JP2014085570A - 投射型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜め姿勢で配置された板状光学素子の側面での光軸に対して直交する方向への反射を抑制することのできる投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】投射型表示装置1において、板状の光路分離素子(板状光学素子)として用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、入射光軸L0に45°の角度で配置されている。かかる斜め姿勢の結果、光軸方向でずれた側面10e、10fには、入射光軸L0に平行な方向に向いている。このため、側面10e、10fで反射した光が、入射光軸L0に対して直交する方向(検光子13)が位置する側に向かうことを防止することができる。かかる構成によれば、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されることを防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ライトバルブによって変調した光を投射して表示する投射型表示装置に関するものである。
投射型表示装置は、液晶装置等のライトバルブによって変調した光をスクリーン等の被投射面に投射する。このため、投射型表示装置は、概ね、光源部と、光源部から出射された光源光を変調するライトバルブと、ライトバルブによって変調された光を投射する投射光学系とを有しており、光源部からライトバルブを経由して投射光学系に至る光路には複数の光学素子が配置されている。また、複数の光学素子には、光路の光軸に対して斜めに配置された透光性基板を備えた板状光学素子が含まれている。
例えば、図8(a)、(b)に模式的に示すように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)は、光源部から照明光学系7を経て液晶パネル11(ライトバルブ)に向かう第1光路と、液晶パネル11から投射光学系5に向かう第2光路とを分離する光路分離素子であるため、第1光路および第2光路に対して45°の角度をなす斜め姿勢で配置されることになる(例えば、特許文献1参照)。
なお、図8(a)、(b)に示すように、照明光学系7とワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10との間には偏光子9が配置され、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と液晶パネル11との間には位相差板12が配置され、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と投射光学系5との間には検光子13が配置されている。
特開2007−212997号公報
しかしながら、図8(a)、(b)に示すように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を斜め姿勢で配置すると、光軸方向の前後方向にずれた一対の側面10e、10fは、前側の側面10e(第1側面)が光軸方向の前側に向かって45°の角度をなし、後側の側面10f(第2側面)は、光軸方向の後側に向かって45°の角度をなすことになる。その結果、光源光の一部は、矢印Lsで示すように、前側に位置する側面10eにおいてワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10への入射光軸に対して直交する方向に向かって反射することになる。また、光源光の一部は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射した後、矢印Ltで示すように、後側に位置する側面10fにおいてワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10への入射光軸に対して直交する方向に向かって反射することになる。その結果、側面10e、10fで反射した光も変調光と同様に投射光学系5から被投射面50に投射される結果、投射画像のコントラストを低下させる等の問題点が発生する。
なお、同様なコントラストの低下は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に限らず、ダイクロイックミラー等の板状の光路分離素子を斜め姿勢で配置した場合でも発生する。また、光路分離素子に限らず、他の板状光学素子を斜め姿勢で配置した場合の側面での光軸と直交する方向への反射は、迷光が発生する原因となるため、好ましくない。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、斜め姿勢で配置された板状光学素子の側面での光軸に対して直交する方向への反射を抑制することのできる投射型表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、光源部と、該光源部から出射された光源光を変調するライトバルブと、該ライトバルブによって変調された光を投射する投射光学系と、前記光源部から前記ライトバルブを経由して前記投射光学系に至る光路に配置された複数の光学素子と、を有する投射型表示装置であって、前記複数の光学素子は、前記光路の光軸に対して斜めに配置されることにより、第1側面が前記第1側面に対向する第2側面より前記光路の前記光源部側に位置する透光性基板を備えた板状光学素子を含み、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方で、当該板状光学素子に向かう前記光源光が前記光軸方向に直交する方向に反射することを防止する反射防止構造を有していることを特徴とする。
本発明において、光軸に対して斜めに配置された板状光学素子は、板状光学素子に向かう光源光が板状光学素子の第1側面および第2側面の少なくとも一方で光軸方向に直交する方向に反射することを防止する反射防止構造を有しているため、板状光学素子の側面で反射した光によって投射画像の品位が低下しにくい。
本発明は、前記板状光学素子が、前記光源部から前記ライトバルブに向かう第1光路と、前記ライトバルブから前記投射光学系に向かう第2光路とを分離する光路分離素子であって、前記第1光路および前記第2光路に対して45°の角度をなすように傾いている場合に適用すると特に効果的である。光軸に対して45°の角度で配置された光路分離素子の場合、光源光が板状光学素子の側面で光軸方向に直交する方向に反射されると、分離したはずの光路に光が漏れて投射画像の品位が低下しやすいが、かかる光路分離素子の側面に反射防止構造を設ければ、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を効果的に防止することができる。
また、本発明は、前記板状光学素子は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターである場合に適用すると特に効果的である。各種の光路分離素子のうち、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの場合には透光性基板が厚いので、側面での反射が大きいが、かかるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの側面に反射防止構造を設ければ、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を効果的に防止することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、少なくとも、前記第1側面に前記反射防止構造を有していることが好ましい。前側(光源部側)に位置する第1側面には光源光が到達しやすいが、かかる前側の第1側面に反射防止構造を設ければ、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を効果的に防止することができる。
本発明は、前記板状光学素子には、前記光源部の側から平行光あるいは発散光が入射する場合に適用すると特に効果的である。光源部の側から平行光あるいは発散光が入射する場合には、収束光が入射する場合に比較して、側面に光源光が入射しやすいが、光源部の側から平行光あるいは発散光が入射する場合に板状光学素子の側面に反射防止構造を設ければ、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を効果的に防止することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記板状光学素子への入射光軸に対して平行な方向に前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方が向いた構造を有している構成を採用することができる。かかる構成によれば、側面に入射した光は、光軸に沿って反射されるので、投射光学系から出射されにくい。それ故、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記板状光学素子への入射光軸に対して直交する方向に前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方が向いた構造を有している構成を採用してもよい。かかる構成によれば、側面に光が入射しにくい。従って、側面で反射した光が投射光学系から出射されにくい。それ故、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の一方の側面が前記板状光学素子への入射光軸に対して直交する方向に向き、他方の側面が前記板状光学素子への入射光軸に平行な方向に向いた構造を有していることが好ましい。かかる構成によれば、板状光学素子の近傍に他の光学素子を配置することができるので、板状光学素子が配置される周辺を小型化することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方に光吸収層が形成された構造を有している構成を採用してもよい。かかる構成によれば、側面で光が反射しにくいので、側面で反射した光が投射光学系から出射されにくい。それ故、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方に光散乱性が付された構造を有している構成を採用してもよい。かかる構成によれば、側面で光が反射しにくいので、側面で反射した光が投射光学系から出射されにくい。それ故、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
本発明において、前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方の前記光源部側に遮光部材が配置された構造を有している構成を採用してもよい。かかる構成によれば、側面に光が入射しにくい。従って、側面で反射した光が投射光学系から出射されにくい。それ故、側面で反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
本発明を適用した投射型表示装置の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図である。 本発明の実施の形態3に係る投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図である。 本発明の実施の形態4に係る投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図である。 本発明の実施の形態5に係る投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図である。 本発明の実施の形態6に係る投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図である。 従来の投射型表示装置の説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に参照する図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。また、以下の説明では、図8を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して省略する。
[実施の形態1]
(投射型表示装置の構成)
図1は、本発明を適用した投射型表示装置の説明図であり、図1(a)、(b)は、投射型表示装置の概略構成図、および投射型表示装置に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子)の説明図である。
図1(a)に示す投射型表示装置1は、3枚の反射型液晶ライトバルブ(反射型の液晶パネル)を備えたプロジェクターであり、赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)からなる3色の色光を出射する照明装置2と、各色光による画像を形成する3組の液晶装置3R、3G、3Bと、3色の色光を合成する色合成素子4(色合成光学系)と、合成された光をスクリーン等の被投射面(図示せず)に投射する投射光学系5とを備えている。照明装置2は、光源部6と照明光学系7とを有しており、照明光学系7は、インテグレーター光学系71と色分離光学系72とを備えている。
液晶装置3R、3G、3Bは、偏光子9と、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)と、反射型の液晶パネル11R、11G、11B(ライトバルブ)と、位相差板12と、検光子13とを備えている。
かかる投射型表示装置1において、光源部6から出射された白色光は、照明光学系7のインテグレーター光学系71に入射する。インテグレーター光学系71に入射した白色光は、照度が均一化されるとともに偏光状態が所定の直線偏光に揃えられて出射される。インテグレーター光学系71から出射された白色光は、照明光学系7の色分離光学系72によりR、G、Bの各色光に分離され、色光毎に異なる組の液晶装置3R、3G、3Bに入射する。各液晶装置3R、3G、3Bに入射した色光は、表示すべき画像の画像信号に基づいて変調された変調光となる。3組の液晶装置3R、3G、3Bから出射された3色の変調光は、色合成素子4(色合成光学系)により合成されて多色光となり、投射光学系5に入射する。投射光学系5に入射した多色光は、スクリーン等の被投射面50に投射される。このようにして、被投射面にフルカラーの画像が表示される。
このように構成した投射型表示装置1において、光源部6は、光源ランプ15と放物面リフレクター16とを有している。光源ランプ15から放射された光は、放物面リフレクター16によって一方向に反射されて略平行な光束となり、光源光としてインテグレーター光学系71に入射する。光源ランプ15は、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ等により構成される。放物面リフレクター16に代えて、楕円リフレクター、球面リフレクター等によりリフレクターを構成してもよい。リフレクターの形状に応じて、リフレクターから出射された光を平行化する平行化レンズを用いてもよい。
インテグレーター光学系71は、第1レンズアレイ17と、第2レンズアレイ18と、偏光変換素子19と、重畳レンズ20とを有している。第1レンズアレイ17は、光軸L(装置光軸)に略直交する面に配列された複数のマイクロレンズ21を有している。第2レンズアレイ18は、第1レンズアレイ17と同様、複数のマイクロレンズ22を有している。各マイクロレンズ21、22はマトリクス状に配列されており、光軸Lに直交する平面における平面形状が、液晶パネル11R、11G、11Bの被照明領域と相似形状(略矩形)になっている。被照明領域とは、液晶パネル11R、11G、11Bにおいて複数の画素がマトリクス状に配列されて表示に実質的に寄与する領域のことである。
偏光変換素子19は、複数の偏光変換ユニット23を有している。各偏光変換ユニット23は、その詳細な構造を省略するが、偏光分離膜、1/2位相板、および反射ミラーを有している。第1レンズアレイ17の各マイクロレンズ21は、第2レンズアレイ18の各マイクロレンズ22と1対1で対応している。第2レンズアレイ18の各マイクロレンズ22は、偏光変換素子19の各偏光変換ユニット23と1対1で対応している。
インテグレーター光学系71に入射した光源光は、第1レンズアレイ17の複数のマイクロレンズ21に空間的に分かれて入射し、マイクロレンズ21に入射した光束毎に集光される。各マイクロレンズ21により集光された光源光は、マイクロレンズ21と対応する第2レンズアレイ18のマイクロレンズ22に結像する。すなわち、第2レンズアレイ18の複数のマイクロレンズ22の各々に二次光源像が形成される。マイクロレンズ22に形成された二次光源像からの光は、このマイクロレンズ22に対応する偏光変換ユニット23に入射する。
偏光変換ユニット23に入射した光は、偏光分離膜に対するP偏光とS偏光とに分離される。分離された一方の偏光(例えばS偏光)は、反射ミラーで反射した後に1/2位相板を通ることで偏光状態が変換され、他方の偏光(例えばP偏光)に揃えられる。ここでは、偏光変換ユニット23を通った光の偏光状態が、後述する偏光子9を透過する偏光状態に揃えられるようになっている。複数の偏光変換ユニット23から出射された光は、重畳レンズ20によって液晶パネル11R、11G、11Bの被照明領域上に重畳される。第1レンズアレイ17により空間的に分割された各光束が被照明領域の略全域を照明することにより照度分布が平均化され、被照明領域上の照度が均一化される。
色分離光学系72は、波長選択面を有する第1ダイクロイックミラー25、第2ダイクロイックミラー26、第3ダイクロイックミラー27、および第1反射ミラー28、第2反射ミラー29を有している。第1ダイクロイックミラー25は、赤色光LRを反射させるとともに、緑色光LGおよび青色光LBを透過させる分光特性を有している。第2ダイクロイックミラー26は、赤色光LRを透過させるとともに、緑色光LGおよび青色光LBを反射させる分光特性を有している。第3ダイクロイックミラー27は、緑色光LGを反射させるとともに、青色光LBを透過させる分光特性を有している。第1ダイクロイックミラー25と第2ダイクロイックミラー26とは、各々の波長選択面が互いに略直交するように、かつ各々の波長選択面がインテグレーター光学系71の光軸L2と略45°の角度をなすように配置されている。
色分離光学系72に入射した光源光に含まれる赤色光LR、緑色光LG、青色光LBは、以下のようにして分離され、分離された色光毎に対応する液晶装置3R、3G、3Bに入射する。すなわち、赤色光LRは、第2ダイクロイックミラー26を透過するとともに第1ダイクロイックミラー25で反射した後、第1反射ミラー28で反射し、赤色光用の液晶装置3Rに入射する。緑色光LGは、第1ダイクロイックミラー25を透過するとともに第2ダイクロイックミラー26で反射した後、第2反射ミラー29で反射し、第3ダイクロイックミラー27で反射して、緑色光用の液晶装置3Gに入射する。青色光LBは、第1ダイクロイックミラー25を透過するとともに第2ダイクロイックミラー26で反射した後、第2反射ミラー29で反射し、第3ダイクロイックミラー27を透過して、青色光用の液晶装置3Bに入射する。各液晶装置3R、3G、3Bで変調された各色光は色合成素子4に入射する。
色合成素子4は、ダイクロイックプリズムにより構成されている。ダイクロイックプリズムは、4つの三角柱プリズムが互いに貼り合わされた構造になっている。三角柱プリズムにおいて貼り合わされる面は、ダイクロイックプリズムの内面になる。ダイクロイックプリズムの内面に、赤色光LRが反射して緑色光LGが透過するミラー面と、青色光LBが反射して緑色光LGが透過するミラー面とが互いに直交して形成されている。ダイクロイックプリズムに入射した緑色光LGは、ミラー面をそのまま直進して出射される。ダイクロイックプリズムに入射した赤色光LR、青色光LBは、ミラー面で選択的に反射あるいは透過して、緑色光LGの出射方向と同じ方向に出射される。このようにして3つの色光(画像)が重ね合わされて合成され、合成された色光が投射光学系5によってスクリーン等に拡大投写される。投射光学系5は、第1レンズ群44および第2レンズ群45を有している。
液晶装置3R、3G、3Bはいずれもユニット化されており、同様の構成になっている。このため、液晶装置3R、3G、3Bを区別せず、液晶装置3として説明する。液晶装置3は、偏光子9(入射側偏光板)と、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と、液晶パネル11と、位相差板12と、検光子13(出射側偏光板)とを備えている。かかる液晶装置3において、光源光から分離された光は偏光子9に入射する。本形態において、位相差板12はCプレートであり、厚さ方向の位相差Rthは240nmである。かかる位相差板12は、光軸に対して直交する姿勢で配置される場合がある他、光軸に対して直交する姿勢からやや傾いた姿勢で配置される場合もある。偏光子9は所定の方向に振動する直線偏光を透過するものであり、例えば、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に対するP偏光を透過するように透過軸が設定されている。以下、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に対するP偏光を単にP偏光と称し、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に対するS偏光を単にS偏光と称する。上述したように、インテグレーター光学系71を通った光源光は、偏光状態がP偏光に揃えられているため、光源光から分離された光の略全てが偏光子9を透過してワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射する。
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、光源部6から液晶パネル11に向かう第1光路と、液晶パネル11から投射光学系5に向かう第2光路とを分離する光路分離素子であって、第1光路および第2光路に対して45°の角度をなすように傾いて配置された光路分離素子である。
図1(b)に示すように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、例えば、ガラス基板等の透光性基板10aと、その上に形成された複数の金属線等からなるワイヤーグリッド10bとにより構成された板状光学素子である。複数のワイヤーグリッド10bは、全てが一方向に延在しており、互いに略平行に離間して透光性基板10a上に形成されている。複数のワイヤーグリッド10bが形成された透光性基板10aの主面が偏光分離面となり、複数のワイヤーグリッド10bの延在方向が反射軸方向であり、複数のワイヤーグリッド10bの配列方向が透過軸方向である。
ここで、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、入射する光Liの中心軸(入射光軸L0)に対して略45°の角度をなすように斜め姿勢で配置される(図1参照)。従って、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10f、10g、10hのうち、相対向する辺に位置する一対の側面10e、10fは、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射する光Liの光軸方向で前後方向にずれることになる。従って、一対の側面10e、10fのうち、側面10eは、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射する光Liの光軸方向の前側(光源部6の側)の第1側面となり、側面10fは、後側(液晶パネル11の側)の第2側面となる。
かかるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、入射する光Liのうち、偏光方向が反射軸方向と一致するS偏光は偏光分離面で反射し、偏光方向が透過軸方向と一致するP偏光は偏光分離面を透過する。本形態では、インテグレーター光学系71の偏光変換素子19および偏光子9の作用によって光Liは、概ねP偏光になっているため、光Liの略全てがワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の偏光分離面を透過して液晶パネル11に入射する。なお、偏光子9および検光子13も、耐熱性等を考慮してワイヤーグリッド型偏光板で構成されていることが望ましい。
再び図1(a)において、液晶パネル11は反射型の液晶パネルであり、液晶モードは、垂直配向(Vertical Alien)モードである。かかる液晶パネル11の詳細な説明は省略するが、液晶層は誘電率異方性が負の液晶材料で構成されている。本形態において、液晶層の位相差ndは0.216(波長589nm)である。セル厚は2.1μmであり、プレチルト角は4°である。
かかる液晶装置3において、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を透過した光Liは、位相差板12、液晶パネル11に入射した後、反射して折り返される。その際、光Liは変調光となり、かかる変調光のうち、S偏光はワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10で検光子13に向けて反射される。ここで、液晶装置3はノーマリブラックとなるように構成されており、検光子13と偏光子9とは、互いの透過軸を液晶パネル11に光学的に投影したときに直交するように配置されている。このため、位相差板12を再度透過した変調光のうち、S偏光はワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10で反射された後、検光子13を透過することになる。かかる変調は、液晶装置3R、3G、3Bのいずれにおいても同様に行われる。従って、液晶装置3R、3G、3Bから出射された3色の変調光は、色合成素子4(色合成光学系)により合成されて多色光となり、投射光学系5に入射し、投射光学系5から投射される。
(ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fの詳細構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る投射型表示装置1に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図であり、図2(a)、(b)は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と他の光学系との位置関係を模式的に示す説明図、およびワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を拡大して示す説明図である。なお、本形態および後述するいずれの形態でも、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の構成は、液晶装置3R、3G、3Bのいずれにおいても同様であるため、液晶装置3R、3G、3Bの区別を行わずにワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に設けた反射防止構造を説明する。また、本形態で参照する図2、および後述する形態で参照する図3〜図7では、図1(b)に透光性基板10aおよびワイヤーグリッド10bの各々の図示を省略し、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10全体を板状に表してある。
図2に示すように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)は、入射光軸L0に対して略45°の角度をなすように斜め姿勢で配置されている。このため、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の一対の側面10e、10fのうち、側面10eは、入射光軸方向の前側(光源部6の側)に位置し、側面10fは、入射光軸方向の後側に位置する。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10には、図1(a)を参照して説明した光源部6の側から平行光あるいは発散光が入射する。
そこで、本形態のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、側面10e、10fの少なくとも一方の側面で光軸方向に直交する方向に反射することを防止する反射防止構造を有している。より具体的には、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、反射防止構造として、入射光軸L0に平行な方向に側面10e、10fが向いた構造を有している。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、スクライブ時、斜めに切断する方法等により製造することができる。
かかる構成の反射防止構造によれば、側面10eに到達した光は、入射光軸L0に沿って反射される。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の端部に入射して側面10fに到達した光は、入射光軸L0に沿って反射される。従って、側面10e、10fで反射した光が、入射光軸L0に対して直交する方向(検光子13が位置する側)に向かうことを防止することができる。それ故、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態が発生しにくいので、側面10e、10fで反射した光に起因するコントラスト比(白表示の明るさと黒表示の明るさとの比)の低下が発生しにくい。よって、投射画像の品位の低下を抑制することができる。特に光路分離素子(ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10)の場合、側面10e、10fで光軸方向に直交する方向に反射されると、分離したはずの光路に光が漏れて投射画像の品位が低下しやすいが、かかるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fに反射防止構造を設けたので、側面10e、10fで反射した光に起因する投射画像の品位の低下を効果的に防止することができる。また、特にワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の場合には、撓み等を防止すること等を目的に透光性基板10aとして比較的厚い基板が用いられるので、側面10e、10fでの反射が大きいが、かかるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fに反射防止構造を設ければ、側面10e、10fで反射した光に起因する投射画像の品位の低下を効果的に防止することができる。
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2に係る投射型表示装置1に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図であり、図3(a)、(b)は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と他の光学系との位置関係を模式的に示す説明図、およびワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を拡大して示す説明図である。なお、本形態および後述するいずれの形態も、基本的な構成が実施の形態1と同様であるため、対応する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図3に示すように、本形態の投射型表示装置1においても、実施の形態1と同様、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)は、入射光軸L0に対して略45°の角度をなすように斜め姿勢で配置されている。このため、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の一対の側面10e、10fのうち、側面10eは、入射光軸方向の前側(光源部6の側)に位置し、側面10fは、入射光軸方向の後側に位置する。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10には、図1(a)を参照して説明した光源部6の側から平行光あるいは発散光が入射する。
そこで、本形態のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、側面10e、10fの少なくとも一方の側面で光軸方向に直交する方向に反射することを防止する反射防止構造を有している。より具体的には、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10は、反射防止構造として、入射光軸L0に対して直交する方向に側面10e、10fが向いた構造を有している。
かかる構成によれば、側面10e、10fに向けて進行する光は、側面10e、10fに入射しない。従って、側面10e、10fで反射した光が、入射光軸L0に対して直交する方向(検光子13が位置する側)に向かうことを防止することができる。それ故、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態が発生しにくいので、側面10e、10fで反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
[実施の形態3]
図4は、本発明の実施の形態3に係る投射型表示装置1に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図であり、図4(a)、(b)は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を拡大して示す説明図、およびワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を投射型表示装置1に配置した状態の説明図である。
実施の形態1では、反射防止構造として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fが入射光軸L0に平行な方向に側面10e、10fが向いた構造が採用され、実施の形態2では、反射防止構造として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fが入射光軸L0に対して直交する方向に側面10e、10fが向いた構造が採用されている。
これに対して、本形態では、図4に示すように、反射防止構造として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の前側の側面10e(第1側面)が入射光軸L0に対して直交する方向に向き、後側の側面10f(第2側面)が入射光軸L0に平行な方向に向いている。このため、側面10e、10fで反射した光が、入射光軸L0に対して直交する方向(検光子13が位置する側)に向かうことを防止することができる。
また、図4(b)に示すように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の前側の側面10eが入射光軸L0に対して直交する方向に向いているため、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と隣り合う位置で、入射光軸L0に対して直交する方向に向く検光子13をワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と近接させることができる。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の後側の側面10fが入射光軸L0に平行な方向に向いているため、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と隣り合う位置で、入射光軸L0に平行な方向に向く位相差板12をワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10と近接させることができる。それ故、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10が配置される空間を狭めることができるので、液晶装置3および投射型表示装置1の小型化を図ることができる。
[実施の形態4]
図5は、本発明の実施の形態4に係る投射型表示装置1に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図であり、図5(a)、(b)は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を拡大して示す説明図、およびワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の斜視図である。
実施の形態1〜3では、反射防止構造として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fの向きを最適化したが、本形態では、図5に示すように、側面10e、10fには、金属膜や黒色塗膜等の光吸収層10j(反射防止層)が形成されている。すなわち、本形態では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10において入射光軸L0に45°の角度をなす側面10e、10fに光吸収層10jが形成されている。かかる光吸収層10jは厚さが300nm程度である。
かかる構成の反射防止構造によれば、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の前側の側面10eに到達した光が、入射光軸L0に対して直交する方向(検光子13が位置する側)に向かうことを防止することができる。なお、光吸収層10jの場合、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の端部でワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射した光の一部は、光吸収層10jに到達する前に後側の側面10fで一部が反射するが、かかる光の強度は、側面10eで反射した場合の光の強度に比して小である。それ故、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態が発生しにくいので、側面10e、10fで反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
なお、本形態の投射型表示装置1では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射する光は、色分離光学系72によりR、G、Bの各色光に分離された光である。従って、光吸収層10jとしては。黒色の光吸収層10jに代えて、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10に入射する色光を吸収可能な波長選択性を有する光吸収層10j(色素層)を用いてもよい。
[実施の形態4の改良例]
図5に示す形態では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10において入射光軸L0に45°の角度をなす側面10e、10fに光吸収層10j(反射防止層)を形成したが、実施の形態1、2、3で説明したように、入射光軸L0に平行な方向に向く側面10e、10fや、入射光軸L0に対して直交する方向に向く側面10e、10fに光吸収層10j(反射防止層)を形成してもよい。かかる構成によれば、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態をより確実に防止することができる。
[実施の形態5]
図6は、本発明の実施の形態5に係る投射型表示装置1に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図であり、図6(a)、(b)は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を拡大して示す説明図、およびワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の斜視図である。
実施の形態4では、側面10e、10fに光吸収層10j(反射防止層)を形成したが、本形態では、図6に示すように、側面10e、10fに光拡散性が付与されている。すなわち、本形態では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10において入射光軸L0に45°の角度をなす側面10e、10fに微細な凹凸10kが形成されており、光散乱性が付与されている。かかる光散乱性は、側面10e、10fに対するフッ酸処理やサンドブラスト等によって付与することができる。
かかる構成の反射防止構造によれば、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の前側の側面10e、10fに到達した光が、入射光軸L0に対して直交する方向(検光子13が位置する側)に向かうことを防止することができる。それ故、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態が発生しにくいので、側面10e、10fで反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
[実施の形態5の改良例]
図6に示す形態では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10において入射光軸L0に45°の角度をなす側面10e、10fに光散乱性付与用の凹凸10kを形成したが、実施の形態1、2、3で説明したように、入射光軸L0に平行な方向に向く側面10e、10fや、入射光軸L0に対して直交する方向に向く側面10e、10fに凹凸10kを形成して光散乱性を付与してもよい。かかる構成によれば、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態をより確実に防止することができる。
[実施の形態6]
図7は、本発明の実施の形態6に係る投射型表示装置1に用いたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10(板状光学素子)に設けた反射防止構造の説明図であり、図7(a)、(b)は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を拡大して示す説明図、およびワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の斜視図である。
実施の形態1〜3では、反射防止構造として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の側面10e、10fの向きを最適化し、実施の形態4、5では、側面10e、10fに成膜等の処理を行ったが、本形態では、図7に示すように、側面10e、10fの前側に遮光部材10rが配置されている。すなわち、本形態では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10において入射光軸L0に45°の角度をなす側面10e、10fの前側に矩形枠状の遮光部材10rが配置されており、側面10e、10fへの光の入射が阻止されている。本形態において、遮光部材10rは、例えば、金属板の前側の面に、カーボン等を利用して艶消しの黒色処理を行ったフレーム板からなる。
かかる構成の反射防止構造によれば、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10の前側の側面10e、10fに光が到達しない。それ故、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態が発生しにくいので、側面10e、10fで反射した光に起因する投射画像の品位の低下を抑制することができる。
なお、図7に示す形態では、矩形枠状の遮光部材10rを用いたが、側面10e、10fの前側のみに遮光部材10rを設けてもよい。また、遮光部材10rにフックを設けて透光性基板10aと一体化すれば、遮光部材10rが一体となったワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を構成することができる。
[実施の形態6の改良例]
図7に示す形態では、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10において入射光軸L0に45°の角度をなす側面10e、10fの前側に遮光部材10rを配置したが、実施の形態1、2、3で説明したように、入射光軸L0に平行な方向に向く側面10e、10fや、入射光軸L0に対して直交する方向に向く側面10e、10fの前側に遮光部材10rを配置してもよい。また、実施の形態4、5のように、光吸収層10jや光散乱性を付与した側面10e、10fの前側に遮光部材10rを配置してもよい。かかる構成によれば、側面10e、10fで反射した光が投射光学系5から出射されるという事態をより確実に防止することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、光軸に対して斜めに配置される板状光学素子として、光路分離素子としてのワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター10を例示したが、光の波長によって光路を分離する板状のダイクロイックミラー(光路分離素子)に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、光源部6から液晶パネル11に向かう第1光路と、液晶パネル11から投射光学系5に向かう第2光路とを分離する光路分離素子に本発明を適用したが、他の光路に配置されたダイクロイックミラー、ハーフミラー、全反射ミラー等、透光性基板を備えた他の板状光学素子が斜めに配置される場合に本発明を適用してもよい。
1・・投射型表示装置、2・・照明装置、3R、3G、3B・・液晶装置、4・・色合成素子(色合成光学系)、5・・投射光学系、6・・光源部、7・・照明光学系、9・・偏光子、10・・ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(板状光学素子/光路分離素子)、10e・・ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの側面(第1側面)、10f・・ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの側面(第2側面)、10j・・光吸収層、10k・・光散乱性付与用の凹凸、10r・・遮光部材、11・・液晶パネル(ライトバルブ)、12・・位相差板、13・・検光子、50・・被投射面

Claims (11)

  1. 光源部と、該光源部から出射された光源光を変調するライトバルブと、該ライトバルブによって変調された光を投射する投射光学系と、前記光源部から前記ライトバルブを経由して前記投射光学系に至る光路に配置された複数の光学素子と、を有する投射型表示装置であって、
    前記複数の光学素子は、前記光路の光軸に対して斜めに配置されることにより、第1側面が前記第1側面に対向する第2側面より前記光路の前記光源部側に位置する透光性基板を備えた板状光学素子を含み、
    前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方で、当該板状光学素子に向かう前記光源光が前記光軸方向に直交する方向に反射することを防止する反射防止構造を有していることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 前記板状光学素子は、前記光源部から前記ライトバルブに向かう第1光路と、前記ライトバルブから前記投射光学系に向かう第2光路とを分離する光路分離素子であって、前記第1光路および前記第2光路に対して45°の角度をなすように傾いていることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
  3. 前記板状光学素子は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターであることを特徴とする請求項2に記載の投射型表示装置。
  4. 前記板状光学素子は、少なくとも、前記第1側面に前記反射防止構造を有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の投射型表示装置。
  5. 前記板状光学素子には、前記光源部の側から平行光あるいは発散光が入射することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の投射型表示装置。
  6. 前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記板状光学素子への入射光軸に対して平行な方向に前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方が向いた構造を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  7. 前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記板状光学素子への入射光軸に対して直交する方向に前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方が向いた構造を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  8. 前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の一方の側面が前記板状光学素子への入射光軸に対して直交する方向に向き、他方の側面が前記板状光学素子への入射光軸に平行な方向に向いた構造を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  9. 前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方に光吸収層が形成された構造を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  10. 前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方に光散乱性が付された構造を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
  11. 前記板状光学素子は、前記反射防止構造として、前記第1側面および前記第2側面の少なくとも一方の前記光源部側に遮光部材が配置された構造を有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の投射型表示装置。
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