JP2014086665A - Iii族窒化物ドナー複合基板およびその製造方法、ならびにiii族窒化物複合基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物ドナー複合基板およびその製造方法などを提供する。
【解決手段】本III族窒化物ドナー複合基板の製造方法においては、下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させた第A1積層板A1を第A1ホルダ31に貼り付けることにより平坦に保持された状態で第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面を平坦化させ、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20と第A1仮支持基板41とを第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わせた第A2積層板A2から下地基板10を除去することにより第A3積層板A3を形成して、第A1仮支持基板41とIII族窒化物膜20とが第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】本III族窒化物ドナー複合基板の製造方法においては、下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させた第A1積層板A1を第A1ホルダ31に貼り付けることにより平坦に保持された状態で第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面を平坦化させ、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20と第A1仮支持基板41とを第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わせた第A2積層板A2から下地基板10を除去することにより第A3積層板A3を形成して、第A1仮支持基板41とIII族窒化物膜20とが第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、III族窒化物ドナー複合基板およびその製造方法、ならびにかかるIII族窒化物ドナー複合基板を用いて得られるIII族窒化物複合基板およびその製造方法に関する。
発光デバイス、電子デバイスなどの半導体デバイスに好適に用いられるGaN基板などのIII族窒化物基板は、通常、サファイア基板、GaAs基板などの下地基板上に結晶成長させることにより得られる。しかしながら、III族窒化物基板の熱膨張係数に比べて、下地基板であるサファイア基板およびGaAs基板の熱膨張係数が大きい。このため、かかる下地基板上に高温でIII族窒化物結晶を成長させた後、室温まで冷却すると、III族窒化物結晶側が凸状である大きな反りが発生し、III族窒化物結晶の主面における面方位のばらつきが大きい。
III族窒化物結晶の主面における面方位のばらつきを低減するために、特開2009−126727号公報(特許文献1)は、GaN単結晶からなる基板の表面を、当該基板表面における結晶軸の方向のばらつきに基づいて凹型の球面状に加工されたGaN基板およびその製造方法を開示する。また、特開2009−167057号公報(特許文献2)は、下地基板上に窒化物半導体層を形成し、下地基板から分離した窒化物半導体層を用いて自立した窒化物半導体基板を作製する窒化物半導体基板の製造方法であって、下地基板の反り量を、下地基板の中心位置と下地基板の中心から距離Rの位置とにおける結晶成長面である表面の高さの差(ただし、表面の高さの差の正負は、下地基板の表面が凸形状の場合をマイナス、凹形状の場合をプラスとする)と定義したとき、下地基板は、R=25mmに換算した場合の反り量が−100μm以上−20μm以下の範囲にある窒化物半導体基板の製造方法を開示する。
さらに、高価なIII族窒化物結晶の使用量を減らして基板のコストを低減するために、特開2010−232625号公報(特許文献3)は、第1仮支持基板に第1緩衝膜を介してIII族窒化物半導体基板を貼り合わせた後、III族窒化物半導体基板を分離することにより、第1仮支持基板に第1緩衝膜を介してIII族窒化物半導体層が貼り合わされた基板の製造方法を開示する。貼り合わせ基板の製造方法においても、反りが少なく主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物半導体基板が必要とされる。
特開2009−126727号公報(特許文献1)に開示されたGaN基板は、基板表面における結晶軸の方向のばらつきが低減されているが、基板表面が凹型の球面状に加工されており、また、基板の膜厚にばらつきがあるため、基板上に均一な半導体層を形成することが困難であり、均一な物性を有する半導体デバイスを得ることが困難であるという問題点がある。
特開2009−167057号公報(特許文献2)に開示された窒化物半導体基板の製造方法は、R=25mmに換算した場合の反り量が−100μm以上−20μm以下の範囲にある下地基板を作製するための相当の工程と時間を要するとともに、反りのある下地基板上に均一な半導体基板を成長させることが困難であるという問題点がある。
したがって、特開2010−232625号公報(特許文献3)に開示された貼り合わせ基板の製造方法に、上記のIII族窒化物基板を用いても、反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さい貼り合わせ基板を得ることは困難である。
本発明は、上記問題点を解決して、反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物ドナー複合基板およびその製造方法、ならびにIII族窒化物複合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
なお、本発明において、III族窒化物ドナー複合基板とは、仮支持基板とIII族窒化物膜とを仮接合膜を介在させて貼り合わせた基板であって、III族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜の一部を分離III族窒化物膜として分離して、かかる分離III族窒化物膜を支持基板に接合膜を介在させて貼り合わせることによりIII族窒化物複合基板を形成することができる基板をいう。すなわち、III族窒化物ドナー複合基板とは、III族窒化物複合基板の分離III族窒化物膜を提供する基板を意味する。また、III族窒化物複合基板とは、支持基板と分離III族窒化物膜とを接合膜を介在させて貼り合わせた基板をいい、その分離III族窒化物膜上に結晶性の高いIII族窒化物膜をさらにエピタキシャル成長させることができる。
本発明のある局面に従うIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法は、下地基板上にIII族窒化物膜を成長させることにより第A1積層板を形成する工程と、第A1積層板の下地基板を第A1ホルダに貼り付けることにより第A1積層板が平坦に保持された状態で、第A1積層板のIII族窒化物膜の主面を平坦化する工程と、第A1積層板のIII族窒化物膜と第A1仮支持基板とを第A1仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A2積層板を形成する工程と、第A2積層板の下地基板を第A1ホルダから分離するとともに、第A2積層板の第A1仮支持基板を第A2ホルダに貼り付けることにより第A2積層板を平坦に保持する工程と、第A2積層板から下地基板を除去することにより平坦に保持された第A3積層板を形成する工程と、第A3積層板の第A1仮支持基板を第A2ホルダから分離することにより、第A1仮支持基板とIII族窒化物膜とが第A1仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第1のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含む。
本発明のある局面に従うIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法において、第A2ホルダに貼り付けられた第A3積層板および第A2ホルダから分離された後に第A3ホルダが第A1仮支持基板に貼り付けられた第A3積層板のいずれかのIII族窒化物膜と第A2仮支持基板とを第A2仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第A4積層板を形成する工程と、第A4積層板の第A1仮支持基板を第A2ホルダおよび第A3ホルダのいずれかから分離するとともに、第A4積層板の第A2仮支持基板を第A4ホルダに貼り付けることにより第A4積層板を平坦に保持する工程と、第A4積層板から第A1仮支持基板および第A1仮接合膜を除去することにより平坦に保持された第A5積層板を形成する工程と、第A5積層板の第A2仮支持基板を第A4ホルダから分離することにより、第A2仮支持基板とIII族窒化物膜とが第A2仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第2のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含むことができる。
また、本発明のある局面に従うIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法において、第A5積層板のIII族窒化物膜をさらに成長させることにより第A6積層板を形成する工程と、第A6積層板の第A2仮支持基板を第A5ホルダに貼り付けることにより第A6積層板が平坦に保持された状態で、第A6積層板のIII族窒化物膜の主面を平坦化する工程と、第A6積層板のIII族窒化物膜と第A3仮支持基板とを第A3仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A7積層板を形成する工程と、第A7積層板の第A2仮支持基板を第A5ホルダから分離するとともに、第A7積層板の第A3仮支持基板を第A6ホルダに貼り付けることにより第A7積層板を平坦に保持する工程と、第A7積層板から第A2仮支持基板および第A2仮接合膜を除去することにより平坦に保持された第A8積層板を形成する工程と、第A8積層板の第A3仮支持基板を第A6ホルダから分離することにより、第A3仮支持基板とIII族窒化物膜とが第A3仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第3のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含むことができる。
本発明の別の局面に従うIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法は、下地基板上にIII族窒化物膜を成長させることにより第B1積層板を形成する工程と、第B1積層板のIII族窒化物膜と金属製仮支持基板とを金属製仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B2積層板を形成する工程と、第B2積層板から下地基板を除去することにより平坦に保持された第B3積層板を形成する工程と、第B3積層板のIII族窒化物膜と第B1仮支持基板とを第B1仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B4積層板を形成する工程と、第B4積層板から金属製仮支持基板および金属製仮接合膜を除去することにより、平坦に保持された第B5積層板として、第B1仮支持基板とIII族窒化物膜とが第B1仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第4のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含む。
本発明のさらに別の局面に従うIII族窒化物ドナー複合基板は、上記の製造方法により得られた第1のIII族窒化物ドナー複合基板、第2のIII族窒化物ドナー複合基板、第3のIII族窒化物ドナー複合基板、および第4のIII族窒化物ドナー複合基板のいずれかのIII族窒化物ドナー複合基板であって、III族窒化物ドナー複合基板の直径が50mm以上であり、III族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下である。
本発明のさらに別の局面に従うIII族窒化物複合基板の製造方法は、上記の製造方法により得られた第1のIII族窒化物ドナー複合基板、第2のIII族窒化物ドナー複合基板、第3のIII族窒化物ドナー複合基板、および第4のIII族窒化物ドナー複合基板のいずれかのIII族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜の主面から所定の深さの位置にイオン注入領域を形成するとともに、III族窒化物膜と支持基板とを接合膜を介在させて貼り合わせることにより、平坦に保持された積層基板を形成する工程と、積層基板のIII族窒化物膜をそのイオン注入領域において分離III族窒化物膜と残りのIII族窒化物膜とに分離することにより、支持基板と分離III族窒化物膜とが接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持されたIII族窒化物複合基板を形成する工程と、を含む。
本発明のさらに別の局面に従うIII族窒化物複合基板は、上記の製造方法により得られたIII族窒化物複合基板であって、III族窒化物複合基板の直径が50mm以上であり、分離III族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下である。
本発明によれば、反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物ドナー複合基板およびその製造方法、ならびにIII族窒化物複合基板およびその製造方法を提供できる。
[実施形態1:III族窒化物ドナー複合基板]
図1を参照して、本発明の一実施形態であるIII族窒化物ドナー複合基板Dは、仮支持基板40とIII族窒化物膜20とを仮接合膜50を介在させて貼り合わされた基板である。また、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板Dは、後述する製造方法により製造されるため、直径が50mm以上であっても、III族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下である。ここで、III族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角は、X線回折法により測定される。
図1を参照して、本発明の一実施形態であるIII族窒化物ドナー複合基板Dは、仮支持基板40とIII族窒化物膜20とを仮接合膜50を介在させて貼り合わされた基板である。また、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板Dは、後述する製造方法により製造されるため、直径が50mm以上であっても、III族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下である。ここで、III族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角は、X線回折法により測定される。
また、図7を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板Dは、そのIII族窒化物膜20の一部を分離III族窒化物膜20pとして分離して、かかる分離III族窒化物膜20pを支持基板80に接合膜90を介在させて貼り合わせることによりIII族窒化物複合基板Cを形成することができる。すなわち、III族窒化物ドナー複合基板Dは、III族窒化物複合基板Cに分離III族窒化物膜20pを提供するドナー基板である。
本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板Dは、直径が50mm以上であり、そのIII族窒化物膜20の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下であるため、結晶性の高い分離III族窒化物膜20pをIII族窒化物複合基板Cに提供することができる。
後述するように、本実施形態のIII族窒化物複合基板Dの例としては、図2(G)に示すような第A1仮支持基板41とIII族窒化物膜20とが第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わされた第1のIII族窒化物複合基板D1、図3(E)に示すような第A2仮支持基板42とIII族窒化物膜20とが第A2仮接合膜52を介在させて貼り合わされた第2のIII族窒化物複合基板D2、図4(G)に示すような第A3仮支持基板43とIII族窒化物膜20とが第A3仮接合膜53を介在させて貼り合わされた第3のIII族窒化物複合基板D3、および図5(H)に示すような第B1仮支持基板44とIII族窒化物膜20とが第B1仮接合膜54を介在させて貼り合わされた第4のIII族窒化物複合基板D4などが好適に挙げられる。
[実施形態2:III族窒化物ドナー複合基板の製造方法]
図2〜5を参照して、本発明の別の実施形態であるIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法は、下地基板10上に成長させたIII族窒化物膜20を平坦に保持した状態でIII族窒化物膜20の主面を平坦にすること、および、かかるIII族窒化物膜20を平坦な状態で第A1仮支持基板41、第A2仮支持基板42、第A3仮支持基板43および第B1仮支持基板のいずれかに貼り合わせることにより、反りが少なくIII族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角が小さい(たとえば、ずれ角の絶対値が0.1°以下の)III族窒化物膜20を有するIII族窒化物ドナー複合基板(たとえば、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2、第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3、および第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4)を製造する方法である。本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法によれば、反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物ドナー複合基板が得られる。以下、具体的な実施形態について説明する。
図2〜5を参照して、本発明の別の実施形態であるIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法は、下地基板10上に成長させたIII族窒化物膜20を平坦に保持した状態でIII族窒化物膜20の主面を平坦にすること、および、かかるIII族窒化物膜20を平坦な状態で第A1仮支持基板41、第A2仮支持基板42、第A3仮支持基板43および第B1仮支持基板のいずれかに貼り合わせることにより、反りが少なくIII族窒化物膜(20)の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角が小さい(たとえば、ずれ角の絶対値が0.1°以下の)III族窒化物膜20を有するIII族窒化物ドナー複合基板(たとえば、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2、第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3、および第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4)を製造する方法である。本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法によれば、反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物ドナー複合基板が得られる。以下、具体的な実施形態について説明する。
(実施形態2A:第1のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法)
図2を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法の一例は、図2(A)に示すように下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させることにより第A1積層板A1を形成する工程と、図2(B)に示すように第A1積層板A1の下地基板10を第A1ホルダ31に貼り付けることにより第A1積層板A1が平坦に保持された状態で、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面を平坦化する工程と、図2(C)〜(D)に示すように第A1積層板A1のIII族窒化物膜20と第A1仮支持基板41とを第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A2積層板A2を形成する工程と、図2(E)に示すように第A2積層板A2の下地基板10を第A1ホルダ31から分離するとともに、第A2積層板A2の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32に貼り付けることにより第A2積層板A2を平坦に保持する工程と、図2(F)に示すように第A2積層板A2から下地基板10を除去することにより平坦に保持された第A3積層板A3を形成する工程と、図2(G)に示すように第A3積層板A3の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32から分離することにより、第A1仮支持基板41とIII族窒化物膜20とが第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を形成する工程と、を含む。
図2を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法の一例は、図2(A)に示すように下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させることにより第A1積層板A1を形成する工程と、図2(B)に示すように第A1積層板A1の下地基板10を第A1ホルダ31に貼り付けることにより第A1積層板A1が平坦に保持された状態で、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面を平坦化する工程と、図2(C)〜(D)に示すように第A1積層板A1のIII族窒化物膜20と第A1仮支持基板41とを第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A2積層板A2を形成する工程と、図2(E)に示すように第A2積層板A2の下地基板10を第A1ホルダ31から分離するとともに、第A2積層板A2の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32に貼り付けることにより第A2積層板A2を平坦に保持する工程と、図2(F)に示すように第A2積層板A2から下地基板10を除去することにより平坦に保持された第A3積層板A3を形成する工程と、図2(G)に示すように第A3積層板A3の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32から分離することにより、第A1仮支持基板41とIII族窒化物膜20とが第A1仮接合膜51を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を形成する工程と、を含む。
図2(A)を参照して、第A1積層板A1を形成する工程において、下地基板10は、III族窒化物膜20を成長させるのに適した基板であれば特に制限はないが、格子整合性が高く結晶性の高いIII族窒化物膜20をエピタキシャル成長させる観点から、サファイア基板、GaAs基板、III族窒化物基板(たとえばGaN基板)などが好ましい。また、III族窒化物膜20を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶性の高いIII族窒化物膜20をエピタキシャル成長させる観点から、HVPE(ハイドライド気相成長)法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、MBE(分子線成長)法などが好ましい。また、より結晶性の高いIII族窒化物膜20をエピタキシャル成長させる観点から、下地基板10上に下地III族窒化物膜を成長させ、下地III族窒化物膜上に開口部を有するマスクを形成し、開口部を有するマスク上にIII族窒化物膜を成長させることがより好ましい。
ここで、第A1積層板A1は、高温において下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させた後室温まで冷却することにより得られるものであり、一般的に、下地基板10の熱膨張係数がIII族窒化物膜20の熱膨張係数よりも大きいことから、III族窒化物膜20側が凸状になるように反っている。このため、かかる第A1積層板A1の反りを矯正して平坦に保持するために以下の工程が必要となる。
図2(B)を参照して、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面を平坦化する工程において、第A1積層板A1の下地基板10を第A1ホルダ31に貼り付ける方法は、特に制限はないが、第A1積層板A1を平坦に保持できるとともに第A1ホルダ31の着脱が容易な観点から、加圧状態下でワックスを用いて固定する方法が好ましい。第A1ホルダ31は、主面が平坦なものであれば特に制限はないが、耐熱性、耐衝撃性、耐エッチング性、および機械的強度が高い観点から、多結晶アルミナなどのセラミック材料で形成されているものが好ましい。また、III族窒化物膜20の主面を平坦化する方法は、特に制限は無いが、III族窒化物膜20の成長による膜厚さのばらつきを低減する観点から研磨(たとえば、CMP(化学機械的研磨))などが好ましい。
図2(C)〜(D)を参照して、平坦に保持された第A2積層板A2を形成する工程は、特に制限はないが、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20と第A1仮支持基板41との接合性を高くする観点から、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜51aを形成するサブ工程と、第A1仮支持基板41上に基板側仮接合膜51bを形成するサブ工程と、膜側仮接合膜51aと基板側仮接合膜51bとを貼り合わせることにより一体化した第A1仮接合膜51とするサブ工程とを含むことが好ましい。第A1仮支持基板41は、第A1積層板A1を平坦に保持する観点から、その熱膨張係数がIII族窒化物膜20の熱膨張係数と同じまたは近似していることが好ましい。定量的には、第A1仮支持基板41の熱膨張係数とIII族窒化物膜20の熱膨張係数との差の絶対値が1×10-6K-1以下であることが好ましい。第A1仮支持基板41は、たとえばムライト(3Al2O3・2SiO2〜2Al2O3・SiO2、またはAl6O13Si2)基板、ムライト−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)基板などが好ましい。膜側仮接合膜51a、基板側仮接合膜51bおよび第A1仮接合膜51は、接合性を高める観点から、SiO2膜、Si3N4膜、SiON膜などが好ましい。膜側仮接合膜51aおよび基板側仮接合膜51bを形成する方法は、スパッタ法、CVD(化学気相堆積)法、真空蒸着法などが好ましい。膜側仮接合膜51aと基板側仮接合膜51bとを貼り合わせて一体化した第A1仮接合膜51を形成する方法は、貼り合わせ面を洗浄しそのまま貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合する直接接合法、貼り合わせ面を洗浄しプラズマやイオンなどで活性させた後に室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温で接合する表面活性化法などが好ましい。
図2(E)を参照して、第A2積層板A2を平坦に保持する工程において、第A1ホルダ31からの第A2積層板A2の下地基板10の分離、第A2ホルダ32への第A2積層板A2の第A1仮支持基板41の貼り付けは、いずれが先であってよく、また同時であってもよい。第A2積層板A2の下地基板10を第A1ホルダ31から分離する方法は、特に制限はなく、ワックスを用いて固定している場合は、加熱によりワックスを融解させる方法などが好適である。第A2積層板A2の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32に貼り付ける方法および第A2ホルダ32の材料などについては、上述の第A1ホルダ31の貼り付けの場合と同様である。
図2(F)を参照して、平坦に保持された第A3積層板A3を形成する工程において、第A2積層板A2から下地基板10を除去する方法は、特に制限はなく、エッチング、研削、および研磨などが好適に挙げられる。
図2(G)を参照して、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を形成する工程において、第A3積層板A3の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32から分離方法は、上述の第A1ホルダ31の分離の場合と同様である。
ここで、下地基板10上に成長されたIII族窒化物膜20は、六方晶系のウルツ鉱型の結晶構造を有するため、<0001>方向に極性を有し、<0001>方向に垂直でかつ互いに反対の極性を有する第1極性面と第2極性面とを有する。一般に下地基板10であるサファイア基板の(0001)面である主面、GaAs基板の(111)面である主面、またはGaN基板の(0001)面上にエピタキシャル成長されたIII族窒化物膜20は、結晶成長面である露出している主面が(0001)面であるIII族元素原子面となり、下地基板10と接している主面が(0001)面であるN原子面となる。これらの原子面について、III族元素原子面を第1極性面とすると、N原子面は第2極性面となる。
本例により得られる第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1のIII族窒化物膜20について、露出している主面は下地基板10と接していた主面であったことから第2極性面に該当し、第A1仮接合膜51に接している主面は結晶成長面を平坦化した面であったことから第1極性面に該当する。
(実施形態2B:第2のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法)
図3を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法の別の例は、図3(A)〜(B)に示すように第A2ホルダ32に貼り付けられた第A3積層板A3および第A2ホルダ32から分離された後に第A3ホルダ33が第A1仮支持基板41に貼り付けられた第A3積層板A3のいずれかのIII族窒化物膜20と第A2仮支持基板42とを第A2仮接合膜52を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第A4積層板A4を形成する工程と、図3(C)に示すように第A4積層板A4の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32および第A3ホルダ33のいずれかから分離するとともに、第A4積層板A4の第A2仮支持基板42を第A4ホルダ34に貼り付けることにより第A4積層板A4を平坦に保持する工程と、図3(D)に示すように第A4積層板A4から第A1仮支持基板41および第A1仮接合膜51を除去することにより平坦に保持された第A5積層板A5を形成する工程と、図3(E)に示すように第A5積層板A5の第A2仮支持基板42を第A4ホルダ34から分離することにより、第A2仮支持基板42とIII族窒化物膜20とが第A2仮接合膜52を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2を形成する工程と、を含む。
図3を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法の別の例は、図3(A)〜(B)に示すように第A2ホルダ32に貼り付けられた第A3積層板A3および第A2ホルダ32から分離された後に第A3ホルダ33が第A1仮支持基板41に貼り付けられた第A3積層板A3のいずれかのIII族窒化物膜20と第A2仮支持基板42とを第A2仮接合膜52を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第A4積層板A4を形成する工程と、図3(C)に示すように第A4積層板A4の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32および第A3ホルダ33のいずれかから分離するとともに、第A4積層板A4の第A2仮支持基板42を第A4ホルダ34に貼り付けることにより第A4積層板A4を平坦に保持する工程と、図3(D)に示すように第A4積層板A4から第A1仮支持基板41および第A1仮接合膜51を除去することにより平坦に保持された第A5積層板A5を形成する工程と、図3(E)に示すように第A5積層板A5の第A2仮支持基板42を第A4ホルダ34から分離することにより、第A2仮支持基板42とIII族窒化物膜20とが第A2仮接合膜52を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2を形成する工程と、を含む。
図3(A)〜(B)を参照して、平坦に保持された第A4積層板A4を形成する工程において、第A2ホルダ32に貼り付けられた第A3積層板A3とは、図2(F)に示される第A3積層板A3に対応するものである。また、第A2ホルダ32から分離された後に第A3ホルダ33が第A1仮支持基板41に貼り付けられた第A3積層板A3とは、図2(G)に示される第A3積層板A3の第A1仮支持基板41に第A3ホルダが貼り付けられた第A3積層板A3に対応するものである。ここで、第A3積層板A3の第A1仮支持基板41を第A3ホルダ33に貼り付ける方法および第A3ホルダ33の材料などについては、上述の第A1ホルダ31の貼り付けの場合と同様である。
また、図7を参照して、第3積層板であるIII族窒化物ドナー複合基板Dに替えて、かかるIII族窒化物ドナー複合基板DのIII族窒化物膜20から後述のような分離III族窒化物膜20pが分離された残りのIII族窒化物ドナー複合基板Dqを用いることは、III族窒化物ドナー複合基板からのIII族窒化物複合基板の製造が連続的に行ない得る観点から、好ましい。
また、図3(A)〜(B)を参照して、第A4積層板A4を形成する工程は、特に制限はないが、第A3積層板A3のIII族窒化物膜20と第A2仮支持基板42との接合性を高くする観点から、第A3積層板A3のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜52aを形成するサブ工程と、第A2仮支持基板42上に基板側仮接合膜52bを形成するサブ工程と、膜側仮接合膜52aと基板側仮接合膜52bとを貼り合わせることにより一体化した第A2仮接合膜52とするサブ工程とを含むことが好ましい。第A2仮支持基板42の特性および材料は、上述の第A1仮支持基板と同様である。膜側仮接合膜52a、基板側仮接合膜52bおよび第A2仮接合膜52の材料、膜側仮接合膜52aおよび基板側仮接合膜52bを形成する方法、および膜側仮接合膜51aと基板側仮接合膜51bとを貼り合わせて一体化した第A2仮接合膜52を形成する方法は、上述の第A1仮接合膜51の形成の場合と同様である。
図3(C)を参照して、第A4積層板A4を平坦に保持する工程において、第A2ホルダ32および第A3ホルダ33のいずれかからの第A3積層板A3の第A1仮支持基板41の分離、第A4ホルダ34への第A3積層板A3の第A2仮支持基板42の貼り付けは、いずれが先であってよく、また同時であってもよい。第A4積層板A4の第A1仮支持基板41を第A2ホルダ32および第A3ホルダ33のいずれかから分離する方法は、上述の第A1ホルダ31の分離の場合と同様である。第A4積層板A4の第A2仮支持基板42を第A4ホルダ34に貼り付ける方法および第A4ホルダ34の材料などについては、上述の第A1ホルダ31の貼り付けの場合と同様である。
図3(D)を参照して、平坦に保持された第A5積層板A5を形成する工程において、第A4積層板A4から第A1仮支持基板41および第A1仮接合膜51を除去する方法は、特に制限はなく、エッチング、研削、および研磨などが好適に挙げられる。
図3(E)を参照して、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2を形成する工程において、第A5積層板A5の第A2仮支持基板42を第A2ホルダ32から分離する方法は、上述の第A1ホルダ31の分離の場合と同様である。
本例により得られる第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20について、露出している主面は第A1仮接合膜51と接していた主面であったことから第1極性面に該当し、第A2仮接合膜52に接している主面は第2極性面に該当する。すなわち、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20の極性は、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1のIII族窒化物膜20の極性と反対となる。また、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20の主面は、III族窒化物膜20の結晶成長面と極性が同じ第1極性面であるため、その上にIII族窒化物膜20をさらにエピタキシャル成長させることができる。
(実施形態2C:第3のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法)
図4を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法のさらに別の例は、図4(A)に示すように第A5積層板A5のIII族窒化物膜20をさらに成長させることにより第A6積層板A6を形成する工程と、図4(B)に示すように第A6積層板A6の第A2仮支持基板42を第A5ホルダ35に貼り付けることにより第A6積層板A6が平坦に保持された状態で、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20の主面を平坦化する工程と、図4(C)〜(D)に示すように第A6積層板A6のIII族窒化物膜20と第A3仮支持基板42とを第A3仮接合膜53を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A7積層板A7を形成する工程と、図4(E)に示すように第A7積層板A7の第A2仮支持基板42を第A5ホルダ35から分離するとともに、第A7積層板A7の第A3仮支持基板43を第A6ホルダ36に貼り付けることにより第A7積層板A7を平坦に保持する工程と、図4(F)に示すように第A7積層板A7から第A2仮支持基板42および第A2接合膜52を除去することにより平坦に保持された第A8積層板A8を形成する工程と、図4(G)に示すように第A8積層板A8の第A3仮支持基板43を第A6ホルダ36から分離することにより、第A3仮支持基板43とIII族窒化物膜20とが第A3仮接合膜53を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3を形成する工程と、を含む。
図4を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法のさらに別の例は、図4(A)に示すように第A5積層板A5のIII族窒化物膜20をさらに成長させることにより第A6積層板A6を形成する工程と、図4(B)に示すように第A6積層板A6の第A2仮支持基板42を第A5ホルダ35に貼り付けることにより第A6積層板A6が平坦に保持された状態で、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20の主面を平坦化する工程と、図4(C)〜(D)に示すように第A6積層板A6のIII族窒化物膜20と第A3仮支持基板42とを第A3仮接合膜53を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A7積層板A7を形成する工程と、図4(E)に示すように第A7積層板A7の第A2仮支持基板42を第A5ホルダ35から分離するとともに、第A7積層板A7の第A3仮支持基板43を第A6ホルダ36に貼り付けることにより第A7積層板A7を平坦に保持する工程と、図4(F)に示すように第A7積層板A7から第A2仮支持基板42および第A2接合膜52を除去することにより平坦に保持された第A8積層板A8を形成する工程と、図4(G)に示すように第A8積層板A8の第A3仮支持基板43を第A6ホルダ36から分離することにより、第A3仮支持基板43とIII族窒化物膜20とが第A3仮接合膜53を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3を形成する工程と、を含む。
図4(A)を参照して、第A6積層板A6を形成する工程において、第A5積層板A5のIII族窒化物膜20をさらに成長させる方法は、特に制限はないが、結晶性の高いIII族窒化物膜20をエピタキシャル成長させる観点から、HVPE法、MOCVD法、MBE法などが好ましい。第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2を構成する第A5積層板A5(図3(E)を参照)のIII族窒化物膜20の露出している主面は第1極性面であるため、かかる主面上にさらに成長するIII族窒化物膜20の結晶成長面の主面の第1極性面となる。すなわち、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20において、成長前III族窒化物膜20sの主面および成長III族窒化物膜20tの主面はいずれも第1極性面となる。また、成長III族窒化物膜20tは成長前III族窒化物膜20sに比べて転位密度が低く結晶性が高くなる。
図4(B)を参照して、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20の主面を平坦化する工程において、第A6積層板A6の第A2仮支持基板42を第A5ホルダ35に貼り付ける方法は、特に制限はないが、第A6積層板A6を平坦に保持できるとともに第A5ホルダ35の着脱が容易な観点から、加圧状態下でワックスを用いて固定する方法が好ましい。第A5ホルダ35の材料は、上述の第A1ホルダの貼り付けの場合と同様である。また、III族窒化物膜20の主面を平坦化する方法は、特に制限は無いが、III族窒化物膜20のさらなる成長による膜厚さのばらつきを低減する観点から研磨(たとえば、CMP(化学機械的研磨))などが好ましい。
図4(C)〜(D)を参照して、平坦に保持された第A7積層板A7を形成する工程は、特に制限はないが、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20と第A3仮支持基板43との接合性を高くする観点から、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜53aを形成するサブ工程と、第A3仮支持基板43上に基板側仮接合膜53bを形成するサブ工程と、膜側仮接合膜53aと基板側仮接合膜53bとを貼り合わせることにより一体化した第A3仮接合膜53とするサブ工程とを含むことが好ましい。第A3仮支持基板43の特性および材料は、上述の第A1仮支持基板と同様である。膜側仮接合膜53a、基板側仮接合膜53bおよび第A3仮接合膜53の材料、膜側仮接合膜53aおよび基板側仮接合膜53bを形成する方法、および膜側仮接合膜53aと基板側仮接合膜53bとを貼り合わせて一体化した第A3仮接合膜53を形成する方法は、上述の第A1仮接合膜51の形成の場合と同様である。
図4(E)を参照して、第A7積層板A7を平坦に保持する工程において、第A5ホルダ35からの第A7積層板A7の第A2仮支持基板42の分離、第A6ホルダ36への第A7積層板A7の第A3仮支持基板43の貼り付けは、いずれが先であってよく、また同時であってもよい。第A7積層板A7の第A2仮支持基板42を第A5ホルダ35から分離する方法は、上述の第A1ホルダ31の分離の場合と同様である。第A7積層板A7の第A3仮支持基板43を第A6ホルダ36に貼り付ける方法および第A6ホルダ36の材料などについては、上述の第A1ホルダ31の貼り付けの場合と同様である。
図4(F)を参照して、平坦に保持された第A8積層板A8を形成する工程において、第A7積層板A7から第A2仮支持基板42および第A2仮接合膜52を除去する方法は、特に制限はなく、エッチング、研削、および研磨などが好適に挙げられる。
図4(G)を参照して、平坦に保持された第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3を形成する工程において、第A8積層板A8の第A3仮支持基板43を第A6ホルダ36から分離方法は、上述の第A1ホルダ31の分離の場合と同様である。
本例により得られる第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3のIII族窒化物膜20について、露出している主面は第A2仮接合膜52と接していた主面であったことから第2極性面に該当し、第A3仮接合膜53に接している主面は第1極性面に該当する。すなわち、第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3のIII族窒化物膜20の極性は、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20の極性と反対となり、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1のIII族窒化物膜20の極性と同じとなる。また、第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3のIII族窒化物膜20は、成長前III族窒化物膜20sより転位密度が低く結晶性が高い成長III族窒化物膜20tを含んでいるため、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1に比べて、転位密度が低く結晶性が高いIII族窒化物膜20を提供することができる。
実施形態2A〜2Cの第1〜3のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法においては、積層板を平坦に矯正するためにホルダを用いる。下地基板10として厚さ300μm以上のサファイア基板上にIII族窒化物膜20を成長させた第A1積層板A1においては、III族窒化物膜の厚さが200μm以下、好ましくは100μm以下の場合は、ホルダを用いることにより確実に平坦に矯正できる。
(実施形態2D:第4のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法)
図5を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法のさらに別の例は、図5(A)に示すように下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させて第B1積層板B1を形成する工程と、図5(B)〜(C)に示すように第B1積層板B1のIII族窒化物膜20と金属製仮支持基板60とを金属製仮接合膜70を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B2積層板B2を形成する工程と、図5(D)に示すように第B2積層板から下地基板10を除去することにより平坦に保持された第B3積層板B3を形成する工程と、図5(E)〜(F)に示すように第B3積層板B3のIII族窒化物膜20と第B1仮支持基板44とを第B1仮接合膜54を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B4積層板B4を形成する工程と、図5(G)〜(H)に示すように第B4積層板B4から金属製仮支持基板60および金属製仮接合膜70を除去することにより、平坦に保持された第B5積層板B5として、第B1仮支持基板44とIII族窒化物膜20とが第B1仮接合膜54を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4を形成する工程と、を含む。
図5を参照して、本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法のさらに別の例は、図5(A)に示すように下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させて第B1積層板B1を形成する工程と、図5(B)〜(C)に示すように第B1積層板B1のIII族窒化物膜20と金属製仮支持基板60とを金属製仮接合膜70を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B2積層板B2を形成する工程と、図5(D)に示すように第B2積層板から下地基板10を除去することにより平坦に保持された第B3積層板B3を形成する工程と、図5(E)〜(F)に示すように第B3積層板B3のIII族窒化物膜20と第B1仮支持基板44とを第B1仮接合膜54を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B4積層板B4を形成する工程と、図5(G)〜(H)に示すように第B4積層板B4から金属製仮支持基板60および金属製仮接合膜70を除去することにより、平坦に保持された第B5積層板B5として、第B1仮支持基板44とIII族窒化物膜20とが第B1仮接合膜54を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4を形成する工程と、を含む。
図5(A)を参照して、第B1積層板B1を形成する工程において、下地基板10の材料、III族窒化物膜20を成長させる方法などは、上述の第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1の第A1積層板A1の場合と同様である。
ここで、第B1積層板B1は、高温において下地基板10上にIII族窒化物膜20を成長させた後室温まで冷却することにより得られるものであり、一般的に、下地基板10の熱膨張係数がIII族窒化物膜20の熱膨張係数よりも大きいことから、III族窒化物膜20側が凸状になるように反っている。このため、かかる第B1積層板B1の反りを矯正して平坦に保持するために以下の工程が必要となる。
図5(B)〜(C)を参照して、平坦に保持された第B2積層板B2を形成する工程において、特に制限はないが、第B2積層板B2のIII族窒化物膜20と金属製仮支持基板60との接合性を高くする観点から、第B2積層板B2のIII族窒化物膜20上に膜側金属製仮接合膜70aを形成するサブ工程と、金属製仮支持基板60上に基板側金属製仮接合膜70bを形成するサブ工程と、膜側金属製仮接合膜70aと基板側金属製仮接合膜70bとを貼り合わせることにより一体化した金属製仮接合膜70とするサブ工程とを含むことが好ましい。金属製仮支持基板60は、第B2積層板B2を平坦に保持する観点から、その熱膨張係数がIII族窒化物膜20の熱膨張係数と同じまたは近似していることが好ましい。定量的には、金属製仮支持基板60の熱膨張係数とIII族窒化物膜20の熱膨張係数との差の絶対値が1×10-6K-1以下であることが好ましい。金属製仮支持基板60は、たとえばCuW基板、Mo基板、CuMo基板などが好ましい。膜側金属製仮接合膜70a、基板側金属製仮接合膜70bおよび金属製仮接合膜70は、接合性を高める観点から、Au/Sn膜、Al膜、Au/Ni膜などが好ましい。膜側金属製仮接合膜70aおよび基板側金属製仮接合膜70bを形成する方法は、スパッタ法、真空蒸着法、めっき法などが好ましい。膜側金属製仮接合膜70aと基板側金属製仮接合膜70bとを貼り合わせて一体化した金属製仮接合膜70を形成する方法は、融点の低い合金を接着材として接合する合金法(ロウ着ともいう)、母材を溶融させることなく加熱・加圧保持し、接合面を横切って接合界面の原子を拡散させ、金属学的に完全な接合部を得る拡散接合法などが好ましい。
図5(D)を参照して、平坦に保持された第B3積層板B3を形成する工程において、第B2積層板B2から下地基板10を除去する方法は、特に制限はなく、下地基板10がサファイア基板のような透明基板の場合はレーザリフトオフ法が効率的な除去の観点から好ましい。
図5(E)〜(F)を参照して、平坦に保持された第B4積層板B4を形成する工程は、特に制限はないが、第B4積層板B4のIII族窒化物膜20と第B1仮支持基板44との接合性を高くする観点から、第B3積層板B3のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜54aを形成するサブ工程と、第B1仮支持基板44上に基板側仮接合膜54bを形成するサブ工程と、膜側仮接合膜54aと基板側仮接合膜54bとを貼り合わせることにより一体化した第B1仮接合膜54とするサブ工程とを含むことが好ましい。第B1仮支持基板44の特性および材料は、上述の第A1仮支持基板と同様である。膜側仮接合膜54a、基板側仮接合膜54bおよび第B1仮接合膜54の材料、膜側仮接合膜54aおよび基板側仮接合膜54bを形成する方法、および膜側仮接合膜54aと基板側仮接合膜54bとを貼り合わせて一体化した第B1仮接合膜54を形成する方法は、上述の第A1仮接合膜51の形成の場合と同様である。
図5(G)〜(H)を参照して、平坦に保持された第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4を形成する工程において、第B4積層板B4から金属製仮支持基板60および金属製仮接合膜70を除去する方法は、特に制限はなく、たとえば金属製仮支持基板60および金属製仮接合膜70を溶解できるエッチャントを用いてエッチングすることができる。
本例により得られる第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4のIII族窒化物膜20について、露出している主面は金属製仮接合膜70と接していた主面、すなわちIII族窒化物膜20の結晶成長面の主面であったことから第1極性面に該当し、第B1仮接合膜54に接している主面は第2極性面に該当する。すなわち、第4のIII族窒化物ドナー複合基板D3のIII族窒化物膜20の極性は、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1のIII族窒化物膜20の極性と反対となる。
実施形態2Dの第4のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法においては、実施形態2AのIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法において用いた積層板を平坦に矯正するためのホルダを用いていない。これは、第B1積層板B1において下地基板10上に成長させたIII族窒化物層の厚さが小さいため、第B1積層板B1の反りが小さくなるためである。下地基板10として厚さ300μm以上のサファイア基板上にIII族窒化物膜20を成長させた第B1積層板B1においては、III族窒化物膜の厚さが10μm以下、好ましくは5μm以下の場合は、ホルダを用いずに支持基板に貼り合わせることにより平坦に矯正できる。
本実施形態のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法において、第1のIII族窒化物ドナー複合基板または第4のIII族窒化物ドナー複合基板を製造した後、第2のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法および第3のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法をそれぞれ1回以上繰り返すことができる。
[実施形態3:III族窒化物複合基板]
図6を参照して、本発明のさらに別の実施形態であるIII族窒化物複合基板Cは、支持基板80とIII族窒化物膜20とを接合膜90を介在させて貼り合わされた基板である。また、本実施形態のIII族窒化物複合基板Cは、後述する製造方法により製造されるため、直径が50mm以上であっても、分離III族窒化物膜20pの主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下である。ここで、III族窒化物膜20pの主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角は、X線回折法により測定される。
図6を参照して、本発明のさらに別の実施形態であるIII族窒化物複合基板Cは、支持基板80とIII族窒化物膜20とを接合膜90を介在させて貼り合わされた基板である。また、本実施形態のIII族窒化物複合基板Cは、後述する製造方法により製造されるため、直径が50mm以上であっても、分離III族窒化物膜20pの主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下である。ここで、III族窒化物膜20pの主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角は、X線回折法により測定される。
また、本実施形態のIII族窒化物複合基板Dは、そのIII族窒化物膜20上に、少なくとも1層のIII族窒化物層を成長させて、所望の半導体デバイスを形成することができる。ここで、本実施形態のIII族窒化物複合基板Cは、直径が50mm以上であり、その分離III族窒化物膜20pの主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下であるため、その分離III族窒化物膜20p上に結晶性の高いIII族窒化物層を成長させることができる。
[実施形態4:III族窒化物複合基板の製造方法]
図7を参照して、本発明のさらに別の実施形態であるIII族窒化物複合基板の製造方法は、図7(A)〜(C)に示すように実施形態2の製造方法により得られた実施形態1のIII族窒化物ドナー複合基板DのIII族窒化物膜20の主面から所定の深さの位置にイオン注入領域20iを形成するとともに、III族窒化物膜20と支持基板80とを接合膜90を介在させて貼り合わせることにより、平坦に保持された積層基板LSを形成する工程と、図7(D)に示すように積層基板LSのIII族窒化物膜20をそのイオン注入領域20iにおいて分離III族窒化物膜20pと残りのIII族窒化物膜20qとに分離することにより、支持基板80と分離III族窒化物膜20pとが接合膜90を介在させて貼り合わされ平坦に保持されたIII族窒化物複合基板Cを形成する工程と、を含む。
図7を参照して、本発明のさらに別の実施形態であるIII族窒化物複合基板の製造方法は、図7(A)〜(C)に示すように実施形態2の製造方法により得られた実施形態1のIII族窒化物ドナー複合基板DのIII族窒化物膜20の主面から所定の深さの位置にイオン注入領域20iを形成するとともに、III族窒化物膜20と支持基板80とを接合膜90を介在させて貼り合わせることにより、平坦に保持された積層基板LSを形成する工程と、図7(D)に示すように積層基板LSのIII族窒化物膜20をそのイオン注入領域20iにおいて分離III族窒化物膜20pと残りのIII族窒化物膜20qとに分離することにより、支持基板80と分離III族窒化物膜20pとが接合膜90を介在させて貼り合わされ平坦に保持されたIII族窒化物複合基板Cを形成する工程と、を含む。
本実施形態のIII族窒化物複合基板の製造方法においては、実施形態2の製造方法により得られた実施形態1の反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物ドナー複合基板Dを用いているため、反りが少なくIII族窒化物半導体層の主面における面方位のばらつきが小さいIII族窒化物複合基板が得られる。
図7(A)〜(C)を参照して、平坦に保持された積層基板LSを形成する工程は、特に制限はないが、積層基板LSを効率的に製造する観点から、図7(A)に示すようなIII族窒化物ドナー複合基板DのIII族窒化物膜20の主面上に膜側接合膜90aを形成し、III族窒化物膜20の主面から所定の深さの位置にイオン注入領域20iを形成するサブ工程と、図7(B)に示すような支持基板80上に基板側接合膜90bを形成するサブ工程と、図7(C)に示すような膜側接合膜90aと基板側接合膜90bとを貼り合わせることにより一体化した接合膜90とするサブ工程とを含むことが好ましい。
支持基板80は、得られるIII族窒化物複合基板C上に結晶性のよい少なくとも1層のIII族窒化物層を成長させる観点から、その熱膨張係数がIII族窒化物膜20の熱膨張係数と同じまたは近似していることが好ましい。定量的には、支持基板80の熱膨張係数とIII族窒化物膜20の熱膨張係数との差の絶対値が1×10-6K-1以下であることが好ましい。支持基板80は、たとえばムライト(3Al2O3・2SiO2〜2Al2O3・SiO2、またはAl6O13Si2)基板、ムライト−YSZ(イットリア安定化ジルコニア)基板などが好ましい。膜側接合膜90a、基板側接合膜90bおよび接合膜90は、接合性を高める観点から、SiO2膜、Si3N4膜、SiON膜などが好ましい。膜側接合膜90aおよび基板側接合膜90bを形成する方法は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などが好ましい。膜側接合膜90aと基板側接合膜90bとを貼り合わせて一体化した接合膜90を形成する方法は、貼り合わせ面を洗浄しそのまま貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合する直接接合法、貼り合わせ面を洗浄しプラズマやイオンなどで活性させた後に室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温で接合する表面活性化法などが好ましい。
図7(D)を参照して、III族窒化物複合基板Cを形成する工程において、積層基板LSのIII族窒化物膜20をそのイオン注入領域20iにおいて分離III族窒化物膜20pと残りのIII族窒化物膜20qとに分離する方法は、イオン注入領域20iになんらかのエネルギーを与える方法であれば特に制限なく、イオン注入領域20iに、応力を加える方法、熱を加える方法、光を照射する方法、および超音波を印加する方法などが挙げられる。
このようにして、支持基板80と分離III族窒化物膜20pとが接合膜90を介在させて貼り合わされたIII族窒化物複合基板Cが得られる。また、同時に、仮支持基板40に残りのIII族窒化物膜20qとが仮接合膜50を介在させて貼り合わされた残りのIII族窒化物ドナー複合基板Dqが得られる。
ここで、残りのIII族窒化物ドナー複合基板Dqは、III族窒化物膜20の主面を研磨することにより、再びIII族窒化物ドナー複合基板として新たなIII族窒化物複合基板の製造に用いることができる。
また、得られたIII族窒化物複合基板Cは、その分離III族窒化物膜20pにおける上記の分離によるダメージを除去するために、分離III族窒化物膜20pの主面をRIE(反応性イオンエッチング)により処理することが好ましい。
(実施例1)
本実施例は、実施形態2Aの第1のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Aの第1のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
1−1.第A1積層板の形成
図2(A)を参照して、下地基板10として、主面が(0001)面で直径が50mmで厚さが400μmのサファイア基板を準備した。次いで、下地基板10上に、原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)ガスとNH3(アンモニア)ガスとを用いたMOCVD法により、下地III族窒化物膜として厚さ2μmのGaN薄膜を成長させた。次いで、下地III族窒化物膜上に、スパッタ法により厚さ100nmのSiO2膜を形成しフォトリソグラフィおよびエッチングにより2μm×2μmの開口部が5μmのピッチで三角格子点上に配置されたSiO2膜マスクを形成した。次いで、下地III族窒化物膜およびSiO2膜マスク上に、HVPE法により、III族窒化物膜20として厚さ100μmのGaN膜を成長させて、下地基板10およびIII族窒化物膜20で構成される第A1積層板A1を得た。得られた第A1積層板A1は、III族窒化物膜20側が凸状に反り、反り量は200μmであった。ここで、反り量は、その第A1積層板の下地基板19側面における高低差をいう。第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面における転位密度は、CL(カソードルミネッセンス)法により測定したところ、3×107cm-2であった。
図2(A)を参照して、下地基板10として、主面が(0001)面で直径が50mmで厚さが400μmのサファイア基板を準備した。次いで、下地基板10上に、原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)ガスとNH3(アンモニア)ガスとを用いたMOCVD法により、下地III族窒化物膜として厚さ2μmのGaN薄膜を成長させた。次いで、下地III族窒化物膜上に、スパッタ法により厚さ100nmのSiO2膜を形成しフォトリソグラフィおよびエッチングにより2μm×2μmの開口部が5μmのピッチで三角格子点上に配置されたSiO2膜マスクを形成した。次いで、下地III族窒化物膜およびSiO2膜マスク上に、HVPE法により、III族窒化物膜20として厚さ100μmのGaN膜を成長させて、下地基板10およびIII族窒化物膜20で構成される第A1積層板A1を得た。得られた第A1積層板A1は、III族窒化物膜20側が凸状に反り、反り量は200μmであった。ここで、反り量は、その第A1積層板の下地基板19側面における高低差をいう。第A1積層板A1のIII族窒化物膜20の主面における転位密度は、CL(カソードルミネッセンス)法により測定したところ、3×107cm-2であった。
1−2.第A1積層板を平坦にした状態でIII族窒化物膜を平坦化
図2(B)を参照して、第A1積層板A1の反りを矯正し平坦になるように、第A1積層板A1の下地基板10側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A1ホルダ31に、20kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。こうして、第A1積層板A1を平坦にした状態で、III族窒化物膜20の膜厚のばらつきがなくなるようにその主面を研磨により平坦化した。研磨後のIII族窒化物膜20の厚さは80μmであった。
図2(B)を参照して、第A1積層板A1の反りを矯正し平坦になるように、第A1積層板A1の下地基板10側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A1ホルダ31に、20kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。こうして、第A1積層板A1を平坦にした状態で、III族窒化物膜20の膜厚のばらつきがなくなるようにその主面を研磨により平坦化した。研磨後のIII族窒化物膜20の厚さは80μmであった。
1−3.第A2積層板の形成
図2(C)を参照して、第A1ホルダ31に貼り付けられた第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上、および、第A1仮支持基板41である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRa(JIS B0601:2001に規定する算術平均粗さRaをいう。以下同じ。)が0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜51aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第A1仮支持基板41上に基板側仮接合膜51bとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図2(C)を参照して、第A1ホルダ31に貼り付けられた第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上、および、第A1仮支持基板41である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRa(JIS B0601:2001に規定する算術平均粗さRaをいう。以下同じ。)が0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜51aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第A1仮支持基板41上に基板側仮接合膜51bとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図2(D)を参照して、膜側仮接合膜51aと基板側仮接合膜51bとを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第A1仮接合膜51となり、第A2積層板A2を得た。
1−4.第A2積層板を平坦に保持
図2(E)を参照して、第A2積層板A2を、加熱によりワックスを融解させて第A1ホルダ31から分離し、第A1仮支持基板41側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A2ホルダ32に、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
図2(E)を参照して、第A2積層板A2を、加熱によりワックスを融解させて第A1ホルダ31から分離し、第A1仮支持基板41側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A2ホルダ32に、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
1−5.第A3積層板の形成
図2(F)を参照して、第A2積層板A2の下地基板10を研削と研磨により除去し、第A3積層板A3を得た。
図2(F)を参照して、第A2積層板A2の下地基板10を研削と研磨により除去し、第A3積層板A3を得た。
1−6.第1のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
図2(G)を参照して、第A3積層板A3を第A2ホルダ32から分離することにより、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を得た。得られた第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1のIII族窒化物膜20について、その厚さは50μmであり、その主面はN原子面であり、その主面における転位密度は5×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
図2(G)を参照して、第A3積層板A3を第A2ホルダ32から分離することにより、第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1を得た。得られた第1のIII族窒化物ドナー複合基板D1のIII族窒化物膜20について、その厚さは50μmであり、その主面はN原子面であり、その主面における転位密度は5×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
ここで、III族窒化物膜20の主面の原子面の種類は、2NのKOH水溶液によりエッチングされた主面の状態を光学顕微鏡で観察することにより判別した。すなわち、エッチングされた主面について、粗さが小さい主面がGa原子面であり、粗さが大きい面がN原子面であった。また、III族窒化物膜20の主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角は、III族窒化物膜20の主面の中心点および中心点を重心とする正方形の頂点に位置する中心点から20mm離れた4点の5点において、X線回折法により、回折面を(002)面(これは、六方晶のIII族窒化物膜の(0002)面に相当)とするオメガスキャンにより測定された回折強度ピークの位置から算出した。また、III族窒化物膜の主面を90°回転させて同様に測定された回折強度ピークの位置から算出した場合も、5点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
(実施例2)
本実施例は、実施形態2Bの第2のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Bの第2のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
2−1.第A4積層板の形成
図3を参照して、実施例1と同様にして、図2(F)に示すように第A2ホルダ32に貼り付けられた第A3積層板A3を得た。ここで、第A3積層板A3のIII族窒化物膜20は、その主面から70μmの深さまで研磨した。
図3を参照して、実施例1と同様にして、図2(F)に示すように第A2ホルダ32に貼り付けられた第A3積層板A3を得た。ここで、第A3積層板A3のIII族窒化物膜20は、その主面から70μmの深さまで研磨した。
図3(A)を参照して、第A2ホルダ32に貼り付けられた第A3積層板A3のIII族窒化物膜20上、および、第A2仮支持基板42である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第A3積層板A3のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜52aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第A2仮支持基板42上に基板側仮接合膜52として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図3(B)を参照して、膜側仮接合膜52aと基板側仮接合膜52bとを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第A2仮接合膜52となり、第A4積層板A4を得た。
2−2.第A4積層板を平坦に保持
図3(C)を参照して、第A4積層板A4を加熱によりワックスを融解させて第A2ホルダ32から分離し、第A4積層板A4の第A2仮支持基板42側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A4ホルダ34に、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
図3(C)を参照して、第A4積層板A4を加熱によりワックスを融解させて第A2ホルダ32から分離し、第A4積層板A4の第A2仮支持基板42側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A4ホルダ34に、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
2−3.第A5積層板の形成
図3(D)を参照して、第A4積層板A4の第A1仮支持基板41および第A1仮接合膜51を、研削、研磨および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、III族窒化物膜20をその主面から60μmの深さまで研磨することにより、第A5積層板A5を得た。
図3(D)を参照して、第A4積層板A4の第A1仮支持基板41および第A1仮接合膜51を、研削、研磨および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、III族窒化物膜20をその主面から60μmの深さまで研磨することにより、第A5積層板A5を得た。
2−4.第2のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
図3(E)を参照して、第A5積層板A5を第A4ホルダ34から分離することにより、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2を得た。得られた第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は4×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
図3(E)を参照して、第A5積層板A5を第A4ホルダ34から分離することにより、第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2を得た。得られた第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は4×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
また、得られた第2のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20にHVPE法によりさらに厚さ100μmのGaN膜を成長させると、III族窒化物膜20の主面における転位密度は8×106cm-2に低下し結晶性が高くなった。なお、このとき、III族窒化物膜20の下地基板10に接していた面からの延べ成長厚さは180μmとなった。
(実施例3)
本実施例は、実施形態2Cの第3のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Cの第3のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
3−1.第A6積層板の形成
図4(A)を参照して、第A5積層板A5のIII族窒化物膜20である成長前III族窒化物膜20s上に、HVPE法により、成長III族窒化物膜20tとしてさらに厚さ100μmのGaN膜をホモエピタキシャル成長させて、III族窒化物膜20として厚さ110μmのGaN膜を有する第A6積層板A6を得た。なお、このとき、III族窒化物膜20の下地基板10に接していた面からの延べ成長厚さは180μmとなった。
図4(A)を参照して、第A5積層板A5のIII族窒化物膜20である成長前III族窒化物膜20s上に、HVPE法により、成長III族窒化物膜20tとしてさらに厚さ100μmのGaN膜をホモエピタキシャル成長させて、III族窒化物膜20として厚さ110μmのGaN膜を有する第A6積層板A6を得た。なお、このとき、III族窒化物膜20の下地基板10に接していた面からの延べ成長厚さは180μmとなった。
3−2.第A6積層板を平坦にした状態でIII族窒化物膜を平坦化
図4(B)を参照して、第A6積層板A6の反りを矯正し平坦になるように、第A6積層板A6の第A2仮支持基板42側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A5ホルダ35に、20kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。こうして、第A6積層板A6を平坦にした状態で、III族窒化物膜20の膜厚のばらつきがなくなるようにその主面を研磨により平坦化した。研磨後のIII族窒化物膜20の厚さは80μmであった。
図4(B)を参照して、第A6積層板A6の反りを矯正し平坦になるように、第A6積層板A6の第A2仮支持基板42側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A5ホルダ35に、20kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。こうして、第A6積層板A6を平坦にした状態で、III族窒化物膜20の膜厚のばらつきがなくなるようにその主面を研磨により平坦化した。研磨後のIII族窒化物膜20の厚さは80μmであった。
3−3.第A7積層板の形成
図4(C)を参照して、第A5ホルダ35に貼り付けられた第A6積層板A6のIII族窒化物膜20上、および、第A3仮支持基板43である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜53aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第A3仮支持基板43上に基板側仮接合膜53bとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図4(C)を参照して、第A5ホルダ35に貼り付けられた第A6積層板A6のIII族窒化物膜20上、および、第A3仮支持基板43である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第A6積層板A6のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜53aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第A3仮支持基板43上に基板側仮接合膜53bとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図4(D)を参照して、膜側仮接合膜53aと基板側仮接合膜53bとを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第A3仮接合膜53となり、第A7積層板A7を得た。
3−4.第A7積層板を平坦に保持
図4(E)を参照して、第A7積層板A7を加熱によりワックスを融解させて第A5ホルダ35から分離し、第A7積層板A4の第A2仮支持基板42側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A6ホルダ36に、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
図4(E)を参照して、第A7積層板A7を加熱によりワックスを融解させて第A5ホルダ35から分離し、第A7積層板A4の第A2仮支持基板42側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A6ホルダ36に、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
3−5.第A8積層板の形成
図4(F)を参照して、第A7積層板A7の第A2仮支持基板42および第A2仮接合膜52を、研削、研磨、および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、さらにIII族窒化物膜20を主面から70μmの深さまで研磨することにより、第A8積層板A8を得た。
図4(F)を参照して、第A7積層板A7の第A2仮支持基板42および第A2仮接合膜52を、研削、研磨、および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、さらにIII族窒化物膜20を主面から70μmの深さまで研磨することにより、第A8積層板A8を得た。
3−6.第3のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
図4(G)を参照して、第A8積層板A8を第A6ホルダ36から分離することにより、第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3を得た。得られた第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はN原子面であり、その主面における転位密度は9×106cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
図4(G)を参照して、第A8積層板A8を第A6ホルダ36から分離することにより、第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3を得た。得られた第3のIII族窒化物ドナー複合基板D3のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はN原子面であり、その主面における転位密度は9×106cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
(実施例4)
本実施例は、実施形態2Cに示す工程により実施例3で得られた第3のIII族窒化物ドナー複合基板に実施形態2Bと同様の工程を加えた第5のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Cに示す工程により実施例3で得られた第3のIII族窒化物ドナー複合基板に実施形態2Bと同様の工程を加えた第5のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
4−1.第A9積層板の形成
実施例3と同様にして、図4(F)に示すように第A6ホルダ36に貼り付けられた第A8積層板A8を得た。
実施例3と同様にして、図4(F)に示すように第A6ホルダ36に貼り付けられた第A8積層板A8を得た。
次いで、第A6ホルダに貼り付けられた第A8積層板のIII族窒化物膜上、および、第A4仮支持基板である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第A8積層板のIII族窒化物膜上に膜側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第A4仮支持基板上に基板側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
次いで、膜側仮接合膜と基板側仮接合膜とを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第i仮接合膜となり、第A9積層板を得た。
4−2.第A9積層板を平坦に保持
次に、第A9積層板を加熱によりワックスを融解させて第A6ホルダから分離し、第A9積層板の第A4仮支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A7ホルダに、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
次に、第A9積層板を加熱によりワックスを融解させて第A6ホルダから分離し、第A9積層板の第A4仮支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第A7ホルダに、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
4−3.第A10積層板の形成
次に、第A9積層板の第A3仮支持基板および第A3仮接合膜を、研削、研磨および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、III族窒化物膜20をその主面から60μmの深さまで研磨することにより、第A10積層板を得た。
次に、第A9積層板の第A3仮支持基板および第A3仮接合膜を、研削、研磨および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、III族窒化物膜20をその主面から60μmの深さまで研磨することにより、第A10積層板を得た。
4−4.第5のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
次に、第A10積層板を第A7ホルダから分離することにより、第5のIII族窒化物ドナー複合基板を得た。得られた第5のIII族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜について、その厚さは10μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は8×106cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。また、得られた第5のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20にHVPE法によりさらに厚さ100μmのGaN膜を成長させると、III族窒化物膜20の主面における転位密度は7×106cm-2に低下し結晶性がさらに高くなった。なお、このとき、III族窒化物膜20の下地基板10に接していた面からの延べ成長厚さは280μmとなった。
次に、第A10積層板を第A7ホルダから分離することにより、第5のIII族窒化物ドナー複合基板を得た。得られた第5のIII族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜について、その厚さは10μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は8×106cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。また、得られた第5のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20にHVPE法によりさらに厚さ100μmのGaN膜を成長させると、III族窒化物膜20の主面における転位密度は7×106cm-2に低下し結晶性がさらに高くなった。なお、このとき、III族窒化物膜20の下地基板10に接していた面からの延べ成長厚さは280μmとなった。
なお、実施例4により得られた第5のIII族窒化物ドナー複合基板に、実施形態2Bに示す工程および実施形態2Cに示す工程をさらに交互に繰り返して新たなIII族窒化物ドナー複合基板を形成することにより、III族窒化物ドナー複合基板のIII族族窒化物膜の主面における転位密度が低下して結晶性が高くなることがわかった。
(実施例5)
本実施例は、実施形態2Dの第4のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Dの第4のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
5−1.第B1積層板の形成
図5(A)を参照して、下地基板10として、主面が(0001)面で直径が50mmで厚さが400μmのサファイア基板を準備した。次いで、下地基板10上に、原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)ガスとNH3(アンモニア)ガスとを用いたMOCVD法により、III族窒化物膜20として厚さ5μmのGaN膜を成長させて、下地基板10およびIII族窒化物膜20で構成される第B1積層板B1を得た。得られた第B1積層板B1は、III族窒化物膜20側が凸状に反り、反り量は30μmであった。ここで、反り量は、その第B1積層板B1の下地基板10側面における高低差をいう。第B1積層板B1のIII族窒化物膜20の主面における転位密度は、CL(カソードルミネッセンス)法により測定したところ、2×108cm-2であった。
図5(A)を参照して、下地基板10として、主面が(0001)面で直径が50mmで厚さが400μmのサファイア基板を準備した。次いで、下地基板10上に、原料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)ガスとNH3(アンモニア)ガスとを用いたMOCVD法により、III族窒化物膜20として厚さ5μmのGaN膜を成長させて、下地基板10およびIII族窒化物膜20で構成される第B1積層板B1を得た。得られた第B1積層板B1は、III族窒化物膜20側が凸状に反り、反り量は30μmであった。ここで、反り量は、その第B1積層板B1の下地基板10側面における高低差をいう。第B1積層板B1のIII族窒化物膜20の主面における転位密度は、CL(カソードルミネッセンス)法により測定したところ、2×108cm-2であった。
5−2.第B2積層板の形成
図5(B)を参照して、第A1ホルダ31に貼り付けられた第B1積層板B1のIII族窒化物膜20上、および、金属製仮支持基板60である厚さ500μmのCuW基板上、のそれぞれにスパッタ法により、金属製仮接合膜として厚さ300nmのAu膜および厚さ100nmのSn膜を形成した。このようにして、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上に膜側金属製仮接合膜70aとして厚さ400nmのAu/Sn膜を形成し、金属製仮支持基板60上に基板側金属製仮接合膜70bとして厚さ400nmのAu/Sn膜を形成した。
図5(B)を参照して、第A1ホルダ31に貼り付けられた第B1積層板B1のIII族窒化物膜20上、および、金属製仮支持基板60である厚さ500μmのCuW基板上、のそれぞれにスパッタ法により、金属製仮接合膜として厚さ300nmのAu膜および厚さ100nmのSn膜を形成した。このようにして、第A1積層板A1のIII族窒化物膜20上に膜側金属製仮接合膜70aとして厚さ400nmのAu/Sn膜を形成し、金属製仮支持基板60上に基板側金属製仮接合膜70bとして厚さ400nmのAu/Sn膜を形成した。
図5(C)を参照して、膜側金属製仮接合膜70aと基板側金属製仮接合膜70bとを、互いに向かい合わせに接触させて、30kgf/cm2の圧力を加えながら400℃まで加熱することにより合金化させ、その圧力を加えた状態で室温(たとえば25℃)まで冷却して貼り合わせることにより、合金化により両金属仮結合膜が一体化して金属製仮接合膜71となり、第B2積層板B2を得た。
5−3.第3B積層板の形成
図5(D)を参照して、第2B積層板B2の下地基板10側から、波長が266nmのレーザ(1W、11kHz)を照射することにより、第2B積層板2Bから下地基板10を分離することにより除去して、第3B積層板B3を得た。
図5(D)を参照して、第2B積層板B2の下地基板10側から、波長が266nmのレーザ(1W、11kHz)を照射することにより、第2B積層板2Bから下地基板10を分離することにより除去して、第3B積層板B3を得た。
5−4.第B4積層板の形成
図5(E)を参照して、第B3積層板B3のIII族窒化物膜20上、および、第B1仮支持基板44である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第B3積層板B3のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜54aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第B1仮支持基板44上に基板側仮接合膜54bとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図5(E)を参照して、第B3積層板B3のIII族窒化物膜20上、および、第B1仮支持基板44である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第B3積層板B3のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜54aとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第B1仮支持基板44上に基板側仮接合膜54bとして厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
図5(F)を参照して、膜側仮接合膜54aと基板側仮接合膜54bとを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第B1仮接合膜54となり、第B4積層板B4を得た。
5−5.第4のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
図5(G)〜(H)を参照して、第B4積層板B4の金属製仮支持基板60および金属製仮接合膜70を、王水によるエッチングにより除去することにより、第B5積層板B5である第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4を得た。得られた第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4のIII族窒化物膜20について、その厚さは4μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は3×108cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
図5(G)〜(H)を参照して、第B4積層板B4の金属製仮支持基板60および金属製仮接合膜70を、王水によるエッチングにより除去することにより、第B5積層板B5である第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4を得た。得られた第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4のIII族窒化物膜20について、その厚さは4μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は3×108cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
また、得られた第4のIII族窒化物ドナー複合基板D4のIII族窒化物膜20にHVPE法によりさらに厚さ100μmのGaN膜を成長させると、III族窒化物膜20の主面における転位密度は9×106cm-2に低下し結晶性が高くなった。
(実施例6)
本実施例は、実施形態2Dに示す工程により実施例5で得られた第4のIII族窒化物ドナー複合基板に実施形態2Cと同様の工程を加えた第6のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Dに示す工程により実施例5で得られた第4のIII族窒化物ドナー複合基板に実施形態2Cと同様の工程を加えた第6のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
6−1.第B6積層板の形成
図5(H)に示す第B5積層板B5のIII族窒化物膜20である成長前III族窒化物膜上に、HVPE法により、成長III族窒化物膜としてさらに厚さ100μmのGaN膜をホモエピタキシャル成長させて、III族窒化物膜として厚さ104μmのGaN膜を有する第B6積層板を得た。
図5(H)に示す第B5積層板B5のIII族窒化物膜20である成長前III族窒化物膜上に、HVPE法により、成長III族窒化物膜としてさらに厚さ100μmのGaN膜をホモエピタキシャル成長させて、III族窒化物膜として厚さ104μmのGaN膜を有する第B6積層板を得た。
6−2.第B6積層板を平坦にした状態でIII族窒化物膜を平坦化
次に、第B6積層板の反りを矯正し平坦になるように、第B6積層板の第B1支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第B1ホルダに、20kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。こうして、第B6積層板を平坦にした状態で、厚さ104μmのIII族窒化物膜の膜厚のばらつきがなくなるようにその主面を研磨により平坦化した。研磨後のIII族窒化物膜20の厚さは80μmであった。
次に、第B6積層板の反りを矯正し平坦になるように、第B6積層板の第B1支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第B1ホルダに、20kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。こうして、第B6積層板を平坦にした状態で、厚さ104μmのIII族窒化物膜の膜厚のばらつきがなくなるようにその主面を研磨により平坦化した。研磨後のIII族窒化物膜20の厚さは80μmであった。
6−3.第B7積層板の形成
次に、第B1ホルダに貼り付けられた第B6積層板のIII族窒化物膜上、および、第B2仮支持基板である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第B6積層板L6のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第B2仮支持基板上に基板側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
次に、第B1ホルダに貼り付けられた第B6積層板のIII族窒化物膜上、および、第B2仮支持基板である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第B6積層板L6のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第B2仮支持基板上に基板側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
次に、膜側仮接合膜と基板側仮接合膜とを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第B2仮接合膜となり、第B7積層板を得た。
6−4.第B7積層板を平坦に保持
次に、第B7積層板を加熱によりワックスを融解させて第B1ホルダから分離し、第B7積層板L4の第B3仮支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第B2ホルダに、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
次に、第B7積層板を加熱によりワックスを融解させて第B1ホルダから分離し、第B7積層板L4の第B3仮支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第B2ホルダに、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
6−5.第B8積層板の形成
次に、第B7積層板の第B1仮支持基板および第B1仮接合膜52を、研削、研磨、および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、さらにIII族窒化物膜20を主面から70μmの深さまで研磨することにより、第B8積層板を得た。
次に、第B7積層板の第B1仮支持基板および第B1仮接合膜52を、研削、研磨、および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、さらにIII族窒化物膜20を主面から70μmの深さまで研磨することにより、第B8積層板を得た。
6−6.第6のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
次に、第B8積層板を第B2ホルダから分離することにより、第6のIII族窒化物ドナー複合基板を得た。得られた第6のIII族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はN原子面であり、その主面における転位密度は5×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
次に、第B8積層板を第B2ホルダから分離することにより、第6のIII族窒化物ドナー複合基板を得た。得られた第6のIII族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はN原子面であり、その主面における転位密度は5×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
(実施例7)
本実施例は、実施例6で得られた第6のIII族窒化物ドナー複合基板に実施形態2Bと同様の工程を加えた第7のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施例6で得られた第6のIII族窒化物ドナー複合基板に実施形態2Bと同様の工程を加えた第7のIII族窒化物ドナー複合基板の製造に対応するものである。
7−1.第B9積層板の形成
実施例6と同様にして、第B2ホルダに貼り付けられた第B8積層板を得た。ここで、第B8積層板のIII族窒化物膜20は、その主面から70μmの深さまで研磨した。
実施例6と同様にして、第B2ホルダに貼り付けられた第B8積層板を得た。ここで、第B8積層板のIII族窒化物膜20は、その主面から70μmの深さまで研磨した。
次に、第B2ホルダに貼り付けられた第B8積層板のIII族窒化物膜20上、および、第B3仮支持基板である厚さ500μmのムライト基板上、のそれぞれにスパッタ法により、仮接合膜として厚さ1.2μmのSiO2膜を形成し、それぞれをアルカリ性のコロイダルシリカ(株式会社フジミインコーポレッド製COMPOL20)を用いて、それぞれの主面の粗さRaが0.5nmになるまで研磨した。それぞれのSiO2膜の厚さは0.8μmであった。このようにして、第B8積層板のIII族窒化物膜20上に膜側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成し、第B3仮支持基板上に基板側仮接合膜として厚さ0.8μmのSiO2膜を形成した。
次に、膜側仮接合膜と基板側仮接合膜とを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して第B3仮接合膜となり、第B9積層板を得た。
7−2.第B9積層板を平坦に保持
次に、第B9積層板を加熱によりワックスを融解させて第B2ホルダから分離し、第B9積層板の第B3仮支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第B3ホルダに、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
次に、第B9積層板を加熱によりワックスを融解させて第B2ホルダから分離し、第B9積層板の第B3仮支持基板側を、多結晶アルミナで形成された厚さ3mmの第B3ホルダに、10kgf/cm2の圧力を加えながら、ワックス(日化精工株式会社製スペースリキッドTR−5016)で固定した。
7−3.第B10積層板の形成
次に、第B9積層板の第B2仮支持基板および第B2仮接合膜を、研削、研磨および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、III族窒化物膜20をその主面から60μmの深さまで研磨することにより、第B10積層板を得た。
次に、第B9積層板の第B2仮支持基板および第B2仮接合膜を、研削、研磨および50質量%のフッ化水素酸水溶液によるエッチングにより除去し、III族窒化物膜20をその主面から60μmの深さまで研磨することにより、第B10積層板を得た。
7−4.第7のIII族窒化物ドナー複合基板の形成
次に、第B10積層板を第B34ホルダから分離することにより、第7のIII族窒化物ドナー複合基板を得た。得られた第7のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は6×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
次に、第B10積層板を第B34ホルダから分離することにより、第7のIII族窒化物ドナー複合基板を得た。得られた第7のIII族窒化物ドナー複合基板D2のIII族窒化物膜20について、その厚さは10μmであり、その主面はGa原子面であり、その主面における転位密度は6×107cm-2であり、その主面内における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値は0.1°以下であった。
また、得られた第7のIII族窒化物ドナー複合基板のIII族窒化物膜20にHVPE法によりさらに厚さ100μmのGaN膜を成長させると、III族窒化物膜20の主面における転位密度は8×106cm-2に低下し結晶性が高くなった。
なお、実施例7により得られた第7のIII族窒化物ドナー複合基板に、実施形態2Cに示す工程および実施形態2Bに示す工程をさらに交互に繰り返して新たなIII族窒化物ドナー複合基板を形成することにより、III族窒化物ドナー複合基板のIII族族窒化物膜の主面における転位密度が低下して結晶性が高くなることがわかった。
(実施例8)
本実施例は、実施形態2Aの製造方法により実施例1で得られた第1のIII族窒化物ドナー複合基板を用いた実施形態4のIII族窒化物複合基板の製造に対応するものである。
本実施例は、実施形態2Aの製造方法により実施例1で得られた第1のIII族窒化物ドナー複合基板を用いた実施形態4のIII族窒化物複合基板の製造に対応するものである。
8−1.積層基板の形成
図7(A)を参照して、実施例1で得られたIII族窒化物ドナー複合基板DのIII族窒化物膜20上に、プラズマCVD(化学気相堆積)法により、膜側接合膜90aとして厚さ500nmのSiO2膜を形成し、その後イオンIとして水素イオンを注入し、III族窒化物膜20の膜側接合膜90aとの界面から1μmの深さの位置にイオン注入領域を形成した。
図7(A)を参照して、実施例1で得られたIII族窒化物ドナー複合基板DのIII族窒化物膜20上に、プラズマCVD(化学気相堆積)法により、膜側接合膜90aとして厚さ500nmのSiO2膜を形成し、その後イオンIとして水素イオンを注入し、III族窒化物膜20の膜側接合膜90aとの界面から1μmの深さの位置にイオン注入領域を形成した。
図7(B)を参照して、支持基板80である厚さ500μmのムライト基板上に、プラズマCVD法により、膜側接合膜90aとして厚さ500nmのSiO2膜を形成した。
図7(C)を参照して、膜側接合膜90aと基板側接合膜90bとを、互いに向かい合わせに接触させて、荷重を加えずに室温(たとえば25℃)で貼り合わせることにより、OH結合により両仮結合膜が一体化して接合膜90となり、積層基板LSを得た。
8−2.III族窒化物複合基板の形成
図7(D)を参照して、積層基板LSを800℃でアニールすることにより、イオン注入領域20iに注入された水素イオンが水素分子となって脱離することにより、III族窒化物膜20がイオン注入領域20iにおいて分離III族窒化物膜20pと残りのIII族窒化物膜20qとに分離した。こうして、支持基板80と分離III族窒化物膜20pとが接合膜90を介在させて貼り合わされたIII族窒化物複合基板Cが得られた。また、同時に、仮支持基板40に残りのIII族窒化物膜20qとが仮接合膜50を介在させて貼り合わされた残りのIII族窒化物ドナー複合基板Dqが得られた。
図7(D)を参照して、積層基板LSを800℃でアニールすることにより、イオン注入領域20iに注入された水素イオンが水素分子となって脱離することにより、III族窒化物膜20がイオン注入領域20iにおいて分離III族窒化物膜20pと残りのIII族窒化物膜20qとに分離した。こうして、支持基板80と分離III族窒化物膜20pとが接合膜90を介在させて貼り合わされたIII族窒化物複合基板Cが得られた。また、同時に、仮支持基板40に残りのIII族窒化物膜20qとが仮接合膜50を介在させて貼り合わされた残りのIII族窒化物ドナー複合基板Dqが得られた。
得られたIII族窒化物複合基板Cの分離III族窒化物膜20pにおける上記の分離によるダメージを除去するために、分離III族窒化物膜20pの主面をRIE(反応性イオンエッチング)により処理することにより、分離III族窒化物膜20p上にIII族窒化物層をエピタキシャル成長させることができる状態とした。このときの、分離III族窒化物膜20pの厚さは、200nmであった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
10 下地基板、20 III族窒化物膜、20p 分離III族窒化物膜、20q 残りのIII族窒化物膜、20s 成長前III族窒化物膜、20t 成長III族窒化物膜、31 第A1ホルダ、32 第A2ホルダ、33 第A3ホルダ、34 第A4ホルダ、35 第A5ホルダ、36 第A6ホルダ、40 仮支持基板、41 第A1仮支持基板、42 第A2仮支持基板、43 第A3仮支持基板、44 第B1仮支持基板、50 仮接合膜、51 第A1仮接合膜、52 第A2仮接合膜、53 第A3仮接合膜、54 第B1仮接合膜、50a,51a,52a,53a,54a,55a 膜側仮接合膜、50b,51b,52b,53b,54b,55b 基板側仮接合膜、60 金属製仮支持基板、70 金属製仮接合膜、70a 膜側金属製仮接合膜、70b 基板側金属製仮接合膜、80 支持基板、90 接合膜、90a 膜側接合膜、90b 基板側接合膜、A1 第A1積層板、A2 第A2積層板、A3 第A3積層板、A4 第A4積層板、A5 第A5積層板、A6 第A6積層板、A7 第A7積層板、A8 第A8積層板、B1 第B1積層板、B2 第B2積層板、B3 第B3積層板、B4 第B4積層板、B5 第B5積層板、C III族窒化物複合基板、D III族窒化物ドナー複合基板、Dq 残りのIII族窒化物ドナー複合基板、D1 第1のIII族窒化物ドナー複合基板、D2 第2のIII族窒化物ドナー複合基板、D3 第3のIII族窒化物ドナー複合基板、D4 III族窒化物ドナー複合基板、LS 積層基板。
Claims (7)
- 下地基板上にIII族窒化物膜を成長させることにより第A1積層板を形成する工程と、
前記第A1積層板の前記下地基板を第A1ホルダに貼り付けることにより前記第A1積層板が平坦に保持された状態で、前記第A1積層板の前記III族窒化物膜の主面を平坦化する工程と、
前記第A1積層板の前記III族窒化物膜と第A1仮支持基板とを第A1仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A2積層板を形成する工程と、
前記第A2積層板の前記下地基板を前記第A1ホルダから分離するとともに、前記第A2積層板の前記第A1仮支持基板を第A2ホルダに貼り付けることにより前記第A2積層板を平坦に保持する工程と、
前記第A2積層板から前記下地基板を除去することにより平坦に保持された第A3積層板を形成する工程と、
前記第A3積層板の前記第A1仮支持基板を前記第A2ホルダから分離することにより、前記第A1仮支持基板と前記III族窒化物膜とが前記第A1仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第1のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含むIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法。 - 前記第A2ホルダに貼り付けられた前記第A3積層板および前記第A2ホルダから分離された後に第A3ホルダが前記第A1仮支持基板に貼り付けられた前記第A3積層板のいずれかの前記III族窒化物膜と第A2仮支持基板とを第A2仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第A4積層板を形成する工程と、
前記第A4積層板の前記第A1仮支持基板を前記第2ホルダおよび前記第3ホルダのいずれかから分離するとともに、前記第A4積層板の前記第A2仮支持基板を第A4ホルダに貼り付けることにより前記第A4積層板を平坦に保持する工程と、
前記第A4積層板から前記第A1仮支持基板および前記第A1仮接合膜を除去することにより平坦に保持された第A5積層板を形成する工程と、
前記第A5積層板の前記第A2仮支持基板を前記第A4ホルダから分離することにより、前記第A2仮支持基板と前記III族窒化物膜とが前記第A2仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第2のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含む請求項1に記載のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法。 - 前記第A5積層板の前記III族窒化物膜をさらに成長させることにより第A6積層板を形成する工程と、
前記第A6積層板の前記第A2仮支持基板を第A5ホルダに貼り付けることにより前記第A6積層板が平坦に保持された状態で、前記第A6積層板の前記III族窒化物膜の主面を平坦化する工程と、
前記第A6積層板の前記III族窒化物膜と第A3仮支持基板とを第A3仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第A7積層板を形成する工程と、
前記第A7積層板の前記第A2仮支持基板を前記第A5ホルダから分離するとともに、前記第A7積層板の前記第A3仮支持基板を第A6ホルダに貼り付けることにより前記第A7積層板を平坦に保持する工程と、
前記第A7積層板から前記第A2仮支持基板および第A2仮接合膜を除去することにより平坦に保持された第A8積層板を形成する工程と、
前記第A8積層板の前記第A3仮支持基板を前記第A6ホルダから分離することにより、前記第A3仮支持基板と前記III族窒化物膜とが前記第A3仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第3のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含む請求項2に記載のIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法。 - 下地基板上にIII族窒化物膜を成長させることにより第B1積層板を形成する工程と、
前記第B1積層板の前記III族窒化物膜と金属製仮支持基板とを金属製仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B2積層板を形成する工程と、
前記第B2積層板から前記下地基板を除去することにより平坦に保持された第B3積層板を形成する工程と、
前記第B3積層板の前記III族窒化物膜と第B1仮支持基板とを第B1仮接合膜を介在させて貼り合わせることにより平坦に保持された第B4積層板を形成する工程と、
前記第B4積層板から前記金属製仮支持基板および前記金属製仮接合膜を除去することにより、平坦に保持された第B5積層板として、前記第B1仮支持基板と前記III族窒化物膜とが前記第B1仮接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持された第4のIII族窒化物ドナー複合基板を形成する工程と、を含むIII族窒化物ドナー複合基板の製造方法。 - 請求項1から4のいずれかに記載の製造方法により得られた前記第1のIII族窒化物ドナー複合基板、前記第2のIII族窒化物ドナー複合基板、前記第3のIII族窒化物ドナー複合基板、および第4のIII族窒化物ドナー複合基板のいずれかのIII族窒化物ドナー複合基板であって、
前記III族窒化物ドナー複合基板の直径が50mm以上であり、
前記III族窒化物膜の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下であるIII族窒化物ドナー複合基板。 - 請求項1から4のいずれかに記載の製造方法により得られた前記第1のIII族窒化物ドナー複合基板、前記第2のIII族窒化物ドナー複合基板、前記第3のIII族窒化物ドナー複合基板、および前記第4のIII族窒化物ドナー複合基板のいずれかのIII族窒化物ドナー複合基板の前記III族窒化物膜の主面から所定の深さの位置にイオン注入領域を形成するとともに、前記III族窒化物膜と支持基板とを接合膜を介在させて貼り合わせることにより、平坦に保持された積層基板を形成する工程と、
前記積層基板の前記III族窒化物膜を前記イオン注入領域において分離III族窒化物膜と残りのIII族窒化物膜とに分離することにより、前記支持基板と前記分離III族窒化物酸化物膜とが前記接合膜を介在させて貼り合わされ平坦に保持されたIII族窒化物複合基板を形成する工程と、を含むIII族窒化物複合基板の製造方法。 - 請求項6に記載の製造方法により得られたIII族窒化物複合基板であって、
前記III族窒化物複合基板の直径が50mm以上であり、
前記分離III族窒化物膜の主面の任意の点における面方位と<0001>方向との間のずれ角の絶対値が0.1°以下であるIII族窒化物複合基板。
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WO2019013212A1 (ja) * | 2017-07-14 | 2019-01-17 | 信越化学工業株式会社 | 高熱伝導性のデバイス基板およびその製造方法 |
-
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