JP2014086521A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
太陽電池モジュールおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014086521A JP2014086521A JP2012233470A JP2012233470A JP2014086521A JP 2014086521 A JP2014086521 A JP 2014086521A JP 2012233470 A JP2012233470 A JP 2012233470A JP 2012233470 A JP2012233470 A JP 2012233470A JP 2014086521 A JP2014086521 A JP 2014086521A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solar cell
- film
- conductive
- photoelectric conversion
- reflective film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/52—PV systems with concentrators
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
【課題】 導電性反射膜の小面積化、薄膜化により導電性反射膜で反射される光の量の減少を抑制し、さらに、導電性反射膜の小面積化により、導電性反射膜形成用銀微粒子分散液の焼成時の収縮による光電変換層へのダメージを軽減させることを課題とする。
【解決手段】 基板12に形成された;透明電極層13-1と13-2、光電変換層14-1と14-2、透明導電膜15-1と15-2、銀微粒子焼結体を含み、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに酸化チタン、酸化アルミニウム等から選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層17-1と17-2を、この順に有する、第1薄膜太陽電池11-1および第2薄膜太陽電池11-2を備え;第1薄膜太陽電池の導電性反射膜16-1が、第2薄膜太陽電池の透明電極層13-2と接続されている、太陽電池モジュール1である。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板12に形成された;透明電極層13-1と13-2、光電変換層14-1と14-2、透明導電膜15-1と15-2、銀微粒子焼結体を含み、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに酸化チタン、酸化アルミニウム等から選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層17-1と17-2を、この順に有する、第1薄膜太陽電池11-1および第2薄膜太陽電池11-2を備え;第1薄膜太陽電池の導電性反射膜16-1が、第2薄膜太陽電池の透明電極層13-2と接続されている、太陽電池モジュール1である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽電池モジュール、およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、光電変換層上に積層された透明導電膜上に形成される、湿式塗工法で形成可能な特定の導電性反射膜と反射層とを有する太陽電池を備える太陽電池モジュール、およびその製造方法に関する。
現在、環境保護の立場から、クリーンエネルギーの研究開発、実用化が進められており、太陽電池は、エネルギー源である太陽光が無尽蔵であり、無公害であること等から注目されている。一般的に、太陽電池1枚当たりの出力は数W程度であり、この出力で使用できる用途は少ないため、複数の太陽電池を電気的に接続することにより出力を高めた太陽電池モジュールが用いられている。
従来、太陽電池モジュールで使用される太陽電池には、単結晶シリコンや多結晶シリコンのバルク太陽電池が用いられてきたが、バルク太陽電池は、製造コストが高く、生産性も低いことから、なるべくシリコン量を節約した太陽電池の開発が急がれている。
そこで、厚さが、例えば、0.3〜2μmのアモルファスシリコン等の半導体を用いた薄膜太陽電池の開発が、精力的に行われている。この薄膜太陽電池は、ガラス基板や耐熱性プラスチック基板上に、光電変換に必要な量の半導体層を形成する構造のため、薄型で軽量、低コスト、大面積化が容易である等の利点がある。
薄膜太陽電池は、多層構造で形成されており、スーパーストレート型構造の一例としては、基板−透明電極層−光電変換層−透明導電膜−導電性反射膜の順で形成される構造が挙げられる。ここで、特に光電変換層がSi系の材料によって構成される場合、光電変換層の吸光係数が比較的小さいため、一般的に用いられる数マイクロメートルの膜厚では、入射光の一部は光電変換層を透過し、発電に寄与していない。そこで、導電性反射膜を用いて吸収しきれない光を反射させ、再度光電変換層に戻すことで発電効率を向上させることが一般に行われている。
この薄膜太陽電池では、従来、透明電極層、透明導電膜および導電性反射膜は、スパッタ等の真空成膜法で形成されていたが、真空成膜法には、一般に、大型の真空成膜装置の導入、維持、運転には多大なコストが必要であり、真空成膜法を湿式製膜法に置き換えることで、ランニングコストの大幅な改善が期待される。そこで、透明導電膜と導電性反射膜を、透明導電膜用組成物と導電性反射膜用組成物を用いて、より安価な製造方法である湿式塗工法で形成する技術が、開示されている(特許文献1)。
近年、より安価な製造方法である湿式塗工法で形成する技術においても、資源保全やコストダウンを目的として、導電性反射膜の小面積化、薄膜化が検討されている。また、導電性反射膜の小面積化による導電性反射膜形成用銀微粒子分散液の焼成時の収縮による光電変換層へのダメージの軽減も検討されている。しかしながら、導電性反射膜の小面積化、薄膜化により、導電性反射膜で反射される光の量が減少して、太陽電池の変換効率が低下してしまう、という問題がある。以下、(1)導電性反射膜の小面積化、(2)導電性反射膜の薄膜化の順に説明する。
図10に、(1)導電性反射膜の小面積化により、光電変換層上に、導電性反射膜を形成しない部分が存在する太陽電池の断面の模式図を示す。図10の破線で示す矢印は、光を表す。他の図においても同様である。図10では、太陽電池110は、基板120、透明電極層130、光電変換層140、透明導電膜150、導電性反射膜160を備える。図10に示すように、導電性反射膜150に、導電性反射膜が形成されていない部分160bが存在すると、導電性反射膜が形成されていない部分160bから光が漏れだし、導電性反射膜が形成されていない部分160bの面積に応じて、導電性反射膜160の反射率が低下する。
図11に、(2)導電性反射膜を薄膜化した太陽電池の断面の模式図を示す。図11のように、導電性反射膜を薄膜化した太陽電池210は、基板220、透明電極層230、光電変換層240、透明導電膜250、導電性反射膜260を備える。ここで、湿式塗工法で製造される導電性反射膜260は、銀微粒子を含む導電性反射膜用組成物を焼結して形成されるため、導電性反射膜260を薄膜化すると、導電性反射膜260を構成する銀微粒子焼結体260aに微細な空隙260cが多く発生するため、この空隙260cからの光の漏れも多くなり、導電性反射膜260の反射率が低下する。
本発明は、導電性反射膜の小面積化、薄膜化により導電性反射膜で反射される光の量の減少を抑制し、さらに、導電性反射膜の小面積化により、湿式塗工法により導電性反射膜を形成するための導電性反射膜形成用銀微粒子分散液の焼成時の収縮による光電変換層へのダメージを軽減させることを課題とする。本発明は、導電性反射膜の小面積化、薄膜化による導電性反射膜からの光の漏れ出しを抑制して、光電変換層に戻る光の量を多くし、かつ、導電性反射膜の小面積化により光電変換層へのダメージを軽減するため変換効率が向上した太陽電池を備える太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決した太陽電池モジュール、およびその製造方法に関する。
〔1〕基板に形成された;
透明電極層、
光電変換層、
透明導電膜、
銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層を、この順に有する、
第1太陽電池および第2太陽電池を備え;
第1太陽電池の導電性反射膜が、第2太陽電池の透明電極層と接続されている
ことを特徴とする、太陽電池モジュール。
〔2〕基板に、予め、第1太陽電池および第2太陽電池の、透明電極層、光電変換層および透明導電膜を、この順に形成し、
(A)銀微粒子を含む銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布し、第1太陽電池および第2太陽電池の透明導電膜上の銀微粒子分散液の塗膜の面積を、それぞれ、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換層の面積の10〜70%にし、かつ第1太陽電池の銀微粒子分散液の塗膜を、第2太陽電池の透明電極層と接続させた後、焼成して、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜を形成する工程、
(B)さらに、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜が形成されていない透明導電膜上と、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜上とに、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含む粉末分散液を、湿式塗工法により塗布した後、焼成して、厚さが0.1〜10μmの反射層を形成する工程、
を、この順に含むことを特徴とする、上記〔1〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
〔1〕基板に形成された;
透明電極層、
光電変換層、
透明導電膜、
銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層を、この順に有する、
第1太陽電池および第2太陽電池を備え;
第1太陽電池の導電性反射膜が、第2太陽電池の透明電極層と接続されている
ことを特徴とする、太陽電池モジュール。
〔2〕基板に、予め、第1太陽電池および第2太陽電池の、透明電極層、光電変換層および透明導電膜を、この順に形成し、
(A)銀微粒子を含む銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布し、第1太陽電池および第2太陽電池の透明導電膜上の銀微粒子分散液の塗膜の面積を、それぞれ、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換層の面積の10〜70%にし、かつ第1太陽電池の銀微粒子分散液の塗膜を、第2太陽電池の透明電極層と接続させた後、焼成して、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜を形成する工程、
(B)さらに、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜が形成されていない透明導電膜上と、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜上とに、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含む粉末分散液を、湿式塗工法により塗布した後、焼成して、厚さが0.1〜10μmの反射層を形成する工程、
を、この順に含むことを特徴とする、上記〔1〕記載の太陽電池モジュールの製造方法。
本発明〔1〕によれば、太陽電池モジュールに用いられる太陽電池の導電性反射膜の小面積化、薄膜化、および太陽電池の高変換効率化を行うことができる。詳細には、導電性反射膜の小面積化により生じる導電性反射膜が形成されていない部分から漏れ出した光を、反射層が反射し、光を再度光電変換層に戻すため、太陽電池の変換効率を高くすることができる。また、導電性反射膜の小面積化により、湿式塗工法により導電性反射膜を形成するための銀微粒子分散液の焼成時の収縮による光電変換層へのダメージの軽減できる。加えて、導電性反射膜の薄膜化を行っても、導電性反射膜を構成する銀微粒子焼結体の空隙から漏れ出した光を反射層が反射し、光を再度光電変換層に戻すため、太陽電池の変換効率を高くすることができる。この反射層に含まれる粉末は、白色であり、一般的な導電性反射膜に含有される金属粉末より安価である。よって、反射層も白色であり、低コストで形成することができる。さらに、第1太陽電池の導電性反射膜を、第2太陽電池の透明電極層と接続するので、この接続構造を繰り返して太陽電池の数を増加させることにより、高出力の太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明〔2〕によれば、導電性反射膜を小面積化、薄膜化し、かつ高変換効率の太陽電池を備える太陽電池モジュールを、簡便に製造することができる。詳細には、スクリーン印刷等の湿式塗工法を用いることにより、導電性反射膜を小面積化し、かつ第1太陽電池の導電性反射膜が、第2太陽電池の透明電極層と接続されている構造を、簡便に製造することができる。さらに、湿式塗工法を用いることにより、第1太陽電池の導電性反射膜が第2太陽電池の透明電極層と接続されている構造を、複数有する高出力の太陽電池モジュールを製造するための銀微粒子分散液の複数の塗膜を、1工程で容易に製造することが可能である。
以下、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量%である。
〔太陽電池モジュール〕
本発明の太陽電池モジュールは、
基板に形成された;
透明電極層、
光電変換層、
透明導電膜、
銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層を、この順に有する、
第1太陽電池および第2太陽電池を備え;
第1太陽電池の導電性反射膜が、第2太陽電池の透明電極層と接続されている
ことを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールは、
基板に形成された;
透明電極層、
光電変換層、
透明導電膜、
銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層を、この順に有する、
第1太陽電池および第2太陽電池を備え;
第1太陽電池の導電性反射膜が、第2太陽電池の透明電極層と接続されている
ことを特徴とする。
図1に、本発明の太陽電池モジュール(以下、太陽電池モジュールという)の断面の一例の模式図を示す。図1は、スーパーストレート型薄膜太陽電池の例である。図1に示すように、太陽電池モジュール1は、基板12に形成された;第1太陽電池の透明電極層13−1、第2太陽電池の透明電極層13−2、第1太陽電池の光電変換層14−1、第2太陽電池の光電変換層14−2、第1太陽電池の透明導電膜15−1、第2太陽電池の透明導電膜15−2、第1太陽電池の導電性反射膜16−1、第2太陽電池の導電性反射膜16−2、第1太陽電池の反射層17−1、および第2太陽電池の反射層17−2を有する、第1太陽電池11−1および第2太陽電池11−2を備え;第1太陽電池の導電性反射膜16−1が、第2太陽電池の透明電極層13−2と接続されている。図1に示すように、第1太陽電池の導電性反射膜16−1と、第2太陽電池の導電性反射膜16−2は、1箇所に形成するのではなく、一定間隔で複数形成すると、均一な集電性の観点から好ましい。また、太陽電池モジュールを高くするためには、太陽電池の直列数を増加させると好ましく、一般的に、太陽電池モジュールは、矩形であるので、太陽電池を短冊形に形成し、短冊状に形成された太陽電池の短辺方向に、直列数を増加させると好ましい。このとき、図1に示すように、導電性反射膜16−1と16−2の長辺が、太陽電池の長辺方向D1に対して交差する方向D2に形成されていると、導電性反射膜が小面積であっても、第1太陽電池の透明導電膜15−1から第2太陽電池の透明電極層13−2に、均一に電流が流れやすく、より好ましい。
図2に、好ましい太陽電池モジュールの断面の一例の模式図を示す。図2に示すように、反射層107は、光電変換層104−1と104−2、透明導電膜105−1と105−2、導電性反射膜106−1と106−2をすべて覆うように形成すると、反射層の反射効率が高くなるので、好ましい。
また、図3に、太陽電池モジュールの光電変換層の面積と、導電性反射膜の面積の関係を説明するための上面図を示す。図3では、便宜のため、透明導電膜、反射層は、省略する。また、図3では、第1太陽電池の導電性反射膜16−1と、複数の第2太陽電池の導電性反射膜16−2は、それぞれ複数形成されている。図3に示すように、第1太陽電池の導電性反射膜16−1中に斜め格子で示した、第1太陽電池の光電変換層14−1上に形成された複数の第1太陽電池の導電性反射膜16−1Aの合計面積は、光電変換層14−1の面積の10〜70%である。第2太陽電池の光電変換層14−2の面積と、第太陽電池の光電変換層14−2上に形成された第1太陽電池の導電性反射膜16−2Aの面積についても同様である。
次に、図4に、太陽電池モジュールに備えられる太陽電池の断面の一例の模式図であり、透明導電膜上に、導電性反射膜が形成されていない部分が存在する場合を説明するための図を示す。図4では、太陽電池20は、基板22、透明電極層23、光電変換層24、透明導電膜25、銀微粒子焼結体26aからなる導電性反射膜26、粉末27aを含む反射層27を有する。透明導電膜25には、導電性反射膜が形成されていない部分26bが存在するが、導電性反射膜が形成されていない部分26bの直上に、粉末27aを含む反射層27が存在するので、導電性反射膜が形成されていない部分26bから漏れだした光を反射層27が反射し、光を再度光電変換層24に戻し、太陽電池20の変換効率を高くすることができる。
図5には、太陽電池モジュールに備えられる太陽電池の断面の一例の模式図を示す。図5は、本発明の太陽電池モジュールに備えられる太陽電池の断面の模式図であり、導電性反射膜が薄膜化した場合を説明するための図である。図5では、太陽電池30は、基板32、透明電極層33、光電変換層34、透明導電膜35、銀微粒子焼結体36aからなる導電性反射膜36、粉末37aを含む反射層37を有する。ここで、導電性反射膜36を構成する金属ナノ粒子焼結体36aには、微細な空隙36cが存在するが、微細な空隙36cの直上に粉末37aを含む反射層37が存在するので、銀微粒子焼結体の空隙36cから漏れ出した光を反射層37が反射し、光を再度光電変換層34に戻し、太陽電池30の変換効率を高くすることができる。近年、コストダウン等を目的とする導電性反射膜36の薄層化がなされ、この薄層化に伴い、空隙36cの増加による導電性反射膜36の反射率低下が問題となっているが、反射層37は、特にこの問題の解決に適している。ここで、導電性反射膜36は、0.03μm程度の厚さで所望の導電性を付与できる用途が多いが、所望の反射性を付与させるためには、0.2μm程度の厚さが必要な場合が多い。導電性反射膜36と反射層37を組み合わせることにより、導電性反射膜36単独では所望の反射性を付与させることはできない0.03μm程度の厚さでも、所望の反射性を付与することができる。すなわち、高価な銀微粒子焼結体63aを含む導電性反射膜36の薄膜化と、反射性の維持を両立させることが可能となる。
以下、本発明の太陽電池モジュールに備えられる太陽電池を構成する反射層、導電性反射膜について説明する。基板、透明電極層、光電変換層、透明導電膜については、後述する。
《反射層》
反射層は、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含み、粉末は、酸化チタンであると、導電性反射膜から漏れ出た光の反射性の観点から好ましい。この反射層に含まれる粉末は、白色であり、一般的な導電性反射膜に含有される金属粉末より安価である。よって、反射層も白色であり、低コストで形成することができる。また、これらの粉末は、酸化物または硫酸塩であるので、化学的に安定である。粉末の平均粒径は、0.02〜0.2μmであると、反射性の観点から好ましい。ここで、平均粒径は、堀場製作所製LB−550による動的光散乱法を用いて測定する。
反射層は、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含み、粉末は、酸化チタンであると、導電性反射膜から漏れ出た光の反射性の観点から好ましい。この反射層に含まれる粉末は、白色であり、一般的な導電性反射膜に含有される金属粉末より安価である。よって、反射層も白色であり、低コストで形成することができる。また、これらの粉末は、酸化物または硫酸塩であるので、化学的に安定である。粉末の平均粒径は、0.02〜0.2μmであると、反射性の観点から好ましい。ここで、平均粒径は、堀場製作所製LB−550による動的光散乱法を用いて測定する。
バインダーとしては、加熱により硬化するポリマー型バインダー又はノンポリマー型バインダーのいずれか一方又は双方を含むと好ましい。ポリマー型バインダーとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられ、ノンポリマー型バインダーとしては、金属石鹸、金属錯体、金属アルコキシド、金属アルコキシドの加水分解物等が挙げられる。
反射層の厚さは、0.1〜10μmであり、0.1μm未満では、導電性反射膜から漏れ出た光を十分に反射することができず、10μmを超えても、導電性反射膜から漏れ出た光の反射量は変わらず、粉末等が無駄になる。
《導電性反射膜》
導電性反射膜は、反射性、導電性の観点から、銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である。この導電性反射膜は、銀微粒子分散液を湿式塗工法により塗布した後、焼成することにより、形成することができる。銀微粒子の平均粒径は、0.01〜5μmであると好ましい。銀微粒子の平均粒径が0.01μm以上0.05μm以下であると、膜厚の均一性の観点から、より好ましい。また、銀微粒子の平均粒径が0.05μmより大きく5μm以下であると、導電性の観点から、より好ましい。以下、平均粒径が0.05μm以下の銀微粒子を用いた銀微粒子分散液を銀ナノインクといい、平均粒径が0.05μmより大きい銀微粒子を用いた銀微粒子分散液を銀ペーストという。
導電性反射膜は、反射性、導電性の観点から、銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である。この導電性反射膜は、銀微粒子分散液を湿式塗工法により塗布した後、焼成することにより、形成することができる。銀微粒子の平均粒径は、0.01〜5μmであると好ましい。銀微粒子の平均粒径が0.01μm以上0.05μm以下であると、膜厚の均一性の観点から、より好ましい。また、銀微粒子の平均粒径が0.05μmより大きく5μm以下であると、導電性の観点から、より好ましい。以下、平均粒径が0.05μm以下の銀微粒子を用いた銀微粒子分散液を銀ナノインクといい、平均粒径が0.05μmより大きい銀微粒子を用いた銀微粒子分散液を銀ペーストという。
導電性反射膜の光電変換層上の面積は、光電変換層の面積の10〜70%であり、10%未満では、導電性反射膜の導電性が低下してしまい、70%を超えると、資源保全、コストダウン、および導電性反射膜形成用銀微粒子分散液の焼成時の収縮による光電変換層へのダメージ軽減の効果が十分に得られなくなってしまう。
図6に、太陽電池モジュールの光電変換層の面積と、銀ナノインクで形成された導電性反射膜の面積の関係の一例の上面図を示す。図6では、便宜のため、透明導電膜、反射層は、省略する。また、図6では、第1太陽電池の導電性反射膜46−1と、複数の第2太陽電池の導電性反射膜46−2は、それぞれ複数形成されている。銀ナノインクで形成された導電性反射膜46−1と46−2の厚さは、一般的に、10〜300nmと薄く、単位面積当たりの抵抗値が高くなり易いので、光電変換層上の導電性反射膜46−1Aと46−2Aの面積は、光電変換層44−1と44−2の面積の40〜70%である、と好ましい。導電性反射膜の幅W1の一例は、10〜100mm、導電性反射膜のピッチP1の一例は、10〜100mmである。
次に、図7に、太陽電池モジュールの光電変換層の面積と、銀ペーストで形成された導電性反射膜の面積の関係の一例の上面図を示す。図7では、便宜のため、透明導電膜、反射層は、省略する。また、図7では、第1太陽電池の導電性反射膜56−1と、複数の第2太陽電池の導電性反射膜56−2は、それぞれ複数形成されている。銀ペーストで形成された導電性反射膜56−1と56−2の厚さは、一般的に、300〜10000nmと厚く、単位面積当たりの抵抗値が低くなり易いので、光電変換層上の導電性反射膜56−1Aと56−2Aの面積は、光電変換層44−1と44−2の面積の10〜40%である、と好ましい。導電性反射膜の幅W2の一例は、0.1〜1mm、導電性反射膜のピッチP2の一例は、1〜10mmである。
銀微粒子の形状は、球状、板状であると、分散性、反射性の観点から好ましい。また、銀微粒子焼結体は、耐腐食性を向上させるために、金、パラジウム等を含むと好ましい。
導電性反射膜は、密着性、反射性の観点から、添加物を含むと好ましい。添加物が、金属微粒子焼結体の空孔内に存在することにより、焼結時の金属ナノ粒子の粒成長を抑制することができ、導電性反射膜の反射特性が向上する。さらに、添加物により、導電性反射膜の密着性が向上する。
添加物としては、ポリビニルピロリドンの共重合体、水溶性セルロース等の有機高分子;錫、インジウム、亜鉛、およびアンチモン等の金属酸化物;マグネシウム、リチウム、アルミニウム等の金属水酸化物;酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸錫、チタニウムイソプロポキシド、メチルシリケート等の有機金属化合物;およびシリコーンオイルが挙げられ、有機高分子が好ましい。添加物としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドンの共重合体、酢酸錫、およびチタニウムイソプロポキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種であると、反射性および導電性の観点から好ましい。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、PVP−メタクリレート共重合体、PVP−スチレン共重合体、PVP−酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、水溶性セルロースとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等が挙げられる。
導電性反射膜の厚さは、反射性、導電性の観点から、30〜10000nmであると好ましい。
《基板、透明電極層、光電変換層、透明導電膜》
基板、透明電極層、光電変換層、透明導電膜は、特に限定されず、公知の材料を使用することができる。基板には、ガラス、セラミックスもしくは高分子材料からなる透光性基板のいずれか、またはガラス、セラミックス、高分子材料、およびシリコンからなる群より選ばれた2種類以上の透光性積層体を使用することができる。高分子基板としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂等の有機ポリマーにより形成されたフィルム基板が挙げられる。透明電極層には、ITO、酸化錫等を使用することができる。光電変換層としては、結晶系の単結晶型もしくは多結晶型、アモルファス型、化合物型、または単結晶型もしくは多結晶型とアモルファス型とを組合せたハイブリッド型等が挙げられる。透明導電膜には、透明電極層と同じ材料を使用することができる。
基板、透明電極層、光電変換層、透明導電膜は、特に限定されず、公知の材料を使用することができる。基板には、ガラス、セラミックスもしくは高分子材料からなる透光性基板のいずれか、またはガラス、セラミックス、高分子材料、およびシリコンからなる群より選ばれた2種類以上の透光性積層体を使用することができる。高分子基板としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、エポキシ樹脂等の有機ポリマーにより形成されたフィルム基板が挙げられる。透明電極層には、ITO、酸化錫等を使用することができる。光電変換層としては、結晶系の単結晶型もしくは多結晶型、アモルファス型、化合物型、または単結晶型もしくは多結晶型とアモルファス型とを組合せたハイブリッド型等が挙げられる。透明導電膜には、透明電極層と同じ材料を使用することができる。
図8に、本発明の太陽電池モジュールの応用の一例の上面図を示す。図8では、便宜のため、透明導電膜、反射層は、省略する。また、図8では、太陽電池モジュール60を高出力にするため、5個の太陽電池61を直列に接続しており、1個の太陽電池61に、6個の導電性反射膜66が形成されている。図8で一番右側の太陽電池61では、6個の導電性反射膜をまとめて接続するための集電膜68を形成すると、好ましい。なお、導電性反射膜66をスクリーン印刷等の湿式塗工法で形成するときに、導電性反射膜66と集電膜68を含むパターンを用いて、導電性反射膜66と集電膜68を同時に形成すると、より好ましい。
〔太陽電池モジュールの製造方法〕
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、
基板に、予め、第1太陽電池および第2太陽電池の、透明電極層、光電変換層および透明導電膜を、この順に形成し、
(A)銀微粒子を含む銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布し、第1太陽電池および第2太陽電池の透明導電膜上の銀微粒子分散液の塗膜の面積を、それぞれ、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換層の面積の10〜70%にし、かつ第1太陽電池の銀微粒子分散液の塗膜を、第2太陽電池の透明電極層と接続させた後、焼成して、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜を形成する工程、
(B)さらに、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜が形成されていない透明導電膜上と、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜上とに、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含む粉末分散液を、湿式塗工法により塗布した後、焼成して、厚さが0.1〜10μmの反射層を形成する工程、
を、この順に含むことを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、
基板に、予め、第1太陽電池および第2太陽電池の、透明電極層、光電変換層および透明導電膜を、この順に形成し、
(A)銀微粒子を含む銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布し、第1太陽電池および第2太陽電池の透明導電膜上の銀微粒子分散液の塗膜の面積を、それぞれ、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換層の面積の10〜70%にし、かつ第1太陽電池の銀微粒子分散液の塗膜を、第2太陽電池の透明電極層と接続させた後、焼成して、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜を形成する工程、
(B)さらに、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜が形成されていない透明導電膜上と、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜上とに、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含む粉末分散液を、湿式塗工法により塗布した後、焼成して、厚さが0.1〜10μmの反射層を形成する工程、
を、この順に含むことを特徴とする。
図9に、本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一例の模式図を示す。以下、第1太陽電池について説明する。まず、図9(a)に示すように、基板12に、予め、第1太陽電池の透明電極層13−1、第1太陽電池の光電変換層14−1、および第1太陽電池の透明導電膜15−1を、この順に形成する。次に、(A)工程を行う。図9(b)に示すように、第1太陽電池の透明導電膜15−1上に、銀微粒子を含む銀微粒子分散液を、湿式塗工法により、第1太陽電池の光電変換層上の銀微粒子分散液の塗膜16−1bの面積が、第1太陽電池の光電変換層14−1の面積の10〜70%になり、かつ第1太陽電池の銀微粒子分散液の塗膜16−1bが、第2太陽電池の透明電極層13−2と接続するように、塗布する。この後、焼成して、図9(c)に示すように、第1太陽電池の導電性反射膜16−1を形成する。この後、(B)工程を行う。さらに、第1太陽電池の導電性反射膜が形成されていない光電変換層15−1c上と、第1太陽電池の導電性反射膜16−1上とに、粉末分散液を、湿式塗工法により塗布した後、焼成して、図9(d)に示すように、反射層17―1を形成して、太陽電池モジュール1を製造することができる。
基板に、予め、透明電極層、光電変換層、透明導電膜を形成する方法は、特に限定されず、真空成膜法等の公知の用法でよいが、透明導電膜は、透明導電膜用組成物を湿式塗工法で塗布した後、焼成して形成することが好ましい。ここで、透明導電膜用組成物は、導電性酸化物粒子、バインダー、分散媒を混合して、作製することができる。導電性酸化物粒子としては、インジウム錫酸化物(ITO)、アンチモンドープ酸化物(ATO)や、Al、In、Ga等をドープした酸化亜鉛等の粒子が挙げられ、バインダーは、上述のとおりである。分散媒については、後述する。
《(A)工程》
〈銀微粒子分散液〉
導銀微粒子分散液に含有される銀微粒子と、含有されると好ましい添加物は、上述のとおりである。
〈銀微粒子分散液〉
導銀微粒子分散液に含有される銀微粒子と、含有されると好ましい添加物は、上述のとおりである。
また、銀微粒子分散液は、分散媒を含み、分散媒は、全ての分散媒100質量%に対して、1質量%以上の水と、2質量%以上の水と相溶する溶剤、例えば、アルコール類とを含有することが好適である。例えば、分散媒が水およびアルコール類のみからなる場合、水を2質量%含有するときはアルコール類を98質量%含有し、アルコール類を2質量%含有するときは水を98質量%含有する。水の含有量が1質量%未満、またはアルコール類の含有量が2質量%未満では、銀微粒子分散液を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難くなり、また、焼成後の導電性反射膜の導電性と反射率が低下してしまうからである。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、エリトリトール等が挙げられ、これらを混合して用いてもよい。
さらに、分散媒は、金属ナノ粒子表面を化学修飾する水酸基(−OH)又はカルボニル基(−C=O)のいずれか一方又は双方を含有する保護剤を含むと、銀微粒子分散液の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用があるため、好適である。保護剤としては、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。
銀微粒子は、分散媒を除く銀微粒子分散液:100質量部に対して、75質量部以上であると、反射性、導電性の観点から好ましい。また、99.9質量部以下であると、導電性反射膜の密着性の観点から好ましい。
添加物の含有割合は、分散媒を除く銀微粒子分散液:100質量部に対して、0.1〜25質量部であると好ましい。0.1質量部以上であれば、基材と接着力が良好であり、25質量部以下であると成膜時の膜ムラが生じにくい。
分散媒は、銀微粒子分散液:100質量部に対して、50〜99質量部であると、塗工性の観点から好ましい。
また、銀微粒子分散液は、導電性反射膜の密着性を向上させるため、カップリング剤を加えると、好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、アルミカップリング剤及びチタンカップリング剤などが挙げられる。カップリング剤の含有量は、銀微粒子分散液に占める固形分(銀微粒子、添加物、およびシランカップリング剤等):100質量部に対して、0.2〜5質量部が好ましい。
銀微粒子分散液は、本発明の本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じ、低抵抗化剤、水溶性セルロース誘導体、酸化防止剤、レベリング剤、揺変剤、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。
銀微粒子分散液は、所望の成分を、常法により、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、セントリミル、三本ロール等によって混合し、添加物等を分散させ、作製することができる。無論、通常の攪拌操作によって作製することもできる。なお、銀微粒子を除く成分を混合した後、別途予め分散させた金属ナノ粒子を含む分散媒と混合すると、均質な銀微粒子分散液を得やすい観点から好ましい。
〈導電性反射膜の形成〉
まず、透明導電膜上に、銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布する。ここでの塗布は、焼成後の導電性反射膜の厚さが、好ましくは10〜500nmとなるようにする。続いて、この導電性反射塗膜を、好ましくは130〜250℃、より好ましくは150〜200℃で、好ましくは5〜60分間、乾燥する。このようにして塗膜を形成する。
まず、透明導電膜上に、銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布する。ここでの塗布は、焼成後の導電性反射膜の厚さが、好ましくは10〜500nmとなるようにする。続いて、この導電性反射塗膜を、好ましくは130〜250℃、より好ましくは150〜200℃で、好ましくは5〜60分間、乾燥する。このようにして塗膜を形成する。
湿式塗工法は、スプレーコーティング法、ディスペンサーコーティング法、スピンコーティング法、ナイフコーティング法、スリットコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、またはダイコーティング法等が挙げられ、これらに限られるものではないが、導電性反射膜を1工程でパターニングできるため、スクリーン印刷法、ディスペンサーコーティング法、インクジェットコーティング法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法が、好ましい。
次に、導電性反射塗膜を有する基材を、大気中または窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で、好ましくは、130〜250℃の温度で、5〜60分間保持して焼成する。
塗膜を有する基材の焼成温度を130〜250℃の範囲が好ましいのは、130℃未満では、導電性反射膜において、硬化不足の不具合が生じ易いからである。また、250℃を越えると、低温プロセスという生産上のメリットを生かせない、すなわち、製造コストが増大し、生産性が低下してしまう。また、特にアモルファスシリコン、微結晶シリコン、またはこれらを用いたハイブリッド型シリコン太陽電池は比較的熱に弱く、焼成工程によって変換効率が低下するからである。
塗膜を有する基材の焼成時間を5〜60分間の範囲が好ましいのは、焼成時間が5分未満では、導電性反射膜において、焼成が十分でない不具合が生じ易いからである。焼成時間が60分を越えると、必要以上に製造コストが増大して生産性が低下してしまう不具合を生じるためである。
《(B)工程》
〈粉末分散液〉
粉末分散液に含有させる粉末は、上述のとおりである。また、粉末分散液は、分散媒を含み、分散媒は、銀微粒子分散液の場合と同様である。
〈粉末分散液〉
粉末分散液に含有させる粉末は、上述のとおりである。また、粉末分散液は、分散媒を含み、分散媒は、銀微粒子分散液の場合と同様である。
粉末は、分散媒を除く粉末分散液:100質量部に対して、10〜90質量部であると、好ましい。10質量部以上であると、反射層の反射性を高くし易く、90質量部以下であると、反射層自体の強度、および導電性反射膜との密着力を維持する。
バインダーは、分散媒を除く粉末分散液:100質量部に対して、10〜90質量部であると、好ましい。10質量部以上であれば、導電性反射膜との接着力が良好であり、90質量部以下であると、成膜時の膜ムラが生じにくい。
分散媒は、粉末分散液:100質量部に対して、50〜99質量部であると、塗工性の観点から好ましい。
粉末分散液は、本発明の本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じ、カップリング剤、酸化防止剤、レベリング剤、揺変剤、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。
〈反射層の形成〉
反射層を形成するための、湿式塗工法、焼成については、焼成後の反射層の厚さを0.1〜10μmにすること以外は、導電性反射膜の形成の場合と同様である。
反射層を形成するための、湿式塗工法、焼成については、焼成後の反射層の厚さを0.1〜10μmにすること以外は、導電性反射膜の形成の場合と同様である。
以上により、本発明の太陽電池モジュールを製造することができる。このように、本発明の太陽電池モジュールの製造方法により、導電性反射膜を小面積化、薄膜化し、かつ高変換効率の太陽電池を備える太陽電池モジュールを、簡便に得ることができる。
以下に、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔平均粒径:20nmの銀微粒子の作製〕
硝酸銀を脱イオン水に溶解して、金属塩水溶液を調製した。また、クエン酸ナトリウムを脱イオン水に溶解して、濃度が26質量%のクエン酸ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸ナトリウム水溶液に、35℃に保持された窒素ガス気流中で、粒状の硫酸第1鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第1鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製した。
硝酸銀を脱イオン水に溶解して、金属塩水溶液を調製した。また、クエン酸ナトリウムを脱イオン水に溶解して、濃度が26質量%のクエン酸ナトリウム水溶液を調製した。このクエン酸ナトリウム水溶液に、35℃に保持された窒素ガス気流中で、粒状の硫酸第1鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第1鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製した。
次に、上記窒素ガス気流を35℃に保持しながら、還元剤水溶液中に、マグネチックスターラーの攪拌子を入れ、攪拌子の回転速度:100rpmで攪拌しながら、この還元剤水溶液に、上記金属塩水溶液を滴下して、混合した。ここで、還元剤水溶液への金属塩水溶液の添加量は、還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整して、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が40℃に保持されるようにした。また、還元剤水溶液と金属塩水溶液との混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液のクエン酸イオンと第1鉄イオンとのモル比が、いずれも3倍モルとなるようにした。還元剤水溶液への金属塩水溶液の滴下が終了した後、さらに、混合液の攪拌を15分間続けることにより、混合液内部に銀微粒子を生じさせ、銀微粒子が分散した銀微粒子含有水溶液を得た。銀微粒子含有水溶液のpHは5.5であり、水溶液中の銀微粒子の化学量論的生成量は5g/リットルであった。
得られた銀微粒子含有水溶液を、室温で放置することにより、水溶液中の銀微粒子を沈降させ、沈降した銀微粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。分離した銀微粒子凝集物に、脱イオン水を加えて分散体とし、限外濾過により脱塩処理した後、さらにメタノールで置換洗浄して、金属(銀)の含有量を50質量%にした。その後、遠心分離機を用い、この遠心分離機の遠心力を調整して、粒径が100nmを越える比較的大きな銀粒子を分離することにより、平均粒径が20nmの銀微粒子を得た。ここで、平均粒径は、堀場製作所製LB−550による動的光散乱法を用いて測定した。なお、得られた銀微粒子は、クエン酸が保護剤として化学修飾されていた。
〔平均粒径:10nmの銀微粒子等の作製・入手〕
平均粒径:10nmと50nmの銀微粒子は、上記銀微粒子含有水溶液を用い、遠心分離器の遠心力を調製して得た。また、平均粒径:20nmのAuは、銀微粒子を作製するときに、硝酸銀の一部を塩化金酸に置換して作製した。平均粒径:1μmの銀微粒子は、三菱マテリアル製(型番:Ag−01S)、平均粒径:5μmの銀微粒子は、三菱マテリアル製(型番:Ag−05S)を用いた。
平均粒径:10nmと50nmの銀微粒子は、上記銀微粒子含有水溶液を用い、遠心分離器の遠心力を調製して得た。また、平均粒径:20nmのAuは、銀微粒子を作製するときに、硝酸銀の一部を塩化金酸に置換して作製した。平均粒径:1μmの銀微粒子は、三菱マテリアル製(型番:Ag−01S)、平均粒径:5μmの銀微粒子は、三菱マテリアル製(型番:Ag−05S)を用いた。
〔銀微粒子分散液の作製〕
表1で示す比率(数値は質量%を示す)になるように、銀微粒子および添加物:10質量部を、水、エタノール及びメタノールを20:60:10の質量比で含む混合溶液:90質量部に添加混合した。詳しくは、銀微粒子と添加物、および混合溶媒の合計を60gで、遊星撹拌機を用いて10分間混合した。例えば、実施例1では、混合溶液に、銀微粒子:96質量%に対して、ポリビニルピロリドン(PVP、分子量:360,000)が4質量%になるように加えて、銀微粒子分散液を作製した。
表1で示す比率(数値は質量%を示す)になるように、銀微粒子および添加物:10質量部を、水、エタノール及びメタノールを20:60:10の質量比で含む混合溶液:90質量部に添加混合した。詳しくは、銀微粒子と添加物、および混合溶媒の合計を60gで、遊星撹拌機を用いて10分間混合した。例えば、実施例1では、混合溶液に、銀微粒子:96質量%に対して、ポリビニルピロリドン(PVP、分子量:360,000)が4質量%になるように加えて、銀微粒子分散液を作製した。
〔SiO2結合剤の作製〕
500cm3のガラス製の4つ口フラスコを用い、140gのテトラエトキシシランと、140gのエチルアルコールを加え、攪拌しながら、1.7gの60%硝酸を120gの純水に溶解した溶液を一度に加え、その後50℃で3時間反応させることにより、SiO2結合剤を製造した。
500cm3のガラス製の4つ口フラスコを用い、140gのテトラエトキシシランと、140gのエチルアルコールを加え、攪拌しながら、1.7gの60%硝酸を120gの純水に溶解した溶液を一度に加え、その後50℃で3時間反応させることにより、SiO2結合剤を製造した。
〔粉末分散液の作製〕
表1で示す比率(数値は質量%を示す)になるように、合計が60gで、200cm3のガラス瓶中に入れ、直径:0.3mmのジルコニアビーズ(ミクロハイカ、昭和シェル石油製):100gを用いて、ペイントシェーカーで6時間分散することにより、粉末分散液を得た。例えば、実施例1では、分散媒として用いたIPA中に、TiO2粉末:80質量%と、バインダーとしてのSiO2結合剤:20質量%を混合した。ここで、分散媒(IPA)は、粉末分散液:100質量部に対して、70質量部の割合で用いた。なお、TiO2粉末(ルチル型)の平均粒径は、20nm、Al2O3粉末の平均粒径は100nm、BaSO4粉末の平均粒径は200nm、MgO粉末の平均粒径は50nm、CaCO3粉末の平均粒径は100nmであった。
表1で示す比率(数値は質量%を示す)になるように、合計が60gで、200cm3のガラス瓶中に入れ、直径:0.3mmのジルコニアビーズ(ミクロハイカ、昭和シェル石油製):100gを用いて、ペイントシェーカーで6時間分散することにより、粉末分散液を得た。例えば、実施例1では、分散媒として用いたIPA中に、TiO2粉末:80質量%と、バインダーとしてのSiO2結合剤:20質量%を混合した。ここで、分散媒(IPA)は、粉末分散液:100質量部に対して、70質量部の割合で用いた。なお、TiO2粉末(ルチル型)の平均粒径は、20nm、Al2O3粉末の平均粒径は100nm、BaSO4粉末の平均粒径は200nm、MgO粉末の平均粒径は50nm、CaCO3粉末の平均粒径は100nmであった。
〔太陽電池モジュールでの評価1〕
実施例1〜25、比較例1〜5、参考例1の太陽電池モジュールでの評価1を行った。図1に示すような太陽電池モジュール1を作製した。光電変換層14−1と14−2、および反射層17−1と17−2は、幅:10mm、長さ:100mmで形成し、導電性反射膜16−1と16−2は、各電池につき3個の合計で、表1で示す光電変換層との面積の割合になるようにした。
実施例1〜25、比較例1〜5、参考例1の太陽電池モジュールでの評価1を行った。図1に示すような太陽電池モジュール1を作製した。光電変換層14−1と14−2、および反射層17−1と17−2は、幅:10mm、長さ:100mmで形成し、導電性反射膜16−1と16−2は、各電池につき3個の合計で、表1で示す光電変換層との面積の割合になるようにした。
図1に示すように、まず一方の主面に厚さ50nmのSiO2層(図示せず)が形成されたガラス基板を基板12として準備し、このSiO2層上に表面に凹凸テクスチャを有しかつF(フッ素)ドープされた厚さ800nmの表面電極層(SnO2膜)を、透明電極層13−1と13−2として形成した。この透明電極層13−1と13−2にはレーザー加工法を用いてパターニングした。次に、透明電極層13−1と13−2上にプラズマCVD法を用いて、光電変換層14−1と14−2を形成した。この光電変換層14−1と14−2は、この実施例では、基板12側から順に、p型a−Si:H(非晶質炭化シリコン)5nm、i型a−Si(非晶質シリコン)300nm及びn型μc−Si(微結晶シリコン)10nmからなる膜を積層して得た。この光電変換層14−1と14−2を、レーザー加工法を用いてパターニングした。
次に、光電変換層14−1と14−2上に、透明導電膜用組成物を、厚さが0.1μmとなるようにスピンコーティング法で、塗布した後、温度50℃で5分間乾燥して、透明導電膜15−1と15−2を形成した。次に、光電変換層14−1と14−2、透明導電膜15−1と15−2に、レーザー加工法を用いてスクライブ加工を実施した。なお、スクライブ加工部(幅:500μm)の面積は、光電変換層14−1と14−2の面積の5%であった。これを既に成膜が進んでいる太陽電池セルとして、実施例・比較例・参考例の太陽電池モジュール1の評価に利用した。ここで、透明導電膜用組成物は、以下のように作製した。合計が60gで、100cm3のガラス瓶中に、導電性微粒子として原子比でSn/(Sn+In)=0.1、粒子径:0.03μmのITO粉末を1.0質量部、バインダーとしてSiO2結合剤を0.05質量部、更に分散媒としてエタノールを98.95質量部で加えた。この混合物をダイノーミル(横型ビーズミル)により、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、2時間稼働させて、混合物中の微粒子を分散させることにより、透明導電膜用組成物を得た。
次いで、既に成膜が進んでいる薄膜太陽電池セルの透明導電膜15−1と15−2上に、銀微粒子分散液を、焼成後に表1に示す厚さになるように、所望のパターンを用いたスクリーン印刷法で、塗布した後、温度50℃で5分間乾燥して、180℃で30分焼成することにより、導電性反射膜16−1と16−2を形成した。このとき、導電性反射膜16−1が、透明電極層13−2と接続するようにした。次に、粉末分散液を導電性反射膜13上に、焼成後に表1に示す厚さになるように、所望のパターンを用いたスクリーン印刷法で、塗布した後、温度50℃の低温で5分間乾燥して、200℃で30分焼成し、反射層17−1と17−2を形成した。表1に、導電性反射膜と反射層の焼成後膜厚を示す。ここで、膜厚は、日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡(SEM、装置名:S−4300、SU−8000)による断面観察により測定した。
太陽電池セルの評価方法としては、作製した太陽電池モジュール1に、リード線を配線し、IV特性カーブを確認した際の出力特性を評価した。このとき、実施例と同様の製造方法で得た光電変換層を用い、透明導電膜、導電性反射膜の全てをスパッタ法により形成し、反射層を形成していない太陽電池セルを100とした際との相対出力評価を行った。表1の評価1の欄に、これらの結果を示す。
ここで、全てスパッタ法により形成された太陽電池セルとは、図10に示す太陽電池110の導電性反射膜160を、銀微粒子焼結体ではなく、銀スパッタ膜にしたものである。先ず一方の主面に厚さ50nmのSiO2層(図示せず)が形成されたガラス基板を基板120として準備し、このSiO2層上に表面に凹凸テクスチャを有しかつF(フッ素)ドープされた厚さ800nmの透明電極層(SnO2膜)130を形成した。この透明電極層130にはレーザー加工法を用いてパターニングした。次に、透明電極層130上にプラズマCVD法を用いて、光電変換層140を形成した。この光電変換層140は、基板17側から順に、p型a−Si:H(非晶質炭化シリコン)5nm、i型a−Si(非晶質シリコン)300nm及びn型μc−Si(微結晶シリコン)10nmからなる膜を積層して得た。上記光電変換層140を、レーザー加工法を用いてスクライブ加工した後、マグネトロンインライン式スパッタリング装置を用いて、光電変換層140上に、厚さ80nmの透明導電膜(ZnO層)150及び厚さ200nmの導電性反射膜(銀電極層)160を順次形成し、レーザー加工法を用いてスクライブ加工した。
〔太陽電池モジュールでの評価2〕
図2に示すように、まず一方の主面に厚さ50nmのSiO2層(図示せず)が形成されたガラス基板を基板102として準備し、このSiO2層上に表面に凹凸テクスチャを有しかつF(フッ素)ドープされた厚さ800nmの表面電極層(SnO2膜)を、透明電極層103−1と103−2として形成した。この透明電極層103−1と103−2にはレーザー加工法を用いてパターニングした。次に、透明電極層103−1と103−2上にプラズマCVD法を用いて、光電変換層104−1と104−2を形成した。この光電変換層104−1と104−2は、この実施例では、基板102側から順に、p型a−Si:H(非晶質炭化シリコン)5nm、i型a−Si(非晶質シリコン)300nm及びn型μc−Si(微結晶シリコン)10nmからなる膜を積層して得た。この光電変換層104−1と104−2を、レーザー加工法を用いてパターニングした。
次に、光電変換層104−1と104−2上に、透明導電膜用組成物を、厚さが0.1μmとなるようにスピンコーティング法で、塗布した後、温度50℃で5分間乾燥して、透明導電膜105−1と105−2を形成した。次に、光電変換層104−1と104−2、透明導電膜105−1と105−2に、レーザー加工法を用いてスクライブ加工を実施した。なお、スクライブ加工部(幅:500μm)の面積は、光電変換層104−1と104−2の面積の5%であった。これを既に成膜が進んでいる太陽電池セルとして、実施例・比較例・参考例の太陽電池モジュール2の評価に利用した。ここで、透明導電膜用組成物は、以下のように作製した。合計が60gで、100cm3のガラス瓶中に、導電性微粒子として原子比でSn/(Sn+In)=0.1、粒子径:0.03μmのITO粉末を1.0質量部、バインダーとしてSiO2結合剤を0.05質量部、更に分散媒としてエタノールを98.95質量部で加えた。この混合物をダイノーミル(横型ビーズミル)により、0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、2時間稼働させて、混合物中の微粒子を分散させることにより、透明導電膜用組成物を得た。
次いで、既に成膜が進んでいる薄膜太陽電池セルの透明導電膜105−1と105−2上に、銀微粒子分散液を、焼成後に表1に示す厚さになるように、所望のパターンを用いたスクリーン印刷法で、塗布した後、温度50℃で5分間乾燥して、180℃で30分焼成することにより、導電性反射膜106−1と106−2を形成した。このとき、導電性反射膜106−1が、透明電極層103−2と接続するようにした。次に、粉末分散液を導電性反射膜103−1と103−2上に、焼成後に表1に示す厚さになるように、スピンコーティング法で、塗布した後、温度50℃の低温で5分間乾燥して、200℃で30分焼成し、反射層107を形成した。導電性反射膜と反射層の焼成後膜厚は、太陽電池モジュールでの評価1の場合と同じであった。太陽電池モジュールでの評価1と同様にして、太陽電池モジュールでの評価2を行った。表1の評価2の欄に、結果を示す。
表1から明らかなように、実施例1〜25の全てで、相対変換効率の評価1は、60%以上と高かった。特に、反射膜の厚さが1μm以上の実施例1〜4、6〜20では、63%以上とより高かった。また、相対変換効率の評価2では、反射層の面積が大きいため、85〜105%と、評価1での結果より高かった。なお、実施例1は、反射膜の面積が10%と小さくても評価2での結果が80%と高かった。これに対して、反射層が形成されていない比較例1は、実施例8より評価1での結果が低かった。反射層が形成されていない比較例2は、実施例10より評価1での結果が低かった。反射層が形成されていない比較例3は、実施例3より評価1での結果が低かった。反射層が形成されていない比較例4は、実施例4より評価1での結果が低かった。導電性反射膜の面積が小さすぎる比較例5は、実施例1より評価1での結果が低く、評価2での結果は著しく低かった。導電性反射膜の面積が大きすぎる比較例6は、実施例3より評価1での結果が低く、評価2での結果は著しく低かった。反射層が薄すぎる比較例7は、実施例5より評価1での結果が低く、評価2での結果は著しく低かった。また、反射層が厚すぎる参考例1は、評価1の結果が実施例7と同等であったが、反射層の焼成時の収縮によるダメージのため、評価2の結果は、実施例7より低かった。
以上のように、本発明の太陽電池モジュールは、反射層により、導電性反射膜の小面積化、薄膜化による導電性反射膜からの光の漏れ出しを抑制して、光電変換層に戻る光の量を多くし、かつ、導電性反射膜の小面積化により光電変換層へのダメージを軽減することにより変換効率を向上させることができる。
1、10 太陽電池モジュール
1a 予め、透明電極層、光電変換層、および透明導電膜が、この順に形成された基板
1b 1a上に銀微粒子分散液が塗布された基板
1c 1a上に導電性反射膜が形成された基板
11−1、101−1 第1太陽電池
11−2、101−2 第2太陽電池
12、102 基板
13−1、103−1 第1太陽電池の透明電極層
13−2、103−2 第2太陽電池の透明電極層
14−1、104−1 第1太陽電池の光電変換層
14−2、104−2 第2太陽電池の光電変換層
15−1、105−1 第1太陽電池の透明導電膜
15−2、105−2 第2太陽電池の透明導電膜
16−1、106−1 第1太陽電池の導電性反射膜
16−1A 第1太陽電池の光電変換層上に形成された第1太陽電池の導電性反射膜
16−1b 第1太陽電池の光電変換層上の銀微粒子分散液の塗膜
16−2、106−2 第2太陽電池の導電性反射膜
16−2A 第2太陽電池の光電変換層上に形成された第2太陽電池の導電性反射膜
16−2b 第2太陽電池の光電変換層上の銀微粒子分散液の塗膜
17−1 第1太陽電池の反射層
17−2 第2太陽電池の反射層
107 反射層
20、30 太陽電池
22、32 基板
23、33 透明電極層
24、34 光電変換層
25、35 透明導電膜
26、36 導電性反射膜
26a、36a 銀微粒子焼結体
26b 導電性反射膜が形成されていない部分
36c 空隙
27、37 反射層
27a、37a 粉末
40、50 太陽電池モジュール
41−1、51−1 第1太陽電池
41−2、51−2 第2太陽電池
42、52 基板
43−1、53−1 第1太陽電池の透明電極層
43−2、53−2 第2太陽電池の透明電極層
44−1、54−1 第1太陽電池の光電変換層
44−2、54−2 第2太陽電池の光電変換層
46−1、56−1 第1太陽電池の導電性反射膜
46−1A 第1太陽電池の光電変換層上に形成された第1太陽電池の導電性反射膜
46−2、56−2 第2太陽電池の導電性反射膜
46−2A、56−2A 第2太陽電池の光電変換層上に形成された第2太陽電池の導電性反射膜
W1、W2 導電性反射膜の幅
P1、P2 導電性反射膜のピッチ
60 太陽電池モジュール
61 太陽電池
62 基板
63 透明電極層
64 光電変換層
66 導電性反射膜
66A 光電変換層上に形成された導電性反射膜
68 集電膜
110、210 太陽電池
120、220 基板
130、230 透明電極層
140、240 光電変換層
150、250 透明導電膜
160、260 導電性反射膜
160a、260a 銀微粒子焼結体
160b 導電性反射膜が形成されていない部分
260c 空隙260c
1a 予め、透明電極層、光電変換層、および透明導電膜が、この順に形成された基板
1b 1a上に銀微粒子分散液が塗布された基板
1c 1a上に導電性反射膜が形成された基板
11−1、101−1 第1太陽電池
11−2、101−2 第2太陽電池
12、102 基板
13−1、103−1 第1太陽電池の透明電極層
13−2、103−2 第2太陽電池の透明電極層
14−1、104−1 第1太陽電池の光電変換層
14−2、104−2 第2太陽電池の光電変換層
15−1、105−1 第1太陽電池の透明導電膜
15−2、105−2 第2太陽電池の透明導電膜
16−1、106−1 第1太陽電池の導電性反射膜
16−1A 第1太陽電池の光電変換層上に形成された第1太陽電池の導電性反射膜
16−1b 第1太陽電池の光電変換層上の銀微粒子分散液の塗膜
16−2、106−2 第2太陽電池の導電性反射膜
16−2A 第2太陽電池の光電変換層上に形成された第2太陽電池の導電性反射膜
16−2b 第2太陽電池の光電変換層上の銀微粒子分散液の塗膜
17−1 第1太陽電池の反射層
17−2 第2太陽電池の反射層
107 反射層
20、30 太陽電池
22、32 基板
23、33 透明電極層
24、34 光電変換層
25、35 透明導電膜
26、36 導電性反射膜
26a、36a 銀微粒子焼結体
26b 導電性反射膜が形成されていない部分
36c 空隙
27、37 反射層
27a、37a 粉末
40、50 太陽電池モジュール
41−1、51−1 第1太陽電池
41−2、51−2 第2太陽電池
42、52 基板
43−1、53−1 第1太陽電池の透明電極層
43−2、53−2 第2太陽電池の透明電極層
44−1、54−1 第1太陽電池の光電変換層
44−2、54−2 第2太陽電池の光電変換層
46−1、56−1 第1太陽電池の導電性反射膜
46−1A 第1太陽電池の光電変換層上に形成された第1太陽電池の導電性反射膜
46−2、56−2 第2太陽電池の導電性反射膜
46−2A、56−2A 第2太陽電池の光電変換層上に形成された第2太陽電池の導電性反射膜
W1、W2 導電性反射膜の幅
P1、P2 導電性反射膜のピッチ
60 太陽電池モジュール
61 太陽電池
62 基板
63 透明電極層
64 光電変換層
66 導電性反射膜
66A 光電変換層上に形成された導電性反射膜
68 集電膜
110、210 太陽電池
120、220 基板
130、230 透明電極層
140、240 光電変換層
150、250 透明導電膜
160、260 導電性反射膜
160a、260a 銀微粒子焼結体
160b 導電性反射膜が形成されていない部分
260c 空隙260c
Claims (2)
- 基板に形成された;
透明電極層、
光電変換層、
透明導電膜、
銀微粒子焼結体を含み、光電変換層上の面積が、光電変換層の面積の10〜70%である導電性反射膜、ならびに
酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末と、バインダーとを含み、厚さが0.1〜10μmである反射層を、この順に有する、
第1太陽電池および第2太陽電池を備え;
第1太陽電池の導電性反射膜が、第2太陽電池の透明電極層と接続されている
ことを特徴とする、太陽電池モジュール。 - 基板に、予め、第1太陽電池および第2太陽電池の、透明電極層、光電変換層および透明導電膜を、この順に形成し、
(A)銀微粒子を含む銀微粒子分散液を、湿式塗工法により塗布し、第1太陽電池および第2太陽電池の透明導電膜上の銀微粒子分散液の塗膜の面積を、それぞれ、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換層の面積の10〜70%にし、かつ第1太陽電池の銀微粒子分散液の塗膜を、第2太陽電池の透明電極層と接続させた後、焼成して、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜を形成する工程、
(B)さらに、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜が形成されていない透明導電膜上と、第1太陽電池および第2太陽電池の導電性反射膜上とに、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウムおよび炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である粉末、ならびにバインダーを含む粉末分散液を、湿式塗工法により塗布した後、焼成して、厚さが0.1〜10μmの反射層を形成する工程、
を、この順に含むことを特徴とする、請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012233470A JP2014086521A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012233470A JP2014086521A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014086521A true JP2014086521A (ja) | 2014-05-12 |
Family
ID=50789320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012233470A Pending JP2014086521A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014086521A (ja) |
-
2012
- 2012-10-23 JP JP2012233470A patent/JP2014086521A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5979211B2 (ja) | 電極形成用組成物及び該組成物を用いた電極の形成方法 | |
WO2008047641A1 (fr) | Composition pour former une électrode et procédé pour former l'électrode à l'aide de la composition | |
JP2012178507A (ja) | 接合用積層体および接合体 | |
JP2012216814A (ja) | 薄膜太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP6065419B2 (ja) | 薄膜太陽電池用積層体、及びこれを用いる薄膜太陽電池の製造方法 | |
JP2011222953A (ja) | 透明導電膜形成用組成物及び太陽電池用の複合膜の形成方法並びに該方法により形成された複合膜 | |
JP5893251B2 (ja) | 太陽電池用複合膜の製造方法 | |
JP2014086521A (ja) | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 | |
JP2013179174A (ja) | 太陽電池用複合膜、およびその製造方法 | |
JP2013149645A (ja) | 太陽電池の透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2012094830A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2012190856A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2012151387A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2012009840A (ja) | 太陽電池用の複合膜の形成方法及び該方法により形成された複合膜 | |
JP5407989B2 (ja) | 太陽電池用複合膜の形成方法 | |
JP5948936B2 (ja) | 導電性反射膜の製造方法 | |
JP2012209525A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2012094828A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP6021041B2 (ja) | スーパーストレート型薄膜太陽電池の透明導電膜の製造方法 | |
JP2012151388A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2011192802A (ja) | 太陽電池の製造方法 | |
JP2012094831A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2011192804A (ja) | 太陽電池の製造方法 | |
JP2012094832A (ja) | 太陽電池向け透明導電膜用組成物および透明導電膜 | |
JP2011192799A (ja) | 太陽電池の製造方法 |