JP2014087831A - アウターチューブの製造方法、及び、軸受付きアウターチューブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主型1の内側に中子2を設置して前記主型1と前記中子2と間に溶湯10を流し込んで緩衝装置の構成部材であるアウターチューブ3を成形するアウターチューブの製造方法において、前記中子2として、アウターチューブの内周面4を鋳抜き勾配を有した内周面4に成形するための内周面成形部21と、アウターチューブの内周面4の一部にアウターチューブの中心軸線6と平行な面である軸受圧入面7を成形するための軸受圧入面成形部22と、を備えた中子2を用いた。
【選択図】図1
Description
前記アウターチューブは、鋳造により成形される(特許文献1等参照)。
また、アウターチューブの内周面に軸受を固定して、インナーチューブが筒の一端開口側よりアウターチューブの筒の一端開口及び軸受孔を経由してアウターチューブの内側に挿入されてインナーチューブとアウターチューブとが軸受を介してそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動可能に構成された緩衝装置が知られている(特許文献2等参照)。
前記アウターチューブを鋳造により成形する場合、一般的には、主型の内側に中子を設置して主型と中子と間に例えばアルミニウムの溶湯を流し込んでアウターチューブを成形する。この場合、中子を型抜きするために、中子として、外周面が、アウターチューブの内周面を鋳抜き勾配を有した内周面に成形するための内周面成形部に形成されたものを用いる。例えば、当該中子は円錐台形状の棒体により形成され、内周面成形部は当該円錐台の外周面により形成される。そして、アウターチューブの内周面に軸受を固定する場合、軸受を固定する部分の内周面を軸受圧入径にするために切削加工している。
本発明は、アウターチューブの圧漏れの原因を抑制できるとともに工数を削減できてアウターチューブを安価に製造することが可能なアウターチューブの製造方法等を提供する。
本発明に係る軸受付きアウターチューブの製造方法は、前記アウターチューブの製造方法により成形されたアウターチューブの内周面に形成された前記軸受圧入面に軸受を圧入することにより内周面に軸受が取付けられた軸受付きアウターチューブを製造するので、軸受を軸受圧入面に固定するだけで簡単に取付けることができ、内周面に軸受が取付けられた軸受付きアウターチューブを簡単に製造できる。
つまり、軸受圧入面成形部22は、軸受圧入面成形面25と軸受圧入底面成形面26とを備え、軸受圧入底面成形面26は、円錐台形状の棒体の外周面23より棒体の中心軸線24と交差(例えば略直交又は直交)するように延長する円柱端面により形成され、軸受圧入面成形面25は、当該円柱端面の円縁より棒体の中心軸線24と平行に延長して棒体の円錐台の外周面(側面)に到達する棒体の中心軸線24を中心軸線とする正円柱の外周面により形成される。
尚、抜き勾配としては、1/10〜1/50程度の勾配を設けることが好ましい。また、軸受圧入面7におけるアウターチューブ3の中心軸線6に沿った方向の長さは、中子2を抜く際に影響しない長さ(例えば5mm程度)に設定される。
図1(a)に示すように、主型1の内側に中子2を設置して主型1と中子2と間にアルミニウム等の溶湯10を流し込み、溶湯10が凝固した後、脱型することにより、図1(b);図3に示すような、内周面4に軸受圧入部72が形成されたアウターチューブ3が成形される。
アウターチューブ3は、例えばハイプレッシャーダイカストにより成形され、この場合、図1(a)のように、主型1の湯口12に連通するスリーブ13内に溶湯注入口10Aを介して流し込まれた溶湯10を油圧機構14で駆動するプランジャ15で押圧して主型1と中子2と間に押し込む。
そして、アウターチューブ3の一端開口から軸受8を挿入して軸受8の外周面と軸受圧入面7とが接触し合うように軸受8を軸受圧入面7に嵌め込んで、軸受8を軸受圧入面7に固定するだけで簡単に取付けることができるので、内周面4に軸受8が取付けられた軸受付きアウターチューブ3を簡単に製造できる。
フロントフォーク50は、筒により形成されたアウターチューブ3及び筒により形成されたインナーチューブ51を備え、インナーチューブ51が筒の一端開口52側よりアウターチューブ3の筒の一端開口32及び軸受8A;8Bを経由してアウターチューブ3の内側に挿入されて、インナーチューブ51とアウターチューブ3とがそれぞれ筒の中心軸線3Aに沿った方向に移動可能に構成される。
アウターチューブ3の一端開口32近くの内周面4に軸受圧入部72Aが形成されるとともに、当該軸受圧入部72Aとアウターチューブ3の他端側に位置する筒孔の底面39との間の内周面4にも当該当該軸受圧入部72Aとは別の軸受圧入部72Bが設けられており、軸受8A;8Bがアウターチューブ3の一端開口32側からアウターチューブ3内に挿入されて各軸受圧入部72A;72Bに圧入されて固定される。
アウターチューブ3の他端部には他端外面35から一端開口32側に向けて延長する有底の工具挿入孔36が形成されており、ねじ孔37が工具挿入孔36の底面38とアウターチューブ3の他端側に位置する筒孔の底面39とに連通するように形成されている。アウターチューブ3の筒孔の中心軸線3Aと工具挿入孔36の中心軸線3Aとねじ孔37の中心軸線3Aとが一致するように各孔が形成される。アウターチューブ3の他端部には車軸貫通孔40が形成される。車軸貫通孔40は、中心軸線がアウターチューブ3の筒孔の中心軸線3Aと直交して工具挿入孔36を貫通して両端がアウターチューブ3の他端部の外周面に開口する貫通孔により形成される。
インナーチューブ51の筒孔内には筒孔の中心軸線3Aとコイルスプリング45のコイルの中心軸線とが一致するようにコイルスプリング45が設置される。
インナーチューブ51の他端開口53の内面にはねじ部54が形成され、当該ねじ部54にねじ蓋であるトップキャップ55が取付けられてインナーチューブ51の他端開口53が閉塞されている。トップキャップ55の他端面には、トップキャップ55の外周面に形成されたねじ部をインナーチューブ51のねじ部54に締結するための工具挿入用や図外の車体に対する車体取付用として使用される穴56が形成されている。インナーチューブ51の筒孔内におけるトップキャップ55で閉塞されたインナーチューブ51の筒孔の他端底面側には筒状のスプリングカラー57が設置される。スプリングカラー57は筒の他端面がトップキャップ55と接触し、スプリングカラー57の一端面にはワッシャ58が設置されている。コイルスプリング45の他端がワッシャ58により形成された着座面に着座し、コイルスプリング45の一端がシートパイプ41の一端のピストン部43により形成された着座面に着座するように位置される。シートパイプ41のピストン部43は、例えばシートパイプ41の一端を拡径した拡径部46により形成される。当該拡径部46の外周面とインナーチューブ51の内周面とが摺動可能に構成される。
アウターチューブ3の筒内にはフォークオイル48が収容され、アウターチューブ3内に挿入されたインナーチューブ51の筒内はオイル溜りであるリザーバ室64となる。48Aはオイル面である。
インナーチューブ51の一端開口52の内側には筒状のロックカラー49が設けられている。
インナーチューブ51の一端開口52側の筒壁、及び、シートパイプ41の筒壁には、筒の内外にフォークオイル48を流通させるためのオイル流通孔59が形成されている。
アウターチューブ3の一端開口32側の内面にはオイルシール60が取付けられ、かつ、外部からアウターチューブ3の筒内への埃等の侵入を防止するためのダストシール61が設けられる。
インナーチューブ51の一端開口52とアウターチューブ3の他端側に位置する筒孔の底面39との間で下油室62が形成され、ロックカラー49とピストン部43との間で上油室63が形成される。
従って、インナーチューブ51とアウターチューブ3とがそれぞれ筒の中心軸線3Aに沿った方向に移動する場合(フロントフォーク50の伸縮時)において、フォークオイル48がオイル流通孔59を流通する際の抵抗により減衰力が得られる。
尚、左右いずれか一方のフロントフォーク50として、上述したフロントフォーク50からコイルスプリング45及びスプリングカラー57を除去した減衰機能構成のフロントフォークを用い、他方のフロントフォークとして、フォークオイル48及びシートパイプ41を除去したばね懸架機能のフロントフォークを用いることで、自動二輪車のフロントサスペンションを構成してもよい。
また、図4に示した複数の軸受圧入部72A;72B及びオイルシール60を圧入固定するためのシール圧入部60Aを成形するように構成された中子2を用いてアウターチューブ3を成形してもよい。
また、図4に示したアウターチューブ3の他方の軸受圧入部72Bのみを本発明による中子2を用いて成形し、図4に示したアウターチューブ3の一端開口32近くの一方の軸受圧入部72A及びシール圧入部60Aを機械で切削加工して形成してもよい。
即ち、内周面の2箇所以上の複数の軸受圧入部を有したアウターチューブ3を成形する場合には、少なくとも1つの軸受圧入部を本発明による中子を用いて成形すればよい。この場合、特に、機械による切削加工を行い難いアウターチューブ3の筒孔底面側に近い位置の他方の軸受圧入部72Bを本発明による中子2を用いて成形することが好ましい。
要するに、本発明では、従来、切削加工を行っていた軸受圧入部等を鋳造段階で成形するようにして、軸受圧入部等の切削加工手間の削減を図り、アウターチューブ3の内周面及び外周面にチル層を残して鋳巣の発生を抑制することを目的としている。
また、本発明により製造されるアウターチューブは、自動二輪車のリヤサスペンションのアウターチューブ、その他の緩衝装置のアウターチューブに用いることが可能である。
6 アウターチューブの中心軸線、7 軸受圧入面、8;8A;8B 軸受、
10 溶湯、21 内周面成形部、22 軸受圧入面成形部、
72A;72B 軸受圧入部。
Claims (2)
- 主型の内側に中子を設置して前記主型と前記中子と間に溶湯を流し込んで緩衝装置の構成部材であるアウターチューブを成形するアウターチューブの製造方法において、
前記中子として、アウターチューブの内周面を鋳抜き勾配を有した内周面に成形するための内周面成形部と、アウターチューブの内周面の一部にアウターチューブの中心軸線と平行な面である軸受圧入面を成形するための軸受圧入面成形部と、を備えた中子を用いたことを特徴とするアウターチューブの製造方法。 - 請求項1に記載のアウターチューブの製造方法により成形されたアウターチューブの内周面に形成された前記軸受圧入面に軸受を圧入することにより内周面に軸受が取付けられた軸受付きアウターチューブを製造することを特徴とする軸受付きアウターチューブの製造方法。
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