JP2014084730A - オイルセパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さいときであっても、オイルを分離することが可能なオイルセパレータを提供する。
【解決手段】オイルセパレータ51は、シリンダブロック10においてシリンダの配列方向に延びる側面を覆うケース52と、ケース52内で上方に開口してブローバイガスを導入する第1の導入口531と、ケース52からブローバイガスを排出する排出口55とを有している。こうしたオイルセパレータ51において、ケース52内には第1の導入口531の上方の位置に突出して同導入口531と対向する対向壁65を設けている。
【選択図】図2
【解決手段】オイルセパレータ51は、シリンダブロック10においてシリンダの配列方向に延びる側面を覆うケース52と、ケース52内で上方に開口してブローバイガスを導入する第1の導入口531と、ケース52からブローバイガスを排出する排出口55とを有している。こうしたオイルセパレータ51において、ケース52内には第1の導入口531の上方の位置に突出して同導入口531と対向する対向壁65を設けている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ブローバイガスからオイルを分離するオイルセパレータに関する。
近年、内燃機関のクランク室に滞留するブローバイガスを吸気通路に還流させる装置が実用化されている。しかしながら、ブローバイガスは、クランク室内を飛散するオイルを含んでいるため、ブローバイガスをそのまま吸気通路に還流させると、燃焼室にてオイルが燃焼し、その消費量が増大する。そこで、特許文献1に記載の装置では、シリンダヘッドの上面とシリンダヘッドカバーとで囲まれるブリーザ室にブローバイガスを導入し、同ブローバイガスをブリーザ室の底壁に向けて指向させるようにしている。そして、ブローバイガスを底壁に衝突させ、オイルを同底壁に付着させることで気液分離した後に、同ブローバイガスを吸気通路に還流させるようにしている。
ところで、特許文献1に記載の装置では、ブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さい場合、すなわち、オイルの重量が軽い場合には、ブローバイガスが底壁に衝突する前に上方に拡散してしまうおそれがある。このため、ブローバイガスからオイルを十分に分離させることができないおそれがある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さいときであっても、オイルを分離することが可能なオイルセパレータを提供することにある。
上記課題を解決するオイルセパレータは、シリンダブロックにおいてシリンダの配列方向に延びる側面を覆うケースと、ケース内で上方に向けて開口してブローバイガスを導入する導入口と、ケースからブローバイガスを排出する排出口とを有している。そして、こうしたオイルセパレータにおいて、ケース内には導入口の上方の位置で突出し同導入口と対向する対向壁を設けている。
ブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さい場合には、オイルの重量が軽いため、ブローバイガスが上方に拡散し易くなる。その点、上記構成によれば、導入口の上方の位置に同導入口と対向する対向壁を設けているため、ブローバイガスが上方に拡散した場合であっても、同ブローバイガスを対向壁に接触させることができる。このように対向壁に接触したブローバイガスはその速度が一時的に低下するため、これに含まれるオイル同士が結合してその粒径が大きくなる。その結果、ブローバイガスに含まれるオイルは重力によって沈降し易くなる。したがって、上記構成によればブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さいときであっても、オイルを分離することができるようになる。
また、上記オイルセパレータの対向壁は、導入口と対向する壁面の両端部がその中央部よりも下方に位置する形状とするのが好ましい。
上記構成によれば、対向壁の下方にブローバイガスが滞留し易くなり、オイルの大径化が促進されることとなるため、ブローバイガスの気液分離をより効果的に行うことができる。
上記構成によれば、対向壁の下方にブローバイガスが滞留し易くなり、オイルの大径化が促進されることとなるため、ブローバイガスの気液分離をより効果的に行うことができる。
また、上記オイルセパレータの側面は、シリンダブロックのシリンダが形成される部分の側面であることが望ましい。
シリンダブロックでは、シリンダが形成される上方の部分の幅が、クランク室が形成される下方の部分の幅よりも狭い。そのため、上記構成のように、シリンダが形成される部分の側面にオイルセパレータを設けるようにすれば、オイルセパレータの容積を十分に確保することができる。このため、ブローバイガスに含まれるオイルが重力により沈降する時間を長くすることができ、同ブローバイガスの気液分離をより効果的に行うことができる。
シリンダブロックでは、シリンダが形成される上方の部分の幅が、クランク室が形成される下方の部分の幅よりも狭い。そのため、上記構成のように、シリンダが形成される部分の側面にオイルセパレータを設けるようにすれば、オイルセパレータの容積を十分に確保することができる。このため、ブローバイガスに含まれるオイルが重力により沈降する時間を長くすることができ、同ブローバイガスの気液分離をより効果的に行うことができる。
また、上記オイルセパレータでは、ケースにより区画される空間は導入口が開口する第1の領域と同第1の領域よりもブローバイガスの拡散範囲が狭い第2の領域とを有し、第2の領域にはブローバイガスが導入される別の導入口を開口し、第1の領域及び第2の領域との間には下方に突出して流路面積を減少させる絞りを形成することが好ましい。
上記構成によれば、上記導入口とは別の導入口を設けているため、オイルセパレータに流入するブローバイガスの量を増大させ、より多くのブローバイガスをオイルセパレータにて処理することができる。さらにこの別の導入口をブローバイガスの拡散範囲が狭い第2の領域に開口させ、第1の領域と第2の領域との間に絞りを形成するようにしているため、同別の導入口から流入したブローバイガスが第2の領域に滞留し易くなる。このため、ブローバイガスに含まれるオイルの大径化を促進させることができる。したがって、別の導入口から流入するブローバイガスについてもその気液分離を好適に行うことができるようになる。
また、上記オイルセパレータにおいて、そのケースは、シリンダブロックに対向する面の長手方向及び短手方向における長さをそれぞれ100mm以上に設定するとともに、長手方向及び短手方向の双方に直交する方向の長さを50mm以上に設定する。そして、ブローバイガスが流れる流路の全長を100mm以上とし、導入口を同導入口から流入するブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となる断面積に設定し、導入口とこれに対向する対向壁との距離を40mm以内に設定するといった構成を採用することができる。
以下、オイルセパレータを具体化した一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
まず、図1を参照して、オイルセパレータが設けられる内燃機関の構成について説明する。
まず、図1を参照して、オイルセパレータが設けられる内燃機関の構成について説明する。
図1に示すように、内燃機関は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10の上部に設けられたシリンダヘッド20と、シリンダヘッド20の上面を覆うシリンダヘッドカバー30と、シリンダブロック10の下部に設けられたオイルパン40とを有している。
シリンダブロック10の上方の部分には、図1の奥行き方向に配列する複数のシリンダ11が形成されている。各シリンダ11には、ピストン12が往復動可能に収容されている。ピストン12は、コネクティングロッド13を介してクランクシャフト14に接続されている。
クランクシャフト14が配設されているシリンダブロック10の下方の部分には、同部分とオイルパン40とによってクランク室15が形成されている。なお、シリンダブロック10は、下方の部分よりも上方の部分の方が、その幅(図の左右方向における長さ)が狭い。
また、内燃機関には、ピストン12の上面、シリンダ11、及びシリンダヘッド20によって燃焼室16が区画形成されている。燃焼室16には、吸気通路21と排気通路22とが接続され、吸気通路21には吸気バルブ23が配設されるとともに、排気通路22には排気バルブ24が配設されている。そして、これらのバルブ23、24が開閉することによって、吸気通路21及び排気通路22と燃焼室16とがそれぞれ連通、遮断される。また、吸気通路21には、スロットルバルブ25が設けられており、このスロットルバルブ25の開度を制御することで、燃焼室16に吸入される空気の量が調節される。
ところで、クランク室15には、ピストン12とシリンダ11との間隙を通じて燃焼室16から未燃燃料を含んだガス、いわゆるブローバイガスが漏出する。一方、オイルパン40に貯留されているオイルは、オイルポンプによって汲み上げられて内燃機関の各潤滑部位、例えばクランクシャフト14やコネクティングロッド13等に供給される。そのため、こうした部位に供給されたオイルは、同部位が回転することに伴いクランク室15内に飛散することとなる。その結果、クランク室15には、ブローバイガスとオイルとが混在した状態となり、ブローバイガスにオイルが含まれた状態となる。
そこで、内燃機関には、ブローバイガスに含まれるオイルを分離させた後に、ブローバイガスを吸気通路21に還流させる還流装置500が設けられている。
還流装置500は、シリンダブロック10に形成されたブローバイガス通路50を有している。ブローバイガス通路50は、オイルセパレータ51に接続され、クランク室15とオイルセパレータ51内とを連通している。オイルセパレータ51は、シリンダブロック10の上方の部分においてシリンダ11の配列方向(図1の奥行き方向)に延びる側面を覆うケース52を有している。なお、ブローバイガス通路50と、オイルセパレータ51との接続部がブローバイガスの導入口53となる。
還流装置500は、シリンダブロック10に形成されたブローバイガス通路50を有している。ブローバイガス通路50は、オイルセパレータ51に接続され、クランク室15とオイルセパレータ51内とを連通している。オイルセパレータ51は、シリンダブロック10の上方の部分においてシリンダ11の配列方向(図1の奥行き方向)に延びる側面を覆うケース52を有している。なお、ブローバイガス通路50と、オイルセパレータ51との接続部がブローバイガスの導入口53となる。
また、オイルセパレータ51には、排出通路54の一端が接続されている。排出通路54の他端は、吸気通路21においてスロットルバルブ25の吸気下流側の部分に接続されている。この排出通路54によって、オイルセパレータ51内と吸気通路21とが連通されている。なお、オイルセパレータ51と排出通路54との接続部がブローバイガスをオイルセパレータ51から排出する排出口55となる。
オイルセパレータ51と排出通路54との接続部分には、PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)バルブ56が設けられている。PCVバルブ56は、クランク室15内の圧力と、吸気通路21においてスロットルバルブ25の吸気下流側の部分の圧力、いわゆる吸気負圧との差によってその開度が自律的に調節される差圧作動式の調節弁である。すなわち、クランク室15内の圧力が吸気通路21の圧力より高いときほど小さい開度となるようその開度が制御されている。そして、PCVバルブ56が開弁することによって、オイルセパレータ51に吸気負圧が導入され。ブローバイガスが吸気通路21へ還流される。このように、PCVバルブ56の開度に応じてオイルセパレータ51から吸気通路21に還流されるブローバイガスの流量が調整される。
また、還流装置500は、吸気通路21においてスロットルバルブ25よりも吸気上流側の部分と、シリンダヘッドカバー30内の空間とを連通する新気導入通路57を有している。シリンダヘッドカバー30内の空間はクランク室15と連通しており、吸気通路21からシリンダヘッドカバー30内に流入した新気は、クランク室15へと流動する。
次に、図2及び図3を参照してオイルセパレータ51の構造について詳細に説明する。なお、図2では、その左右方向がシリンダ11の配列方向と対応する。
図2に示すように、オイルセパレータ51は、シリンダブロック10においてシリンダ11の配列方向に延びる側面を覆うケース52を有している。ケース52は、長手方向(図2の左右方向)に延びる多角形状の形状を有しており、シリンダブロック10に対向する面の長手方向における長さL1が100mm以上に設定されている。また、同面の短手方向(図の上下方向)における長さL2が100mm以上に設定されている。そして、これら長手方向及び短手方向の双方に直交する方向(図2の奥行き方向)における長さ、すなわち、図1に示す長さL3が50mm以上に設定されている。また、ケース52により区画される空間は、第1の領域58と、第1の領域58よりも容積の小さい、すなわちブローバイガスが導入された際にその拡散範囲が狭い第2の領域59とを有している。そして、第1の領域58と第2の領域59との間には、下方に突出した絞り60が形成されている。そのため、この絞り60によって、第1の領域58と第2の領域59との間の流路面積は小さくされている。なお、この絞り60の下方にはオイルをオイルパンに戻すオイル導出口61が形成されている。
図2に示すように、オイルセパレータ51は、シリンダブロック10においてシリンダ11の配列方向に延びる側面を覆うケース52を有している。ケース52は、長手方向(図2の左右方向)に延びる多角形状の形状を有しており、シリンダブロック10に対向する面の長手方向における長さL1が100mm以上に設定されている。また、同面の短手方向(図の上下方向)における長さL2が100mm以上に設定されている。そして、これら長手方向及び短手方向の双方に直交する方向(図2の奥行き方向)における長さ、すなわち、図1に示す長さL3が50mm以上に設定されている。また、ケース52により区画される空間は、第1の領域58と、第1の領域58よりも容積の小さい、すなわちブローバイガスが導入された際にその拡散範囲が狭い第2の領域59とを有している。そして、第1の領域58と第2の領域59との間には、下方に突出した絞り60が形成されている。そのため、この絞り60によって、第1の領域58と第2の領域59との間の流路面積は小さくされている。なお、この絞り60の下方にはオイルをオイルパンに戻すオイル導出口61が形成されている。
また、オイルセパレータ51とクランク室15とは、シリンダブロック10に設けられたブローバイガス通路50によって連通されている。ブローバイガス通路50は2つ形成されている。一方のブローバイガス通路50は第1の領域58において上方に向けて開口されるとともに、他方のブローバイガス通路50は第2の領域59において上方に向けて開口されている。以下では、第1の領域58に開口したブローバイガス通路50の開口端を第1の導入口531とし、第2の領域59に開口した開口端を第2の導入口532とする。なお、第1の導入口531が導入口に相当し、第2の導入口532が別の導入口に相当する。そして、第1及び第2の導入口531、532の断面積は、これら導入口531、532からケース52内に流入するブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となるように設定されている。また、第1の領域58には、ブローバイガスに含まれるオイルを分離させるオイル分離部62が設けられている。
図3に示すように、オイル分離部62は、迷路状の流路が形成されたラビリンス部63と、ラビリンス部63と連通するサイクロン部64と、サイクロン部64の外壁に設けられた対向壁65とを有している。ラビリンス部63では、ブローバイガスが蛇行して流れるようにその流れ方向を変更することで気液分離が行われ、サイクロン部64ではブローバイガスを旋回させることで気液分離が行われる。また、ラビリンス部63には、オイルセパレータ51内のブローバイガスが流入する流入口66が形成されている。この流入口66からオイル分離部62に流入したブローバイガスは、ラビリンス部63、サイクロン部64、排出口55、PCVバルブ56を経て排出通路54から吸気通路21へと還流される。なお、オイルセパレータ51において導入口53から排出口55までのブローバイガスの流路長は、その全長が100mm以上となるように設定されている。
なお、ラビリンス部63及びサイクロン部64において分離されたオイルは、オイル排出部67によってケース52内の空間へ排出される。そして、こうして排出されたオイルは、オイル導出口61からオイルパン40へ戻される。
対向壁65は、第1の導入口531の上方に位置し、サイクロン部64の外壁からシリンダブロック10の側面に向けて突出している。対向壁65において導入口531と対向する壁面68は、その中央部69が第1の導入口531の開口面と平行に延び、両端部70が第1の導入口531を覆うように鉛直方向下方に湾曲している。換言すれば、同壁面68の両端部70がその中央部69よりも下方に位置する形状となっている。そして、同壁面68から第1の導入口531までの距離は、40mm以内に設定されている。
次に、本実施形態のオイルセパレータ51の作用について説明する。
クランク室15のブローバイガスは、PCVバルブ56が開弁されると、ブローバイガス通路50を通じてオイルセパレータ51に導入される。このとき、オイルセパレータ51に導入されたブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さい場合には、オイルの重量が軽いため、ブローバイガスが上方に拡散し易い。ここで、第1の導入口531の上方の位置には、同導入口531と対向する対向壁65が設けられている。そのため、ブローバイガスが上方に拡散した場合であっても、ブローバイガスが対向壁65と接触することとなる。そして、このようにブローバイガスが対向壁65に接触すると、その速度が一時的に低下するため、ブローバイガスに含まれるオイル同士が結合してその粒径が大きくなる。その結果、ブローバイガスに含まれるオイルの重量が増大し、重力によって沈降し易くなる。
クランク室15のブローバイガスは、PCVバルブ56が開弁されると、ブローバイガス通路50を通じてオイルセパレータ51に導入される。このとき、オイルセパレータ51に導入されたブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さい場合には、オイルの重量が軽いため、ブローバイガスが上方に拡散し易い。ここで、第1の導入口531の上方の位置には、同導入口531と対向する対向壁65が設けられている。そのため、ブローバイガスが上方に拡散した場合であっても、ブローバイガスが対向壁65と接触することとなる。そして、このようにブローバイガスが対向壁65に接触すると、その速度が一時的に低下するため、ブローバイガスに含まれるオイル同士が結合してその粒径が大きくなる。その結果、ブローバイガスに含まれるオイルの重量が増大し、重力によって沈降し易くなる。
なお、このとき、対向壁65は、第1の導入口531と対向する壁面68の両端部70がその中央部69よりも下方に位置する形状となっている。そのため、第1の導入口531から上方に流動したブローバイガスは一旦下方に流れることとなり、対向壁65の下方にブローバイガスが滞留し易くなる。その結果、第1の導入口531から導入されたブローバイガス同士が衝突する、換言すれば、ブローバイガスに含まれるオイル同士が結合することとなり、オイルの大径化が促進される。
また、対向壁65と第1の導入口531との距離が40mm以内であり、第1の導入口531からブローバイガスが常に0.3m/秒以上の流速で導入されるため、ブローバイガスが対向壁65と接触し易くなり、オイルの大径化をより促進することができる。
一方、第2の導入口532から導入したブローバイガスは、第1の領域58よりもブローバイガスの拡散範囲が狭い第2の領域59に導入される。このとき、第1の領域58と第2の領域59との間には、下方に突出し流路面積を減少させる絞り60が形成されている。そのため、第2の領域59から第1の領域58へと流出するブローバイガスの流量が制限され、ブローバイガスが第2の領域59に滞留する時間が長くなる。こうしてブローバイガスの滞留時間が長くなると、ブローバイガス同士が接触する機会が増大するため、ブローバイガスに含まれるオイル同士が結合してその大径化が促進される。
そして、こうして大径化されたオイルを含むブローバイガスは、ケース52によって区画された空間内に滞留する。ケース52は、シリンダブロック10のシリンダ11が形成される部分の側面に取り付けられている。ここで、シリンダブロック10では、シリンダ11が形成される上方の部分の幅が、クランク室15が形成される下方の部分の幅よりも狭い。そのため、オイルセパレータ51は、その容積を十分に確保することができる。その結果、ブローバイガスが滞留する際に、ブローバイガスに含まれるオイルが重力により沈降する時間を長くすることができ、同ブローバイガスの気液分離がより効果的に行われる。なお、こうして滞留したブローバイガスは、更にラビリンス部63及びサイクロン部64を通過して吸気通路21へ還流される。したがって、これらラビリンス部63及びサイクロン部64によってもブローバイガスの気液分離を図ることができる。
また、第2の導入口532は、0.3m/秒以上の流速で上方に向けてブローバイガスを導入させる。そのため、第2の領域59の上方の壁面には、ブローバイガスが衝突してオイルが付着する。そして、こうして付着したオイルは、ブローバイガスの流れによってその流れ方向下流側へと運ばれ、絞り60が形成された位置へ到達する。絞り60に到達したオイルは、その部分で集まり、重力によって下方へ滴下することとなる。そして、絞り60がオイル導出口61の上方に形成されているため、滴下したオイルがオイル導出口61からオイルパン40へ効率よく戻される。
以上説明した一実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ブローバイガスが上方に拡散した場合であっても、同ブローバイガスを対向壁65に接触させ、ブローバイガスの速度を一時的に低下させることができる。そのため、ブローバイガスに含まれるオイルの粒径を大径化して、ブローバイガスに含まれるオイルを重力によって沈降し易くすることができる。したがって、ブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さいときであっても、オイルを分離することができるようになる。
(1)本実施形態では、ブローバイガスが上方に拡散した場合であっても、同ブローバイガスを対向壁65に接触させ、ブローバイガスの速度を一時的に低下させることができる。そのため、ブローバイガスに含まれるオイルの粒径を大径化して、ブローバイガスに含まれるオイルを重力によって沈降し易くすることができる。したがって、ブローバイガスに含まれるオイルの粒径が小さいときであっても、オイルを分離することができるようになる。
(2)本実施形態では、対向壁65の下方にブローバイガスが滞留し易くなり、オイルの大径化が促進されることとなるため、ブローバイガスの気液分離をより効果的に行うことができる。
(3)本実施形態では、シリンダ11が形成される部分の側面にオイルセパレータ51を設けているため、オイルセパレータ51の容積を十分に確保することができる。そのため、ブローバイガスに含まれるオイルが重力により沈降する時間を長くすることができ、同ブローバイガスの気液分離をより効果的に行うことができる。
(4)本実施形態では、第1の導入口531と第2の導入口532とを設けているため、オイルセパレータ51に流入するブローバイガスの量を増大させ、より多くのブローバイガスをオイルセパレータ51にて処理することができる。さらに第2の導入口532をブローバイガスの拡散範囲が狭い第2の領域59に開口させ、第1の領域58と第2の領域59との間に絞り60を形成するようにしているため、第2の導入口532から流入したブローバイガスが第2の領域59に滞留し易くなる。このため、ブローバイガスに含まれるオイルの大径化を促進させることができ、第2の導入口532から流入するブローバイガスについてもその気液分離を好適に行うことができるようになる。
なお、上記一実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、第1の導入口531及び第2の導入口532において、その両方の断面積をブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となるように設定したが、第1の導入口531のみブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となるように設定してもよい。
・上記実施形態では、第1の導入口531及び第2の導入口532において、その両方の断面積をブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となるように設定したが、第1の導入口531のみブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となるように設定してもよい。
・上記実施形態では、ケース52においてシリンダヘッド20に対向する面の長手方向及び短手方向における長さをそれぞれ100mm以上に設定するとともに、長手方向及び短手方向の双方に直交する方向の長さが50mm以上に設定した。また、ブローバイガスが流れる流路の全長を100mm以上とし、導入口53の断面積を同導入口53から流入するブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となるように設定した。そして、第1の導入口531とこれに対向する対向壁65との距離を40mm以内に設定した。しかし、ケース52の大きさや、ブローバイガスの流路長、導入口53の断面積は適宜変更することができ、また導入口53と対向壁65との距離の設定条件については、上記以外の条件としてもよい。
・上記実施形態では、第2の導入口532を第2の領域59に開口させたが、第1の領域58に開口させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、導入口53を2つ設けたが、1つであってもよいし、3つ以上設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、導入口53を2つ設けたが、1つであってもよいし、3つ以上設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、シリンダブロック10においてシリンダ11が形成される上方の部分の側面にオイルセパレータ51を設けるようにしたが、オイルセパレータ51の容積を十分に確保することができるのであれば、クランク室15が形成される下方の部分の側面に設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、オイル分離部62としてラビリンス部63とサイクロン部64とを設けたが、こうした構成は省略してもよい。なお、こうした場合には、シリンダブロック10の側面から対向壁65を突出させてもよいし、ケース52に対向壁65を形成するようにしてもよい。また、対向壁65を別に設けて、シリンダブロック10又はケース52に固定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、対向壁65において第1の導入口531と対向する壁面68の形状を、その中央部69が第1の導入口531の開口面と平行に延びるとともに、両端部70が第1の導入口531を覆うように鉛直方向下方に湾曲する形状とした。しかし、壁面68の形状としては、例えば、中央部69を頂点として端部70側になるほど下方に位置するよう直線的に変化する山型の形状や、端部70側になるほど下方に位置するよう曲線的に変化する半球状等、他の形状とするようにしてもよい。また、同壁面68を導入口53の開口面と平行に形成するようにしてもよい。
10…シリンダブロック、11…シリンダ、12…ピストン、13…コネクティングロッド、14…クランクシャフト、15…クランク室、16…燃焼室、20…シリンダヘッド、21…吸気通路、22…排気通路、23…吸気バルブ、24…排気バルブ、25…スロットルバルブ、30…シリンダヘッドカバー、40…オイルパン、50…ブローバイガス通路、51…オイルセパレータ、52…ケース、53…導入口、54…排出通路、55…排出口、56…PCVバルブ、57…新気導入通路、58…第1の領域、59…第2の領域、60…絞り、61…オイル導出口、62…オイル分離部、63…ラビリンス部、64…サイクロン部、65…対向壁、66…流入口、67…オイル排出部、68…壁面、69…中央部、70…端部、500…還流装置、531…第1の導入口、532…第2の導入口。
Claims (5)
- シリンダブロックにおいてシリンダの配列方向に延びる側面を覆うケースと、前記ケース内で上方に向けて開口してブローバイガスを導入する導入口と、前記ケースからブローバイガスを排出する排出口とを有し、前記ケース内には前記導入口の上方の位置で突出し同導入口と対向する対向壁が設けられてなるオイルセパレータ。
- 前記対向壁は、前記導入口と対向する壁面の両端部がその中央部よりも下方に位置する形状を有してなる
請求項1に記載のオイルセパレータ。 - 前記側面は、前記シリンダブロックの前記シリンダが形成される部分の側面である
請求項1又は請求項2に記載のオイルセパレータ。 - 前記ケースにより区画される空間は前記導入口が開口する第1の領域と前記第1の領域よりもブローバイガスの拡散範囲が狭い第2の領域とを有し、前記第2の領域にはブローバイガスが導入される別の導入口が開口され、前記第1の領域及び前記第2の領域との間には下方に突出して流路面積を減少させる絞りが形成されてなる
請求項1〜3のいずれか一項に記載のオイルセパレータ。 - 前記ケースは、前記シリンダブロックに対向する面の長手方向及び短手方向における長さがそれぞれ100mm以上に設定されるとともに、長手方向及び短手方向の双方に直交する方向の長さが50mm以上に設定され、
前記ブローバイガスが流れる流路の全長が100mm以上であり、
前記導入口は、同導入口から流入するブローバイガスの流速が常に0.3m/秒以上となる断面積に設定され、
前記導入口とこれに対向する前記対向壁との距離が40mm以内に設定されてなる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のオイルセパレータ。
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JP2012232084A JP2014084730A (ja) | 2012-10-19 | 2012-10-19 | オイルセパレータ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016188632A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | トヨタ自動車株式会社 | 可変圧縮比内燃機関 |
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2012
- 2012-10-19 JP JP2012232084A patent/JP2014084730A/ja active Pending
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