JP2014087779A - 塊状処理剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、消石灰と、吸水性ポリマーと、バインダと、pH8〜13のリン酸塩、炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種と、を含む、塊状処理剤である。
【選択図】なし
Description
(1)塊状処理剤
本発明の第1は、消石灰と、吸水性ポリマーと、バインダと、pH8〜13のリン酸塩、炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種と、を含む、塊状処理剤である。上記のように、本発明の処理剤は、バインダを含むことによって固形化されてなるため、取り扱い性に優れる。なお、本発明の第1の塊状処理剤を構成する成分は、バインダによって相互に結着した状態で存在する。なおまた、本明細書において「塊状処理剤」との意味は、打錠されることによって固形化されているもののみならず、成分同士が凝集して不定形な塊状になっているものも含む概念である。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれうる消石灰(Ca(OH)2)は、強アルカリであるため、糞尿処理の際(特に大便)の殺菌効果が大きい。また、口蹄疫や鳥インフルエンザなどに感染した動物や家畜あるいはその死骸、その動物や家畜が食べていた餌(植物など)、その動物や家畜が存在していた、または、存在している家畜舎、あるいは、その家畜舎付近の土壌や道路などを、殺菌、滅菌、消毒、消臭することなどに効果がある。これにより、有機物の発酵・分解が止まる。すると、殺菌、滅菌、消毒される。そして、臭気を低減させる効果を得ることができる。また、消石灰は、主に硫化物を吸着するため、この点からも消石灰を使用することによる臭気の低減効果が大きいと言える。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれる吸水性ポリマー(吸水剤)は、消石灰を補助する役割をする。つまり、例えば、処理剤として、消石灰だけを用いた場合、被処理物(例えば糞尿中)の水分を吸収しきれず泥状または液状となる場合がある。消石灰が湿ると、消石灰自身が独特の悪臭を放つ場合がある。また、糞尿が泥状のままであれば、糞尿が空気に触れ、糞尿の発酵・分解が進む虞がある。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれるバインダは、下記で説明する有機系バインダであっても、無機系バインダであってもよい。しかし、結着性を鑑みると、好ましくは、本発明の第1の塊状処理剤に含まれるバインダは、セルロース系バインダ、高分子系バインダおよびでんぷん系バインダからなる群から選択される少なくとも1種の有機系バインダであることが好ましく、特には、前記バインダが、セルロース系バインダであると好ましい。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれうる、pH8〜13のリン酸塩、炭酸塩および水酸化物(以下、単に「塩」とも称することがある)は、アルカリ性であるため、消石灰と同様の効果がある。なお、本明細書中に記載のpHは、水に対して十分な溶解度を有するもの(1重量%の水溶液を調製できる程度の溶解度を有するもの、すなわち、室温の水100gに対して1g以上溶解するもの)については、当該物質の1重量%の水溶液を調製し、これを(株)佐藤商事社製のPHレコーダーSDカード記録系型番PH−SDを用いて測定する値を意味するものとする。また、水に対する溶解度が比較的低いもの(1重量%の水溶液を調整できない程度の溶解度しか有さないもの、すなわち、室温の水100gに対して1g未満しか溶解しないもの)については、その飽和水溶液(スラリー溶液であってもよい)について、上記測定器を用いて測定する値を意味するものとする。
本発明で用いることができるpH8〜13のリン酸塩としては、より具体的には、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4またはNa2HPO4・12H2O;pH=9.0〜9.6)、リン酸三ナトリウム(Na3PO4またはNa3PO4・12H2O;pH=11.5〜12.5)、ピロリン酸四ナトリウム(Na4P2O7またはNa4P2O7・10H2O;pH=9.9〜10.7)、トリポリリン酸ナトリウム(Na5P3O10;pH=9.0〜10.2)、リン酸水素二カリウム(K2HPO4またはK2HPO4・12H2O;pH=8.7〜9.3)およびリン酸三カリウム(K3PO4;pH=11.5〜12.5)、ピロリン酸四カリウム(K4P2O7;pH=10.0〜10.7)が挙げられる。これらのリン酸塩は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明で用いることができるpH8〜13の炭酸塩としては、より具体的には、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3(重曹);pH=8.5)、炭酸水素カリウム(KHCO3;pH=8〜8.5)、炭酸ナトリウム(Na2CO3またはNa2CO3・H2O;pH=11〜12)、炭酸カリウム(K2CO3またはK2CO3・1.5H2O;pH=11.5〜12.5)が挙げられる。これらの炭酸塩は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明で用いることができるpH8〜13の水酸化物としては、より具体的には、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2;pH=9.5〜10.5)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2;pH=12〜12.5)、水酸化バリウム(Ba(OH)2;pH=12.5〜13)が挙げられる。これらの水酸化物は、単独で使用されてもまたは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明の第1の塊状処理剤の他の好ましい形態は、添加剤を含む。本発明の第1の塊状処理剤の添加剤としては、ゼオライト、酸化亜鉛であることが好ましい。さらに、添加剤として、活性炭、潤滑剤、次亜塩素酸塩および四級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
本発明の第1の塊状処理剤は、ゼオライトである添加剤をさらに含むとよい。「ゼオライト」とは沸石類と呼ばれる鉱物の総称で、天然のゼオライトは約40種類発見されている。ゼオライトが含まれると、被処理物(例えば、糞尿)に含まれるアンモニア成分を吸着し、消臭、脱臭に効果がある。ゼオライトを含むことによって、ゼオライトの細孔が、悪臭を取り込んで、悪臭を抑制することができる。
本発明の第1の塊状処理剤は、酸化亜鉛である添加剤をさらに含むとよい。酸化亜鉛は、ZnOで表される亜鉛の酸化物であり、アンモニア、硫化物などの臭いの成分を吸着して消臭、脱臭する効果を有する。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれうる活性炭は、上記の消石灰が放つことがある悪臭を抑制する観点から添加されると好ましい。また、活性炭は、糞尿処理中に発生する悪臭を抑制する働きをも有する。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれうる潤滑剤は、本発明の第1の塊状処理剤を作製する際に、特に、打錠機の臼へのフィードをスムーズになるために用いられるものである。潤滑剤の種類としては、従来公知のものを適宜選択して、あるいは、組み合わせて使用することができる。例えば、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル系、二酸化ケイ素などのケイ素系、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛などが使われ、エステル系、ケイ素系、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛が好ましい。潤滑剤の含有量は、本発明の第1の塊状処理剤の総量に対して、0.5〜20重量%程度、あるいは、0.8〜17重量%程度であることが好ましい。かかる範囲であると、原料のフィード、崩壊性を高める。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれうる次亜塩素酸塩は、水素原子と塩素原子が酸素原子に結合した構造H−O−Clを有する次亜塩素酸の塩である。次亜塩素酸塩としては、特に制限されないが、無機塩であるのが好ましく、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜塩素酸カリウム(KClO)、および次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)(CaCl(ClO)・H2OまたはCa(ClO)2)からなる群より選択されるのがより好ましい。また、次亜塩素酸塩は、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の第1の塊状処理剤に含まれうる四級アンモニウム塩は、殺菌および消毒という観点から添加されると好ましい。四級アンモニウム塩としては、上記効果を有するものであれば特に制限されないが、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デシルイソノニルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリドからなる群より選択されると好ましい。これらの中でも、塩化セチルピリジニウムおよび塩化ベンザルコニウムが好ましい。また、四級アンモニウム塩は、単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の処理剤は、本発明において悪影響を及ぼさない限り、その他の添加剤をさらに含有していてもよい。かかる添加剤の例としては、臭気対策の観点から、香料、消臭剤、または脱臭剤;アルコール等の親水性有機化合物、または界面活性剤;糞尿中の水分含有量を制御するという観点から、シリカゲル、無水硫酸ナトリウム等の乾燥剤;殺菌・脱臭の観点から、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素含有化合物;糞尿処理時のアルカリ性条件を補完する観点から、水酸化ナトリウム等の第1族元素の水酸化物等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよいし2種以上を組み合わせて使用してもよい。
後述の水溶性樹脂からなる包袋、水溶紙からなる包袋、または水解性不織布からなる包袋も、本発明の処理剤の添加剤として含有されうる。
本発明の第1の塊状処理剤は、上記の組成を、混合し、所望の大きさあるいは重量になるように、圧縮することによって、作製することができる。この際、混合する方法は、各成分を一度に混合してもよいし、各成分を順次混合してもよい。なお、バインダとしてカルボキシビニルポリマーを使用する場合、下記のように「固化」させることは不要となり、添加後には各成分の凝集が行われ不定形な塊状となり、本発明の第1の塊状処理剤を作製することができる。このようにバインダとしてカルボキシポリマーを入れ、混合するだけで消石灰の粉塵を防止する効果があり、加工工程(打錠工程)が省けるだけでなく生産能力も上がり、コストを下げながら、本発明の所期の効果を奏することができる。
卓上式手動の打錠機(杵と臼はそれぞれ一つ)で固化するために、まず、杵には、固化をする各成分を手でスプーンにて入れる。この際、フィードの難しさは考える必要はない。その後、手動(油圧)にてレバーを下して圧力をかけて、各成分を固化させることによって、第1の塊状処理剤を作製する。なお、卓上式手動の打錠機の利点は、かなりの時間、滞留させて圧力をかけるので固まりにくい組み合わせであっても固化できるというところである。なお、例えば口径の小さい杵(直径7mm:上下円版型)を用いた場合、口径が小さい方が面積当たりにより高い圧力がかかるので固化しにくいものでも固まる傾向がある。一方で、例えば口径の大きい杵(直径15mm:上下平版型)を用いる場合、口径が大きい方が面積当たりに小さい圧力になるので固化しにくいものには不利になるが、口径の大きい分、杵へのフィードは有利になり、生産性は向上する。
また、連続式の打錠機は、直打式であってもなくてもよいが、前処理の手間(例えば、造粒工程;本発明では、吸水性ポリマーが使用されるため乾式が好ましい)を省くことができるという点で生産性が向上する直打式を採用することも好ましい。ただ、本発明の主成分として用いられうる消石灰は、その粒径が小さいため、そのような微粉のものをフィードしやすくするために潤沢剤を入れることが好ましい。一方で、前処理を行う場合は、例えば、ローラーコンパクターを用いて大きな圧力をかけて圧延して微粉を造粒したものにバインダ(結合剤)を混合したものを打錠することによって、本発明の第1の塊状処理剤を作製してもよい。大量生産を鑑みると、例えば、株式会社畑鐵工所製の打錠機(型式AP18−SS−IIなど)を使用することが好ましい。この際の杵臼の直径は、13mm程度であり、杵立数は、18本程度である。かかる打錠機を使用すれば、原料を所望の割合となるように調製し、混合し、打錠機のホッパーに混合した原料を入れ、打錠機で回転式に打錠をしていくだけで生産が可能であり、好ましい。
本発明の第1の塊状処理剤の用途は特に制限されない。例えば、糞尿、有機性汚泥、動植物、家畜、家畜舎または土壌の処理に用いられうる。本発明の第1の塊状処理剤が、糞尿処理剤、有機性汚泥処理剤、動植物処理剤、家畜処理剤、家畜舎処理剤または土壌処理剤として使用されることによって、様々な効果を奏する。具体的には、本発明の第1の塊状処理剤が、糞尿処理剤に含まれることによって、本発明の処理剤は、固形化されているため、処理剤を使用する際に、粉塵が舞わないため、取り扱い性が向上する。また、本発明の処理剤は、吸水性ポリマーとリン酸塩を含んでいるため、被処理物を処理した直後から、長期間にわたって固形状または半固形状(ゲル状)の形態を維持することができる。
その結果、取り扱い性がさらに向上する。具体的には、糞尿の処理は、災害用トイレ、渋滞用トイレ(渋滞時に車内で使用するトイレ)、工事現場等の仮設トイレ、ペット用トイレ(猫砂や犬のトイレ)、海外での水洗インフラのない地域での応用などがある。なお、本発明の第1の塊状処理剤が、糞尿処理に用いられる場合、かかる糞尿は、人糞尿のみならず、例えば、牛糞尿、豚糞尿、鶏糞尿等の畜糞尿等も包含する。また、前記糞尿は、大便単独でもよいし、小便単独でもよいし、大便と小便との混合物であってもよい。本発明の処理剤は、糞尿の処理に好適に用いられ、小便の処理に特に好適に用いられる。大便単独の場合、水分を多く含むことが好ましい。また、有機性汚泥の処理は、汚染された河川の処理、外食店舗から排出される食品残さ、感染症患者の嘔吐物の処理、血液の処理等の用途に好適に用いられうる。
本発明の第2は、本発明の第1の塊状処理剤を粉砕することによってなる、顆粒状処理剤である。本発明の第2のように、顆粒状処理剤であると、塊状処理剤のように固形状態を長持間保つ必要がないのでバインダの量を少なくできるとの観点で、塊状処理剤の単位重量当たりの有効成分の割合を高めることができる。
本発明の第3は、本発明の第1の塊状処理剤または本発明の第2の顆粒状処理剤が予め配置されてなる、便器である。本発明の第3の便器は、本発明の第1の塊状処理剤や本発明の第2の顆粒状処理剤を含んでいるので、本発明の第1の塊状処理剤、本発明の第2の顆粒状処理剤の効果を有する。ここで、特には、本発明の第3の便器は、本発明の第1の塊状処理剤が含まれると、取り扱い性の観点から非常に好ましい。無論、本発明の第3の便器が、本発明の第2の顆粒状処理剤を含むことも好ましく、その際は、表面積が大きくなり反応性のより良くなる効果がある。
本発明の第4は、本発明の第1の塊状処理剤または本発明の第2の顆粒状処理剤を含んで成形されてなる、吸収性物品である。本発明の第4にかかる吸収性物品は、上記した本発明の第1の塊状処理剤または本発明の第2の顆粒状処理剤、液透過性を有する表面シート、液不透過性を有する背面シートを備えると好ましい。
(実施例1) 下記表1に示される成分を、下記表1に示される混合割合で(合計100重量%)、2,000gとなるように混合することによって混合物を作製した。かかる混合物2,000gを(株)畑鐵工所製HT−AP18SS−II連続式打錠機で、φ13mmの杵と臼を用いて、本圧1.5kN、30rpm打錠することによって塊状処理剤 2000粒を作製した(1粒0.8g、平均直径:13mm、平均厚さ:6mm)。
ゼオライトを追加し、さらに、下記表1に示される混合割合に変更したこと以外は、実施例1と同様に塊状処理剤を作製した。なお、ゼオライトは、新東北化学工業(株)社製ゼオライトCPを用いた。なお、当該ゼオライトの平均粒径は、0.2mm以下である。
下記表1に示される成分を、下記表1に示される混合割合に変更したこと以外は、実施例1と同様に塊状処理剤を作製した。
下記表1に示される成分において、吸水剤(1)の代わりに吸水剤(2)を用い、また、下記表1に示される混合割合に変更したこと以外は、実施例1と同様に塊状処理剤を作製した。
下記表1に示される成分において、リン酸水素二ナトリウムの代わりに重曹(炭酸水素ナトリウム;pH=8.5)を用い、下記表1に示される混合割合に変更したこと以外は、実施例1と同様に塊状処理剤を作製した。
下記表1−1に示される組成に変更したこと以外は、実施例1と同様に塊状処理剤を作製した。
ビーカーに、表1−1に示されるような組成で、まずゼオライトを投入し、次いで、カルボマーを投入してキッチン用ミキサーで撹拌した。その後、消石灰を投入してキッチン用ミキサーで撹拌した。このような順番で投入することによって、ゼオライトがカルボマーの過度な粘性を抑える役割を果たして、カルボマーがビーカーの壁面に付着するのを抑制する。そして、カルボマーの粘性の作用で、消石灰の粉塵が舞うことを抑制することができる。その後、任意の順番で他の成分を投入し、キッチン用ミキサーでこれら成分が均一となるように撹拌し、成分同士が凝集して不定形な塊状になっている塊状処理剤を得た。
塊状処理剤に含まれるリン酸塩をリン酸二水素ナトリウム(pH=4.3〜4.9)に変更したこと以外は、実施例1と同様に塊状処理剤を作製した。なお、リン酸二水素ナトリウムは、ミテジマ化学(株)社製リン酸二水素ナトリウムを用いた。
上記の通り作製した各実施例および比較例の塊状処理剤10gに対し、水100gを添加し、温度30℃、相対湿度55%で保管することで、被処理物が固形状または半固形状(ゲル状)を維持できる期間を評価した。評価は、処理剤に水を添加してから1日後、3日後、1週間後、1ヶ月後にそれぞれ行い、目視観察により4段階で評価した。評価結果を下記の表3および表3−1に示す。なお、評価結果の詳細は、下記の通りである。なお、表3および表3−1において「−」は、測定を行っていないことを示す。
「◎」:処理直後と同等の固形状または半固形状(ゲル状)を保持している
「〇」:若干軟化しているが、固形状または半固形状(ゲル状)を保持している
「△」:液状化部分が観察される
「×」:完全に液状化している。
糞尿を受ける内面が撥水性を有する容器(ビニール袋)状のトイレパックに、上記の通り作製した各実施例および比較例の塊状処理剤50gを配置した。その配置された処理剤の上に、大便(性別:男、年齢:40歳の大便)200gを添加した。評価は、処理剤に大便を添加してから、1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、1週間後にそれぞれ行い、官能評価により3段階で評価した。評価結果を下記の表3および表3−1に示す。なお、評価結果の詳細は、下記の通りである。
「◎」:ほとんど臭気はなく、消臭されている
「〇」:わずかに臭気はするが、消臭されている
「×」:強い悪臭であり、消臭効果がない。
上記の通り作製した各実施例および比較例の塊状処理剤10gに対し、水100gを添加し、塊状処理剤の崩壊速度を評価した。なお、崩壊速度が速いほど、被処理物が処理剤によって素早く被覆され、臭気が放散しにくくなることを意味する。評価は、処理剤に水を添加した直後の様子を官能評価により4段階で評価した。評価結果を下記の表3および表3−1に示す。なお、評価結果の詳細は、下記の通りである。
「◎」:崩壊速度が極めて早く、処理剤に水を添加後、10秒以下で崩壊する
「〇」:崩壊速度は速く、処理剤に水を添加後、30秒未満で崩壊する
「△」:崩壊速度がやや遅く、処理剤に水を添加後、崩壊するまでに30秒以上要する
「×」:崩壊速度が極めて遅く、処理剤に水を添加後、崩壊するまでに1分以上要する。
Claims (10)
- 消石灰と、
吸水性ポリマーと、
バインダと、
pH8〜13のリン酸塩、炭酸塩および水酸化物からなる群から選択される少なくとも一種と、
を含む、塊状処理剤。 - 前記リン酸塩は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二カリウムおよびリン酸三カリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の塊状処理剤。
- ゼオライトまたは酸化亜鉛をさらに含む、請求項1または2に記載の塊状処理剤。
- 糞尿の処理に用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塊状処理剤。
- 平均直径が3〜100mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塊状処理剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塊状処理剤を粉砕することによってなる、顆粒状処理剤。
- 平均粒径が、150μm超〜3mm未満である、請求項6に記載の顆粒状処理剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塊状処理剤または請求項6もしくは7に記載の顆粒状処理剤が予め配置されてなる、便器。
- 水の非存在下に、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塊状処理剤または請求項6もしくは7に記載の顆粒状処理剤が予め配置されてなる、請求項8に記載の便器。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塊状処理剤または請求項6もしくは7に記載の顆粒状処理剤を含んで成形されてなる、糞尿の吸収性物品。
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