JP2014089995A - 太陽電池裏面封止材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐紫外線性と耐加水分解性とが高度に優れ、部分放電圧が良好であり、太陽電池の裏面を封止する材料として好適に利用することのできるフィルムを提供する。
【解決手段】 白色顔料を1.1〜9.0重量%含有する厚みが250μm以上のポリエスエルフィルムであり、当該フィルムの固有粘度が0.64dl/g以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、少なくとも片面に接着層を有することを特徴とする太陽電池裏面封止材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐紫外線性と耐加水分解性に優れたポリエステル層を有する、部分放電圧の良好な太陽電池裏面封止材に関するものである。
光電変換効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電は、クリーンエネルギーを得る手段として広く行われている。そして、太陽電池セルの光電変換効率の向上に伴って、多くの個人住宅にも太陽光発電システムが設けられるようになってきている。このような太陽光発電システムを実際のエネルギー源として用いるために、複数の太陽電池セルを電気的に直列に接続させた構成をなす太陽電池モジュールが使用されている。
太陽電池モジュールは、太陽電池フロントシート(主にガラス)/封止材(主にEVA)/光電変換層(セル部と呼ばれる)/封止材(主にEVA)/太陽電池裏面封止材、が代表的な構成例である。太陽電池裏面封止材には、例えば特許文献1に記載されているような、フッ素系フィルムを用いた技術が開示されている。しかし、フッ素系フィルムは高価であるので、太陽電池裏面封止材の価格も高価なものになってしまうという問題がある。
特許文献2には、耐加水分解性樹脂フィルムと金属酸化物被着樹脂フィルムと白色樹脂フィルムからなる太陽電池裏面封止材に関する発明が記載されている。当該発明は、耐加水分解性の低いフィルムを内側に設けているので金属酸化物被着樹脂フィルムを要する。そのため、接着剤を介して3つのフィルムを貼り合わせる必要があり、高コストとなり好ましくない。
特開平11-186575号公報 特開2002−100788号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、耐紫外線性と耐加水分解性とが高度に優れ、部分放電圧が良好であり、太陽電池の裏面を封止する材料として好適に利用することのできるフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記実状に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成からなるポリエステルフィルムを用いることにより、上述の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、白色顔料を1.1〜9.0重量%含有する厚みが250μm以上のポリエステルフィルムであり、当該フィルムの固有粘度が0.64dl/g以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、少なくとも片面に接着層を有することを特徴とする太陽電池裏面封止材に存する。
本発明によれば、耐紫外線性と耐加水分解性に優れた白色ポリエステルからなる、部分放電圧性の良好な太陽電池裏面封止材を提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出される、いわゆる押出法による押し出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、延伸したフィルムである。
本発明において、ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。その中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
本発明のポリエステルフィルム中の化合物の量は、後述する蛍光X線分析装置を用いた分析にてチタン元素とリン元素が検出され、また、マグネシウム元素量含有量が特定範囲にあることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルム中のチタン元素含有量については、2ppm以上であることが好ましい。チタン元素が2ppm未満の場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られないことがある。
一方、ポリエステルフィルム中のチタン元素含有量の上限については特に制限は設けないが、好ましい範囲は20ppm以下であり、さらに好ましい範囲は15ppm以下であり、特に好ましい範囲は9ppm以下である。チタン化合物の含有量が多すぎるとポリエステルを溶融押出する工程でオリゴマーが副生成しやすく、オリゴマーが表面に析出したポリエステルフィルムとなりやすい傾向がある。ポリエステルフィルムの表面オリゴマーは、製膜時に用いるロールへオリゴマーが転写されることによってロールが汚染される、またフィルム異物の発生を引き起こす、などの原因物質となることがある。
本発明のポリエステルフィルム中のリン元素は、通常はリン酸化合物に由来するものであり、ポリエステル製造時に添加される。本発明のポリエステルフィルム中のリン元素含有量については、3ppm以上であることが好ましい。リン元素が3ppm未満の場合、ポリエステル原料製造時の生産性が劣り、目的の重合度に達したポリエステル原料を得られないことがある。
一方、ポリエステルフィルム中のリン元素含有量の上限については特に制限は設けないが、好ましい範囲は170ppm以下であり、さらに好ましい範囲は100ppm以下であり、特に好ましい範囲は50ppm以下である。リン元素量が多すぎると、フィルム製膜時にゲル化が起こり異物となってフィルムの品質を低下させる原因となることがある。
リン酸化合物の例としては、リン酸、亜リン酸あるいはそのエステルホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、亜ホスホン酸化合物、亜ホスフィン酸化合物など公知のものが該当し、具体例としては、正リン酸、ジメチルフォスフェート、トリメチルフォスフェート、ジエチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ジプロピルフォスフェート、トリプロピルフォスフェート、ジブチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジアミルフォスフェート、トリアミルフォスフェート、ジヘキシルフォスフェート、トリヘキシルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、エチルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
また、熱分解や加水分解を抑制するために触媒として働きうる金属化合物をできる限り含まないことが好ましいが、ポリエステルフィルムの生産性を向上すべく溶融時の体積固有抵抗値を低くするため、マグネシウム、カルシウム、リチウム、マンガン等の金属をフィルム中に含有させる。これらの中で、特に好ましくはマグネシウム元素であり、マグネシウム元素含有量は、通常9〜40ppm、好ましくは10〜30ppmである。マグネシウム元素含有量が9ppm未満だと、ポリエステルフィルムの後述する方法で得られる体積固有抵抗値が高いため、フィルム生産時の製膜速度が速い場合において、ピニングバブルと呼ばれるダイスから押し出されたシートとキャスティングドラムとの密着不良現象が生じやすく、完全に密着急冷された均質なフィルムを得ることが困難となることがある。一方、マグネシウム元素含有量が40ppm以上だと、ポリエステルに不溶性の異物(マグネシウム塩)の生成量が多くなることがある。
このマグネシウム元素のポリエステルフィルムへの添加方法については特に限定されない。すなわち、(イ)重合時にマグネシウム化合物を触媒として添加したポリエステル原料を用いる方法、(ロ)マグネシウム含有量の少ないポリエステル原料と、重合時にマグネシウム化合物を触媒として添加したポリエステル原料とを用いる方法、(ハ)マグネシウム含有量の少ないポリエステル原料と、マグネシウム含有量の少ないポリエステル原料にマグネシウム化合物を混練法にてマスターバッチ化したポリエステル原料とを用いる方法、(二)マグネシウム含有量の少ないポリエステル原料でフィルムを製膜する時にマグネシウム化合物を押出機から直接添加する方法、などが挙げられるが特に限定しない。
ポリエステルの極限粘度(IV)は0.64dl/g以上、好ましくは0.66dl/g以上である。ポリエステルの極限粘度が0.64dl/g以上とすることにより、湿熱処理後において長期耐久性や耐加水分解性が良好なフィルムが得られる。一方、ポリエステルの極限粘度の上限はないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での圧力上昇防止の点から0.90dl/g程度である。
ポリエスエルの末端カルボキシル基量(AV)は26当量/t以下、好ましくは23当量/t以下である。ポリエステルの末端カルボキシル基量を26当量/t以下とすると、湿熱処理後において長期耐久性や耐加水分解性が良好なフィルムが得られる。一方、ポリエステルの末端カルボキシル基量の下限はないが、重縮合反応の効率、溶融押出工程での熱分解等の点から通常は5当量/t程度である。
本発明におけるポリエステルフィルムには、微粒子を含有させることが、フィルムの巻上げ工程、塗工工程、蒸着工程等での作業性を向上させる上で望ましい。この微粒子としてはシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、カオリン等の無機粒子やアクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子や触媒残差を粒子化させた析出粒子を挙げる事ができるが、これらに限定されるものではない。これら粒子の中では、一次粒子の凝集粒子である多孔質シリカ粒子が特に好ましい。多孔質シリカ粒子はフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、フィルムの透明性を向上させる特長を有する。
この多孔質シリカ粒子を構成する一次粒子の平均粒径は0.001〜0.1μmの範囲であることが好ましい。一次粒子の平均粒径が0.001μm未満では、スラリー段階で解砕により極微細粒子が生成し、これが凝集体を形成して、異物が多くなる原因となることがある。一方、一次粒子の平均粒径が 0.1μmを超えると、粒子の多孔性が失われ、その結果、ボイド発生が少ない特長が失われることがある。
さらに、凝集粒子の細孔容積は0.5〜2.0ml/g、好ましくは0.6〜1.8ml/gの範囲である。細孔容積が0.5ml/g未満では、粒子の多孔性が失われ、ボイドが発生しやすくなり、フィルムの透明性が低下する傾向がある。細孔容積が2.0ml/gより大きいと、解砕、凝集が起こりやすく、粒径の調整を行うことが困難となる場合がある。
本発明におけるポリエステルフィルムに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明のフィルムは、耐紫外線性を向上させるために、無機系の白色顔料をポリエステル中に添加する。白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム等を用いることができる。これらの中から選ばれた少なくとも1種以上が用いられれば良いが、湿熱処理後の白色度の低下抑制防止の観点から、本発明においては、二酸化チタンを使用することがより好ましい。また、白色顔料は多孔質や中空多孔質等の形態であってもよく、さらには、樹脂に対する分散性を良くするために表面処理が施されたものを用いてもよい。
本発明のフィルムは、フィルム中に平均粒径1.0μm以下の二酸化チタンを1.1〜9.0重量%、好ましくは2.5〜6.0重量%含有させることが望ましい。二酸化チタンの含有量が1.1重量%未満の場合は、フィルムの着色性・隠蔽性が十分でなく、耐紫外線性が満足されない。一方、酸化チタンの含有量が9.0重量%を超えると、フィルムの極限粘度の低下・フィルムのAV値の上昇により耐加水分解性が低下してしまう。また、着色性・隠蔽性が飽和し、白色顔料含有量の耐紫外線性への効果が見えにくくなり、コストの面でも好ましくない。
また、太陽電池内部の隠蔽性から本願発明のフィルムは光学濃度計で測定した光学濃度が0.55以上、好ましくは0.8以上であることが望ましい。
なお、本発明のポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料を添加することができる。また耐紫外線を向上する目的で、ポリエステルに対して0.01〜5重量%の範囲で紫外線吸収剤特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤を含有させることができる。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、250μm以上、好ましくは300μm以上である。厚みが250μm未満だと、部分放電圧が1000Vに達しないため、太陽電池用裏面封止材としては好ましくない。一方、厚みの上限は、350μmであり、325μm以下であることが好ましい。ポリエステルフィルムの厚みが350μmより厚いと、面積あたりの単価が上がるため、コスト上好ましくない。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、太陽電池封止材として一般的に使用されているEVAやポリビニルアセタール樹脂(以後、PVBと略することがある)等の封止材樹脂との耐湿熱接着性を向上させるために、ポリエステルフィルムがEVAやPVBと接する側に塗布層を設ける。
塗布層形成用の塗布液成分としては、ポリカーボネート骨格またはポリエーテル骨格の少なくとも一種を有するポリウレタンと、架橋剤とを含有することが好ましい。ポリカーボネート骨格またはポリエーテル骨格を有するポリウレタンとは、ポリカーボネート骨格またはポリエーテル骨格を有する化合物を、各々ポリオールとして使用したものである。
なお、ポリカーボネート骨格とポリエーテル骨格とを同時に有していてもよい。
塗布層形成用の塗布液成分中のポリウレタンに用いるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジアルキルカーボネート、エチレンカーボネートあるいはホスゲンとジオールとの反応などで得られる。ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオールを用いたポリカーボネートポリオールは、工業的に入手しやすく、しかも接着性を向上させる点で良好であり、しかも耐加水分解性に関しても良好であるため、好ましい。
ポリカーボネートポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量で、300〜5000であることが好ましい。
塗布層形成用の塗布液成分のポリウレタンに用いるポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンポリオール(ポリエチレングリコールなど)、ポリオキシプロピレンポリオール(ポリプロピレングリコールなど)、ポリオキシテトラメチレンポリオール(ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)、共重合ポリエーテルポリオール(ポリオキシエチレングリコールとポリオキシプロピレングリコールなどのブロック共重合体やランダム共重合体など)などが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシテトラメチレングリコールが接着性を向上させる点で良好であり、しかも耐加水分解性に関しても良好であるため、好ましい。
ポリエーテルポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算の数平均分子量で、300〜5000であることが好ましい。
上述したポリカーボネートポリオールまたはポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンは、その他の汎用ポリオールであるポリエステルポリオールを用いたポリウレタンよりも、加水分解に対する耐性が良好なものとなる。
これらのポリカーボネートポリオールまたはポリエーテルポリオールは、各々1種類だけを単独で用いてもよいが、2種類以上を併用することも可能である。また前述したように、これらのポリカーボネートポリオールとポリエーテルポリオールとを併用することもできる。
塗布層形成用の塗布液成分のポリウレタンに用いるポリイソシアネートには、公知の脂肪族、脂環族、芳香族等のポリイソシアネートを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートの具体例として、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、水添ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。またこれらのポリイソシアネートは単独で使用してもよいが、2種以上混合して使用することもできる。
またこれらのポリイソシアネートは単独で使用してもよいが、2種以上混合して使用することもできる。
鎖長延長剤などの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水などがある
塗布層形成用の塗布液成分に使用する、ポリカーボネート構造またはポリエーテル構造の少なくとも一種を有するポリウレタンは、有機溶剤を媒体とするものであってもよいが、好ましくは水を媒体とするものである。ポリウレタンを水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ポリウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ポリウレタン樹脂の骨格中にイオン性基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性、接着性に優れており好ましい。
また、導入するイオン性基としては、アニオン性基としては、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、リン酸塩基、ホスホン酸塩基等が挙げられ、カチオン性基としては、4級アンモニウム等が挙げられる。例えばアニオン性基としてカルボン酸塩基を例に挙げれば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸、トリメリット酸‐ビス(エチレングリコール)エステルなどのアンモニウム塩や低級アミン塩等を好ましく用いることができる。またカチオン性基の4級アンモニウムについては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミンなどの4級化物を好ましく用いることができる。これらのイオン性基の中でも、カルボン酸塩基であって、かつ、カウンターイオンがアンモニアやトリエチルアミン等の沸点が150℃以下の有機アミンである場合には、後述するオキサゾリン系架橋剤やカルボジイミド系架橋剤との反応性が高く、塗布層の架橋密度を高める点で特に好ましい。
塗布層形成用の塗布液成分中のウレタン樹脂にイオン性基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、イオン性基を持つ樹脂を共重合成分として用いたり、ポリオールや鎖延長剤などの一成分としてイオン性基を持つ成分を用いたりすることができる。
塗布層形成用の塗布液成分中には、上述したポリウレタンの他に、塗布層に耐熱性、耐熱接着性、耐湿性、耐ブロッキング性を付与するために、架橋剤を併用する必要がある。
この架橋剤は、水溶性あるいは水分散性であることが好ましく、具体的には、メチロール化あるいはアルコキシメチロール化したメラミン系化合物やベンゾグアナミン系化合物、尿素系化合物、アクリルアミド系化合物の他、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、シランカップリング剤系化合物、チタンカップリング剤系化合物などから選ばれた少なくとも1種類を含有させることが好ましい。これらの架橋剤の中でも、オキサゾリン系化合物あるいはカルボジイミド系化合物であって、それ自体がポリマーである架橋剤が、塗布層の耐熱・耐湿接着性が大きく向上するため、特に好ましい。このようなオキサゾリン系架橋剤は、例えば株式会社日本触媒の商品名エポクロス(登録商標)として、またカルボジイミド系架橋剤は、例えば日清紡ケミカル株式会社の商品名カルボジライト(登録商標)として工業的に入手できる。また、これらの架橋剤の添加量は、塗布層形成用の塗布液成分中のポリウレタンに対する重量比で、10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20の割合で使用することが好ましい。
塗布層形成用の塗布液成分中には、以上述べたポリウレタンと架橋剤成分との合計が、50重量%以上、さらには75重量%以上の量で存在していることが好ましい。これらの樹脂成分以外に、付加的にその他の樹脂を添加することができる。付加的に添加できる樹脂成分としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂などが挙げられる。但し、ポリエステル系樹脂やポリエステルポリウレタン樹脂は、耐加水分解性に劣ることが多く、これらの樹脂は塗布層へ添加しないか、添加してもその添加量を10重量%未満とすることが好ましい。
また、塗布層のブロッキングの防止や滑り性の付与のために、塗布層形成用の塗布液成分中に微粒子を添加することも可能である。微粒子としては例えば、シリカやアルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等を用いることができる。
微粒子の大きさは150nm以下、好ましくは100nm以下で、塗布層中の添加量としては、0.5〜10重量%の範囲で選択するのが好ましい。
その他、塗布層形成用の塗布液成分中に、必要に応じて上記述べた成分以外を含むことができる。例えば、界面活性剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、染料、顔料等である。これらの添加剤は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
塗布層は、主として水を媒体とした塗布液としてポリエステルフィルム上に塗工されることで形成されることが好ましい。塗布されるポリエステルフィルムは、予め二軸延伸されたものでもよいが、塗布した後に少なくとも一方向に延伸され、さらに熱固定をする、いわゆるインラインコーティング法を用いることが好ましい。
基材となるポリエステルフィルムへの塗布液の塗布方法としては公知の任意の方法が適用できる。具体的には、ロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、バーコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法、ダイコート法などを単独または組み合わせて適用することができる。
次に、塗布層の形成方法について述べる。
本発明における塗布層は、その塗工量としては、乾燥・固化された後の、あるいは二軸延伸・熱固定等を施された後の最終的な乾燥皮膜として、0.005〜1.0g/m、さらには0.01〜0.5g/mの範囲とするのが好ましい。この塗工量が0.005g/m未満では、接着性が不十分となる傾向にあり、1.0g/mを超える場合には、もはや接着性は飽和しており、逆にブロッキング等の弊害が発生しやすくなる傾向がある。
塗布層中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS等の表面分析によって行うことができる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではなく、例えば、オフラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、80〜200℃で3〜40秒間、好ましくは100〜180℃で3〜40秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
一方、インラインコーティングにより塗布層を設ける場合、通常、70〜280℃で3〜200秒間を目安として熱処理を行うのが良い。
また、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングに係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の太陽電池裏面封止材として使用されるポリエステルフィルムは、ポリエステルの溶融押出機を1台用いて単層フィルムとしても良く、2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により2層以上の積層フィルムとしても良い。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
すなわち、公知の手法により乾燥したまたは未乾燥のポリエステルチップ(ポリエステル成分)を混練押出機に供給し、ポリエステル成分の融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリエステルをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。溶融押出工程においても、条件により末端カルボキシル基量が増加するので、本願発明においては、押出工程における押出機内でのポリエステルの滞留時間を短くすること、一軸押出機を使用する場合は原料をあらかじめ水分量が50ppm以下、好ましくは30ppm以下になるように十分乾燥すること、二軸押出機を使用する場合はベント口を設け、40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、さらに好ましくは20ヘクトパスカル以下の減圧を維持すること等の方法を採用する。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70℃〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90℃〜160℃で2〜6倍延伸を行い、180〜245℃にて熱固定工程に移る。
本発明において、ポリエステルフィルム中のポリエステル成分の末端カルボキシル基量を特定範囲とするため、例えば、ポリエステルチップの押出工程における押出機内でのポリエステル成分の滞留時間を短くすることなどによってポリエステルフィルムは得られる。また、低末端カルボキシル基量のポリエステルチップを製膜することで、末端カルボキシル基量が特定範囲のポリエステルフィルムを得てもよい。また、フィルム製造において、溶融工程を経た再生原料を配合するとポリエステル成分の末端カルボキシル基量が特定範囲から外れて増大する傾向があるので、本願発明においてはかかる再生原料を配合しないことが好ましい。また、再生原料を配合するとしても、自ら得られたフィルムを粉砕することで得られたフレークをそのまま用いることが好ましく、量については40重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
本発明においては、前記延伸工程においてまたはその後に、フィルムに接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等を付与するために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成したり、コロナ処理等の放電処理を施したりすることなどもできる。
本発明のポリエステルフィルムからなる太陽電池裏面封止材は、ポリエステルフィルム上の塗布層がEVAと接着する側となるように使用することが好ましい。塗布層がないとEVAと本発明のポリエステルフィルムからなる太陽電池裏面封止材は接着しない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
次にフィルムの諸物性の測定及び評価方法を以下に示す。
(1)厚さ
マイクロメータにより求めた。
(2)各元素種含有量[重量%]
XRF:蛍光X線分析装置(島津製作所社製型式「XRF−1800」)を用いて、下記表1に示す条件下で、単枚測定でフィルム中の元素量を求めた。
Figure 2014089995
(3)極限粘度(dl/g)
ポリエステルチップをサンプリングする場合は粉砕する。ポリエステルフィルムをサンプリングする場合はカッターやはさみなどで適宜必要量を予め裁断する。
得られたサンプルを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の中に、0.2(g/dl)となるよう精秤して添加する。120℃で10分間かけて溶解させた後、徐々に室温まで冷却させた。毛細管粘度計を用いて、溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度(dl/g)を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(4)末端カルボキシル基量(当量/t)
ポリエステルチップをサンプリングする場合は粉砕する。ポリエステルフィルムをサンプリングする場合はカッターやはさみなどで適宜必要量を予め裁断する。サンプルが得られたら、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から1.0gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール30mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム50mlを徐々に加えて室温まで冷却した。得られた溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に、0.1(N)の苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。なお、上澄み液中には1.0gのポリエステル原料が含まれていると仮定する。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料抜きで同様の操作を実施し、以下の式によって酸価を算出した。
酸価(当量/t)=(A−B)×0.1×f/W
〔ここで、A は、滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の量(μl)、Wは、ポリエステル樹脂試料の量(g)、fは、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価である〕
なお、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の力価(f)は、試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液を指示薬として1〜2滴加え、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで、力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った)。
以下の式によって力価(f)を算出した。
力価(f)=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの苛性ソーダのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl)
(5)反射率
分光光度計(日本分光株式会社製 紫外可視分光光度計 V−570 および自動絶対反射率測定装置 AM−500N)を使用して同期モード、入射角5°、N偏光、レスポンス Fast、データ取区間隔1.0nm、バンド幅10nm、走査速度1000m/分でEVAと接着させない面をUV照射前後に波長範囲400〜800nmにおける絶対反射率を測定し、550nmにおける絶対反射率を読み出した。
UV照射はスガ試験機製スーパーキセノンを用いて放射照度180W/m2(300−400nmの範囲で)、300時間処理とした。
(6)光学濃度(隠蔽度)
マクベス濃度計TD−904型を使用し、Gフィルター下の透過光濃度を測定し、隠蔽度を求めた。この値が大きいほど隠蔽力が高いことを示す。
(7)耐紫外線性
・紫外線照射装置
スガ試験機製スーパーキセノンウェザーメーター:SX75
・紫外線照射装置条件
放射照度:180W/m(300−400nmの範囲で)
フィルター:インナー/アウター=石英/#275
ブラックパネル温度:スプレー時/非スプレー時=非制御/63℃
試験槽内温度:スプレー時/非スプレー時=28℃/非制御
試験槽内湿度:スプレー時/非スプレー時=95%RH/50%RH
サイクル時間:スプレー時/非スプレー時=18分/102分
・評価方法
スーパーキセノンウェザーメーター:SX75(スガ試験機製)を用いて、ポリエステルフィルムのポリエステル層(A)がある面に対して上述の条件で処理をする。オートグラフAG−I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向とは同方向(MD)に対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として引張破断伸度を測定し、引張破断伸度維持率を求める。なお、引張破断伸度維持率は、下記式、すなわち紫外線照射前後の引張破断伸度の商から得られる。
引張破断伸度維持率[%]=「スーパーキセノンウェザーメーター処理後の引張破断伸度」÷「スーパーキセノンウェザーメーター処理前の引張破断伸度」×100
紫外線照射300時間後の引張破断伸度維持率にて、下記基準で評価した。
◎:60%以上
○:40%以上60%未満
△:20%以上60%未満
×:20%未満
(8)耐加水分解性試験
パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを処理する。オートグラフAG−I(島津製作所社製)にて、得られたフィルムの製膜方向とは同方向(MD)に対し、200mm/分の速度で、フィルムの機械的特性として引張破断伸度を測定し、引張破断伸度維持率を求める。なお、引張破断伸度維持率は、下記式、すなわちパーソナルプレッシャークッカー処理前後の引張破断伸度の商から得られる。
引張破断伸度維持率[%]=「パーソナルプレッシャークッカー処理後の引張破断伸度」÷「パーソナルプレッシャークッカー処理前の引張破断伸度」×100
引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間から、下記の基準で評価した。
◎:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:78hr以上
○:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:72hr以上78hr未満
△:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:66hr以上72hr未満
×:引張破断伸度維持率が10%未満に達した時間:66hr未満
(9)EVA易接着性
長手方向がMDとなるように、長さ300mm、幅25mmのポリエステルフィルムの小片を2本切り取った。一方で長さ50mm、幅25mmであるEVAフィルムの1本の小片を切り取り、2本のポリエステルフィルムの小片の塗布層面でEVAフィルムを挟むように重ねた。これをヒートシール装置(テスター産業株式会社製 TP−701−B)を用いてラミネートした。使用したEVAフィルムは、ドイツ Etimex社製 485.00(標準硬化タイプ、厚み0.5mm)で、ヒートシール条件は、温度150℃、圧力0.13MPaで、20分間の条件を用いた。EVAとの接着強度を測定するため、まず25mmの幅のポリエステルフィルム/EVAフィルムラミネート小片から、長さ300mm、幅15mmのサンプルを切り取る。この15mm幅のポリエステルフィルムの小片のラミネートされていない端部を、引張/曲げ試験機(株式会社島津製作所製 EZGraph)の中に取り付ける。引き続き、角度180°、速度100mm/分でこのポリエステルフィルム/EVAフィルムラミネートを分離するために必要な力(接着強度)を10個の試料について測定して、その平均値を下記のように分類にした。
◎:接着強度が50N/15mm幅以上
○:接着強度が30N/15mm幅〜50N/15mm幅未満
△:接着強度が10N/15mm幅〜30N/15mm幅未満
×:接着強度が10N/15mm幅未満
(10)耐湿熱EVA易接着性
上記で作成したポリエステルフィルム/EVAフィルムラミネートの25mm幅の試験片を用いて、パーソナルプレッシャークッカー装置(平山製作所社製)を用いて、ポリエステルフィルムを120℃−100%RHの雰囲気にてフィルムを48時間の湿熱処理を行った。次いで、23℃×50%RHで24時間調温・調湿した後、サンプルから15mm幅の測定サンプルを切り取り、上記と同様に、ポリエステルフィルム/EVAフィルムラミネートを分離するために必要な力(接着強度)の平均値を求めた。
この値と、湿熱処理を行う前の接着強度から、接着強度保持率を次式にて算出し、下記の基準で判断した。
接着強度保持率(%)=(湿熱処理後の接着強度)/(湿熱処理前の接着強度)
○:保持率が50%以上
△:保持率が30〜50%未満
×:保持率が30%未満
(11)部分放電圧
部分放電試験器:KPD2050(菊水電子工業社製)を用いて、IEC61730−2に規定される部分放電開始電圧をIEC60664−1に準じて測定した。具体的な試験条件は、最大印加電圧:1.6kV、最大印加電圧時間:5秒、閾値:開始電圧10pcで実施した。下記基準で評価。
○:1000V以上
△:900V以上1000V未満
×:900V未満
次に以下の例で使用したポリエステル原料について説明する。
<ポリエステル(1)の製造法>
1個のスラリー調製槽、およびそれに直列に接続された2段のエステル化反応槽、および2段目のエステル化反応槽に直列に接続された3段の溶融重縮合槽からなる連続式重合装置を用い、スラリー調製槽に、テレフタル酸とエチレングリコールを重量比で100:45の割合で連続的に供給すると共に、エチルアシッドホスフェートのエチレングリコール溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してリン原子としての含有量が4重量ppmとなる量で連続的に添加して、攪拌、混合することによりスラリーを調製し、このスラリーを、窒素雰囲気下で267℃、相対圧力100kPa、平均滞留時間4時間に設定され、反応生成物が存在する第1段目のエステル化反応槽に連続的に流量120kg/hrで供給し、次いで、第1段目のエステル化反応生成物を、窒素雰囲気下で265℃、相対圧力5kPa、平均滞留時間2時間に設定された第2段目のエステル化反応槽に連続的に移送して、さらにエステル化反応させた。その際、第2段エステル化反応槽に設けた上部配管を通じて、エチレングリコールを生成するポリエステル樹脂に対して322モル/トンになる量を連続的に供給した。この場合、第2段エステル化反応槽におけるエステル化率は97%であった。
上述のエステル化反応生成物を、移送配管を経由して第1段重縮合反応槽に連続的に供給した。このとき移送配管に設けた移送ポンプの吐出圧は500kPaであった。移送配管中のエステル化反応生成物に、酢酸マグネシウム4水和物のエチレングリコール0.6 重量%溶液を、生成ポリエステル樹脂に対してマグネシウム原子としての含有量が7重量ppmとなる量で連続的に添加した。添加配管を使用して、テトラ−n−ブチルチタネートのエチレングリコール溶液を生成ポリエステル樹脂に対してチタン原子としての含有量が4重量ppmとなる量だけ連続的に添加した。
溶融重縮合の反応条件は、第1段重縮合反応槽が269℃、絶対圧力4kPa、平均滞留時間1時間であり、第2段重縮合反応槽は274℃、絶対圧力0.4kPa、平均滞留時間0.9時間、第3段重縮合反応槽は277℃、絶対圧力0.2kPa、平均滞留時間1時間であった。第3段重縮合反応槽から取り出した溶融重縮合反応生成物は、ダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが平均粒重24mgのポリエステル樹脂チップAを得た。得られたポリエステル樹脂チップAを窒素雰囲気下で約160℃に保持された攪拌結晶化機内に滞留時間が約60分となるようにチップが重ならないようにした状態で連続的に供給して結晶化させた後、塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下215℃で、得られるポリエステル樹脂の極限粘度が0.83(dl/g)となるように滞留時間を調整して固相重縮合させ、ポリエステル(1)を得た。末端カルボキシル基量は6(当量/t)であった。
<ポリエステル(2)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール200重量部とを出発原料とし、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム・4水和物を得られるポリエステル樹脂1tあたりのマグネシウム含有量が46g/樹脂tとなる量で、加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。
この反応混合物を重縮合槽に移し、平均粒子径2.5μmのシリカ粒子、エチルアシッドホスフェート、酢酸マグネシウム・4水和物、そしてテトラ−n−ブチルチタネートとの混合物からなるエチレングリコールスラリー溶液を添加し、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。
なお、エチレングリコールスラリー溶液中の各化合物の量は、得られるポリエステルに対する含有量について、シリカ粒子は3.0重量%となるように、エチルアシッドホスフェートについてはリン元素量として74g/樹脂tとなるように、酢酸マグネシウム・4水和物については、マグネシウム元素量とし46g/樹脂tとなるように(エステル交換時に添加したマグネシウムも含めて、マグネシウム元素量として合計92g/樹脂tとなる)、テトラ−n−ブチルチタネートについてはチタン元素量として5g/樹脂tとなるように、調整してある。
反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.60に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(2)を得た。極限粘度は0.60(dl/g)、末端カルボキシル基量は21(当量/t)であった。
<ポリエステル(3)の製造法:白色MB>
ポリエステル(1)の製造法に記載のポリエステル樹脂チップAを極限粘度0.85に相当するように真空下220℃で固相重合した。固相重合化したチップ50重量部と平均粒径0.3μmの二酸化チタン粒子50重量部とを混合し、ベント付き二軸押出機にて溶融押出し、ポリエステル(3)を得た。ポリエステル(3)に含まれる末端カルボキシル基量は50(当量/t)、極限粘度は0.50(dl/g)であった。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ウレタン
U1:数平均分子量約1000のポリテトラメチレングリコールとジメチロールプロピオン酸とイソホロンジイソシアネートからなるポリウレタン(カルボン酸のカウンターイオンがアンモニア)であるポリウレタン水分散体
U2:ヘキサメチレンジオールのポリカーボネートポリオール(数平均分子量約1000)とジメチロールプロピオン酸と水添ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートからなるポリウレタン(カルボン酸のカウンターイオンがトリエチルアミン)である水分散体
・オキサゾリン
X1:2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとアクリル系モノマーとの共重合ポリマー型架橋剤水溶液、オキサゾリン基量=4.5mmol/g
X2:末端がポリエチレングリコールメチルエーテルウレタンで変性されたポリ(1,2−シクロヘキシルカルボジイミド)
X3:ポリグリセロールポリグリシジルエーテル
・シリカ
D1:シリカ微粒子水分散体(平均粒子径60nm)
(塗布液例)
塗布層用の塗布液を下記表2のように作成した。
Figure 2014089995
実施例1:
ポリエステル(1)、ポリエステル(2)およびポリエステル(3)をそれぞれ86:4:10の比率で混合したポリエステル混合物を、ベント付き二軸押出機(A)に投入した。なお、ベント付き二軸押出機(A)の内径D_Aは140mm、吐出量Q_Aは1500kg/hr、スクリュー回転数N_Aは120rpm、ベント孔の減圧度は5mmHgとした。原料を二軸押出機中、290℃で溶融混練し、得られた溶融体をスリット状に押出しする。静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定したキャスティングドラム上で急冷固化させて未延伸の単層シートを得た。得られたシートを縦方向に89℃で3.3倍延伸した後、この縦延伸フィルムの下面に表1に示す塗布液1を塗布し、予熱/横延伸/熱固定1/熱固定2/熱固定3/冷却の各ゾーンにおける温度[℃]を115/135/180/225/180/125℃に設定したテンターに導くことでフィルム製膜を行い、塗布量(乾燥後)が0.03g/mを有する厚さ300μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表3に示す。
実施例2〜5:
ポリエステル原料を表2に示す配合に変更し、必要に応じて厚み調整のため製膜速度を変更すること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を表3に示す。
実施例6〜9:
塗布液を表3のとおり変更すること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を表4に示す。
比較例1〜3:
ポリエステル原料を表4に示す配合に変更し、必要に応じて厚み調整のため製膜速度を変更すること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性および評価結果を下記表5に示す。
Figure 2014089995
Figure 2014089995
Figure 2014089995
本発明のポリエステルフィルムは、例えば、太陽電池裏面封止材として好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 白色顔料を1.1〜9.0重量%含有する厚みが250μm以上のポリエステルフィルムであり、当該フィルムの固有粘度が0.64dl/g以上であり、末端カルボキシル基量が26当量/トン以下であり、少なくとも片面に接着層を有することを特徴とする太陽電池裏面封止材。
  2. 接着層が、ポリカーボネート骨格またはポリエーテル骨格の少なくとも一種を有するポリウレタンと、オキサゾリン基またはカルボジイミド基を含むポリマーからなる架橋剤とを含有する塗布液を塗布して形成されたものである請求項1に記載する太陽電池裏面封止材。
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