピン嵌合部に嵌合させてカムセンタをカムドリブンに強制的に噛み合わせることができる。すなわち、動力伝達装置は、ロックピン嵌合部を有底穴に形成することによってカムセンタをカムドライブの回転駆動状態に拘らずカムドリブンに噛み合わせて動力伝達状態とすることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記動力伝達装置は、ロックピンおよびロックピン嵌合部は、少なくとも3組設けられていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、動力伝達装置は、1組を構成するロックピンとロックピン嵌合部とが少なくとも3組設けられている。これにより、動力伝達装置は、カムドリブン側に大きな回転駆動力が作用した場合においてもカムドリブン側からの回転駆動力を少なくとも3組のロックピンおよびロックピン嵌合部で負担することによって入力軸からの動力伝達状態を精度よく維持することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記請求項1ないし前記請求項3のうちのいずれか1つに記載した動力伝達装置を用いて農作業用車両を構成したことにある。この場合、農作業車両とは、人間に代わって農作業を行う自走式の車両であって、例えば、トラクタ、耕うん機、田植え機、溝掘り機、うね立機、コンバイン、野菜収穫機または茶葉刈機などがある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、農作業用車両は、上記請求項に記載の動力伝達装置を備えて構成されている。これにより、農作業用車両は、上記動力伝達装置と同様の作用効果を期待できる。
本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の全体構成を概略的に示す断面図である。 図1に示す動力伝達装置におけるロック状態の一例を示す断面図である。 (A),(B)は従来例に係る動力伝達装置の作動状態をそれぞれ示した模式図であり、(A)は動力伝達装置において動力の伝達が行なわれない停止状態を示しており、(B)は動力伝達装置における動力伝達状態を示している。 (A),(B)は従来例に係る動力伝達装置の作動状態をそれぞれ示した模式図であり、(A)は動力伝達装置において入力軸側の動力伝達状態が遮断された状態を示しており、(B)は動力伝達装置において入力軸側および出力軸側の各動力伝達状態が遮断された状態を示している。
以下、本発明に係る動力伝達装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る動力伝達装置100の全体構成の概略を示す断面図である。なお、本明細書において参照する各図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この動力伝達装置100は、図示しない田植え機における原動機(エンジン)と駆動輪との間や原動機と植え付け装置との間に配置されて原動機からの回転駆動力の伝達および遮断を行うクラッチ装置として機能する。この場合、田植え機における植え付け機とは、所定量の苗を掴んで水田に挿し込み作業を行う機械装置であり、自走式の田植え機における後部に水田に対して昇降自在な状態で設けられている。
(動力伝達装置100の構成)
動力伝達装置100は、カムドライブ101を備えている。カムドライブ101は、入力軸91を介して伝達される回転駆動力によって回転駆動する部品であり、鋼材を筒状に形成して構成されている。この場合、入力軸91は、図示しない原動機の回転駆動力によって回転駆動する軸体であり、一方の端部がカムドライブ101の内周部に固定的に嵌合している。なお、図1においては、入力軸91を二点鎖線で示している。
このカムドライブ101は、外周部における軸線方向中央部に径方向外側に張り出した状態でフランジ部102が形成されている。フランジ部102における一方(図示右側)の側面には、凹状に窪んだスプリング溝103がリング状に形成されるとともに、このスプリング溝103内に第1リターンスプリング104の一方の端部が嵌り込んでいる。第1リターンスプリング104は、後述するスライドスリーブ108の位置をフランジ部102から離隔させる方向に向かって弾性力を発揮するコイルスプリングである。
一方、フランジ部102における他方(図示左側)の側面には、動力伝達歯105が形成されている。動力伝達歯105は、カムドライブ101の回転駆動力を後述するカムセンタ111に伝達するための動力伝達部分であり、台形状に形成された突起物がフランジ部102の周縁部分に周方向に沿って等間隔に複数形成されて構成されている。また、フランジ部102における動力伝達歯105よりも内側部分には、周方向に沿って等間隔に3つの貫通孔106がそれぞれ形成されており、これら3つの貫通孔106にロックピン107がそれぞれ摺動自在に貫通している。これら3つのロックピン107は、それぞれカムセンタ111を押圧するための鋼製の軸体であり、貫通孔106に貫通した状態でスライドスリーブ108によって支持されている。
スライドスリーブ108は、ロックピン107をカムセンタ111に接近または離隔させる方向に変位自在に支持するための部品であり、カムドライブ101の外周部上に支持されている。より具体的には、スライドスリーブ108は、鋼材をリング状に形成して構成されており、フランジ部102より入力軸91側のカムドライブ101の外周部上に摺動自在な状態で嵌合している。このスライドスリーブ108には、フランジ部102に対向する側の側面にロックピン107を固定的に支持するための3つのロックピン保持穴108aおよび第1リターンスプリング104における他方の端部を支持するためのリング状のスプリング溝108bがそれぞれ形成されている。これらにより、スライドスリーブ108は、カムドライブ101上を軸線方向に沿って変位可能に支持されながら第1リターンスプリング104によってフランジ部102とは反対側に押圧された状態でロックピン107によってカムドライブ101と一体回転可能に支持されている。
この場合、スライドスリーブ108は、カムドライブ101の外周部におけるスライドスリーブ108に対して入力軸91側に配置されたリング状のストッパ109によって同入力軸91側への変位が規制された状態でカムドライブ101の外周部に支持されている。そして、このスライドスリーブ108は、外周部上にリング状のベアリング110が嵌め込まれており、このベアリング110を介してスライドスリーブ108をフランジ部102側に押圧するためのロックピン操作部材200が接触している。なお、図1においては、ロックピン操作部材200をそれぞれ二点鎖線で示している。
一方、フランジ部102に形成された動力伝達歯105に対向する側のカムドライブ101の外周部上には、カムセンタ111が支持されている。カムセンタ111は、カムドライブ101からの回転駆動力を受けて回転駆動することによりこの回転駆動力を後述するカムドリブン119に伝達するための部品であり、鋼材を円板リング状に形成されてカムドライブ101の外周部に摺動自在な状態で嵌合している。このカムセンタ111には、カムドライブ101に対向する側面に動力伝達歯112およびロックピン嵌合部113がそれぞれ形成されている。これらのうち、動力伝達歯112は、カムドライブ101に形成された動力伝達歯105と噛み合って回転駆動力を受けるための動力伝達部分であり、台形状に形成された突起物がカムセンタ111の周縁部分に周方向に沿って等間隔に複数形成されて構成されている。
ロックピン嵌合部113は、前記ロックピン107の先端部を嵌合させてカムセンタ111とカムドライブ101とを一体回転可能に連結するための部分であり、ロックピン107より若干大きな内径の有底の穴で構成されている。このロックピン嵌合部113は、スライドスリーブ108に保持された3つのロックピン107の位置に対応してカムセンタ111上に周方向に沿って等間隔にそれぞれ形成されている。
また、カムセンタ111には、動力伝達歯112およびロックピン嵌合部113がそれぞれ形成された側面の反対側(図示左側)の側面に動力伝達歯114が形成されている。動力伝達歯114は、カムセンタ111の回転駆動力を後述するカムドリブン119に伝達するための動力伝達部分であり、台形状に形成された突起物がカムセンタ111の内周部における内側部分に周方向に沿って等間隔に複数形成されて構成されている。
また、この動力伝達歯114が形成されたカムセンタ111の側面には、動力伝達歯114の外側に第2リターンスプリング115の一方の端部が嵌め込まれているとともに、この第2リターンスプリング115の外側における図示上端部にアーム体116が形成されている。これらのうち、第2リターンスプリング115は、カムセンタ111をカムドリブン119から離隔させる方向に向かって弾性力を発揮するコイルスプリングである。また、アーム体116は、図示しない摩擦部材と摩擦接触させることによりカムセンタ111のカムドリブン119側への変位を促すための長尺状の板状体であり、ケースクラッチ117を貫通して図示左側に延びて形成されている。
ケースクラッチ117は、カムドライブ101の一部、カムセンタ111およびカムドリブン119をそれぞれ覆って収容する部品であり、カムドライブ101の外周部に支持されている。より具体的には、ケースクラッチ117は、鋼材を互いに異なる2つの内径からなる段付きの筒状に形成して構成されており、カムドライブ101におけるフランジ部102の周縁部に固定的に支持されている。これにより、ケースクラッチ117は、カムドライブ101と一体的に回転駆動する。このケースクラッチ117における内周面には、外周部まで貫通する貫通孔118が形成されているとともに、小径部と大径部との間の平面部に第2リターンスプリング115における他方の端部が嵌め込まれている。貫通孔118は、カムセンタ111におけるアーム体116の先端部をケースクラッチ117の外部に導くための孔である。
このケースクラッチ117内には、カムドライブ101のカムセンタ111側に隣接した位置にカムドリブン119が設けられている。カムドリブン119は、センタカム111から回転駆動力を受けて回転駆動することによりこの回転駆動力を出力軸96に伝達するための部品であり、鋼材を筒状に形成して構成されている。この場合、出力軸96は、田植え機における図示しない駆動輪や植え付け機を駆動するための軸体であり、一方の端部がカムドリブン119の内周部に固定的に嵌合している。なお、図1においては、出力軸96を二点鎖線で示している。
このカムドリブン119は、外周部におけるカムドライブ101側に径方向外側に張り出した状態でフランジ部120が形成されている。そして、フランジ部120におけるカムセンタ111側の側面には、動力伝達歯121が形成されている。動力伝達歯121は、カムセンタ111に形成された動力伝達歯114と噛み合って回転駆動力を受けるための動力伝達部分であり、台形状に形成された突起物がフランジ部120の周縁部分に周方向に沿って等間隔に複数形成されて構成されている。
そして、このように構成された動力伝達装置100は、田植え機における原動機によって回転駆動する入力軸91とこの田植え機における駆動輪や植え付け機を駆動するための出力軸96との間に配置される。
(動力伝達装置100の作動)
次に、上記のように構成した動力伝達装置100の作動について説明する。この動力伝達装置100は、前記したように田植え機内における入力軸91と出力軸96との間に組み付けられて田植え機の操縦者による操作に基づいて原動機からの回転駆動力の伝達および遮断を行なう。
まず、原動機が停止している場合および入力軸91に対して原動機からの回転駆動力が遮断されている場合においては、動力伝達装置100は、カムドライブ101が停止しているため、このカムドライブ101に動力伝達歯105および動力伝達歯112を介して連結されているカムセンタ111も回転駆動することなく静止している。これにより、動力伝達装置100は、カムセンタ111がカムドリブン119に連結されないため、カムセンタ111とカムドリブン119との間で動力の伝達が不能の状態となり、カムドリブン119およびこのカムドリブン119に接続された出力軸96はそれぞれフリーの状態となる。なお、動力伝達装置100におけるこのような動力伝達の遮断状態は、図3(A)に示す従来の動力伝達装置90における動力伝達の遮断状態と同様である。
次に、原動機によって入力軸91が回転駆動を開始した場合においては、動力伝達装置100はカムドライブ101が回転駆動を開始するため、このカムドライブ101に動力伝達歯105および動力伝達歯112を介して連結されているカムセンタ111も回転駆動を開始する。この場合、カムセンタ111は、動力伝達歯112の傾斜面がカムドライブ101における動力伝達歯105の傾斜面に押されて同傾斜面上を摺動するため、カムドリブン119側に第2リターンスプリング115の弾性力に抗しながら変位する。
これにより、動力伝達装置100は、カムセンタ111における動力伝達歯114がカムドリブン119における動力伝達歯121に連結してカムドリブン119が回転駆動を開始する。すなわち、動力伝達装置100は、入力軸91と出力軸96とがカムドライブ101、カムセンタ111およびカムドリブン119を介して機械的に連結された動力伝達状態となる。なお、動力伝達装置100におけるこのような動力伝達状態は、図3(B)に示す従来の動力伝達装置90における動力伝達状態と同様である。
次に、前記動力伝達状態において、出力軸96からの入力によってカムドリブン119の回転速度がカムドライブ101の回転速度を超えた場合には、動力伝達装置100は、カムセンタ111の回転速度が上昇してカムセンタ111とカムドライブ101との連結状態が解消される。具体的には、カムセンタ111は、動力伝達歯114がカムドリブン119における動力伝達歯121の傾斜面に押されることによって回転速度が上昇するため、動力伝達歯112がカムドライブ101における動力伝達歯105よりも速く回転して連結状態が解消される。なお、動力伝達装置100におけるこのような連結遮断状態は、図4(A)に示す従来の動力伝達装置90における動力伝達状態と同様である。
また、出力軸96を含むカムドリブン119側の回転速度が入力軸91を含むカムドライブ101側の回転速度を超える場合とは、出力軸96が連結される田植え機の駆動輪や植え付け装置における走行状態や植え付け作業状態などの作動環境の変化によって生じるものである。
この後、カムセンタ111は、カムドライブ101との連結状態が解消されたことにより、動力伝達歯114の傾斜面がカムドリブン119における動力伝達歯121の傾斜面に押されて同傾斜面上を摺動するとともに第2リターンスプリング115の弾性力によってカムドライブ101側に変位する。これにより、動力伝達装置100は、カムセンタ111がカムドリブン119およびカムドライブ101のいずれにも噛み合わない状態となるため、入力軸91から出力軸96側への動力伝達が行なわれない遮断状態となる。なお、動力伝達装置100におけるこのような動力伝達の遮断状態は、図4(B)に示す従来の動力伝達装置90における動力伝達の遮断状態と同様である。
一方、動力伝達装置100は、入力軸91から出力軸96への動力伝達状態において動力伝達状態が遮断される現象を強制的に防止するロック状態とすることができる。具体的には、動力伝達装置100は、図2に示すように、スライドスリーブ108がカムドライブ101のフランジ部102側に変位されることによってロック状態となる。この場合、スライドスリーブ108は、ロックピン操作部材200が田植え機の操縦者によって操作されることによりベアリング110を介してフランジ部102側に第1リターンスプリング104の弾性力に抗しながら変位される。なお、図2においては、入力軸91、出力軸96およびロックピン操作部材200をそれぞれ二点鎖線で示している。
これにより、スライドスリーブ108に支持された3つのロックピン107は、カムドライブ101におけるフランジ部102に形成された貫通孔106内をそれぞれ摺動することによって各先端部がカムセンタ111にそれぞれ形成された3つのロックピン嵌合部113内にそれぞれ嵌合する。この場合、カムセンタ111は、カムドライブ101の回転駆動によってカムドリブン119側に変位して同カムドリブン119に連結された状態でなければ、ロックピン107に押されてカムドリブン119に強制的に連結される。したがって、動力伝達装置100は、ロックピン107がロックピン嵌合部113内に嵌合したロック状態においても、前記と同様に、入力軸91と出力軸96とがカムドライブ101、カムセンタ111およびカムドリブン119を介して機械的に連結された動力伝達状態となる(図3(B)参照)。
次に、このようなロック状態における動力伝達状態において、出力軸96からの入力によってカムドリブン119の回転速度がカムドライブ101の回転速度を超えた場合においては、動力伝達装置100は、カムセンタ111の回転速度が上昇してもカムセンタ111とカムドライブ101との連結状態は解消されることなく維持される。具体的には、カムセンタ111は、動力伝達歯114がカムドリブン119における動力伝達歯121の傾斜面に押されることによって回転速度が上昇した場合であっても、ロックピン107がロックピン嵌合部113内に嵌合することによってカムドライブ101と一体化しているため、カムドライブ101とともに回転駆動する。
また、この場合、カムセンタ111には、動力伝達歯114がカムドリブン119における動力伝達歯121の傾斜面に押されることによってカムドライブ101のフランジ部102側に押し戻される力が作用する。しかし、この場合においてもロックピン嵌合部113、ロックピン107およびスライドスリーブ108を介してロックピン操作部材200によってフランジ部102側への変位が規制されているため同フランジ部102側に変位することはない。これらにより、動力伝達装置100は、入力軸91と出力軸96とがカムドライブ101、カムセンタ111およびカムドリブン119を介して機械的に連結された動力伝達状態が強制的に維持される(図3(B)参照)。
そして、ロックピン107によるロック状態を解除する場合には、動力伝達装置100は、スライドスリーブ108がストッパ109側に変位されることによってロック状態が解除される。この場合、スライドスリーブ108は、ロックピン操作部材200が田植え機の操縦者に操作されてストッパ109側に退避することによって第1リターンスプリング104の弾性力によりストッパ109側に変位される。これにより、動力伝達装置100は、ロックピン107がロックピン嵌合部113内から離脱することによりロック状態が解除されて通常の動力伝達状態、すなわち、カムドリブン119の回転速度がカムドライブ101の回転速度を超えた場合には動力伝達状態が遮断される状態に復帰する。
また、入力軸91と出力軸96との間の動力の伝達状態を遮断する場合においては、動力伝達装置100は、カムドライブ101の回転駆動が低下することによってカムセンタ111とカムドリブン119との連結状態を解消することができる。これにより、動力伝達装置100は、カムセンタ111とカムドリブン119との間で動力の伝達が不能の状態となってカムドリブン119およびこのカムドリブン119に接続された出力軸96がそれぞれフリーの状態に戻る(図3(A)参照)。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、動力伝達装置100は、ロックピン107をカムセンタ111におけるロックピン嵌合部113に嵌合させることによってカムセンタ111とカムドライブ101とが一体的に回転駆動する状態でカムセンタ111をカムドリブン119に噛み合わせることができる。これにより、動力伝達装置100は、カムドリブン119側の回転速度がカムセンタ111を含むカムドライブ101側の回転速度を超えた場合であってもカムドリブン119とカムセンタ111とがロックピン107によって一体回転するように連結されているため、カムセンタ111を含むカムドライブ101側はカムドリブン119とともに一体的に回転する。これにより、動力伝達装置100は、カムドリブン119側の回転速度がカムセンタ111を含むカムドライブ101側の回転速度を超えた場合であっても入力軸91からの動力伝達状態が遮断されることなく維持することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、動力伝達装置100は、ロックピン107が嵌合するロックピン嵌合部113が有底穴で構成されている。しかし、ロックピン嵌合部113は、ロックピン107が嵌合することによりカムドリブン119とカムセンタ111とが一体回転するように連結することができれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ロックピン嵌合部113は、カムセンタ111に表裏面を貫通する貫通孔で構成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、動力伝達装置100は、1組を構成するロックピン107とロックピン嵌合部113とが3組設けられて構成されている。しかし、ロックピン107とロックピン嵌合部113の組は、動力伝達装置100に少なくとも1組設けられていればよく、また、4組以上の設けられていてもよいものである。この場合、1組のロックピン107およびロックピン嵌合部113は、2組以上、好適には3組以上設けられることにより、1組のロックピン107およびロックピン嵌合部113が負担する回転駆動力の大きさが少なくなる。これにより、動力伝達装置100は、カムドリブン側に大きな回転駆動力が作用した場合においても入力軸からの動力伝達状態を精度よく維持することができる。
また、上記実施形態においては、動力伝達装置100を田植え機に採用した例について説明した。しかし、動力伝達装置100は、原動機によって回転駆動する入力軸とこの入力軸からの回転駆動力を受けて回転駆動する出力軸との間に配置されればよく、必ずしも田植え機に限定されるものではない。すなわち、動力伝達装置100は、田植え機以外の農作業用車両、例えば、トラクタ、耕うん機、溝掘り機、うね立機、コンバイン、野菜収穫機または茶葉刈機などに広く採用できるものである。また、動力伝達装置100は、農作業用以外の作業車両、例えば、建築作業者、四輪普通乗用車やバギー車などの四輪自動車および二輪自動車などの車両にも広く採用できるものである。
90…動力伝達装置、91…入力軸、92…カムドライブ、92a…動力伝達歯、93…カムセンタ、93a,93b…動力伝達歯、94…カムドリブン、94a…動力伝達歯、95…リターンスプリング、96…出力軸、
100…動力伝達装置、101…カムドライブ、102…フランジ部、103…スプリング溝、104…第1リターンスプリング、105…動力伝達歯、106…貫通孔、107…ロックピン、108…スライドスリーブ、108a…ロックピン保持孔、108b…スプリング溝、109…ストッパ、110…ベアリング、111…カムセンタ、112…動力伝達歯、113…ロックピン嵌合部、114…動力伝達歯、115…第2リターンスプリング、116…アーム体、117…ケースクラッチ、118…貫通孔、119…カムドリブン、120…フランジ部、121…動力伝達歯、
200…ロックピン操作部材。

Claims (4)

  1. 台形状に形成された動力伝達歯を複数有して原動機による回転駆動力によって回転駆動するカムドライブと、
    台形状に形成された動力伝達歯を複数有して前記カムドライブから伝達される回転駆動力によって回転駆動するカムドリブンと、
    前記カムドライブと前記カムドリブンとの間で変位可能な状態で設けられるとともに前記カムドライブおよび前記カムドリブンにおける各前記動力伝達歯にそれぞれ噛合う台形状に形成された動力伝達歯を複数有して前記カムドライブにおける前記動力伝達歯から回転駆動力を受けることによって前記カムドリブン側に変位するカムセンタと、
    前記カムドライブに一体回転可能かつ前記カムセンタに対して接触および離隔する方向にそれぞれ変位自在に設けられたロックピンとを備え、
    前記カムセンタは、前記ロックピンが嵌合するロックピン嵌合部を有することを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載した動力伝達装置において、
    前記ロックピン嵌合部は、
    底部を有する有底穴であることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した動力伝達装置において、
    前記ロックピンおよび前記ロックピン嵌合部は、
    少なくとも3組設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した動力伝達装置を備えた農作業用車両。
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