JP2014084025A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014084025A
JP2014084025A JP2012235646A JP2012235646A JP2014084025A JP 2014084025 A JP2014084025 A JP 2014084025A JP 2012235646 A JP2012235646 A JP 2012235646A JP 2012235646 A JP2012235646 A JP 2012235646A JP 2014084025 A JP2014084025 A JP 2014084025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
column member
steering shaft
steering
column
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012235646A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Suemasu
祐輔 末増
Masaya Takeda
雅也 丈田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2012235646A priority Critical patent/JP2014084025A/ja
Publication of JP2014084025A publication Critical patent/JP2014084025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Steering Controls (AREA)

Abstract

【課題】抵抗感のない滑らかなハンドル操作性を維持し、高速走行中のステアリングホイールの操縦安定性を向上させることができるステアリング装置を提供する。
【解決手段】車体後方側の第1コラム部材1と、第1コラム部材1が軸方向に摺動可能に外嵌固定された第2コラム部材3と、第2コラム部材3が軸方向に摺動可能に外嵌固定された第3コラム部材3と、第1コラム部材1に転がり軸受33によって支持され雌の嵌合部を有するアッパー側ステアリングシャフト29と、第3コラム部材5に第2の転がり軸受45によって支持され、アッパー側ステアリングシャフト29の嵌合部と係合する雄の他方の嵌合部を有するロアー側ステアリングシャフト31とを備えたステアリング装置において、第2または第3コラム部材の後方側端部には、雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの外周面に接触して該ステアリングシャフトを支持するブッシュ49が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明はステアリング装置に関する。特にアッパーコラムとロアーコラムとが軸方向に摺動可能に嵌合することによってステアリングホイールのテレスコピック位置の調整を行うことができるステアリング装置、または二次衝突時にステアリングコラムが車体前方側にコラプス移動して二次衝突の衝撃荷重を吸収するようにしたステアリング装置であって、ステアリングシャフトを回転可能に支持する軸受を備えたステアリング装置に関する。
ステアリングシャフトを回転可能に支持する転がり軸受は、摩擦抵抗が小さくかつ安定しているため、極めて滑らかなハンドル操作を行うことができる。しかし、転がり軸受は振動吸収特性が小さいため、高速走行中の路面の起伏による車軸の振動がステアリングホイールにそのまま伝達され、ステアリングホイールが回転方向や上下方向に微振動し、操縦安定性が低下するという問題がある。そこで、例えば特許文献1または特許文献2のように、ステアリングシャフトの両端部を支持する転がり軸受に加え、ステアリングシャフトの中間部を支持する軸受をさらに配置したステアリング装置が提案されている。
特開2006−069360号公報 特許第4273866号公報
特許文献1のステアリング装置は、テレスコピック位置の調整が可能な構造であり、アウターコラムとインナーコラムとの嵌合構造、および雄シャフトと雌シャフトとの嵌合構造の中央部付近に中間軸受を配置した構成となっている。中間軸受は転がり軸受であり、インナーコラムに圧入されて固定されている。しかし、転がり軸受は素材が鉄なので、圧入部のしめしろは寸法公差が厳しく管理される。そのため、インナーコラムの加工には切削加工や研磨が用いられ、結果として加工コストが高くなってしまう。
また、特許文献2のステアリング装置は、中間部の軸受にブッシュを用いているが、テレスコピック位置の調整が可能な構造ではない。当該ステアリング装置の場合、ステアリングシャフトのステアリングコラムへの組付けは、ステアリングシャフトを車両前方側からステアリングコラムに挿入し、ステアリングシャフトの後方端を引き上げてステアリングコラムの車両後方側から突出させることとなる。また、ブッシュを受けるステアリングシャフトの外径寸法は転がり軸受の軸受部と同一の寸法になっている。このようなシャフト構造のままブッシュをテレスコピック位置調整可能な構造に適用すると、ブッシュは比較的転がり軸受近傍の位置に配置されてしまい、振動吸収効果が少なくなることが考えられる。
本発明は、このような状況に鑑み、抵抗感のない滑らかなハンドル操作性を維持し、高速走行中のステアリングホイールの操縦安定性を向上させることができるステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、本発明は、車体後方側の第1コラム部材と、前記第1コラム部材の前方側に配置され、ステアリングホイールのテレスコピック位置調整の際前記第1コラム部材が軸方向に摺動可能に外嵌固定された第2コラム部材と、前記第2コラム部材の前方側に配置され、二次衝突の際前記第2コラム部材が軸方向に摺動可能に外嵌固定された第3コラム部材と、前記第1コラム部材の後方端に設けられた第1の転がり軸受によって前記第1コラム部材に回転可能に支持され、前方側部分に雄または雌の何れか一方の嵌合部を有し、後方端に前記ステアリングホイールが装着可能なアッパー側のステアリングシャフトと、前記第3コラム部材の前方端に設けられた第2の転がり軸受によって前記第3コラム部材に回転可能に支持され、前記アッパー側のステアリングシャフトの前記嵌合部と軸方向に相対移動可能にかつトルク伝達可能に係合する雄または雌の何れか他方の嵌合部を後方側部分に有するロアー側のステアリングシャフトと、を備えたステアリング装置において、前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間であって、かつ前記第2コラム部材または前記第3コラム部材の内周面の後方側端部には、前記アッパー側またはロアー側のステアリングシャフトのうち前記雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの外周面に接触して、該雌の嵌合部を有するステアリングシャフトを軸方向に摺動可能に支持するブッシュが設けられていることを特徴とするステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記ブッシュが接触する前記雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの外周面の部分は、該雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの最も外形寸法の大きい部分であることが好ましいステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第3コラム部材は、グロメットを介して車体側のトーボードに固定されていることが好ましいステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2コラム部材の内周面は、内外径拘束による絞り加工により成形され、前記雌ステアリングシャフトの外周面は、引き抜き加工により成形されていることが好ましいステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記ブッシュは合成樹脂で成形され、外周側に周方向に亘るOリングが軸方向に沿って2つ配置されていることが好ましいステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、 前記ブッシュの内周面の軸方向の両端部には、端部に向かうに従い内径が大きくなるテーパ部が形成されていることが好ましいステアリング装置である。
また、本発明の好ましい態様は、前記ブッシュの軸方向一方側の端部には径方向外方に突出したフランジ部が形成され、前記ブッシュは前記フランジ部が前記第2コラム部材の内周面に係合することで位置決めされ、前記第2コラム部材の端部をカシメ加工することで前記フランジ部は前記第2コラム部材の内周面に拘束されていることが好ましいステアリング装置である。
本発明によれば、抵抗感のない滑らかなハンドル操作性を維持し、高速走行中のステアリングホイールの操縦安定性を向上させたステアリング装置を提供することが可能となる。
第1実施形態に係るステアリング装置を車両に取付けた状態を示す全体斜視図である。 第1実施形態に係るステアリング装置を車幅方向の左方側から見た断面図である。 図2の要部拡大図であり、ブッシュの組付け状態を示している。 (a)はブッシュを径方向から見た断面図であり、(b)はブッシュを軸方向から見た正面図である。 第2実施形態に係るステアリング装置を車幅方向の左方側から見た断面図である。 図5の要部拡大図であり、ブッシュの組付け状態を示している。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、本明細書中においては、ステアリング装置に係る方向は、特に明記しない限り、車体に取付けられた状態における当該車体の前後、左右、上下方向と同様とする。左右方向については車幅方向ともいう。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係るステアリング装置101を車両に取付けた状態を示す全体斜視図である。図1に示すように、中空円筒状のステアリングコラム102が車体100に取付けられ、ステアリングコラム102にはステアリングシャフト104が回転可能に支持されている。ステアリングシャフト104の車体後方側端部にはステアリングホイール103が取付けられ、車体前方側端部には自在継手105を介して中間シャフト106が連結されている。
中間シャフト106は、雄スプラインが形成された中実の中間インナーシャフト106aと、雌スプラインが形成された中空円筒状の中間アウターシャフト106bとで構成されている。中間インナーシャフト106aの雄スプラインと、中間アウターシャフト106bの雌スプラインとが摺動することで中間インナーシャフト106aと中間アウターシャフト106bとが伸縮可能に、かつトルク伝達可能に嵌合している。
中間アウターシャフト106bの後方側端部が上記自在継手105に連結され、中間インナーシャフト106aの前方側端部が自在継手107に連結されている。自在継手107には、ステアリングギヤアッセンブリ108のラック(図示省略)に噛合うピニオン(図示省略)が連結されている。
運転者がステアリングホイール103を回転操作すると、ステアリングシャフト104、自在継手105、中間シャフト106、自在継手107を介して、その回転力がステアリングギヤアッセンブリ108に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介してタイロッド109を移動させ、転舵輪110の転舵角を変えることができる。
図2は、第1実施形態に係るステアリング装置を車幅方向の左方側から見た断面図である。図3は図2の要部拡大図である。なお、図2および図3においては、図中の符号を通常の向きに読める状態で紙面を見て、紙面右側が車体後方側すなわちアッパー側であり、紙面左側が車体前方側すなわちロアー側である。
図2に示すように、ステアリングコラム102は3つのコラム部材から構成されている。3つのコラム部材は、最も後方側すなわちアッパー側のアウターコラム1と、アウターコラム1の前方側部分に内嵌された中間コラムである第1インナーコラム3と、第1インナーコラム3の前方側部分に内嵌された最も前方側すなわちロアー側の第2インナーコラム5の3つである。言い換えると、アウターコラム1は第1インナーコラム3の後方側部分に外嵌し、第1インナーコラム3は第2インナーコラム5の後方側部分に外嵌している。アウターコラム1は、車体取付けブラケット7によって車体100(図1参照)に固定されている。アウターコラム1は、アルミニウムと鉄の鋳込みによってそれぞれ成形された2つの部品で構成され、全体が中空円筒状に成形されている。アルミニウム成形部品9はアウターコラム1のロアー側すなわち前方側に配置され、車体取付けブラケット7、テレスコピック位置調整機構10等が設けられている。鉄成形部品11はアルミニウム成形部品9に嵌合され、アッパー側すなわち後方側に配置されている。なお、ステアリング装置101は、テレスコピック位置に加え、チルト位置の調整ができるものであっても良い。
アウターコラム1の前方側部分と第1インナーコラム3の後方側部分とは、テレスコピック位置調整機構10を操作することにより、通常時は嵌合固定されているが、ステアリングホイール103のテレスコピック位置を調整する際、軸方向に摺動可能となっている。具体的には、第1インナーコラム3の後方側部分の外周面15にアウターコラム1の前方側部分の内周面13が、テレスコピック位置調整の際、軸方向に摺動可能に嵌合している。
テレスコピック位置調整機構10は公知の機構である。すなわち、車体取付けブラケット7に設けられアウターコラム1の車幅方向の外方側に配置された一対の側板(図示省略)と、該一対の側板をカム機構(図示省略)を介して互いに近づく方向に締付けたり該締付けを解除したりする操作機構(図示省略)とを有している。操作機構による一対の側板の締付け操作および締付け解除操作によって、アッパーコラム1を車体取付けブラケット7にクランプ/アンクランプし、アンクランプ時にアッパーコラム1のチルト位置の調整を行う。また、この締付け操作および締付け解除操作によって、アッパーコラム1の内周面13が縮径および縮径解除して、アッパーコラム1を第1インナーコラム3の外周面15にクランプ/アンクランプし、アンクランプ時にアッパーコラム1のテレスコピック位置の調整を行う。
また、車体取付けブラケット7は、二次衝突時の際、二次衝突の衝撃によって車体100から離脱し、前方側に移動する。このとき、アッパーコラム1は第1インナーコラム3に対して軸方向に沿って前方側に摺動し、二次衝突の衝撃エネルギーを吸収する。
第1インナーコラム3は、全体が中空円筒状に成形され、後方側部分には前方側部分よりも外径寸法の小さい縮径部17が形成されている。この縮径部17にアウターコラム1の前方側部分が外嵌している。第1インナーコラム3の内周面19は、内外径拘束による塑性加工、具体的には絞り加工の内径精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。
第1インナーコラム3の前方側部分は、第2インナーコラム5の後方側部分に嵌合している。具体的には、第2インナーコラム5の後方側部分の外周面21に、第1インナーコラム3の前方側部分の内周面19が外嵌している。第2インナーコラム5は中空円筒状に成形されている。第2インナーコラム5の内周面23は、第1インナーコラム3と同様に、内外径拘束による塑性加工、具体的には絞り加工の内径精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。第2インナーコラム5の前方端は、グロメット25を介して車体100(図1参照)のトーボード27に差し込まれ、これにより第2インナーコラム5は車体100に固定されている。
第1インナーコラム3と第2インナーコラム5との嵌合は楕円嵌合であり、第1インナーコラム3は二次衝突時に前方向にコラプス移動可能に第2インナーコラム5に嵌合している。すなわち第1インナーコラム3の前方端部を楕円形状につぶして塑性変形させ、そこに第2インナーコラム5の後方側端部を嵌合させている。楕円嵌合とすることにより、通常時は第1インナーコラム3と第2インナーコラム5とは剛性を保って嵌合しているが、二次衝突時に前向きの衝撃力が加わると、楕円嵌合がはずれることで二次衝突の衝撃エネルギーを吸収する。第1インナーコラム3はさらに、楕円嵌合がはずれた後、第2インナーコラム5に対して軸方向に沿って前方側にコラプス移動する。ここでコラプス移動とは、二次衝突時にステアリングコラム、ステアリングシャフト、ブラケット等が楕円嵌合部等のエネルギー吸収部材をコラプスしながら二次衝突のエネルギーを吸収しつつ前方側に移動することをいう。
ステアリングシャフト104は、アッパー側のステアリングシャフト29(以下、アッパーステアリングシャフト29という。)とロアー側のステアリングシャフト31(以下、ロアーステアリングシャフト31という。)とから構成されている。アウターコラム1の内周面側には、アッパーステアリングシャフト29が挿通されている。アッパーステアリングシャフト29は雌ステアリングシャフトであり、アウターコラム1の内周面13のアッパー側端部、すなわち後方側端部に圧入された転がり軸受33によって、後方側端部が回転可能に支持されている。転がり軸受33は深溝玉軸受である。アッパーステアリングシャフト29は転がり軸受33の内輪に圧入されている。
アッパーステアリングシャフト29は後方側の中実部分35と前方側のチューブ部分37とを溶接により軸方向に連結している。このような構成とすることでアッパーステアリングシャフト29の剛性を高めている。剛性を高める必要のない場合は、チューブで一体成形しても良い。中実部分35の外径寸法は、チューブ部分37の外径寸法よりも大きく形成されている。つまりアッパーステアリングシャフト29全体としては、中実部分35の外径寸法が最も大きく形成されている。チューブ部分37の内周面には雌スプライン39が形成されている。アッパーステアリングシャフト29の前方側端部は第1インナーコラム3の前方側端部近傍に位置している。転がり軸受33は中実部分35を支持している。
アッパーステアリングシャフト29の外周面41は塑性加工、具体的には引き抜き加工による素材の引き抜き精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。アッパーステアリングシャフト29の後方側端部には、ステアリングホイール103(図1参照)が装着されている。また、アッパーステアリングシャフト29の後方側端部近傍にはキーロックカラー43が取付けられている。アッパーステアリングシャフト29とキーロックカラー43との間にはスプリング(図示省略)が設けられ、盗難の防止と機器の保護を行っている。
第2インナーコラム5の内周面23側には、中実のロアーステアリングシャフト31が挿通されている。ロアーステアリングシャフト31は雄ステアリングシャフトであり、第2インナーコラム5の内周面23のロアー側端部、すなわち前方側端部に圧入された転がり軸受45によって、前方側端部が回転可能に支持されている。転がり軸受45は深溝玉軸受である。このように、ステアリングシャフト104は後方側端部と前方側端部とがそれぞれ転がり軸受33、45を介してアッパーコラム1と第2インナーコラム5とにより回転可能に支持されている。ロアーステアリングシャフト31と転がり軸受45の内輪とは、すきま嵌めとなっている。すきま嵌めとすることにより、ステアリングコラム102へのステアリングシャフト104の組付け時の作業性を良好にし、さらにステアリングホイール103のチルト位置調整時にステアリングシャフト104の変位を吸収することができる。
ロアーステアリングシャフト31の後方側部分には、雄スプライン47が形成され、アッパーステアリングシャフト29の雌スプライン39と軸方向に相対移動可能に、かつ回転トルクを伝達可能に嵌合している。アッパーステアリングシャフト29とロアーステアリングシャフト31とが軸方向に相対移動可能に嵌合し、またアウターコラム1と第1インナーコラム3とが軸方向に相対移動可能に嵌合していることで、ステアリングホイール103のテレスコピック位置の調整が可能となっている。なお、アッパーステアリングシャフト29とロアーステアリングシャフト31とは、二次衝突時には、テレスコピック位置の調整範囲を越えて軸方向に互いに近づく方向に摺動し、全体として長さを収縮する。
図2および図3に示すように、アッパーステアリングシャフト29の外周面41と第1インナーコラム3の内周面19との間には、簡易軸受であるブッシュ49が介装されている。ブッシュ49は合成樹脂で形成されている。ブッシュ49は、第1インナーコラム3の後方側端部の内周面19に圧入されている。また、ブッシュ49は、アッパーステアリングシャフト29に関して、アッパーステアリングシャフト29の最も外径寸法の大きな部位、すなわち中実部分35に配置されている。図4(a)はブッシュ49を径方向から見た断面図であり、(b)はブッシュ49を軸方向から見た正面図である。
図4(a)、(b)に示すように、ブッシュ49は合成樹脂で形成された中空円筒状の本体部51と、本体部51の外周面に配置された2つのOリング53、53とから構成されている。図4(a)に示すように、本体部51の内周面は、軸方向の中央部に形成された内径寸法が小さい小径部55と、小径部55の軸方向の両側にそれぞれ形成されたテーパ部57、57とから構成されている。各テーパ部57は、小径部55から本体部51の端部に向かうに従い内径寸法が大きくなるように形成されている。ブッシュ49は、小径部55の内周面がアッパーステアリングシャフト29の外周面41を摺動可能に支持し、各テーパ部57によってアッパーステアリングシャフト29のテレスコピック位置調整時の軸方向への移動をスムーズに受けることが可能となっている。
ブッシュ49の外周面には周方向に延在する溝59が2つ形成されている。2つの溝59、59は本体部51の軸方向中央部を基点として軸方向に関して対称に形成されている。2つの溝59、59にはそれぞれOリング53が嵌め込まれている。従って2つのOリング53、53は本体部51の軸方向中央部を基点として軸方向に関して対称に配置されている。2つのOリング53、53をこのように配置することで、Oリング53、53のアッパーステアリングシャフト29に対する弾性力が均等になる。これらのOリング53、53は、縮径する方向の弾性力によってブッシュ49をアッパーステアリングシャフト29に押圧するとともに、アッパーステアリングシャフト29の振動を吸収するためのものである。Oリング53、53がアッパーステアリングシャフト29の振動を吸収するので、走行中の車軸の振動がステアリングホイール103に伝わりにくくなり、安定した操舵感が得られる。また、Oリング53、53は、軸方向に2つ配置することで、アッパーステアリングシャフト29が軸方向に摺動する際にブッシュ49の位置にずれが生じることを防止している。
ブッシュ49には、図4(b)に示すように、軸方向の全長に亘ってスリット61が形成されている。ブッシュ49は、合成樹脂製であることと、さらにスリット61が形成されていることにより組付け時に弾性変形し、第1インナーコラム3とアッパーステアリングシャフト29との寸法のばらつきを吸収している。
ブッシュ49の後方側端部には径方向外方に突出するフランジ部63が形成されている。また、図3に示すように、第1インナーコラム3の後方側端部の内周面19には周方向溝65が形成されている。ブッシュ49は第1インナーコラム3に圧入する際、スリット61の間隔が狭まって縮径するので第1インナーコラム3に容易に挿入することができる。そしてフランジ部63が第1インナーコラム3の周方向溝65に係合することによりブッシュ49の位置決めがなされる。ブッシュ49が圧入された後、第1インナーコラム3の後方側端部は、図3に示すように、カシメ加工が施される。これによりブッシュ49のフランジ部63を拘束し、ブッシュ49の第1インナーコラム3からの抜けを防止している。
本実施形態では、ブッシュ49は、所定の条件を満たした位置に介装されている。具体的には、次の3つの条件を全て満たす位置に介装されている。まず1つめの条件は、アウターコラム1に圧入された転がり軸受33と第2インナーコラム5に圧入された転がり軸受45との間の位置であることである。2つめの条件は、テレスコピック位置調整のために相対的に軸方向に摺動するアウターコラム1および第1インナーコラム3のうち、インナー側のコラム部材である第1インナーコラム3のアウターコラム1との嵌合部側の内周側端部であることである。3つめの条件は、テレスコピック位置調整可能に嵌合するアッパーステアリングシャフト29およびロアーステアリングシャフト31のうち、アッパーステアリングシャフト29の外周側であることである。ステアリングシャフト104の両端部を支持する転がり軸受33、45に加え、これら3つの条件を満たす位置にブッシュ49をさらに配置し、ステアリングシャフト104を軸方向に3点で支持している。このような構成とすることで、ブッシュ49のOリング53、53がアッパーステアリングシャフト29の振動を吸収し、車軸からの振動がステアリングホイール103に伝わりにくくなる。その結果、抵抗感のない滑らかなハンドル操作性を維持し、ステアリングホイール103への振動、ガタ感がなく、高速走行中のステアリングホイール103の操縦安定性を向上させることができる。
さらに、上述したように、アッパーステアリングシャフト29の外周面41は、引き抜き加工による素材の引き抜き精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。従って、ブッシュ49が嵌合されているアッパーステアリングシャフト29の最も外径寸法の大きな部位すなわち中実部分35についても、機械加工等の後加工を行っていない。また、第1インナーコラム3の内周面19は、内外径拘束による絞り加工の内径精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。ステアリングシャフト104の中間部分を支持する軸受として本実施形態のようなブッシュ49を採用することにより、アッパーステアリングシャフト29および第1インナーコラム3を機械加工等によって後加工する必要がなく、加工コストの上昇を抑制することが可能となっている。
また、ブッシュ49をアッパーステアリングシャフト29の最も外形寸法の大きな部位に配置することで、ステアリングシャフト104をステアリングコラム102に組付ける際の作業容易性を確保している。すなわち、ステアリングコラム102の後方側からステアリングシャフト104を挿入する際、スムーズに挿入することができる。さらに簡易軸受であるブッシュ49を用いることにより、ステアリング装置の組み立て性を向上させることが可能となっている。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と重複する説明は省略する。また、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いて説明する。
図5は、第2実施形態に係るステアリング装置を車幅方向の左方側から見た断面図である。図6は図5の要部拡大図である。なお、図5および図6においては、図中の符号を通常の向きに読める状態で紙面を見て、紙面右側が車体後方側すなわちアッパー側であり、紙面左側が車体前方側すなわちロアー側である。
本実施形態に係るステアリング装置101において、ステアリングコラム102の構成は第1実施形態と同様であるが、ステアリングシャフト104の構成が異なっている。本実施形態では、図5に示すように、雄ステアリングシャフトとなるアッパーステアリングシャフト131がアッパー側に配置され、ロアー側に雌ステアリングシャフトとなるロアーステアリングシャフト129が配置されている。アッパーステアリングシャフト131は中実で、前方側部分に雄スプライン147が形成されている。ロアーステアリングシャフト129は中実部分135とチューブ部分137とを溶接により軸方向に連結され、中実部分135が前方側でチューブ部分137が後方側となるように配置されている。チューブ部分137には、後方側端部から軸方向でチューブ部分137の略中央部まで延在する小径部71と、小径部71よりも前方側部分であって中実部分135との連結部近傍まで延在する大径部73とが形成されている。大径部73の外径寸法は小径部71の外径寸法および中実部分135の外径寸法よりも大きく形成されている。つまりロアーステアリングシャフト129全体としては、チューブ部分135の大径部73の外径寸法が最も大きく形成されている。
チューブ部分135の小径部71の内周面には雌スプライン139が形成され、アッパーステアリングシャフト131の雄スプライン47と軸方向に相対移動可能に、かつ回転トルクを伝達可能に嵌合している。ロアーステアリングシャフト129とアッパーステアリングシャフト131とが軸方向に相対移動可能に嵌合し、またアウターコラム1と第1インナーコラム3とが軸方向に相対移動可能に嵌合していることで、ステアリングホイール103(図1参照)のテレスコピック位置の調整が可能となっている。なお、ロアーステアリングシャフト129とアッパーステアリングシャフト131とは、二次衝突時には、テレスコピック位置の調整範囲を越えて軸方向に互いに近づく方向に摺動し、全体として長さを収縮する。また、第1インナーコラム3と第2インナーコラム5との嵌合は第1実施形態と同様に楕円嵌合であり、第1インナーコラム3は二次衝突時に第1実施形態と同様に前方向にコラプス移動可能に第2インナーコラム5に嵌合している。
合成樹脂製のブッシュ149は第1実施形態と同様の構成である。ブッシュ149は、図5および図6に示すように、ロアーステアリングシャフト129の外周面141と第2インナーコラム5の内周面123との間に介装されている。ブッシュ149は、第2インナーコラム5の後方側端部に圧入されている。第2インナーコラム5の後方側端部はカシメ加工が施され、ブッシュ149の第2インナーコラム5からの抜けを防止している。また、ブッシュ149は、ロアーステアリングシャフト129に関して、ロアーステアリングシャフト129の最も外径寸法の大きな部位である大径部73に配置されている。
本実施形態では、ブッシュ149は、所定の条件を満たした位置に介装されている。具体的には、次の3つの条件を全て満たす位置に介装されている。まず1つめの条件は、アウターコラム1に圧入された転がり軸受33と第2インナーコラム5に圧入された転がり軸受45との間の位置であることである。2つめの条件は、コラプス移動のために相互に軸方向に摺動する第1インナーコラム3および第2インナーコラム5のうち、インナー側のコラム部材である第2インナーコラム5の第1インナーコラム3との嵌合部側の内周側端部であることである。3つめの条件は、コラプス移動可能に嵌合するロアーステアリングシャフト129およびアッパーステアリングシャフト131のうち、ロアーステアリングシャフト129の外周側であることである。ステアリングシャフト104の両端部を支持する転がり軸受33、45に加え、これら3つの条件を満たす位置にブッシュ149をさらに配置し、ステアリングシャフト104を軸方向に3点で支持している。このような構成とすることで、ブッシュ149のOリング153、153が雌ステアリングシャフト29の振動を吸収し、車軸からの振動がステアリングホイール103に伝達しにくくなる。その結果、抵抗感のない滑らかなハンドル操作性を維持し、ステアリングホイール103への振動、ガタ感がなく、高速走行中のステアリングホイール103の操縦安定性を向上させることができる。
さらに、第1実施形態と同様に、ロアーステアリングシャフト129の外周面141は、引き抜き素材の引き抜き精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。従って、ブッシュ149が嵌合されているロアーステアリングシャフト129の大径部73についても、機械加工等の後加工を行っていない。また、第2インナーコラム5の内周面123は、内外径拘束による絞り加工の内径精度を利用して成形され、機械加工等の後加工を行っていない。ステアリングシャフト104の中間部分を支持する軸受として本実施形態のようなブッシュ149を採用することにより、ロアーステアリングシャフト129および第2インナーコラム5を機械加工等によって後加工する必要がなく、加工コストの上昇を抑制することが可能となっている。また、ブッシュ149をロアーステアリングシャフト129の最も外形寸法の大きな部位に配置することで、ステアリングシャフト104をステアリングコラム102に組付ける際の作業容易性を確保している。すなわち、ステアリングコラム102の後方側からステアリングシャフト104を挿入する際、スムーズに挿入することができる。さらに簡易軸受であるブッシュ149を用いることにより、ステアリング装置の組み立て性を向上させることが可能となっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、適宜変形が可能である。例えば、第2インナーコラム5が第1インナーコラム3部材に外嵌する構成としても良い。また、第1インナーコラム3と第2インナーコラム5との嵌合は、二次衝突時にコラプス移動可能に嵌合されていれば、楕円嵌合としなくても良い。
100 車体
101 ステアリング装置
102 ステアリングコラム
103 ステアリングホイール
104 ステアリングシャフト
105 自在継手
106 中間シャフト
107 自在継手
108 ステアリングギヤアッセンブリ
109 タイロッド
110 転舵輪
1 アウターコラム
3 第1インナーコラム
5 第2インナーコラム
7 車体取付けブラケット
9 アルミニウム成形部品
10 チルトおよびテレスコピック位置調整機構
11 鉄成形部品
13 アウターコラム内周面
15 第1インナーコラム外周面
17 縮径部
19 第1インナーコラム内周面
21 第2インナーコラム外周面
23 第2インナーコラム内周面
25 グロメット
27 トーボード
29 アッパーステアリングシャフト
31 ロアーステアリングシャフト
33 転がり軸受
35 中実部分
37 チューブ部分
39 雌スプライン
41 アッパーステアリングシャフト外周面
43 キーロックカラー
45 転がり軸受
47 雄スプライン
49 ブッシュ
51 本体部
53 Oリング
55 小径部
57 テーパ部
59 溝
61 スリット
63 フランジ部
65 周方向溝
71 小径部
73 大径部
123 第2インナーコラム内周面
129 ロアーステアリングシャフト
131 アッパーステアリングシャフト
135 中実部分
137 チューブ部分
139 雌スプライン
141 ロアーステアリングシャフト外周面
147 雄スプライン
149 ブッシュ
153 Oリング

Claims (7)

  1. 車体後方側の第1コラム部材と、
    前記第1コラム部材の前方側に配置され、ステアリングホイールのテレスコピック位置調整の際前記第1コラム部材が軸方向に摺動可能に外嵌固定された第2コラム部材と、
    前記第2コラム部材の前方側に配置され、二次衝突の際前記第2コラム部材が軸方向に摺動可能に外嵌固定された第3コラム部材と、
    前記第1コラム部材の後方端に設けられた第1の転がり軸受によって前記第1コラム部材に回転可能に支持され、前方側部分に雄または雌の何れか一方の嵌合部を有し、後方端に前記ステアリングホイールが装着可能なアッパー側のステアリングシャフトと、
    前記第3コラム部材の前方端に設けられた第2の転がり軸受によって前記第3コラム部材に回転可能に支持され、前記アッパー側のステアリングシャフトの前記嵌合部と軸方向に相対移動可能にかつトルク伝達可能に係合する雄または雌の何れか他方の嵌合部を後方側部分に有するロアー側のステアリングシャフトと、を備えたステアリング装置において、
    前記第1の転がり軸受と前記第2の転がり軸受との間であって、かつ前記第2コラム部材または前記第3コラム部材の内周面の後方側端部には、前記アッパー側またはロアー側のステアリングシャフトのうち前記雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの外周面に接触して、該雌の嵌合部を有するステアリングシャフトを軸方向に摺動可能に支持するブッシュが設けられていることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記ブッシュが接触する前記雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの外周面の部分は、該雌の嵌合部を有するステアリングシャフトの最も外形寸法の大きい部分であることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記第3コラム部材は、グロメットを介して車体側のトーボードに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のステアリング装置。
  4. 前記第2コラム部材の内周面は、内外径拘束による絞り加工により成形され、前記雌ステアリングシャフトの外周面は、引き抜き加工により成形されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のステアリング装置。
  5. 前記ブッシュは合成樹脂で成形され、外周側に周方向に亘るOリングが軸方向に沿って2つ配置されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のステアリング装置。
  6. 前記ブッシュの内周面の軸方向の両端部には、端部に向かうに従い内径が大きくなるテーパ部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のステアリング装置。
  7. 前記ブッシュの軸方向一方側の端部には径方向外方に突出したフランジ部が形成され、前記ブッシュは前記フランジ部が前記第2コラム部材の内周面に係合することで位置決めされ、前記第2コラム部材の端部をカシメ加工することで前記フランジ部は前記第2コラム部材の内周面に拘束されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のステアリング装置。
JP2012235646A 2012-10-25 2012-10-25 ステアリング装置 Pending JP2014084025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012235646A JP2014084025A (ja) 2012-10-25 2012-10-25 ステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012235646A JP2014084025A (ja) 2012-10-25 2012-10-25 ステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014084025A true JP2014084025A (ja) 2014-05-12

Family

ID=50787497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012235646A Pending JP2014084025A (ja) 2012-10-25 2012-10-25 ステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014084025A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10093341B2 (en) Steering device
JP5528868B2 (ja) ステアリング装置
US20070126222A1 (en) Steering device
JP5664523B2 (ja) ステアリング装置
JP5786731B2 (ja) ステアリングシャフト用回転支持装置及び自動車用ステアリング装置
JP5268027B2 (ja) エネルギー吸収ステアリングコラム
JP2014084025A (ja) ステアリング装置
JP2009208506A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置
JP6152878B2 (ja) ステアリングシャフト用回転支持装置及び自動車用ステアリング装置
JP5799735B2 (ja) ステアリング装置
JP5782875B2 (ja) ステアリング装置
JP3881859B2 (ja) 衝撃吸収ステアリング装置
JP2014040210A (ja) ステアリング装置
JP2013086527A5 (ja)
JP5664452B2 (ja) ステアリング装置
JP2013124079A (ja) 車両用位置調整式ステアリングコラム装置
KR101602862B1 (ko) 자동차용 조향 컬럼
JP2014141225A (ja) ステアリング装置
JP5664437B2 (ja) ステアリング装置
JP2013169800A (ja) 車両用位置調整式ステアリングコラム装置
JP2012236578A (ja) 車両用位置調整式ステアリングコラム装置
JP2013035328A (ja) ステアリング装置
JP4424022B2 (ja) 車両用ステアリングコラム装置
JP2014156158A (ja) ステアリング装置
JP2013001186A (ja) 車両用位置調整式ステアリングコラム装置