JP2014086332A - 配線装置、電子機器及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、信号線束を重ねた配線におけるクロストークを抑制する。
【解決手段】画像形成装置1は、その配線部71が、複数本の信号線が面状に束ねられて制御基板61と露光部33Y、33M、33C、33KのLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klを接続するFFC62Y〜62Kと、FFC62Y〜62Kの信号線の方向を合わせて面同士が重ね合わされて配設された複数のFFC62Y〜62Kの所定領域において、所定のFFC62Y〜62Kと重なり合っている少なくとも一方の該FFC62Y〜62Kとの間に配設されて該FFC62Y〜62K間におけるクロストークを抑制するクロストーク抑制構造物と、を備えている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、配線装置、電子機器及び画像形成装置に関し、詳細には、小型でかつクロストークを抑制する配線装置、電子機器及び画像形成装置に関する。
複写装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置等の画像形成装置やスキャナ装置等の画像読み取り装置を含む画像処理装置及びコンピュータやその他の家庭電気製品等の電子機器においては、小型化に伴って内部の基板間をFFC(Flexible Flat Cable:フレキシブルフラットケーブル)を用いて接続することが多くなってきており、FFCは、現在の小型化された電子機器において、その薄さと耐屈曲性が機器の小型化に大きく貢献している。
特に、電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、電子写真の光源として、複数のLED(Light Emitting Diode)が列状に配列されたLEDアレイを複数主走査方向に配列したLEDアレイヘッドが用いられることが多いが、この場合、制御基板と各LEDアレイとを接続するのに、FFCが用いられている。そして、制御基板と各LEDアレイとを接続するFFCは、LEDアレイの数に対応した数だけ制御基板からLEDアレイへの途中まで、その平らな面が重なるように重ね合わされて配設されている。すなわち、LEDアレイの配置位置が上述のように主走査方向に並んで配置されており、また、FFCは、折り数が増えると加工費用が発生するから、FFCの這い回しを効率的で安価に行って装置の小型化、低価格化を図るために、FFCは、制御基板から各FFCの対応するLEDアレイの配置位置まで、それぞれのFFCが重なり合わされた状態で這い回しされている。
また、近年、電子機器は、高速化、高精度化、例えば、画像処理装置においては、画像形成速度、画像読み取り速度及び画像処理速度の高速化、高精細化が要望され、高速化に伴って、データ転送速度も高速化してきている。
そして、重ねて這い回されたFFCは、信号の転送時に、クロストークという問題が発生する。クロストークとは、信号がワイヤ(信号線)に沿って流される(ドライブされる)たびに、ワイヤの周囲に磁界が発生して、2本のワイヤが相互に近接して配置されていると、2つのワイヤの周囲に発生する磁界が相互に作用し合い、2つのワイヤを流れる信号間にエネルギーのクロス結合が生じる現象である。
FFCは、このクロストークが発生すると、FFCを流れる信号に影響が発生して、正確なデータ転送を行う上で、支障が生じる。
そして、従来、複数本の被覆電線が帯状に一体化されてなり、開閉部側の読取部の出力信号を本体部側の制御基板に伝達するフレキシブルフラットケーブルと、複数本の被覆電線が帯状に一体化されてなり、前記本体部側読取部の出力信号を前記制御基板に伝達する本体部側フレキシブルフラットケーブルとが、前記本体部の内部において、双方の厚さ方向に重なった状態で配線される重複区間を備え、前記本体部には、前記重複区間において前記フレキシブルフラットケーブルと前記本体部側フレキシブルフラットケーブルとの接触を防止する接触防止機構が設けられている画像読み取り装置が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち、この従来技術は、重ね合わされているFFCとFFCとの間を全面に渡って接触を防止する接触防止機構を設けて、クロストークの抑制を図っている。
しかしながら、上記従来技術にあっては、FFC間を全面に渡って接触防止機構を設けているため、接触防止機構が大型化して、FFCが適用されている装置自体が大型化するとともに、価格が高くなるという問題があった。
そこで、本発明は、複数本の信号線が束ねられている信号線束を近接させて複数配設する場合に、小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の配線装置は、複数本の信号線が面状に束ねられた信号線束と、前記信号線方向を合わせて面同士が重ね合わされて配設された複数の前記信号線束の所定領域において、所定の信号線束と重なり合っている少なくとも一方の該信号線束との間に配設されて該信号線束間におけるクロストークを抑制するクロストーク抑制手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、複数本の信号線が束ねられている信号線束を近接させて複数配設する場合に、小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
本発明の一実施例を適用した画像形成装置の要部概略構成図。 画像形成装置の概略ブロック構成図。 画像形成装置の要部斜視図。 板金ボックスの裏面図。 画像形成装置の要部側面図。 クロストーク抑制構造物の第1例を示す図。 クロストーク抑制構造物の第2例を示す図。 クロストーク抑制構造物の第3例を示す図。 クロストーク抑制構造物における形状構造の第1例を示す平面図。 クロストーク抑制構造物における形状構造の第2例を示す平面図。 クロストーク抑制構造物における形状構造の第3例を示す平面図。 クロストーク抑制構造物における形状構造の第4例を示す平面図。 クロストーク抑制構造物における形状構造の第5例を示す平面図。 ヒンジを利用したクロストーク抑制構造物の一例を示す図。 ヒンジを利用したクロストーク抑制構造物の他の例を示す図。 板金ボックスの上板を利用したクロストーク構造物の第1例を示す図。 板金ボックスの上板を利用したクロストーク構造物の第2例を示す図。 板金ボックスの上板を利用したクロストーク構造物の第3例を示す図。 重なり合っているFFCを流れる信号等の説明図。 データ信号におけるクロストーク発生の説明図。 中間転写ベルトを用いた画像形成装置の要部概略構成図。
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図21は、本発明の配線装置、画像形成装置及び配線方法の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の配線装置、画像形成装置及び配線方法の一実施例を適用した画像形成装置1の要部概略構成図である。
図1において、画像形成装置1は、図示しない本体筐体内に、給紙部10、搬送ベルト機構部20、搬送ベルト機構部20に沿って配設されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の画像形成部30Y、30M、30C、30K及び定着部40等を備えており、これらの他に、図示しないが、モータ及びモータにより駆動される各部に駆動源を伝達する駆動機構部、操作表示部54(図2参照)等を備えている。
給紙部10は、給紙カセット11、給紙ローラ12、分離ローラ13及び図示しないレジストローラ等を備えている。給紙部10は、給紙カセット11内の用紙(被記録媒体)Pを、給紙ローラ12と分離ローラ13により1枚ずつ分離して、レジストローラに送り出し、レジストローラが、給紙カセット11から送られてきた用紙Pのタイミング調整を行って、用紙Pを所定のタイミングで搬送ベルト機構部20に送り出す。
搬送ベルト機構部20は、搬送ベルト21、駆動ローラ22、従動ローラ23及びガイド板24等を備えており、搬送ベルト21は、無端リング状のベルトであって、駆動ローラ22と従動ローラ23に張り渡されている。搬送ベルト機構部20は、駆動ローラ22が、図示しない制御部の制御下で図外のモータ等の駆動機構により回転駆動されることにより、図1に矢印で示す反時計方向に回転駆動される。搬送ベルト機構部20は、駆動ローラ22が反時計方向に回転駆動されることで、搬送ベルト21が、給紙部10から送り出されてきてガイド板24によって搬送ベルト21へとガイドされた用紙Pを、各色の画像形成部30Y、30M、30C、30Kに順次搬送する。搬送ベルト機構部20は、搬送される用紙Pに各色の画像形成部30Y、30M、30C、30Kで、それぞれイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像及びブラックトナー画像が順次用紙Pに重ね合わされて転写されてカラートナー画像が形成される。
各色の画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、感光体31Y、31M、31C、31Kが搬送ベルト21の搬送方向に沿って所定間隔で配設されている。各色の画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、それぞれ感光体31Y、31M、31C、31Kの周囲に、帯電部32Y、32M、32C、32K、露光部33Y、33M、33C、33K、現像部34Y、34M、34C、34K、転写部35Y、35M、35C、35K、クリーニング部36Y、36M、36C、36K及び図示しない除電部等が配設されている。
各画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、図外の駆動機構により図1中時計方向に回転駆動される感光体31Y、31M、31C、31Kを、帯電部32Y、32M、32C、32Kで一様に帯電させる。画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、露光部33Y、33M、33C、33Kから、各色の画像データで変調された書き込み光が、一様に帯電されている感光体31Y、31M、31C、31Kに照射されて静電潜像が形成される。画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、該静電潜像の形成された感光体31Y、31M、31C、31Kに、現像部34Y、34M、34C、34Kで、それぞれYMCKの各色のトナーを付着させて、各色のトナー画像を形成する。そして、画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、搬送ベルト21と感光体31Y、31M、31C、31Kとの間に上記用紙Pが搬送されると、搬送ベルト21の背面に配設された転写部35Y、35M、35C、35Kが、転写電位を付与して、感光体31Y、31M、31C、31K上のYMCK各色のトナー画像を順次用紙Pに重ねて転写させる。トナー画像の転写の完了した感光体31Y、31M、31C、31Kは、クリーニング部36Y、36M、36C、36Kで残留トナーがクリーニングされ、除電部で除電された後、再度、帯電部32Y、32M、32C、32Kで帯電されて、次の画像形成動作に供される。
上述のようにしてYMCKの各色のトナー画像が順次重ね合わされて転写されてカラー画像の形成された用紙Pは、静電的に搬送ベルト21に吸着された状態で、搬送ベルト21によりさらに搬送されて、駆動ローラ22部分で搬送ベルト21から分離されて、定着部40に搬送される。
定着部40は、定着ローラ41、加圧ローラ42及び図示しないサーミスタ、サーモスタットや定着ヒータ等を備えている。定着ローラ41と加圧ローラ42は、所定の押圧力で押圧されて、一方が回転駆動されることにより、他方が連れ回りする。定着ローラ41は、通電されることでその通電量に応じた温度に定着ローラ41を加熱する定着ヒータが内蔵されていて、該定着ヒータへの通電量が制御されることで、所定の定着温度に加熱制御される。
定着部40は、YMCKの各色が重ね合わされたカラートナー画像が転写されて、搬送ベルト21により搬送されてきた用紙Pを定着ローラ41と加圧ローラ42で加熱・加圧しつつ搬送することで、カラートナー画像を用紙Pに定着させ図示しない排紙トレイ上に排出する。
サーミスタは、定着ローラ41の近傍に配設され、定着ローラ41の表面温度を検出して、アナログの電圧値の検出温度信号を出力する。サーモスタットは、定着ローラ41の近傍であって、定着ヒータへの電力線に接続されており、所定の遮断温度以上に上昇すると、オフとなって、定着ヒータへの通電を遮断する。
上記露光部33Y、33M、33C、33Kは、例えば、それぞれYMCK各色用のLEDアレイヘッドを備えている。各色用のLEDアレイヘッドは、それぞれYMCK各色の画像データに応じてLEDが点灯制御されることで、感光体31Y、31M、31C、31Kに書き込み光を照射する。
そして、画像形成装置1は、図2に示すようにブロック構成されており、制御部50、コンピュータインターフェイス部51、作像プロセス部52、CTL53、操作表示部54、プリントジョブ管理部55、上記定着部40、画像読み取り部56、画像書き込み制御部57、ラインメモリ58及び記憶部59等を備えている。
制御部50は、画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本機能を実行するとともに、本発明の画像形成制御処理を実行する。制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、ROM内に、画像形成装置1としての基本プログラムやその他のプログラム及びこれらの各種プログラムを実行するのに必要な各種データが予め格納されている。制御部50は、CPUが、ROM内のプログラムに基づいて、RAMをワークメモリとして利用して、画像形成装置1の各部を制御して画像形成装置1としての基本処理を実行する。
コンピュータインターフェイス部51は、ネットワークを介して画像形成装置1に印刷要求と印刷データを送信するコンピュータ等の情報処理装置との間で通信を行う。
作像プロセス部52は、上記給紙部10、搬送ベルト機構部20、搬送ベルト機構部20に沿って配設されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の画像形成部30Y、30M、30C、30K等で構成され、制御部50の制御下で、上記電子写真方式によって用紙Pに画像を印刷出力する。
CTL53は、上記ネットワーク等を介して情報処理装置から送信されてきた画像データや画像読み取り部56で読み取られた画像データを制御部50に渡して、画像形成要求を行う。
操作表示部54は、画像形成装置1に印刷処理を行わせるための各種操作を行う各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備えている。操作表示部54は、操作キーから、印刷部数等の画像形成装置1を動作させるのに必要な各種命令が入力操作され、ディスプレイに、操作キーで入力された各種命令内容や画像形成装置1からユーザに通知する各種情報を表示する。そして、操作表示部54は、操作内容を制御部50に出力し、また、制御部50の制御下で、ディスプレイに上記各種情報を表示する。
プリントジョブ管理部55は、画像形成装置1に要求される印刷要求と印刷データを印刷ジョブとして受け付けて該印刷ジョブの順番等を管理し、印刷実行管理を行う。
定着部40は、上述のように、作像プロセス部52でトナー画像の転写された用紙Pを加熱・加圧しつつ搬送して、トナー画像を用紙Pに定着させる。
画像読み取り部56は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を利用したラインイメージセンサ等が用いられており、一般にADF(Auto Document Feeder)を備えている。ADFには、複数枚の原稿がセットされ、ADFは、セットされた原稿を1枚ずつ画像読み取り部56の原稿読取位置に送給する。画像読み取り部56は、ADFから搬送されてきた原稿を走査し、原稿の画像を所定の解像度で読み取って、制御部50に出力する。
画像書き込み制御部(制御手段)57は、CTL53から送信された画像データを、作像プロ制御部部52の露光部33Y、33M、33C、33Kの各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl(図3、図5参照)に設けられているLEDを発光させるための露光信号(画像信号)に変換し、LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klの各LEDを個別に点灯制御する。
ラインメモリ58は、CTL53から送信されてきた画像データを、ライン単位で一時的に格納するバッファであり、画像書き込み制御部57によって、画像処理におけるスキュー量を調整するのに使用される。
記憶部59は、不揮発性メモリ等で構成され、画像形成装置1を動作させるためのパラメータ等を記憶する。
そして、画像形成装置1は、上記制御部50、コンピュータインターフェイス部51、作像プロセス部52、CTL53、プリントジョブ管理部55、画像書き込み制御部57、ラインメモリ58及び記憶部59等が、図3に示すように、画像形成装置1の板金ボックス60に収納されている制御基板61に搭載されている。
この制御基板61に搭載されている画像書き込み制御部57は、図3、図4及び図5に示すFFC(信号線束)62Y、62M、62C、62Kによって、それぞれ露光部33Y、33M、33C、33KのLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klと接続されている。
各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klは、各色の画像データに基づいてそれぞれ変調された露光信号(画像信号)が入力されることで、各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klを構成する複数のLEDが点灯/消灯して、図示しない各色に対応する感光体にそれぞれ書き込み光を照射して、感光体31Y、31M、31C、31K上に静電潜像を形成する。
LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klは、主走査方向の両端位置に縦方向に配設されている一対の側板63a、63bに取り付けられており、側板63a、63bは、その下端部が底板金64に固定されている。なお、この側板63a、63bと底板金64は、一体成型されていてもよい。
また、側板63a、63b及び底板金64は、図3の左側の側端部に配設されている板金ボックス60に連結されており、板金ボックス60は、中空の箱形状に形成されている。上記側板63a、63b、底板金64及び板金ボックス60は、導電性を有する部材で形成されており、図示しない接地コード等によって接地(GNDに接続)されている。
板金ボックス60は、その内部に、上記制御基板61が収納されており、制御基板61は、板金ボックス60との間にスペーサを挟んで絶縁された状態で、取付具65によって板金ボックス60に取り付けられている。
この制御基板61と各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl、特に、制御基板61に搭載されている画像書き込み制御部57とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとは、それぞれFFC(通信線束)62Y、62M、62C、62Kで接続されており、制御基板61は、4本のFFC62Y、62M、62C、62Kを通して各色用の露光信号を、対応するLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klに出力する。なお、4本のFFC62Y、62M、62C、62Kは、板金ボックス60の上面に形成されている開口部60aを通して、板金ボックス60内に引き込まれている。FFC62Y〜62Kは、複数本の信号線が平面上に束ねられた信号線束となっている。
4本のFFC62Y、62M、62C、62Kは、図4及び図5に示すように、コネクタ66a〜66dによって制御基板61に接続されており、コネクタ66a〜66d近傍において、4本のFFC62Y、62M、62C、62Kを束ねるようにしてシールドシート67が巻かれている。
FFC62Y、62M、62C、62Kは、このシールドシート67とともに、導電性テープ68が巻きつけられており、導電性テープ68は、接地部材69に接触保持されているとともに、接地部材69が板金ボックス60に固定されることで、接地されている板金ボックス60に接続されて、接地状態となっている。
そして、FFC62Y、62M、62C、62Kは、所定幅を有した面形状を有しており、図3及び図5に示すように、対応するLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klに接続するために分岐するまでは、その面が重なり合う状態で配設されている。
ところが、FFC62Y、62M、62C、62Kは、重なり合って配設されている状態で、内部の信号線に信号が流れると、上述のように、信号の転送時に、クロストークという問題が発生する。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、重なり合っている部分の一部分(所定領域)に、図6から図8に示すように、クロストーク抑制構造物70を介在させて、クロストークの影響を抑制する。したがって、FFC62Y、62M、62C、62K及びクロストーク抑制構造物(クロストーク抑制手段)70は、全体として、配線部(配線装置)71として機能している。なお、図6から図8において、各FFC62Y、62C、62Kに付与されている矢印は、そのFFC62Y、62C、62Kが、FFC62Mに作用する電磁界(電磁波)の大きさを概略的に示している。
すなわち、画像形成装置1は、図6では、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、最も長いFFC62Yと3番目に長いFFC62Cに挟まれている2番目に長いFFC62Mの制御基板61側の一部分に入り込む状態で、クロストーク抑制構造物70aとクロストーク抑制構造物70bが配設されている。そして、FFC62Y、62M、62C、62K及びクロストーク抑制構造物70a、70bは、全体として配線部71として機能している。
したがって、FFC62Mは、クロストーク抑制構造物70aによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Yと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっており、また、クロストーク抑制構造物70bによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Cと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっている。その結果、図6に矢印で示すように、FFC62Mに作用する他のFFC62Y、62C、62Kの電磁界は、クロストーク抑制構造物70a、70bの配設されている部分において、小さく抑制されている。
また、画像形成装置1は、図7では、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、最も長いFFC62Yと2番目に長いFFC62Mの制御基板61側の一部分に入り込む状態で、クロストーク抑制構造物70cが配設されている。このクロストーク抑制構造物70cは、その長さ方向の長さが、図6のクロストーク抑制構造物70a、70bよりも長くなっている。そして、FFC62Y、62M、62C、62K及びクロストーク抑制構造物70cは、全体として配線部71として機能している。
したがって、FFC62Mは、クロストーク抑制構造物70cによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Yと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっている。その結果、図7に矢印で示すように、FFC62Mに作用するFFC62Yの電磁界は、クロストーク抑制構造物70dの配設されている部分において、小さく抑制されている。
さらに、画像形成装置1は、図8では、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、3番目に長いFFC62Yと2番目に長いFFC62Mの制御基板61側の一部分に入り込む状態で、クロストーク抑制構造物70dが配設されている。このクロストーク抑制構造物70dは、その長さ方向の長さが、図6のクロストーク抑制構造物70a、70bよりも長く、図7のクロストーク抑制構造物70cと略同じ長さである。そして、FFC62Y、62M、62C、62K及びクロストーク抑制構造物70dは、全体として配線部71として機能している。
したがって、FFC62Mは、クロストーク抑制構造物70dによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Cと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっている。その結果、図8に矢印で示すように、FFC62Mに作用する他のFFC62C、62Kの電磁界は、クロストーク抑制構造物70dの配設されている部分において、小さく抑制されている。
上記クロストーク抑制構造物70a〜70dは、他のFFC62Y〜62Kに作用する電磁界の大きさを低減させて、クロストークの影響を抑制することのできる構造、材料であれば、適宜のものを用いることができる。例えば、クロストークは、信号の流れる信号線と信号線の距離、FFC62Y〜62K相互間の距離が近いほど影響が大きいため、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、FFC62Y〜62Kの相互間の距離を所定距離空ける構造物を用いることができる。また、クロストークは、信号線、すなわち、FFC62Y〜62Kを流れる信号の電流値の大きさが大きいほど、その影響が大きいため、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、FFC62Y〜62Kを流れる信号の電流値に応じたFFC62Y〜62K間の距離を空ける構造物を用いることができる。さらに、クロストークは、信号線、すなわち、FFC62Y〜62Kを流れる信号電流によって発生する電磁界で引き起こされるため、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、電磁界を遮蔽する材料の構造物を用いることができる。
そして、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、FFC62Y〜62Kの相互間の距離を空ける構造物としては、例えば、図9から図13に示すようなものを用いることができる。クロストーク抑制構造物70a〜70dは、例えば、図9に示すように、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分全域を覆う構造物、また、図10に示すように、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域、かつ、幅方向については、FFC62Y〜62Kの幅よりも狭い幅を有する構造物を用いることができる。さらに、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、例えば、図11に示すように、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域、かつ、幅方向については、FFC62Y〜62Kの幅よりも狭い幅を有する複数(図11では、2つ)の構造物を並べたものを用いることができ、また、図12に示すように、FFC62Y〜62Kの長さ方向に所定の狭い幅を有するとともに、FFC62Y〜62Kの幅よりも短い長さを有する複数(図12では、3つ)の構造物を、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域に対して、所定間隔を空けて配置したものを用いることができる。また、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、例えば、図13に示すように、所定の半径を有する円柱状の構造物を、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域にわたって、FFC62Y〜62Kの幅方向及び長さ方向に複数(図13では、幅方向に2つ、長さ方向に3つ)配置したものを用いることができる。
上記図9から図13において、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、FFC62Y〜62Kの距離を決定する厚さが、上述のように、FFC62Y〜62Kを流れる信号の大きさ等に応じて、FFC62Y〜62K相互間のクロストークの影響を適切に低減することのできる厚さである。また、クロストーク防止構造物70a〜70dは、電磁界を低減させて、クロストークを抑制させる部材が用いられていてもよい。
そして、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、具体的な構造物としては、例えば、図14及び図15に示すように、露光部33Y、33M、33C、33K、すなわちLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klの配設されている開閉カバー80のヒンジ81を、構造物として用いている。
すなわち、図14では、画像形成装置1は、板金ボックス60の開口部60aに対応する位置のヒンジ81に、水平方向に所定長さを有する2つのスリット81a、81bが垂直方向に所定間隔空けて形成されている。画像形成装置1は、図14で、上側のスリット81aに、開口部60aを通過してきた最も長いFFC62Yが通されて、開閉カバー80内に送り込まれ、下側のスリット81bに、開口部60aを通過してきた他のFFC62M〜62Kが通されて、開閉カバー80内に送り込まれる。したがって、スリット81aとスリット81bの間のヒンジ81が、クロストーク抑制構造物70a〜70dとして機能する。
また、図15では、画像形成装置1は、図14と同様に、板金ボックス60の開口部60aに対応する位置のヒンジ81に、水平方向に所定長さを有する2つのスリット81a、81bが垂直方向に所定間隔空けて形成されている。画像形成装置1は、図15で、上側のスリット81aに、開口部60aを通過してきた最も長いFFC62Yと2番目に長いFFC62Mが通されて、開閉カバー80内に送り込まれ、下側のスリット81bに、開口部60aを通過してきた他のFFC62C、62Kが通されて、開閉カバー80内に送り込まれる。したがって、スリット81aとスリット81bの間のヒンジ81が、クロストーク抑制構造物70a〜70dとして機能する。
また、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、具体的な構造物としては、例えば、図16から図18に示すように、板金ボックス60の上板60uを、構造物として用いている。
すなわち、図16では、画像形成装置1は、板金ボックス60の上板60uに、FFC62Y〜62Kが重なり合う方向に、所定間隔開けて2つの開口部60aaと開口部60abが形成されている。
画像形成装置1は、図16では、板金ボックス60の上板60uの開口部20aaに、最も長いFFC62Yが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出され、板金ボックス60の上板60uの開口部60abに、他のFFC62M〜62Kが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出されている。
したがって、開口部20aaと開口部60abの間の板金ボックス60の上板60uが、クロストーク抑制構造物70a〜70dとして機能する。
また、図17では、画像形成装置1は、板金ボックス60の上板60uに、図16と同様に、FFC62Y〜62Kが重なり合う方向に、所定間隔開けて2つの開口部60aaと開口部60abが形成されている。
画像形成装置1は、図17では、板金ボックス60の上板60uの開口部20aaに、最も長いFFC62Yと2番目に長いFFC62Mが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出され、板金ボックス60の上板60uの開口部60abに、他のFFC62C、62Kが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出されている。
したがって、開口部20aaと開口部60abの間の板金ボックス60の上板60uが、クロストーク抑制構造物70a〜70dとして機能する。
さらに、図18では、画像形成装置1は、板金ボックス60の上板60uに、FFC62Y〜62Kが重なり合う方向に、所定間隔開けて3つの開口部60aa、開口部60ab、開口部60acが形成されている。
画像形成装置1は、図18では、板金ボックス60の上板60uの開口部20aaに、最も長いFFC62Yが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出され、板金ボックス60の上板60uの開口部60abに、2番目に長いFFC62Mが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出されている。画像形成装置1は、さらに、板金ボックス60の上板60uの開口部60acに、他のFFC62C、62Kが通されてLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Kl方向に引き出されている。
したがって、開口部20aaと開口部60abの間及び開口部60abと開口部60acの間の板金ボックス60の上板60uが、クロストーク抑制構造物70a〜70dとして機能する。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、複数本の信号線が束ねられている信号線束であるFFC62M〜62Kを近接させて複数配設する場合に、小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制する。
すなわち、画像形成装置1は、制御基板61に搭載されている画像書き込み制御部57から露光部33Y、33M、33C、33Kの各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klへ、図19に示すように、各色のデータ、制御信号、クロックCLK、及び電源等を、FFC62M〜62Kを通して送信する。また、画像形成装置1は、各色のLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとして、同一の仕様のものが用いられており、ピンアサインも同一である。したがって、重ね合わされたFFC62M〜62Kは、同種の信号が、図19に示したように、重なり合って、感光体31Y、31M、31C、31Kへの静電潜像の形成タイミングに応じて流れる。
そして、このFFC62M〜62Kは、制御基板61から各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klへと接続されるまでの間、途中分岐するまでは、図3及び図5に示したように、重なり合った状態で配設されている。
いま、FFC62M〜62Kは、図3及び図5に示したように、FFC62Mが、両面をFFC62YとFFC62Cに最も長く挟まれた状態の両サイド長距離両面接触FFC、FFC62Cが、片面全面に位置するFFC62Mと反対面に短く位置するFFC62Kとで挟まれた状態の片サイド長距離両面接触FFC、FFC62Yが、片面にのみFFC62Mが長く位置する長距離片面接触FFC、FFC62Kが、片面全面にFFC62Cが位置する短距離片面接触FFCとなっている。
また、上述のように、一般的に、クロストークは、FFC62M〜62Kを流れる信号電流の大きい方のFFC62M〜62Kが、影響を与える側、信号電流の小さい方のFFC62M〜62Kが影響を受ける側となりやすい。そして、データバスを有する電子部品においては、データバスのドライブ能力が他の制御信号よりも高く設定されている。特に、オーバーシュート/アンダーシュート等の各種タイミング規格を満たす必要があるため、ダンピング抵抗等をチューニングすることで、データ信号の信号電流が最も小さくなることが多く、データ信号である露光信号(画像信号)が最もクロストークの影響を受けやすくなっている。
さらに、画像形成装置1は、制御基板61から各LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klへ、同時にデータ転送した場合、各種制御信号においては、タイミングがほぼ同じタイミングで遷移するため、相互に影響を受け難いが、データ信号においては、遷移タイミングがそれぞれで異なるため、クロストークが発生しやすい。
例えば、図20において、FFC62Mを流れるデータ信号Smが、「0」であるタイミングt1において、FFC62Mを挟んでいるFFC62Cを流れるデータ信号ScとFFC62Yを流れるデータ信号Syが同時にスレッシュ値を超えて「1」に立ち上がると、FFC62CとFFC62Yに挟まれているFFC62Mを流れるデータ信号Smが、クロストークの影響を受けて、電圧レベルが持ち上がる。FFC62Mを流れるデータ信号Smは、クロストークの影響によって、立ち上がった電圧レベルがスレッシュ値を超えると、LEDアレイヘッド33Mlにおいて「1」と認識され、誤ったデータ転送が発生する。
そして、本実施例の場合、画像形成装置1は、上述のように、FFC62Mが、両面をFFC62YとFFC62Cに最も長く挟まれた状態の両サイド長距離両面接触FFCとなっているため、最もクロストークを受けやすいFFCとなっている。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、図6から図8に示したように、少なくとも最もクロストークを受けやすいFFC62Mに対して、他のFFC62Y、62C、62Kを流れる信号による電磁界の影響を低減させるクロストーク抑制構造物70a〜70dを配設し、他のFFC62Y、62C、62Kを流れる信号によるクロストークの影響を抑制している。その結果、画像形成装置1は、FFC62Mを流れるデータ信号に対して、他のFFC62Y、62C、62Kを流れる信号によるクロストークの影響を抑制することができ、誤ったデータ転送を行なうことを抑制することができる。
すなわち、画像形成装置1は、図6の場合、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、最もクロストークの影響を受けるFFC62Mの制御基板61側の一部分において、最も長いFFC62Yとの間に、クロストーク抑制構造物70aが入り込む状態で配設され、3番目に長いFFC62C都の間に、クロストーク抑制構造物70bが入り込む状態で配設されている。
したがって、FFC62Mは、クロストーク抑制構造物70aによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Yと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっており、また、クロストーク抑制構造物70bによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Cと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっている。その結果、図6に矢印で示すように、FFC62Mに作用する他のFFC62Y、62C、62Kの電磁界は、クロストーク抑制構造物70a、70bの配設されている部分において、小さくなり、クロストークの影響を抑制することができる。したがって、画像形成装置1は、制御基板61からLEDアレイヘッド33Mlへ、FFC62Mを流れるデータ信号を正確に転送することができるとともに、他のFFC62Y、62C、62Kを流れるデータ信号についても正確に転送することができる。
また、画像形成装置1は、図7では、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、最もクロストークの影響を受けるFFC62Mの制御基板61側の一部分において、最も長いFFC62Yとの間に、クロストーク抑制構造物70cが入り込む状態で配設されている。このクロストーク抑制構造物70cは、その長さ方向の長さが、図6のクロストーク抑制構造物70a、70bよりも長くなっている。
したがって、FFC62Mは、クロストーク抑制構造物70cによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Yと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっている。その結果、図7に矢印で示すように、FFC62Mに作用するFFC62Yの電磁界は、クロストーク抑制構造物70dの配設されている部分において、小さくなり、クロストークの影響を抑制することができる。したがって、画像形成装置1は、制御基板61からLEDアレイヘッド33Mlへ、FFC62Mを流れるデータ信号を正確に転送することができるとともに、他のFFC62Y、62C、62Kを流れるデータ信号についても正確に転送することができる。
さらに、画像形成装置1は、図8では、制御基板61とLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klとを接続するFFC62Y、62M、62C、62Kのうち、最もクロストークの影響を受けるFFC62Mの制御基板61側の一部分において、3番目に長いFFC62Yとの間に、FFC62Mの制御基板61側の一部分で、クロストーク抑制構造物70dが入り込む状態で配設されている。このクロストーク抑制構造物70dは、その長さ方向の長さが、図6のクロストーク抑制構造物70a、70bよりも長く、図7のクロストーク抑制構造物70cと略同じ長さである。
したがって、FFC62Mは、クロストーク抑制構造物70dによって、制御基板61側の一部分が、FFC62Cと所定距離だけ離れた状態、または、所定距離だけ離れるとともに電磁界が抑制された状態となっている。その結果、図8に矢印で示すように、FFC62Mに作用する他のFFC62C、62Kの電磁界は、クロストーク抑制構造物70dの配設されている部分において、小さくなり、クロストークの影響を抑制することができる。したがって、画像形成装置1は、制御基板61からLEDアレイヘッド33Mlへ、FFC62Mを流れるデータ信号を正確に転送することができるとともに、他のFFC62Y、62C、62Kを流れるデータ信号についても正確に転送することができる。
そして、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、FFC62Y〜62Kの相互間の距離を空ける構造物としては、例えば、上記図9から図13に示すようなものを用いることができる。
クロストーク抑制構造物70a〜70dは、例えば、図9に示すように、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分全域を覆う構造物を用いると、確実に、他のFFC62Y〜62Kからの電磁界の影響を低減させて、クロストークの影響を低減させることができる。
また、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、図10に示すように、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域、かつ、幅方向については、FFC62Y〜62Kの幅よりも狭い幅を有する構造物を用いると、材料を削減して安価に、他のFFC62Y〜62Kからの電磁界の影響を低減させて、クロストークの影響を低減させることができる。
さらに、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、図11に示すように、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域、かつ、幅方向については、FFC62Y〜62Kの幅よりも狭い幅を有する複数(図11では、2つ)の構造物を並べたものを用いると、材料を削減しつつ確実に、他のFFC62Y〜62Kからの電磁界の影響を低減させて、クロストークの影響を低減させることができる。
また、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、図12に示すように、FFC62Y〜62Kの長さ方向に所定の狭い幅を有するとともに、FFC62Y〜62Kの幅よりも短い長さを有する複数(図11では、3つ)の構造物を、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域に対して、所定間隔を空けて配置したものを用いると、材料を削減しつつ確実に、他のFFC62Y〜62Kからの電磁界の影響を低減させて、クロストークの影響を低減させることができる。
さらに、クロストーク抑制構造物70a〜70dは、図13に示すように、所定の半径を有する円柱状の構造物を、FFC62Y〜62Kの電磁界の影響を低減させる部分の長さ方向全域にわたって、FFC62Y〜62Kの幅方向及び長さ方向に複数(図13では、幅方向に2つ、長さ方向に3つ)配置したものを用いると、より一層材料を削減しつつ確実に、他のFFC62Y〜62Kからの電磁界の影響を低減させて、クロストークの影響を低減させることができる。
また、画像形成装置1は、図14から図18に示したように、LEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klの配設されている開閉カバー80のヒンジ81や板金ボックス60の上板60uを、クロストーク抑制構造物70a〜70dとして利用している。
したがって、クロストーク抑制構造物70a〜70dを安価にかつ小型化することができる。
なお、上記説明においては、画像形成装置1が、搬送ベルト21を用いて用紙Pを画像形成部30Y、30M、30C、30Kを順次搬送して該用紙Pに直接画像形成部30Y、30M、30C、30Kから各色のトナー画像を重ね合わせてカラートナー画像を形成するものに適用している。画像形成装置1としては、上記構成のものに限らず、例えば、図21に示すように、中間転写ベルト21aを用いた画像形成装置1aであってもよい。なお、図1と同様の構成部分には、同一の符号を付している。この画像形成装置1aは、駆動ローラ22と従動ローラ23に無端リング状の中間転写ベルト21aが張り渡されており、この中間転写ベルト21aに沿って画像形成部30Y、30M、30C、30Kが配列されている。
画像形成装置1aは、画像形成時、各画像形成部30Y、30M、30C、30Kが、図21中時計方向に回転駆動される感光体31Y、31M、31C、31Kを、帯電部32Y、32M、32C、32Kで一様に帯電させて、露光部33Y、33M、33C、33Kから、各色の画像データで変調された書き込み光が感光体31Y、31M、31C、31Kに照射されて静電潜像が形成されると、該静電潜像の形成された感光体31Y、31M、31C、31Kに、現像部34Y、34M、34C、34Kで、それぞれYMCKの各色のトナーを付着させて、各色のトナー画像を形成する。そして、画像形成部30Y、30M、30C、30Kは、中間転写ベルト21aの背面に配設された転写部35Y、35M、35C、35Kが、所定タイミングで順次転写電位を付与して、感光体31Y、31M、31C、31K上のYMCK各色のトナー画像を順次中間転写ベルト21aに重ね合わせて転写させる。トナー画像の転写の完了した中間転写ベルト21aは、従動ローラ23と対向する位置に配設されている2次転写ローラ25と中間転写ベルト21aとの間に、給紙部10から搬送されてきた用紙Pに2次転写ローラ25によって中間転写ローラ21a上のトナー画像を転写する。画像形成装置1は、トナー画像の転写された用紙Pを定着部40に搬送して、上記同様に、定着部40でトナー画像を用紙に定着させる。
このように、本実施例の画像形成装置1は、その配線部(配線装置)71が、複数本の信号線が面状に束ねられたFFC(信号線束)62Y〜62Kと、FFC62Y〜62Kの信号線の方向を合わせて面同士が重ね合わされて配設された複数のFFC62Y〜62Kの一部分(所定領域)において、所定のFFC62Y〜62Kと重なり合っている少なくとも一方の該FFC62Y〜62Kとの間に配設されて該FFC62Y〜62K間におけるクロストークを抑制するクロストーク抑制構造物(クロストーク抑制手段)70a〜70dと、を備えている。
したがって、複数本の信号線が束ねられている信号線束であるFFC62Y〜62Kを近接させて複数配設する場合に、FFC62Y〜62Kの所定領域にクロストーク抑制構造物70a〜70dを配設しているので、小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、信号線束であるFFC62Y〜62Kが、少なくとも3束以上重ね合わされており、クロストーク抑制構造物70a〜70dが、両面がFFC62Y〜62Kに挟まれているFFC62Y〜62Kの所定領域において、該FFC62Y〜62Kを挟んでいる他の2つのFFC62Y〜62Kのうち少なくとも一方のFFC62Y〜62Kとの間に配設されて該FFC62Y〜62K間におけるクロストークを抑制する状態で配設されている。
したがって、少ないクロストーク抑制構造物70a〜70dで効率的にクロストークの影響を抑制することができ、より一層小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、ストローク抑制構造物70a〜70dが、FFC62Y〜62K同士の距離を所定量空けて前記クロストークを抑制する。
したがって、ストローク抑制構造物70a〜70dとして安価で小型のものを用いることができ、安価でより一層小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、クロストーク抑制構造物70a〜70dが、FFC62Y〜62Kを流れる信号によって発生する電磁界の他のFFC62Y〜62Kへの影響を抑制して前記クロストークを抑制する。
したがって、小型化を図りつつ、より一層確実にクロストークの発生を抑制することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、クロストーク抑制構造物70a〜70dが、FFC62Y〜62Kの幅と略同じ幅を有し、該FFC62Y〜62Kの長さ方向に前記所定領域の長さを有する所定厚さの板状部材で構成されている。
したがって、安価でより一層小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、クロストーク抑制構造物70a〜70dが、FFC62Y〜62Kと面する面形状が前記所定領域よりも小さい所定の板形状の部分クロストーク抑制部材が、該所定領域において相対向するFFC62Y〜62K同士のクロストークを抑制する状態で複数配設されている。
したがって、ストローク抑制構造物70a〜70dとして安価で小型のものを用いることができ、安価でより一層小型化を図りつつ、クロストークの発生を抑制することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、信号線束として、フレキシブルフラットケーブルであるFFC62Y〜62Kを用いている。
したがって、信号線束としてフレキシブルフラットケーブルを用いた信号転送におけるクロストークを抑制することができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、制御手段である制御基板61から画像信号を、感光体に各色の静電潜像を形成する書き込み光を出射する各色のLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klに送信する配線部71に上記各配線部を用いている。
したがって、制御基板61からLEDアレイヘッド33Yl、33Ml、33Cl、33Klへの画像信号を転送におけるクロストークの影響を抑制することができ、正確に画像信号を転送して画像に縦すじ等が発生することを抑制して、画像品質を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
具体的には、上記信号線束は、フレキシブルフラットケーブルに限るものではなく、例えば、バラ線ハーネス等であってもよい。
また、信号転送方式としては、シングルエンド信号方式(TTL規格やCMOS規格)や差動信号方式(LVDS規格やUSB規格)を用いてもよい。
さらに、信号線束を用いた接続先である3つ以上の固定走査ヘッドとしては、有機ELヘッド、面発光ヘッド、LSUであってもよい。
また、本発明は、RGBで構成されるスキャナ光源の接続に適用することができる。
1 画像形成装置
10 給紙部
11 給紙カセット
12 給紙ローラ
13 分離ローラ
20 搬送ベルト機構部
21 搬送ベルト
21a 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
23 従動ローラ
24 ガイド板
30Y、30M、30C、30K 画像形成部
31Y、31M、31C、31K 感光体
32Y、32M、32C、32K 帯電部
33Y、33M、33C、33K 露光部
33Yl、33Ml、33Cl、33Kl LEDアレイヘッド
34Y、34M、34C、34K 現像部
35Y、35M、35C、35K 転写部
36Y、36M、36C、36K クリーニング部
40 定着部
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
50 制御部
51 コンピュータインターフェイス部
52 作像プロセス部
53 CTL
54 操作表示部
55 プリントジョブ管理部
56 画像読み取り部
57 画像書き込み制御部
58 ラインメモリ
59 記憶部
60 板金ボックス
60u 上板
60a、60aa、60ab、60ac 開口部
61 制御基板
62Y、62M、62C、62K FFC(信号線束)
63a、63b 側板
64 底板金
65 取付具
66a〜66d コネクタ
67 シールドシート
68 導電性テープ
69 接地部材
70、70a〜70d クロストーク抑制構造物
71 配線部
特開2011−205335号公報

Claims (9)

  1. 複数本の信号線が面状に束ねられた信号線束と、
    前記信号線の方向を合わせて面同士が重ね合わされて配設された複数の前記信号線束の所定領域において、所定の信号線束と重なり合っている少なくとも一方の該信号線束との間に配設されて該信号線束間におけるクロストークを抑制するクロストーク抑制手段と、
    を備えていることを特徴とする配線装置。
  2. 前記信号線束は、
    少なくとも3束以上重ね合わされており、
    前記クロストーク抑制手段は、
    両面が前記信号線束に挟まれている信号線束の前記所定領域において、該信号線束を挟んでいる他の2つの信号線束のうち少なくとも一方の信号線束との間に配設されて該信号線束間における前記クロストークを抑制する状態で配設されていることを特徴とする請求項1記載の配線装置。
  3. 前記クロストーク抑制手段は、
    前記信号線束同士の距離を所定量空けて前記クロストークを抑制することを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線装置。
  4. 前記クロストーク抑制手段は、
    前記信号線束を流れる信号によって発生する電磁界の他の信号線束への影響を抑制して前記クロストークを抑制することを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線装置。
  5. 前記クロストーク抑制手段は、
    前記信号線束の幅と略同じ幅を有し、該信号線束の長さ方向に前記所定領域の長さを有する所定厚さの板状部材で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線装置。
  6. 前記クロストーク抑制手段は、
    前記信号線束と面する面形状が前記所定領域よりも小さい所定の板形状の部分クロストーク抑制部材が、該所定領域において相対向する信号線束同士のクロストークを抑制する状態で複数配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線装置。
  7. 前記信号線束は、
    フレキシブルフラットケーブルであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の配線装置。
  8. 配線部を通して信号の授受を行う電子機器において、
    前記配線部として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の配線装置を備えていることを特徴とする電子機器。
  9. 制御手段から画像信号を、感光体に各色の静電潜像を形成する書き込み光を出射する各色のLEDアレイヘッドに送信する配線部を備えている画像形成装置であって、
    前記配線部として、請求項1から請求項7のいずれかに記載の配線装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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