JP2014092059A - デコンプレッション機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな力でバルブを微小量開けて保持した状態を実現するとともに、この状態を安定して実現するデコンプレッション機構を提供する。
【解決手段】
ロッカーアーム16と、リフト部21dがロッカーアームの基端側の下方に回転されて位置するとロッカーアームの基端側を押し上げた状態で保持するリフト部材21と、ロッカーアームの基端側が押し上げられたときに回転力が与えられているとリフト部材に対して回転力を伝達し、ロッカーアームの基端側が押し上げられていないときに回転力が与えられるとリフト部材に対して回転させる力を蓄える弾性部材20と、作動時にリフト部材のリフト部がロッカーアームの基端側を押し上げる位置に他の部分から回転させる回転力を弾性部材に与え、解除時にリフト部がロッカーアームの基端側から外れる回転力を弾性部材に与える動力装置13と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、レシプロエンジンの機構のひとつであるデコンプレッション機構に関する。
一般に、デコンプレッション機構は、エンジンの始動時と停止時に、カムシャフトの作動に関係なく、吸気バルブ又は排気バルブを開いてシリンダ内の圧力を開放する機構である。デコンプレッション機構は、エンジン始動時に、始動クランキング時の圧力を抜くことによって抵抗を少なくし、エンジンをスタータによって高回転させてから、デコンプレッションを解除し、エンジンの始動を容易にする。また、デコンプレッション機構は、エンジン停止時に、シリンダ内の圧力を抜くことで、シリンダ内を着火不能の状態にして、エンジンを止めるようにしたものである。
デコンプレッション機構は、旧式のディーゼルエンジンに搭載されていたものであるが、近年、エンジンの始動・停止の頻度が高まるハイブリッド車の開発に伴い、始動時と停止時の振動低減、及び効率向上の観点から再度、見直されてきている。
図6は、従来技術に係るデコンプレッション機構における駒の作動の様子を示す平面図である。従来技術に係るデコンプレッション機構は、ロッカーアームの基端側がプッシュロッドにより持ち上げられた時にそのロッカーアームの基端側に駒を挿入する発明である。これにより従来技術に係るデコンプレッション機構は、ロッカーアームの復帰を規制し、小型のアクチュエータによる小さな力でバルブの微小解放状態を実現させている。
具体的には、アクチュエータを動作させ滑り板1を作動方向へ移動させると、図6(A)に示すように、滑り板1と一体の張出部材2も作動方向へ移動する。ロッカーアーム3の基端部と背板4との間隔が狭い場合は、駒5がロッカーアーム3の側面に接触し、コイルばね6が縮められる。
そして、エンジンが回転し、ロッカーアーム3の基端部と背板4との間隔が大きくなると、コイルばね6の弾性力により、図6(B)に示すように、駒5がロッカーアーム3の基端部と背板4との隙間に滑り込む。これにより駒5は、バルブを微小量開けた状態に保持する。
そして、バルブを微小量開けた状態を、解除するときは、アクチュエータを動作させ、滑り板1を解除方向へ移動させる。そうすると、図6(C)に示すように、滑り板1と一体の張出部材2も解除方向へ移動する。このとき、駒5は、ロッカーアーム3の基端部と背板4との間に挟まれて保持されている為、コイルばね7が縮む。そして、エンジンが回転し、ロッカーアーム3の基端部と背板4との間隔が大きくなると、コイルばね7の弾性力により、駒5がロッカーアーム3の基端部と背板4との間から引き抜かれ、バルブが閉じられる。
特開2003−106124号公報
しかしながら、前述のような、平板状の駒をスライドさせて挿入する方法では、駒の引っ掛かりによる作動不良の虞があった。本発明は、斯かる実情に鑑み、小さな力でバルブを微小量開けて保持した状態を実現するとともに、この状態を安定して実現するデコンプレッション機構を提供しようとするものである。
本発明は、作動時にバルブを開けてシリンダの圧縮を解放するデコンプレッション機構に関する。基端側を押し上げると先端側が前記バルブを押し下げて開くよう揺動可能に支持されたロッカーアームと、前記ロッカーアームの基端側の下方に回転可能に支持され、回転中心から外縁までの距離が他の外縁部分の距離よりも大きいリフト部を有し、前記リフト部が前記ロッカーアームの基端側の下方に回転されて位置すると前記ロッカーアームの基端側を押し上げた状態で保持するリフト部材と、前記ロッカーアームの基端側が押し上げられたときに回転力が与えられていると前記リフト部材に対して回転力を伝達し、前記ロッカーアームの基端側が押し上げられていないときに回転力が与えられると前記リフト部材に対して回転させる力を蓄える弾性部材と、前記作動時に前記リフト部材のリフト部が前記ロッカーアームの基端側を押し上げる位置に前記他の部分から回転させる回転力を前記弾性部材に与え、解除時に前記リフト部材のリフト部が前記ロッカーアームの基端側から外れる回転力を前記弾性部材に与える動力装置と、を備えたことを特徴とするデコンプレッション機構にかかるものである。
前記デコンプレッション機構は、前記ロッカーアームと、前記リフト部材と、前記弾性部材と、でバルブを微小解放状態に保持するリフト機構を構成し、前記リフト機構は、前記ロッカーアームを揺動可能に支持するロッカーシャフトの軸線方向に沿って複数配設され、複数の前記リフト機構を連動させる連動機構を更に備えることができる。
本発明のデコンプレッション機構によれば、小さな力でバルブを微小量開けて保持した状態を、安定して提供することができる。
本発明のデコンプレッション機構を備えたエンジンからシリンダヘッドカバーを外した状態を示す斜視図である。 本発明に係るデコンプレッション機構を示す斜視図である。 本発明に係るデコンプレッション機構の一部を拡大して示す斜視図である。 ロッカーアームの基端側がプッシュロッドに押されて排気弁が開けられた様子を模式的に示す図である。 (A)は、ロッカーアームの基端側とリフト部材の平面部とが隙間を持って配設された様子を示す図である。(B)は、ロッカーアームの基端側とリフト部材の平面部が当接した様子を示す図である。(C)は、ロッカーアームの基端側とリフト部材のリフト部が当接して、排気バルブを微小量開けた状態に保持する様子を示した図である。 従来技術に係るデコンプレッション機構における駒の作動の様子を示す平面図である。
以下、本発明に係るデコンプレッション機構の実施形態を図1〜図5を参照して説明する。なお、図1〜図3、図5において、プッシュロッドは図示を省略している。
図1に示すとおり、本願発明に係るデコンプレッション機構8は、例えば、直列4気筒のOHVエンジン11に備えられる。シリンダヘッド12の外部には、アクチュエータ(動力装置)13が配設されている。
図2、図3に示すとおり、本発明に係るデコンプレッション機構8は、排気バルブ15を微小量開けて保持するリフト機構9と、リフト機構9に動力を与える動力機構10と、リフト機構9を連動させる連動機構22と、を備えている。なお、図中、16は、排気バルブ15(図4参照)を開けるロッカーアームを示し、図中16’は、吸気バルブ(不図示)を開けるロッカーアームを示している。ここで、微小とは、シリンダ27(図4参照)が減圧可能な隙間のことをいう。
まず、動力機構10を説明する。動力機構10は、アクチュエータ13(動力装置)と、クランク17(運動変換部材)と、を備えている。アクチュエータ13は、例えば、空圧シリンダで、図示しないEPUからの電気的な信号によってロッド13aの進退運動が制御できるようになっている。アクチュエータ13は、例えば、出力が12[N]で、ロッド13aのストロークが10[mm]程度の小型のものが用いられる。
また、EPUとは、エンジンコントロールユニットであり、エンジン11の運転における制御を電子制御された補助装置を用いて行う際に、それらを総合的に制御するマイクロコントローラである。クランク17は、ロッド13aの伸縮運動を回転運動に変換する部材である。
次にリフト機構9を説明する。リフト機構9(9A、9B、9C、9D)は、図2に示すとおり、ロッカーシャフト14の軸方向に沿って、4つ配設されている。リフト機構9は、図3に示すとおり、回転連結部材18と、トーションスプリング20(弾性部材)と、リフト部材21と、ロッカーアーム16と、を備えている。
回転連結部材18は、一方側に軸部18aを有し、他方側に軸部18aと同心で軸部18aの外径より径が大きい胴体部18bを有する。軸部18aと胴体部18bとは、一体に形成されている。
軸部18aは、クランク17によって変換された回転運動が伝達される。胴体部18bは、外形が円柱形状であり、他端から一方側へ向かって同心の円柱が繰り抜かれた後のような中空部を有する。中空部は、軸部18aの径よりも外径が大きくなっている。また、胴体部18bの外周には、他方端から一方へ向かって固定溝18cが形成されている。
この固定溝18cには、後述するトーションスプリング20の一端部20aが嵌められて固定される。回転連結部材18は、ロッカーサポート24に形成された回転連結部材用軸受部24aによって回転可能に支持される(図2参照)。ここで、ロッカーサポート24とは、ロッカーシャフト14をエンジン11に対して回転可能に支持する部材のことをいう。
リフト部材21は、一方側に軸部21aを有し、他方側に軸部21aと一体の胴体部21bを有する。リフト部材21の軸部21aの外径は、回転連結部材18の中空部の外径よりも僅かに小さくなっている。リフト部材21の胴体部21bは、円柱形状からその軸線方向に沿って一部を切断したような形状をしている。これにより、胴体部の外周は、平面部21cと、回転中心から外縁までの距離が回転中心から平面部21c(他の外縁部分)までの距離よりも大きい外周面であるリフト部21dと、を有する。
リフト部21dには、他端から一方へ向かって、固定溝(不図示)が形成されている。この固定溝には、後述するトーションスプリング20の他端部が嵌められて止められる。リフト部材21は、軸部21aが回転連結部材18の中空部に挿入されると、回転連結部材18に対して回転可能である。リフト部材21は、ロッカーサポート24に形成され上側が開放されたリフト部材支持部24b(図2参照)によって回転可能に支持される。
トーションスプリング20は、一端部20aが回転連結部材18の固定溝18cに嵌められて固定され、他端部がリフト部材21の固定溝に嵌められて固定され、回転連結部材18とリフト部材21とを連結する。トーションスプリング20は、回転連結部材18から回転力を受けた際、ロッカーアーム16の基端側が押し上げられていると、リフト部材21を回転連結部材18と同じ向きに回転させる。また、トーションスプリング20は、回転連結部材18から回転力を受けた際、ロッカーアーム16の基端側が押し上げられていないと、リフト部材21を回転連結部材18と同じ向きに回転させる回転力を蓄えるようになっている。
ロッカーアーム16は、図4に示すとおり、ロッカーシャフト14を揺動中心として揺動自在に配設される。ロッカーアーム16は、カムシャフト28の回転により基端側を下からプッシュロッド25によって、押し上げられると先端側が押し下がり、バルブスプリング26のばね力に抗して排気バルブ15を開くようになっている。本発明のロッカーアーム16の基端側は、図3に示すとおり、通常のロッカーアーム16の基端側と比較し、リフト部材21のリフト部21dと当接するための拡張部16aを有している。リフト部材21は、この拡張部16aの下方へ配設される。
リフト部材21は、図5(A)で示すとおり、デコンプレッション機構8が作動されていない場合、平面部21cがロッカーアーム16の拡張部16aの下面16a1に対して隙間を持って対向するように配設されている。ここで、隙間を持って対向するとは、ロッカーアーム16の先端側が排気バルブ15を押し下げていない状態(ロッカーアーム16の基端側がプッシュロッド25によって押し上げられていない状態:以下、この状態をロッカーアーム16の通常状態と定義する。)で、リフト部材21を回転させると、図5(B)で示すとおり、平面部21cが拡張部16aの下面16a1に当接する程度の間隔をいう。このとき、排気バルブ15は、閉じている。
また、リフト部材21は、デコンプレッション機構8が作動すると、図5(C)で示すとおり、リフト部21dがロッカーアーム16の拡張部16aの下面16a1に対向するように回転される。そうすると、ロッカーアーム16の基端側がプッシュロッド25によって押し上げられたのちバルブスプリング26のばね力によって押し戻される際、拡張部16aの下面16a1にリフト部材21のリフト部21dが位置し、ロッカーアーム16の基端側は、リフト部21dと当接し、排気バルブ15を微小量だけ開けた状態で保持する。
最後に、連動機構22を説明する。連動機構22は、図2に示すとおり、ロッカーシャフト14の軸方向に沿って4つ配設されているリフト機構9(9A,9B,9C,9D)を連動させる機構である。4つ配設されたリフト機構9(9A,9B,9C,9D)のうち、アクチュエータ13に最も近いリフト機構9Aは、アクチュエータ13の運動がクランク17によって回転運動に変換され、回転連結部材18の軸部18a(図3参照)に伝達される。連動機構22は、その他のリフト機構9(9B,9C,9D)の回転連結部材18の軸部18aに同様の回転力を与えてリフト機構9を連動させる機構である。
連動機構22は、4つの第1連結部材30と、4つのアーム部材31と、4つの第2連結部材32と、ひとつのコントロールシャフト33と、を備えている。第1連結部材30は、一端側が回転連結部材18の軸部18aに固定され、他端側がアーム部材31の一端側に揺動可能に連結される。アーム部材31の他端側は、第2連結部材32の一端側に揺動可能に連結され、他端側がコントロールシャフト33に固定される。コントロールシャフト33は、ロッカーアーム16の上方、且つ、その軸線がロッカーシャフト14の軸線と平行となるようにロッカーサポート24に形成されたブラケット34によって回転可能に軸受される。
連動機構22は、アクチュエータ13に最も近いリフト機構9Aの回転連結部材18から第1連結部材30に動力が伝達されると、第1連結部材30からアーム部材31、アーム部材31から第2連結部材32、第2連結部材32からコントロールシャフト33へ動力が伝達する。同時に、連動機構22は、その他のリフト機構9(9B,9C,9D)の回転連結部材18へ動力を伝達すべく、動力がコントロールシャフト33から第2連結部材32に動力が伝達されると、第2連結部材32からアーム部材31、アーム部材31から第1連結部材30、第1連結部材30からその他のリフト機構9(9B,9C,9D)の回転連結部材18へ動力が伝達される。
(本発明に係るデコンプレッション機構の作動)
本発明に係るデコンプレッション機構8の作動を説明する。まず、排気バルブ15を微小量開けた状態に保持する作動を説明する。ECUは、キーオフの電気信号を受けると、アクチュエータ13に対してロッド13aを所定量動かす電気信号を送る。所定量とは、リフト部材21を回転させ、ロッカーアーム16の拡張部16aの下面16a1に対向する部分を平面部21cからリフト部21dへ移動させる量のことをいう。
以下、ロッカーシャフト14の長手方向に沿って4つ配設されたリフト機構9(9A,9B,9C,9D)のうち、アクチュエータ13に最も近いリフト機構9Aで詳細に説明する。
図2、図3に示すとおり、アクチュエータ13のロッド13aの動きは、クランク17により回転運動に変換される。そして、その回転運動は、回転連結部材18の軸部18aへと伝達される。回転連結部材18が回転されると、回転力がトーションスプリング20と第1連結部材30に伝達される。
トーションスプリング20は、他端がリフト部材21の外周面であるリフト部21dに固定されており、リフト部材21へ回転力を伝達する。この際、排気バルブ15が閉じている場合、すなわち、ロッカーアーム16が通常状態である場合は、図5(B)で示すとおり、リフト部材21が回転すると、リフト部材21の平面部21cがロッカーアーム16の拡張部16aにおける下面16a1に当接し、リフト部材21がこれ以上回転することができなくなる。この場合、回転連結部材18の回転力は、トーションスプリング20に蓄えられる。
ここで、エンジン11は、既に停止されているが、慣性により運動をしばらく継続する。そして、エンジン11が排気工程になって、ロッカーアーム16の基端側がプッシュロッド25によって押し上げられると、トーションスプリング20に蓄えられたエネルギーによって、リフト部材21は、図5(C)で示すとおり、リフト部21dがロッカーアーム16の拡張部16aにおける下面16a1と対向する位置まで回転する。そうすると、ロッカーアーム16は、通常状態まで戻れず、先端が排気バルブ15を微小量押し下げた状態、すなわち、排気バルブ15を微小量開けた状態に保持する。
以下、ロッカーシャフト14の長手方向に沿って4つ配設されたリフト機構9(9A,9B,9C,9D)のうち、他の3つのリフト機構(9B,9C,9D)を説明する。他の3つのリフト機構(9B,9C,9D)は、先に述べた連動機構22によって、アクチュエータ13に最も近いリフト機構9Aと連動され、他の3つのリフト機構(9B,9C,9D)も回転連結部材18の軸部18aへ同じ大きさの回転力が与えられ同様に作動する。すなわち、リフト部材21は、トーションスプリング20からリフト部21dが上を向くような回転力が伝達される。
先ほどと同様に、エンジン11が排気工程以外であれば、リフト部材21は回転できずトーションスプリング20に回転力が蓄えられる。そして、リフト部材21は、エンジン11が排気工程になった際(ロッカーアーム16の基端側がプッシュロッド25によって押し上げられた際)に、トーションスプリング20に蓄えられた回転力によって、リフト部21dが上を向くように平面部21cから回転する。そうすると、リフト部材21のリフト部21dは、ロッカーアーム16の拡張部16aにおける下面16a1と対向し、当接する。よって、ロッカーアーム16は、通常状態まで戻れず、先端が排気バルブ15を微小量押し下げた状態、すなわち、排気バルブ15を微小量開けた状態に保持する。エンジン11の停止中は、この状態が継続される。
次に、デコンプレッション機構8を解除させ、排気バルブ15を微小量開けた状態から排気バルブ15を閉じる作動を説明する。エンジン11が起動され、スタータによってエンジン11が回され、エンジン回転数が所定回転数、例えば、100〜500回転を超えると、ECUは、アクチュエータ13に対してロッド13aを所定量動かす電気信号を送る。所定量とは、リフト部材21を回転させ、ロッカーアーム16の拡張部16aの下面16a1に対向する部分をリフト部21dから平面部21cに移動させる量のことをいう。
ロッド13aが所定量動かされると、クランク17等を介し、回転力がアクチュエータ13に最も近いリフト機構9Aの回転連結部材18へ伝達される。そして、回転連結部材18が回転されると、回転力は、第1連結部材30とトーションスプリング20に伝達される。第1連結部材30に伝達された回転力は、連動機構22により他のリフト機構9の回転連結部材18に伝達される。エンジン11が排気工程以外であれば、リフト部材21は、ロッカーアーム16の拡張部16aにおける下面16a1によって固定され回転することができない。従って、トーションスプリング20に伝達された回転力は、リフト部材21を回転させる回転力としてトーションスプリング20に蓄えられる。
そして、エンジン11が排気工程になった際(ロッカーアーム16の基端側がプッシュロッド25によって押し上げられた際)に、リフト部材21は、トーションスプリング20に蓄えられた回転力によって、上を向くのが平面部21cであるようにリフト部21dから回転する。そうすると、リフト部材21の平面部21cは、ロッカーアーム16の拡張部16aにおける下面16a1と対向する。よって、リフト部材21によるロッカーアーム16の基端側のリフトが解除され、排気バルブ15は閉じられる。他のリフト機構(9B,9C.9D)も連動機構に22によって連動され同様の作動を行う。
(本発明に係るデコンプレッション機構の効果)
本発明に係るデコンプレッション機構8によれば、リフト部材21のリフト部21dがロッカーアーム16の基端側を微小リフトする構成となっている。このため、本発明は、従来技術のロッカーアーム16の基端部と背板との間に駒を挿入する構成と比較し、駒の引っ掛かりによる作動不良の虞がなく、安定してデコンプレッション機構8を作動させることができる。
なお、本発明のデコンププレッショッン機構は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、排気バルブ15を微小量開けた状態に保持する構成で説明したがこれに限定されるものではない。例えば、吸気バルブでも良いし、排気バルブ15と吸気バルブの両方でも良い。
また、クランク17によって変換された回転力が回転連結部材18に伝達され、回転連結部材18からトーションスプリング20を介してリフト部材21に回転力が伝達される構成で説明したがこれに限定されるものではない。例えば、回転連結部材18を省き、リフト部材21の軸部を延ばし、リフト部材21の軸部に、クランク17によって変換された回転力が伝達されるようにしても良い。この場合、第1連結部材30は、リフト部材21の軸部に固定され、トーションスプリング20は、第1連結部材30に固定される。
8 デコンプレッション機構
9 リフト機構
13 アクチュエータ(動力装置)
14 ロッカーシャフト
15 排気バルブ
16 ロッカーアーム
20 トーションスプリング(弾性部材)
21 リフト部材
21c 平面部(他の外縁部分)
21d リフト部
22 連動機構
27 シリンダ
まず、動力機構10を説明する。動力機構10は、アクチュエータ13(動力装置)と、クランク17(運動変換部材)と、を備えている。アクチュエータ13は、例えば、空圧シリンダで、図示しないEUからの電気的な信号によってロッド13aの進退運動が制御できるようになっている。アクチュエータ13は、例えば、出力が12[N]で、ロッド13aのストロークが10[mm]程度の小型のものが用いられる。
また、EUとは、エンジンコントロールユニットであり、エンジン11の運転における制御を電子制御された補助装置を用いて行う際に、それらを総合的に制御するマイクロコントローラである。クランク17は、ロッド13aの伸縮運動を回転運動に変換する部材である。

Claims (2)

  1. 作動時にバルブを開けてシリンダの圧縮を解放するデコンプレッション機構であって、
    基端側を押し上げると先端側が前記バルブを押し下げて開くよう揺動可能に支持されたロッカーアームと、
    前記ロッカーアームの基端側の下方に回転可能に支持され、回転中心から外縁までの距離が他の外縁部分の距離よりも大きいリフト部を有し、前記リフト部が前記ロッカーアームの基端側の下方に回転されて位置すると前記ロッカーアームの基端側を押し上げた状態で保持するリフト部材と、
    前記ロッカーアームの基端側が押し上げられたときに回転力が与えられていると前記リフト部材に対して回転力を伝達し、前記ロッカーアームの基端側が押し上げられていないときに回転力が与えられると前記リフト部材に対して回転させる力を蓄える弾性部材と、
    前記作動時に前記リフト部材のリフト部が前記ロッカーアームの基端側を押し上げる位置に前記他の部分から回転させる回転力を前記弾性部材に与え、解除時に前記リフト部材のリフト部が前記ロッカーアームの基端側から外れる回転力を前記弾性部材に与える動力装置と、を備えたことを特徴とするデコンプレッション機構。
  2. 前記ロッカーアームと、前記リフト部材と、前記弾性部材と、で前記バルブを微小解放状態に保持するリフト機構を構成し、
    前記リフト機構は、前記ロッカーアームを揺動可能に支持するロッカーシャフトの軸線方向に沿って複数配設され、
    複数の前記リフト機構を連動させる連動機構を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のデコンプレッション機構。
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CN111749748A (zh) * 2019-03-27 2020-10-09 本田技研工业株式会社 内燃机
CN111749748B (zh) * 2019-03-27 2022-03-29 本田技研工业株式会社 内燃机

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