JP5896417B2 - 風力発電用ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電装置の一部を構成する風力発電用ブレードに関するものである。
風力発電設備では、高所に位置するブレードへの落雷を受けやすい。落雷を受けると、ブレードは破壊されることが多く、その場合には、修復に多大な負担が生じる。
そこで、ブレードにアースされた受雷部を設け、この受雷部で落雷を受けて落雷による大電流を地中へ流す仕組みが多くの風力発電装置で採られている。しかしながら、受雷部を設けても雷は受雷部以外のブレードを直撃することがある。
このような落雷に対する対策としては、予めブレードに分離境界線や逃がし弁を設けておき、落雷によりその部位が壊れたり、内圧をエッジ部分から逃がす等して他の部位にまで損傷が及ぶのを防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に記載されたブレードの一例を示している。図示するように、ローターハブ100を中心に、3枚のブレード101a、101b、102cが放射状に取り付けられており、そのうちのブレード101aの先端部付近に、誘電チップ102が固定されている。また、ブレード101aには、その先端部位103とそれより内側との境に分離境界線104が備えられている。分離境界線104には、前記アース線を兼ねた電熱線が周回されている。誘電チップ102は落雷しやすくなっており、誘雷チップに落雷すると、分離境界線104の部位が発熱して融解し、先端部位103が他の部位から分離されて落下し、他の部位が損傷するのを防止する。
また、図7は、特許文献1に記載されたブレードの他の例を示している。ローターハブ100に放射状に取り付けられたブレード110(図では1つのブレードのみを図示している)の先端部位付近には誘電チップ115が固定されており、該ブレード110の基端側でブレード110における中空部分111とブレードのエッジ外表面とを連通させる逃がし弁112が備えられている。逃がし弁112には、誘電チップ115に所定の電流が流れた場合に開放される電磁弁や、ラプチャーディスクが用いられる。
ブレード110の誘電チップ115に落雷すると、中空部分111の内圧が上昇するが、逃がし弁112が開放されることにより、落雷によるブレード110の破損が防止または軽減される。
特開2007−46575号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される従来のブレードでは、以下に述べる問題点が存在している。
まず、分離境界線により分離されたブレードの先端部位は、地上に落下することになると考えられるが、これでは非常に危険である。また、先端部位の長さは、引用文献1ではブレードの全長の30%以下とすることが望ましいとされている。例えばブレードの全長が40mの場合、先端部位の長さは12mにも及ぶ長尺となる。しかも、ブレードは重量物である。このようなブレードの先端部位が分離されたり、再結合されたりする構造は、非常に複雑なものとなり、コスト高になると考えられる。
また、逃がし弁を用いたブレードでは、逃がし弁の開放を指示する弁トリガーのような機構が電気的または機械的な機構であることが多い。このような電気的または機械的な機構は、落雷に際して故障する可能性があるため、信頼性、確実性に欠ける。
また、逃がし弁として用いられる電磁弁、ラプチャーディスクなどは、小径サイズのものが多く、開口面積が小さいため、逃がす空気量が少ない。このため、ブレードの内圧がブレードのエッジに設けた逃がし弁から抜ける前に翼面の内面側にかかり、翼面を破壊してしまうおそれがある。
さらに、逃がし弁として用いられる電磁弁、ラプチャーディスクなどは、部品に金属製のものを使用しているものが多く、被雷して故障する可能性がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、落雷による破壊を最小限に留めることができる風力発電用ブレードを提供することを目的としている。
すなわち、本発明の風力発電用ブレードのうち、第1の本発明は、中空構造のブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、前記ブレード本体の中空部内の圧力上昇に応じて少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して前記ブレード本体中空部内の圧力を開放する面状の低強度部を有し、前記翼面に開口部が形成され、前記開口部を覆うように、前記ブレード本体と異なる材料で前記低強度部が設けられており、前記開口部の周縁の翼面内面壁に補強部が設けられ、前記補強部の内周側に前記低強度部が取り付けられる取付枠を有していることを特徴とする。
の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1の本発明において、前記低強度部が、発泡プラスチック製のものであることを特徴とする。
の本発明の風力発電用ブレードは、中空構造のブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、前記ブレード本体の中空部内の圧力上昇に応じて少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して前記ブレード本体中空部内の圧力を開放する面状の低強度部を有し、前記低強度部は、前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとの間で前記トレーリングエッジ側に相対的に近接して設けられていることを特徴とする。
第4の本発明の風力発電用ブレードは、中空構造のブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、前記ブレード本体の中空部内の圧力上昇に応じて少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して前記ブレード本体中空部内の圧力を開放する面状の低強度部を有し、前記ブレード本体の中空部内に前記ブレード本体の先端に達しない桁部を有しており、前記桁部と前記ブレード本体の先端との間の前記翼面に前記低強度部が設けられていることを特徴とする。
第5の本発明の風力発電用ブレードは、前記第3または第4の本発明において、前記翼面に開口部が形成され、前記開口部を覆うように、前記ブレード本体と異なる材料で前記低強度部が設けられていることを特徴とする。
の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1または第4の本発明において、前記低強度部は、前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとの間で前記トレーリングエッジ側に相対的に近接して設けられていることを特徴とする。
の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1または第3の本発明において、前記ブレード本体の中空部内に前記ブレード本体の先端に達しない桁部を有しており、前記桁部と前記ブレード本体の先端との間の前記翼面に前記低強度部が設けられていることを特徴とする。
の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜7の本発明のいずれかにおいて、前記ブレード本体の先端側に受雷部が設けられており、前記ブレード本体の径方向において該受雷部の内側に前記低強度部が設けられていることを特徴とする。
第9の本発明の風力発電用ブレードは、前記第4または第7の本発明において、前記ブレード本体の先端側に受雷部が設けられており、前記低強度部は、前記ブレード本体の径方向において、前記受雷部の翼面側基端と前記桁部の翼面側先端間の長さの1/3〜1/2の長さを有することを特徴とする。
第10の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜9の本発明のいずれかにおいて、前記低強度部は、外表面が周囲の前記翼面と面一になっていることを特徴とする。
第11の本発明の風力発電用ブレードは、前記第1〜10の本発明のいずれかにおいて、前記低強度部は、前記低強度部が位置する前記ブレード本体の前記翼面幅に対し、1/6〜1/4の幅を有することを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、ブレード本体中空部内の圧力上昇が発生した場合に、面状の低強度部の少なくとも一部が破断または翼面から離脱してブレード本体中空部内の圧力が速やかに開放される。
ブレード本体は、中空構造を有するものであればその構造や形状が特に限定されるものではなく、また、その材質も特に限定されるものではないが、例えばGFRP(Glass fiber reinforced plastics) などのFRP製(Fiber reinforced plastics)のものを用いることができる。
また、ブレード本体の中空部には、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間の向かい合う翼面壁の間を連結する桁部を設けることができる。桁部を設けることにより、中空構造のブレード本体を補強することができる。
低強度部は、その材質、密度、厚さ、平面形状などを適宜選定することにより、ブレード本体中空部内の圧力が所定の値に達したときに、少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して中空部内の圧力を開放することができる。低強度部の材料強度や取り付け強度を適宜設定することで、一部破断または離脱に至る中空部内圧力を想定することができる。したがって、低強度部は、材質自体は翼面壁に対し強度は低いことが必須とされるものではなく、取り付け強度が小さいことで破断や剥離が生じるものであってもよい。
なお、低強度部の平面形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状とすることができるが、例えば、円形状、矩形状などとすることができる。
低強度部をブレード本体の翼面に設ける態様は、特に限定されるものではないが、例えば、ブレード本体の翼面に開口部を設け、この開口部を覆うようにブレード本体とは異なる材料で設けることができる。低強度部材料に、ブレード本体の材料とは異なる材料で、発泡プラスチックのような軽量な材料を用いれば、ブレード本体から脱落した際も比較的安全である。
また、上記翼面に設けられた開口部を覆うように低強度部を取り付ける態様は、特に限定されるものではないが、例えば、前記開口部の周縁の翼面内面壁に、取付枠を有する補強部を設け、この取付枠に低強度部を取り付けることができる。
また、上記のように取付枠に低強度部を取り付けた場合には、低強度部の厚さ、取付枠の取付位置などを適宜設定することにより、低強度部外表面をブレード本体の翼面と面一にすることができる。このように低強度部外表面と翼面とを面一にすることにより、風力発電用ブレードが回転する際の空気抵抗の上昇を防止することができる。
また、低強度部は、ブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間でトレーリングエッジ側に近接して設けることができる。一般的に、風力発電用ブレードにおいて、ブレード本体のリーディングエッジの方が、トレーリングエッジよりも補強が容易な形状になっている。このため、トレーリングエッジ側の強度がリーディングエッジ側の強度よりも低くなっていることが多い。そこで、前記のように低強度部をトレーリングエッジ側に近接して設けることにより、比較的に強度の低いトレーリングエッジ側の翼面壁の破損を効果的に防止することができる。
また、ブレード本体の先端側には受雷部を設ける場合、ブレード本体の径方向において受雷部の内側に低強度部を設けることができる。
また、上記のようにブレード本体の中空部に桁部を設ける場合、この桁部を、ブレード本体の先端に達しないものとしたうえで、桁部とブレード本体の先端との間に低強度部を設けることができる。
なお、前記低強度部は、前記低強度部が位置する前記ブレード本体の前記翼面幅に対し、1/6〜1/4の幅を有するのが望ましい。低強度部の幅が、低強度部が位置するブレード本体の幅の1/6未満であると低強度部による内圧開放の効果を十分に期待することができず、また、ブレード本体の幅の1/4を超えると、ブレード本体の強度が低下するため望ましくない。
また、前記低強度部は、前記ブレード本体の径方向において、前記受雷部の翼面側基端と前記桁部の翼面側先端間の長さの1/3〜1/2の長さを有するのが望ましい。低強度部の長さが上記長さの1/3未満であると、低強度部による十分な効果を期待することができず、また、上記長さの1/2を超えると、ブレード本体の強度が低下するため望ましくない。
本発明によれば、ブレード本体への落雷などによりブレード本体中空部内の圧力上昇する場合、圧力上昇に応じて低強度部の少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して、ブレード本体中空部内の圧力を開放され、ブレード本体が破損するの最小限にすることができる。また、低強度部により圧力開放が行われるにあたっては、電気的、機械的な制御が不要であるため、落雷などによる作動不良や誤作動を確実に回避することができる。
また、風力発電用ブレードが落雷を受けた場合の復旧作業では、低強度部の一部または全部が破断しまたは翼面から離脱した場合に、低強度部だけを新たなものに交換することだけで足り、ブレード全体を交換する必要がない。また、低強度部は、構造が簡単であり、また、接着剤などを用いてブレード本体に容易に取り付けることができる。したがって、本発明によれば、低コストかつ短時間で復旧作業を完了することができる。
本発明の一実施形態の風力発電用ブレードを備える風力発電装置の風車を示す概略図である。 同じく、(a)図は風力発電用ブレードの一部を示す概略図であり、(b)図は、(a)図のb−b線断面図である。 同じく、風力発電用ブレードにおける低強度部による圧力開放を説明する概略図である。 本発明の他の実施形態の風力発電用ブレードを示す概略図である。 内圧破壊試験を行った風力発電用ブレードの試験体を示す概略図である。 従来の風力発電装置におけるブレードの一例を示す概略図である。 従来の風力発電装置におけるブレードの他の例を示す概略図である。
本発明の一実施形態の風力発電用ブレードについて図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の風力発電用ブレードを備える風力発電装置の風車1は、回転可能に支持されているローターハブ2と、ローターハブ2に放射状に取り付けられた複数本の本実施形態の風力発電用ブレード3とを備えている。なお、図1では、3本の風力発電用ブレード3がローターハブ2に取り付けられている場合を示している。
各風力発電用ブレード3は、翼形状を有するブレード本体4と、その先端側に設けられた受雷部5とを有している。また、ブレード本体4の先端部における受雷部5近傍の翼面には、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、四周縁が矩形状となる面状の低強度板6が設けられている。
ブレード本体4は例えばFRPで構成され、リーディングエッジ7(前縁)とトレーリングエッジ8(後縁)とがブレード本体4の長手方向に沿って両縁に位置し、負圧面側の翼面壁9と正圧面側の翼面壁10とが接合されて表裏に連なる翼形状を有している。
ブレード本体4の先端には、例えば金属などの導電材料で構成された受雷部5が接続されている。受雷部5は、ブレード本体4の外表面に連なった扁平な形状を有し、先端側ほど細幅で、かつ厚さが小さくなるテーパ形状を有して、その先端は小径な湾曲形状とすることもできる。受雷部5とブレード本体4とは、表面が面一になって接合されている。
なお、受雷部5は、ブレード本体4内の図示しないダウンコンダクタなどを介して接地されている。
ブレード本体4の中空部11内には、互いに向かい合う翼面壁9の内面と翼面壁10の内面とを連結する桁部12が配置されて中空構造のブレード本体4が補強されている。桁部12は、ブレード本体4の基端側から先端近傍にわたって形成されているが、ブレード本体4の先端には達しておらず、受雷部5と桁部12の先端との間に間隔を有している。
低強度板6は、ブレード本体4の径方向において受雷部5の内側であって、桁部12の先端よりも外側に位置した翼面壁9に設けられている。また、低強度板6は、リーディングエッジ7とトレーリングエッジ8との間で相対的にトレーリングエッジ8側に近接して設けられており、桁部12の中心軸よりもトレーリングエッジ8側に位置している。
なお、低強度板6は、翼面壁9に形成された開口部14を覆うように翼面壁9に取り付けられている。開口部14の四周縁は、低強度板6の四周縁に略一致する形状を有しており、低強度板6は、開口部14の内側に隙間なく配置することができる。
低強度板6は、低強度板6が位置するブレード本体4の幅に対し、1/6〜1/4の幅を有している。この場合、ブレード本体4の径方向において低強度板6全体で上記関係を満たすのが望ましい。また、ブレード本体4の径方向における低強度板6の長さは、受雷部5の最も基端となる位置と桁部12の最も先端となる位置間の長さの1/3〜1/2になっている。
低強度板6は、周囲の翼面壁9よりも相対的に強度が低い材質として、例えば発泡プラスチック板を用いることができる。低強度板6を構成する発泡プラスチックとしては、特に限定されるものではないが、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリ塩化ビニルなどを例示することができる。なお、低強度板6の材質としては、発泡プラスチック製に限定されるものではなく、周囲の翼面壁9よりも相対的に強度が低い材質のものであればよい。
また、開口部14の周縁外側には、開口部14の周囲を翼面壁9の内面側から囲むように補強部15が設けられている。ブレード本体4は、例えば、その先端に近い翼面壁の厚さが例えば1.5mm程度と非常に薄くなっており、このように薄い翼面壁に開口部14を形成するとブレード本体4の強度が低下し、また、開口部4を形成した切断端から亀裂が発生するおそれがある。これに対し補強部15を設けることにより、開口部14の形成によるブレード本体4の強度低下や亀裂発生を防止することができる。補強部15の材質は特に限定されるものではなく、ブレード本体4と同様の強度のものであってもよく、適宜の材料を選定することができる。
さらに、補強部15の内周側には低強度板6を取り付けるための取付枠16が設けられている。取付枠16は、補強部15に固定されたものでもよく、また、補強部15と一体的に形成されたものであってもよい。取付枠16の内周端部は、開口部14側に突出しており、取付枠16の表面側に、低強度板6の外周端部の下面が接着剤などにより固定されている。低強度板6と接着剤による固定構造とによって本発明の低強度部が構成されている。取付枠16に取り付けられた低強度板6の外表面は、翼面壁9の翼面と面一になっている。面一とすることで空気抵抗の低減や騒音の発生を防止する。なお、取付枠16への低強度板15の取り付けは、接着剤の他、ボルト、リベットなどの固定部を用いてもよいく、また、両者に固定補助部などを架け渡して、固定補助部を介して両者を固定するようにしてもよい。
なお、ブレード本体4の中空部11内には、リーディングエッジ7側の内壁面に沿って補強フレーム17が設けられており、補強フレーム17によってブレード本体4のリーディングエッジ7側が補強されている。
次に、上記風力発電用ブレード3の動作について説明する。
風車1では、風力発電用ブレード3により風を受けてローターハブ2が回転する。ローターハブ2の回転は、ナセルに収納される発電機(図示しない)に伝達されて発電が行われる。
風車1で、風力発電用ブレード3が落雷を受けると、雷のエネルギーによりブレード本体4の中空部11内の水分が蒸発したり、空気が膨張したりする結果、中空部11内の圧力が上昇する。
ブレード本体4の中空部11内の圧力が上昇すると、遂には、図3に示すように、低強度板6が破断する。破断は、低強度板6が中空部11の圧力の耐えられなくなることにより低強度板6が破損することにより生じる。
したがって、低強度板6の強度設定によって破断が生じる圧力を設定することができる。低強度板6が少なくとも一部で破断したり剥離したりすると開口部14を通して中空部11内部と外部とが連通して、中空部11内の圧力が開放され、ブレード本体4の破損が最小限とされる。
低強度板6を発泡プラスチックなどの軽量材料により構成すれば、低強度板6が破断してブレード本体4から落下した場合の危険性を低減することができる。また、低強度板6およびこれを取り付けるための取付枠16には、電気的、機械的な制御は必要なく、落雷などによる作動不良や誤作動もない。
低強度板6が破断した場合の復旧作業では、取付枠16に低強度板6の一部が残存していればこれを削り取るなどして除去したうえで、新たな低強度板6を取付枠16に取り付ける。このように、低強度板6は、取付枠16を介して容易に取り付けることができるため、短時間かつ低コストで復旧作業を完了することができる。
なお、図3では、中空部11の圧力上昇により低強度板15が破断するものとして説明したが、接着部が剥がれて低強度板15が一部離脱するものであってもよい。
上記実施形態では、低強度板6の破断または剥離位置が定めっていない例について説明したが、予め破断や剥離位置を定めて低強度板を設けるものであってもよい。この形態を図4に基づいて説明する。なお、前記実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
この実施形態では、翼面壁9に前記実施形態と同様にブレード本体4のリーディングエッジ7とトレーリングエッジ8との間の翼面壁9に、四周縁形状を矩形状とした開口部14が形成されており、該開口部14を覆うように低強度板150が配置されている。開口部14の周囲には、図示しない補強部が翼面壁9の内面側に設けられ、その内側に取付枠16が設けられている。低強度板150は、回転方向側の縁辺がヒンジ機構17によって翼面壁9に回転可能に取り付けられており、他の縁辺部は接着剤によって取付枠16に固定されている。この形態で、中空部内の圧力が上昇すると、低強度板150の接着部が剥がれて中空部と外部とが連通するとともに、ヒンジ機構17で翼面壁9に保持された状態が維持される。風車用ブレード3が回転している状態では、ヒンジ機構17が回転方向側に位置しているので、低強度板150が一部で破断または剥離した際に、回転による風力で低強度板150が強制的に開かれてヒンジ機構17が損傷するのを防止する。
本発明の実施例について図5を用いて説明する。実施例では、風力発電用ブレードの試験体を2種類用意して内圧破壊試験を実施し、低強度部による圧力開放を評価した。
図5(a)および図5(b)は、それぞれ内圧破壊試験を実施した風力発電用ブレードの試験体21、22を示している。
試験体21、22は、それぞれ上述した風力発電用ブレード3の受雷部5を含む先端から長さ2000mmの部分のものであり、試験のため根本側の開口部がFRP板23で密閉されている。受雷部5は、450mmの長さを有している。
試験体21では、低強度板151として幅100mm、長さ400mmの周縁形状が長方形のものを使用し、試験体22では、低強度板152として周縁形状が円形で径が200mmのものを使用した。
(実施例1)
実施例1では、図5(a)に示す試験体21について、内圧破壊試験を実施した。矩形状の低強度板151は、材質が発泡ポリ塩化ビニル、密度が60kg/m、寸法が幅100mm×長さ400mmのものである。
内圧破壊試験では、試験体21に接続された樹脂チューブを介して空気コンプレッサーから試験体21の内部の中空部へ圧縮空気を送給して、試験体21の内部を加圧した。試験体21に対する加圧は、0.01MPaづつ昇圧させるステップ昇圧によるものとし、それぞれの圧力では30秒間保持した。こうして加圧を行う間、試験体21に取り付けられている圧力計により破壊されるまでの試験圧力をデータロガーで記録した。なお、内圧破壊試験は、低強度板151の板厚が9.0mm、10.0mmの2つの試験体21について実施した。表1に低強度板6aが破断したときの破断圧力を示す。
いずれの板厚の試験体21についても、ブレード本体4が損傷することなく低強度板151が破断し、また、低強度板151の元の寸法の幅100mm×長さ400mmの矩形とほぼ同等の開口面積が得られるという良好な結果となった。
Figure 0005896417
(実施例2)
実施例2では、図5(b)に示す円形状の平面形状を有する低強度板152を接着により取り付けた風力発電用ブレードの試験体22について、内圧破壊試験を実施した。円形状の低強度板152は、材質が発泡ポリ塩化ビニル、密度が60kg/m、寸法が直径200mmのものである。
試験体22についても、上記試験体21と同様に内圧破壊試験を実施した。表2に低強度板152が破断したときの破断圧力を示す。
上記実施例2でも、ブレード本体4が損傷することなく低強度板152が破断し、また、低強度板152の元の寸法の直径200mmの円形とほぼ同等の開口面積が得られるという良好な結果となった。
Figure 0005896417
以上、本発明について上記実施形態および実施例に基づいて説明したが、本発明は上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
1 風車
2 ローターハブ
3 風力発電用ブレード
4 ブレード本体
5 受雷部
6 低強度板
7 リーディングエッジ
8 トレーリングエッジ
9 翼面壁
10 翼面壁
11 中空部
12 桁部
14 開口部
16 取付枠
17 補強フレーム
21 試験体
22 試験体
23 FRP板
150 低強度板
151 低強度板
152 低強度板

Claims (11)

  1. 中空構造のブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、前記ブレード本体の中空部内の圧力上昇に応じて少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して前記ブレード本体中空部内の圧力を開放する面状の低強度部を有し、
    前記翼面に開口部が形成され、前記開口部を覆うように、前記ブレード本体と異なる材料で前記低強度部が設けられており、
    前記開口部の周縁の翼面内面壁に補強部が設けられ、前記補強部の内周側に前記低強度部が取り付けられる取付枠を有していることを特徴とする風力発電用ブレード。
  2. 前記低強度部が、発泡プラスチック製のものであることを特徴とする請求項1に記載の風力発電用ブレード。
  3. 中空構造のブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、前記ブレード本体の中空部内の圧力上昇に応じて少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して前記ブレード本体中空部内の圧力を開放する面状の低強度部を有し、
    前記低強度部は、前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとの間で前記トレーリングエッジ側に相対的に近接して設けられていることを特徴とする風力発電用ブレード。
  4. 中空構造のブレード本体のリーディングエッジとトレーリングエッジとの間の翼面に、周囲の翼面壁よりも相対的に強度が低く、前記ブレード本体の中空部内の圧力上昇に応じて少なくとも一部が破断または前記翼面から離脱して前記ブレード本体中空部内の圧力を開放する面状の低強度部を有し、
    前記ブレード本体の中空部内に前記ブレード本体の先端に達しない桁部を有しており、前記桁部と前記ブレード本体の先端との間の前記翼面に前記低強度部が設けられていることを特徴とする風力発電用ブレード。
  5. 前記翼面に開口部が形成され、前記開口部を覆うように、前記ブレード本体と異なる材料で前記低強度部が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の風力発電用ブレード。
  6. 前記低強度部は、前記リーディングエッジと前記トレーリングエッジとの間で前記トレーリングエッジ側に相対的に近接して設けられていることを特徴とする請求項1または4に記載の風力発電用ブレード。
  7. 前記ブレード本体の中空部内に前記ブレード本体の先端に達しない桁部を有しており、前記桁部と前記ブレード本体の先端との間の前記翼面に前記低強度部が設けられていることを特徴とする請求項1または3に記載の風力発電用ブレード。
  8. 前記ブレード本体の先端側に受雷部が設けられており、前記ブレード本体の径方向において該受雷部の内側に前記低強度部が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
  9. 前記ブレード本体の先端側に受雷部が設けられており、前記低強度部は、前記ブレード本体の径方向において、前記受雷部の翼面側基端と前記桁部の翼面側先端間の長さの1/3〜1/2の長さを有することを特徴とする請求項4または7に記載の風力発電用ブレード。
  10. 前記低強度部は、外表面が周囲の前記翼面と面一になっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
  11. 前記低強度部は、前記低強度部が位置する前記ブレード本体の前記翼面幅に対し、1/6〜1/4の幅を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の風力発電用ブレード。
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