JP2014092132A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターボチャージャ1のコンプレッサハウジング2、タービンハウジング3、及びベアリングハウジング4は一体形成される。また、ターボチャージャ1は、タービンハウジング3の内径よりも小さい外径に形成されたタービンホイール9と、コンプレッサハウジング2の内径よりも小さい外径に形成されたコンプレッサホイール8とを備える。このため、シャフト6に固定されるタービンホイール9をタービンハウジング3内に挿入する際、タービンホイール9がタービンハウジング3に引っかかることはない。また、シャフト6に固定されるコンプレッサホイール8をコンプレッサハウジング2内に挿入する際、コンプレッサホイール8がコンプレッサハウジング2に引っかかることもない。
【選択図】図1
Description
上記課題を解決するターボチャージャは、コンプレッサハウジングとベアリングハウジングとが一体形成されており、上記コンプレッサハウジングの内径よりも小さい外径に形成されたコンプレッサホイールを備える。このため、コンプレッサハウジングとベアリングハウジングとが分割可能な構造である場合のように、ターボチャージャを組み立てる際に各ハウジングの組み付け工数が増大したり、同組み付けのために締結部品を追加したりする分のコストアップが生じることを抑制できる。また、ベアリングハウジング内に回転可能に支持されるシャフトに対し固定されるコンプレッサホイールを、コンプレッサハウジングの内径に対応した部分を通じて引っかかることなく、コンプレッサハウジング内に挿入することができる。このため、ターボチャージャにおける上記シャフト及び上記コンプレッサホイールの組み付けを、コンプレッサハウジングとベアリングハウジングとが一体形成されていることから影響を受けることなく、容易に行うことができる。
以下、ターボチャージャの第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示すように、ターボチャージャ1は、コンプレッサハウジング2、タービンハウジング3、及びベアリングハウジング4を備えている。これらコンプレッサハウジング2、タービンハウジング3、及びベアリングハウジング4は、例えばアルミニウム合金によって一体形成されている。そして、各ハウジング2〜4にはそれぞれ、ターボチャージャ1を冷却するための冷却水が通過するウォータジャケット5が形成されている。また、コンプレッサハウジング2の内部は内燃機関10の吸気通路10aと繋がっており、タービンハウジング3の内部は内燃機関10の排気通路10bに繋がっている。
図3に示すように、この工程では、タービンハウジング3に対しシュラウドピース12を仮組みするための治具20が用いられる。この治具20は、ベアリングハウジング4の孔4aに挿入される小径部20aと、その小径部20aの軸線に一致する軸線を有する大径部20bとを備えている。そして、タービンハウジング3内に治具20の大径部20bが位置するよう、治具20の小径部20aをベアリングハウジング4の孔4aに挿入する。この状態のもと、治具20の大径部20bの外周面にシュラウドピース12の調整部12bの内周面を挿入しつつ、シュラウドピース12の固定部12aをタービンハウジング3の出口3a側の端面に突き当てる。更に、シュラウドピース12の固定部12aをタービンハウジング3の出口3a側の端面に突き当てた状態で、シュラウドピース12を仮組み用のボルト21でタービンハウジング3に仮組みする。このときには、シュラウドピース12における調整部12bの中心線が治具20の軸線(孔4aの中心線に対応)と一致した状態となる。その後、シュラウドピース12の固定部12aに形成された穴18を介してのドリル等での切削加工により、タービンハウジング3の出口3a側の端面に複数のピン17(図2)を固定するための穴22がピン17の数に対応した数(図3には一つのみ図示)だけ形成される。なお、この穴22は、可能な限りタービンハウジング3の内周面に近い位置に形成される。
図4に示すように、この工程では、[工程1]で仮組みしたシュラウドピース12をタービンハウジング3から取り外すとともに、治具20をタービンハウジング3及びベアリングハウジング4から取り外した状態のもと、ベアリングハウジング4の孔4a内にベアリング7が嵌め込まれる。そして、タービンハウジング3側から上記孔4a内(ベアリング7内)にシャフト6が挿入されるとともに、そのシャフト6の端部に固定されたタービンホイール9がタービンハウジング3の出口3a側から同タービンハウジング3内に挿入される。タービンホイール9の外径の最大値は、タービンハウジング3における排気の出口3aに繋がる部分の内径の最小値よりも小さい。このため、上記タービンホイール9のタービンハウジング3内への挿入は、タービンハウジング3の内周面に引っかかることなく行われる。その後、コンプレッサホイール8がコンプレッサハウジング2の入口2a側から同コンプレッサハウジング2内に挿入される。コンプレッサホイール8の外径の最大値は、コンプレッサハウジング2における空気の入口2aに繋がる部分の内径の最小値よりも小さい。このため、上記コンプレッサホイール8のコンプレッサハウジング2内への挿入は、コンプレッサハウジング2の内周面に引っかかることなく行われる。こうしてコンプレッサハウジング2内に挿入されたコンプレッサホイール8は、シャフト6の端部に固定されることにより、タービンホイール9と上記シャフト6を介して一体回転可能に繋がれる。
図5に示すように、この工程では、コンプレッサハウジング2の内周面であって入口2aに繋がる部分にシュラウドピース11の調整部11bが圧入されるとともに、シュラウドピース11の固定部11aがコンプレッサハウジング2の入口2a側の端面に突き当てられる。このようにシュラウドピース11がコンプレッサハウジング2の入口2aに固定されたとき、シュラウドピース11の調整部11bの中心線が孔4aの中心線と一致した状態になるとともに、調整部11bとコンプレッサホイール8の羽根8aとの間のチップクリアランスCaがターボチャージャ1の効率を高めるうえで適切な値になる。すなわち、このときに調整部11bの中心線が孔4aの中心線と一致し、且つ、チップクリアランスCaが上記値となるよう、上記調整部11bが精度良く形成されている。一方、[工程1]でタービンハウジング3の出口3a側の端面に形成された各穴22には、それぞれピン17が圧入される。これにより、タービンハウジング3の出口3a側の端面に上記ピン17が突出形成される。
図6に示すように、この工程では、タービンハウジング3の内周面であって出口3aに繋がる部分にシュラウドピース12の調整部12bが挿入されるとともに、シュラウドピース12の固定部12aがタービンハウジング3の出口3a側の端面に突き当てられる。このときタービンハウジング3の出口3a側の端面から突出する各ピン17はそれぞれ、上記固定部12aに形成された各穴18のうちの対応する穴18に挿入される。このように各ピン17がそれぞれ対応する穴18に挿入されることにより、シュラウドピース12がタービンハウジング3に対し調整部12bの中心線とベアリングハウジング4の孔4aの中心線とを一致させるように位置決めされる。また、このときには、調整部12bとタービンホイール9の羽根9aとのチップクリアランスCbがターボチャージャ1の効率を高めるうえで適切な値になるとともに、調整部12bとタービンハウジング3の出口3aに繋がる内周面との間には空間19が形成される。すなわち、チップクリアランスCaが上記値となるよう、且つ、上記空間19が形成されるよう、上記調整部12bが精度良く形成されている。
この工程では、[工程3]でコンプレッサハウジング2に固定されたシュラウドピース11の固定部11aに対し、図1に示すように配管部品13を当接させる。そして、配管部品13及び固定部11aを貫通するボルト14がコンプレッサハウジング2の入口2a側の端面にねじ込まれることにより、配管部品13及び固定部11aがコンプレッサハウジング2に固定される。一方、[工程4]でタービンハウジング3に対して位置決めされたシュラウドピース12の固定部12aには配管部品15が当接される。そして、配管部品15及び固定部12aを貫通するボルト16がタービンハウジング3の出口3a側の端面にねじ込まれることにより、配管部品15及び固定部12a(シュラウドピース12)がタービンハウジング3に固定される。
ターボチャージャ1は、コンプレッサハウジング2、タービンハウジング3、及びベアリングハウジング4が一体形成されている。このため、コンプレッサハウジング2、タービンハウジング3、及びベアリングハウジング4が分割可能な構造である場合のように、ターボチャージャ1を組み立てる際に各ハウジング2〜4の組み付け工数が増大したり、同組み付けのために締結部品を追加したりする分のコストアップが生じることを抑制できる。また、ターボチャージャ1は、タービンハウジング3の内径よりも小さい外径に形成されたタービンホイール9を備えている。このタービンホイール9の外径の最大値は、タービンハウジング3の内径の最小値よりも小さくされる。このため、シャフト6をベアリングハウジング4内の孔4a(ベアリング7)内に挿入しつつ、上記シャフト6の端部に固定されたタービンホイール9をタービンハウジング3内に出口3aから挿入する際、タービンホイール9がタービンハウジング3の内周面に引っかかることはない。更に、ターボチャージャ1は、コンプレッサハウジング2の内径よりも小さい外径に形成されたコンプレッサホイール8も備えている。このコンプレッサホイール8の外径の最大値は、コンプレッサハウジング2の内径の最小値よりも小さくされる。このため、上記シャフト6に固定されるコンプレッサホイール8をコンプレッサハウジング2内に入口2aから挿入する際、コンプレッサホイール8がコンプレッサハウジング2の内周面に引っかかることはない。従って、ターボチャージャ1におけるシャフト6、コンプレッサホイール8、及びタービンホイール9の組み付けを、コンプレッサハウジング2、タービンハウジング3、及びベアリングハウジング4が一体形成されていることから影響を受けることなく、容易に行うことができる。
(1)ターボチャージャ1を製造する際のコストアップを抑制することができ、且つ、ターボチャージャ1に対するシャフト6、コンプレッサホイール8、及びタービンホイール9の組み付けを容易に行うことができる。
次に、ターボチャージャの第2実施形態について図7〜図11を参照して説明する。
図7に示すように、この実施形態のターボチャージャ1では、シュラウドピース12における調整部12bの中心線L2が、ベアリングハウジング4における孔4aの中心線L1に対し下方にずれて位置するようタービンハウジング3に取り付けられ、その位置でタービンハウジング3に固定されている。また、タービンハウジング3に対するシュラウドピース12の相対位置を決め、その相対位置にてシュラウドピース12を拘束するためのピン17及び穴18は、同シュラウドピース12の上下方向についての熱膨張の基準位置がベアリングハウジング4の孔4aの中心線よりも下方に位置するように設けられている。
ベアリングハウジング4の孔4a内(ベアリング7内)に支持されるシャフト6は、低回転時には図10(a)に示すように自重により上記孔4a内の下方に位置する。一方、上記シャフト6の高回転時には、上記孔4a内の潤滑油がシャフト6の下端と上記孔4a(正確にはベアリング7の内周面)の下端との間に多く巻き込まれるため、そこでの油圧が高くなってシャフト6が図11(a)に示すように上方に変位する。こうしたことに対応して、上記シュラウドピース12のタービンハウジング3に対する取り付けが、低温時且つシャフト6の低回転時にタービンホイール9の羽根9aと調整部12bとの間のチップクリアランスCbが適切な値となる位置にて行われる。このように上記シュラウドピース12をタービンハウジング3に取り付けることにより、高温時且つシャフト6の高回転時には、上述したシャフト6の上方への変位に対応して上記シュラウドピース12がタービンハウジング3に対し上方に向けて熱膨張する。これにより、低温且つシャフト6の低回転から高温且つシャフト6の高回転へと状態変化する際、タービンハウジング3の羽根とシュラウドピース12の調整部12bとの間のチップクリアランスCbが例えば図10(b)に示す状態から図11(b)に示す状態に変わる。こうしたチップクリアランスCbの変化が生じたとしても、その変化が小さく抑えられるため、同変化に伴ってチップクリアランスCbがターボチャージャ1の効率を保つうえで適切な値からずれることはない。
(11)低温且つシャフト6の低回転から高温且つシャフト6の高回転へと状態変化する際、タービンハウジング3の羽根とシュラウドピース12の調整部12bとの間のチップクリアランスCbが適切な値からずれることを抑制できる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1実施形態において、ピン17及び穴18の数を適宜変更してもよい。例えば図12に示すように、ピン17及び穴18をタービンホイール9の回転中心周りに一定の間隔をおいて四つずつ形成することが考えられる。また、ピン17及び穴18をタービンホイール9を五つ以上ずつ形成することも考えられる。
・第1及び第2実施形態において、シュラウドピース11を形成する材料として、アルミ合金以外の材料を用いてもよい。
・第1及び第2実施形態において、ピン17と穴18との位置関係を逆にすることも可能である。
Claims (11)
- タービンハウジング内に設けられたタービンホイールと、コンプレッサハウジング内に設けられたコンプレッサホイールと、ベアリングハウジング内に回転可能に支持されて前記タービンホイール及び前記コンプレッサホイールを一体回転可能に繋ぐシャフトとを備え、内燃機関の排気が前記タービンハウジング内を通過することに伴って回転するタービンホイールの回転が前記シャフトを介して前記コンプレッサホイールに伝達され、そのタービンホイールの回転を通じて前記コンプレッサハウジング内の空気を内燃機関に吐出するターボチャージャにおいて、
前記コンプレッサハウジングと前記ベアリングハウジングとは一体形成されており、
前記コンプレッサホイールは、その外径が前記コンプレッサハウジングの内径よりも小さくなるように形成されている
ことを特徴とするターボチャージャ。 - タービンハウジング内に設けられたタービンホイールと、コンプレッサハウジング内に設けられたコンプレッサホイールと、ベアリングハウジング内に回転可能に支持されて前記タービンホイール及び前記コンプレッサホイールを一体回転可能に繋ぐシャフトとを備え、内燃機関の排気が前記タービンハウジング内を通過することに伴って回転する前記タービンホイールの回転が前記シャフトを介して前記コンプレッサホイールに伝達され、そのタービンホイールの回転を通じて前記コンプレッサハウジング内の空気を内燃機関に吐出するターボチャージャにおいて、
前記タービンハウジングと前記ベアリングハウジングとは一体形成されており、
前記タービンホイールは、その外径が前記タービンハウジングの内径よりも小さくなるように形成されている
ことを特徴とするターボチャージャ。 - タービンハウジング内に設けられたタービンホイールと、コンプレッサハウジング内に設けられたコンプレッサホイールと、ベアリングハウジング内に回転可能に支持されて前記タービンホイール及び前記コンプレッサホイールを一体回転可能に繋ぐシャフトとを備え、内燃機関の排気が前記タービンハウジング内を通過することに伴って回転する前記タービンホイールの回転が前記シャフトを介して前記コンプレッサホイールに伝達され、そのタービンホイールの回転を通じて前記コンプレッサハウジング内の空気を内燃機関に吐出するターボチャージャにおいて、
前記コンプレッサハウジング、前記タービンハウジング、及び前記ベアリングハウジングは一体形成されており、
前記コンプレッサホイールは、その外径が前記コンプレッサハウジングの内径よりも小さくなるように形成されており、
前記タービンホイールは、その外径が前記タービンハウジングの内径よりも小さくなるように形成されている
ことを特徴とするターボチャージャ。 - 前記コンプレッサハウジングにおける空気の入口には、前記コンプレッサハウジング内に設けられた前記コンプレッサホイールの羽根との間のチップクリアランスを調整するシュラウドピースが取り付けられている
請求項1又は3記載のターボチャージャ。 - 前記コンプレッサハウジングにおける空気の入口に取り付けられるシュラウドピースは、そのシュラウドピースと前記コンプレッサハウジングとの一方に設けられたピンを他方に設けられた穴に挿入して位置決めされた状態のもとで、前記コンプレッサハウジングに取り付けられる
請求項4記載のターボチャージャ。 - 前記タービンハウジングにおける空気の出口には、前記タービンハウジング内に設けられた前記タービンホイールの羽根との間のチップクリアランスを調整するシュラウドピースが取り付けられている
請求項2又は3記載のターボチャージャ。 - 前記タービンハウジングにおける空気の出口に取り付けられるシュラウドピースは、前記タービンハウジングを形成する材料と比較して、熱膨張係数の小さい材料によって形成されている
請求項6記載のターボチャージャ。 - 前記タービンハウジングにおける空気の出口に取り付けられるシュラウドピースと前記タービンハウジングとの間であって前記タービンホイールに対応する部分には、空間が形成されている
請求項6又は7記載のターボチャージャ。 - 前記タービンハウジングにおける空気の出口に取り付けられるシュラウドピースは、そのシュラウドピースと前記タービンハウジングとの一方に設けられたピンを他方に設けられた穴に挿入して位置決めされた状態のもとで、前記タービンハウジングに取り付けられる
請求項6〜8のいずれか一項に記載のターボチャージャ。 - 前記タービンハウジングにおける空気の出口に取り付けられるシュラウドピースは、前記タービンハウジングに対し穴とそれに挿入されるピンとにより位置決めされた状態のもとで、前記タービンハウジングに取り付けられるものであり、
前記穴は、前記タービンホイールの回転中心周りに定められた間隔をおいて複数形成され、かつ前記タービンホイールの径方向を長径とする長穴となっている
請求項9記載のターボチャージャ。 - 前記タービンハウジングにおける空気の出口に取り付けられるシュラウドピースは、前記ベアリングハウジングにおける前記シャフトを支持するための孔の中心線に対し下方にずれて位置するよう前記タービンハウジングに取り付けられるものであり、
前記タービンハウジングにおける空気の出口に取り付けられるシュラウドピースを位置決めするための前記穴及び前記ピンは、同シュラウドピースの上下方向についての熱膨張の基準位置が前記ベアリングハウジングの前記孔の中心線よりも下方に位置するように設けられている
請求項9又は10記載のターボチャージャ。
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