以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置、ゲームシステム、ゲーム管理方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔ゲームシステムの概要〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置が組み込まれたゲームシステムの構成例を、図1に示している。同図に示すように、このゲームシステムは、インターネットなどのネットワーク4上に設置されたゲームサーバ1と、当該ゲームサーバ1と通信可能に接続されたデータベースサーバ2と、ネットワーク4を介してゲームサーバ1と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置3とによって構成される。
本実施の形態のネットワーク4は、インターネットに限定されるものではなく、ゲームサーバ1と各ユーザの端末装置3との間を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
このゲームシステムの例において、本発明の一実施の形態に係るゲーム管理装置は、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成することができる。ゲームサーバ1は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置3からのネットワーク4を介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報をデータベースサーバ2(記憶装置)に蓄積して管理し、各ユーザにネットワーク4を介したゲームサービスを提供する。
ゲームサーバ1によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がゲームサーバ1に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのゲーム操作入力に応じてゲームサーバ1でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをゲームサーバ1が提供する。あるいは、ゲームサーバ1でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをゲームサーバ1が提供する。
あるいは、後述するように、ゲーム実行プログラムの一部または全部をユーザの端末装置3側にインストールし、端末装置3においてもゲーム実行処理が行われるようなゲームシステムとすることもできる。
本実施の形態では、ゲームサーバ1によるゲームサービスの提供の一形態として、ブラウザゲームを提供する例について説明する。このブラウザゲームを提供するサービス形態では、ユーザの端末装置3にゲーム専用のソフトウェアをダウンロード又はインストールする必要がなく、端末装置3をネットワーク4に接続できる環境であれば、ユーザはどこでも気軽にゲームサーバ1から提供されるゲームサービスを楽しむことができる。
このゲームシステムでは、ゲームサーバ1が、各ユーザの端末装置3における入力操作に応じてゲーム進行のための演算処理やデータ処理を実行する。そして、ゲームサーバ1は、演算処理等の実行結果に基づいてデータベースサーバ2内の各ユーザのゲーム情報を更新するとともに、当該実行結果をユーザの端末装置3の画面に表示させるためのウェブページ情報(ゲーム画面データ)を各ユーザの端末装置3に送信する。
各ユーザの端末装置3には、ユーザーエージェントとしてウェブサイト閲覧機能を有するウェブブラウザが搭載されており、ゲームサーバ1から送信されたウェブページ情報を端末装置3の画面に表示することができるようになっている。この端末装置3としては、例えば、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であるスマートフォン、パーソナルコンピュータ(以下「PC」と呼称する)、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置など、ネットワーク4経由でゲームサーバ1に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
また、本実施の形態で提供されるゲームは、ユーザが、ゲームサービスを受けている他のユーザと交流を行いながらプレイすることができる、いわゆるソーシャルゲームの要素を有するものとすることができる。例えば、本実施の形態のゲームサーバ1およびデータベースサーバ2をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のシステムに組み込むことによって、SNSのサービスの一つとしてソーシャルゲームサービスを提供するゲームシステムとすることができる。このようにSNSのプラットフォーム上で動作するゲームシステムによりゲームサービスをユーザに提供することもできるが、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2をSNSのシステムに組み込まずに、独立したゲームシステムとして構築してもよい。
本ゲーム管理装置によって提供されるゲームの例としては、野球、サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、バレーボール、ゴルフ、ボクシング、競馬、カーレースなどを題材としたスポーツ・レースゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ロールプレイングゲーム、さらにはクイズゲームといったように、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームを挙げることができる。その一例として、本実施の形態では、主に、ゲームサーバ1が野球ゲームを管理する例について、以下に説明する。
本実施の形態のゲーム管理装置は、携帯型の端末装置3でプレイするゲームを対象とし、現実世界におけるユーザの移動に応じて、ゲーム内容やゲーム性を変動させる機能を有する。例えば、各ユーザは、ゲーム開始時等に基準エリアを登録(例えば、ホームの住所を都道府県単位で登録)しており、当該基準エリアからユーザが移動したことを、ユーザの端末装置3のGPS機能等を利用して検出する。そして、ユーザが基準エリア外(ホームの都道府県以外)に移動した場合に、ゲーム内の試合を、「練習試合モード」から「遠征試合モード」へと変化させる。例えば、「遠征試合モード」では、試合実行により選手キャラクタの経験値が「練習試合モード」と比較して2倍に向上し、通常の倍のスピートで選手キャラクタの能力アップを図ることができるようになる。ユーザの移動に応じたゲーム内容の変動には、ゲーム内で獲得できるポイントの変動、レアアイテムの抽選確率の変動、1回の実行あたりのポイント消費量の変動等、様々なものが考えられる。以下に、これを実現する本実施の形態に係るゲーム管理装置(ゲームサーバ1等)の構成の詳細を説明する。
〔ゲーム管理装置の構成〕
上述のように本実施の形態では、ゲーム管理装置は、ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成される。図2にゲームサーバ1のハード構成の一例を示している。同図に示すように、ゲームサーバ1は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信制御部15と、入出力制御部16とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン17を介して相互に接続されている。なお、バスライン17と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU11は、システムソフトウェアやゲームプログラム等のアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、ゲームサーバ1全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム管理装置1の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
補助記憶装置14は、ゲームプログラム等のアプリケーションソフトウェアや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えばハードディスクドライブなどを用いることができる。ゲームサーバ1(コンピュータ)をゲーム管理装置として動作させるための本実施の形態のプログラムも、この補助記憶装置14に記憶されており、当該プログラムはゲームサーバ1の起動時に補助記憶装置14からバスライン17を介してRAM13へとロードされ、当該CPU11によって実行される。
通信制御部15は、ネットワーク4と接続される通信インタフェース15aを備え、ネットワーク4を介した各ユーザの端末装置3との間の通信を制御する。また、通信制御部15は、ネットワーク4に接続されている図示しないサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、ゲームサーバ1をSNSに組み込んだシステム構成とした場合、ゲームサーバ1の通信制御部15は、SNSサーバとの間の通信を制御する。
入出力制御部16は、データベースサーバ2と通信可能に接続されており、CPU11がデータベースサーバ2に対してデータ(レコード)の読み書きを実行するときの入出力制御を行うデータベースインタフェースである。
データベースサーバ2は、ゲームサーバ1が管理する各ユーザのゲーム情報を記憶する領域を有する記憶装置として、例えばRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成の大容量ハードディスク装置を具備する。このデータベースサーバ2は、例えば、各ユーザを一意に識別する識別情報(ユーザID)と対応付けて、各ユーザの各種ゲーム情報(ユーザ名、レベル、ゲーム内ポイント、所持アイテムなど)を記憶するリレーショナルデータベース、オブジェクトデータベース又はオブジェクト関係データベース等として構築することができる。
本実施の形態では、ゲーム管理装置がゲームサーバ1およびデータベースサーバ2から構成される例を示すが、これに限定されるものではない。例えば、ゲームサーバ1にデータベースサーバ2の機能を持たせて、ゲーム管理装置をゲームサーバ1のみで構成することもできる。また、ゲームサーバ1の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせて、ゲームサーバ1を複数台のサーバとして構成することもできる。例えば、ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1へアクセスした場合に、当該ユーザが正規のユーザかどうかを判別する認証機能を有する認証サーバを、ゲームサーバ1のメインサーバとは別に設け、メインサーバと認証サーバとでゲームサーバ1を構成してもよい。他の構成例としては、ユーザが課金対象のアイテムをゲーム内で購入した場合に課金管理を行う課金管理サーバを、ゲームサーバ1のメインサーバ等とは別に設け、メインサーバ、認証サーバおよび課金管理サーバによりゲームサーバ1を構成してもよい。
また、本ゲームサービスを利用するユーザ数が数十万人、数百万人、あるいはそれ以上となると、多数のユーザの端末装置3からの巨大なアクセスにも耐え得るサーバシステムの構築が求められるため、ネットワーク4上に複数のゲームサーバ1を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型のシステム構成としてもよい。この場合、複数のゲームサーバ1間の負荷を調整するためのロードバランサを設けることが望ましい。
次に、本実施の形態に係るゲームサーバ1にアクセスしてゲームサービスの提供を受けるユーザの端末装置3の構成を説明する。
〔端末装置の構成〕
ユーザが操作する端末装置3としては、上述のようにウェブサイト閲覧機能を有する様々な端末を適用できるが、本実施の形態では、携帯端末を例示してその構成を説明する。なお、携帯端末以外の端末装置3についても、ウェブサイト閲覧機能を用いてゲーム画面を表示したり、ゲームを実行するための入力操作を行うといった、ゲームをプレイする上で必要となる基本的な構成は、携帯端末と同様である。
ウェブサイト閲覧機能等を有する携帯端末は、フィーチャーフォン(Feature phone)やスマートフォン(Smartphone)等とも呼称され、図3にその構成例を示している。同図に示すように、端末装置3は、主に、CPU31と、主記憶装置としてのROM32及びRAM33と、画像処理部34と、表示部35と、サウンド処理部36と、音声入力部37と、音声出力部38と、補助記憶装置39と、操作入力部40と、通信制御部41と、GPS測位部42とを備えており、構成要素31〜34、36および39〜42はバスライン43を介して相互に接続されている。なお、バスライン43と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU31は、ウェブブラウザを含む各種プログラムの命令を解釈して実行し、端末装置3全体の制御を行う。ROM32には、端末装置3の基本的な動作制御に必要なプログラム等が記憶されている。また、RAM33には、ROM32または補助記憶装置39からロードされた各種プログラムやデータが記憶され、CPU31に対する作業領域を確保する。HTML等で記述されたゲーム画面データを表示するウェブブラウザは、ROM32または補助記憶装置39に記憶されており、RAM33にロードされてCPU31によって実行される。また、ウェブブラウザのブラウザ機能を拡張するための様々なプラグインソフトウェアを、ウェブブラウザと共にROM32または補助記憶装置39に記憶していてもよい。
画像処理部34は、CPU31からの画像表示命令に基づいて表示部35を駆動し、当該表示部35の画面に画像を表示させる。表示部35には、液晶ディスプレイまたは有機LE(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。
サウンド処理部36は、音声入力部37から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU31からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部38に出力する。音声入力部37は、端末装置3に内蔵されたマイクロフォンからなり、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。音声出力部38は、電話通信時の受話スピーカおよび電話着信音やゲーム実行時の効果音などを出力するスピーカからなる。
補助記憶装置39は、各種プログラムやデータ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置39としては、携帯電話端末の内部メモリとして、例えばフラッシュメモリドライブ等を用いることができ、また、携帯電話端末の外部メモリとして、例えばメモリカードリーダライタ等を用いることができる。
操作入力部40は、ユーザの操作入力を受け入れて当該操作入力に対応した入力信号を、バスライン43を介してCPU31に出力するものである。操作入力部40の例としては、端末装置3の本体に設けられた方向指示ボタン、決定ボタン、英数文字等入力ボタンなどの物理的ボタンがある。また、表示部35の画面にタッチパネル(接触入力式のインタフェース)を搭載することによって表示部35をいわゆるタッチスクリーンとして構成している端末装置3の場合、当該タッチパネルも操作入力部40となる。
通信制御部41は、通信インタフェース41aを備え、ゲーム操作時等にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話端末として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部41は、CPU31からの命令に基づいて端末装置3を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU31へ供給する。
GPS測位部42は、GPS信号受信回路を備え、GPS衛星からの測位用電波信号を受信して現在位置の緯度および経度を測位する。なお、GPS測位部42は必須の構成要素ではないが、GPS測位部42を備えている端末装置3の場合、後述のようにその機能を利用してユーザの現在位置情報を取得することができる。
上記構成の端末装置3において、ゲームサービスを受けようとするユーザは、ウェブブラウザを立ち上げてゲームサーバ1が管理するゲームサイトにアクセスする操作を行う。このアクセスがゲームサーバ1に認証された場合、端末装置3の通信制御部41がゲームサーバ1から送信されてくるHTML等で記述されたゲーム画面データを受信し、CPU31がウェブブラウザを実行してゲーム画面を表示部35に表示させる。ここでユーザは、ゲーム画面に表示されている選択可能なボタンオブジェクトやハイパーリンクを、操作入力部40を操作して選択入力する。この選択入力に応じてゲームサーバ1がゲームを進行させ、新たなゲーム画面データを端末装置3に送信する。そして、この新たなゲーム画面が端末装置3の表示部35に表示され、以下、同様に、ユーザは、表示部35に表示されているゲーム画面で選択可能なボタンオブジェクト等を選択する操作により、ゲームサーバ1が提供するゲームをプレイすることができるようになっている。
〔ゲームの説明〕
次に、本実施の形態の野球ゲームの一例について説明する。本野球ゲームでは、ユーザがゲーム内において選手キャラクタを保有し、保有する選手キャラクタの中から一軍選手を登録して自分だけのオリジナルチームを結成する。そして、ユーザが監督として自分のチームを率いて他のユーザのチームと対戦してランキング等を競うことができる。ユーザが保有する選手キャラクタは、当該選手キャラクタの形態を端末装置3の画面上で視認可能としたカード形式とすることができる。すなわち、選手キャラクタは、デジタル選手カードとしてゲームサーバ1およびデータベースサーバ2で管理されるとともに、ユーザの端末装置3の画面に表示される。また、選手キャラクタは、ゲーム内での試合等において、3次元コンピュータグラフィックスにより描写してもよい。また、ストリーミング形式等により、選手キャラクタやボールオブジェクト等を動画表示してもよい。
ゲームスタート時には、ユーザが、ユーザ名、チーム、基準エリアとしてのホームの住所(都道府県)などを登録する。ホームの住所として登録した都道府県の情報は、後述する遠征発生の判断に使用される。なお、以下には、「都道府県」を単に「県」と称するものとする。
また、野球ゲーム内には、任意試合(練習試合/遠征試合)、自動試合(公式試合)、特訓、選手スカウト、抽選などの様々なゲームが設けられている。
任意試合は、ユーザが他のユーザのチームを選択して、任意のタイミングで任意の相手と対戦することができるゲームである。本実施の形態では、1日1回以上ゲームにアクセスした各ユーザには、1日に所定枚数(例えば6枚)の「試合チケット」というアイテムがゲームサーバ1から配布される。この「試合チケット」を所有していれば、1枚につき任意試合を1回実行することができる。本実施の形態では、その日に実行された各ユーザの任意試合の結果に基づいて、ゲーム内のランキングを集計する(例えば毎日、午前0時に前日のランキング集計を実行する)。そして、ランキング上位者には特典を付与してもよい。
任意試合には、ゲーム内容が異なっている、練習試合モード(第1ゲームモード)と遠征試合モード(第2ゲームモード)とがある。原則、ユーザがホームの県(基準エリア)に存在している間は、任意試合において練習試合モードが適用される一方、ユーザがホームの県以外に移動すれば、任意試合において練習試合モードが適用される。本実施の形態では、現実世界においてユーザが自分の端末装置3を持って移動した結果、ホームとして登録した県以外で日付が変わると、遠征が発生したものとして、翌日は通常の「練習試合モード」が「遠征試合モード」に変化する例を中心に説明する。
練習試合モードでは、対戦相手候補のリストから任意の相手を選んでユーザが試合を実行することにより、その試合に出場したユーザのチームの選手キャラクタの経験値が所定値(例えば1ポイント)ずつ向上する一方、選手キャラクタの体力が所定値(例えば1ポイント)ずつ低下する。
選手キャラクタは、蓄積された経験値が基準値に達する毎に、能力レベルが1段階ずつ向上するようになっている。よって、ユーザが任意試合を行うことにより、選手キャラクタを成長させることができる。
また、各選手キャラクタは0〜6(最大)の体力のパラメータを有し、試合に出場して選手キャラクタの体力が0になると、その選手キャラクタは試合に出場することができなくなる。なお、1軍登録されていても試合に出場しなければ体力は減少しないようにしてもよい。選手キャラクタの減少した体力を回復させるためには、例えば、選手キャラクタの1軍登録を外して控え枠に移し、任意試合を行う。控え枠にいる選手キャラクタについては任意試合が1度行われるごとに体力が1ポイントずつ回復する。あるいは、選手キャラクタの減少した体力は、時間経過により回復するようにしてもよい(例えば、体力は2時間毎に1ポイントずつ回復する)。あるいは、選手キャラクタの体力は、ユーザが所有する回復アイテムを消費することにより、最大値まで全回復するようにしてもよい。
前記の練習試合モードでは、対戦相手候補のリストには様々な県をホームとするチームがランダムに表示され、ユーザは任意の県のユーザと対戦できる。
一方、ホームの県以外のエリアに移動して遠征試合モードになれば、優先的に移動先のエリア(県)をホームとしている他のユーザと対戦する。すなわち、遠征試合モードでは、ゲームサーバ1によって、ユーザの移動先エリアをホームとする他のユーザが、対戦相手候補リストとして優先的に(例えば表示順の上位に)リストアップされる。なお、遠征試合モードでは、ユーザの移動先のエリアをホームとしている他のユーザとのみ対戦できるようにしてもよい。そして、遠征試合モードでは、ユーザが試合を実行することにより、その試合に出場した選手キャラクタに蓄積される経験値が、練習試合モードの場合と比較してn倍(例えば2倍)に向上する。具体例を挙げると、選手キャラクタに蓄積される1試合あたりの経験値は、練習試合モードの場合の1ポイントに対して、遠征試合モードでは2ポイントになる。よって、遠征試合モードでは、通常の(練習試合モードの)倍のスピートでキャラクタの能力アップを図ることができるようになる。
その一方、遠征試合モードでは、選手キャラクタの体力消費も練習試合モードのm倍(例えば2倍)になる。具体例を挙げると、選手キャラクタの1試合あたりの体力消費は、練習試合モードの場合の1ポイントに対して、遠征試合モードでは2ポイントになる。なお、遠征試合モードにおける選手キャラクタの体力消費を、練習試合モードの場合と同じとしてもよい。
また、ユーザは、任意試合(練習試合モード又は遠征試合モード)を行うことにより、その勝敗、相手の強さ等に応じたゲーム内通貨(コイン)を獲得できる。ここで、同じ条件で勝利(または敗北)した場合でも、練習試合モードと遠征試合モードとでは、獲得できるコインが異なるようにすることができる。例えば、同じレベルの相手との試合に勝利した場合、練習試合モードでは100コインが獲得できる一方、遠征試合モードではその2倍の200コインが獲得できる。
上記のように、同じ任意試合でも、練習試合モードの場合と遠征試合モードの場合とでは、ゲーム内容が異なっており、ユーザは現実世界で自分のホームのエリア(県)から移動して遠征すれば、通常と異なる特別なゲーム内容で任意試合を楽しむことができる。
また、ゲーム内の自動試合(公式試合)とは、ユーザのチームが、ゲームサーバ1がマッチングした他のユーザのチームと自動的に試合を行い(例えば1日に6試合実行)、ランキングやレベルを上げていくモードである。
また、ゲーム内の特訓とは、1回につき所定のゲーム内通貨(例えば300コイン)と、選手キャラクタの体力1ポイントとを消費することで、選手キャラクタを特訓させることが可能なモードである。特訓によって選手キャラクタの経験値を向上させることができる。例えば、ユーザがホームの県内に存在する通常モードにおいては、一操作あたり又は一処理あたりの特訓によって蓄積される選手キャラクタの経験値は1ポイントであるが、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、一操作あたり又は一処理あたりの特訓によって蓄積される選手キャラクタの経験値は2ポイントに向上する。すなわち、ユーザの現実世界での移動によって、ゲーム内容が変動する。
また、ゲーム内の選手スカウトとは、通常モードにおいて、一行動あたり(一操作あたり又は一処理あたり)に所定量のゲーム内通貨(例えば1000コイン)を消費することにより、仮想的に日本全国より選手キャラクタをスカウトにより獲得できるゲームである。例えば、ユーザがホームの県内に存在する通常モードにおいては、ゲーム内のスカウト対象エリアが日本全国であるが、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、ゲーム内のスカウト対象エリアがその移動先エリア(移動先の県)またはその移動先エリアを含む特定エリアに限定される。すなわち、ユーザの現実世界での移動によって、ゲーム内容が変動する。例えば、ホームが東京都のユーザが京都府に移動して遠征モードになった場合、ゲーム内のスカウト対象エリアが京都府、または近畿エリアに限定される。このように、遠征モードでは、ゲーム内のスカウト対象エリアが日本全国から京都府(または近畿エリア)等に限定されることにより、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量も通常モード時よりも小さくなる。例えば、通常モードでは、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は1000コインであるが、遠征モードでは、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は500コインと半減する。すなわち、同じ量のゲーム内通貨を消費すれば、通常モードよりも遠征モードの方が、より多くのスカウト処理を実行できる(多くの選手キャラクタを獲得できる)。
また、ゲーム内の抽選とは、通常モードにおいて、一操作あたり又は一処理あたりに所定量のゲーム内ポイント(後述する交流ポイント200P)を消費することにより、抽選で1人の選手キャラクタを獲得できるゲームである。なお、選手キャラクタには例えば1〜5の5段階のレア度(希少度)の何れかが設定されており、レア度が高いほど抽選確率が低くなっている。例えば、ユーザがホームの県内に存在する通常モードにおいては、レア度3以上の選手キャラクタの抽選確率は5%であるが、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、レア度3以上の選手キャラクタの抽選確率は10%に上昇する。すなわち、ユーザの現実世界での移動によって、ゲーム内容が変動する。
〔ゲーム管理装置の機能的構成〕
次に、上記の野球ゲームを実現するゲーム管理装置の機能的構成の一例について説明する。図4は、端末装置3と通信するゲーム管理装置(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)の基本的な構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態に係るゲーム管理装置は、ユーザ情報記憶制御手段60、受信手段61、ゲーム実行手段62、画面生成手段63、送信手段64およびアクセス管理手段65等を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
ユーザ情報記憶制御手段60は、各ユーザのゲームに関する情報をデータベースサーバ2に記憶して管理する。ユーザ情報記憶制御手段60がデータベースサーバ2に記憶している、ユーザのゲームに関する情報の一例(この例ではユーザID=000001の1人分の情報)を、図5に示す。
ユーザ情報記憶制御手段60は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名(ゲーム内で使用するニックネーム等)、チーム等の各ユーザに関する基本情報を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。ここで、ログインIDおよびパスワードは、各ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしたときのログイン認証に用いられる。ユーザ名およびチームは、ユーザがゲームサービスを受けるための利用登録をした際や、ゲームを初めて実行した際に、ユーザが自ら設定した任意の情報である。ユーザ名およびチームは、必要に応じてゲーム画面に表示される。また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ユーザのホームの住所(基準エリア)を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ユーザのゲームレベル(本実施の形態のゲームではユーザが監督となるので、ユーザの監督レベル)の情報を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。本野球ゲームでは、ユーザが任意試合または自動試合で勝利した回数が基準回数に達する毎にゲームレベルが向上するようになっている。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ゲーム内でユーザが入手して保持している選手キャラクタの情報(選手キャラクタを一意に識別するための選手ID)を、データベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。また、ユーザが保持する各選手キャラクタには、個別能力、体力、経験値、選手レベル等のパラメータ(属性)が設けられており、これらのパラメータも、ユーザIDおよび選手IDと対応付けてデータベースサーバ2に記憶されている。選手キャラクタの個別能力としては、例えば、ミート、パワー、走力、捕球、送球、全守備適正などがある。
さらに、データベースサーバ2には、選手IDと対応付けられて、選手キャラクタの画像データ、選手名、ポジション、所属球団、能力値(強化されていない初期値)などが記憶された選手データベース(選手DB)が存在し、ゲームサーバ1は、ユーザ情報記憶制御手段60によって記憶されている選手IDに基づいて、当該選手IDに対応する選手キャラクタの画像データ等を取得できるようになっている。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ゲーム内でユーザが所有している各種ポイント(ポイントに準ずる値などを含む)を、ユーザID毎にデータベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。本ゲームにおいては、上述のゲーム内通貨(コイン)の他に、ユーザが他のユーザ(ユーザの仲間等)と挨拶、メッセージ送信、プレゼント、対戦協力、チャット等の交流を行うことにより獲得できる交流ポイントがある。
また、ユーザ情報記憶制御手段60は、ユーザIDと対応付けて、ゲーム内でユーザが獲得したアイテムを、ユーザID毎にデータベースサーバ2の所定の記憶領域に記憶する。図5に示すように、アイテムの例としては、前述の回復アイテム、試合チケットなどがある。アイテムの他の例としては、選手キャラクタに装着することにより能力向上が図れる特殊なバット、スパイク、グローブ等がある。
次に、図4に示す受信手段61、ゲーム実行手段62、画面生成手段63、送信手段64について説明する。受信手段61および送信手段64は、ゲームサーバ1のCPU11および通信制御部15により実現される機能である。
ユーザの端末装置3のウェブブラウザによってゲーム画面が表示されているとき、ユーザがゲーム画面上の選択可能なボタンオブジェクトやハイパーリンクが設定された文字列等を選択する入力の操作を行った場合、当該入力に関する情報(ゲーム画面のリクエスト等)が端末装置3のウェブブラウザによってゲームサーバ1へ送信される。ゲームサーバ1では、前記入力に関する情報を受信手段61が受信したとき、ゲーム実行手段62が、当該情報に応じてユーザのゲームに関する情報を読み出して演算やデータ処理を行うことによってゲームを実行する。
例えば、任意試合で他のユーザのチームと対戦するという入力操作がユーザによって行われた場合を例に挙げると、ゲーム実行手段62は、対戦を行う両ユーザのユーザIDに対応した両チームの選手キャラクタ(試合に出場するキャラクタ)の情報をデータベースサーバ2から読み出す。そして、ゲーム実行手段62は、AI(Artificial Intelligence)プログラム等により、両チームの選手キャラクタの能力等のパラメータに基づいて、野球の試合のシミュレーションを実行し、試合の勝敗を決定する。
次に、画面生成手段63について説明する。画面生成手段63は、ゲーム実行手段62による実行結果に応じて、例えばHTMLデータからなるゲーム画面データを生成する。HTMLデータには、データベースサーバ2から読み出されたキャラクタ等の画像データを含めてもよい。また、HTMLデータには、端末装置3のウェブブラウザのプラグインによって動作するスクリプト(プログラム)が埋め込まれていてもよい。ゲームサーバ1から提供されたスクリプトが端末装置3で実行される場合は、端末装置3で表示されるゲーム画面を動画とすることも可能である。あるいは、画面生成手段63は、ストリーミング形式の映像を生成してもよい。
また、送信手段64は、画面生成手段63により生成された画面データ(HTMLデータ、ストリーミング形式の映像データ等)を、ゲーム画面のリクエストに対するレスポンスとして、またはゲーム実行手段62による実行結果として、ユーザの端末装置3へ送信する。このゲーム画面データを受信したユーザの端末装置3では、ウェブブラウザおよびそのプラグイン等によって表示部35にゲーム画面が表示される。
次に、アクセス管理手段65について説明する。アクセス管理手段65は、ゲームサービスを受けようとするユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセス(ログイン)しようとした際、当該ユーザのゲーム参加資格の有無を判断してログイン認証を行う。この認証の例としては、ユーザIDと対応付けられたログインIDおよびパスワードに基づく認証がある。また、ユーザがゲームサーバ1にアクセスする度にログインIDおよびパスワードを入力する手間を省略できるように、端末装置3である携帯電話やスマートフォンの個体識別番号(電話番号とは別の端末を一意に識別するための情報)、または契約者固有ID(端末の契約者を一意に識別するための情報であって、機種変更を行っても契約者が同一である限りは変更されないID)を利用した認証を行ってもよい。
次に、図6の機能ブロック図を参照して、ゲーム管理装置(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)の主要な機能的構成について説明する。ゲーム管理装置としてのゲームサーバ1は、主に、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、ゲーム内容変動手段74を備えている。これらの各手段は、ゲームサーバ1のCPU11が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
基準エリア記憶制御手段71は、ユーザの基準エリアを記憶装置(データベースサーバ2等)に記憶する機能を有する。この基準エリア記憶制御手段71は、前述のユーザ情報記憶制御手段60が具備する機能の一つであり、本実施の形態では図5に例示するように、ユーザのホームの県をデータベースサーバ2に記憶する記憶制御を実行する。
本実施の形態では、基準エリアを都道府県単位とする例を示すが、それ以外の行政区画(州、郡、市、町、村など)を単位とするエリアであってもよい。また、行政区画によらないエリアを基準エリアとすることもできる。例えば、ユーザの自宅を含む所定エリア(自宅を中心とする半径1Kmのエリア等)を基準エリアとしてもよい。
位置取得手段72は、ユーザの現実世界の位置情報を取得する機能を有する。ここで、位置情報の例としては、ユーザの端末装置3のGPS機能を利用したGPS測位情報とすることができる。位置取得手段72は、ユーザの端末装置3と通信し、端末装置3のGPS測位部42(図3参照)によって測位された位置情報(現在位置の緯度および経度情報等)を取得する。ユーザは端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしてゲームをプレイするので、ユーザの端末装置3から取得したGPS測位情報は、ユーザの現実世界における現在位置情報と考えられる。
位置情報の他の例としては、移動体通信(携帯電話、PHS等)の無線基地局から送られる電波に含まれる位置情報を利用することができる。すなわち、携帯電話やPHSの各基地局は、所定の通信エリアを有してセル状に配置されており、各基地局から受信した電波に含まれる位置情報(基地局識別情報等を含む)をもって当該基地局の通信エリア内に端末装置3が存在することが分る。よって、GPS測位による緯度および経度情報に較べると位置情報としての精度は落ちるものの、無線基地局から取得できる位置情報を、端末装置3を携帯しているユーザの位置情報として利用することも可能である。この場合、位置取得手段72は、ユーザの端末装置3と通信し、端末装置3が無線基地局の電波から得た位置情報を取得する。
位置情報のさらに他の例を次に説明する。例えば、端末装置3にWi−Fi(wireless fidelity、Wi-Fi Allianceの登録商標)等の無線LAN通信機能を持たせた場合には、無線通信親機(無線LANアクセスポイント又はルータ等)の識別情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレスまたはIP(Internet Protocol)アドレス)を位置情報として用いることもできる。すなわち、現実世界の駅や商業施設などに、無線LAN接続サービス用の無線通信親機(一つまたは複数の無線LANアクセスポイント又はルータ等)が設置されている場合がある。そして、ユーザが端末装置3を無線LANアクセスポイント等の無線通信親機にアクセスしたときに、端末装置3が無線通信親機の識別情報を位置情報として取得する。例えば、ある駅に設置されている無線通信親機の識別情報は、ユーザの端末装置3がその駅付近の無線通信エリアに存在することを示す位置情報として利用することが可能である。この場合、位置取得手段72は、ユーザの端末装置3と通信し、端末装置3が無線通信親機の電波から得た位置情報(無線通信親機の識別情報)を取得する。
ゲームサーバ1は、位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報の履歴をデータベースサーバ2等の記憶装置に記憶する。例えば、図7に例示するように、ユーザIDと対応付けて、ユーザの位置情報(県)およびその位置情報が取得された時間情報がデータベースサーバ2に記憶される。例えば、ユーザの端末装置3がゲームにアクセス(ゲームサーバ1にログイン)したときに、ゲームサーバ1がユーザの端末装置3から位置情報を取得し、ユーザのアクセスログに位置情報を付加することにより、ユーザの位置情報の履歴を記録することができる。
なお、ゲームサーバ1がユーザの位置情報をデータベースサーバ2に記憶する場合、GPS測位情報(緯度および経度情報)等をそのまま記憶してもよいが、本実施の形態では位置情報がホームの県以外に移動したか否かの判断に使用されるので、GPS測位情報等を県の情報に変換して記憶している。
また、ユーザが端末装置3をゲームサーバ1に常時接続しているような場合は、ユーザの位置情報が所定のエリア単位で変化(本実施の形態では県が変化)した場合に、その都度、位置情報の変化の履歴をデータベースサーバ2に記憶すればよい。
次に、移動検出手段73について説明する。移動検出手段73は、前記位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報に基づいて、ユーザのホームの県(基準エリア)からのユーザの移動を検出する機能を有する。すなわち、移動検出手段73は、位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報(県)が、基準エリア記憶制御手段71によって記憶されているユーザのホームの県と異なっている場合に、ユーザがホームエリアから移動したと判断する。
ゲーム内容変動手段74は、前記移動検出手段73による検出結果に基づいて、ゲーム内容を変動させる機能を有する。例えば、ユーザのホームが東京都であった場合、ユーザが東京都以外のエリアに移動したことが移動検出手段73によって検出された場合に、前述のように任意試合が練習試合モードから遠征試合モードに変化し、ゲーム内容が変動する。
ゲーム内容を変動させるタイミングとしては、ユーザがホームの県以外に移動したことが検出されたことを契機として、練習試合モードから遠征試合モードに変化するようにすることができる。また、ユーザがホームの県以外からホームの県に移動したことが検出されたことを契機として、遠征試合モードから練習試合モードに変化するようにすることができる。この場合、ユーザがホームの県でゲームをプレイしている間は練習試合モードが適用され、ホームの県以外でゲームをプレイしている間は遠征試合モードが適用されることになる。例えば、ゲームサーバ1は、ユーザの端末装置3からアクセス(ログイン)があったときに、ユーザの位置情報を取得し、ユーザがホームの県に存在すると判断された場合には、練習試合モードを適用する一方、ユーザがホームの県以外に存在すると判断された場合には、遠征試合モードを適用する。遠征試合モードが適用になったことをユーザに報知するには、後記する図9のように、ゲーム画面上にその旨をアナウンスすればよい。
ゲーム内容を変動させる他の例としては、基準時刻を定め、その基準時刻毎にユーザがホームの県に存在するか否かの判断を行ってゲーム内容を変動させてもよい。ここで、「基準時刻」については任意に定めることができ、例えば毎日午前0時を「基準時刻」とすることができる。毎日午前0時に、ユーザがホームの県に存在するのかホームの県以外に移動しているのかを判断する構成は、ホームの県以外で日付が変わったかどうかを判断することを意味する。前述のように、本実施の形態では、ユーザが自分の端末装置3を持って現実世界で移動した結果、ホームとして登録した県以外で日付が変わると、遠征が発生したものとして、翌日は「練習試合モード」が「遠征試合モード」に変化する。
これを実現する本実施の形態のゲーム内容変動手段74は、移動検出手段73によって基準時刻「午前0時」においてユーザがホームの県(基準エリア)に存在することが検出された場合に、「練習試合モード」を適用する一方、基準時刻においてユーザがホームの県とは異なる県に移動していることが検出された場合に、「遠征試合モード」を適用する。この場合、午前0時から翌午前0時(次の基準時刻)までの1日(24時間)が、「練習試合モード」または「遠征試合モード」の適用期間となる。
ところで、ユーザの端末装置3とゲームサーバ1とが常時接続されており、ゲームサーバ1が何時でも端末装置3と通信してユーザの位置情報を取得できる場合は、基準時刻におけるユーザの位置情報をリアルタイムで取得できる。一方、ユーザがゲームをプレイするときだけゲームサーバ1にアクセスする場合、必ずしも基準時刻にユーザがゲームサーバ1にアクセスしているとは限らない。この場合、基準時刻になったときに、基準時刻の前に記憶されているユーザの位置情報に基づいて、ユーザがホームの県以外に存在するか否かを判断する。すなわち、図7に例示するように、ユーザがゲームにアクセスする毎に、ユーザの位置情報をデータベースサーバ2に記憶しておき、基準時刻である午前0時になれば、その日の最後にゲームにアクセスしたときの位置情報(県)に基づいて、ホームとなる県以外で日付が変わったか否かを判断する。この場合、ユーザがその日の最後にゲームにアクセスしたときの位置情報がホームの県であれば、翌日は24時間「練習試合モード」が適用される。一方、ユーザがその日の最後にゲームにアクセスしたときの位置情報がホームの県以外であれば、翌日は24時間「遠征試合モード」が適用される。
このように、基準時刻を定めて、ゲーム内容の異なる複数のゲームモードを切り替える判定を基準時刻のみに実行する構成により、常時、ゲーム内容を変動させるか否かを判定する構成よりも処理を簡略化できる。
ゲーム内容変動手段74によるゲーム内容の変動は、ゲームの仕様、ルール、表示の態様等が変更されるものであればよく、上記した内容に限定されるものではない。ゲーム内容の変動の他の例としては、一操作あたり又は一処理あたり等に獲得できるポイントが所定期間向上する、レアアイテムの抽選確率が所定期間向上する、一操作あたり又は一処理あたり等のポイント消費量が所定期間低減する等、様々なものが考えられる。ゲーム内容の変動はそれ以外にも、キャラクタの能力、形態、年齢、学年、役職、装備品等を変更することであってもよい。すなわち、ユーザが基準エリア外へ移動した後には、仮想的にキャラクタの経験や体験が増えるものとして能力を向上するようにしてもよいし、キャラクタの形態を大きくしたり、年齢、学年、役職を高めたり、装備や武器、道具を多く備えるようにしたりしてもよい。さらに、ゲーム内容の変動は、一旦低下した、あるいはゼロになったキャラクタの体力やチームの戦力等が時間経過に伴って復活する場合に、その復活の速度を、移動後には速くなるようにしてもよい。
〔ゲームシステムの動作〕
上記の構成において、本発明の実施の形態に係るゲームシステムの基本的な動作例を、図8のフローチャートを参照しながら以下に説明する。図8は、ユーザが端末装置3を操作してゲームサーバ1にアクセスしてゲームサービスを受けるときの、端末装置3およびゲームサーバ1の処理の流れを示すものである。
ユーザがゲームサービスを受ける場合、先ず、端末装置3の操作入力部40を操作してウェブブラウザを起動する(S11)。その後、ユーザは、ゲームサーバ1が管理するゲームサイトにアクセスする操作を行い、これにより、端末装置3からゲームサーバ1へアクセスリクエストが送信される(S12)。このとき、ゲームサーバ1は、端末装置3からのアクセスに対するログイン認証を行い(S21)、ゲームサービスの利用登録がなされているユーザからのアクセスであることを確認する。また、このとき、端末装置3からはGPS測位情報等の位置情報がゲームサーバ1に送信され、ゲームサーバ1はアクセスログと共にユーザの位置情報をデータベースサーバ2に記憶する。
その後、ゲームサーバ1は、HTML等で記述されたメイン画面等の画面データを端末装置3に送信する(S22)。なお、メイン画面とは別のゲームのトップ画面がある場合は、まずトップ画面を送信してもよい。また、メイン画面を介さずに直接、所定のゲームモードの画面を送信してもよい。そして、画面データを受信した端末装置3では、ウェブブラウザまたはそのプラグインが当該データを解釈し、画面を表示部35に表示させる(S13)。
本実施の形態のゲームのメイン画面(ユーザのマイページ)の一例を図9に示す。このメイン画面には、ユーザのゲーム情報151(ユーザの写真またはアバター、ユーザのレベルなど)、各種ゲームモードを選択するためのボタン群152、ユーザがチームオーダとして設定している選手キャラクタ153、現在実行中の操作の説明や各種お知らせを表示するテキスト表示領域154などが表示される。
ここでユーザが、メイン画面またはその他の画面に表示されている選択可能なボタン等のオブジェクトやハイパーリンクを選択する操作を行うと、当該操作に応じた画面のリクエストが端末装置3からゲームサーバ1へ送信される(S14)。このリクエストを受信したゲームサーバ1は、ユーザの操作に応じた演算処理やデータ処理を行ってゲームを実行する(S23)。また、ゲームサーバ1は、ゲームの実行結果を反映させた画面データを端末装置3へ送信する(S24)。そして、画面データを受信した端末装置3では、ウェブブラウザが当該データを解釈し、ゲーム画面を表示部35に表示(更新)させる(S15)。
以降は、ユーザの端末装置3においては前記のS14およびS15が繰り返されるとともに、ゲームサーバ1においては前記のS23〜S24が繰り返され、これにより、端末装置3の画面に表示されている選択可能なボタン等をユーザが選択する度に、端末装置3のゲーム画面が次々と切り替わり、ゲームを進行させることができる。
その後、ユーザが端末装置3を操作してゲーム画面を閉じた場合(S16)、ゲームサーバ1はログアウト処理を行う(S25)。例えば、ユーザがウェブブラウザを閉じた場合、ゲームサーバ1はセッションタイムアウト後にログアウト処理を行う。
〔ゲーム管理装置の動作〕
次に、本発明の実施の形態に係るゲーム管理装置の動作例を、図10等のフローチャートを参照しながら説明する。図10は、ユーザがホームの県以外に移動したことを検出すれば、その時点でゲーム内容を変動させるゲームサーバ1の処理例を示すものである。図10は、1人のユーザを対象とした処理フローであり、ゲームサーバ1は、ゲームサービスに登録している各ユーザに対して同じ処理を実行する。
ゲームサーバ1は、ユーザの端末装置3からアクセス(ログイン)があったときに(S51でYE)、端末装置3と通信してユーザの位置情報を取得する(S52)。例えば、ゲームサーバ1は、端末装置3のGPS測位部42によって得られたGPSの位置情報を受信する。この場合、端末装置3がゲームサーバ1にアクセスするときには、端末装置3が位置情報をゲームサーバ1に送信するように予め設定していてもよいし、ゲームサーバ1がアクセスをしてきた端末装置3に対して位置情報のリクエストを送信し、そのリクエストに対して端末装置3が位置情報のレスポンスをゲームサーバ1に返すようにしてもよい。その後、ゲームサーバ1は、取得した位置情報に基づいて、ユーザがホームの県以外に移動しているか否かを判断する(S53)。例えば、ユーザのホームが東京都の場合、ユーザが東京都内に存在すれば(S53でNO)、練習試合モードを適用し(S54)、東京都以外に移動していれば(S53でYES)、遠征試合モードを適用する(S55)。
これにより、ユーザが任意試合を行う場合、ユーザがホームの東京都に居るときにプレイするのか、東京都以外に移動してプレイするのかによってゲーム内容が異なる。上述のように、遠征試合モードでは、優先的に移動先のエリア(県)をホームとしている他のユーザと対戦する。また、遠征試合モードでは、試合に出場した選手キャラクタに蓄積される経験値が、練習試合モードの場合と比較して2倍となるため、練習試合モードの倍のスピードで選手キャラクタが能力アップする一方で、選手キャラクタの体力消費も2倍となる(体力消費は練習試合モードと同じでもよい)。
図10の動作例では、ユーザがゲームに最初にアクセス(ログイン)した時点のユーザの現在位置により、練習試合モードか遠征試合モードかが決定される。そして、ゲーム中(アクセス継続中)は決定されたモードが継続されるものとすることができる。
バリエーションとして、ゲームサーバ1は、ユーザのゲーム中にも、定期的に(例えば5分毎に)、ユーザの現在の位置情報を取得し、ユーザがホームの県から当該県以外に移動したことが検出された場合、その時点で練習試合モードから遠征試合モードへ変更してもよい。また、ユーザのゲーム中に、ユーザがホームの県以外からホームの県に戻ったことが検出された場合、その時点で遠征試合モードから練習試合モードへ変更してもよい。
次に、図11のフローチャートを参照して、ユーザが移動した結果、ホームの県以外で日付が変わったときに「練習試合モード」から「遠征試合モード」に変化させる場合の動作例について説明する。図11は、1人のユーザを対象とした処理フローであり、ゲームサーバ1は、ゲームサービスに登録している各ユーザに対して同じ処理を実行する。
ゲームサーバ1は、ユーザの端末装置3からアクセス(ログイン)があったときに(S61でYE)、端末装置3と通信してユーザの位置情報を取得し(S62)、取得した位置情報をデータベースサーバ2に記憶する(S63)。例えば、図7に例示するように、ユーザIDと対応付けて、ユーザの位置情報としての県名、時間の情報等をデータベースサーバ2に記憶する。このステップS61〜S63の処理は、毎日午前0時(基準時刻)になるまで繰り返される。
基準時刻である午前0時になれば(S64でYES)、ゲームサーバ1は、ユーザが対象日(1つ前の基準時刻である1日前の午前0時からの24時間)に1回以上ゲームにアクセスしているかを判断する(S65)。ユーザが1日に1度もゲームにアクセスしていなければ(S65でNO)、ユーザのその日の現在位置が判断できないが、この場合はホームの県以外で日付が変わったことにはならないので、1つ後の基準時刻である翌日の午前0時まで「練習試合モード」を適用する(S67)。
一方、ステップS65において、ユーザが1日に少なくとも1回はゲームにアクセスしている場合(S65でYES)、対象日の最後にアクセスしたときのユーザの位置情報に基づいて、ユーザがホームの県以外に移動しているか否かを判断する(S66)。例えば、ユーザのホームが東京都の場合、ユーザが東京都内に存在すれば(S66でNO)、ホームの県以外で日付が変わったことにはならないので、練習試合モードを適用する(S67)。一方、ユーザが東京都以外に移動していれば(S66でYES)、ホームの県以外で日付が変わったと判断し、遠征試合モードを適用する(S68)。ここで設定された適用モードは、1つ後の基準時刻である翌日の午前0時まで継続される。その後、ステップS61に戻って前述の各処理が繰り返される。
例えば、ユーザが東京都(ホーム)から京都府に移動して日付が変わったことにより遠征試合モードが適用された場合、その後、ユーザがゲームにアクセスしたとき、図9のメイン画面等には、遠征試合モード適用の旨が報知される。例えば、メイン画面のテキスト表示領域154に、「ホームから移動して京都に遠征中!本日の任意試合は、遠征試合モードが適用されます。選手能力アップのチャンス!」といった報知メッセージが表示される。また、図示しない任意試合の画面にも、遠征試合モード適用中の旨の表示が行われる。
図11のフローチャートでは、基準時刻を毎日午前0時に設定した例を示したがこれに限定されるものではなく、基準時刻は任意に設定できる。また、基準時刻は一日に複数設けてもよい。例えば、0時と12時とを基準時刻とし、1日に2回、ゲーム内容を変動させる機会を設けてもよい。あるいは、例えば月曜日の0時、水曜日の0時、金曜日の0時をそれぞれ基準時刻にするといったように、1日以上の間隔を開けて基準時刻を設定し、ゲーム内容を変動させる時間幅を長くとってもよい。
以上のように、本実施の形態のゲーム管理装置は、図6に示すように、主に基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、ゲーム内容変動手段74を備えている構成である。本構成では、ユーザの移動に応じてゲーム内容自体を変動させることにより、興趣性の高いゲームを実現できる。
次に、ユーザの移動距離の長さに応じてゲーム内容を変動させる構成について説明する。この構成のゲーム内容変動手段74は、前記移動検出手段73によって検出されたユーザの基準エリア(ホームの県)からの移動距離の長さに応じてゲーム内容を変動させる機能を有する。
例えば、ユーザの基準エリアからの移動距離が長いほど(ユーザの移動先の県がユーザのホームの県から離れているほど)、前記「遠征試合モード」の継続期間を長くする。その一例を挙げれば、基準エリアからのユーザの移動距離が100km未満、100km以上且つ1000km未満、1000km以上の場合、前記「遠征試合モード」の継続期間をそれぞれ1日、2日、3日とする。例えば、東京都がホームのユーザが神奈川県へ移動して「遠征試合モード」となった場合、「遠征試合モード」の継続期間は1日だけであるが、京都府へ移動して「遠征試合モード」になった場合、2日間「遠征試合モード」が継続されることになる。この場合、ユーザが京都府に1泊しただけでホームの東京都に戻ってきても、「遠征試合モード」2日間継続されることになる。
あるいは、ユーザの移動先エリアの県がユーザのホームの県と隣接している場合、「遠征試合モード」の継続期間を1日とし、ユーザの移動先エリアの県がユーザのホームの県から遠方にあり隣接していない場合には、「遠征試合モード」の継続期間を2日間としてもよい。
その他の例としては、基準エリアからのユーザの移動距離が長いほど、「遠征試合モード」になった場合に得られる経験値を大きくしてもよい。その一例を挙げれば、基準エリアからの移動距離が100km未満、100km以上且つ1000km未満、1000km以上の場合、「遠征試合モード」において選手キャラクタが1試合あたりに獲得できる経験値を、それぞれ2ポイント、3ポイント、4ポイントとする(前記「練習試合モード」では、1試合あたりの経験値が1ポイント)。この場合、選手キャラクタが獲得できる経験値が大きくなった分、それに合わせて体力消費も大きくなるようにしてもよいし、体力消費は変化がないようにしてもよい。
その他の例としては、基準エリアからのユーザの移動距離が長いほど、一操作あたり又は一処理あたり等に獲得できるポイントがより大きくなる、レアアイテムの抽選確率がより高くなる、一操作あたり又は一処理あたり等のポイント消費量がより小さくなる等、様々なものが考えられる。
例えば、ユーザが選手キャラクタを抽選により獲得する場合、前述のように通常モードにおいては、レア度3以上の選手キャラクタの抽選確率は5%である。一方、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、基準エリアからの移動距離が100km未満、100km以上且つ1000km未満、1000km以上の場合におけるレア度3以上の選手キャラクタの抽選確率は、それぞれ10%、15%、20%となる。
また、ゲーム内の選手スカウトの場合、前述のように、通常モードでは、一行動あたり(一操作あたり又は一処理あたり)に1000コインを消費することにより、日本全国より選手キャラクタをスカウトにより獲得できる。一方、ユーザがホームの県以外に移動して遠征モードになった場合には、基準エリアからのユーザの移動距離に応じて次のようにコインの消費量が低下する。
すなわち、基準エリアからのユーザの移動距離が100km未満の場合、ゲーム内のスカウト対象エリアが西日本または東日本に限定される(日本全国からスカウトするよりも行動範囲が狭まる)ことにより、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は700コインに低下する。また、基準エリアからのユーザの移動距離が100km以上且つ1000km未満の場合、ゲーム内のスカウト対象エリアが近畿エリア、関東エリア等の5県程度のエリアに限定されることにより、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は500コインにまで低下する。例えば、ホームが東京都のユーザが京都府に移動して遠征モードになった場合、京都府を含む近畿エリアがスカウト対象エリアとなり、1行動あたり500コインを消費すれば選手キャラクタを獲得できる。また、基準エリアからのユーザの移動距離が1000km以上の場合、ゲーム内のスカウト対象エリアが移動先エリアの県に限定されることにより、一行動あたりのゲーム内通貨の消費量は300コインにまで低下する。すなわち、同じ量のゲーム内通貨を消費すれば、基準エリアからのユーザの移動距離が大きいほど、より多くのスカウト処理を実行できる(多くの選手キャラクタを獲得できる)。
ユーザの移動距離の長さに応じたゲーム内容の変動は、ゲームの仕様、ルール、表示の態様等がユーザの移動距離の長さに応じて変更されるものであればよく、上記した内容に限定されるものではない。他の例としては、移動距離が長いほど、キャラクタの形態をより大きくしたり、年齢、学年、役職をより高くしたり、装備や武器、道具をより多く備えるようにしたりしてもよい。さらに、一旦低下した、あるいはゼロになったキャラクタの体力やチームの戦力等が時間経過に伴って復活する場合に、その復活の速度を、移動開始後の移動距離が長くなるほど速くなるようにしてもよい。
以上のように、本構成では、ユーザの移動距離の長さに応じてゲーム内容を変動させることにより、ゲームの興趣性をより高めることができる。
ところで、例えば、自宅(千葉県)と勤務先(東京都)とが異なる県のユーザにおいては、勤務先である東京都でゲームを開始してホームを東京都に設定すれば、自宅の千葉県でゲームをするだけで遠征試合モードとなり、他のユーザと異なる条件下でゲームができてしまうことになる。これを回避するための構成について以下に説明する。
本実施の形態のゲーム管理装置では、基準時刻(ここでは午前0時とする)毎に検出処理を実行する前記移動検出手段73によって、ホームの県以外の同一県内にユーザが存在していることが連続して検出された場合に、ゲーム内容変動手段74が、遠征試合モードから練習試合モードの適用に戻すようにする。これにより、ホームの県以外の同一の県(例えば千葉県)に連泊の場合、遠征試合モードとなるのは1日のみとなり、ユーザが翌日に別の県に移動していない場合は、練習試合モードに戻ってしまう。以下には、毎日午前0時を「基準時刻」として、「練習試合モード」と「遠征試合モード」とを1日単位で切り替える参考例を示す。以下の参考例において、例えば京都府で宿泊した場合とは、午前0時においてユーザの位置情報が京都府と判断されたことを意味する。
下記参考例1は、東京都がホームのユーザが関西地方の3つの異なる県(京都、大阪、兵庫)に3泊4日の移動をし、移動先の各県でゲームをプレイした場合の、翌日の適用モードを示している。
参考例1(基準エリア=東京の場合の関西地方3泊4日)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
大阪1泊(翌日は遠征試合モード)
兵庫1泊(翌日は遠征試合モード)
この参考例1では、ホームの県以外の同一県に連泊していないので、京都、大阪、兵庫に宿泊した翌日は、全て遠征試合モードになる。
下記参考例2は、東京都がホームのユーザが京都府に3泊4日の移動をし、移動先の京都府でゲームをプレイした場合の、翌日の適用モードを示している。
参考例2(基準エリア=東京の場合の京都3泊4日)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
京都1泊(翌日は練習試合モード)
京都1泊(翌日は練習試合モード)
この参考例2では、ホームの県以外の同一県(京都府)に3連泊しているので、京都府での1泊目の翌日のみ遠征試合モードが適用されるが、その後は練習試合モードに戻る。
下記参考例3は、東京都がホームのユーザが京都府で1泊、大阪府で1泊、京都府で1泊の3泊4日の移動をし、移動先の各県でゲームをプレイした場合の、翌日の適用モードを示している。
参考例3(基準エリア=東京の場合の京都1泊、大阪1泊、京都1泊)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
大阪1泊(翌日は遠征試合モード)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
この参考例3では、1泊目と3泊目の移動先エリアが京都府であるが、2泊目に別のエリア(大阪府)に移動して宿泊しているため、ホームの県以外の同一県(京都府)に連泊しているわけではないので、3泊とも翌日は、全て遠征試合モードが適用される。
次に、図12のフローチャートを参照して、本実施の形態のゲームサーバ1の動作例を説明する。なお、図11のフローチャートと同様の処理には同一のステップ番号を付記し、その説明を省略する。
図12の処理フローでも、ステップS61〜S66までの処理は図11の処理フローと共通である。ステップS66において、その日(対象日)の最後にゲームへアクセスしたときのユーザの位置情報がホームエリア外であった場合(S66でYES)、当該ホームエリア外の県が、前日と同一の県であるか否かが判断される(S71)。ここで、ホームエリア外の県が前日と同一の県でなければ(S71でNO)、翌日の午前0時になるまで「遠征試合モード」を適用する(S68)。一方、ホームエリア外の県が前日と同一の県であれば(S71でYES)、翌日の午前0時になるまで「練習試合モード」を適用する(S67)。
本構成により、ユーザの自宅のあるエリア(例えば千葉県)とは異なるエリア(ユーザの勤務先等)をホームの住所として登録した場合であっても、ユーザが自宅でゲームをするだけで、毎日、「遠征試合モード」によるゲームができてしまうという不都合を効果的に回避することができる。
上記の構成は、特に、自宅と、勤務先(通学先)等とが異なる県であるようなユーザに対する対策として有効である。しかしながら、上記の参考例2に示すように、東京都をホームとするユーザが日常的な移動距離よりも明らかに遠いエリア(京都府)へ移動している場合であっても、同一のエリアに連泊している場合には2泊目以降は「遠征試合モード」ではなく「練習試合モード」が適用されてしまう。そこで、以下には、ユーザのホームの県からの移動距離が閾値(例えば100km)を超えている場合は、連泊した分だけ遠征試合モードが継続される好ましい構成について説明する。
本実施の形態のゲームサーバ1においては、基準エリア(ユーザのホームの県)からのユーザの移動距離が閾値を超えている場合は、基準エリア外の同一エリア内にユーザが存在していることが連続して検出された場合にも、ゲーム内容変動手段74は、「遠征試合モード」の適用を継続する。ここで、前記閾値は、50km、100km、200km等、任意の値に設定可能である。
次に、図13のフローチャートを参照して、本実施の形態のゲームサーバ1の動作例を説明する。なお、図11または図12のフローチャートと同様の処理には同一のステップ番号を付記し、その説明を省略する。
図13の処理フローでも、ステップS61〜S66までの処理は図11の処理フローと共通である。ステップS66において、その日(対象日)の最後にゲームへアクセスしたときのユーザの位置情報がホームエリア外であった場合(S66でYES)、当該ホームエリア外の県が、前日と同一の県であるか否かが判断される(S71)。ここで、ホームエリア外の県が前日と同一の県であれば(S71でYES)、ユーザの基準エリアからの移動距離が閾値である100kmを越えているか否かが判断される(S72)。ここで、ユーザの移動距離が100kmを越えている場合(S72でYES)、翌日の午前0時になるまで「遠征試合モード」を適用する(S68)。一方、ユーザの移動距離が100kmを越えていない場合(S72でNO)、翌日の午前0時になるまで「練習試合モード」を適用する(S67)。
これを上記の参考例2に適用すれば、東京−京都間は100kmを超える距離があるため、以下の参考例4のようになる。
参考例4(基準エリア=東京の場合の京都3泊4日、閾値=100km)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
京都1泊(翌日は遠征試合モード)
また、下記の参考例5は、東京都がホームのユーザが千葉県に3泊4日の移動をし、移動先の千葉県でゲームをプレイした場合の、翌日の適用モードを示している。
参考例5(基準エリア=東京の場合の千葉県3泊4日、閾値=100km)
千葉県1泊(翌日は遠征試合モード)
千葉県1泊(翌日は練習試合モード)
千葉県1泊(翌日は練習試合モード)
この参考例5では、ホームの県以外の同一県(千葉県)に連泊し、且つ、東京都と千葉県とは隣接している(ユーザの移動距離は100km以下)であるため、千葉県での1泊目の翌日のみ遠征試合モードが適用されるが、その後は練習試合モードに戻る。
以上のように、本構成では、日常の移動(自宅と通勤先との間の移動等)の可能性のある場合と、閾値を超えるほどの長距離移動の場合とを区別している。そして、ホームの県以外の同一県(千葉県)に連泊した場合であっても、閾値を超えるほどの長距離移動をしたユーザに対しては、上記参考例4のように、遠征試合モードの適用を妨げることのないようにすることができる。
ところで、例えば自宅と通勤先とが異なる県のユーザにおいては、出勤前の朝と帰宅後の夜は自宅のA県、昼間は通勤先のB県に存在することになる。よって、ユーザがゲームにアクセスするタイミングを調整すれば、同一の県にユーザが存在していることが連続して検出されることなく、日替わりで2つの県を交互に代えることも可能である。例えば、ユーザがその日の最後にゲームにアクセスしたときの現実世界の位置に基づいて、翌日の適用モードが決定される場合(図11等参照)、ある日は自宅のA県でその日のゲームプレイを終え、翌日は通勤先のB県でその日のゲームプレイを終え、その翌日は自宅のA県でその日のゲームプレイを終え、というのを毎日繰り返せば、同一県で連泊していない状態を意図的に作り出すことが可能である。
この場合、図12または図13に例示する対策(基準エリア外の同一県にユーザが連泊していることを検出した場合、練習試合モードに戻す対策)を施したとしても、1日置きに遠征試合モードでの遊戯が可能となってしまう。そこで、ゲーム内容変動手段74は、基準エリア外の同一エリア内にユーザが移動したことによって遠征試合モードを適用することを、所定期間内に所定回数以内に限定することが望ましい。例えば、ホームがA県のユーザによるA県以外への移動による遠征試合モードの適用は、1か月間に1回だけに限定する。なお、1か月間に1回に限定されず、2か月に1回、3か月に2回等、任意の期間および回数を定めることができる。
また、これが適用されるのはユーザの基準エリアからの移動距離が閾値(例えば100km)以下である場合に限定してもよい。すなわち、ユーザの基準エリアからの移動距離が閾値を超えるほどの長距離をユーザが移動している場合には、基準エリア外の同一エリア内にユーザが移動しても、回数制限なしに遠征試合モードを適用するものとする。
次に、図14のフローチャートを参照して、本実施の形態のゲームサーバ1の動作例を説明する。なお、図11ないし図13のフローチャートと同様の処理には同一のステップ番号を付記し、その説明を省略する。
図14の処理フローでも、ステップS61〜S66までの処理は図11の処理フローと共通である。ステップS66において、その日(対象日)の最後にゲームへアクセスしたときのユーザの位置情報がホームエリア外であった場合(S66でYES)、当該ホームエリア外の県が、前日と同一の県であるか否かが判断される(S71)。ここで、ホームエリア外の県が前日と同一の県でなければ(S71でNO)、今回の移動先(例えば千葉県)と同一県に所定期間内に所定回数以上、例えば1か月以内に1回以上、遠征しているかが判断される(S81)。このステップS81でYESの場合、翌日の午前0時になるまで「練習試合モード」を適用する(S67)。一方、このステップS81でNOの場合、翌日の午前0時になるまで「遠征試合モード」を適用する(S68)。その後、ゲームサーバ1は、ユーザIDと対応づけて、遠征試合モードを適用した履歴情報(日付等の情報)を記憶装置(データベースサーバ2等)に記憶する(S82)。この履歴情報は、その後にステップS81が実行される場合に用いられる。
以上のように、本構成では、基準エリア外の同一エリア内にユーザが移動したことによって遠征試合モードを適用することを、所定期間内に所定回数以内に限定する。これにより、日常的な移動(自宅と通勤先との間の移動等)により遠征試合モードの適用が頻繁に発生するような事態を効果的に回避することができる。なお、上記限定は当然ながら、ゲーム性によって任意に設定することができる。例えば、自宅と勤務地との往復をゲームに利用しようとするユーザに対しても、ある程度の許容を認め、1週間に2回までを遠征試合モードとして認めることも可能である。
ところで、ゲーム開始時に基準エリア(ホームの県)を登録する際に、ユーザが意図的に又は誤って、現実世界の自分の住所とは異なる県を登録することもあり得る。例えば、ゲーム開始時に、東京都在住のユーザが、意図的に、自分のホームの住所として北海道を登録することもあり得る。この対策としては、ユーザがホームの県を登録する際には、端末装置3のGPS機能等を利用し、位置取得手段72がユーザの現実世界の位置情報を取得する。そして、位置取得手段72が取得した位置情報に基づいて、基準エリア記憶制御手段71が、ユーザのホームの県を自動的に登録する構成が考えられる。この構成により、ユーザが、自分の現在位置とは関係のない任意の県を、自分のホームの住所として登録することを防止できる。
なお、ユーザがゲーム開始時に登録したホームの県から、別の県へ引っ越しすることもあり得る。そこで、ユーザは、端末装置3を操作して、自分のホームの県を修正することができるようにすることが好ましい。このホームの県の修正の際にも、位置取得手段72がユーザの現実世界の位置情報を取得するとともに、取得された位置情報に基づいて、基準エリア記憶制御手段71がユーザのホームの県を修正する構成が考えられる。
ただし、引っ越しをしたユーザの中には、ホームの県を修正する操作を行わないユーザもいると考えられる。また、端末装置3のGPS機能等を利用してユーザのホームの県を登録する構成を採用した場合にも、次のようなことが考えられる。すなわち、ユーザの現実の住所(例えば東京都)とは異なる場所、例えば「北海道」への旅行中に、ゲーム開始時のホームの登録(またはホーム修正)が行われる場合、端末装置3のGPS機能等を利用して取得された「北海道」を、ユーザのホームの県として登録してしまうこともあり得る。
そこで、以下には、位置取得手段によって取得されたユーザの日々の現実世界の位置情報に基づいて、ユーザの基準エリアを自動修正する機能を備えたゲーム管理装置について説明する。
図15に示すように、本実施の形態のゲーム管理装置は、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73、ゲーム内容変動手段74の他に、基準エリア修正手段81をさらに備えている。
この基準エリア修正手段81は、位置取得手段72によって取得されたユーザの位置情報に基づいて、基準エリア記憶制御手段71がデータベースサーバ2に記憶しているユーザの基準エリア(ホームの県)を自動修正する機能を有する。基準エリア修正手段81による基準エリアの自動修正の例を、以下に示す。
所定期間、例えば1か月間のユーザの位置情報(GPS位置情報等)の履歴に基づいて、1か月間のうちの所定日数以上(例えば1か月間のうちの以半分以上)が、登録されている基準エリア「北海道」と異なる同一のエリア「東京都」であった場合、基準エリア修正手段81が自動的に、当該ユーザの基準エリアを「東京都」に修正する。基準エリア修正手段81は、この自動修正処理を、所定期間毎、例えば1か月毎に、定期的に実行する。これにより、例えユーザが基準エリアとして登録しているホームの県に誤りがあったとしても、1か月以内には、ユーザの現実の位置情報に基づいて、正確に基準エリアが自動修正される。
自動修正の他の例としては、所定期間中(例えば1か月)のユーザの位置情報の履歴に基づいて、ユーザが最も多く滞在したエリア(県)を基準エリアとして認定し、必要に応じて基準エリアを自動修正する。
図7に例示するように、ユーザの現実世界の位置情報の履歴は、ユーザの端末装置3がゲームにアクセス(ゲームサーバ1にログイン)する毎に、データベースサーバ2に記憶されている。このユーザの位置情報の履歴を分析すれば、ユーザが日常的にどのエリア(県)を中心に滞在している(活動している)のかが認定できる。そして、ユーザの日常的な滞在の中心エリアと、現在設定されているユーザの基準エリアとが相違している場合に、基準エリア修正手段81が、ユーザの日常的な滞在の中心と認定したエリアを、基準エリアとして自動修正するのである。
本構成により、誤った基準エリアが登録されていても、ユーザの現実世界の位置情報に基づいて、正確に基準エリアが自動修正されるので、誤った基準エリアに基づいてゲーム内容を変動させてしまうといった事態を効果的に回避できる。
〔ゲームシステムの他の構成例〕
前述の各実施の形態では、ゲーム実行プログラムがゲームサーバ1側に実装されており、各ユーザの端末装置3における入力操作に応じて、ゲームサーバ1がゲーム進行のための演算処理やデータ処理を実行し、その実行結果を反映させた画面データを端末装置3へ送信することによって、ゲームが進行するゲームシステムへの適用例について説明した。これはいわゆるクライアントサーバ型のゲームシステムであり、サーバ(ゲームサーバ1およびデータベースサーバ2)によってゲーム管理装置を構成する例である。この構成は、前述のように、ブラウザゲーム、ソーシャルゲーム、クラウドゲーミング等のサービスをユーザに提供するのに適した構成であるが、ゲーム管理装置の構成はこれに限定されない。
例えば、ゲームサーバ1が、各ユーザのゲーム情報を管理し、ゲーム内でのユーザ間の交流やオンライン対戦時のマッチング(対戦相手決定処理)等のゲームサービスをユーザに提供する一方、ゲームを進行させるゲーム実行処理については、基本的にはユーザの端末装置側にて行われるゲームシステムにも適用できる。
すなわち、ゲーム実行プログラムの一部または全部をユーザの端末装置側にダウンロードまたはインストールし、端末装置においてもゲーム実行処理が行われるようなゲームシステムにも適用できる。例えば、ユーザの端末装置が、インターネット通信、無線LAN通信、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信、または有線LAN通信などにより他のユーザの端末装置とピア・ツー・ピア接続し、ピア・ツー・ピア型のゲームを実行することも可能である。
そして、サーバと端末装置とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。よって、サーバと端末装置とを含むゲームシステムにおいて、上述の各実施の形態で説明したゲーム管理装置が具備する各手段は、サーバ又は端末装置のいずれか一方が備えていればよい。すなわち、ゲーム管理装置は、互いに通信して各種データの送受を行うサーバおよび端末装置に設けられる構成とすることができ、前述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
例えば、図6ではゲームサーバ1が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73およびゲーム内容変動手段74を備えていたが、図16〜図18に例示するように、各手段71〜74の機能をサーバおよび端末装置の何れかに持たせることが可能である。ここで、図16〜図18に示すサーバのハード構成は、図2に示したゲームサーバ1と同様であり、端末装置のハード構成は、図3に示した端末装置3と同様である。
図16には、サーバ101に基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73を設けるとともに、端末装置301にゲーム内容変動手段74を設ける構成例を示している。図17には、サーバ102に基準エリア記憶制御手段71および位置取得手段72を設けるとともに、端末装置302に移動検出手段73およびゲーム内容変動手段74を設ける構成例を示している。図18には、サーバ103に位置取得手段72、移動検出手段73およびゲーム内容変動手段74を設けるとともに、端末装置303に基準エリア記憶制御手段71を設ける構成例を示している。なお、図16〜図18はゲームシステムの構成の一例であり、他の構成も可能である。
また、図19に示すように、ゲーム端末304が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73およびゲーム内容変動手段74を全て備えている構成とすることができる。すなわち、ゲーム管理装置をゲーム端末304それ自体に実装することができ、この場合も前述の実施の形態と同様の作用効果を奏する。この場合、サーバ104が、各ユーザのゲーム情報を管理し、対戦(任意試合)のマッチング等のゲームサービスをユーザに提供するが、その他の処理は全てゲーム端末304側で実行されるようにすることができる。あるいは、各ユーザのゲーム情報の管理も、各ユーザのゲーム端末304側で行い、サーバ104は対戦のマッチング等のゲームサービスをユーザに提供するだけとすることもできる。また、ゲーム端末304が、基準エリア記憶制御手段71、位置取得手段72、移動検出手段73およびゲーム内容変動手段74を全て備えている構成では、スタンドアローンのゲーム端末304とすることもできるので、サーバ104は必須ではない。
また、前述の基準エリア修正手段81についても、サーバ側だけではなく、端末装置(ゲーム端末)側に設けることもできる。
〔その他の実施の形態〕
上記の各実施の形態では、ユーザが基準エリア外に移動した場合、任意試合において「練習試合モード」が「遠征試合モード」に変化して、選手キャラクタに蓄積される経験値が2倍に向上する例を示した。または、ユーザが基準エリア外に移動した場合、「通常モード」が「遠征モード」に変化して、一操作あたり又は一処理あたり等に獲得できる経験値やポイントが向上する、レアアイテムの抽選確率が向上する、一行動あたりのゲーム内通貨(ポイント)の消費量が低減する等、様々なメリットが発生する例を示した。しかしながら、これらに限定されるものではなく、移動検出手段73による検出結果に基づいて、ゲーム内容を変動させることができればよい。
よって、ユーザが基準エリア外に移動した場合、ユーザにとってメリットが生じるようにゲーム内容を変動させるだけではなく、デメリットが生じるようにゲーム内容を変動させてもよい。デメリットが生じるようにゲーム内容を変動させる一例としては、一操作あたり又は一処理あたり等に獲得できる経験値やポイントが、所定期間、通常モード時よりも低下するゲームモードに移行するようにする。
例えば、ユーザが基準エリア外に移動した場合に、抽選が実行され、その抽選に当たればメリットが生じるゲーム内容に変化し、外れればデメリットが生じるゲーム内容に変化するようにすることもできる。すなわち、遠征モードには、通常モード時よりもゲーム上のメリットが発生する第1遠征モードと、通常モード時よりもゲーム上のデメリットが発生する第2遠征モードとを設ける。この場合、メリットが発生する確率を、デメリットが発生する確率よりも高くする(例えば、メリットが発生する確率を90%、デメリットが発生する確率を10%とする)ことにより、ユーザが基準エリア外に移動することによりメリットが発生する可能性が高いとの期待感を持たせれば、ユーザが積極的に基準エリア外に移動してゲームを行うように仕向けることができる。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成(基準エリア記憶制御手段71など)に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム管理装置(またはゲームシステム)の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームサーバ1が有するRAM13や補助記憶装置14、データベースサーバ2、端末装置3が有するRAM33や補助記憶装置39、あるいはゲーム管理装置や端末装置とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてサーバ、端末装置(ゲーム端末)のCPUにより実行される。また、プログラムをサーバ等に提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。