JP2014091202A - レンズ加工システム、加工サイズ管理装置、加工サイズ管理方法および眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

レンズ加工システム、加工サイズ管理装置、加工サイズ管理方法および眼鏡レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の加工機が存在する場合に、各加工機に対する加工のサイズ調整の手間を簡略化する。
【解決手段】眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機10と、これらに接続されて用いられる加工サイズ管理装置30と、を備えるレンズ加工システムにおいて、前記加工サイズ管理装置30には、前記加工機10の機種毎に、レンズ素材の種類および加工ツールの種類と関連付けて、当該加工機10における加工特性に関する情報を記憶保持する記憶手段33を設ける。前記記憶手段33が記憶保持する情報は、前記複数の加工機10のうちの少なくとも一つで得られた情報であり、前記少なくとも一つと同機種の加工機10は、当該加工機10にて加工を行う際に、前記記憶手段33が記憶保持する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正する補正手段12を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼鏡レンズの玉型加工のために用いられるレンズ加工システム、加工サイズ管理装置、加工サイズ管理方法および眼鏡レンズの製造方法に関する。
眼鏡レンズの玉型加工を行う加工機は、複数種類のレンズ素材を加工対象とするとともに、加工対象となるレンズ素材に対して複数種類の加工ツールを選択的に用いて、当該玉型加工を行うものが一般的である。そして、この種の加工機では、玉型加工を行う前の事前処理として、加工のサイズ調整が行われる。加工のサイズ調整は、玉型加工後における眼鏡レンズの実サイズと所望サイズとの誤差分を許容範囲内(例えば眼鏡レンズの眼鏡フレームへの枠入れが問題なく行えるように予め規定された許容値以下)に収めるべく、装置導入時やツール交換時等の所定段階にて、加工対象となる各種レンズ素材およびその加工に用いる各種加工ツールのそれぞれについて行われるものである。具体的には、加工のサイズ調整として、例えばレンズ素材の回転軸と加工ツールの回転軸との間の軸間距離調整が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特許第4772342号公報
しかしながら、従来は、上述したような加工のサイズ調整を行う場合、加工機が用いる加工ツール毎に、加工対象となる全種のレンズ素材に対して、それぞれ個別に当該サイズ調整を行う必要があった。そのため、例えば眼鏡レンズの加工センター内に複数の加工機を備えたレンズ加工システムを構築する場合には、複数の加工機のそれぞれについてサイズ調整を行う必要があり、当該サイズ調整に多くの時間を要してしまう。このことから、特に複数の加工機が存在する場合には、各加工機でのサイズ調整のための手間の簡略化が強く求められている。
本発明は、複数の加工機が存在する場合に、各加工機に対する加工のサイズ調整の手間を簡略化することができるレンズ加工システム、加工サイズ管理装置、加工サイズ管理方法および眼鏡レンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の第1の態様は、眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機と、前記複数の加工機に接続されて用いられる加工サイズ管理装置と、を備えるレンズ加工システムであって、前記加工サイズ管理装置は、前記加工機の機種毎に、当該加工機が加工対象とするレンズ素材の種類および当該加工機が用いる加工ツールの種類と関連付けて、当該加工機にて前記加工ツールを用いて前記レンズ素材を加工したときの加工特性に関する情報を記憶保持する記憶手段を備えており、前記記憶手段が記憶保持する情報は、前記複数の加工機のうちの少なくとも一つの加工機で得られた当該加工機の加工特性に関する情報であり、前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機と同機種の加工機は、当該加工機にて前記レンズ素材に対し前記加工ツールを用いて加工を行う際に、前記記憶手段が記憶保持する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正する補正手段を備えていることを特徴とするレンズ加工システムである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機以外の当該加工機と同機種の加工機は、基準とすべく予め定められた少なくとも1種の前記レンズ素材につき、前記加工ツールの種類毎に玉型加工後における眼鏡レンズの所望サイズと実サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるための加工サイズ調整を行った上で、前記補正手段が、前記基準となる少なくとも1種以外の前記レンズ素材について加工を行う際に、前記加工パラメータの補正を行うように構成されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機に接続されて用いられる加工サイズ管理装置であって、前記加工機の機種毎に、当該加工機が加工対象とするレンズ素材の種類および当該加工機が用いる加工ツールの種類と関連付けて、当該加工機にて前記加工ツールを用いて前記レンズ素材を加工したときの加工特性に関する情報を記憶保持する記憶手段と、前記記憶手段に記憶保持させる情報として、前記複数の加工機のうちの少なくとも一つの加工機における加工特性に関する情報を取得する取得手段と、前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機と同機種の加工機に対して、当該加工機にて前記レンズ素材に対し前記加工ツールを用いて加工を行う際に、前記記憶手段が記憶保持する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正させる管理手段と、を備えることを特徴とする加工サイズ管理装置である。
本発明の第4の態様は、眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機における加工サイズを管理する加工サイズ管理方法であって、前記複数の加工機のうちの少なくとも一つの加工機にて、当該加工機が加工対象とするレンズ素材の全種類および当該加工機が用いる加工ツールの全種類のそれぞれにつき、当該加工ツールを用いて当該レンズ素材を加工したときの加工特性に関する情報を取得する工程と、前記少なくとも一つの加工機で取得した加工特性に関する情報を、当該加工機の機種、前記レンズ素材の種類および前記加工ツールの種類と関連付けて記憶保持する工程と、前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機と同機種の加工機にて、前記レンズ素材に対し前記加工ツールを用いて加工を行う際に、既に記憶保持している加工特性に関する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正する工程と、を備えることを特徴とする加工サイズ管理方法である。
本発明の第5の態様は、第4の態様に記載の加工サイズ管理方法により加工サイズが管理される前記加工機を用いた玉型加工によって眼鏡レンズを形成することを特徴とする眼鏡レンズの製造方法である。
本発明によれば、複数の加工機が存在する場合に、各加工機に対する加工のサイズ調整の手間を簡略化することができる。
本発明の実施形態におけるレンズ加工システム全体の概略構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態のレンズ加工システムにおいて、サーバ装置のデータベース部が記憶保持する、加工機の加工特性に関する情報の一具体例を示す説明図である。 本発明の実施形態のレンズ加工システムにおいて、クライアント装置の補正管理プログラム部における管理手段が管理するサイズ管理テーブルの一具体例を示す説明図である。 本発明の実施形態における加工サイズ管理の手順の一具体例を示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態では、以下の順序で項分けをして説明を行う。
1.レンズ加工システム全体の概略構成
2.加工機の構成
3.加工サイズ管理装置の構成
4.加工サイズ管理の手順
5.眼鏡レンズの製造手順
6.本実施形態の効果
7.変形例等
<1.レンズ加工システム全体の概略構成>
先ず、本実施形態におけるレンズ加工システム全体の概略構成について説明する。
図1は、本実施形態におけるレンズ加工システム全体の概略構成例を示すブロック図である。
レンズ加工システムは、眼鏡レンズの玉型加工のために用いられるもので、例えば眼鏡レンズの加工センター内に構築されるものである。さらに詳しくは、レンズ加工システムは、眼鏡レンズの加工センター内に設置された複数の加工機10、三次元周長測定機20、管理装置30およびこれらの各装置間を接続する通信回線40を備えて構成されている。
このような構成のレンズ加工システムにおいて、複数の加工機10は、それぞれが眼鏡レンズの玉型加工を行うものである。なお、複数の加工機10は、異なる機種が混在していてもよい。
三次元周長測定機20は、玉型加工後の眼鏡レンズの周長を測定するものである。
管理装置30は、複数の加工機10に接続されて用いられる加工サイズ管理装置として機能するものであり、本実施形態ではサーバ装置31およびクライアント装置32から構成されている。これらサーバ装置31およびクライアント装置32は、いずれもコンピュータとしての機能を有したものであるが、サーバ装置31がシステム全体の動作を制御・管理するのに対して、クライアント装置32が各加工機10における動作を制御・管理する点で、それぞれは互いに相違する。クライアント装置32は、システム内に存在する加工機10の数と当該クライアント装置32が管理し得る加工機10の数とを考慮して、システム内に複数設けられていてもよい。なお、本実施形態では、サーバ装置31とクライアント装置32が別装置として設けられている場合を例に挙げているが、これらは一つの装置として一体に設けられていても構わない。
<2.加工機の構成>
次に、レンズ加工システムにおける加工機10について、さらに詳しく説明する。
加工機10は、上述したように、眼鏡レンズの玉型加工を行うものである。玉型加工は、所定外形形状を有したアンカットレンズに対して行う。玉型加工を行うと、アンカットレンズの周縁は、眼鏡フレームに枠入れ可能な形状に加工される。このような玉型加工を、加工機10は、複数種類の加工ツールを選択的に用いて行う。ここでいう加工ツールとは、アンカットレンズの周縁に対する切削・研削ツールのことであり、具体的にはヤゲンツール、平ツール、ヤゲンポリッシュツール、平ポリッシュツール等の各種類が挙げられる。
玉型加工を行う対象となるアンカットレンズのレンズ素材には、複数種類のものが存在する。したがって、加工機10は、複数種類のレンズ素材を加工対象とする必要が生じ得る。
ただし、加工対象となり得るレンズ素材は、その種類によって加工性(例えば切削性の良し悪し)に違いが生じていることがある。このことから、加工機10は、加工性の違いに対応すべく、いくつかの加工モードを用意しており、加工モードの切り替えによって装置側の加工条件(例えばツール駆動速度)を可変させるように構成されている。
ただし、加工対象となるレンズ素材の種類数と加工機10における加工モード数は、必ずしも一致している必要はなく、本実施形態では加工モード数よりも多種のレンズ素材が加工対象として想定されるものとする。
また、加工機10は、玉型加工の事前処理として、加工サイズ調整に対応し得るように構成されている。そのために、加工機10は、調整手段11としての機能を備えている。
調整手段11は、加工サイズ調整に対応するための機能である。加工サイズ調整は、玉型加工後における眼鏡レンズの実サイズと所望サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるべく、装置導入時やツール交換時等の所定段階にて、加工機10のオペレータや保守員等によって行われる。具体的には、加工サイズ調整として、例えば所定レンズを実際に加工して、その加工後の実サイズを測定した後に、実サイズと所望サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるべく、当該誤差分を解消するような加工条件を予め加工機10に設定しておくことが考えられる。さらに詳しくは、誤差分を解消する加工条件として、例えばレンズ回転軸と加工ツール回転軸との軸間距離や加工ツールのツール径(オフセット量)等といった加工パラメータについて、誤差分を解消するための補正値を、加工機10の側に予め設定しておくのである。このような加工サイズ調整は、公知技術(例えば、特許文献1参照)を利用して行うものであればよく、その一具体例としては加工機10の図示せぬ操作パネルから加工パラメータの補正値をオペレータ等が入力することによって行うことが考えられる。
また、加工機10は、玉型加工に際しての処理として、加工パラメータ補正に対応し得るように構成されている。そのために、加工機10は、補正手段12としての機能を備えている。
補正手段12は、加工パラメータ補正に対応するための機能である。加工パラメータ補正は、上述した加工サイズ調整と同様に、玉型加工後における眼鏡レンズの実サイズと所望サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるべく、当該誤差分を解消するためのものである。ただし、加工パラメータ補正は、加工機10での玉型加工に際して行われるもの、すなわち加工機10の運用段階で行われるものである点で、玉型加工の事前処理として加工機10の準備段階で行われる加工サイズ調整とは異なる。また、加工パラメータ補正は、加工サイズ調整のように加工機10のオペレータ等によって行われるのではなく、加工機10が接続するクライアント装置32からの情報に基づいて行われる。具体的には、加工ツールのツール径等といった加工パラメータについて、誤差分を解消するための補正値がクライアント装置32から通知されると、その通知された補正値を反映させた加工量を決定した上で、玉型加工を行うことになる。このような補正手段12としての機能は、クライアント装置32から通知される補正値を受け付け(場合によってはクライアント装置32に補正値を問い合わせ)、その補正値に基づいて加工機10の駆動制御を行うように、当該加工機10の制御プログラムを設定することによって実現が可能である。
なお、加工機10において、上述した内容以外の事項は、公知技術を利用して構成されたものであるため、ここではその説明を省略する。
<3.加工サイズ管理装置の構成>
次に、レンズ加工システムにおいて、加工サイズ管理装置として機能する管理装置30について、さらに詳しく説明する。
管理装置30は、上述したように、サーバ装置31およびクライアント装置32から構成されている。以下、これらについて順に説明する。
(サーバ装置の構成)
サーバ装置31は、レンズ加工システムの全体の動作を管理・制御するコンピュータからなり、レンズ加工システムで行われる玉型加工に関する情報を一元管理するものである。具体的には、サーバ装置31は、眼鏡店に設置された図示せぬ端末装置とインターネット等の広域ネットワーク網を介して接続しており、その端末装置からの眼鏡レンズの注文を受け付ける。そして、注文を受け付けると、その注文に応じたジョブに関する情報を管理するとともに、そのジョブに関する情報と関連付けて三次元周長測定機20で得られた玉型加工後の眼鏡レンズの周長測定結果を管理するようになっている。
また、サーバ装置31は、データベース部33を有しており、そのデータベース部33内に各種情報を記憶保持するように構成されている。データベース部33で記憶保持する各種情報としては、上述したようなシステム内で一元管理すべき情報(例えばジョブに関する情報やこれに関連する情報等)の他に、システム内の加工機10における加工特性に関する情報がある。つまり、データベース部33は、加工機10における加工特性に関する情報を記憶保持する記憶手段として機能するものである。
加工機10における加工特性に関する情報は、加工機10にて加工ツールを用いてレンズ素材を加工したときに、加工機10毎にどのような加工特性を有しているかを特定するための情報である。具体的には、加工特性に関する情報の例として、外部から指示された加工サイズに対して加工後の実サイズがどの程度になるかを特定する情報、すなわち所望サイズと加工後の実サイズとの誤差分を特定する情報が挙げられる。
ここで、データベース部33が記憶保持する加工特性に関する情報について、具体例を挙げてさらに詳しく説明する。
図2は、本実施形態のデータベース部33が記憶保持する加工特性に関する情報の一具体例を示す説明図である。
図例のように、加工特性に関する情報は、加工機10が加工対象とするレンズ素材の種類および当該加工機10が用いる加工ツールの種類と関連付けて記憶保持される。すなわち、加工特性に関する情報は、例えばヤゲンツール(図2(a)参照)、平ツール(図2(b)参照)、ヤゲンポリッシュツール(図2(c)参照)、平ポリッシュツール(図2(d)参照)といった加工ツールの種類別、かつ、例えばマテリアルA〜マテリアルIといった加工対象となるレンズ素材の種類毎に、データベース部33内に記憶保持されている。なお、レンズ素材の種類のそれぞれに対しては、当該レンズ素材を加工する際に用いられる加工機10の加工モード(例えばモードA〜モードD)が対応付けられている。
加工特性に関する情報の具体的な内容としては、予め設定された基準となる外形形状(以下「基準形状」という)を平レンズで実現した場合における理論上のレンズ周長の値(以下「周長基準値」という)、所定度数レンズ(例えば、度数ゼロレンズ(Plano)、S+4.00レンズ、S-7.00レンズのそれぞれ)を基準形状に加工した場合における実際のレンズ周長の値(以下「実測周長」という)、複数レンズの実測周長の平均値、および、周長基準値と実測周長の平均値との周長差をレンズ半径方向の値に換算したもの(以下「周長差の半径変換値」という)を、互いに関連付けたものが例示できる。
さらに、加工特性に関する情報の具体的な内容としては、上述した内容に加えて、装置側補正値と、パラメータ補正値とが挙げられる。これら装置側補正値とパラメータ補正値は、いずれも、加工後レンズの実サイズと所望サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるために用いられるものである。ただし、装置側補正値とパラメータ補正値は、装置側補正値が加工機10の側に設定されて用いられるのに対して、パラメータ補正値がクライアント装置32から加工機10に通知されるものである点で、それぞれが互いに相違する。また、装置側補正値が加工サイズ調整に用いられるものであるのに対して、パラメータ補正値が加工パラメータ補正に用いられるものである点でも、それぞれが互いに相違する。なお、装置側補正値とパラメータ補正値は、「周長差の半径変換値」=「装置側補正値」+「パラメータ補正値」の関係にある。
以上のような加工特性に関する情報は、システム内に複数機種の加工機10が混在している場合には、当該加工機10の機種毎に個別に、データベース部33内に記憶保持される。
このようなデータベース部33内の加工特性に関する情報は、システム内における複数の加工機10のうちの少なくとも一つにおいて、所定度数レンズを基準形状に実際に加工して得られたものである。実際に加工を行う少なくとも一つの加工機10は、システム内に単一機種のみが存在する場合は一つだけでよいが、システム内に複数機種が混在している場合には、その機種数の分が必要となる。
(クライアント装置)
クライアント装置32は、サーバ装置31による管理・制御に従いつつ、システム内の各加工機10における動作を制御・管理するコンピュータからなる。具体的には、クライアント装置32は、サーバ装置31が管理するジョブに関する情報を当該サーバ装置31から受け取り、これをそのジョブ(すなわち眼鏡レンズの玉型加工)を実行する加工機10へ通知することで、その加工機10におけるジョブ処理動作を制御するようになっている。また、クライアント装置32は、ジョブの処理に先立ち、システム内の少なくとも一つの加工機10で得られる加工特性に関する情報について、その取得を行うとともに、取得した情報をサーバ装置31へ送信して当該サーバ装置31での記憶保持を依頼するようになっている。
このような処理を行うために、クライアント装置32は、制御プログラム部34と、補正管理プログラム部35とを有して構成されている。
制御プログラム部34は、加工機10に実行させるジョブの管理・制御を行うためのものである。すなわち、制御プログラム部34は、サーバ装置31からのジョブに関する情報の受け取り、ジョブを実行する加工機10への情報通知(ジョブの実行指示)等を行う機能を有している。なお、これらの機能は、公知技術を利用して実現すればよく、ここではその詳細な説明を省略する。
補正管理プログラム部35は、従来システムには無かったものであり、サーバ装置31のデータベース部33内の記憶保持情報に基づき、加工機10がジョブを実行する際の加工パラメータ補正を当該加工機10に通知するものである。このような処理を行うために、補正管理プログラム部35は、取得手段36および管理手段37としての機能を有して構成されている。
取得手段36は、システム内の少なくとも一つの加工機10で得られた加工特性に関する情報を取得して、その取得した情報をサーバ装置31へ送信して当該サーバ装置31のデータベース部33内に記憶保持させる機能である。加工特性に関する情報の取得は、公知技術を利用して行うようにすればよい。一具体例としては、例えば、クライアント装置32が備えるディスプレイ等の表示装置とキーボード等の入力装置を用いて、情報入力を促すGUI(Graphical User Interface)画面を表示装置で表示しつつ、オペレータ等に各種情報を入力装置から入力させることで、加工特性に関する情報の取得を行うことが考えられる。また、他の具体例としては、例えば、少なくとも一つの加工機10の操作パネル等でオペレータ等に入力された各種情報を、その加工機10からクライアント装置32が受け取ることで、当該クライアント装置32が加工特性に関する情報の取得を行うようにすることも考えられる。
管理手段37は、制御プログラム部34が加工機10に対してジョブの実行を指示し、その指示に応じて加工機10がジョブを実行する際に、その加工機10における加工パラメータ補正を管理するための機能である。加工パラメータ補正の管理は、加工機10毎のサイズ管理テーブルを用いて行う。つまり、管理手段37は、加工機10毎のサイズ管理テーブルを作成し、その作成したサイズ管理テーブルを用いつつ、サイズ管理テーブル上で管理されている補正値を加工機10に通知することで、その加工機10毎に個別に加工パラメータ補正を行わせるのである。
図3は、本実施形態の補正管理プログラム部35における管理手段37が管理するサイズ管理テーブルの一具体例を示す説明図である。
図例にように、サイズ管理テーブルは、加工機10毎に作成されるもので、その加工機10が加工対象とするレンズ素材の種類(マテリアルA,マテリアルB,・・・)と、その加工機10が用いる加工ツールの種類(ヤゲンツール,平ツール,・・・)と、それぞれの組み合わせにおいて必要となる加工パラメータ補正のための補正値H11,H12・・・とについて、これらを互いに関連付けて管理(記憶保持)するものである。なお、サイズ管理テーブルにおける補正値H11,H12・・・には、詳細を後述するように、データベース部33内から「パラメータ補正値」が読み出されて格納されることになる。
これら取得手段36および管理手段37としての機能を有する補正管理プログラム部35は、コンピュータであるクライアント装置32で実行されるソフトウエアプログラムによって実現することが考えられる。その場合に、ソフトウエアプログラムとしての補正管理プログラム部35は、クライアント装置32にインストールされて用いられる。ただし、必ずしもこれに限定されることはなく、補正管理プログラム部35は、クライアント装置32がアクセス可能であれば、サーバ装置31やシステム内の他のクライアント装置32に存在していてもよい。
<4.加工サイズ管理の手順>
次に、上述した構成のレンズ加工システムにおける加工サイズ管理の手順について説明する。
図4は、本実施形態における加工サイズ管理の手順の一具体例を示すフロー図である。
(1台目の加工機での処理)
本実施形態のレンズ加工システムにおいては、ある機種の1台目の加工機10の導入時に、先ず、その加工機10についての加工サイズ調整を行う(ステップ101、以下ステップを「S」と略す。)。加工サイズ調整は、当該加工機10の調整手段11としての機能を用いつつ、オペレータ等の作業によって行う。
具体的には、1台目の加工機10において、予め定められたレンズ素材(例えばマテリアルA)の未加工の平レンズに対し、その外形が所望サイズの基準形状となるような加工を行う。所望サイズの基準形状は、例えば周長が周長基準値となる平面視円形状とすることが考えられる。平面視円形状であれば、後述する実サイズの測定を容易に行えるからである。また、平レンズを加工対象とするのは、レンズカーブの影響を排除でき、高精度に外形加工および実サイズ測定を行い得るからである。
平レンズに対する外形加工は、1台目の加工機10が用いる加工ツールの種類毎に行う。したがって、1台目の加工機10が用いる加工ツールの全種類の数分だけ、外形加工後の平レンズが得られることになる。
そして、平レンズに対する外形加工を行った後は、その加工後の平レンズについて、その外周の周長の実サイズを測定する。サイズ測定は、システム内の三次元周長測定機20を用いて行うことが考えられるが、これに限定されることはなく、例えばオペレータ等がノギス等の測定機を用いて測定するようにしても構わない。
その後、オペレータ等は、所望サイズ(周長基準値)と実サイズとを比較し、その誤差分が許容範囲内に収まるようにすべく、1台目の加工機10に対する加工サイズ調整を行う。具体的には、所望サイズと実サイズとの誤差分を例えば半径換算値で算出した後に、オペレータ等が1台目の加工機10の操作パネルを操作して、算出した誤差分を解消するような加工パラメータ(例えば加工ツールのツール径)の補正値を、加工ツールの種類毎に、当該加工機10の側に予め設定しておく。このような処理は、1台目の加工機10が本来的に有している機能(公知機能)を利用して行えばよい。
これにより、1台目の加工機10では、それ以降、少なくとも予め定められたレンズ素材の平レンズについては、どの種類の加工ツールを用いた場合であっても、所望サイズと実サイズとの誤差分が許容範囲内に収まるような外形加工を行い得るようになる。すなわち、換言すると、後述する加工特性の把握を適切に行う準備が整うことになる。
このような加工サイズ調整を行った後は、続いて、1台目の加工機10において、当該加工機10における加工特性の把握を行う(S102)。加工特性の把握は、当該加工機10において、実際に未加工の所定度数レンズに対し、その外形が所望サイズの基準形状となるような加工を行い、その加工後の眼鏡レンズの実サイズを測定することによって行う。所望サイズの基準形状は、上述した平レンズの場合と同様である。また、実サイズの測定についても、上述した平レンズの場合と同様に、システム内の三次元周長測定機20を用いて行うことが考えられるが、これに限定されることはなく、ノギス等の測定機を用いて測定するようにしても構わない。
具体的には、未加工の所定度数レンズ(例えば、度数ゼロレンズ(Plano)、S+4.00レンズ、S-7.00レンズのそれぞれ)を用意し、1台目の加工機10において各所定度数レンズの外周を当該加工機10で実際に所望サイズの基準形状に加工し、その加工後におけるレンズ周長(すなわち加工後の各所定度数レンズの実サイズ)を測定する。
このようにして得られる測定結果を用いれば、当該測定結果の周長基準値に対する周長差(すなわち所望サイズと加工後の実サイズとの誤差分)を算出することができ、これにより1台目の加工機10がどのような加工特性を有しているかを特定することが可能となる。つまり、平レンズであれば所望サイズと実サイズとの誤差分が許容範囲内に収まるような外形加工を行い得るところ、同じ加工条件であっても所定度数レンズを加工対象とした場合にはどのような誤差分が生じてしまうのか、または誤差分が許容範囲内に収まるのか等について、当該所定度数レンズに対する加工特性として把握し得るようになる。
また、加工特性の把握は、1台目の加工機10において、当該加工機10で加工対象となるレンズ素材の全種類について行うとともに、当該加工機10が用いる加工ツールの全種類について行うものとする。したがって、これらの全種類についての加工特性の把握後は、レンズ素材の種類の違いまたは加工ツールの種類の違いが、1台目の加工機10における加工特性にどのような影響を及ぼすかについて認識し得るようになる。
以上のような手法による加工特性の把握を行うことで、1台目の加工機10における加工特性に関する情報(具体的には、例えば図2に示した情報を構成するそれぞれの数値)が特定されることになる。
なお、加工特性の把握は、上述したように、システム内における少なくとも一つの加工機10である1台目の加工機10において行うが、「少なくとも一つ」であるから同一機種の複数の加工機10のそれぞれにおいて行うことも考えられる。複数の加工機10のそれぞれで加工特性の把握を行う場合には、その把握結果についての高精度化や信頼性向上等が期待できる。ただし、加工特性の把握を行うための負担等を考慮すると、上述したように1台目の加工機10のみにおいて行うことが好ましい。
ここで、1台目の加工機10においては、必要に応じて、オペレータ等が、装置側補正値(例えば図2参照)を用いた加工サイズ調整を行う(S103)。ここでの加工サイズ調整は、加工ツールの各種類毎に、予め設定された基準となる種類のレンズ素材(例えばマテリアルA)に着目して行う。以下、このレンズ素材のことを「基準硝材」という。具体的には、先ず、オペレータ等が、基準硝材の所定度数レンズについて実測された周長差の半径換算値を把握する。例えば、加工ツールがヤゲンツールの場合(例えば図2(a)参照)には基準硝材についての周長差の半径換算値は「0.00」であり、加工ツールがヤゲンポリッシュツールの場合(例えば図2(c)参照)には基準硝材についての周長差の半径換算値は「0.01」である。そして、基準硝材についての周長差の半径換算値を把握したら、1台目の加工機10における調整手段11としての機能を用いつつ、オペレータ等の作業によって、把握した周長差の半径換算値を当該加工機10の装置側補正値として、加工ツールの各種類別に当該加工機10の側に予め設定しておく。以下、加工機10の側に設定された装置側補正値を「マシンオフセット値」という。これにより、例えば、ヤゲンツールについてはマシンオフセット値が「0.00」と設定され、または無設定となるが(例えば図2(a)参照)、ヤゲンポリッシュツールについてはマシンオフセット値が「0.01」と設定されることになる(例えば図2(c)参照)。なお、マシンオフセット値は、加工機10が複数の加工モード(例えばモードA〜モードD)に対応し得る場合であっても、全加工モードに共通の値が設定されるものとする。このような処理は、1台目の加工機10が本来的に有している機能(公知機能)を利用して行えばよい。
このような加工サイズ調整を行うことで、1台目の加工機10では、それ以降、少なくとも基準硝材については、どの種類の加工ツールを用いた場合であっても、所望サイズと実サイズとの誤差分が許容範囲内に収まるような外形加工を行い得るようになる。すなわち、換言すると、少なくとも基準硝材については、どの種類の加工ツールを用いた場合についても、加工特性を均質化(標準化)することができる。
(加工サイズ管理装置での処理)
その後は、クライアント装置32が、1台目の加工機10における加工特性に関する情報の取得を行い、取得した情報をサーバ装置31のデータベース部33内に記憶保持させる(S104)。
具体的には、クライアント装置32において、補正管理プログラム部35の取得手段36が、情報入力を促すGUI画面を表示させ、オペレータ等に各種情報の入力を行わせる。各種情報の入力は、クライアント装置32の入力装置を用いて行うことが考えられるが、クライアント装置32と接続する1台目の加工機10における操作パネル等を用いて行うようにしても構わない。このときに入力される情報は、上述したステップ(S102)で得られた情報であり、1台目の加工機10における加工特性に関する情報である。さらに詳しくは、図2に示した各項目についての情報である。なお、これらの各項目のうち、周長基準値および実測周長については入力を必須とするが、他の項目については、必須入力項目と同様にGUI画面から入力させて取得してもよいし、あるいは必須入力項目の入力内容から取得手段36が演算によって算出することで取得してもよい。
これにより、サーバ装置31のデータベース部33には、図2に示したような加工特性に関する情報が記憶保持されることになる。なお、データベース部33での記憶保持は、1台目の加工機10の機種を識別する情報と関連付けて(すなわち加工機10の機種毎に個別に)行われるものとする。
(2台目以降の加工機での処理)
ここで、レンズ加工システム内において、1台目の加工機10と同一機種の加工機10が新たに導入された場合を考える。以下、新たに導入された加工機10を、2台目以降の加工機10という。
2台目以降の加工機10の導入時には、先ず、当該加工機10のぞれぞれについての加工サイズ調整を行う(S105a,S105b,・・・)。加工のサイズ調整は、当該加工機10の調整手段11としての機能を用いつつ、オペレータ等の作業によって行う。
ただし、2台目以降の加工機10に対して行う加工サイズ調整は、以下に述べる点で、1台目の加工機10に対する加工サイズ調整とは異なる。
2台目以降の加工機10に対しては、1台目の加工機10で行ったような加工特性の把握を行わないので、加工特性の把握を適切に行うための加工サイズ調整が不要である。そのため、2台目以降の加工機10では、1台目の加工機10で行ったような平レンズを用いた事前の加工サイズ調整は行わずに、それに代わり基準硝材の所定度数レンズを用いた加工サイズ調整を行う。
具体的には、2台目以降の加工機10のそれぞれにおいて、例えば基準硝材の未加工の度数ゼロレンズ(Plano)に対し、その外形が所望サイズ(すなわち周長が周長基準値となるサイズ)の基準形状となるような加工を行う。そして、その加工後の度数ゼロレンズについて、その外周の周長の実サイズを測定する。サイズ測定は、システム内の三次元周長測定機20を用いて行うことが考えられるが、これに限定されることはなく、例えばオペレータ等がノギス等の測定機を用いて測定するようにしても構わない。
このような加工および測定は、2台目以降の加工機10のそれぞれにおいて、各加工機10が用いる加工ツールの種類毎に行う。したがって、2台目以降の加工機10が用いる加工ツールの全種類の数分だけ、外形加工後の度数ゼロレンズおよび実サイズの測定結果が得られることになる。
その後、オペレータ等は、所望サイズ(周長基準値)と実サイズとを比較して、所望サイズと実サイズとの誤差分を例えば半径換算値で算出し、その誤差分が許容範囲内に収まるようにすべく、2台目以降の加工機10の操作パネルを操作して、算出した誤差分を解消するような加工パラメータ(例えば加工ツールのツール径)の補正値を、加工ツールの種類毎に、当該加工機10の側にマシンオフセット値として予め設定しておく。このような処理は、2台目以降の加工機10が本来的に有している機能(公知機能)を利用して行えばよい。
このような加工サイズ調整を行うことで、2台目以降の加工機10においては、それ以降、少なくとも基準硝材については、どの種類の加工ツールを用いた場合であっても、所望サイズと実サイズとの誤差分が許容範囲内に収まるような外形加工を行い得るようになる。すなわち、換言すると、少なくとも基準硝材については、1台目の加工機10と同様に、どの種類の加工ツールを用いた場合についても、加工特性を均質化(標準化)することができる。
(加工サイズ管理装置での処理)
その後は、クライアント装置32が、レンズ加工システム内に存在している加工機10、すなわち1台目および2台目以降の各加工機10について、加工機10毎のサイズ管理テーブル(例えば図3参照)を作成する(S106)。
具体的には、クライアント装置32において、補正管理プログラム部35の管理手段37が、管理下にある各加工機10別に、その加工機10が加工対象とするレンズ素材の種類(マテリアルA,マテリアルB,・・・)と、その加工機10が用いる加工ツールの種類(ヤゲンツール,平ツール,・・・)とを認識する。この認識は各加工機10別に行うが、同一機種の加工機10であれば同一の認識結果が得られる。そして、レンズ素材の種類と加工ツールの種類を認識したら、これらと加工パラメータ補正のための補正値H11,H12・・・とを互いに関連付けてテーブル形式で管理(記憶保持)するための枠組み(ひな形)を作成する。このようにして作成されるテーブルが、各加工機10別のサイズ管理テーブルとなる。なお、テーブル作成およびその作成に必要となる情報取得等は、公知技術を利用して行うものであればよく、その手法自体が特に限定されるものではない。
加工機10毎にサイズ管理テーブルを作成したら、その後は、各サイズ管理テーブルに対して、各サイズ管理テーブルにおける補正値H11,H12・・・の項への値(初期値)の格納を行う(S107)。
具体的には、クライアント装置32において、補正管理プログラム部35の管理手段37が、先ず、サーバ装置31のデータベース部33にアクセスして、1台目の加工機10において取得された加工特性に関する情報のうちの「パラメータ補正値」を読み出す。この「パラメータ補正値」は、レンズ素材の種類および加工ツールの種類のそれぞれと関連付けられているものである。そして、「パラメータ補正値」を読み出したら、補正管理プログラム部35の管理手段37は、レンズ素材の種類および加工ツールの種類との関連付けを維持しつつ、サイズ管理テーブルにおける補正値H11,H12・・・の項の該当する箇所に、読み出した「パラメータ補正値」を格納する。これにより、加工パラメータ補正のための補正値H11,H12・・・として、1台目の加工機10において取得された加工特性に関する情報のうちの「パラメータ補正値」が格納されたサイズ管理テーブルが完成することになる。
このようなサイズ管理テーブルによれば、レンズ素材の種類毎に、さらには加工ツールの種類毎に、補正値H11,H12・・・を管理(記憶保持)することが可能となる。したがって、加工機10の側で補正値を管理する場合には単一の補正値または加工モード(例えばモードA〜モードD)別の補正値にしか対応できなかったが、これとは異なりレンズ素材の種類毎、加工ツールの種類毎といった非常に多種多様な補正値の一括管理が行えるようになる。つまり、従来の技術常識では対応し得なかったような加工パラメータの補正値管理が実現可能となる。
このようにして完成されたサイズ管理テーブルは、各加工機10別のものではあるが、同一機種の加工機10についてのものであれば、少なくともテーブル完成時点では同一内容のものとなる。つまり、1台目の加工機10についてのサイズ管理テーブルに対しても、また2台目以降の加工機10についてのサイズ管理テーブルに対しても、いずれも1台目の加工機10において取得された「パラメータ補正値」が格納されることになる。
なお、サイズ管理テーブルの完成後において、そのサイズ管理テーブルにおける補正値H11,H12・・・は、各加工機10の稼働状況に応じて適宜更新されるものであってもよい。例えば、加工機10の稼働後の所定段階において、加工後レンズの周長の実サイズを測定し、その測定結果に基づいて所望サイズと実サイズとの誤差分が許容範囲内に収まるような新たな補正値に、補正値H11,H12・・・を都度変更することが考えられる。このようにすれば、加工機10の稼働状況による影響(例えば加工ツールの摩耗進行の影響)が加工後レンズの実サイズに及んでしまうのを回避し得るようになる。つまり、加工機10の稼働状況にかかわらずに、眼鏡レンズに対する玉型加工の加工精度を向上させ得るようになる。このことは、クライアント装置32において、補正管理プログラム部35の管理手段37が、加工機10毎に個別のサイズ管理テーブルを作成することによって実現される。換言すると、加工機10別のサイズ管理テーブルの作成は、各加工機10の稼働後における玉型加工の加工精度向上に寄与すると言える。
以上のような手順を経て、本実施形態のレンズ加工システムにおける準備段階が終了する。つまり、上述した各ステップ(S101〜S107)以降、本実施形態のレンズ加工システムでは、眼鏡レンズの玉型加工を行う運用段階に入り得る。
運用段階では、サーバ装置31が眼鏡レンズの注文の有無(すなわちジョブの有無)を監視している。そして、ジョブが発生すると、そのジョブの実行に必要となる各種情報をデータベース部33内で管理するとともに、そのジョブに固有のジョブ番号をバーコード化して出力する。バーコード化したジョブ番号は、そのジョブにて玉型加工されるアンカットレンズに付された状態で、その玉型加工を行う1台目の加工機10または2台目以降の加工機10のいずれかへ送られる。以下、玉型加工を行う1台目の加工機10または2台目以降の加工機10のいずれかを、単に加工機10という。
バーコードが付されたアンカットレンズが送られてくると、加工機10では、その加工機10が備えるバーコードリーダでバーコードを読み取ってジョブ番号を認識し、そのジョブ番号をクライアント装置32へ通知する。クライアント装置32は、通知されたジョブ番号を基に、そのジョブ番号によって特定されるジョブに関する情報の通知をサーバ装置31に要求する。そして、要求に係る各種情報がサーバ装置31から通知されると、クライアント装置32は、その通知された各種情報を要求元である加工機10へ通知する。通知する各種情報には、例えば、ジョブの識別データ(ジョブ番号等)、レンズデータ(レンズの素材を特定する商品コード、レンズ度数、レンズ肉厚、表面形状カーブ値、裏面形状カーブ値、反射防止膜の種類、レンズカラーの種類等)、玉型形状データ(眼鏡フレームの三次元的玉型形状、二次元的玉型形状、理論周長、左眼/右眼の別、フレーム/パターン等)、加工条件データ(レンズ素材の種類、加工ツールの種類等)が含まれる。
また、クライアント装置32においては、上述した各種情報の通知と併せて、補正管理プログラム部35の管理手段37としての機能が、選択した加工機10についてのサイズ管理テーブルの格納情報にアクセスして、そのサイズ管理テーブルから加工機10に実行させるジョブに係るレンズ素材の種類および加工ツールの種類に関連付けられている加工パラメータの補正値(すなわち該当する「パラメータ補正値」)を読み出し、その読み出した「パラメータ補正値」を選択した加工機10へ通知する(S108)。
これにより、クライアント装置32からは、レンズデータ、玉型形状データ、加工条件データ等の各種情報と併せて、サイズ管理テーブルから読み出された「パラメータ補正値」が付随情報として、ジョブを実行する加工機10に対して通知されることになる。
(玉型加工ジョブを実行する加工機での処理)
一方、玉型加工ジョブを実行する加工機10では、クライアント装置32から上述した各種情報が通知されると、その通知された各種情報の内容に基づき、玉型加工ジョブの実行を開始する。
このとき、加工機10には、「パラメータ補正値」についても併せて通知されている。そのため、加工機10においては、玉型加工ジョブの実行にあたり、補正手段12としての機能が、通知された「パラメータ補正値」を受け付け、その受け取った「パラメータ補正値」を反映させた加工量を決定する。つまり、受け取った「パラメータ補正値」に基づいて、クライアント装置32からの各種情報によって特定される加工パラメータ、具体的には加工ツールのツール径(オフセット量)を、その「パラメータ補正値」の分だけ補正するのである(S109a,S109b,S109c)。
このような補正手段12による加工パラメータ補正は、クライアント装置32が管理するサイズ管理テーブルに基づいて行われる。そして、そのサイズ管理テーブルは、レンズ素材の種類毎、加工ツールの種類毎といった非常に多種多様な補正値の一括管理を行い得るものである。したがって、補正手段12による加工パラメータ補正では、加工機10が対応可能な加工モードの種類にかかわらずに、その加工機10で加工対象となり得る全種のレンズ素材について、各レンズ素材別に適切な補正が行えることになる。さらには、その加工機10で用い得る全種の加工ツールについて、各加工ツール別に適切な補正が行えることにもなる。
そして、補正手段12が加工パラメータ補正を行ったら、加工機10は、その補正後の加工パラメータを用いて、すなわちその補正後のサイズにて、眼鏡レンズに対する玉型加工を行う(S110a,S110b,S110c)。
このとき、例えば2台目以降の加工機10は、1台目の加工機10で取得された「パラメータ補正値」、すなわち自機以外の加工特性に関する情報に基づいて、加工パラメータ補正を行うことになる。ところが、2台目以降の加工機10においては、その加工パラメータ補正の結果が反映された玉型加工を行うのに先立ち、加工サイズ調整が行われており(S105a,S105b,・・・)、これにより加工特性の均質化(標準化)がされている。したがって、1台目の加工機10で取得された「パラメータ補正値」に基づいて加工パラメータ補正を行った場合であっても、2台目以降の加工機10においてその加工パラメータ補正の結果が反映された玉型加工は、1台目の加工機10の場合と同様に、適切なもの(すなわち所望サイズと実サイズとの誤差分を許容範囲内に収めることが可能なもの)となる。
以上のような手順を経て、本実施形態のレンズ加工システムでは、加工機10が眼鏡レンズの玉型加工を行う際の加工サイズ管理が行われる。
<5.眼鏡レンズの製造手順>
次に、上述したレンズ加工システムを用いて行う眼鏡レンズの製造手順について簡単に説明する。
レンズ加工システムでは、サーバ装置31が眼鏡店からの注文を受け付けると、バーコード化したジョブ番号が付されたアンカットレンズが、ジョブの実行主体となる一つの加工機10へ送られる。そして、加工機10でのバーコードの読み取り結果に基づき、その加工機10に対してジョブの実行に必要となる各種情報がクライアント装置32から通知される。このとき、加工機10には、既に説明したように、クライアント装置32から加工パラメータの補正値が併せて通知される。つまり、加工機10には、ジョブ(眼鏡店からの注文)毎に、加工パラメータの補正値(例えば半径値換算の補正値)が通知される。
ここで、眼鏡店からの注文に係るレンズ素材からなるアンカットレンズがセットされると、加工機10は、セットされたアンカットレンズの周縁を眼鏡店からの注文に係る玉型形状とするための玉型加工を開始する。このときの加工機10でのアンカットレンズに対する加工量は、クライアント装置32から通知された補正値を反映させた加工量となる。つまり、加工機10は、上述したサーバ装置31およびクライアント装置32による加工サイズ管理の下、ジョブ(眼鏡店からの注文)毎に加工パラメータ補正を行いつつ、眼鏡レンズの玉型加工を行う。そして、加工機10での玉型加工が終了すると、玉型加工後の眼鏡レンズが加工機10から取り出されるとともに、玉型加工が終了した旨の通知が加工機10からクライアント装置32に対して行われ、さらにクライアント装置32からサーバ装置31に対して行われる。
以上のような手順を経て、本実施形態のレンズ加工システムにおいて、眼鏡店からの注文による眼鏡レンズの製造が行われることになる。
<6.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
本実施形態においては、レンズ加工システム内における少なくとも一つの加工機10である1台目の加工機10で加工特性に関する情報を把握し、その加工特性に関する情報をデータベース部33に記憶保持しておくとともに、その記憶保持情報に基づいて補正管理プログラム部35が加工機10毎のサイズ管理テーブルを作成する。そして、各加工機10にて眼鏡レンズの玉型加工を行う際には、1台目の加工機10のみならず、2台目以降の加工機10についても、サイズ管理テーブルによる管理内容、すなわち1台目の加工機10で把握された加工特性に関する情報に基づいて、当該玉型加工のための加工パラメータ(具体的には、例えば加工ツールのツール径)を補正する。したがって、本実施形態のレンズ加工システムによれば、1台目の加工機10および2台目以降の加工機10のいずれで玉型加工を行った場合であっても、加工パラメータの補正を経ることで、その玉型加工後の眼鏡レンズについて、所望サイズと実サイズとの誤差分が許容範囲内に収まるものとなる。
しかも、本実施形態によれば、加工パラメータの補正にあたり、1台目の加工機10のみならず、2台目以降の加工機10についても、当該補正を1台目の加工機10で把握した加工特性に関する情報に基づいて行う。つまり、同一機種であれば、2台目以降の加工機10についても、1台目の加工機10における加工特性に関する情報をそのまま適用して、加工パラメータ補正を行う。したがって、2台目以降の加工機10においては、レンズ加工システム内への導入時に、少なくとも基準硝材について各加工ツール毎の加工サイズ調整を行えばよく、当該加工機10で加工対象となる全種のレンズ素材に対する個別の加工サイズ調整を行う必要がない。つまり、2台目以降の加工機10に対しては、1台目の加工機10で行ったような加工特性の把握を行わずに済む。そのため、複数の加工機10を備えるレンズ加工システムを構築する場合であっても、2台目以降の加工機10における加工サイズ調整のための手間を大幅に簡略化することができる。
このことは、特にいわゆるオーダーメイドレンズ(顧客の注文毎に、レンズ処方のみならず、レンズ素材やレンズ周縁加工等についても、様々な仕様が存在し得るレンズ)に対応するレンズ加工システムを構築する場合に、非常に有効であると言える。なぜならば、オーダーメイドレンズについては、各加工機10が様々なレンズ素材や加工ツール等に対応しなければならず、それゆえに2台目以降の加工機10における加工サイズ調整の簡略化の効果が顕著に現れるからである。
また、本実施形態において、2台目以降の加工機10では、基準硝材(すなわち基準とすべく予め定められた少なくとも1種のレンズ素材)につき、加工ツールの種類毎に玉型加工後における眼鏡レンズの所望サイズと実サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるための加工サイズ調整を行った上で、基準硝材以外のレンズ素材について玉型加工を行う際に、上述した1台目の加工機10における加工特性に基づく加工パラメータの補正を行う。つまり、2台目以降の加工機10においては、基準硝材についての加工サイズ調整が行われており、これにより主に1台目の加工機10に対応するような加工特性の均質化(標準化)がされている。したがって、1台目の加工機10における加工特性に基づいて加工パラメータ補正を行う場合であっても、2台目以降の加工機10においてその加工パラメータ補正の結果が反映された玉型加工は、1台目の加工機10の場合と同様に、適切なもの(すなわち所望サイズと実サイズとの誤差分を許容範囲内に収めることが可能なもの)となる。これは、単に1台目の加工機10における「パラメータ補正値」を2台目以降の加工機10についてもそのまま適用するのではなく、各種レンズ素材の間の加工特性の違いを、基準硝材の場合の加工特性との関係性に基づき、2台目以降の加工機10にも適用しようとする技術的思想を具現化したものである。
さらに、本実施形態においては、1台目の加工機10および2台目以降の加工機10のいずれについても、補正管理プログラム部35が管理するサイズ管理テーブルを用いつつ、加工パラメータ補正を行う。したがって、各加工機10の側で加工モード(例えばモードA〜モードD)別の補正値を管理する場合とは異なり、各加工機10が対応するレンズ素材の種類毎、加工ツールの種類毎といった非常に多種多様な補正値の一括管理が行えるようになる。加工機10が対応し得る加工モード数には、その加工機10における情報の記憶蓄積容量等の関係から、自ずと制約が課せられてしまうが、クライアント装置32の管理プログラム部35の側で対応すれば、加工機10に比べて大容量の情報記憶蓄積容量を活用可能となるからである。つまり、従来の技術常識では対応し得なかったような加工パラメータの補正値管理が実現可能となるので、様々な仕様が存在し得る眼鏡レンズのそれぞれに対して適切な玉型加工を行い得るようになる。このことは、特にオーダーメイドレンズに対応するレンズ加工システムを構築する場合に、非常に有効であると言える。
<7.変形例等>
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。すなわち、本発明の技術的範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、各加工機10での加工パラメータ補正を管理する補正管理プログラム部35がクライアント装置32に配されている場合を例に挙げて説明したが、補正管理プログラム部35はレンズ加工システム内のいずれかの箇所に存在していればよく、他装置(例えばサーバ装置31)に配されていてもよい。
また、上述した実施形態では、補正管理プログラム部35が各加工機10別のサイズ管理テーブルを用いて加工パラメータ補正を管理する場合を例に挙げたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。各加工機10別のサイズ管理テーブルを用いた場合であれば、既に説明したように加工機10の稼働状況による影響が玉型加工の結果に及んでしまうのを回避し得るようになるが、稼働初期段階の各加工機10における加工パラメータ補正だけを考えれば、例えばその都度データベース部33から記憶保持情報の読み出しを行うことで、サイズ管理テーブルが無くとも加工パラメータ補正に必要な「パラメータ補正値」を各加工機10へ通知することが可能である。
また、「パラメータ補正値」のやり取りをはじめとするクライアント装置32と各加工機10との間の各種情報の授受についても、その具体的な手法が特に限定されるものではない。すなわち、各種情報の授受は、クライアント装置32が主体となって各加工機10に対して行うものであってもよいし、あるいは各加工機10のそれぞれが主体となって必要に応じてクライアント装置32に情報を要求したりクライアント装置32内のサイズ管理テーブル等から情報読み出したりすることで行ってもよい。
さらに、上述した実施形態では、加工センター内に設置された各加工機10、サーバ装置31およびクライアント装置32が、眼鏡店に設置された端末装置からの注文に応じて、玉型加工ジョブを実行する場合を例に挙げたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば眼鏡店ではなく加工センター内に設置された端末装置からの注文に応じて玉型加工ジョブを実行することも可能である。具体的には、加工センター内に設置された測定機で眼鏡フレーム形状を測定し、形状が測定された眼鏡フレームに玉型加工済みレンズを枠入れして、眼鏡完成品として加工センターから出荷するといった仕組みを構築することが考えられる。
10…加工機、11…調整手段、12…補正手段、20…三次元周長測定機、30…管理装置(加工サイズ管理装置)、31…サーバ装置、32…クライアント装置、33…データベース部(記憶手段)、34…制御プログラム部、35…補正管理プログラム部、36…取得手段、37…管理手段、40…通信回線

Claims (5)

  1. 眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機と、前記複数の加工機に接続されて用いられる加工サイズ管理装置と、を備えるレンズ加工システムであって、
    前記加工サイズ管理装置は、前記加工機の機種毎に、当該加工機が加工対象とするレンズ素材の種類および当該加工機が用いる加工ツールの種類と関連付けて、当該加工機にて前記加工ツールを用いて前記レンズ素材を加工したときの加工特性に関する情報を記憶保持する記憶手段を備えており、
    前記記憶手段が記憶保持する情報は、前記複数の加工機のうちの少なくとも一つの加工機で得られた当該加工機の加工特性に関する情報であり、
    前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機と同機種の加工機は、当該加工機にて前記レンズ素材に対し前記加工ツールを用いて加工を行う際に、前記記憶手段が記憶保持する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正する補正手段を備えている
    ことを特徴とするレンズ加工システム。
  2. 前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機以外の当該加工機と同機種の加工機は、基準とすべく予め定められた少なくとも1種の前記レンズ素材につき、前記加工ツールの種類毎に玉型加工後における眼鏡レンズの所望サイズと実サイズとの誤差分を許容範囲内に収めるための加工サイズ調整を行った上で、前記補正手段が、前記基準となる少なくとも1種以外の前記レンズ素材について加工を行う際に、前記加工パラメータの補正を行うように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ加工システム。
  3. 眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機に接続されて用いられる加工サイズ管理装置であって、
    前記加工機の機種毎に、当該加工機が加工対象とするレンズ素材の種類および当該加工機が用いる加工ツールの種類と関連付けて、当該加工機にて前記加工ツールを用いて前記レンズ素材を加工したときの加工特性に関する情報を記憶保持する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶保持させる情報として、前記複数の加工機のうちの少なくとも一つの加工機における加工特性に関する情報を取得する取得手段と、
    前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機と同機種の加工機に対して、当該加工機にて前記レンズ素材に対し前記加工ツールを用いて加工を行う際に、前記記憶手段が記憶保持する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正させる管理手段と、
    を備えることを特徴とする加工サイズ管理装置。
  4. 眼鏡レンズの玉型加工を行う複数の加工機における加工サイズを管理する加工サイズ管理方法であって、
    前記複数の加工機のうちの少なくとも一つの加工機にて、当該加工機が加工対象とするレンズ素材の全種類および当該加工機が用いる加工ツールの全種類のそれぞれにつき、当該加工ツールを用いて当該レンズ素材を加工したときの加工特性に関する情報を取得する工程と、
    前記少なくとも一つの加工機で取得した加工特性に関する情報を、当該加工機の機種、前記レンズ素材の種類および前記加工ツールの種類と関連付けて記憶保持する工程と、
    前記複数の加工機のうち前記少なくとも一つの加工機と同機種の加工機にて、前記レンズ素材に対し前記加工ツールを用いて加工を行う際に、既に記憶保持している加工特性に関する情報に基づいて当該加工のための加工パラメータを補正する工程と、
    を備えることを特徴とする加工サイズ管理方法。
  5. 請求項4に記載の加工サイズ管理方法により加工サイズが管理される前記加工機を用いた玉型加工によって眼鏡レンズを形成する
    ことを特徴とする眼鏡レンズの製造方法。
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