JP2014089840A - 車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置 - Google Patents

車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電圧変換が無くとも鉛バッテリに接続可能とした車載用の電源装置を提供する。
【解決手段】車載用のバッテリシステムは、鉛バッテリPBと、鉛バッテリPBと並列に接続されるサブバッテリ100とを備える。サブバッテリ100は、複数の蓄電器1を直列に接続した蓄電ブロック10と、複数の蓄電ブロック10を収納するための、主面を備える収納ケース30とを備え、収納ケース30の主面の一方を、鉛バッテリPBで押圧させる押圧面33として、該押圧面33を介して、鉛バッテリPBで収納ケース30を押圧するよう構成される。これにより、蓄電器の体積膨張による応力変化を抑制でき、もって蓄電器の長寿命化に寄与できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置に関し、例えば鉛蓄電池と並列にサブバッテリを接続してなる車両用のバッテリシステムと、このバッテリシステムを搭載する車両に関する。
従来の車両は、電装用のバッテリとして、定格電圧を12Vとする鉛蓄電池を用いた鉛バッテリを搭載し、また大型車両にあっては12Vの鉛バッテリを2組直列に接続して定格電圧を24Vとする鉛バッテリを搭載している。鉛バッテリは、車両のオルタネータで充電されて、車両の電装機器やセルモータなどに電力を供給している。この鉛バッテリは、放電抵抗は小さいが、充電抵抗が大きいので、効率よく充電するのが難しい欠点がある。この欠点を改善し、さらに容積や重量に対する電池容量(Ah)を大きくすることを目的として、鉛バッテリと並列にリチウムイオン二次電池を接続している車両用のバッテリシステムは開発されている(特許文献1参照)。
特開2007−46508号公報
しかしながら、このような積層型の二次電池の場合は、充放電を繰り返すことにより、二次電池の外装缶が膨張して、内部抵抗が増加し、寿命が短くなるという問題があった。特に大電流での充放電を短時間で行う程、このような膨張の程度も大きくなる。また、鉛バッテリは車両のエンジンルームに設置されるため、周囲温度も高く、またエンジンなどの駆動系によって振動するため、二次電池にとっては過酷な環境下で使用されることとなって、短期に寿命に至ることが考えられる。さらに、膨張により内部短絡を生じる可能性もある。
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、鉛バッテリと共に使用される電源装置の膨張を抑制して長寿命化を図った車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記目的を達成するために、本発明の一の車載用のバッテリシステムによれば、鉛バッテリと、前記鉛バッテリと並列に接続されるサブバッテリとを備える車載用のバッテリシステムであって、前記サブバッテリは、複数の蓄電器を直列に接続した蓄電ブロックと、前記複数の蓄電ブロックを収納するための、主面を備える収納ケースとを備え、前記収納ケースの主面の一方を、前記鉛バッテリで押圧させる押圧面として、該押圧面を介して、前記鉛バッテリで前記収納ケースを押圧するよう構成できる。上記構成により、蓄電器の体積膨張による応力変化を抑制でき、もって蓄電器の長寿命化に寄与できる。
また、他の車載用のバッテリシステムによれば、さらに前記収納ケースを、車両の所定位置に固定するための固定機構を備えており、前記固定機構は、前記収納ケースの押圧面を上面とする姿勢で、前記鉛バッテリを重ねた状態で、該鉛バッテリとサブバッテリとを纏めて車両の所定位置に固定するよう構成できる。上記構成により、サブバッテリと鉛バッテリを共通の固定機構で固定でき、固定作業を簡素化できる利点が得られる。
さらに、他の車載用のバッテリシステムによれば、前記固定機構は、前記鉛バッテリとサブバッテリとを積層した状態で、その表面に沿って周囲を覆うように断面視コ字状に形成できる。上記構成により、固定機構によるサブバッテリと鉛バッテリの締結作業を容易にでき、また鉛バッテリの交換作業を容易に行える利点が得られる。
さらにまた、他の車載用のバッテリシステムによれば、前記鉛バッテリの重量Aと、前記サブバッテリの重量Bとの比率が、A/B≧1とすることができる。
さらにまた、他の車載用のバッテリシステムによれば、前記収納ケースの押圧面を、これと押圧させる鉛バッテリの主面よりも小さく形成することができる。上記構成により、収納ケースの主面の全面を、鉛バッテリの主面で押圧でき、その膨張を抑制できる。
さらにまた、他の車載用のバッテリシステムによれば、前記蓄電器の外装缶を角形とすることができる。
さらにまた、他の車載用のバッテリシステムによれば、前記蓄電器を、角形の二次電池セルとすることができる。
さらにまた、他の車載用のバッテリシステムによれば、アイドリングストップの車両に搭載可能であり、車両の回生発電の電力でもって、前記鉛バッテリとサブバッテリの両方を充電可能とすることができる。
さらにまた、本発明のバッテリシステムを備える車両によれば、上記のバッテリシステムを備えると共に、車両を走行させるエンジンと、前記エンジンで駆動され、かつ車両の回生制動で駆動されるオルタネータとを備え、前記オルタネータで、回生制動時に電源装置を充電するアイドリングストップ機能を有することができる。
さらにまた、本発明の車両用の電源装置によれば、複数の蓄電器を直列に接続した蓄電ブロックと、前記複数の蓄電ブロックを収納するための、主面を備える収納ケースとを備え、前記収納ケースの主面の一方を、鉛バッテリと押圧させる押圧面とし、使用時には、前記収納ケースの押圧面を鉛バッテリで押圧するように構成できる。上記構成により、蓄電器の体積膨張による応力変化を抑制でき、もって蓄電器の長寿命化に寄与できる。
本発明の実施の形態1に係る車載用のバッテリシステムを示す斜視図である。 図1の車載用のバッテリシステムの分解斜視図である。 図1の車載用のバッテリシステムのIII−III線における垂直断面図である。 図2のサブバッテリの内部構造を示す透視斜視図である。 図4のサブバッテリを背面側から見た分解斜視図である。 実施の形態2に係る車載用のバッテリシステムの模式垂直断面図である。 バッテリシステムを車両に接続した状態を示す回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置を例示するものであって、本発明は車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置を以下のものに特定しない。また実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る車載用のバッテリシステム1000の斜視図を図1に、この車載用のバッテリシステム1000の分解斜視図を図2に、この車載用のバッテリシステム1000の内部構造を図3の断面図に、それぞれ示す。これらの図に示す車載用のバッテリシステム1000は、車両に備えられたバッテリ固定用のトレイTRに、固定機構40でもって固定されている。このバッテリシステム1000は、鉛バッテリPBと、サブバッテリ100で構成される。サブバッテリ100は、鉛バッテリPBと並列に電気接続されており、鉛バッテリPBの出力端子から、バッテリシステム1000の出力が得られる。鉛バッテリPBには、既存の定格電圧を12Vとする鉛蓄電池が用いられる。また鉛バッテリPBは、外観を箱形としている。
(サブバッテリ100)
一方サブバッテリ100は、図4の透視斜視図及び図5の分解斜視図に示すように、複数の蓄電器1を直列に接続した蓄電ブロック10と、蓄電ブロック10と電気的に接続された回路基板20と、これらを収納する収納ケース30とを備える。
(収納ケース30)
収納ケース30は対向する主面を有する箱形とし、横長の姿勢で上面側の主面に鉛バッテリPBを載置して、トレイTRに固定する。このため収納ケース30は、上面に鉛バッテリPBを載置しても十分な強度に設計される。ここでは、収納ケース30を軽量で絶縁性に優れた樹脂製としている。また、上面側の主面を、鉛バッテリPBを載置して押圧される押圧面33とし、下面側の主面をトレイTRに載置する載置面34としている。このように、載置面34を下面としてサブバッテリ100をトレイTR上に載置し、さらにその上面の押圧面33に鉛バッテリPBを積層して、このバッテリ積層体101を固定機構40でトレイTR上に固定する。この結果、収納ケース30がトレイTR上に強固に固定されると共に、上下の主面を挟持されて押圧され、この収納ケース30に収納された蓄電ブロック10を構成する蓄電器1の膨張を抑制できる。特に鉛バッテリPBはある程度の重量を有するため、これを利用してサブバッテリ100を安定的に保持できる。ここで鉛バッテリPBの重量をA[kg]、サブバッテリ100の重量をB[kg]とする場合、A/B≧1とすることが好ましい。このようにすることで、特に車両のエンジンルームのような、振動が連続的に生じる環境下に置かれても、鉛バッテリPBで押圧することで振動を抑制できる効果が得られる。
このようにして、サブバッテリ100は上面側の主面を鉛バッテリPBで押圧し、下面側の主面をトレイTRの床面に押圧して、これらの間で狭持され、膨張を抑制される。なお、バッテリ固定用のトレイTRは、図3の断面図に示すように車両のシャーシSSに予め固定されている。また車両のシャーシ自体を、トレイとして利用することもできる
なお収納ケース30の押圧面33は、これと押圧させる鉛バッテリPBの主面よりも小さく形成することが好ましい。これにより、収納ケース30の主面の全面を、鉛バッテリPBの主面で押圧でき、その膨張を抑制できる。
また、サブバッテリ100の主面を広い面積で鉛バッテリPBと接触させることで、鉛バッテリPBでもってサブバッテリ100の発熱を吸収できる利点も得られる。すなわち、鉛バッテリPBは多くの水分を含んでいるため熱容量が大きく、サブバッテリ100が発熱してもこれを吸収できる。特にサブバッテリ100に二次電池等を使用する場合は、充放電によって発熱が生じる。二次電池の発熱は、二次電池自体の寿命にも影響を与えるため、十分な放熱性が要求されるところ、例えば車両のエンジンルームに置かれる場合は周囲が非常に高温となり、冷却を図ることが困難となる。このような状況下で、既存の鉛バッテリPBを利用してサブバッテリ100の膨張を抑制することに加え、放熱性の改善にも利用することができ、追加の冷却機構を付加することなく、安価にかつ簡便に蓄電器1の長寿命化を図ることができる利点が得られる。
なお、サブバッテリと鉛バッテリとの間は、直接接触させる他、間に絶縁体や緩衝材、熱伝導シート等の介在物を、必要に応じて介在させることもできる。例えば熱伝導シートは、サブバッテリと鉛バッテリとの接触界面に隙間が形成されるのを防ぎ、空気層によって断熱される事態を回避できる。また、サブバッテリの表面を鉛バッテリと絶縁する必要がある場合は、絶縁シートを介在させることで安全性を高められる。
(蓄電ブロック10)
サブバッテリ100は、図3〜図5に示すように、蓄電ブロック10と、蓄電ブロック10と電気的に接続された回路基板20と、これら蓄電ブロック10と回路基板20とを収納する収納ケース30と、蓄電ブロック10の総電圧を出力する一対のサブ出力端子36とを備える。収納ケース30は、図5の例では上ケース31と下ケース32に二分割され、内部に蓄電ブロック10と回路基板20とを収納する収納空間を形成している。
蓄電ブロック10は、複数の蓄電器1を直列に接続して構成される。また、並列接続を組み合わせることもできる。図5の例では、2本の蓄電器1を並列に接続し、これを3組直列に接続している。蓄電器1同士の接続は、リード板52を用いる。また蓄電ブロック10の端縁においては正極側リード板及び負極側リード板を設けて、総電圧を取り出し、サブ出力端子36と接続する。
(蓄電器1)
蓄電器1は、蓄電可能な部材であり、リチウムイオン二次電池が好適に利用できる。ただ、本発明は蓄電器をリチウムイオン二次電池に限定するものでなく、リチウムポリマー電池やニッケル水素電池等、他の二次電池も使用できる。また、この例では蓄電器1として二次電池セルを使用する例を説明しているが、本発明は蓄電器として電池セルに代えて、あるいはこれに加えて、電気二重層キャパシタ(EDLC)等のキャパシタを利用することもできる。本明細書においては、バッテリにキャパシタを包含する意味で使用する。
(回路基板20)
回路基板20は、図3〜図5に示すように、蓄電ブロック10と収納ケース30の側面との間に配置されている。この回路基板20は、二次電池1の充放電を監視する電子回路を実装している。また回路基板20には、各二次電池1の異常を、電流や電圧、温度等に基づいて監視し、異常と判定されたときにはこれを遮断する安全回路を実装することもできる。
(サブ出力端子36)
また収納ケース30の側面には、一対のサブ出力端子36を突出させている。サブ出力端子36は、蓄電ブロック10の総電圧の正極側と接続された正極側サブ出力端子と、負極側と接続された負極側サブ出力端子とで構成される。正極側サブ出力端子は収納ケース30の内部で、正極側リード板と、負極側サブ出力端子は負極側リード板と、それぞれ接続されている。さらに収納ケース30の外部において、サブ出力端子36は、鉛バッテリPBの鉛出力端子OTとケーブル50を介して接続される。サブバッテリ100を鉛バッテリPBと並列に接続するために、正極側サブ出力端子は正極側の鉛出力端子と、負極側サブ出力端子は、負極側の鉛出力端子と、それぞれ接続されている。このようなケーブル50には、ハーネスや金属リードが利用できる。またケーブル50は、固定機構40等の部材と短絡しないよう、表面を絶縁することが好ましい。
(固定機構40)
また車載用のバッテリシステム1000は、収納ケース30を車両の所定位置に固定するための固定機構40を備えている。固定機構40は、収納ケース30の押圧面33を上面とする姿勢で、鉛バッテリPBを重ねた状態で、該鉛バッテリPBとサブバッテリ100とを纏めて車両の所定位置に固定する。これにより、サブバッテリ100と鉛バッテリPBを共通の固定機構40で固定でき、固定作業を簡素化できる利点が得られる。
図1〜図3に示す固定機構40は、鉛バッテリPBとサブバッテリ100とを積層したバッテリ積層体101の表面に沿って、周囲を覆うように断面視コ字状に形成されている。ここでは、固定機構40は固定板42と一対のロッド44で構成される。これら固定板42やロッド44は、十分な強度を備える材質、例えば金属製とすることが好ましい。固定板42は、鉛バッテリPBの上面に配置され、その両端を鉛バッテリPBの側面から突出させて、各々にねじ穴を開口させている。そしてバッテリ積層体101の側面には、それぞれロッド44を配置する。ロッド44の先端は、固定板42のねじ穴に螺合可能なねじ溝を切っており、また他端は、鉤状に折曲させた鉤状部45としている。トレイTRには、バッテリ積層体101を配置する位置の側面に、予めスリットSLを開口しており、このスリットSLにロッド44の鉤状部45を挿入して、またねじ溝を固定板42のねじ穴に螺合させてナット46等で固定し、固定機構40でもってバッテリ積層体101をトレイTRに固定する。
この構成の固定機構40は、一の固定機構40で鉛バッテリPBとサブバッテリ100を同時に固定できるので、固定作業を容易にできる利点が得られる。また鉛バッテリPBは定期的に交換する必要があることから、固定作業の省力化は交換作業の効率化の面でも有利となる。
図1〜図3の例では、このような固定板42やロッド44で構成された固定機構40を2つ、バッテリ積層体101の周囲で互いに離間させつつ平行に設けている。ただ、固定機構の数はこれに限らず、求められる固定強度やバッテリ積層体の大きさなどに応じて、1のみ、あるいは3以上とすることもできる。さらに固定機構の構成も、固定板とロッドの組み合わせに限らず、例えばベルト状にバッテリ積層体を巻き付けたり、あるいは鉛バッテリとサブバッテリを貫通するねじ穴を四隅に開口させて螺合させるなど、既知の固定方法が適宜利用できる。
このように、収納ケース30の主面の一方を鉛バッテリPBで押圧させる押圧面33として、この押圧面33を介して、鉛バッテリPBで収納ケース30を押圧した状態に、固定機構40で固定する。これにより、鉛バッテリPBの重量と固定機構40の相乗効果によって二次電池の体積膨張による応力変化を抑制でき、もって二次電池の長寿命化が図られる。
(実施の形態2)
以上の例では、蓄電器として角型の二次電池を使用した例を説明したが、本発明はこの構成に限らず、円筒形の二次電池を用いることもできる。このような例を実施の形態2に係るバッテリシステム1000’として、図6の垂直断面図に示す。この断面図では、説明を容易にするため固定機構の図示を省略している。ここでは、サブバッテリ100’において蓄電器1’としてニッケル水素電池を使用している。このニッケル水素電池を5本、横並びに並べた状態で直列に接続して、これを2組直列に接続して、計10本のニッケル水素電池を直列に接続した蓄電ブロック10’を構成している。この構成であれば、定格1.2Vのニッケル水素電池を10本用いて、容易に12Vの蓄電ブロック10’を構成できる。すなわち、昇圧や降圧といった電圧変換を不要として、変換回路を省略して構成を大幅に簡素化できる。さらにこの蓄電ブロック10’を、円筒形の外装缶を直立させた姿勢で収納ケース30’に収納してサブバッテリ100’を構成する。このサブバッテリ100’の上面に載置した鉛バッテリPBとトレイTRの床面との間で挟持することにより、外装缶の膨張を機械的に抑制でき、長寿命化も図られる。さらにこの例でも、蓄電器としてニッケル水素電池に代えて、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー電池等、他の二次電池やキャパシタも使用できる。
(回路図)
以上のバッテリシステム1000を、車両に接続した例を図7に示す。この図に示す車両は、アイドリングストップ機能を有しており、エンジン96で車輪97を駆動して走行する。またサブバッテリ100は、鉛バッテリPBと並列に接続される。このサブバッテリ100は、鉛バッテリPBを補助する補助バッテリとして機能する。鉛バッテリPBとサブバッテリ100である車載用の電源装置は、電流調整回路等を介することなく、ケーブル50で直接に接続される。したがって、鉛バッテリPBとサブバッテリ100の電圧は常に同じ電圧となる。ただ、本発明のバッテリシステムは、鉛バッテリとサブバッテリとをリレーや半導体スイッチング素子等のスイッチング素子を介して並列に接続し、ダイオード等を介して並列に接続することもできる。
鉛バッテリPBは、6セルを直列に接続して定格電圧を12Vとするバッテリである。ただ、本発明は鉛バッテリ側の定格電圧を12Vには特定しない。すなわち、2個の鉛バッテリを直列に接続して定格電圧を24Vとし、また、3個の鉛バッテリを直列に接続して36V、4個の鉛バッテリを直列に接続して48Vとして使用することもできるからである。従来の電装機器は、12Vの電源電圧で動作するように設計されているが、24V〜48Vの鉛バッテリを搭載する車両は、この電圧で動作する電装機器を搭載する。
サブバッテリ100は、充放電の効率を改善し、かつ鉛バッテリPBの劣化を防止するために並列に接続される。サブバッテリ100は、鉛バッテリPBと並列に接続されて、同じ電圧となる。この状態において、サブバッテリ100と鉛バッテリPBとの充放電の電流バランス、すなわち適合性が大切である。適合性が悪いと、鉛バッテリやサブバッテリのみが充電されたり、あるいは鉛バッテリやサブバッテリのみが放電されたりするため、両方を並列に接続しても、充放電の効率を改善できず、また鉛バッテリの寿命も効果的には長くできなくなる。
鉛バッテリPBとサブバッテリ100の適合性は、サブバッテリ100の開路電圧−放電深度特性をコントロールして実現する。サブバッテリ100の開路電圧−放電深度特性は、たとえばニッケル水素電池においては正極の亜鉛量等で調整でき、リチウムイオン二次電池やリチウムポリマー電池にあっては、正極活物質であるリチウム含有化合物の選択により調整できる。
以上のバッテリシステム1000は、回生制動によらずエンジン96でオルタネータ6を駆動して充電する車両においても、燃費効率を改善できる。それは、鉛バッテリPBの最大で8倍もの電力を、サブバッテリ100に充電できるからである。車両のオルタネータ6は、鉛バッテリPBを一定の電圧で充電して劣化を防止し、かつ電装機器5の供給電圧を一定とするために、出力電圧を常に一定の電圧である約14Vに安定化している。したがって、オルタネータ6が鉛バッテリPBを充電する電流は小さく、大電流では充電されない。したがって、車両には出力電流を100Aとするオルタネータ6が搭載されても、このオルタネータ6が100Aで鉛バッテリPBを充電することはなく、オルタネータ6は電装機器5に電力を供給するために出力電流を大きくしている。このオルタネータ6がバッテリシステム1000を大電流で充電できることは、車両の燃費効率を改善することに有効である。それは、オルタネータ6を高い発電効率の領域で運転し、かつエンジン96も燃料消費率の小さい領域で運転できるからである。オルタネータ6は軽負荷での発電効率が低く、エンジン96は軽負荷での燃料消費率が大きくなるからである。
さらに、この電源装置を用いた車両用のバッテリシステム1000は、回生制動の発電電力を鉛バッテリPBのみでなく、サブバッテリ100に充電して鉛バッテリPBを大電流充電から保護し、またオルタネータ6で充電されない状態では、鉛バッテリPBのみでなく充電されたサブバッテリ100から電装機器5に電力を供給するので、鉛バッテリPBを充電と過放電から防止して、寿命を長くできる。
本発明に係る車載用のバッテリシステム及びこれを備える車両並びに車載用の電源装置は、車両に搭載する電装用バッテリや補機バッテリとして好適に利用できる。特に、回生制動で鉛バッテリを充電するアイドリングストップ機能を備えた車両に適用すると、鉛バッテリの負荷を軽減できる。
1000、1000’…バッテリシステム
100、100’…サブバッテリ
101…バッテリ積層体
1、1’…蓄電器
5…電装機器
6…オルタネータ
10、10’…蓄電ブロック
20…回路基板
30、30’…収納ケース
31…上ケース
32…下ケース
33…押圧面
34…載置面
36…サブ出力端子
40…固定機構
42…固定板
44…ロッド
45…鉤状部
46…ナット
50…ケーブル
52…リード板
96…エンジン
97…車輪
PB…鉛バッテリ
OT…鉛出力端子
TR…トレイ
SL…スリット
SS…シャーシ

Claims (10)

  1. 鉛バッテリと、
    前記鉛バッテリと並列に接続されるサブバッテリと
    を備える車載用のバッテリシステムであって、
    前記サブバッテリは、
    複数の蓄電器を直列に接続した蓄電ブロックと、
    前記複数の蓄電ブロックを収納するための、主面を備える収納ケースと
    を備え、
    前記収納ケースの主面の一方を、前記鉛バッテリで押圧させる押圧面として、該押圧面を介して、前記鉛バッテリで前記収納ケースを押圧するよう構成してなることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  2. 請求項1に記載の車載用のバッテリシステムであって、さらに、
    前記収納ケースを、車両の所定位置に固定するための固定機構を備えており、
    前記固定機構は、前記収納ケースの押圧面を上面とする姿勢で、前記鉛バッテリを重ねた状態で、該鉛バッテリとサブバッテリとを纏めて車両の所定位置に固定するよう構成してなることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  3. 請求項2に記載の車載用のバッテリシステムであって、
    前記固定機構は、前記鉛バッテリとサブバッテリとを積層した状態で、その表面に沿って周囲を覆うように断面視コ字状に形成されてなることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載の車載用のバッテリシステムであって、
    前記鉛バッテリの重量Aと、前記サブバッテリの重量Bとの比率が、A/B≧1であることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  5. 請求項1から4のいずれか一に記載の車載用のバッテリシステムであって、
    前記収納ケースの押圧面が、これと押圧させる鉛バッテリの主面よりも小さく形成されてなることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  6. 請求項1から5のいずれか一に記載の車載用のバッテリシステムであって、
    前記蓄電器が、その外装缶を角形としてなることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  7. 請求項1から6のいずれか一に記載の車載用のバッテリシステムであって、
    前記蓄電器が、角形の二次電池セルであることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  8. 請求項1から7のいずれか一に記載の車載用のバッテリシステムであって、
    アイドリングストップの車両に搭載可能であり、車両の回生発電の電力でもって、前記鉛バッテリとサブバッテリの両方を充電可能としてなることを特徴とする車載用のバッテリシステム。
  9. 請求項1から8のいずれか一に記載の電源装置を備えるバッテリシステムであって、
    車両を走行させるエンジンと、
    前記エンジンで駆動され、かつ車両の回生制動で駆動されるオルタネータと
    を備え、
    前記オルタネータで、回生制動時に電源装置を充電するアイドリングストップ機能を有することを特徴とする車両。
  10. 鉛バッテリと並列に接続可能な車載用の電源装置であって、
    複数の蓄電器を直列に接続した蓄電ブロックと、
    前記複数の蓄電ブロックを収納するための、主面を備える収納ケースと
    を備え、
    前記収納ケースの主面の一方を、鉛バッテリと押圧させる押圧面とし、
    使用時には、前記収納ケースの押圧面を鉛バッテリで押圧するように構成してなることを特徴とする車載用の電源装置。
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