JP2014092141A - 風力発電用ブレード - Google Patents

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Abstract

【課題】落雷による破壊を最小限に留めることができる風力発電用ブレードを提供する。
【解決手段】中空構造のブレード本体4のリーディングエッジ8とトレーリングエッジ9との間の翼面に開口部6が形成され、開口部6を塞ぐ離脱可能材7がテーパー部71および外周端部72を介してブレード本体4に取り付けられており、テーパー部71および外周端部72は、ブレード本体4の中空部12内の圧力増加に応じて一部を残してブレード本体4から離脱可能材7が離脱して開口部6を開放するように離脱可能材7をブレード本体4に取り付けており、テーパー部71は、前記離脱に際し離脱可能材7の一部を離脱させることなくブレード本体4への取り付けを維持する可撓性材料で構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、風力発電装置の一部を構成する風力発電用ブレードに関するものである。
風力発電設備では、高所に位置するブレードへの落雷を受けやすい。落雷を受けると、ブレードは破壊されることが多く、その場合には、修復に多大な負担が生じる。
ブレード内部は空洞であるため落雷を受けた場合には雷のエネルギーによって爆発的な内圧上昇を起こし、この内圧によりブレードが破壊されると言われている。このようにブレード先端部は落雷しやすいことに加え構造的に耐圧強度が低い部位であることが破壊事故の大きな要因となっている。
そこで、多くの風力発電装置は、ブレードにアースされた受雷部を設け、この受雷部で落雷を受けて落雷による大電流を地中へ流す仕組みが採られている。しかしながら、受雷部を設けても雷は受雷部以外のブレードを直撃することがある。
このような落雷に対する対策としては、予めブレードに分離境界線や逃がし弁を設けておき、落雷によりその部位が壊れたり、内圧をエッジ部分から逃がす等して他の部位にまで損傷が及ぶのを防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
図5は、特許文献1に記載されたブレードの一例を示している。図示するように、ローターハブ100を中心に、3枚のブレード101、102、103が放射状に取り付けられており、そのうちのブレード101の先端部付近に、誘電チップ105が固定されている。また、ブレード101は、分離境界線104によってブレード基部101aとブレード先端部101bとに区画されている。分離境界線104には、前記アース線を兼ねた電熱線が周回されている。誘電チップ105に落雷すると、分離境界線104の部位が発熱して融解し、ブレード先端部101bがブレード基部101aから分離されて落下し、他の部位が損傷するのを防止する。
また、図6は、特許文献1に記載されたブレードの他の例を示している。ローターハブ110に放射状に取り付けられたブレード111(図では1つのブレードのみを図示している)の先端部位付近には誘電チップ112が固定されており、該ブレード111の基端側でブレード111における中空部分111aとブレードのエッジ外表面とを連通させる逃がし弁113が備えられている。逃がし弁113には、誘電チップ112に所定の電流が流れた場合に開放される電磁弁や、ラプチャーディスクが用いられる。
ブレード111の誘電チップ112に落雷して中空部分111aの内圧が上昇すると、逃がし弁113が開放されることにより、落雷によるブレード111の破損が防止または軽減される。
特開2007−46575号公報
しかし、上記特許文献1に示される従来のブレードでは、以下に述べる問題点が存在している。
まず、分離境界線により分離されたブレードの先端部位は、地上に落下するおそれがあり、地上に落下した場合は危険である。また、先端部位の長さは、引用文献1ではブレードの全長の30%以下とすることが望ましいとされている。例えばブレードの全長が40mの場合、先端部位の長さは12mにも及ぶ長尺となる。しかも、ブレードは重量物である。このようなブレードの先端部位が分離されたり、再結合されたりする構造は、非常に複雑なものとなり、コスト高になると考えられる。
また、逃がし弁を用いたブレードでは、逃がし弁の開放を指示する機構が電気的または機械的な機構であることが多く、故障する可能性があり、信頼性、確実性に欠ける。
また、逃がし弁として用いられる電磁弁、ラプチャーディスクなどは、小径サイズのものが多く、開口面積が小さいため、逃がす空気量が少ない。このため、ブレードの内圧を逃がす機構としては十分といえず落雷に際し翼面が破損に至る可能性がある。
さらに、逃がし弁として用いられる電磁弁、ラプチャーディスクなどは、部品に金属製のものを使用しているものが多く、被雷して故障する可能性がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、落雷による破壊を最小限に留めることができる風力発電用ブレードを提供することを目的としている。
すなわち、本発明の風力発電用ブレードのうち、第1の本発明は、中空部を有するブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に前記中空部に連通する開口部が形成され、前記開口部を塞ぐ離脱可能材が取り付け部を介して前記ブレード本体に取り付けられており、
前記取り付け部は、前記中空部内の圧力増加に応じて一部を残して前記ブレード本体から前記離脱可能材が離脱して前記開口部を開放するように前記離脱可能材を前記ブレード本体に取り付けており、一部の取り付け部は、前記離脱に際し前記離脱可能材の一部を離脱させることなく前記ブレード本体への取り付けを維持する可撓性材料を含むことを特徴とする。
第2の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1の本発明において、前記離脱可能材が可撓性材料からなり、該離脱可能材の一部が前記ブレード本体への取り付けを維持する一部の取り付け部を構成することを特徴とする。
第3の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1または第2の本発明において、前記離脱可能材の前記離脱を可能にする前記取り付け部は、前記離脱可能材と前記ブレード本体とを接着剤により接着する接着構造を有し、前記接着剤は、前記ブレード本体の中空部内の圧力増加に応じて接着面の剥離が生じる接着強さを有するものであることを特徴とする。
第4の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記開口部の周縁の翼面内面壁に補強部を有し、前記補強部の内周側に前記離脱可能材が取り付けられる取付枠を有し、
前記取り付け部は、前記取付枠を介して前記離脱可能材を前記ブレード本体に取り付けていることを特徴とする。
第5の本発明の風力発電用ブレードは、前記第4の本発明において、前記ブレード本体に取り付けられた前記離脱可能材の外表面が前記翼面と面一になっていることを特徴とする。
第6の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記取り付け部の一部は、前記離脱可能材の一部が前記翼面の内面側に伸長したその外面を前記翼面の内面に取り付けた取り付け構造を有し、該取り付け構造により、前記離脱可能材の一部を離脱させることなく前記ブレード本体への取り付けを維持していることを特徴とする。
第7の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜第6の本発明のいずれかにおいて、前記開口部は、前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとの間で前記リーディングエッジ側に相対的に近接して設けられていることを特徴とする。
第8の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記開口部は、前記開口部が位置する前記ブレード本体の前記翼面幅に対し、1/6〜1/4の幅を有することを特徴とする。
第9の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記ブレード本体の先端側に受雷部が設けられており、
前記取り付け部は、前記離脱可能材の一部を離脱させることなく前記ブレード本体への取り付けを維持する前記一部の取り付け部が、相対的に前記受雷部側に近接して位置していることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、ブレード本体の中空部内の圧力が増加すると、これに応じて、ブレード本体の開口部を塞ぐ離脱可能材が、一部を残してブレード本体から離脱して開口部を開放する。この結果、ブレード本体の中空部内と外部とが開口部を通して連通し、ブレード本体の中空部内の圧力が速やかに開放され、中空部内の内圧上昇を防ぐ。一方、離脱可能材は、可撓性材料を介してブレード本体に一部が取り付けられた状態が維持される。その際に、離脱可能材が一部を残して離脱する際の圧力は可撓性材料の弾性などによって緩和され、取り付けに支障が生じるのを回避し、可撓性材料がブレード本体から脱落などするのを確実に防止する。
なお、ブレード本体は、中空構造を有するものであればよく、その他の構造や形状が特に限定されるものではなく、また、その材質も特に限定されるものではない。材質としては、例えばGFRP(Glass fiber reinforced plastics) などのFRP製(Fiber reinforced plastics)のものを用いることができる。
開口部の形成位置は、ブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面であれば特に限定されるものではないが、ブレード本体の先端部が望ましい。ブレード本体の先端部は、一般的に、耐圧強度が低くなっており、また、落雷を受けやすい。このため、上記のようにブレード本体の中空部内の圧力が開放される開口部をブレード本体の先端部に設けることで、中空部内圧を速やかに開放することを可能にし、風力発電用ブレードの破壊を効果的に防止する。ブレード本体の中空部内に、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間の向かい合う翼面壁の間を連結する桁部を設けている場合、桁部の先端よりもブレード本体の先端側に位置するように開口部を設けるのが望ましい。
開口部は、ブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間でリーディングエッジ側に近接して設けることができる。一般的に、風力発電用ブレードにおいて、ブレード本体のリーディングエッジの方が、トレーリングエッジよりも補強が容易な形状になっており、リーディングエッジ側の強度がトレーリングエッジ側の強度よりも高くなっていることが多い。このため開口部をリーディングエッジ側に近接して設けてもブレード本体の強度に対する影響は小さい。
なお、開口部は、開口部が位置するブレード本体の翼面幅に対し、1/6〜1/4の幅を有するのが望ましい。開口部の幅が、該開口部が位置するブレード本体の幅の1/6未満であると開口部による内圧開放の効果を十分に期待することができず、また、ブレード本体の幅の1/4を超えると、ブレード本体の強度が低下するため望ましくない。
開口部は、一般的な圧力逃がし弁構造などと比べ形状に自由度があり、比較的大きな開口面積が確保できるため逃がせる空気量が多く内圧上昇を防ぐのに有利である。
開口部を覆う離脱可能材は、形状、材質について特に限定されるものではないが、例えば、可撓性材料を用いることができる。可撓性材料は、可撓性を有するものであれば特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂を例示することができ、特に、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどを例示することができる。
離脱可能材の材料には上記熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。その理由は離脱可能材がブレード本体から離脱する際に一部は離脱せず取り付けが維持される構造にしており、離脱可能材の一部離脱に際し曲げ変形を伴うため、ある程度の可撓性、伸びが必要なためである。熱可塑性樹脂は可撓性と伸びが大きい種類のものがあり離脱可能材に向いている材料である。市販されている熱可塑性樹脂としてはポリカーボネート、ポリプロピレンなど数種類に及ぶが、取り付けを接着で行う場合、接着が困難な材料は不向きである。これらの樹脂は適当な大きさ、板厚を組み合わせることが可能である。
離脱可能材をブレード本体に取り付ける取り付け部の構造、取り付け方法は一部に可撓性材料を有する他は特に限定されるものではないが、離脱可能材とブレード本体とを接着剤により接着する接着構造を有するのが望ましい。接着剤として、エポキシ樹脂系接着剤、弾性接着剤であるシリコーン樹脂などを用いることができ、ブレード本体の圧力が増した際に離脱可能材が離脱するときの圧力は接着剤の選定、接着面積により設計することができる。離脱可能材の取り付け構造はこの設計により所定の圧力で開くようにできるので、離脱可能材が開く圧力は実証テストにより裏づけされおり誤動作する可能性はきわめて少ない。この離脱可能材は一部が離脱しても、一部は脱落しないで取り付けが維持される構造になっているため容易に再接着することができ元通りに復元できる特徴を有している。
また、取り付け部の一部では、離脱可能材が、ブレード本体から離脱する際に取り付けを維持する可撓性材料を有しており、離脱可能材とブレード本体との間にこの可撓性材料が位置するものとでき、また、離脱可能材を可撓性材料で構成し、その一部を取り付け部としての可撓性材料に用いることができる。
また、ブレード本体の先端側に受雷部が設けられている場合、離脱可能材の一部を離脱させることなくブレード本体への取り付けを維持する一部の取り付け部を、相対的に受雷部側に位置させるのが望ましい。取り付けを維持する一部の取り付け部を受雷部側に位置させることにより、その他は、取り付けを維持する取り付け部に対し受雷部よりも遠くに位置し、受雷部側で発生する圧力によって離脱可能材の一部取り付けを維持したままで離脱可能材を容易にブレード本体から離脱させることができ、また取り付けを維持する部分の損傷を防止できる。
以上説明したように本発明によれば、ブレード本体への落雷などによりブレード本体の中空部内の圧力が増加した際に、これに応じて、ブレード本体の開口部を塞ぐ離脱可能材が、一部を残してブレード本体から離脱して開口部が開放されるので、落雷による風力発電用ブレードの破壊を最小限に留めることができる。また、離脱可能材の離脱により圧力開放が行われるにあたっては、電気的、機械的な制御が不要であるため、落雷などによる作動不良や誤作動を確実に回避することができる。
また、風力発電用ブレードが落雷を受けた場合の復旧作業では、離脱可能材がブレード本体から離脱した場合であっても、離脱可能材の一部はブレード本体に離脱することなく取り付けが維持されているので、離脱可能材の離脱した部分のみをブレード本体に取り付けることで足り、ブレード本体を交換する必要がないのみならず、離脱可能材を交換する必要もなく、低コストかつ短時間で復旧作業を完了することができる。
本発明の一実施形態の風力発電用ブレードを備える風力発電装置の風車を示す概略図である。 同じく、(a)図は離脱可能材の取り付け前の風力発電用ブレードの一部を示す概略図であり、(b)図は離脱可能材の離脱前の風力発電用ブレードの一部を示す概略図であり、(c)図は(b)図の一部断面図である。 同じく、(a)図は離脱可能材の離脱後の風力発電用ブレードの一部を示す概略図であり、(b)図は(a)図のb−b線断面図である。 同じく、他の実施形態の風力発電用ブレードの一部を示す概略図である。 従来の風力発電装置におけるブレードの一例を示す概略図である。 従来の風力発電装置におけるブレードの他の例を示す概略図である。
本発明の一実施形態の風力発電用ブレードについて図1〜図3を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態の風力発電用ブレードを備える風力発電装置の風車1は、回転可能に支持されているローターハブ2と、ローターハブ2に放射状に取り付けられた複数本の本実施形態の風力発電用ブレード3とを備えている。なお、図1では、3本の風力発電用ブレード3がローターハブ2に取り付けられている場合を示している。
各風力発電用ブレード3は、翼形状を有するブレード本体4と、その先端側に設けられた受雷部5とを有している。また、ブレード本体4の先端部における受雷部5近傍の翼面には、図2、図3に詳細を示すように、開口部6が設けられている。さらにブレード本体4には、開口部6を塞ぐように板状の離脱可能材7が取り付けられている。なお、図2(a)は、開口部6に離脱可能材7が取り付けられる前の状態を示し、図2(b)、(c)は、開口部6が離脱可能材7で塞がれた通常の使用状態を示している。図2(c)は、開口部6付近のブレード本体径方向に沿った断面図である。図3(a)、(b)は、離脱可能材7がブレード本体4から一部を残して離脱して開口部6が開放された状態を示している。
ブレード本体4は、例えばFRPで構成され、リーディングエッジ8(前縁)とトレーリングエッジ9(後縁)とがブレード本体4の長手方向に沿って両縁に位置し、正圧面側の翼面壁10と負圧面側の翼面壁11とが接合されて表裏に連なる翼形状を有している。
ブレード本体4の先端には、例えば金属などの導電材料で構成された受雷部5が接続されている。受雷部5は、ブレード本体4の外表面に連なった扁平な形状を有し、先端側ほど細幅で、かつ厚さが小さくなるテーパ形状を有している。受雷部5とブレード本体4とは、表面が面一になって接合されている。
なお、受雷部5は、ブレード本体4内の図示しないダウンコンダクタなどを介して接地されている。
ブレード本体4の中空部12内には、互いに向かい合う翼面壁10の内面と翼面壁11の内面とを連結する桁部13が配置されて中空構造のブレード本体4が補強されている。桁部13は、ブレード本体4の基端側から先端側に伸長して形成されているが、ブレード本体4の先端には達しておらず、受雷部5と桁部13の先端との間に間隔を有している。桁部13を設けることにより、中空構造のブレード本体を補強することができる。開口部は、桁部13と受雷部5との間に形成されている。
開口部6は、翼面壁10に沿って、ブレード本体4の径方向に長辺が沿った長方形状の平面形状を有している。また、開口部6は、開口部6が位置するブレード本体4の幅に対し、1/6〜1/4の幅を有している。
開口部6の周縁の翼面壁10の内面には、前記周縁を囲むように補強部14、15が設けられている。補強部14は、開口部6の受雷部5側に位置する一辺に対応して設けられ、補強部15は、その他の3辺に対応して設けられている。
ブレード本体4は、例えば、その先端に近い翼面壁10、11の厚さが例えば1.5mm程度と非常に薄くなっており、このように薄い翼面壁に開口部6を形成するとブレード本体4の強度が低下し、また、開口部6を形成した切断端から亀裂が発生するおそれがある。これに対し補強部14、15を設けることにより、開口部6の形成によるブレード本体4の強度低下や亀裂発生を防止することができる。補強部14、15の材質は特に限定されるものではなく、ブレード本体4と同様の強度のものであってもよく、またブレード本体4よりも強度適宜の材料を選定することができる。
上記開口部6を塞ぐ板状の離脱可能材7は、開口部6の平面形状に対応し長方形状の平面形状を有し、離脱可能材7の四周縁が開口部6の四周縁に略一致するようになっている。ただし、離脱可能材7の離脱を容易にするように、開口部6の内面との間に小隙間を設けるようにしてもよい。離脱可能材7は、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂からなる可撓性を有するもので構成されている。離脱可能材7は、後述するようにブレード本体4に取り付けられる受雷部5側の辺部分が、ブレード本体径方向において端部に向かって板厚が増加するテーパー部71となっている。
補強部14には、離脱可能材7のテーパー部71を嵌め込む固定枠16が設けられている。固定枠16には、テーパー部71の形状に合わせてブレード本体径方向において外側に向けて間隙が大きくなるテーパー溝16aが形成されている。
テーパー溝16aに嵌め込まれてテーパー部71は、その上面が、固定枠16の外周側に位置する翼面壁10の内面に、接着剤層17により接着されている。接着剤層17を構成する接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、弾性接着剤であるシリコーン樹脂などが用いられている。
固定枠16は、上記のように翼面壁10の下面に接着されたテーパー部71をテーパー溝16aで挟み込んで固定しており、テーパー形状によって抜けにくくなっており、ブレード本体4の中空部12内の圧力が増加して離脱可能材7が一部を残して離脱する場合にも、固定枠16と離脱可能材7との取り付け状態が確実に維持される。このように離脱可能材7をブレード本体4側に係合して取り付けることで機械的な取り付け構造を要することなく取り付けを行うことができる。その際に接着を組み合わせることで取り付け強度を増すことができる。
なお、テーパー溝16aへのテーパー部71の嵌め込みは、取り付けに際し、テーパー部71を押し込んだり、テーパー部71を配置した後、固定枠16を翼面壁10の内面に固定したり、離脱可能材7と補強部14、15を組み立ててこれらをブレード本体4にして行うことができる。
また、補強部15の内周側には、離脱可能材7のテーパー部71以外の外周端部72の内面を接着するための取付枠18が設けられている。取付枠18は、補強部15に固定されたものでもよく、また、補強部15と一体的に形成されたものであってもよい。取付枠18の内周側端部は、開口部6側に突出しており、取付枠18の外面側に、離脱可能材7の外周端部72の内面が接着剤層19により接着されている。接着剤層19を構成する接着剤としても、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、弾性接着剤であるシリコーン樹脂などが用いられている。
上記取付枠18に接着された離脱可能材7の外周端部72は、接着剤層19による接着面積、接着剤の接着強度などを適宜設定することにより、ブレード本体4の中空部12内の圧力が所定の圧力に増加するのに応じて剥離可能になっている。
テーパー部71および外周端部72、接着剤層17、19は、本発明の取り付け部を構成する。これらのうち、テーパー部71は、ブレード本体への取り付けを維持する一部の取り付け部に相当し、可撓性材料で構成されている。
次に、上記風力発電用ブレード3の動作について説明する。
風車1では、風力発電用ブレード3により風を受けてローターハブ2が回転する。ローターハブ2の回転は、ナセルに収納される発電機(図示しない)に伝達されて発電が行われる。
風車1で、風力発電用ブレード3が落雷を受けると、雷のエネルギーによりブレード本体4の中空部12内の水分が蒸発したり、空気が膨張したりする結果、中空部12内の圧力が増加する。
ブレード本体4内の中空部12内の圧力が所定圧まで上昇すると離脱可能材7の外周端部72を取付枠18に接着する接着剤層19が剥離する。所定圧は、接着剤層19の接着力により設定することができる。一方、テーパー部71は、その上面が翼面壁10の下面に接着剤層17により接着され、取り付け溝16aに嵌め込まれているため、ブレード本体4の中空部12内の圧力増加に対しても、外周端部72とは異なり取り付けが維持される。
外周端部72が剥離すると、可撓性を有する離脱可能材7は、ブレード本体4の外側に向けて撓み、テーパー部71を残してブレード本体4から離脱する。これにより、ブレード本体4の中空部12と外部とが開口部6を介して連通し、中空部12内の圧力が開放され、ブレード本体4の破損が最小限とされる。離脱可能材7及びこれを取り付けるための固定枠16、取付枠18、および接着材層17、19には、電気的、機械的な制御が必要ないため、落雷などによる作動不良や誤動作もない。
離脱可能材7がブレード本体4から離脱した場合の復旧作業では、取付枠18の上面や外周端部72の下面に接着剤層19の残渣が残存していればこれを削り取るなどして除去する。こうして取付枠18の上面と外周端部72の下面とを接着可能な状態にしたうえで、離脱した離脱可能材7の外周端部72の下面を接着剤層19により取付枠18の上面に再び接着する。復旧作業では、ブレード本体4を交換する必要がなく、接着作業により行うことができるので、短時間かつ低コストで復旧作業を完了することができる。
なお、図4に示すように、離脱可能材の厚さを調整して、離脱可能材27の外表面が周囲の翼面壁10の翼面と面一になるようにしてもよい。このように離脱可能材27の外表面と翼面壁10の翼面とを面一にすることにより、風力発電用ブレードが回転する際の空気抵抗の上昇を防止することができる。この構成では、取り付け部16側の開口部6の周縁にある翼面壁10の先端下面を先端に向けて次第に肉厚が小さくなるテーパー面で形成している。一方、離脱可能材27の上面には、開口部6を塞いだ際に前記テーパー面に沿ったテーパー形状を付与しておく。これによりブレード本体4の内圧が上昇して離脱可能材27が開く際に、上記テーパー面に沿って離脱可能材27が開く方向に撓みやすくなる。
本発明の実施例について説明する。実施例では、風力発電用ブレードの試験体を用意して内圧破壊試験を実施し、離脱可能材7による圧力開放を評価した。
用意した試験体は、上述した風力発電用ブレード3の受雷部5を含む先端から長さ2000mmの部分のものであり、試験のため根本側の開口部がFRP板で密閉されている。根本側の開口部の幅は、600mmである。また、受雷部5は、450mmの長さを有している。
試験体では、離脱可能材7として、材質がポリカーボネート、板厚が2.0m、幅100mm、長さ400mmの長方形状の平面形状を有するものを使用した。
内圧破壊試験では、上記試験体に接続された樹脂チューブを介して空気コンプレッサーから試験体の内部の中空部へ圧縮空気を送給して、試験体の内部を加圧した。試験体に対する加圧は、所定圧づつ昇圧させるステップ昇圧によるものとし、それぞれの圧力では30秒間保持した。こうして加圧を行う間、試験体に取り付けられている圧力計により破壊されるまでの試験圧力をデータロガーで記録した。この結果、設計した所定の圧力で離脱可能材がテーパー部による取り付け部分を除いてブレード本体から離脱した。上記内圧破壊試験により、風力発電用ブレード3が損傷することなく離脱可能材が離脱することが確認された。
以上、本発明について上記実施形態および実施例に基づいて説明したが、本発明は上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
1 風車
2 ローターハブ
3 風力発電用ブレード
4 ブレード本体
5 受雷部
6 開口部
7 離脱可能材
71 テーパー部
72 外周端部
8 リーディングエッジ
9 トレーリングエッジ
10 翼面壁
11 翼面壁
12 中空部
13 桁部
14 補強部
15 補強部
16 固定枠
17 接着剤層
18 取付枠

Claims (9)

  1. 中空部を有するブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に前記中空部に連通する開口部が形成され、前記開口部を塞ぐ離脱可能材が取り付け部を介して前記ブレード本体に取り付けられており、
    前記取り付け部は、前記中空部内の圧力増加に応じて一部を残して前記ブレード本体から前記離脱可能材が離脱して前記開口部を開放するように前記離脱可能材を前記ブレード本体に取り付けており、一部の取り付け部は、前記離脱に際し前記離脱可能材の一部を離脱させることなく前記ブレード本体への取り付けを維持する可撓性材料を含むことを特徴とする風力発電用ブレード。
  2. 前記離脱可能材が可撓性材料からなり、該離脱可能材の一部が前記ブレード本体への取り付けを維持する一部の取り付け部を構成することを特徴とする請求項1記載の風力用発電ブレード。
  3. 前記離脱可能材の前記離脱を可能にする前記取り付け部は、前記離脱可能材と前記ブレード本体とを接着剤により接着する接着構造を有し、前記接着剤は、前記ブレード本体の中空部内の圧力増加に応じて接着面の剥離が生じる接着強さを有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の風力発電用ブレード。
  4. 前記開口部の周縁の翼面内面壁に補強部を有し、前記補強部の内周側に前記離脱可能材が取り付けられる取付枠を有し、
    前記取り付け部は、前記取付枠を介して前記離脱可能材を前記ブレード本体に取り付けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
  5. 前記ブレード本体に取り付けられた前記離脱可能材の外表面が前記翼面と面一になっていることを特徴とする請求項4記載の風力発電用ブレード。
  6. 前記取り付け部の一部は、前記離脱可能材の一部が前記翼面の内面側に伸長したその外面を前記翼面の内面に取り付けた取り付け構造を有し、該取り付け構造により、前記離脱可能材の一部を離脱させることなく前記ブレード本体への取り付けを維持していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
  7. 前記開口部は、前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとの間で前記リーディングエッジ側に相対的に近接して設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
  8. 前記開口部は、前記開口部が位置する前記ブレード本体の前記翼面幅に対し、1/6〜1/4の幅を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
  9. 前記ブレード本体の先端側に受雷部が設けられており、
    前記取り付け部は、前記離脱可能材の一部を離脱させることなく前記ブレード本体への取り付けを維持する前記一部の取り付け部が、相対的に前記受雷部側に近接して位置していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
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