JP2014086443A - 静止誘導電器及びその製造方法 - Google Patents

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Hiroshi Takano
啓 高野
Kiyokatsu Akimoto
清克 秋元
Shinichiro Abe
真一郎 阿部
Zi Min
子 閔
Masami Sugihara
正己 杉原
Sueyoshi Mizuno
末良 水野
Shinichi Noda
伸一 野田
Takashi Iwabuchi
隆 岩渕
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Abstract

【課題】静止誘導電器の防音性、生産性及び耐久性を向上させる。
【解決手段】静止誘導電器は、筐体としてのタンク1、防音パネル3及び複数の振動絶縁板7,8を備えている。筐体は、巻線及び鉄心を含む磁気回路を収容している。防音パネルは、筐体に対して固定されている。複数の振動絶縁板は、金属製の薄板から構成され、筐体と防音パネルとの固定部分に介在されている。
【選択図】図1B

Description

本発明の実施形態は、静止誘導電器及びその製造方法に関する。
変圧器やリアクトルなどの静止誘導電器は、稼働時の騒音を低減させるために例えば鋼板製の防音パネルなどが取付けられることがある。この種の防音パネルは、静止誘導電器の側面の上下方向に積み重ねて配置される場合や、横方向に並べて静止誘導電器を囲うようにして配置される場合などがある。
防音パネルは、例えばボルトによる締結や溶接などによって静止誘導電器に固定される。また、防音パネルどうしの間は、溶接により密着させる、ボルトにより締結する、又は当て板を当てる、などの手法によって隙間が生じないように処理される。さらに、グラスウールなどの吸音材を防音パネルに取り付ける場合もある。
静止誘導電器の防音における重要な要素の一つに、振動の伝達の抑制がある。静止誘導電器から発生する振動は、防音パネルを取り付けた構造部分を介して防音パネルに伝播される。伝播された振動は、防音パネル自体を振動させ、騒音を発生させる。つまり、防音パネル自体の防音性能を改善し、さらに静止誘導電器から発生する騒音を抑制できたとしても、防音パネルへの振動の伝達を抑制しない限りは、伝達された振動が要因となって防音パネル自体が騒音を発生させるため、十分な防音効果を得ることができない。
そこで、静止誘導電器と防音パネルとの接合部分や防音パネルどうしの接合部分に、振動の伝播を防ぐための防振ゴムを介在させることがある。また、防音パネルに制振鋼板を適用することで、防音パネル自体の振動を抑制することもある。さらには、静止誘導電器の筐体であるタンクの補強リブに防振レールを取り付け、この防振レールに制振鋼板製の防音パネル、及び防振ゴムをはめ込むことで、工数の低減と振動の伝播の抑制とを両立させる技術なども知られている。
特開平9−106921号公報
以上に例示した防音構造は、いずれも工作性、作業性及び防音性に優れている。しかしながら、これらの防音構造は、振動の伝播を防止するために防振ゴムを使用しており、耐久性や耐熱性の面で課題を抱えている。例えば防音パネルの表面には、油の配管やコンサベータなどの重量物が取付けられる場合がある。しかしながら、一般に、防振ゴムは、これらの重量物の荷重に耐え得る性能を有してないため、重量物を支えるための別の構造が必要となる。
本発明が解決しようとする課題は、防音性や生産性に加え、耐久性をも向上させることができる静止誘導電器及びその製造方法を提供することである。
実施の形態の静止誘導電器は、筐体、防音パネル及び複数の振動絶縁板を備えている。筐体は、巻線及び鉄心を含む磁気回路を収容している。防音パネルは、筐体に対して固定されている。複数の振動絶縁板は、金属製の薄板から構成され、筐体と防音パネルとの固定部分に介在されている。
第1の実施形態に係る静止誘導電器の防音機構を一部断面で示す正面図。 図1AのA部詳細図。 図1Aの静止誘導電器を対象とした1自由度の振動系モデルを示す図。 図1Aの静止誘導電器において振動数比と力の伝達率との関係を示す図。 第2の実施形態に係る静止誘導電器が備えた防音機構を示す斜視図。 第3の実施形態に係る静止誘導電器の防音機構を一部断面で示す正面図。 図5AのB部詳細図。 第4の実施形態に係る静止誘導電器の防音機構を一部断面で示す平面図。 図6AのC部詳細図。 第5の実施形態に係る静止誘導電器の防音機構を正面方向からみた断面図。
以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
図1Aに示すように、この実施形態に係る静止誘導電器10は、例えば発電所や変電所で用いられる変圧器である。静止誘導電器10は、例えば四角錐台とその底部側に配置される直方体とを組み合わせた形状を有するタンク1を筐体として備えている。タンク1の形状は、前記の形状に代えて、上面全体が平坦な直方体状に構成されていてもよい。
タンク1は、例えば絶縁媒体を内部に充填する際に真空引きされた状態になるため、図1A、図1Bに示すように、当該タンク1本体の外形部分における側面1aの上部側及び下部側には、リブ状の補強部材(補強ビーム)2a、2bが溶接などによって接合されている。
図1Aに示すように、タンク1内には、巻線(コイル)、鉄心、ヨークなどを含む磁気回路(コイルユニット)1bが絶縁媒体と共に収容されている。絶縁媒体としては、SF6ガスなどに代表される絶縁ガスや、鉱油、シリコン油などの絶縁油が適用されている。このようなタンク1は、発電所や変電所内の基礎上に設置されている
ここで、静止誘導電器10は、その稼働時において、タンク1内の磁気回路1bが励磁されて振動するため、このときの振動音がタンク1から発生する。そこで、この振動音を抑制するために、静止誘導電器10には、図1A、図1Bに示すように、防音機構9が設けられている。この防音機構9は、防音パネル3、吸音材6、振動絶縁板7、8、締結部材5を備えている。
図1A、図1Bに示すように、防音パネル3は、吸音材6を挟んでタンク1と対向する状態で当該タンク1に対して固定されている。具体的には、平面方向からみて矩形状のタンク1における4つの側面1aに対し、4枚の防音パネルが、それぞれ吸音材6を挟んで対向する状態で固定されることによって防音壁が構成される。
複数の振動絶縁板7及び複数の振動絶縁板8は、それぞれが互いに積層された状態で、図1Bに示すように、タンク1と防音パネル3との固定部分12に介在されている。締結部材5は、補強部材2a(又は2b)との間で、複数の振動絶縁板7、8と共に防音パネル3を締結する。複数の振動絶縁板8は、締結部材5と防音パネル3との間に介在されている。一方、複数の振動絶縁板7は、防音パネル3と補強部材2a(又は2b)との間にそれぞれ介在されている。
より具体的には、振動絶縁板7、8は、厚さ0.4mm程度の鉄板や鋼板などの金属製の薄板で構成されている。例えば50枚〜100枚の振動絶縁板7又は振動絶縁板8を、積層した状態のものが、上記した部材間にそれぞれ介在されている。
吸音材6は、グラスウールやロックウールなどを主要な材料として構成されている。図1A、図1Bに示すように、吸音材6は、防音パネル3におけるタンク1の側面1aと対向する側の面(内側面)に取り付けられている。
防音パネル3は、タンク1の側面1aから放出された音が、防音パネル本体を透過するときの透過損失によって、騒音を低減させる金属製の遮音板である。また、防音パネル3は、防音パネル3本体の上端部分と下端部分とを直角に折り曲げた曲げ部3a、3bを有している。
締結部材5は、ボルト5a及びナット5bを有している。補強部材2a、2b、振動絶縁板7、8及び防音パネル3(曲げ部3a、3b)のそれぞれには、ボルト5aを通すための貫通穴、又は、縁部に開口するU字状の挿入穴が形成されている。図1Bに示すように、ボルト5aは、前記の貫通穴や挿入穴を介して、下から順に補強部材2b、積層状態の振動絶縁板7、防音パネル3の曲げ部3b、積層状態の振動絶縁板8を通って、ナット5bと締結されている。
積層した状態で介在された振動絶縁板7、8は、補強部材2b側から防音パネル3側への振動の伝播と、(ボルト5a及び)ナット5b側から防音パネル3側への振動の伝播と、を抑制することが可能となる。詳細には、積層された振動絶縁板どうしの間には、空気層が介在されることになり、主にこの空気層によって振動の伝播を抑えることが可能となる。
なお、上述したボルト5aとナット5bとのレイアウトは、上下逆の位置関係であってもよい。また、タンク1の上部の補強部材2a側にも、図1Bに示した補強部材2b側と同様の防音機構が設けられている。さらに、タンク1における4つの側面のうちの他の3つの側面においても、図1A、図1Bに示した防音機構9と同様の防音機構が設けられている。
ここで、静止誘導電器10の振動周波数は、電源周波数の2倍を基本周波数として、その倍調波となることが多い。つまり、電源周波数が50Hzの場合、発生する振動の周波数(振動発生周波数)は、50Hzの倍数の100Hz、200Hz、300Hz…となり、電源周波数が60Hzの場合、振動発生周波数は、60Hzの倍数の120Hz、240Hz、360Hz…となる。静止誘導電器10は、時間、環境の温度、湿度が変わっても、振動発生周波数の変化がほとんどない。したがって、振動絶縁板7、8の積層枚数及び振動絶縁板7、8に対する締結力(面圧)を予め調整しておくことで、良好な防振及び防音効果を得ることができる。
ここで、図1B、図2に示すように、振動体の質量をm、変位をx、振幅をX0、上記した振動発生周波数をf、積層状態の振動絶縁板7、8のバネ定数をk、減衰定数をc、角周波数をω、外力に対する位相遅れをφ、振動絶縁板7、8と防音パネル3とを合わせた系の振動周波数をfO、この系の固有振動数をfn(前記振動発生周波数の約50%以下とする)、固有角振動数をωn=2πfnとすると、タンク1の補強部材2bに伝達される伝達力(の振幅)FTは、次の式1で表される。
Figure 2014086443
伝達力(の振幅)FTと外力F0(の振幅)との比で求まる力の伝達率τは、下記の式2によって表現される。
Figure 2014086443
式2において、減衰係数ζ、振動数比(角周波数比)λ、固有振動数fnは、それぞれ、次の式3、式4、式5によって表される。
Figure 2014086443
Figure 2014086443
Figure 2014086443
図3は、図1A、図1Bに示した静止誘導電器10を対象として、固有振動数fnを50Hzで正規化(規格化)したときの、振動数比λと力の伝達率τとの関係を、互いに異なる減衰係数ζ毎に表した図である。図3からわかるように、振動の減衰効果が良好に得られるτ<1となる条件は、下記の式6を満足する場合である。
Figure 2014086443
つまり、静止誘導電器10では、振動絶縁板7、8の積層枚数及び振動絶縁板7、8に対する締結力(面圧)を、上記の式6の条件を満たすように適宜調整することで、タンク1側から防音パネル3側への振動の伝播が抑制され、十分な防音性能を期待できる。また、静止誘導電器10では、振動絶縁板7、8が金属材料で構成されているので、防振ゴムなどとは異なり、防音パネル3を支持するのに十分な機械的強度(剛性)を確保することができる。
既述したように、本実施形態の静止誘導電器10は、薄い金属板(振動絶縁板7、8)を積層した、ごく簡易な構造によって、タンク1から防音パネル3への振動の伝播を抑えることができる。これにより、静止誘導電器10では、防音パネル3の振動が要因となる騒音の発生を抑制できると共に、低コストで良好な組立性が得られ、しかも防振及び防音性能を高めることができる。
また、本実施形態の静止誘導電器10では、防音パネル3の固定に制振鋼板や防振ゴムを使用する必要性がなく、さらに、防音パネル3に重量物を固定する場合などに特別な補強措置を講じることも不要である。このため、静止誘導電器自体の構造が簡易となって、製作性が向上し、製造コストを削減することができる。したがって、本実施形態の静止誘導電器10によれば、防音性、耐久性及び生産性を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施形態を図4に基づき説明する。なお、図4において、図1A、図1Bに示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
この実施形態に係る静止誘導電器は、第1の実施形態に係る静止誘導電器10の防音機構9に代えて、図4に示すように、防音機構19を備えている。防音機構19は、防音機構9が有する構成に加え、挟持板14をさらに備えている。挟持板14は、図4に示すように、締結部材5と防音パネル3との間に介在されて、複数の振動絶縁板8を防音パネル3との間で挟持する。
具体的には、挟持板14には、締結部材5のボルト5aを通すための貫通穴、又は、縁部に開口するU字状の挿入穴が形成されている。挟持板14は、ボルト5aを通しつつ、複数の振動絶縁板8と締結部材5のナット5bとの間で締結されている。挟持板14の外形は、振動絶縁板8と同じサイズ、若しくはわずかに大きいサイズで構成されている。なお、防音パネル3と曲げ部3bも、振動絶縁板8と同じサイズ、若しくは、わずかに大きいサイズで構成されている。
ここで、第1の実施形態で述べたように、振動絶縁板7及び振動絶縁板8による減衰効果を得るためには、振動絶縁板7及び振動絶縁板8の各積層枚数と、締結部材5のボルト5a、ナット5bによる補強部材2bなどを介した振動絶縁板7及び振動絶縁板8に対する締結力と、を調整し、第1の実施形態で説明した式6を満足させる必要がある。
つまり、締結部材5のナット5bの表面から振動絶縁板8の一部分に締結力が加わる状態では、振動絶縁板8の全表面に対する各部の締結力が不均一になり、振動絶縁板8全体を対象としたバネ定数k及び減衰定数cの調整(上記式6のλの調整)が困難となる。そこで、振動絶縁板8とナット5bとの間に挟持板14を介在させることで、ボルト5a及びナット5bによる締結力を振動絶縁板8の全面に均一かつ確実に与えることができる。
したがって、本実施形態の静止誘導電器では、それぞれ積層された状態の振動絶縁板7及び振動絶縁板8の双方から確実に振動絶縁効果を得ることができる。これにより、タンク1から防音パネル3への振動の伝播を抑制できる結果、防音パネル3の振動に起因する騒音の発生を抑えることができ、低コストで組立性が良く、防音性能の高い静止誘導電器を構成することができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施形態を図5A、図5Bに基づき説明する。なお、図5A、図5Bにおいて、図1A、図1B、図4に示した第1、2の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
この実施形態に係る静止誘導電器は、第2の実施形態の防音機構19に代えて、図5A、図5Bに示すように、防音機構29を備えている。防音機構29は、防音パネル23及び防音パネル3を、タンク1における上面1cと側面1aとにそれぞれ対向する状態でタンク1の上部側の補強部材2aに固定する。
図5Bに示すように、タンク1の上面1cは、第1の実施形態でも説明したようにタンク1の上部を構成している例えば四角錐台の傾斜面である。防音パネル23は、吸音材26を挟んでタンク1の上面(傾斜面)1cと対向する状態で当該タンク1に対して固定されている。具体的には、タンク1の4つの上面1cに対し、4枚の防音パネル23が、それぞれ吸音材26を挟んで対向する状態で、タンク1に対して固定されている。
防音パネル23は、防音パネル23本体の少なくとも一端部を折り曲げた曲げ部23aを有している。防音パネル23及び吸音材26は、防音パネル3及び吸音材6と同一の材料で構成されている。タンク1における4つの側面1aに対し、4枚の防音パネル3は、それぞれ吸音材6を挟んで対向する状態で、タンク1の補強部材2a、2bに固定されている。
締結部材5は、複数の振動絶縁板7、8と共に補強部材2aを挟むようにして、タンク1の上面1cに対向する防音パネル23、及びタンク1の側面1aに対向する防音パネル3を締結する。防音パネル23の曲げ部23aにも、ボルト5aを通すための貫通穴、又は、縁部に開口するU字状の挿入穴が形成されている。図5Bに示すように、ボルト5aは、前記の貫通穴や挿入穴を介して、下から順に防音パネル3の曲げ部3a、積層状態の振動絶縁板7、補強部材2a、積層状態の振動絶縁板7、防音パネル23の曲げ部23a、積層状態の振動絶縁板8、挟持板14を通って、ナット5bと締結されている。
詳述すると、図5Bに示すように、複数の振動絶縁板7は、タンク1の側面1aに対向する防音パネル3(曲げ部3a)と補強部材2aとの間に介在されている。さらに、複数の振動絶縁板7は、タンク1の上面1cに対向する防音パネル23(曲げ部23a)と補強部材2aとの間に介在されている。
一方、複数の振動絶縁板8は、図5Bに示すように、タンク1の上面1cに対向する防音パネル23(曲げ部23a)若しくはタンク1の側面1aに対向する防音パネル3(曲げ部3a)と、締結部材5(ナット5b)と、の間に、挟持板14を挟んで介在されている。本実施形態では、複数の振動絶縁板8が、防音パネル23(曲げ部23a)と締結部材5(ナット5b)との間に介在された構成を例示しているが、これに代えて、複数の振動絶縁板8は、防音パネル3(曲げ部3a)と締結部材5(ボルト5a)との間に介在された構成であってもよい。
本実施形態の静止誘導電器は、タンク1の側面1a及び上面1c、並びに側面1aと上面1cとの境界部分に対し、積層状態の振動絶縁板7、8にて振動の伝播が抑制された防音パネル3、23を設置しているため、高い防音性能を得ることができる。具体的には、図5Bに示すように、タンク1の補強部材2aから防音パネル3、23への振動の伝達は、複数の振動絶縁板7により低減される。さらに、補強部材2a及び締結部材5(ボルト5a及びナット5b)から防音パネル3、23への振動の伝達は、複数の振動絶縁板8により低減される。
既述したように、本実施形態の静止誘導電器によれば、タンク1の上面1cと側面1aとの境界部分をも覆える防音機構29を備えることで、製作コストを抑えつつ防音性能をより高めることができる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施形態を図6A、図6Bに基づき説明する。なお、図6A、図6Bにおいて、図1A、図1B、図4、図5A、図5Bに示した第1〜3の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
この実施形態に係る静止誘導電器は、第3の実施形態の防音機構29の構成に加え、図6A、図6Bに示すように、複数の振動絶縁板38、例えば4枚の防音パネル接合板33及び締結部材(第2の締結部材)35を含む防音機構39を備えている。ここで、第1〜3の実施形態で説明したように、タンク1は、図6Aに示すように、平面方向からみて矩形状に構成されている。4枚の防音パネル3は、タンク1における4つの側面1aに対し、それぞれ吸音材6を挟んで対向する状態で固定されている。
振動絶縁板38は、振動絶縁板7、8と同一の材料で構成されている。防音パネル接合板33は、図6Bに示すように、タンク1の角部1dを介して隣り合う防音パネル3どうしの隙間(防音パネル3の辺部の間隙)を塞ぐように当該隣り合う防音パネル3どうしの間に外側から架け渡されている。防音パネル接合板33は、防音パネル3、23と同一の材料で構成されている。防音パネル接合板33は、平面方向からみて、当該防音パネル接合板33本体の一端部及び他端部をそれぞれ折り曲げた曲げ部33a、33bを有している。
締結部材35は、タンク1を補強する補強部材(例えば補強部材2a、2bとは異なる位置に設けた補強部材)との間で、積層状態の複数の振動絶縁板38と共に防音パネル3及び防音パネル接合板33を締結する。締結部材35は、立込みボルト35a及びナット35bを有している。防音パネル接合板33の曲げ部33a、33b、振動絶縁板38、及び防音パネル3には、立込みボルト35aを通すための貫通穴、又は、縁部に開口するU字状の挿入穴が形成されている。なお、前述した第1〜第3の実施形態も同様であるが、後者のU字状の挿入穴を適用した場合、前者の貫通穴を適用する場合と比べて、各部材を位置決めつつ、ボルトを通す際の作業性を高めることが可能である。
図6Bに示すように、立込みボルト35aは、前記の貫通穴や挿入穴を介し、ナット35b側から順に、防音パネル接合板33(曲げ部33a又は33b)、積層状態の振動絶縁板38、防音パネル3を通って締結されている。
複数の振動絶縁板38は、防音パネル3と防音パネル接合板33との間、及び、防音パネル接合板33と締結部材(第2の締結部材)35のナット35bとの間、の少なくとも一方にも介在されている。本実施形態では、図6Bに示すように、複数の振動絶縁板38が、防音パネル3と防音パネル接合板33との間に介在された構成を例示しているが、これに代えて、複数の振動絶縁板38は、防音パネル接合板33と締結部材35のナット35bとの間に介在された構成であってもよい。さらに、これに代えて、複数の振動絶縁板38は、防音パネル3と防音パネル接合板33との間、及び、防音パネル接合板33とナット35bとの間、の双方に介在されるものであってもよい。
本実施形態の静止誘導電器では、積層状態の複数の振動絶縁板38により、タンク1側から防音パネル接合板33側への振動の伝播を防止することができる。また、本実施形態の静止誘導電器では、タンク1の角部1dにおける隣り合う防音パネル3どうしの隙間を防音パネル接合板33で覆うので、タンク1の角部1dからの騒音の漏れを防止することができる。
既述したように、本実施形態の静止誘導電器は、タンク1において隣り合う側面1aどうしの角部(境界部分)1dに対しても、振動絶縁板38にて振動の伝播が抑制された防音パネル接合板33を隙間なく設置しているので、防音性能のさらなる向上を図ることができる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施形態を図7に基づき説明する。なお、図7において、図1A、図1Bに示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
この実施形態に係る静止誘導電器は、第1の実施形態の防音機構9に代えて、図7に示すように、防音機構49を備えている。防音機構49は、レール42b及び複数の振動絶縁板47を備えている。また、防音機構49は、防音機構9が備えていた防音パネル3に代えて、防音パネル43を備えている。防音パネル43は、防音パネル3の曲げ部3bに代えて、曲げ部3bとは逆方向に曲げられた曲げ部43bを有している。
レール42bは、図7に示すように、タンク1の外形部分に接合されていると共に防音パネル43をはめ込むためのものである。複数の振動絶縁板47は、互いが積層された状態で、レール42bと防音パネル43の曲げ部43bとの間に介在されている。レール42bは、タンク1の4つの側面1aの全てに設けられている。なお、図7に示すように、防音パネル43の底部側に配置されるレール42bを含む防音機構に加え、同様の構造のレールを含む防音機構が、例えば、防音パネル43の上部側にも設けられている。前記のタンク1の4つの側面1aは、吸音材6の取り付けられた防音パネル43によって覆われている。なお、レール42bは、図7に示すように、タンク1の外形部分に直接接合されていてもよいし、タンク1を補強する補強部材2bに接合されていてもよい。
タンク1側から防音パネル43側への振動の伝達を低減するための、防音パネル43とレール42bとの間の面圧の最適化は、防音パネル43及び吸音材6の重量を支持する振動絶縁板47の上面(曲げ部43bを支持する面)の面積を適宜調整することによって実施する。防音パネル43を支持する面の面積を適宜調整した振動絶縁板47を適用することで、振動絶縁板47に加わる面圧の均一化及び最適化を図ることができる。また、タンク1の側面1aにおける補強部材2bの有無に関係なく防音パネル3を設置できるため、タンク1の全ての側面1aを防音パネル43で覆うことができる。
このように、本実施形態の静止誘導電器では、振動絶縁板47に加わる面圧の均一化及び最適化を図ることができるため、使用する振動絶縁板47の枚数などを削減でき、これにより、製作コストを低減することが可能となる。また、本実施形態の静止誘導電器では、タンク1に取付けたレール42bに、防音パネル43及び複数の振動絶縁板47をはめ込むといった簡易な組立作業で防音機構49を構成できるため、防音機構49の組立工数を削減することができる。したがって、本実施形態の静止誘導電器によれば、防音性や耐久性に加え、生産性をも向上させることができる。
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施形態を説明する。第6の実施形態では、前述した第1〜第5の実施形態に係る静止誘導電器の製造方法を説明する。具体的には、第1の実施形態に係る静止誘導電器10を例にとり、振動絶縁板7、8の積層枚数及び振動絶縁板7、8に対する締結力(面圧)の調整方法について説明する。
つまり、上述した積層枚数及び締結力を第1の実施形態で説明した式6の条件を満足するように適正な値にする必要があるが、これらの値は、静止誘導電器10の製作誤差やタンク1の製作時の溶接による歪みなどの影響を受けるため、静止誘導電器10を設計したときの設計値に対して誤差が生じることになる。
そこで、静止誘導電器10の組立時に防音パネル3に振動を付与して、防音パネル3側から補強部材2a、2b側へ伝わる振動の伝播の状況を振動センサにより測定することで、振動発生周波数fに対しての、実機(組立時の静止誘導電器10)における力の伝達率τと固有振動数f1を検出する。この際、検出された固有振動数f1が、設計値のfnと異なる場合、力の伝達率τ1も設計値のτとは一致せず、設計時に推定した振動低減効果が得られない可能性がある。
力の伝達率(振動の減衰率)τを決定する要因として、第1の実施形態で説明した式2、3、5で説明した固有振動数fn及び減衰係数ζがある。ここで、振動絶縁板7、8のばね定数kを決定する要因として支配的なものは、積層状態の振動絶縁板どうしの間に存在する空気層の厚さt及び空気層の数nである。空気層1つ分のばね定数をk0とすると、振動絶縁板7、8のばね定数kは、次の式7で表される。
Figure 2014086443
また、空気層のヤング率をE、振動絶縁板7、8の平面方向の面積をSとすると、空気層1つ分のばね定数k0は、下記の式8で表される。
Figure 2014086443
つまり、振動絶縁板7、8の積層枚数を増やせば、振動絶縁板7、8のばね定数kの値は小さくなり、振動絶縁板7、8に対する締結力(面圧)を大きくすれば、空気層の厚さtが小さくなり、kの値は大きくなる。したがって、振動の伝播の状況の測定結果に応じて、振動絶縁板7、8の積層枚数及び締結力を変更し、実機の固有振動数f1を設計値の固有振動数fnに近付けることで、理想的な振動絶縁効果を有する防音機構9を構成することができる。
本実施形態における静止誘導電器の製造方法は、静止誘導電器の組立時や工場での試験時などにおいて、振動を付与した防音パネル3側から補強部材2a、2b側へ伝わる振動の伝播の状況を測定し、この測定結果に基づいて、振動絶縁板7、8の積層枚数及び振動絶縁板7、8に対する締結力を調整するものである。これにより、設計時に予測した振動絶縁効果及び防音効果を得ることができる。なお、前述した調整は、積層枚数の調整及び締結力の調整のうちの一方を行うものであってもよい
既述したように、本実施形態に係る静止誘導電器の製造方法によれば、静止誘導電器本体の製作誤差や溶接による歪みなどが生じている場合でも、複数の振動絶縁板7、8における振動の減衰性能を実質的に調整することが可能なので、これにより、低騒音化の実現された静止誘導電器を提供することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…タンク、1a…タンクの側面、1b…磁気回路、1c…タンクの上面、1d…タンクの角部、2a,2b…補強部材、3,23,43…防音パネル、5,35…締結部材、5a…ボルト、5b,35b…ナット、6,26…吸音材、7,8,38,47…振動絶縁板、9,19,29,39,49…防音機構、10…静止誘導電器、12…固定部分、14…挟持板、33…防音パネル接合板、35a…立込みボルト、42b…レール。

Claims (7)

  1. 巻線及び鉄心を含む磁気回路が収容された筐体と、
    前記筐体に対して固定された防音パネルと、
    前記筐体と前記防音パネルとの固定部分に介在され、金属製の薄板からなる複数の振動絶縁板と、
    を備える静止誘導電器。
  2. 前記筐体の外形部分に接合された補強部材と、
    前記補強部材との間で前記複数の振動絶縁板と共に前記防音パネルを締結する締結部材と、
    をさらに備え、
    前記複数の振動絶縁板は、前記締結部材と前記防音パネルとの間、及び、前記防音パネルと前記補強部材との間にそれぞれ介在されている、請求項1記載の静止誘導電器。
  3. 前記締結部材と前記防音パネルとの間に介在されて、前記複数の振動絶縁板を前記防音パネルとの間で挟持する挟持板、
    をさらに備える請求項2記載の静止誘導電器。
  4. 少なくとも2枚の前記防音パネルが、前記筐体外形における上面と側面とにそれぞれ対向する状態で固定されており、
    前記締結部材は、前記複数の振動絶縁板と共に前記補強部材を挟むようにして前記上面に対向する防音パネル及び前記側面に対向する防音パネルを締結し、
    前記複数の振動絶縁板は、前記上面に対向する防音パネルと前記補強部材との間、前記補強部材と前記側面に対向する防音パネルとの間、及び、前記上面に対向する防音パネル若しくは前記側面に対向する防音パネルと前記締結部材との間、に少なくとも介在されている、請求項2又は3記載の静止誘導電器。
  5. 前記筐体が平面方向からみて矩形状に構成されていると共に、4枚の前記防音パネルが当該筐体外形における4つの側面にそれぞれ対向する状態で固定されており、
    当該筐体の角部を介して隣り合う前記防音パネルどうしの隙間を塞ぐように当該隣り合う防音パネルどうしの間に外側から架け渡された防音パネル接合板と、
    前記補強部材との間で前記複数の振動絶縁板と共に前記防音パネル及び前記防音パネル接合板を締結する第2の締結部材と、
    をさらに備え、
    前記複数の振動絶縁板は、前記防音パネルと前記防音パネル接合板との間、及び、前記防音パネル接合板と前記第2の締結部材との間、の少なくとも一方にも介在されている、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の静止誘導電器。
  6. 前記筐体の外形部分に接合されていると共に前記防音パネルをはめ込むためのレールをさらに備え、
    前記複数の振動絶縁板は、前記レールと前記防音パネルとの間に介在されている、請求項1記載の静止誘導電器。
  7. 請求項2ないし6のいずれか1項に記載の静止誘導電器が備えた前記防音パネルに振動を付与する工程と、
    前記振動の付与された防音パネル側から前記補強部材側へ伝わる振動の伝播の状況を測定する工程と、
    前記測定された結果に基づいて、前記振動絶縁板の積層枚数及び前記振動絶縁板に対する締結力のうちの少なくとも一方を調整する工程と、
    を有する静止誘導電器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018207018A (ja) * 2017-06-07 2018-12-27 株式会社東芝 静止誘導電器

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