JP2014089025A - 車両用冷凍サイクルシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの冷却水を十分に放熱させつつ、室外熱交換器における効率を高める。
【解決手段】加熱運転時に、差圧確保モード運転やデフロストモード運転を行う場合、制御部70は、室外ファン60を逆転させ、ラジエタ44側から室外熱交換器32側に風が流れるように作動させる。
また、室外ファン60ファンによって発生した風を、ラジエタ44の下流側から室外熱交換器32の上流に導く導風部材を設けても良い。また、ラジエタ44側の冷却水と、室外熱交換器32側の冷媒との間で熱交換させる熱交換器を設けても良い。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍車や冷蔵車等の車両に搭載された荷物室内の温度調整を行う車両用冷凍サイクルシステムに関するものである。
冷凍車や冷蔵車等の車両に設けられた荷物室内の温度調整を行う車両用冷凍サイクルシステムにおいては、冷凍サイクル内で冷媒を循環させ、荷物室外に設けた室外熱交換器で荷物室外の空気と冷媒とを熱交換し、荷物室内に設けた室内熱交換器で荷物室内の空気と冷媒とを熱交換することで、荷物室内の温度調整を行っている。ここで、冷凍車や冷蔵車では、一般には荷物室内を冷却するが、厳寒地等において外気温が極端に低い場合や、庫内設定温度が外気温よりも低い場合等においては、荷物室内を加熱する必要がある。そこで、冷凍サイクルにより、ヒートポンプシステムを構成し、冷却運転と加熱運転とを行えるようにしたものが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
このような車両用冷凍サイクルシステムにおいては、冷凍サイクル内で冷媒を循環させるためのコンプレッサの駆動源として、車両の走行用のエンジンとは別に、車両用冷凍サイクルシステム専用のエンジンを用いたものがある。
図8に示すように、専用のエンジン10を備えた車両用冷凍サイクルシステム1の冷凍サイクル回路2は、冷媒を圧縮し、高温・高圧のガスにする圧縮機3と、外気と冷媒との熱交換を行う室外熱交換器4と、室外熱交換器4で液化した液化冷媒を蓄えるレシーバ5と、例えば2つの荷物室A,B内にそれぞれ設けられ、庫内の空気と冷媒との熱交換を行う室内熱交換器6A、6Bと、室内熱交換器6A、6Bに送り込む冷媒流量を調整する膨張弁7と、圧縮機3の直前で液化冷媒を一時的に貯留するアキュムレータ8と、を備えている。
この車両用冷凍サイクルシステム1においては、冷却運転時には、圧縮機3で高温・高圧の冷媒を室外熱交換器4で外気により冷却して液化し、レシーバ5を経て、液冷媒を減圧して室内熱交換器6A,6Bに送り込んで冷媒を蒸発させて庫内空気の熱を奪うことで、庫内空気を冷却する。
また、車両用冷凍サイクルシステム1は、加熱運転時には、圧縮機3で液化した高温・高圧の冷媒を、そのまま室内熱交換器6A,6Bに送り込むことで庫内空気を加熱し、室外熱交換器4で外気から熱を奪って冷媒を蒸発させる。
圧縮機3を駆動するエンジン10は、エンジン10を冷却する冷却水回路11を備えている。この冷却水回路11は、冷却水を冷却水回路11内で循環させるウォーターポンプ12と、空気と熱交換させることで冷却水を放熱させるラジエタ13と、を備えている。
ここで、車両用冷凍サイクルシステム1の省スペース化のため、室外熱交換器4とラジエタ13とが、互いに対向して近接配置されている。そして、これら室外熱交換器4およびラジエタ13における熱交換効率を高めるために、ファン14を、室外熱交換器4側からラジエタ13側に向けて風が流れるように設けている。
特開2010−196915号公報
ところで、冷却運転と加熱運転の双方が可能な車両用冷凍サイクルシステム1においては、前記したように、加熱運転時に、室外熱交換器4を蒸発器として機能させるが、このときに、外気温が低い場合等、室外熱交換器4に、空気中の水分が着霜してしまうことがある。着霜すると、室外熱交換器4表面において熱交換を行える表面積が減少して熱交換性能が低下し、冷却性能自体が低下してしまう。このため、一時的に圧縮機3から高温・高圧の冷媒を室外熱交換器4に送り込んで霜を除去する、いわゆるデフロスト運転を行うことがある。この場合、ファン14では、風を当てて室外熱交換器4を冷却しない方が効率が良い。
また、外気温が低い状態で冷却運転をする場合、冷凍サイクル回路2内で、冷媒を安定的に流すためには、圧縮機3の入口側と出口側との間で冷媒の差圧を大きく確保するのが好ましい。この場合も、ファン14では、風を当てて室外熱交換器4を冷却しない方が効率が良い。
しかしながら、上記したような場合に、ファン14を停止させると、ラジエタ13における冷却水の放熱が十分に行えず、エンジン10がオーバーヒートしてしまう可能性もある。したがって、エンジン10の作動時における冷却水の温度によって、ファン14を回し続けざるを得ないのが実情であり、室外熱交換器4側の効率が損なわれることとなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エンジンの冷却水を十分に放熱させつつ、室外熱交換器における効率を高めることのできる車両用冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用冷凍サイクルシステムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、車両に備えられた荷物室内を冷却する車両用冷凍サイクルシステムであって、前記荷物室外に配置されて冷媒と前記荷物室外の空気とを熱交換する室外熱交換器と、前記荷物室内に配置されて前記冷媒と前記荷物室内の空気とを熱交換する室内熱交換器と、前記冷媒を圧縮して高温・高圧のガス冷媒とする圧縮機と、前記圧縮機からの前記ガス冷媒の供給先を前記室外熱交換器または前記室内熱交換器に切り替える制御部と、前記圧縮機を駆動するエンジンと、前記室外熱交換器に対向して近接配置され、前記エンジンの冷却水を放熱させるラジエタと、前記室外熱交換器から前記ラジエタに向けて流れる風を発生させるファンと、前記エンジンの前記冷却水の熱を、前記室外熱交換器側に伝達する熱伝達手段と、を備えることを特徴とする。
このような車両用冷凍サイクルシステムでは、冷却運転時には、制御部で圧縮機からの高温・高圧のガス冷媒の供給先を室外熱交換器とする。すると、室外熱交換器でガス冷媒と荷物室外の空気とで熱交換することでガス冷媒を液化し、この液冷媒を減圧して室内熱交換器に送り込んで荷物室内の空気と熱交換すると、荷物室内を冷却することができる。
また、加熱運転時には、制御部で圧縮機からの高温・高圧のガス冷媒の供給先を室内熱交換器とする。すると、室内熱交換器では、荷物室内で放熱させて荷物室内を加熱することができる。
通常時は、冷却運転時、加熱運転時のいずれにおいても、ファンにより室外熱交換器からラジエタに向けて風を流すことにより、ラジエタからの放熱を促進し、同時に冷却運転時は室外熱交換器からの放熱、加熱運転時は室外熱交換器からの吸熱を促進させる。
そして、外気温が低い状態で冷却運転を行うときに圧縮機の前後で冷媒の差圧を大きく確保したい場合や、室外熱交換器のデフロスト運転を行いたい場合には、熱伝達手段により、エンジンの冷却水の熱を室外熱交換器側に伝達することで、室内熱交換器の放熱を抑えることができ、差圧の確保や除霜を効率良く行うことができる。しかも、いずれの場合においても、冷却水の放熱を確実に行える。
前記熱伝達手段として、前記ファンが逆転され、前記ラジエタ側から前記室外熱交換器側に向けて流れる風が発生されるようにしても良い。
これにより、ラジエタ側の熱を室外熱交換器側に伝達することができる。
このような構成は、ファンを逆転させるのみであるので、非常に簡易であり、低コストに実現できる。
また、前記熱伝達手段として、前記ファンによって発生した前記風を、前記ラジエタの下流側から前記室外熱交換器の上流側に導く導風部材が設けられているようにしても良い。
これによっても、ラジエタ側の熱を室外熱交換器側に伝達することができる。
このような構成は、ファンがターボファンやシロッコファン等、逆転させても逆方向に風を流せないものである場合に有効である。
また、前記熱伝達手段として、前記エンジンの前記冷却水と、前記室外熱交換器側の前記冷媒との間で熱交換させる熱交換器が設けられているようにしても良い。
これにより、エンジンの冷却水の熱を室外熱交換器側に伝達することができる。
このような構成は、冷却水と冷媒との間で直接的に熱交換を行うため、熱交換効率が高い。
本発明によれば、外気温が低い状態で冷却運転を行いながら圧縮機の前後で冷媒の差圧を大きく確保したい場合や、室外熱交換器のデフロスト運転を行いたい場合には、室内熱交換器の放熱を抑え、差圧の確保や除霜を効率良く行うことができる。しかも、いずれの場合においても、エンジンの冷却水の放熱を確実に行える。したがって、エンジンの冷却水を十分に放熱させつつ、室外熱交換器における効率を高めることが可能となる。
本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第1実施形態において、通常運転時にファンを正転させている状態を示す図である。 本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第1実施形態において、ファンを逆転させている状態を示す図である。 本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第2実施形態を示す図である。 本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第2実施形態を示す図であり、導風部材のダンパを閉じている状態を示す図である。 本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第2実施形態の変形例を示す図である。 本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第2実施形態のさらに他の変形例を示す図である。 本発明の車両用冷凍サイクルシステムの第3実施形態の構成を示す図である。 従来の車両用冷凍サイクルシステムの一例を示す図である。
以下に、本発明に係る車両用冷凍サイクルシステムの実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1、図2を用いて説明する。
図1に示すように、車両用冷凍サイクルシステム20Aは、車両の荷物室100内を冷却・加熱する冷凍サイクル回路30と、冷凍サイクル回路30を構成する圧縮機31を駆動するエンジンユニット40と、を備えている。
本実施形態において、荷物室100は、仕切壁102によって区分された例えば二つの荷物室101A,101Bを備えるものとするが、その数は一つでも良いし三つ以上であっても良い。
冷凍サイクル回路30は、冷媒を圧縮し、高温・高圧のガスにする圧縮機31と、荷物室100外の外気と冷媒との熱交換を行う室外熱交換器32と、液化した液化冷媒を蓄えるレシーバ33と、二つの荷物室101A,101Bにそれぞれ設けられ、荷物室100内の空気と冷媒との熱交換を行う、室内ファン34fを有した室内熱交換器34A,34Bと、圧縮機31の直前で液化冷媒を一時的に貯留するアキュムレータ35と、を備えている。
圧縮機31の出口側には、高温・高圧のガスが送り出されるホットガス搬送管51が接続されている。このホットガス搬送管51は、途中で3本のホットガス分岐管51A,51B,51Cに分岐している。
このうち2本のホットガス分岐管51A,51Bは、室内熱交換器34A,34Bの一端側に接続され、室内熱交換器34A,34Bの他端側には、レシーバ33に繋がるレシーバ接続管52A,52Bが接続されている。レシーバ接続管52A,52Bには、室内熱交換器34A,34Bに送り込む冷媒流量を調整する膨張弁36A,36Bが設けられるとともに、膨張弁36A,36Bと並行して、逆止弁37A,37Bを有したバイパス管55A,55Bが設けられている。
残る1本のホットガス分岐管51Cは、室外熱交換器32の一端側に接続され、室外熱交換器32の他端側には、レシーバ33に繋がるレシーバ接続管52Cが接続されている。レシーバ接続管52Cには、膨張弁36Cが設けられるとともに、膨張弁36Cと並行して、逆止弁37Cを有したバイパス管55Cが設けられている。
これらホットガス分岐管51A,51B,51Cには、圧縮機31の出口側と、室内熱交換器34A,34B、室外熱交換器32との間に、それぞれ開閉弁38A,38B,38Cが設けられている。
また、室内熱交換器34A,34B、室外熱交換器32の一端側には、室内熱交換器34A,34B、室外熱交換器32で気化したガス冷媒を搬送するガス冷媒分岐管56A,56B,56Cがホットガス分岐管51A,51B,51Cとともに接続され、これらガス冷媒分岐管56A,56B,56Cは1本のガス冷媒搬送管56に合流して、アキュムレータ35に接続されている。
これらガス冷媒分岐管56A,56B,56Cには、それぞれ、開閉弁39A,39B,39Cが設けられている。
エンジンユニット40は、圧縮機31を駆動するエンジン41と、エンジン41を冷却する冷却水が循環する冷却水回路42を備えている。この冷却水回路42は、冷却水を循環させるウォーターポンプ43と、空気と熱交換させることで冷却水を放熱させるラジエタ44と、を備えている。
ここで、室外熱交換器32とラジエタ44は、荷物室100の外部に設けられた熱交換器室103内に収容され、圧縮機31、レシーバ33、アキュムレータ35、エンジン41、ウォーターポンプ43は、熱交換器室103に隣接した機械室104内に収容されている。
熱交換器室103内においては、省スペース化のため、室外熱交換器32とラジエタ44とが、互いに対向して近接配置されている。
そして、これら室外熱交換器32およびラジエタ44における熱交換効率を高めるために、室外ファン60が、熱交換器室103と機械室104を仕切る仕切壁105の両側に連通するよう設けられている。この室外ファン60は、例えば、プロペラファンであり、ラジエタ44に対向するよう配置されている。
車両用冷凍サイクルシステム20Aには、エンジン41の回転数、膨張弁36A,36B、36Cの開度、開閉弁38A,38B,38C、39A,39B,39Cの開閉、室内ファン34f、室外ファン60の回転数等を制御するための制御部70が備えられている。
さて、この車両用冷凍サイクルシステム20Aにおいては、制御部70による各部の制御によって、冷凍サイクル回路30で荷物室101A,101Bを冷却する冷却運転を以下のようにして行う。
冷却運転時には、圧縮機31で圧縮した高温・高圧の冷媒を、ホットガス搬送管51,ホットガス分岐管51Cを経て室外熱交換器32に送り込む。このとき、ホットガス分岐管51A,51Bの開閉弁38A,38Bと、室外熱交換器32の一端側に接続されたガス冷媒分岐管56Cの開閉弁39Cと、を閉じておく。
室外熱交換器32では、高温・高圧の冷媒を外気と熱交換することで放熱させることによって、冷却して液化し、レシーバ接続管52C、レシーバ33に送る。レシーバ33に蓄えられた液冷媒は、レシーバ接続管52A,52Bを経て膨張弁36A,36Bで減圧された後、室内熱交換器34A,34Bに送り込まれる。室内熱交換器34A,34Bは、液冷媒を蒸発させて荷物室100内の空気の熱を奪うことで、荷物室100内を冷却する。
そして、室内熱交換器34A,34Bで気化したガス冷媒は、ガス冷媒分岐管56A,56B、ガス冷媒搬送管56、アキュムレータ35を経て、圧縮機31に循環される。
また、冷凍サイクル回路30で荷物室101A,101Bを加熱する加熱運転は、制御部70による各部の制御によって、以下のようにして行う。
加熱運転時には、圧縮機31で圧縮した高温・高圧の冷媒を、ホットガス搬送管51,ホットガス分岐管51A,51Bを経て室内熱交換器34A,34Bに送り込む。このとき、ホットガス分岐管51Cの開閉弁38C、室内熱交換器34A,34Bの一端側に接続されたガス冷媒分岐管56A,56Bの開閉弁39A,39Bは閉じておく。
室内熱交換器34A,34Bでは、高温・高圧の冷媒を荷物室101A,101B内の空気と熱交換することで放熱させて液化する。これにより、荷物室101A,101B内が加熱される。
室内熱交換器34A,34Bで液化した冷媒は、レシーバ接続管52A,52Bを経てレシーバ33に送る。レシーバ33に蓄えられた液冷媒は、レシーバ接続管52Cを経て、膨張弁36Cで減圧された後、室外熱交換器32に送り込まれる。室外熱交換器32では、外気の熱を奪って液冷媒を蒸発させる。
そして、室外熱交換器32で気化したガス冷媒は、ガス冷媒分岐管56C、ガス冷媒搬送管56、アキュムレータ35を経て、圧縮機31に循環される。
そして、冷却運転時、加熱運転時ともに、車両用冷凍サイクルシステム20Aにおいては、エンジン41の回転数を制御することによって圧縮機31からの冷媒吐出量、すなわち冷凍サイクル回路30を循環する冷媒の流量を調整するとともに、膨張弁36A,36Bの開度をそれぞれ制御部70で制御することによって、荷物室101A,101Bの温度を個別に調整することができる。
上記したような、通常の冷却運転時、加熱運転時においては、制御部70は、室外ファン60は、室外熱交換器側からラジエタ44側に向けて風が流れるように作動させている。これにより、室外熱交換器32、ラジエタ44の双方において、除熱効果が高まる。この時の室外ファン60の回転方向を正転とする。
また、車両用冷凍サイクルシステム20Aは、制御部70の制御により、外気温が低い状態で冷却運転をする場合、冷凍サイクル回路30内で冷媒を安定的に流すためには、圧縮機31の入口側(低圧側)と出口側(高圧側)との間で冷媒の差圧を大きく確保する、差圧確保モード運転を行うことがある。これは、圧縮機31の出口側で高圧側の冷媒圧力を検出し、その圧力値が基準値以下に下がった場合に差圧確保モード運転に移行することができる。
さらに、車両用冷凍サイクルシステム20Aは、制御部70の制御により、加熱運転時において、外気温が低い場合等に、蒸発器として機能する室外熱交換器32に、空気中の水分が着霜した場合、一時的に圧縮機31から高温・高圧の冷媒を室外熱交換器32に送り込んで霜を除去する、デフロストモード運転を行うことがある。
このように、冷却運転時の差圧確保モード運転や、デフロストモード運転を行う場合、制御部70は、室外ファン60を、図1に示した状態(正転)とは逆転させる。すると、図2に示すように、逆転した室外ファン60により、ラジエタ44側から室外熱交換器32側に風が流れる。これにより、ラジエタ44においては、室外ファン60によって発生する風が当たることで、放熱がなされ、冷却水を冷却することができる。
室外熱交換器32においては、ラジエタ44を経てラジエタ44から奪った熱によって温度が上昇した風が当たることで、室外ファン60を正転させた場合に比較し、室外熱交換器32における除熱を抑えることができる。
上述したように、冷却運転時の差圧確保モード運転や、デフロストモード運転を行う場合、室外ファン60を逆転させることで、差圧確保モード運転では、圧縮機31の入口側と出口側との間の差圧を、より大きく確保することができ、冷凍サイクル回路30内で冷媒を安定的に流すことができる。また、デフロストモード運転では、室外熱交換器32における除霜効果を高めることができ、デフロストモード運転を短時間で完了することができる。
その結果、エンジン41の冷却水を十分に放熱させてエンジン41を安定して運転しつつ、室外熱交換器32における効率を高めることが可能となる。
なお、上記第1実施形態に、冷凍サイクル回路30の高圧側の冷媒圧力が下がったときい差圧確保モード運転に移行するようにしたが、差圧確保モード運転への移行に先立ち、高圧側の冷媒圧力が下がったことを検出した時点で、室外ファン60の回転数を下げるようにしても良い。そして、室外ファン60の回転数を下げても高圧側の冷媒圧力が上がらない場合に、差圧確保モード運転に移行し、室外ファン60を逆転させるようにしても良い。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態において、冷凍サイクル回路30とエンジンユニット40の全体的な構成、および、冷却運転時、加熱運転時等の動作については、上記第1実施形態と共通するため、図中に同符号を付してその説明を省略し、上記第1実施形態との差異を中心に説明を行う。
図3に示すように、本実施形態の車両用冷凍サイクルシステム20Bにおいては、室外ファン60は、室外熱交換器32側からラジエタ44側に風が流れるよう、正転方向にのみ運転される。したがって、室外ファン60は、プロペラファンに限定されることはなく、ターボファン、シロッコファンも使用できる。
そして、室外ファン60の風下側60a(ラジエタ44側とは反対側)から、室外熱交換器32の風上側32a(ラジエタ44側とは反対側)に向けて、室外ファン60により発生する風を導く導風部材(熱伝達手段)80が設けられている。
導風部材80は、室外ファン60の風下側60aに対向配置され、室外ファン60よりも両側方に延びた第一導風部材81と、室外熱交換器32の風上側32aに対向配置され、室外熱交換器32よりも両側方に延びた第二導風部材82と、を備えている。
第一導風部材81、第二導風部材82は、それぞれ、複数の開閉可能なダンパ81b,82bを、を備えている。
このような導風部材80は、ダンパ81b,82bの開閉動作が制御部70によって制御されるようになっている。そして、通常に冷却運転や加熱運転を行っている場合には、制御部70は、ダンパ81b,82bを開いた状態とする。
すると、室外ファン60による風は、室外熱交換器32、ラジエタ44を順次通過して一方向に流れる。
一方、図4に示すように、冷却運転時の差圧確保モード運転や、デフロストモード運転を行う場合、制御部70は、ダンパ81b,82bを閉じる。ダンパ81b、82bを閉じると、室外ファン60の風下側60aが第一導風部材81により閉塞され、室外熱交換器32の風上側32aが第二導風部材82により閉塞される。すると、室外ファン60により励起された風は、室外熱交換器32、ラジエタ44を順次通過した後、第一導風部材81にあたって外周側に導かれ、第二導風部材82の外周側に向かって反射する。そして、第二導風部材82の外周部に当たった風は、中心部に導かれつつ室外熱交換器32に風上側32aから当たるようになっている。
これにより、室外熱交換器32には、ラジエタ44を経て加熱された風が第一導風部材81、第二導風部材82によって導かれて当たる。
このようにして、ラジエタ44においては、室外ファン60によって発生する風が当たることで、除熱がなされ、冷却水を冷却することができる。
室外熱交換器32においては、ラジエタ44を経てラジエタ44から奪った熱によって温度が上昇した風が当たることで、室外ファン60を正転させた場合に比較し、室外熱交換器32における除熱を抑えることができる。
上述したようにして、差圧確保モード運転では、圧縮機31の入口側と出口側との間の差圧を、より大きく確保することができ、冷凍サイクル回路30内で冷媒を安定的に流すことができる。また、デフロストモード運転では、室外熱交換器32における除霜効果を高めることができる。
その結果、エンジン41の冷却水を十分に放熱させてエンジン41を安定して運転しつつ、室外熱交換器32における効率を高めることが可能となる。
なお、導風部材80としては、第一導風部材81、第二導風部材82を備えるようにしたが、例えば、図5に示すように、第一導風部材81と第二導風部材82とを接続してボックス状とすることも可能である。この場合も、ダンパ81b、82bを開閉することで、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、導風部材80は、室外ファン60の風下側60aから、室外熱交換器32の風上側32aに向けて、室外ファン60により発生する風を導くことができるのであれば、上記した以外のいかなるものとしても良く、例えば、図6に示すように、室外ファン60の風下側60aから、室外熱交換器32の風上側32aに向けてダクト85を設け、このダクト85に開閉可能な弁(図示無し)を設けるようにしても良い。そして、通常に冷却運転や加熱運転を行っている場合には、制御部70で、弁を閉じ、冷却運転時の差圧確保モード運転や、デフロストモード運転を行う場合には、弁を開く。弁を開くことで、ダクト85を通して室外ファン60の風下側60aから、室外熱交換器32の風上側32aに向けて、風を導くことができるので、これにより上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下に説明する第3実施形態において、冷凍サイクル回路30とエンジンユニット40の全体的な構成、および、冷却運転時、加熱運転時等の動作については、上記第1実施形態と共通するため、図中に同符号を付してその説明を省略し、上記第1実施形態との差異を中心に説明を行う。
図7に示すように、本実施形態の車両用冷凍サイクルシステム20Cにおいては、加熱運転時に室外熱交換器32の下流側となるガス冷媒分岐管56C(ホットガス分岐管51C)に、バイパス管91が設けられている。このバイパス管91と、ラジエタ44の吐出側の冷却水回路42との間で熱交換を行う熱交換器(熱伝達手段)90と、が設けられている。
この熱交換器90としては、プレート熱交換器が好適である。
このような熱交換器90を備えた構成の車両用冷凍サイクルシステム20Cにおいては、開閉弁92の開閉動作が制御部70によって制御されるようになっている。そして、通常に冷却運転や加熱運転を行っている場合には、制御部70は、開閉弁92を閉じておく。この状態では、熱交換器90のガス冷媒分岐管56Cには冷媒は流れ込まないために熱交換器90で熱交換が行われず、上記第1実施形態と同様の運転が行われる。
すると、室外ファン60による風は、室外熱交換器32、ラジエタ44を順次通過して一方向に流れる。
一方、冷却運転時の差圧確保モード運転や、デフロストモード運転を行う場合、室外ファン60の運転を止めて、制御部70は、開閉弁92を開く。すると、ガス冷媒分岐管56Cからバイパス管91に冷媒が流れ込み、熱交換器90において、ガス冷媒分岐管56Cの冷媒と冷却水回路42の冷却水との間で熱交換が行われる。これにより、冷却水の熱が冷媒によって奪われ、冷却水の温度が低下するとともに、冷媒の温度が上昇する。
このようにして、エンジンユニット40においては、室外ファン60を止めている場合でも、冷却水が熱交換器90で直接冷却されることで、高い冷却効果を得ることができる。
室外熱交換器32においては、室外ファン60を止めることで、室外熱交換器32における放熱を抑えることができる。
上述したようにして、差圧確保モード運転では、圧縮機31の入口側と出口側との間の差圧を、より大きく確保することができ、冷凍サイクル回路30内で冷媒を安定的に流すことができる。また、デフロストモード運転では、室外熱交換器32における除霜効果を高めることができる。
その結果、エンジン41の冷却水を十分に放熱させてエンジン41を安定して運転しつつ、室外熱交換器32における効率を高めることが可能となる。
しかも、熱交換器90において、冷媒と冷却水との間で直接的に熱交換を行うため、熱交換効率が高く、上記第1,第2実施形態に比較してより有効な効果が得られる。
なお、上記第3実施形態では、熱交換器90を、室外熱交換器32側のバイパス管91に設けるようにしたが、ラジエタ44が設けられている冷却水回路42側にバイパス管を設け、ここに熱交換器90を設けても良い。
また例えば第3実施形態の構成を、第1、第2実施形態と組み合わせても良い。
これ以外にも、冷凍サイクル回路30の構成、エンジンユニット40の構成等については、本発明の主旨の範囲内であれば、他の構成に変更しても支障はない。
20A、20B、20C 車両用冷凍サイクルシステム
30 冷凍サイクル回路
31 圧縮機
32 室外熱交換器
32a 風上側
33 レシーバ
34A,34B 室内熱交換器
34f 室内ファン
35 アキュムレータ
36A,36B,36C 膨張弁
37A,37B,36C 逆止弁
38A,38B,38C 開閉弁
39A,39B,39C 開閉弁
40 エンジンユニット
41 エンジン
42 冷却水回路
43 ウォーターポンプ
44 ラジエタ
51 ホットガス搬送管
51A,51B,51C ホットガス分岐管
52A,52B,52C レシーバ接続管
55A,55B,55C バイパス管
56 ガス冷媒搬送管
56A,56B,56C ガス冷媒分岐管
60 室外ファン
60a 風下側
70 制御部
80 導風部材(熱伝達手段)
81 第一導風部材
81b,82b ダンパ
82 第二導風部材
85 ダクト
90 熱交換器(熱伝達手段)
91 バイパス管
92 開閉弁
100 荷物室
101A,101B 荷物室
102 仕切壁
103 熱交換器室
104 機械室
105 仕切壁

Claims (4)

  1. 車両に備えられた荷物室内を冷却する車両用冷凍サイクルシステムであって、
    前記荷物室外に配置されて冷媒と前記荷物室外の空気とを熱交換する室外熱交換器と、
    前記荷物室内に配置されて前記冷媒と前記荷物室内の空気とを熱交換する室内熱交換器と、
    前記冷媒を圧縮して高温・高圧のガス冷媒とする圧縮機と、
    前記圧縮機からの前記ガス冷媒の供給先を前記室外熱交換器または前記室内熱交換器に切り替える制御部と、
    前記圧縮機を駆動するエンジンと、
    前記室外熱交換器に対向して近接配置され、前記エンジンの冷却水を放熱させるラジエタと、
    前記室外熱交換器から前記ラジエタに向けて流れる風を発生させるファンと、
    前記エンジンの前記冷却水の熱を、前記室外熱交換器側に伝達する熱伝達手段と、
    を備えることを特徴とする車両用冷凍サイクルシステム。
  2. 前記熱伝達手段として、前記ファンが逆転され、前記ラジエタ側から前記室外熱交換器側に向けて流れる風が発生されることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷凍サイクルシステム。
  3. 前記熱伝達手段として、前記ファンによって発生した前記風を、前記ラジエタの下流側から前記室外熱交換器の上流側に導く導風部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷凍サイクルシステム。
  4. 前記熱伝達手段として、前記エンジンの前記冷却水と、前記室外熱交換器側の前記冷媒との間で熱交換させる熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用冷凍サイクルシステム。
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