JP2014085583A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙の撓みにより中間転写ベルトに用紙の搬送方向とは逆向きの負荷が生じる場合にも色ずれ補正が有効に機能し、画質の安定化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、中間転写ベルトにトナー像を重ねて形成する複数の画像形成部と、中間転写ベルトに形成されたトナー像を用紙に転写する転写部と、転写部を通過した用紙を加熱、加圧してトナー像を定着する定着部と、色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正を行う制御部と、を備える。転写部と定着部との間では用紙が撓みながら搬送されることにより、中間転写ベルトに走行方向とは逆方向の負荷が生じる。色ずれ補正データは、負荷が生じるときと同等の走行状態で中間転写ベルトを走行させ、この状態で中間転写ベルト上に形成された色ずれ検出用のトナーパターンに基づいて生成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)においては、画像データに基づくレーザー光が、帯電した感光体に対して照射(露光)されることにより、感光体表面に静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体(像担持体)に現像装置からトナーが供給されることにより、静電潜像が可視化されてトナー像が形成される。このトナー像が、転写部において直接又は中間転写ベルトを介して間接的に用紙に転写された後、定着部において加熱、加圧により定着されることにより、用紙に画像が形成される。
特に、図1に示すような中間転写方式のカラー画像形成装置では、4つの感光体ドラム413Y、413M、413C、413K上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像が一次転写部TY、TM、TC、TKにおいて中間転写ベルト421に重ね合わせて転写される(一次転写)。その後、重ね合わせて転写されたトナー像は、二次転写部45において一括して用紙Sに転写される(二次転写)。
このような画像形成装置において、二次転写部45から定着部60までの間隔が用紙長よりも短い場合には、二次転写部45と定着部60によって用紙Sが狭持され搬送されることとなる。そのため、過度のテンションが加わって用紙Sが破断するのを防止するために、定着部60における用紙Sの搬送速度は二次転写部45における用紙Sの搬送速度よりも遅く設定され、二次転写部45と定着部60との間で用紙Sの撓みが形成されるようになっている(例えば特許文献1)。
また、画像形成装置では、画像形成ユニットや中間転写ユニットを交換する際に取付け位置が変化することや、機内の環境変化により感光体ドラムや中間転写ベルト等が変形することにより、各色の露光位置(書込み位置)にずれが生じ、色ずれが発生する場合がある。そこで、画像形成装置には通常、書込みタイミング等の画像形成条件を設定する際に色ずれ補正が行われる。例えば、中間転写ベルト上にYMCK各色のトナーパターンを形成し、このトナーパターンを光学センサーで検知して各色の位置ずれ量を検出することにより、色ずれ補正データが作成される。そして、画像形成時には、この色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正が行われる。
特開2011−257683号公報
ところで、高速化が要求される画像形成装置(例えば、プロダクション・プリンティングの分野(PP分野、商用印刷や企業内での大量印刷)で用いられる画像形成装置)においては、用紙の紙間はできるだけ狭く設定される。そのため、二次転写部と定着部との間で用紙の撓みが形成され、用紙の復元力によって二次転写部に用紙の搬送方向とは逆向きの負荷が生じているときに、次の用紙の画像形成が行われることもある(図1参照)。ここで、画像形成時とは、感光体ドラムへの書き込みが開始されてから、トナー像が用紙に二次転写されるまでを意味する。
一方で、色ずれ補正データの生成は、負荷のない状態で中間転写ベルトを走行させた状態で行われる。そのため、用紙が撓んで負荷が生じることによって中間転写ベルトにスリップが生じたり、走行速度が低下したりすると、色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正を行っても、色ずれが解消されない虞がある。特に、剛度の高い(腰の強い)厚紙が用いられる場合、中間転写ベルトに生じる負荷が大きくなるため、上述した問題が生じやすい。
なお、特許文献1に記載の画像形成装置は、二次転写部の下流側で用紙の撓みが形成されたときに、二次転写部におけるニップ圧を増大させることで用紙の滑りを防止できるようになっているが、中間転写ベルトに負荷が生じることによる色ずれの発生を防止することはできない。また、二次転写部におけるニップ圧を増大させるため、中間転写ベルトに生じる負荷がさらに増大して色ずれが大きくなる虞もある。
本発明の目的は、用紙の撓みにより中間転写ベルトに用紙の搬送方向とは逆向きの負荷が生じる場合にも色ずれ補正が有効に機能し、画質の安定化を図ることができる画像形成装置を提供することである。
本発明に係る画像形成装置は、中間転写ベルトにトナー像を重ねて形成する複数の画像形成部と、
前記中間転写ベルトに形成されたトナー像を用紙に転写する転写部と、
前記転写部を通過した用紙を加熱、加圧して前記トナー像を定着する定着部と、
色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正を行う制御部と、を備え、
前記転写部と前記定着部との間で用紙が撓みながら搬送されることにより、前記中間転写ベルトに走行方向とは逆方向の負荷が生じる画像形成装置であって、
前記色ずれ補正データは、前記負荷が生じるときと同等の走行状態で前記中間転写ベルトを走行させ、この状態で前記中間転写ベルト上に形成された色ずれ検出用のトナーパターンに基づいて生成されたものであることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置によれば、画像形成時の実際の走行状態と同等の走行状態で中間転写ベルトを走行させて得られた色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正が行われるので、用紙の撓みにより中間転写ベルトに負荷が生じる場合にも色ずれ補正が有効に機能し、画質の安定化を図ることができる。
二次転写部から定着部にかけての用紙の搬送状態を示す図である。 実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 色ずれ補正データ生成処理の一例を示すフローチャートである。 画像形成処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。図3は、実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図2、3に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向(鉛直方向)に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させる縦型タンデム方式が採用されている。
すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に一次転写し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに転写二次転写することにより、画像を形成する。
図2、3に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、及び制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データ(例えば、色ずれ補正に用いられる色ずれ補正データ等)が参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
また、制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピュータ)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
また、制御部100は、記憶部72に格納されている色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正を行う。色ずれ補正とは、適切に画像が形成されるように画像形成条件の設定を行うことであり、例えば、後述する画像形成ユニット41における書込みタイミングの設定や、中間転写ベルト421の走行速度の設定等が含まれる。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41、中間転写ユニット42、及び二次転写ユニット43等を備える。
画像形成ユニット41は、Y成分、M成分、C成分、K成分用の4つの画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kで構成される。画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有するので、図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図2では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80mmのアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネート樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100が感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
制御部100は、色ずれ補正データに基づいて帯電装置414及び露光装置411の動作(例えば感光体ドラム413への書込みタイミング)を制御する。
現像装置412は、各色成分の現像剤(例えば、小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤)を収容しており、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
また、中間転写ベルト421の表側(感光体ドラム413に対向する面側)であって、K成分用の画像形成ユニット41Kのベルト走行方向下流側には、例えば光学センサー等からなるパターン検出センサー44が配置される。パターン検出センサー44は、色ずれ補正データを生成する際に、中間転写ベルト421に形成されたトナーパターンを検出する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。二次転写ローラー431に対向して配置されるバックアップローラー423Aは従動ローラーであることが好ましい。バックアップローラー423Aを駆動ローラーで構成すると、用紙Sにトナー像が転写される際に駆動機構の振動等が伝達して画質の低下を招く虞があるためである。
駆動ローラーとなる支持ローラー423が回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度(規定速度)で走行する。そして、一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接されることにより、中間転写ベルト421に各色トナー像が順次重ねて一次転写される。中間転写ベルト421の走行速度、すなわち駆動ローラーとなる支持ローラー423の回転速度は、制御部100によって制御される。
二次転写ユニット43は、例えば二次転写ローラー431で構成される。二次転写ユニット43は、二次転写ローラー431を含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成としてもよい。中間転写ベルト421を介して、二次転写ローラー431がバックアップローラー423Aに圧接されることにより、転写ニップが形成される。つまり、中間転写ユニット42と二次転写ユニット43とで二次転写部45が構成される。
二次転写部45(転写ニップ)を用紙Sが通過する際、中間転写ベルト421に担持されているトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、トナーと逆極性の電圧(転写バイアス)を二次転写ローラー431に印加することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接されるベルトクリーニングブレード等を有し、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーを除去する。
定着部60は、定着面側部材61(例えば定着ローラー)、裏面側支持部材62(例えば加圧ベルト)を備える。定着面側部材61に対して裏面側支持部材62が圧接されることにより定着ニップが形成される。定着部60は、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60には、エアを吹き付けることにより、定着面側部材61又は裏面側支持部材62から用紙Sを分離させるエア分離ユニットを配置してもよい。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び複数の搬送ローラー部53〜56等を備える。
給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。
給紙トレイユニット51a〜51c、又は外部給紙装置から給紙された用紙Sは、複数の搬送ローラー部53〜56により画像形成部40(二次転写部45)に搬送される。用紙Sが二次転写部45を通過する際、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面(画像形成面)に一括して二次転写され、定着部60において定着処理が施される。画像が形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
画像形成装置1においては、二次転写部45から定着部60までの間隔(転写ニップの出口から定着ニップの入口までの間隔)が、画像形成に用いられる最小サイズの用紙長よりも短く設定されており、二次転写部45と定着部60によって用紙Sが狭持され搬送されるようになっている。また、過度のテンションが加わって用紙Sが破断するのを防止するために、定着部60における用紙Sの搬送速度は二次転写部45における用紙Sの搬送速度よりも遅く設定される。
つまり、二次転写部45と定着部60との間で用紙Sが撓みながら搬送されるようになっている。このとき、撓んだ用紙の復元力により、中間転写ベルト421には走行方向とは逆方向の負荷が生じる(図1参照)。
このように、画像形成装置1は、中間転写ベルト421にトナー像を重ねて形成する複数の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K(画像形成部)と、中間転写ベルト421に形成されたトナー像を用紙Sに転写する二次転写部45(転写部)と、二次転写部45を通過した用紙Sを加熱、加圧してトナー像を定着する定着部60と、色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正(書込みタイミング、中間転写ベルト421の走行速度等の設定を含む)を行う制御部100と、を備える。
また、画像形成装置1では、二次転写部45と定着部60との間で用紙Sが撓みながら搬送されることにより、中間転写ベルト421に走行方向とは逆方向の負荷が生じる。
つまり、画像形成装置1においては、中間転写ベルト421は、制御部100によって一定の走行速度(規定速度)となるように制御されるが、二次転写部45と定着部60との間で用紙Sが撓むことにより中間転写ベルト421に走行方向とは逆方向の負荷が生じると、中間転写ベルト421の実際の走行速度は規定速度よりも遅くなる。
そこで、本実施の形態では、制御部100が、図4に示すフローチャートに従って画像形成部40を制御することにより、色ずれ補正データを生成する。
図4は、色ずれ補正データ生成処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す色ずれ補正データ生成処理は、例えば画像形成装置1の出荷時に行われ、色ずれ補正データ生成を指示する操作信号(紙種に関する情報を含む)を制御部100が受けることに伴い、CPU101がROM102に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
ここでは、比較的剛度が高く、二次転写部45と定着部60との間で撓んだときに中間転写ベルト421の走行状態に影響を与える用紙を厚紙と称し、比較的剛度が低く、二次転写部45と定着部60との間で撓んだときに中間転写ベルト421の走行状態に影響を与えない用紙を薄紙と称する。
図4のステップS101において、制御部100は、紙種に応じた走行状態で中間転写ベルト421を走行させる。紙種とは、普通紙、コート紙、マット紙等の用紙の種類であり、坪量、厚さ又は剛度等によって細分化される。紙種に応じた走行状態とは、用紙の撓みにより中間転写ベルト421に負荷が生じるときの走行状態である。
画像形成に厚紙が用いられる場合は、用紙の撓みにより中間転写ベルト421に負荷が生じ、走行速度が規定速度よりも遅くなるので、このときの走行速度で中間転写ベルト421を走行させる。
例えば、用紙の撓みにより負荷が生じたときの中間転写ベルト421の走行速度が規定速度よりも1.0%遅くなる場合、色ずれ補正データを生成する際の中間転写ベルト421の走行速度は、規定速度×0.99に設定される。
また、厚紙に分類される場合でも、用紙の撓みにより中間転写ベルト421に生じる負荷は用紙の紙種によって異なり、このときの中間転写ベルト421の走行状態も異なる。そのため、色ずれ補正データを生成する際の中間転写ベルト421の走行速度等は、紙種ごとに異なる値が設定される。
例えば、用紙の紙種と、中間転写ベルト421に負荷が生じるときの中間転写ベルト421の走行速度(又は規定速度に対する割合等の走行速度に相当する情報)とを対応付けたテーブルを、予め実験的に求め、記憶部72に格納しておく。制御部100は、このテーブルを参照して、用紙の紙種に応じて中間転写ベルト421の走行状態を制御する。
一方、画像形成に薄紙が用いられる場合は、用紙の撓みにより中間転写ベルト421に生じる負荷を無視できるので、走行状態は変化せず、色ずれ補正データを生成する際の中間転写ベルト421の走行速度は規定速度と同等となる。
このように紙種に応じた走行状態で中間転写ベルト421を走行させ、この状態で公知の手順に従って、色ずれ補正データを生成する。
簡単に説明すると、ステップS102において、制御部100は、各色成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kを制御して、中間転写ベルト421上に色ずれ検出用のトナーパターン(いわゆるレジストパターン)を形成する。
ステップS103において、制御部100は、パターン検出センサー44により色ずれ検出用のトナーパターンを検出する。
そして、ステップS104において、制御部100は、パターン検出センサー44による検出結果に基づいて、各色の位置ずれ量を検出し、色ずれ補正データを生成する。生成された色ずれ補正データは、記憶部72に格納される。画像形成時には、この色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正が行われる。
この色ずれ補正データ生成処理は、画像形成装置1で用いられうるすべての紙種に対して行われ、紙種ごとに色ずれ補正データが生成される。
このように、色ずれ補正データは、二次転写部45と定着部60との間で用紙が撓んで中間転写ベルト421に負荷が生じるときと同等の走行状態で中間転写ベルト421を走行させ、この状態で中間転写ベルト421に形成された色ずれ検出用のトナーパターンに基づいて生成される。
これにより、画像形成時の実際の走行状態と同等の走行状態で中間転写ベルト421を走行させて得られた色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正が行われるので、用紙の撓みにより中間転写ベルト421に負荷が生じる場合にも色ずれ補正が有効に機能し、画質の安定化を図ることができる。
また、色ずれ補正データは、用紙の紙種ごとに生成されるので、画像形成に用いられる用紙の紙種に基づいて適切な色ずれ補正データを選択することにより、最適な色ずれ補正を行うことができる。
ここで、上述した色ずれ補正が有効となるのは、複数枚の用紙に連続して画像形成が行われる場合において、二枚目以降の用紙の画像形成時である。つまり、一枚目の用紙の画像形成時には、二次転写部45と定着部60との間に用紙の撓みは形成されないため、中間転写ベルト421に負荷が生じることを前提とした色ずれ補正データに基づいて行われる色ずれ補正は適切ではない。
そこで、本実施の形態では、制御部100が、図5に示すフローチャートに従って画像形成部40を制御することにより、画像形成処理を行う。
図5は、画像形成処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す画像形成処理は、例えば、制御部100が印刷ジョブを受信することに伴い、CPU101がROM102に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。画像形成処理が開始されると、中間転写ベルト421は規定速度で走行されるものとする。
図5のステップS201において、制御部100は、画像形成に用いられる用紙の紙種に対応する色ずれ補正データを取得する。用紙の紙種に関する情報は、入力画像データとともに、印刷ジョブに含まれている。
ステップS202において、制御部100は、ステップS201で取得した色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正を行う。具体的には、色ずれ補正データに基づいて、各画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kにおける書込みタイミング等の画像形成条件を設定する。
ステップS203において、制御部100は、画像形成に用いられる用紙が厚紙であるか否かを判定する。そして、制御部100は、画像形成に用いられる用紙が厚紙であると判定した場合にはステップS204の処理に移行し、画像形成に用いられる用紙が厚紙でない、すなわち薄紙であると判定した場合にはステップS206の処理に移行する。
ステップS204において、制御部100は、一枚目の画像形成であるか否かを判定する。そして、制御部100は、一枚目の画像形成であると判定した場合にはステップS205の処理に移行し、一枚目の画像形成でない、すなわち二枚目以降の画像形成であると判定した場合にはステップS206の処理に移行する。
ステップS205において、制御部100は、中間転写ベルト421の走行速度が、用紙の撓みにより中間転写ベルト421に負荷が加わるときの走行速度となるように制御する。
このとき、中間転写ベルト421の駆動ローラー(支持ローラー423のうちの一つ)の回転速度を調整してもよいが、高速で行われる画像形成処理において駆動ローラーの回転速度を変動させるのは好ましくない。そこで、中間転写ベルト421を規定速度で走行させたまま、実際に中間転写ベルト421に負荷を加えて走行速度を調整するのが好ましい。例えば、中間転写ベルト421に圧接される二次転写ローラー431の圧接力を調整することにより、中間転写ベルト421を減速させることができる。また例えば、二次転写ローラー431の回転速度を調整することによっても、中間転写ベルト421を減速させることができる。
ステップS206において、制御部100は、画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kを制御して、中間転写ベルト421にトナー像を形成させる。
画像形成に薄紙が用いられる場合(ステップS203で“NO”)、一枚目の用紙の画像形成と二枚目以降の用紙の画像形成を区別する必要はないので、ステップS206において通常の画像形成処理が行われる。
画像形成に厚紙が用いられる場合(ステップS203で“YES”)、一枚目の用紙に対しては中間転写ベルト421に負荷を加えた状態で画像形成が行われ、二枚目以降の用紙に対しては中間転写ベルト421に負荷を加えない状態(実際には用紙の撓みにより負荷が生じている状態)で画像形成が行われる。
これにより、一枚目の用紙に対する画像形成においても、ステップS202で行われる色ずれ補正が有効なものとして機能するので、用紙間の色味を安定させることができる。
ステップS207において、制御部100は、印刷ジョブに含まれる一連の画像形成が終了したか否かを判定する。一連の画像形成が終了するまでステップS204〜S206の処理が繰り返される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、色ずれ補正データは、画像形成装置1の電源投入時、画像形成処理の開始時に、又はプリント枚数が所定枚数に達した時に、必要に応じて更新されるようにしてもよい。画像形成処理の開始時に色ずれ補正データを生成する場合は、画像形成に用いられる用紙に対応するものだけを生成すればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
30 画像処理部
40 画像形成部
41、41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
44 パターン検出センサー
45 二次転写部
50 用紙搬送部
60 定着部
72 記憶部
100 制御部
413 感光体ドラム
421 中間転写ベルト
423 支持ローラー
423A バックアップローラー
431 二次転写ローラー

Claims (6)

  1. 中間転写ベルトにトナー像を重ねて形成する複数の画像形成部と、
    前記中間転写ベルトに形成されたトナー像を用紙に転写する転写部と、
    前記転写部を通過した用紙を加熱、加圧して前記トナー像を定着する定着部と、
    色ずれ補正データに基づいて色ずれ補正を行う制御部と、を備え、
    前記転写部と前記定着部との間で用紙が撓みながら搬送されることにより、前記中間転写ベルトに走行方向とは逆方向の負荷が生じる画像形成装置であって、
    前記色ずれ補正データは、前記負荷が生じるときと同等の走行状態で前記中間転写ベルトを走行させ、この状態で前記中間転写ベルト上に形成された色ずれ検出用のトナーパターンに基づいて生成されたものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記色ずれ補正データは、用紙の紙種ごとに生成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 複数枚の用紙に連続して画像形成が行われる場合に、
    前記制御部は、一枚目の画像形成時に、前記負荷が生じるときと同等の走行状態で前記中間転写ベルトを走行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写部は、前記中間転写ベルトに圧接される転写ローラーを有し、
    前記制御部は、前記中間転写ベルトに対する前記転写ローラーの圧接力を調整することにより、前記中間転写ベルトの走行状態を制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写部は、前記中間転写ベルトに圧接される転写ローラーを有し、
    前記制御部は、前記転写ローラーの回転速度を調整することにより、前記中間転写ベルトの走行状態を制御することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記転写部は、前記中間転写ベルトに圧接される転写ローラーを有し、
    前記中間転写ベルトは、前記転写ローラーに対向して配置されるバックアップローラーと、前記バックアップローラーとは異なる駆動ローラーと、を含む複数の支持ローラーに張架されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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