JP2014091549A - 搬送容器の壁構造及び搬送容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の搬送容器99の壁構造によれば、閉塞壁81の下面に対して蓋枠壁91の内側面94Sを交差した配置にしたので、先に蓋枠壁91を二色成形金型10の第1キャビティ38内で成形してからスライドコア32をコアバックして第2キャビティ39を形成したときに、蓋枠壁91の熱収縮によって二色成形金型10の成形面と蓋枠壁91の内側面94Sとの間に生じる第1隙間S1が第2キャビティ39内の成形空間と連通した状態になる。これにより、閉塞壁81と一体に結合補強フィン82が第1隙間S1内で成形され、その結合補強フィン82によって、蓋枠壁91と閉塞壁81との結合面積が広くなり、蓋枠壁91と閉塞壁81とを高い強度で結合させることができる。
【選択図】図7
Description
請求項1の搬送容器の壁構造によれば、閉塞壁の内外の一方の面に対して交差する壁交差面が容器構成壁に設けられている。これにより、先に容器構成壁を二色成形金型内で成形し、次いで、二色成形金型をコアバックして閉塞壁用の成形空間を形成したときには、容器構成壁の熱収縮によって二色成形金型の成形面と壁交差面との間に生じる隙間が成形空間に連通した状態になる。その状態で溶融樹脂を成形空間に射出すれば、その成形空間から隙間へと溶融樹脂が流れ込み、閉塞壁と一体に結合補強フィンが隙間内で成形される。そして、この結合補強フィンによって、容器構成壁と閉塞壁との結合面積が広くなり、容器構成壁と閉塞壁とを高い強度で結合させることができる。
請求項2の搬送容器の壁構造では、容器構成壁における壁貫通孔の開口縁に開口縁凹部を形成し、閉塞壁の外縁部が開口縁凹部に嵌合した状態に成形されているので、閉塞壁が開口縁凹部の段差面と底面の両方で結合されて、結合面積が広くなる。その上、閉塞壁と一体になった結合補強フィンが、容器構成壁の壁貫通孔の内側面に結合するので、容器構成壁と閉塞壁との結合強度が高くなる。
請求項3の搬送容器の壁構造では、壁交差面のうち閉塞壁から離れた側の縁部に第1湾曲面を設けたので、その壁部の壁交差面側を結合補強フィンが巻き込むように覆った状態になり、容器構成壁と閉塞壁との結合強度が高くなる。
請求項4の搬送容器の壁構造によれば、二色成形金型に第1湾曲面を成形するための湾曲成形面を設けておくだけで、その湾曲成形面によって、容器構成壁の第1湾曲面と、結合補強フィンの第2湾曲面との両方を成形することができる。
請求項5の搬送容器の製造方法では、容器構成壁の成形後に、二色成形金型をコアバックして閉塞壁を成形するための成形空間を形成し、容器構成壁の熱収縮によって二色成形金型の成形面と容器構成壁との間に生じる隙間を成形空間に連通させて、溶融樹脂を成形空間から隙間へと流し込んで閉塞壁と一体になった結合補強フィンを隙間内で成形する。この結合補強フィンによって、容器構成壁と閉塞壁との結合面積が広くなり、容器構成壁と閉塞壁とを高い強度で結合させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1に示した搬送容器99の上面壁は蓋体90になっていて、その蓋体90は、本発明の「容器構成壁」に相当する蓋枠壁91と、その蓋枠壁91の枠孔94(本発明の「壁貫通孔」に相当する)を閉塞した閉塞壁81とからなる。そして、この蓋体90に本発明に係る「搬送容器の壁構造」が適用されている。また、蓋枠壁91は、例えば不透明な第1樹脂(例えば、ブロックPP)で構成される一方、閉塞壁81は、例えば透明な第2樹脂(例えば、ランダムPP)で構成され、これら蓋枠壁91と閉塞壁81とを二色成形して蓋体90が製造される。そして、この蓋体90の製造方法に本発明に係る「搬送機器の製造方法」が適用され、別途製造した容器本体98の上面に蓋体90が取り付けられて搬送容器99になる。
本実施形態は、図8に示されており、二色成形金型10Vの固定型11Vにおける環状凹部13Vの構造が第1実施形態と異なる。即ち、図8(A)に示すように、本実施形態では、環状凹部13Vにおける枠孔94の内側面94Sを成形する面と、支持壁93の下面を成形する面とが交差する角部が、湾曲した湾曲成形面13Rになっている。そして、その湾曲成形面13Rによって、支持壁93に第1湾曲面94Rが成形される。また、支持壁93が熱収縮して上記第1隙間S1が生じ(図8(B)参照)、その第1隙間S1内で成形される結合補強フィン82Vによって、蓋枠壁91Vの内側面94S及び第1湾曲面94Rとが覆われると共に、結合補強フィン82Vにも環状凹部13Vの湾曲成形面13Rによって第2湾曲面82Rが成形される(図8(C)参照)。
図9(C)に示すように、本実施形態の蓋体90Wは、天井板部91Cに前記した第1実施形態の開口縁凹部92を備えず、天井板部91Cの下面における枠孔94の開口縁に開口縁突部97が突出形成された構造になっている。そして、枠孔94の内側面94Sが、天井板部91Cから開口縁突部97まで連続して形成されている。また、開口縁突部97のうち内側面94Sと反対側は、傾斜面97Dになっていて、開口縁突部97の下端部には、枠孔94の内側面94Sと開口縁突部97の傾斜面97Dとを連絡するように第1湾曲面97Rが形成されている。また、閉塞壁81Wは、天井板部91Cと略同一の厚さをなしている。本実施形態では、開口縁突部97における内側面94Sが、本発明に係る「壁交差面」をなして、閉塞壁81Wの下面に直交した状態に配置されている。そして、閉塞壁81Wの下面から突出した結合補強フィン82Wが開口縁突部97の内側面94S及び第1湾曲面97Rを覆っている。
本実施形態は、図10に示されており、二色成形金型10Xにおけるスライドコア32のコアバック量を第3実施形態に比べて少なくして、閉塞壁81Xを薄くした点が異なる。この構成によれば、閉塞壁81Xは、下方に突出した結合補強フィン82Wと、上方に突出した結合補強フィン82Xとを備えて、それらが蓋枠壁91Wに結合し、蓋枠壁91Wと閉塞壁81Xとを高い強度で結合させることができる。
図11(C)に示すように、本実施形態の蓋体90Yは、支持壁93Y及び結合補強フィン82Yの構造が第1実施形態と異なる。即ち、支持壁93Yは、枠孔94側が鋭角に尖っていて、枠孔94側の斜め下方を向いた内側傾斜面93Cを有している。本実施形態では、支持壁93Yの内側傾斜面93Cが、本発明に係る「壁交差面」をなして、閉塞壁81Yの下面に対して斜めに交差した状態に配置されている。そして、閉塞壁81Yの下面から斜め下方に突出した結合補強フィン82Yが、支持壁93Yの内側傾斜面93C及びその下端部の傾斜段差面93Dを覆っている。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
13R,14R 湾曲成形面
81,81V〜81Y 閉塞壁
82,82V〜82Y 結合補強フィン
82R 第2湾曲面
90,90W,90Y 蓋体
91,91V,91W,91Y 蓋枠壁(容器構成壁)
92 開口縁凹部
93,93Y 支持壁
93C 内側傾斜面(壁交差面)
94 枠孔(壁貫通孔)
94R,97R 第1湾曲面
94S 内側面(壁交差面)
97 開口縁突部
99 搬送容器
S1 第1隙間(隙間)
S3 第3隙間(隙間)
S4 第4隙間(隙間)
Claims (5)
- 搬送容器の側面、下面又は上面の何れかの容器構成壁に備えた壁貫通孔を閉塞壁で閉塞した状態に前記容器構成壁と前記閉塞壁とを二色成形金型にて二色成形してなる搬送容器の壁構造において、
前記容器構成壁に設けられ、前記閉塞壁の内外の一方の面に対して交差した壁交差面と、
前記閉塞壁に一体に設けられ、前記容器構成壁の熱収縮によって生じる前記二色成形金型の成形面と前記壁交差面との間の隙間で成形された結合補強フィンとを備えたことを特徴とする搬送容器の壁構造。 - 前記容器構成壁における前記壁貫通孔の開口縁を陥没させて開口縁凹部を形成し、前記閉塞壁の外縁部が前記開口縁凹部に嵌合した状態に成形されると共に、前記壁交差面としての前記壁貫通孔の内側面を前記結合補強フィンにて覆ったことを特徴とする請求項1に記載の搬送容器の壁構造。
- 前記壁交差面のうち前記閉塞壁から離れた側の縁部を湾曲させて第1湾曲面とし、その第1湾曲面を前記結合補強フィンにて覆ったことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送容器の壁構造。
- 前記結合補強フィンのうち前記第1湾曲面との接合面の裏側を、前記第1湾曲面に沿って湾曲した第2湾曲面にしたことを特徴とする請求項3に記載の搬送容器の壁構造。
- 搬送容器の側面、下面又は上面の何れかの容器構成壁が有する壁貫通孔を閉塞壁で閉塞した状態に前記容器構成壁と前記閉塞壁とを二色成形金型にて二色成形する搬送容器の製造方法において、
前記容器構成壁の成形後に、前記二色成形金型をコアバックして前記閉塞壁を成形するための成形空間を形成し、前記容器構成壁の熱収縮によって前記二色成形金型の成形面と前記容器構成壁との間に生じる隙間を前記成形空間に連通させ、溶融樹脂を前記成形空間から前記隙間へと流し込んで、前記閉塞壁と一体になった結合補強フィンを前記隙間内で成形することを特徴とする搬送容器の製造方法。
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