以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)とがある。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、本実施の形態では、第1飾り図柄と第2飾り図柄とがそれぞれ3つずつ設けられているものとするが、具体的な数はいずれであってもよい。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。また、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、可変表示装置9の表示画面上のいずれの位置に設けてあるものであってもよい。本実施の形態では、遊技状態によって各可変表示部の位置が異なるものとする。例えば、第1特別図柄を主に用いた遊技が想定される遊技状態(例えば、通常状態や確変状態)では、図示するように、可変表示装置9の表示画面の中央付近に第1可変表示部9aが、第1可変表示部9bの右下に第2可変表示部9bが、それぞれ配置される。また、第2特別図柄を主に用いた遊技が想定される遊技状態(例えば、特殊状態や特殊確変状態)では、可変表示装置9の表示画面の左側に第1可変表示部9aが、可変表示装置9の表示画面の右側に第2可変表示部9bが、それぞれ配置される(不図示)。また、一方の図柄にて、大当りになりそうな演出(例えば、リーチ演出)や大当りが発生した場合、該一方の図柄の可変表示部が表示画面の中央に移動するとともに、他方の飾り図柄の可変表示部は可変表示部9の表示画面の隅に移動することにより、遊技者の期待感を煽るようなものであってもよい。
可変表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1始動入賞口13を有する入賞装置が、可変表示装置9の下方に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
第2始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示部8aまたは第2特別図柄表示部8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置は、第1特別図柄表示部8aまたは第2特別図柄表示部8bに特殊表示結果(小当り図柄)が導出表示された場合に生起する特殊遊技状態(小当り遊技状態)においても、ソレノイド21によって開状態とされる
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば30秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は確変大当りA〜Cがあり、例えば、確変大当りAまたはBが発生すれば15ラウンドの大当り遊技状態が付与され、また、確変大当りCが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与される。なお、本実施の形態においては、3つの飾り図柄が同一であれば大当り図柄とする。
また、停止時の第1特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口に遊技球が入賞可能な程度の一定時間(例えば1.8秒)が経過するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、小当り遊技状態における大入賞口の開放時間は1.8秒に限るものではなく、1.8秒よりも長いものであっても短いものであってもよい。
なお、本実施の形態における小当りには小当りA〜Cの3つの種別が設けられており、いずれの小当り種別毎であっても同様の開放パターンにて小当り遊技状態を実行するものであるが、これに限るものではなく、小当り種別毎に小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンを異ならせることとしてもよい。ここで開放パターンとは、小当り遊技状態における、大入賞口を開状態とする回数、開状態とする時間、閉状態とする時間などのことである。また、小当り種別毎に開放パターンが異なるものでもよいし、複数の開放パターンがある場合に小当りの種別毎に選択割合の異なるものであってもよい。例えば、小当りAであれば開放パターンAを70%の割合で、開放パターンBを30%の割合でそれぞれ選択し、小当りBであれば開放パターンAを10%の割合で、開放パターンBを90%の割合でそれぞれ選択するようなものであってもよい。また、開放パターンの数やその組み合わせはいかなるパターンであってもよい。このように、小当り種別毎に異なる開放パターンの小当り遊技状態に移行したり、異なる割合での開放パターンの小当り遊技状態に移行したりすることにより、いずれの開放パターンの小当り遊技状態が実行されるかを遊技者に期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、特殊状態に長期間滞在した際にも、遊技者を飽きさせることなく遊技を行わせることができる。特殊状態の詳細については後述する。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、特別遊技状態として、次に大当りとなる確率が通常状態(通常遊技状態ともいう。)や特殊状態(通常状態および確変状態よりも小当りが発生しやすい遊技状態。)よりも高い確変状態(具体的には、確変フラグがセットされている状態。)に制御される。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、特別遊技状態として、次に大当りとなる確率が通常状態や特殊状態よりも高い確変状態に制御される。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に確変状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態および特殊状態より高められる。
なお、確変状態において、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、そのことからも、所定時間当りの大当り発生の可能性が高まる。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態と第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態とで格差をつけるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を確変状態にし、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を時短状態(大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)にするようにして、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの方が第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときよりも遊技者にとって有利な状態になるように構成してもよい。そのように構成することによって、遊技者に与えられる興趣をさらに向上させることができる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態と、通常状態よりも大当りになりやすい確変状態と、通常状態および確変状態よりも小当りになりやすい特殊状態とがある。具体的には、確変フラグがセットされているときが確変状態である。また、特殊フラグがセットされており、特定の期間が終了していないときが特殊状態である。特定の期間が終了していないとは、例えば、特殊状態に移行した際に特定の値がセットされたカウンタ(以下「特殊回数カウンタ」とする。所定期間毎に1ずつ減算される。)の値が、まだ「0」ではない状態である。なお、確変状態および特殊状態に同時に制御している遊技状態(確変フラグ:オン、特殊フラグ:オン)を特殊確変状態と呼ぶことがある。また、特殊状態において特定の期間が終了した状態(特殊フラグがセットされており、特殊回数カウンタが「0」である状態)を、特殊状態の一時終了中と呼ぶことがある。
確変状態は、通常状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、通常状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、通常状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、特殊状態は、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、特殊状態の方が通常状態よりも短いため、特殊状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時にはその殆どが小当りになるよう構成されているため、特殊状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、特殊状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
なお、特殊状態は、特定期間が経過した際に一旦終了し、終了してから所定期間が経過した際に復帰するものである。特殊状態が終了するまでの特定期間は、特殊状態へ移行する際に発生した大当り種別毎に決定されており、例えば、本実施の形態では、確変大当りAが発生した場合には100回の変動が特定期間として決定され、確変大当りCが発生した場合には300回の変動が特定期間として決定される構成である。また、一旦終了してから復帰した特殊状態では、300回の変動を実行する毎に特殊状態を終了し、終了してから所定期間が経過した際に再度復帰する構成である。なお、特殊状態から通常状態へは、特定の大当りまたは特定の小当りが発生した場合に移行する。具体的には、確変大当りBまたは小当りBが発生した場合に特殊状態から通常状態へ移行する。また、本実施の形態では、特殊状態を終了してから復帰するまで所定期間として、1回の図柄変動が行われるまでの期間が設けられている。なお、詳しくは後述するが、特殊状態では特殊変動パターンテーブルから変動パターンを選択し、特殊状態の一時終了中では終了中変動パターンテーブルから変動パターンを選択する構成である。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、通常状態において特定の大当り(確変大当りA,C)が発生した場合に特殊状態へ移行する。特殊状態では、確変大当りBまたは小当りBが発生しない限り、特定期間(例えば、変動100回、または300回)継続する。ここで特定期間とは、特殊状態へ移行した際の大当りの種別に応じた期間とするが、これに限るものではなく、大当りの種別に関わらず一律の期間であってもよいし、ランダムな抽選によって決定されるようなものであってもよい。また、次の確変大当りBまたは小当りBが発生するまで、特殊状態に滞在し続けるようなものであってもよい。なお、特殊状態において、確変大当りAまたはCが発生した場合には、特殊状態に制御する残余期間(特殊回数カウンタ)をリセットし、特定期間を新たにセットして特殊状態を継続する。例えば、特殊状態において確変大当りAが発生した場合には、100回の図柄変動の間継続する特殊状態が新たに設定される。
そして、特殊状態において特定期間が経過したことを契機に、特殊状態を終了する。そして、特殊状態を終了してから所定期間(例えば、図柄変動1回)が経過したことを契機に、特殊状態へ再度移行する。ここで、所定期間とは、いずれの場合であっても一律で1回の変動図柄の間とするがこれに限るものではなく、例えば、発生した大当りの種別によって決定されるものであってもよいし、ランダムな抽選によって決定されるようなものであってもよい。また、上述した特定期間や所定期間は、図柄変動回数を基準とした期間に限るものではなく、経過時間を基準とした期間や、所定の演出が発生するまでの期間や、所定の小当りが発生するまでの期間や、特殊状態へ復帰することを決定するための抽選に当選するまでの期間などであってもよい。
そして、特殊状態の一時終了中から特殊状態へ復帰してから、通常状態へ移行する条件(例えば、確変大当りBまたは小当りBの発生)が成立するまでの間、特殊状態の一時終了中と特殊状態とを繰り返す構成となっている。その際、特殊状態の一時終了中と特殊状態とに滞在する期間は、どのように設定されるものであってもよい。なお、特殊状態の一時終了中から復帰した特殊状態における滞在期間は、通常状態から大当りを契機に制御された特殊状態における滞在期間や、特殊状態にて大当りが発生することにより特定回数が改めてセットされた特殊状態における滞在期間よりも、長い期間が設定されるものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような(例えば「7」)が揃って停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が揃って停止表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの飾り図柄のうち停止した飾り図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない飾り図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の飾り図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、第1飾り図柄表示部9aにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、第1飾り図柄表示部9aにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と第1飾り図柄表示部9aにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、第1飾り図柄とは異なるもの)を表示させたり、第1飾り図柄表示部9aの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。なお、第2飾り図柄におけるリーチについては、第1飾り図柄におけるリーチと同様であるため説明を省略する。
また、遊技者に対して、遊技領域7に遊技球を打ち出させることで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞を狙わせる構成である。なお、遊技球は、遊技領域7の略左側を流下しても略右側を流下しても、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14へ入賞し得る構成である。
なお、本実施の形態では、始動入賞口への遊技球の入賞を誘導したり妨げたりするような部材は設けられていないが、そういった部材を設けることにより興趣の向上を図るような遊技機であってもよい。例えば、始動入賞口に開閉自在な可変入賞装置を備えるとともに、遊技領域に該可変入賞装置を開状態とするための部材が設けられているようなものであってもよい。そして、例えば、可変入賞装置を開状態とするための部材を遊技球が通過することを契機に可変入賞装置がソレノイドによって開状態にされ、遊技球が始動入賞口へ入賞しやすくなるようなものであってもよい。その場合、閉状態とされたときに遊技球が始動入賞口へ入賞しにくいような構成とすることで、より興趣の向上を図ることができる。その場合、いずれの始動入賞口に可変入賞装置が備えられているものであってもよいし、可変入賞装置を開状態とするための部材が遊技領域のいずれの領域に配置されているものでもよい。
また、遊技方法についてはこれに限るものではなく、例えば、状況によって異なる打ち方を遊技者に行わせるものであってもよい。例えば、遊技領域7の略左側に遊技球を打ち出す左打ちと、遊技領域7の略右側に遊技球を打ち出す右打ちとを、状況によって使い分けさせるようなものであってもよい。例えば、遊技状態が切り替わることを契機に、遊技者にとって有利な打ち方を例えば左打ちから右打ちへと切り替えることにより、遊技者により有利な方の打ち方をおこなわせ、遊技者に退屈感を与えることを防止するものでもよい。なお、この場合、いずれの打ち方をする方が遊技者にとって有利であるかを示す演出をおこなうことが望ましい。また、例えば、上述した可変入賞装置が第2始動入賞口14に備えられており、該可変入賞装置を開状態とするための部材が遊技領域7の略右側に配置されているものであれば、可変入賞装置が開状態となりにくい遊技状態であれば第1始動入賞口13を狙った遊技を、可変入賞装置が開状態となりやすい遊技状態であれば第2始動入賞口14を狙った遊技を遊技者におこなわせるようなものであってもよい。
また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを重ねずに配置するようなものであってもよい。例えば、左打ちが行われたときの遊技球の流下領域に第1始動入賞口13を設けるとともに、右打ちが行われたときの遊技球の流下領域に第2始動入賞口14を設けるようなものであってもよい。
また、単一の特別図柄のみを設ける構成とすることとしてもよいが、当り種別の選択割合や演出の種類または発生頻度などの設定ができないため、興趣を低下させてしまうことになる。そのため、複数の特別図柄を設けることが望ましい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、確変大当りA〜Cのいずれにするかを決定する。また、小当りの種別、すなわち、小当りA〜Cのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数および(2)の大当り種別決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S32(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、確変フラグオフ状態(通常状態および特殊状態)において用いられる通常大当り判定テーブルと、確変フラグオン状態(確変状態および特殊確変状態)において用いられる確変大当り判定テーブルとがある。通常大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りA〜Cのいずれか)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(小当りA〜Cのいずれか)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には487分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には487分の467の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「小当り」と決定される割合が極端に高い。これは、第2特別図柄の変動表示を行う場合にその殆どを大当りまたは小当りと決定するように構成としているためである。なお、遊技状態が通常状態または確変状態であるときは第1特別図柄の変動表示が実行されやすく、特殊状態または特殊確変状態であるときは第2特別図柄の変動表示が実行されやすい構成とするため、通常状態や確変状態では第2特別図柄の変動表示を実行させにくくするよう、第2特別図柄の変動時間を、通常状態または確変状態であるときの方が、特殊状態または特殊確変状態であるときよりも極端に長く設定している。なお、これに限らず、第2特別図柄の変動表示を行う場合にはずれを設けず、大当りでない場合は必ず小当りが発生するような構成のものとしてもよい。
図8(A)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りAが発生した場合、15ラウンドの大当り遊技を実施した後に、100回の特殊状態に制御する。ここで100回とは、100回の図柄変動をおこなう間、という意味である。確変大当りBが発生した場合、15ラウンドの大当り遊技を実施し、通常状態に制御する。確変大当りCが発生した場合、2ラウンド大当り遊技を実施し、300回の特殊状態に制御する。このように、本実施の形態では、確変大当りAまたは確変大当りCが発生した場合に特殊状態へ移行する構成としているが、いずれの大当りが発生したときにも特殊状態に制御する構成であってもよいし、いずれの種別の大当りが発生したかに関わらず、所定の割合で特殊状態に制御するようなものであってもよい。
また、上述したように、大当りの種別によって特殊状態に制御する期間(回数)が異なる構成としており、大当り遊技による遊技価値が少ないほど長い期間の特殊状態に制御する構成としている。これにより、大当り遊技による遊技価値が少ない種別の大当りが発生することによって遊技者が感じる失望感を減退させることができる。なお、特殊状態に制御する期間は、所定回数の図柄変動を実行するまでの期間でなくてもよく、所定時間が経過するまでの期間であってもよいし、特定の条件が発生するまでの期間(例えば、特定の小当りが発生するまでの期間)などの期間であってもよい。また、特殊状態に制御する期間は、あらかじめ定められているものであってもよいし、抽選で決定するようなものであってもよいし、特殊状態を継続するか終了するかを決定する抽選を毎変動で行うようなものであってもよい。
なお、この実施の形態では、図8(A)に示すように、所定量の遊技価値を付与する特定遊技状態として大入賞口の開放回数が異なる大当り(確変大当りA〜C)を決定する場合を説明するが、大当り種別毎の遊技価値の異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を異ならせた大当りを決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を1回だけ開放する特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に少なくなるようにして特定遊技状態の遊技価値を異ならせるようにしてもよい。このように、大入賞口の開放回数や開放時間を異ならせることによって、遊技価値の異ならせた大当りが設けられていてもよい。また、小当りによる遊技を促進するために、小当りの遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与するよう、1回あたりの大入賞口の開放時間が全て1秒と短い大当りを決定するものであってもよい。
また、本実施の形態において、特定遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に確変状態に制御する変動表示の実行回数は大当りの種別によって一律で100回とする。すなわち、いずれの確変大当りが発生した場合にも、100回の変動表示の間、確変状態に制御する。
図8(B)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブル131bを示す説明図である。小当り種別判定テーブル131bは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、小当りの種別を「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図8(B)における各小当り種別の括弧内は、特殊状態中に各小当りが発生した場合に実行する演出を示している。例えば、小当りAが特殊状態中に発生した場合、通常の演出を実行した後に特殊状態を継続する。また、小当りBが発生した場合、特殊状態を終了することを示唆する示唆演出を実行した後に通常状態へ移行する。また、小当りCが発生した場合、示唆演出を実行した後に特殊状態を継続する。また、図示するように、小当り発生時の小当り種別の選択割合として、小当りAを95%、小当りBを1%、小当りCを4%とすることにより、小当り発生時のほとんどでそのまま特殊状態を継続し、5%の割合で示唆演出を実行する構成であり、示唆演出を実行するうちの20%の割合で特殊状態を終了する構成となっている。
なお、本実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時においても同一の小当り種別判定テーブルを用いるものとしたが、これに限るものではなく、各小当り種別の決定割合が異なる小当り種別判定テーブルをそれぞれ用いるものとしてもよい。また、同様に、第1特別図柄および第2特別図柄の図柄変動時に、各大当り種別の決定割合が異なる大当り種別判定テーブルをそれぞれ用いるものとしてもよい。
次に、大当り種別ごとの大当りおよび小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。図9は、大入賞口の開放パターンを示す説明図である。この実施の形態では、大当り遊技状態に制御される場合、確変大当りAまたはBにおける大当り遊技中のラウンド数は15ラウンドであり、同様の挙動を示すこととするが、各ラウンドの大入賞口の開放時間や開放回数が異なるようなものであってもよい。例えば、ラウンドによっては大入賞口が極めて短い時間(1秒間)しか開放されない制御が行われることによって、見た目上のラウンド数が大当り種別によって異なって見えるようなものであってもよい。
まず、図9(1)を用いて、小当りにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、小当り遊技状態に制御される場合、その小当り遊技中において、大入賞口を1.8秒間開放状態に1回制御する。なお、小当り遊技中における大入賞口の開放時間を1.8秒としたが、遊技球が入賞可能な程度の開放期間であれば、これに限るものではない。また、小当り遊技状態における大入賞口の開放回数は、複数回であってもよい。
次に、図9(2)を用いて、確変大当りAおよびBにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、確変大当りAおよびBにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが15回繰り返されることによって、図9(2)に示すように、大入賞口を30秒間開放状態に制御した後に1秒間閉鎖状態に制御するという動作が15回連続して繰り返される。そのため、この実施の形態では、確変大当りAまたはBとなった場合には、大入賞口の開放時間が30秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が15回連続して実行される。
なお、この実施の形態では、確変大当りAまたはBとなった場合には、大当り遊技中の各ラウンドにおいて、例えば、ラウンド数表示を行ったり、ラウンドごとに大入賞口への遊技球の入賞数を表示したりするなどの通常用のラウンド中演出が実行される。
次に、図9(3)を用いて、確変大当りCにおける大入賞口の開放パターンを説明する。この実施の形態では、確変大当りCにもとづく大当り遊技状態に制御される場合、1ラウンドあたり大入賞口を30秒間開放状態に制御した後、大入賞口が1秒間閉鎖状態に制御される(ただし、大入賞口が閉鎖状態とされる1秒間はインターバル期間である)。そして、そのような開放態様のラウンドが2回繰り返されることによって、図9(3)に示すように、大入賞口を30秒間開放状態に制御した後に1秒間閉鎖状態に制御するという動作が2回連続して繰り返される。そのため、この実施の形態では、確変大当りCとなった場合には、大入賞口の開放時間が30秒と長く遊技球の入賞が十分に期待できる開放動作が2回連続して実行される。
なお、本実施の形態では、いずれの種別の大当りであっても、遊技球の入賞が見込める大当り遊技を実行するものとしたが、遊技球が入賞しにくい程度に大入賞口を開放する大当り種別を設けることで、実質的に遊技者に遊技価値を付与しにくい大当りが発生するようなものであってもよい。そのような大当りが発生した場合は遊技者から大当りの発生自体が認識しにくくなるため、そのような大当りの発生後に特殊状態に制御するようなものであれば、特殊状態に突如移行したと遊技者に認識させることができ、興趣性を向上させることができる。
図10および図11は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図10および図11に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図10および図11に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#1〜#3,#21〜#24の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#1〜#11,#21〜#24の15種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜3,21〜24)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図10に示すように、第1始動入賞口への遊技球の入賞時には、いずれの遊技状態であっても、第1変動パターン#1〜#3または第1変動パターン#21〜#24が用いられる。また、第2始動入賞口への遊技球の入賞時には、通常状態であれば第2変動パターン#1〜#3または第2変動パターン#21〜#24が、特殊状態であれば第2変動パターン#4〜8または第2変動パターン#21〜#24が、特殊状態の一時終了中では第2変動パターン#9〜#11または第2変動パターン#21〜#24が、用いられる。
また、変動パターン#1〜#3のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて通常変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。また、第1変動パターン#1〜#3および第2変動パターン#14〜#18のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて特殊変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。また、第1変動パターン#1〜#3および第2変動パターン#19〜#21のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて終了中変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。
つまり、CPU56は、通常状態、特殊状態または特殊状態の一時終了中のいずれであるかによって、抽出されたランダム5の値に応じて、通常変動パターンテーブル、特殊変動パターンテーブルまたは終了中変動パターンテーブルを参照し、1つの変動パターンを決定する。なお、CPU56は、大当りにすることに決定した場合には、変動パターン#3、第2変動パターン#8,#11を選択し、小当りにすることに決定した場合には、変動パターン#2,第2変動パターン#5〜#7,#10のいずれかを選択し、はずれにすることに決定した場合には、変動パターン#1,第2変動パターン#4,#9のいずれかを選択するようになっているものである。なお、本実施の形態では、大当りにすると決定した場合、遊技状態によって異なる変動パターンを選択することとしたが、いずれの遊技状態であっても共通の変動パターンを選択するものとしてもよい。
ここで、第2変動パターン#1,#2の変動時間が1800秒と他の変動パターンの変動時間と比較して極端に長くなっている。これは、特殊フラグがオフの状態(通常状態または確変状態)にて第2特別図柄の図柄変動をしても大当りでない限りはなかなか保留を消化しないための構成であり、すなわち、特殊フラグがオフの状態(通常状態または確変状態)では第2特別図柄の変動を行わせる方が第1特別図柄の変動を行わせるよりも遊技者に不利な状況を構成している。なお、特殊状態または特殊確変状態では、図示するように、大当りでなくても最長60秒の変動時間としている。これにより、特殊状態または特殊確変状態では第2特別図柄の変動表示を遊技者に実行させやすいようにしている。
また、この実施の形態では、後述するように、第1特別図柄停止図柄設定処理で、既に第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示部9b)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示部9a)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。または、第2特別図柄停止図柄設定処理で、既に第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示部9a)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示部9b)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。以下、無条件で第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの表示結果をはずれ図柄にすると決定することを「強制はずれ」ということがある。なお、本実施の形態では、一方の特別図柄の変動開始時に他方の特別図柄に対する大当りが決定されているかを判定し、大当りが決定されている場合にはずれ変動をおこなうものとしたが、これに限るものではない。例えば、一方の特別図柄に対する大当りを開始する際に、他方の特別図柄の変動中であれば該他方の特別図柄の変動をはずれで停止させるようなものであってもよい。
図11に示すように、この実施の形態では、強制はずれ状態において変動パターン#11〜#14が用いられる。また変動パターン#11〜#14のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて強制はずれ時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。つまり、CPU56は、強制はずれ決定時において、抽出されたランダム5の値に応じて、強制はずれ時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。
以上のように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに用いる専用の変動パターンテーブルである強制はずれ時変動パターンテーブルを備える。そして、遊技制御手段は、強制はずれ時変動パターンテーブルにもとづいて決定した変動パターンに従って、第1特別図柄および第1飾り図柄(または第2特別図柄および第2飾り図柄)の可変表示を実行する。そのため、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに、複数種類の変動パターンから選択して可変表示を実行することができる。
また、上述したように、通常状態における第1特別図柄の変動時間を10〜30秒とし、第2特別図柄の小当り変動の変動時間を1800秒とすることで、通常状態における所定時間あたりの変動表示回数を第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも大きく下回る構成としている。これにより、通常状態では、第2特別図柄の変動表示を実行させる方が第1特別図柄の変動表示を実行させるよりも遊技者に不利な構成とすることができる。そして、特殊状態における第1特別図柄の変動時間を10〜30秒、第2特別図柄の変動時間を5〜60秒とし、第2特別図柄にはずれが発生しにくい構成とすることで、特殊状態では、第2特別図柄の変動表示を実行させる方が第1特別図柄の変動表示を実行させるよりも遊技者に有利な構成とすることができる。従って、本実施の形態では、遊技者に対し、通常状態では第1特別図柄の変動表示を実行させ、特殊状態では第2特別図柄の変動表示を実行させる構成となっている。また、上述したように、第2特別図柄の変動時にはずれが発生しにくいので、特殊状態では主に第2特別図柄による小当り遊技状態を付与する構成である。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
また、この実施の形態では、遊技状態として通常状態、確変状態、特殊状態特殊確変状態および特殊状態の一時終了中がある。そして、所定の移行条件が成立することにより、いずれかの遊技状態に移行するように制御される。遊技状態の移行に関する制御は、確変フラグおよび特殊フラグのオン/オフ(セット/リセット)、および特殊状態の残余回数を示す特殊回数カウンタの値にもとづいて行われる。具体的には、確変フラグおよび特殊フラグがオフであれば通常状態、確変フラグがオンで特殊フラグがオフであれば確変状態、確変フラグがオフで特殊フラグがオンであり特殊回数カウンタが「0」より大きい値であれば特殊状態、確変フラグがオフで特殊フラグがオンであり特殊回数カウンタの値が「0」であれば特殊状態の一時終了中、確変フラグおよび特殊フラグがオンであれば特殊確変状態である。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、5〜10)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信した後(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS317の処理が実行される場合には、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS303の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグの値が、ステップS305〜S310に相当する値である場合に、第2大当り遊技または第2小当り遊技が実行中であると判定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300)第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、第1小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや特殊フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第1小当り開放前処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第1小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、第1小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第1小当り開放中処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての大入賞口の開放を終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第1小当り終了処理(ステップS310):第1特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。第1小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図13および図14は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド8001(H)〜8021(H),8031(H)〜8044(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8021(H),8031(H)〜8044(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、第1変動パターン#1〜#3,#21〜#24指定のコマンド(第1変動パターンコマンド)を、8001(H)〜8003(H),8031(H)〜8034(H)とし、第2変動パターン#1〜#11,#21〜#24指定のコマンド(第2変動パターンコマンド)を、8011(H)〜8021(H),8041(H)〜8044(H)とする。
コマンド9000(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の可変表示の表示結果を確変大当りAとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド)である。コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りBとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りCとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド)である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りAとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド)である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りBとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド)である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りCとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド)である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)である。
以下、表示結果1〜7指定コマンドを、表示結果コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果コマンドは第1飾り図柄についての表示結果コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果コマンドは第2飾り図柄についての表示結果コマンドであると判定できるので、表示結果コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果コマンドと第2飾り図柄についての表示結果コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果コマンドを送信するのではなく、確変大当りA/確変大当りB/確変大当りC/小当りA/小当りB/小当りC/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドA100(H)は、第1可変表示部9aにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)であり、コマンドA101(H)は、第1可変表示部9aにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドA200(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)であり、コマンドA201(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の中止を指示する演出制御コマンド(第2中止指定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了まで、または小当り遊技開始から小当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、第1小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。B005(H)は、第1小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドである。B006(H)は、第2小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。B007(H)は、第2小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドである。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、各ラウンド中の大入賞口への入賞球数(カウントスイッチ23の入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。コマンドB3XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図13および図14に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図13および図14に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図16は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図16に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(大入賞口を所定回開放)中および第1小当り遊技中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS63a)。第2大当りフラグがセットされていれば、第1特別図柄表示器8aの表示結果を強制はずれとすることに決定した旨を示す第1強制はずれフラグをセットし(ステップS63b)、ステップS68に移行する。すなわち、既に第2特別図柄表示器8bの表示結果が大当り図柄にすると決定されているので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8aの表示結果をはずれ図柄にすると決定する。
なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。また、第2大当りフラグは、例えば、第2特別図柄の変動が終了したときにリセットされる(または、大当り遊技が終了した場合にリセットされる)。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2可変表示装置9bで第2飾り図柄の変動が実行されていることを意味する(ただし、大当り遊技が終了した場合にリセットされる場合には、変動が実行されていること、または大当り遊技が実行されていることを意味する)。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをセットする(ステップS67)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が確変大当りA〜Cのいずれであるかを判定し(ステップS160)、大当り種別を記憶し(ステップS161)、ステップS68へ移行する。
また、ステップS66において大当りとしない場合、小当り判定モジュールを実行する(ステップS162)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS163)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1小当りフラグをセットする(ステップS164)。そして、ランダム2にもとづいて小当り種別が小当りA〜Cのいずれであるかを判定し(ステップS165)、小当り種別を記憶し(ステップS166)、ステップS68へ移行する。
そして、ステップS68において、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS68)。なお、図示は省略したが、ステップS68の直前において停止する図柄の確定をしている。なお、ステップS65では、遊技状態を加味して、通常大当り判定テーブルおよび確変大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
なお、大当りであるか否かを判定する大当り判定と、小当りであるか否かを判定する小当り判定とをそれぞれ行う構成としたがこれに限るものではなく、共通の乱数を用いるものであれば、ステップS65の時点で大当りであるか小当りであるかはずれであるかを一括で判定するようなものであってもよい。これにより、ステップS162を省略することができ、処理の負担を軽減させることができる。また、本実施の形態では大当り判定および小当り判定を共通の乱数(ランダム1)を用いて行うこととしたが、それぞれ異なる乱数を用いて行うこととしてもよい。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1強制はずれフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS201)、第1強制はずれフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態、大当りであるか小当りであるかはずれであるかに応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS202a)。第1強制はずれフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれ時変動パターンテーブル(図11参照)を選択する(ステップS202b)。なお、ここで、保留球が所定の個数以上であれば、保留球が所定の個数未満であるときの変動パターンよりも短い変動時間を有する変動パターンを選択するようなものとしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS202a,S202bにて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図10および図11に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1701)。
また、ステップS1700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1703)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開始した第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS1704)、第1大当りフラグをセットする(ステップS1705)。第1大当りフラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第1特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1706)
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。セットされていない場合には、ステップS103に移行する。
第1大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じて、表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS102)。
また、CPU56は、第1大当りフラグがセットされていないときには(ステップS101のN)、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS103)。第1小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当り種別に応じて、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS104)。第1小当りフラグもセットされていないときは(ステップS103のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS105)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図20および図21は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2001)、セットされていない場合、すなわち確変状態でない場合はステップS2005へ移行する。
確変フラグがセットされている場合、CPU56は、確変状態の残余回数を示す確変回数カウンタの値を「1」減算する(ステップS2002)。そして、確変回数カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS2003)、「0」でない場合、ステップS2005へ移行する。確変回数カウンタの値が「0」になった場合、確変フラグをリセットする(ステップS2004)。これにより、変動毎に確変状態の残余回数を減算し、残余回数が「0」になったら確変状態を終了する構成となっている。
ステップS2005において、CPU56は、特殊フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2005)。特殊フラグがセットされている場合、特殊状態の残余回数を示す特殊回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2006)。特殊回数カウンタが「0」でない場合、特殊回数カウンタの値から「1」を減算する(ステップS2007)。特殊フラグがセットされており、特殊回数カウンタの値が「0」でない場合とは、すなわち、特殊状態中である。
また、特殊フラグがセットされており特殊回数カウンタの値が「0」である場合とは、すなわち、特殊状態の一時終了中である。本実施の形態における遊技機は、特殊状態に特定期間制御した後、特殊状態を所定期間終了し、特殊状態に復帰するものであり、図柄変動を1回行う期間を該所定期間とした。そのため、特殊状態の一時終了中と判定した場合(ステップS2006のY)、特殊回数カウンタに「300」をセットして、特殊状態へ復帰させる(ステップS2008)。ここで、「300」をセットすることにより、新たに300回の特殊状態に制御する構成である。また、本実施の形態では、特殊状態の一時終了中の期間を1回の図柄変動を実行する期間としたため、ここで特殊状態へ復帰させることとしたが、複数回の図柄変動を実行する期間とした場合、複数回の図柄変動の実行を待機した後に特殊状態へ復帰させる。なお、通常状態から特殊状態へ移行する際の契機となった大当りの種別に関わらず、一旦特殊状態を終了した後は、300回の特殊状態へ移行する構成としているが、これに限るものではない。例えば、通常状態から特殊状態へ移行した際の大当り種別によって異なる期間の特殊状態へ復帰することとしてもよいし、復帰する期間を抽選によって決定するものであってもよい。また、本実施の形態では、確変大当りBまたは小当りBが発生しない限り、特殊状態に復帰してから特定期間(例えば、図柄変動300回)が経過すると再度特殊状態の一時終了中となり、特殊状態へ移行する構成である。しかし、特殊状態に復帰した後は、所定の期間が経過することを契機に特殊状態から通常状態へ移行するようなものであってもよい。
ステップS2005にて特殊フラグがセットされていない場合(ステップS2005のN)、またはステップS2007やステップS2008の後、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2014)。セットされている場合、確変フラグ、特殊フラグ、確変回数カウンタ、特殊回数カウンタをリセットする(ステップS2015)。なお、詳しくは後述するが、ステップS2015にて特殊フラグおよび特殊回数カウンタをリセットし、大当り遊技終了時に、確変大当りAまたはCであれば特殊フラグと特殊回数カウンタをセットする一方、確変大当りBであればセットしない構成となっている。これにより、確変大当りAまたはCである場合の特殊状態の継続と、確変大当りBである場合の特殊状態の終了とを実現している。
そして、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2016)、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2019)、第1特別図柄プロセスフラグを第1大入賞口開放前処理に設定する(ステップS2020)。
ステップS2014において、第1大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、第1小当りフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2101)、セットされている場合、ステップS2103へ移行する。セットされている場合、小当りBであるか否かを判定する(ステップS2021)。小当りBである場合、特殊フラグ及び特殊回数カウンタをリセットし(ステップS2022)、ステップS2103へ移行する。これにより、小当りBが発生した場合には特殊状態を終了し、小当りAまたはCが発生した場合には特殊状態を継続する構成としている。なお、ステップS2021およびステップS2022を実行するタイミングについては、小当りBが発生する特別図柄の変動が開始されてから次の変動が開始されるまでの間、いずれの処理中におこなうものであってもよい。
ステップS2103では、第1小当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2103)、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2104)、開放回数カウンタに開放回数1回をセットし(ステップS2105)、第1特別図柄プロセスフラグを第1小当り開放前処理に設定する(ステップS2106)。なお、本実施の形態では小当り時の大入賞口の開放回数を1回としたため、ステップS2105にて開放回数カウンタに「1」をセットするものとしたがこれに限るものではなく、大入賞口の開放回数を2回や10回などとし、開放回数カウンタにそれらの回数をセットするものであってもよい。
ステップS2101において、第1小当りフラグがセットされていない場合、すなわち、はずれである場合、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に設定する(ステップS2113)。
図22は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203)、処理を終了する。
ステップS2204では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205のY)、CPU56は、確変フラグをセットし(ステップS2206)、確変回数カウンタに「100」をセットし(ステップS2208)、ステップS2210へ移行する。なお、大当りの種別に関わらず一律の値「100」をセットすることとしたが、発生した大当りの種別に応じて異なる数値を確変回数カウンタにセットすることとしてもよい。例えば、確変大当りAなら確変回数カウンタに「100」をセットして100回の確変状態に移行し、確変大当りBまたはCなら確変回数カウンタに「50」をセットして50回の確変状態に移行するようなものであってもよい。
ステップS2210では、CPU56は、確変大当りAまたはCであるか否かを判定する(ステップS2210)。確変大当りAまたはCである場合、特殊フラグをセットし(ステップS231)、確変大当りAであるか否かを判定する(ステップS232)。確変大当りAであれば、特殊回数カウンタに100をセットし(ステップS233)、確変大当りCであれば、特殊回数カウンタに300をセットする(ステップS234)。これにより、確変大当りAであれば100回の特殊状態に制御し、確変大当りCであれば300回の特殊状態に制御することができる。そして、ステップS2210にて確変大当りBである場合、ステップS2211へ移行する。これにより、確変大当りBである場合は特殊状態を終了させて通常状態に制御することができる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2211)。
図23および図24は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8bおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ13bがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS2711)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS2712)。
また、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合、すなわち、第1特別図柄に対する大当り中または小当り中である場合(ステップS2714)、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値であるかを判定する(ステップS2719)。第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合、すなわち、第1特別図柄に対する大当り中である場合、第1特別図柄の大当りが確変大当りBであるか否かを判定する(ステップS2720)。ここでは、例えば、第1特別図柄に対する大当り種別を記憶する第1大当り種別バッファと、第2特別図柄に対する大当り種別を記憶する第2大当り種別バッファとが遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられている場合、第1大当り種別バッファから大当り種別を読みだすことにより、第1特別図柄の大当りが確変大当りBであるか否かを判定してもよい。また、第1特別図柄に対する大当り種別と第2特別図柄に対する大当り種別を記憶する共用バッファが遊技制御用マイクロコンピュータ560に設けられている場合、共用バッファから最新の大当り種別を読みだすことにより確変大当りBであるか否かを判定することとしてもよい。
第1特別図柄の大当りが確変大当りBでない場合、すなわち、確変大当りAまたはCである場合、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2特別図柄通常処理〜第2特別図柄変動中処理のいずれかに応じた値であるかを判定する(ステップS2721)。第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2特別図柄通常処理〜第2特別図柄変動中処理のいずれかに応じた値である場合、すなわち、第2特別図柄の変動中である場合、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理に応じた値とし(ステップS2722)、第2中止指定コマンドを送信する(ステップS2723)。
また、ステップS2719にて、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1大当り図柄停止処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値でない場合、すなわち、第1特別図柄に対する小当り中である場合、ステップS2716へ移行する。また、ステップS2720にて、第1特別図柄の大当りが確変大当りBである場合、ステップS2715へ移行する。また、ステップS2721にて、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2特別図柄通常処理〜第2特別図柄変動中処理のいずれかに応じた値でない場合、すなわち、第2特別図柄の変動中でない場合、ステップS2715へ移行する。
ステップS2715では、CPU56は、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第2中断指定コマンドを送信している場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ第2中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS2716)。
また、ステップS2717では、CPU56は、第2中断指定コマンドを送信した後(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS2717の処理が実行される場合には、ステップS2800〜S2810のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56は、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS2803の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグの値が、ステップS2805〜S2810に相当する値である場合に、第2大当り遊技または第2小当り遊技が実行中であると判定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、第2中断指定コマンドを受信すると、第2飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第2再開指定コマンドを受信すると、第2飾り図柄の変動を再開する。
ステップS2800〜S2810の処理は、ステップS2801における第2変動パターン設定処理を除いて、第1特別図柄プロセス処理において行ったステップS300〜S310の処理において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えた処理であるため、詳細な説明は省略する。第2変動パターン設定処理に関しては、第1変動パターン設定処理とは異なるため、以下に説明する。
図25は、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、特殊フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1801)。
特殊フラグがセットされている場合、すなわち、特殊状態である場合、ステップS1805へ移行する。セットされていない場合、すなわち、通常状態である場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS1802)。
大当りでない場合、第2変動パターン#1,#2(変動時間1800秒)のいずれかを選択し(ステップS1803)、ステップS1811へ移行する。その際、小当りであれば第2変動パターン#2を、はずれであれば第2変動パターン#1を選択する。大当りである場合、第2変動パターン#3(変動時間30秒)を選択し(ステップS1804)、ステップS1811へ移行する。
ステップ1805において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2強制はずれフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS1805)、第2強制はずれフラグがセットされていなければステップS1807へ移行する。第2強制はずれフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれ時変動パターンテーブル(図11参照)を選択する(ステップS1806)。
ステップS1807において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特殊回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS1807)、「0」でない場合、すなわち、特殊状態である場合、特殊変動パターンテーブルを選択する(ステップS1808)。「0」であれば、すなわち、特殊状態の一時終了中であれば、終了中変動パターンテーブルを選択する(ステップS1809)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1806,S1808,S1809にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図10および図11に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1810)。本例では、変動パターンを決定することによって、特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1811)。
また、ステップS1810にて第2特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第2特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1812)、後述する計測実行フラグをセットし、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1704)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開始した第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS1814)、第2大当りフラグをセットする(ステップS1815)。第2大当りフラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第2特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1816)。
次に、特殊状態に制御するタイミングの一例について説明する。図26は、特殊状態に制御する際のタイミングチャートである。図26に示すタイミングチャートは、タイミング毎の特別図柄の変動と大当り遊技と特殊状態の制御とが含まれる。例えば、確変大当りAが発生した場合、15ラウンドの大当り遊技がおこなわれ、特殊状態に制御する。そして、特殊状態を特定期間(例えば、100回の特別図柄の変動が終了するまでの期間)継続し、一旦終了する。そして、所定期間(例えば、1回の特別図柄の変動が終了するまでの期間)が経過したことを契機に、特殊状態へ復帰する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。さらに、また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。
図28は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果10指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが第1中断指定コマンドまたは第2中断指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグまたは第2変動中断フラグをセットする(ステップS627)。また、受信した演出制御コマンドが第1再開指定コマンドまたは第2再開指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグまたは第2変動中断フラグをリセットする(ステップS629)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが第1小当り開始指定コマンドまたは第2小当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、第1小当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS625)。そして、ステップS611に移行する。
図29は、図27に示されたメイン処理における第1飾り図柄プロセス処理(ステップS705A)を示すフローチャートである。第1飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2900)。セットされている場合、図柄の変動を中断の旨を表示する表示動作制御を行い(ステップS2901)、第1飾り図柄プロセス処理を終了する。
第1変動中断フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって第1変動パターン指定の演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信されたことが確認されたか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、演出制御用CPU101が実行するコマンド解析処理で第1変動パターン#1〜#3,#21〜#24指定のいずれか(8001(H)〜8003(H),8031(H)〜8034(H)のいずれか)の第1変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1飾り図柄の変動態様(変動期間中の飾り図柄の変動速度など)を、それぞれの変動パターンに応じてあらかじめ決められている複数種類のうちから選択する。なお、それぞれの変動パターンについて、あらかじめ1種類の変動態様が決められている場合には、受信した変動パターンに応じた変動態様を使用することに決定する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801):第1飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。なお、第1飾り図柄変動開始処理では、第1可変表示部9aと第2可変表示部9bとの表示領域を、受信した変動パターンコマンドにもとづいて変更するものでもよい。例えば、通常状態を示す変動パターンを含む変動パターンコマンドを受信した場合、第1可変表示部9aを表示画面の中央に配置する一方、第2可変表示部9bを第1可変表示部9aの右下に配置し特殊状態を示す変動パターンを含む変動パターンコマンドを受信した場合、第1可変表示部9aと第2可変表示部9bとの表示領域を左右に同じ大きさで配置するようなものでもよい。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている変動時間の終了を監視する。また、第1飾り図柄の停止制御を行う。変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS803):第1飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を導出表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)または第1大当り表示処理(ステップS804)または第1小当り表示処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
第1ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1ラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
第1小当り表示処理(ステップS808):変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1小当り終了演出処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
第1小当り終了演出処理(ステップS809):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図30は、図27に示されたメイン処理における第2飾り図柄プロセス処理(ステップS705B)を示すフローチャートである。第2飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第2中止指定コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3010)、受信している場合、変動を中止する旨を表示する表示動作制御を行い(ステップS3011)、演出制御プロセスフラグの値を第2変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS3000)に対応した値に更新し、第2飾り図柄プロセス処理を終了する。
ステップS3010において、第2中止指定コマンドを受信していない場合、演出制御用CPU101は、第2変動中断フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3013)。セットされている場合、図柄の変動を中断の旨を表示する表示動作制御を行い(ステップS3014)、第2飾り図柄プロセス処理を終了する。
第2変動中断フラグがセットされていない場合、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS3000〜S3009のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、上述したステップS800〜S809において「第1」を「第2」と読み替えた処理であるため、詳細な説明は省略する。
図31は、図30に示された第2飾り図柄プロセス処理における第2飾り図柄変動開始処理(ステップS3001)を示すフローチャートである。第2飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて第2飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(第2飾り図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した第2飾り図柄の停止図柄を示すデータを第2飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(例えば、ステップアップ予告演出や、モチーフ表示予告演出、群予告演出、ボタン予告演出、ミニキャラ予告演出)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
次いで、演出制御用CPU101は、読みだした変動パターンコマンドに対応する変動パターンが第2変動パターン#6,#7のいずれかであるかを判定し(ステップS8004)、いずれかでなければ、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。読みだした変動パターンコマンドに対応する変動パターンが第2変動パターン#6,#7のいずれかである場合、変動パターン、予告演出、示唆演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS8008)、ステップS8014へ移行する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8014)。なお、本実施の形態では第2変動パターン#7の変動パターンコマンドを受信した場合に必ず示唆演出を実行するものとするが、所定の割合で示唆演出の実行の有無を決定するようなものであってもよい。
図32は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う(ステップS8015)。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(飾り図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における飾り図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で飾り図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図32に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、ステップS8015の処理で予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されてプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8016)。
そして、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄プロセスフラグの値を第2飾り図柄変動中処理(ステップS3002)に対応した値にする(ステップS8017)。
図33は、示唆演出を実行する際の表示例を示す説明図である。図33に示す表示例は、タイミング(T1〜T3)にて可変表示装置9の表示画面に表示される画像の一例である。例えば、図柄の変動中のタイミングT1にて示唆演出が開始される。ここで、示唆演出として、味方キャラクタ34Aと敵キャラクタ34Bが戦う演出が行われる。そして、特殊状態を継続する場合(すなわち、小当りCが発生する場合)、タイミングT2にて味方キャラクタ34Aが敵キャラクタ34Bに勝利する演出が行われる。また、特殊状態を終了する場合(すなわち、小当りBが発生する場合)、タイミングT3にて、味方キャラクタ34Aが敵キャラクタ34Bに敗北する演出が行われる。
タイミングT1では遊技者に特殊状態が終了する可能性を認識させることにより不安感を煽ることができる。そして、遊技者に対し、味方キャラクタ34Aと敵キャラクタ34Bとの戦いに注視させ、小当りBであればタイミングT2にて落胆させ、小当りCであればタイミングT3にて今後の特殊状態での有利価値の獲得に期待させることができ、興趣性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態では、特殊状態に特定期間制御した後に一旦特殊状態を終了させ、所定期間経過後に改めて特殊状態へ復帰する構成とした。これにより、特殊状態の遊技が単調になることを防ぐことができ、遊技の興趣性を向上させることができる。特殊状態の一時終了中の期間(例えば、第2特別図柄の変動時間)をより長くすることにより、時間あたりの小当りの発生頻度が低下するため、その効果はより顕著となる。また、特殊状態と特殊状態ではない遊技状態とで遊技者に打ち方を変えさせるタイプの遊技機にて、一旦特殊状態を終了させ、所定期間経過後に改めて特殊状態へ復帰する構成とすることにより、より興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、小当りが発生した場合、大当り遊技における大入賞口の開放期間よりも短い開放期間だけ大入賞口を開放する小当り遊技を行い、通常状態よりも特殊状態の方が、短い変動時間を有する変動パターンを決定しやすい構成としている。これにより、特殊状態における一定時間あたりの小当りの発生頻度が高くなり、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、特殊変動パターンテーブルは、5秒の変動時間を有する第2変動パターン#5と、60秒の変動時間を有する第2変動パターン#7とを含み、第2変動パターン#7が決定されたときに示唆演出を実行する構成とした。これにより、小当りが頻発しても主に第2変動パターン#5が選択されることでスムーズに遊技が進行され、遊技者にストレスを感じさせずに遊技をおこなわせることができる。また、第2変動パターン#7が選択された場合に示唆演出をおこなうことにより、遊技者に対し、特殊状態の継続への期待と終了への不安感を与え、興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄を同時に変動可能であり、第1特別図柄の変動時よりも第2特別図柄の変動時の方が小当りが発生しやすく(図8参照)、特殊状態の方が通常状態よりも短い変動時間を有する変動パターンを選択しやすく(図10参照)、第2特別図柄の変動中に特殊状態へ移行する条件(第1特別図柄による特定の大当り発生)が成立した場合に第2特別図柄の変動を中止する構成とした。これにより、特殊状態への移行条件の成立から第2特別図柄の変動終了を待機することなく特殊状態へ移行することができるため、遊技者にストレスを与えることなく遊技を進行させることができる。
また、本実施の形態では、特殊状態へ移行する契機となる大当り種別(確変大当りA,C)と、特殊状態へ移行する契機とならない大当り種別(確変大当りB)とを設けた。また、大当り遊技による有利価値の少ない(すなわち、大入賞口の開放期間の短い)大当りほど、長い期間の特殊状態へ移行する構成とした。これにより、大当り遊技による有利価値の少ない大当り(本実施例における確変大当りC)が発生した場合にも特殊状態への期待感を抱かせることができるため、遊技者に失望感を与えることを防止し、興趣の向上を図ることができる。また、仮に、大当り遊技による有利価値の多い大当りほど、長い期間の特殊状態へ移行する構成とした場合、ギャンブル性が高まり、遊技者の射幸心を煽ることとなってしまうが、上述した構成とすることにより、遊技者の射幸心の抑制を図ることができる。
なお、本実施の形態では、通常状態から特殊状態へ移行する条件を特定の大当りの発生としたが、これに限るものではない。例えば、特定の小当りの発生であっても、大当りや小当りが発生した場合に所定の割合の抽選をおこなって移行を決定するものであっても、毎変動で所定の割合の抽選をおこなって移行を決定するものであっても、あらかじめ定められた時刻に達することであっても、規定回数の変動をおこなうものであっても、最後の大当りや小当りの発生時からの経過時間が所定時間に達することであっても、所定の判定結果に規定回数当選することであっても、特定の演出が発生することであるようなものであってもよい。
なお、本実施の形態では、一方の特別図柄の大当り中である場合に他方の特別図柄の変動を中断または中止することとしているが、一方の特別図柄の小当り中であっても他方の特別図柄の変動を中断または中止することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、特殊状態中に確変大当りが発生した場合に特殊状態に制御する期間をセットし直す構成としたが、セットし直さず、特殊状態に制御する期間を大当り前後で引き継ぐものであってもよい。また、確変大当りBが発生した場合には通常状態であれば特殊状態へ移行させず、特殊状態であれば特殊状態を終了させる構成としたが、これに限るものではない。例えば、確変大当りBを、通常状態で発生した場合には特殊状態へ移行しない種別の大当りであり、且つ、特殊状態で発生した場合には特殊状態を終了させずに、特殊状態に制御する期間を引き継ぐものとしてもよい。その場合、確変大当りAまたはCが特殊状態にて発生した場合には特殊状態に制御する期間をセットし直すものとして、確変大当りA,Cと確変大当りBとで格差を設けるものであってもよい。
また、本実施の形態では、第1特別図柄に対する大当りが特定の種別の大当り(確変大当りAまたはC)である場合に、第2特別図柄の変動を中止し、特定の種別でない大当り(確変大当りB)である場合に第2特別図柄の変動を中断するものとしたが、これに限るものではない。例えば、種別に関わらず、第1特別図柄に対する大当り中であれば、第2特別図柄の変動を一律に中止または中断するものであってもよい。
なお、本実施の形態では、特殊状態を一旦終了してから特殊状態へ復帰するまでの期間を1回の図柄変動としたが、これに限るものではない。例えば、2回以上の図柄変動が実行されるまでの期間であってもよいし、所定の時間が経過するまでの期間であってもよいし、特定の事象(例えば、小当りや演出)が所定回発生するまでの期間であってもよい。
また、本実施の形態では、第2特別図柄を可変表示するとき、通常状態にて変動パターンを決定する際に用いる通常変動パターンテーブルは、特殊状態にて変動パターンを決定する際に用いる特殊変動パターンテーブルよりも、長い変動時間を有する変動パターンを多く含む構成とした。これにより、第2特別図柄の可変表示を行う場合、通常状態の方が特殊状態よりも時間あたりの変動回数が少なくなる。従って、第2特別図柄の可変表示時における一定時間あたりの小当り発生割合は、通常状態よりも特殊状態の方が高くなる構成である。これにより、遊技者に対し、通常状態では第1特別図柄の可変表示を実行させ、特殊状態では第2特別図柄の可変表示を実行させることにより、遊技状態によって打ち方を変えさえ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、特殊状態の終了条件が特定の小当りまたは特定の大当りの発生としたがこれに限るものではなく、例えば、所定回数の変動を行うことを契機に終了するものであってもよい。具体的には、特殊状態に制御する変動回数を複数パターン(例えば、20回、40回、60回)有すものであってもよい。また、その場合、いずれの変動回数で終了するパターンの特殊状態であっても、回数の閾値付近の変動にて、特殊状態を終了させることを示唆する示唆演出をおこなうようなものであってもよい。例えば、20回、40回、60回の図柄変動を契機に終了する各パターンの特殊状態を有する場合、いずれのパターンの特殊状態であっても20回目の変動と40回目の変動で示唆演出をおこなうようなものであってもよい。これにより、いずれのパターンの特殊状態に制御されている場合にも、特殊状態の終了に対する不安感と継続に対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、所定時間の経過を契機に特殊状態を終了するものであってもよく、例えば、特殊状態の滞在時間が600秒に達した時点で通常状態へ移行するものとしてもよい。また、特殊状態に制御する時間として、複数の滞在時間のパターン(例えば、200秒、400秒、600秒)有すものであってもよい。また、その場合、いずれの滞在時間で終了するパターンの特殊状態であっても、時間の閾値付近の変動にて、特殊状態を終了させることを示唆する示唆演出をおこなうようなものであってもよい。例えば、200秒、400秒、600秒の時間経過を契機に終了する各パターンの特殊状態を有する場合、いずれのパターンの特殊状態であっても200秒付近の変動と400秒付近の変動で示唆演出をおこなうようなものであってもよい。これにより、いずれのパターンの特殊状態に制御されている場合にも、特殊状態の終了に対する不安感と継続に対する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、本実施の形態では、第2特別図柄の変動時にはずれが発生しにくいことにより、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には大当り遊技または小当り遊技が付与される構成としたが、これに限るものではない。具体的には、通常状態では、第1始動入賞口13への入賞を狙う第1遊技の方が第2始動入賞口14への入賞を狙う第2遊技よりも遊技者にとって有利である一方、特殊状態では、第2遊技の方が第1遊技よりも遊技者に有利であればよい。
また、本実施の形態では第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時にも、大当り、小当り、はずれが発生し得る構成としたが、これに限るものではない。例えば、第2特別図柄の変動時にはずれを設けない構成であってもよい。その場合、第2特別図柄通常処理における、小当り判定をおこない小当りとするか否かを判定する処理を省くものであってもよい。また、第2特別図柄停止処理において、はずれである場合に行う処理も同様に省くものであってもよい。これにより、処理の負担を軽減することができる。
また、本実施の形態において、大当りの種別として確変大当りのみを設けたため、通常状態において大当りに当選した際に確変状態へ移行することとしたが、これに限るものではなく、確変状態に移行しない通常大当りを大当りの種別として設けるものであってもよい。その場合、例えば、通常状態において通常大当りが発生した場合には特殊状態へ移行するものであってもよい。また、発生した通常大当りの種別に応じた期間の特殊状態へ移行するものであってもよいし、発生した通常大当りの種別によって特殊状態へ移行するものと移行しないものがあってもよい。また、大当りの種別として確変大当りと通常大当りとが併設されているものであってもよい。
また、本実施の形態においては、各乱数をソフトウェアにて生成するものとしたが、これに限るものではなく、ハードウェアにて生成された乱数を用いて、大当りとするか否かを判定するものであってもよい。
また、本実施の形態では、遊技盤上に打ち出された遊技球は釘のみに誘導されて始動入賞口へ入賞する構成としたが、これに限るものではない。例えば、開閉自在な可変入賞装置を始動入賞口に備えることにより、可変入賞装置によって始動入賞口へ遊技球が誘導される構成であってもよい。その場合、例えば、可変入賞装置が開状態であるときに遊技球が始動入賞口へ入賞しやすく、閉状態であるときに遊技球が始動入賞口へ入賞しにくいような遊技機であってもよい。その場合、例えば、可変入賞装置はソレノイドによって開状態とされるものであってもよい。また、その場合、可変入賞装置がランダムなタイミングで開状態となるよう、所定の条件が成立した場合に規定の割合で開状態となるようなものであってもよい。例えば、遊技盤上に供えられたゲートを遊技球が通過することにより、特別図柄とは異なる図柄(いわゆる、普通図柄)の変動が開始され、特定の図柄で停止表示されることを契機に閉状態から開状態へ移行するようなものであってもよい。開状態とする期間があらかじめ設定されているものであってもよい。また本実施の形態のように、第2特別図柄の変動の方が第1特別図柄の変動よりも遊技者にとって有利である場合、第2特別図柄にのみ可変入賞装置を設けることで、より開状態とすることへの期待を遊技者に抱かせることができる。なお、本実施の形態のように、第2特別図柄における遊技を主におこなうような遊技状態を有する遊技機においては、ゲートを遊技球が通過した場合に可変入賞装置が開状態となる割合は、遊技の妨げにならない程度に高いものが望ましい。
また、本実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に可変表示可能な構成としたが、これに限るものではない。例えば、交互変動を行う遊技機(第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に可変表示せず、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方を可変表示する遊技機)であってもよい。なお、その際、第1特別図柄と第2特別図柄の変動順は、入賞順であってもよいし、一方の特別図柄を優先するものであってもよい。
例えば、遊技機は、第1特別図柄は保留記憶の機能を有す一方、第2特別図柄については保留記憶の機能を有さず、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも小当り確率を高くするとともに、小当り時の大入賞口の開放期間を第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも長い期間(例えば1.8秒)とし、ゲートを通過した遊技媒体が略第1特別図柄の始動口に入賞する様に構成されているものであってもよい。その場合、該遊技機は遊技状態として通常状態と特殊状態とを有しており、例えば、通常状態では第1特別図柄の変動時間よりも普通図柄(上述した、可変入賞装置を開状態とするか否かを決定する図柄)の変動時間を短くすることにより、電チューが開放して第2特別図柄の始動入賞が発生したとしても第1特別図柄が変動しているときに第2特別図柄の始動入賞を発生させることにより第2特別図柄の変動を実行できない様にする。そして、通常状態における所定条件の成立(例えば、小当りの発生や大当りの発生、予め決められた変動回数の消化)にもとづいて特殊状態へ移行するものとする。特殊状態では、例えば、第1特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間の関係を逆転させる(例えば、普通図柄の変動時間は通常状態と変わらず、第1特別図柄の変動時間を極端に短い時間(例えば0.2秒)にする)ことにより、第1特別図柄が変動しておらず、かつ、保留も記憶されていない状態で、第2特別図柄の始動入賞を可能にすることで、小当りの発生頻度を高めた遊技を実行させるものであってもよい。こういった遊技機においても、特殊状態に特定期間(例えば、図柄変動100回)制御した後に一旦特殊状態を終了し、所定期間(例えば、図柄変動1回)が経過したら再度特殊状態へ移行するものとすることにより、特殊状態の興趣の向上を図ることができる。尚この制御方法の場合、第2特別図柄の始動口に可変入賞球装置が取り付けられている構成としなくてもよく、その場合でも通常状態では第1特別図柄の保留が途切れない状態で第2特別図柄の始動入賞を発生させるようにし、所定条件の成立にもとづいて第2特別図柄の始動入賞が、第1特別図柄の保留がなく変動もしていない状態で発生する様にしてもよい。
また、本実施の形態では、小当りが発生しやすい特殊状態を有利状態として実現することとしたがこれに限るものではなく、例えば、大当りが発生しやすい遊技状態を有利状態として実現するようなものであってもよい。具体的には、通常状態における大当りの発生を契機に大当りが発生しやすい有利状態に移行し、該有利状態では特定回数までは大当りが発生しても遊技状態を移行せず、特定回数における可変表示にて発生した大当りの種別に応じて有利状態を継続させたり終了させたりするものであってもよい。その場合、例えば、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時にも小当りが発生しない構成であってもよいし、いずれか一方の特別図柄の図柄変動時には小当りが発生するような構成であってもよい。
また、本実施の形態では、通常状態より短い変動時間を有する第2変動パターンが選択されやすい特殊状態が、一定時間あたりの小当り発生頻度が通常状態より高い遊技状態であり、すなわち、遊技者にとって有利な特殊遊技状態の実行頻度を高める有利状態であるものとしているが、これに限るものではない。例えば、変動パターンの選択割合が変わらないものであっても、入賞時の小当り確率が通常状態よりも高い遊技状態を有利状態とするものでもよい。
また、本実施の形態では、大当りおよび小当りにて遊技者に価値を付与する構成としたがこれに限るものではなく、例えば、小当りで遊技者に価値を付与する構成であれば大当りを設けないようなものであってもよい。その場合、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時にも小当りを設けることで、いずれの図柄変動時にも遊技者に価値を付与することができる。
なお、本実施の形態では、小当りにおいて一定時間(例えば1.8秒)が経過するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される構成としたが、これに限るものではなく、例えば、所定個数(例えば、3個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで大入賞口が開放される構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、大当り遊技状態と小当り遊技状態とで同一の大入賞口が開放するものとしたが、大当り遊技状態と小当り遊技状態とで異なる大入賞口が開放するようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、保留の数に関わらず変動パターンを選択することとしたが、保留数が多いほど短い変動時間の変動パターンを選択することにより、無効入賞が発生し難いような構成とするものであってもよい。
また、本実施の形態における遊技機は、大入賞口への遊技球の入賞を契機に、景品遊技媒体としての遊技球を払い出す構成としてある。すなわち、可変入賞口に遊技媒体が入賞したことに応じて有利な価値を付与する遊技機であるといえる。ここで、有利な価値とは、景品遊技媒体であってもよいし、遊技者にとって有利な遊技状態に移行することであってもよい。遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、図柄の変動が通常状態よりも早い遊技状態や、大当りが発生しやすい確変状態や、大当り遊技状態などである。
なお、本実施の形態では、一方の特別図柄の変動開始時に他方の特別図柄の変動における大当りの発生が決定されている場合に、一方の特別図柄の変動に対する大当り判定を行わずはずれとする「強制はずれ」をおこなう構成としたがこれに限るものではない。例えば、「強制はずれ」を設けずに、複数の特別図柄が互いに干渉することなく変動し続けるようなものであってもよい。また、例えば、一方の特別図柄の変動に対する大当りが開始されるタイミングにて、他方の特別図柄が変動中であれば、強制的に他方の特別図柄の変動をはずれで停止させるようなものであってもよい。なお、大当りが開始されるタイミングとは、例えば、図柄変動の停止を指示する図柄確定指定コマンドや、大当りのファンファーレ画面の表示の開始を指示する大当り開始指定コマンドを演出制御基板80へ出力するタイミングである。また、本実施の形態では大当りである場合のみ強制はずれが発生する構成としたが、例えば、小当りである場合にも強制はずれが発生するものであってもよい。
なお、本実施の形態では、確変大当りCが発生した場合、大入賞口への遊技球の入賞が見込める大当り遊技を経由して特殊状態へ移行する構成としたが、これに限るものではなく、大入賞口への遊技球の入賞が見込めない大当り遊技を行った後に特殊状態へ移行する大当りを設けたものであってもよい。その場合、大当りが発生したことを遊技者に認識させにくくなるため、遊技者に対して、特殊状態へ突如移行したように見せることにより驚きと期待感を与え、興趣の向上を図ることができる。また、その場合、大当り遊技による有利価値を遊技者に獲得させることができなくなるため、そのような大当りを経由した場合、大当り遊技による有利価値の獲得が見込める大当りを経由した場合よりも、特殊状態に長い期間制御するものであってもよい。これにより、発生した大当りの種別によって遊技者が獲得する有利価値が大きくことなることを防止することができ、射幸心を抑制することができる。
また、本実施の形態では、特殊状態に制御する特定期間を100回または300回の図柄変動を行うまでの期間とし、特殊状態を一旦終了してから復帰するまでにかかる所定期間を1回の図柄変動を行うまでの期間としたが、遊技者の射幸心が著しく高くならないように設定された期間であれば、これに限るものではない。例えば、本実施の形態における特殊状態よりも遊技者が獲得する有利価値が少ない設定の遊技機であれば、本実施の形態よりも長い期間特殊状態に制御するものであってもよいし、本実施の形態における特殊状態よりも遊技者が獲得する有利価値が多い設定の遊技機であれば、本実施の形態よりも短い期間特殊状態に制御するものであってもよい。
なお、特殊状態に制御する期間が長すぎると出玉率が高まり、遊技者の射幸心を煽りすぎてしまうことが考えられる。そのため、特殊状態に制御する期間は、遊技者の射幸心を煽りすぎない程度に設定されることが望ましい。例えば、復帰後の特殊状態中に遊技者が獲得可能な有利価値と、大当り遊技による有利価値および該大当り遊技を経由した特殊状態中に遊技者が獲得可能な有利価値を併せた有利価値とが、同量程度になるようにすることで、射幸心が過度に煽られることを防ぐことができる。ここで、有利価値とは、出玉率である。具体的に、本実施の形態では、15ラウンドの大当り遊技で獲得可能な有利価値が、特殊状態における200回の図柄変動にて獲得可能な有利価値と同程度であるため、通常状態から確変大当りAを経由したときの特殊状態に100回の図柄変動の間制御し、復帰した後の特殊状態に300回の図柄変動の間制御することとした。
また、本実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動パターンに対応した演出を選択し実行することにより、特殊状態に小当りCが発生した場合に示唆演出を実行する構成とした。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動パターンを選択した時点で示唆演出の実行の有無が実質的に決定される構成とした。しかし、これに限るものではなく、演出制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信した場合に、示唆演出の有無を抽選などによって決定するようなものでもよい。
また、本実施の形態において、特殊状態では、小当りが発生しやすい第2特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることにより、一定時間あたりの小当り発生頻度を通常状態よりも高めることとして、通常状態よりも小当りが発生しやすい遊技状態としたがこれに限るものではない。例えば、小当り判定に用いる小当り判定テーブルとして、一の小当り判定テーブルと、該位置の小当り判定テーブルよりも小当りの発生確率が高い他の小当り判定テーブルとを設け、通常状態では一の小当り判定テーブルを用い、特殊状態では他の小当り判定テーブルを用いることにより、通常状態よりも小当りが発生しやすい特殊状態を実現するものであってもよい。
また、本実施の形態では、所定条件が成立した場合、通常状態より小当りが発生しやすい特殊状態に移行するものとしたが、これに限るものではなく、例えば、通常状態より大当りが発生しやすい遊技状態に移行するものであってもよい。
また、本実施の形態では、特殊遊技状態である小当り遊技状態における大入賞口の開放期間を1.8秒、1回とし、特定遊技状態である大当り遊技状態における大入賞口の開放期間を30秒、15回とすることにより、大当り遊技状態の方が小当り遊技状態よりも長い期間大入賞口を開放するものとしたが、これに限るものではない。例えば、大入賞口の総開放時間が特定遊技状態の方が特殊遊技状態よりも長いものであれば、1回あたりの開放時間や開放回数はいずれの値であってもよい。
また、本実施の形態では、特殊状態の一時終了中にも特殊フラグがセットされている構成としたが、これに限るものではなく、例えば、特殊状態にて特定期間が経過するとともに特殊フラグをリセットして特殊状態を一旦終了し、所定期間が経過したときに再度特殊フラグをセットし直すことで特殊状態へ復帰するようなものであっても良い。その際、例えば、復帰するまでの期間を示す終了中カウンタを設けて変動毎に1ずつ減算していくようなことにより、所定期間が経過したか否かを判定するようなものとしてもよい。
また、本実施の形態では、特殊状態に復帰した後、特殊状態と特殊状態の一時終了中を繰り返すこととしたが、これに限るものではない。例えば、特殊状態に復帰した後には、特殊状態の終了条件(例えば、特定の小当りや特定の大当りの発生)が成立するまで特殊状態に制御し続けるようなものであってもよい。
また、本実施の形態において、第1特別図柄の変動時には、遊技状態によらず第1変動パターン#1〜#3のいずれかを選択することとしたが、これに限るものではなく、遊技状態に応じて異なる変動パターンを選択するようなものであってもよい。例えば、特殊状態においては、通常状態において選択可能な第1変動パターンの有する変動時間よりも長い変動時間を有する第1変動パターンを選択しやすいこととしてもよい。また、特殊状態においては、第2変動パターンの有する変動時間よりも長い変動時間を有する第1変動パターンを選択し可能としてもよい。そうすることにより、特殊状態において、第2特別図柄の変動時の方が第1特別図柄の変動時よりも時間あたりの変動回数が多くなるため、特殊状態を通常状態よりもより有利な遊技状態とすることができる。
また、本実施の形態では、特殊状態の一時終了中において、1回の図柄変動をおこなうとともに特殊状態へ復帰する構成としたが、これに限るものではない。例えば、特殊状態の一時終了中の1回の図柄変動が第1特別図柄の変動だった場合、特殊回数カウンタの値が「0」であっても特殊状態が終了したことにはならない。そのため、特殊状態の一時終了中において、第2特別図柄の長い変動(例えば、60秒の変動)を1回おこなうことによって特殊状態に復帰するような構成としてもよい。
具体的に、例えば、ステップS2005〜S2008の処理を第1特別図柄停止処理においてはおこなわず、第2特別図柄停止処理においてのみおこなう構成とすることにより、特殊回数カウンタの値が第2特別図柄の変動にのみ依存するため、特殊状態を、第2特別図柄の変動によって進展する遊技状態とすることができる。これにより、第1特別図柄の変動がおこなわれても特殊状態の一時終了中から特殊状態へ復帰することがなくなる。したがって、確実に第2特別図柄を特殊状態の一時終了中に変動させることができる。
また、例えば、特殊回数カウンタが「0」になるとともに、第2特別図柄を特殊状態の一時終了中にて変動させていないことを示す第2特図未変動フラグをONにする。そして、第2特図未変動フラグがOFFでないと、特殊状態への復帰(すなわち、ステップS2008)をおこなわないような構成としてもよい。その場合、特殊状態の一時終了中に第2特別図柄の変動をおこなうことを契機に第2特図未変動フラグをOFFにするよう構成する。このような構成とすることにより、確実に第2特別図柄を特殊状態の一時終了中に変動させることができる。
また、特殊状態の一時終了中に制御する残余変動回数を示すカウンタを設け、特殊状態を一旦終了するとともに該カウンタに所定の値を設定し、第2特別図柄の変動をおこなう度にカウンタを1ずつ減算していき(第1特別図柄の変動では減算しない)、該カウンタの値が0であるときに特殊状態へ復帰することとしてもよい。このような構成とすることにより、確実に第2特別図柄を特殊状態の一時終了中に変動させることができる。
また、例えば、本実施の形態のステップS2008を、第1特別図柄停止処理においてはおこなわず、第2特別図柄停止処理においてのみおこなう構成とすることとしてもよい。このような構成とすることにより、確実に第2特別図柄を特殊状態の一時終了中に変動させることができる。これらのような構成とすることにより、特殊状態を確実に一旦終了させることができる。
また、特殊状態の一時終了中において複数回の図柄変動をおこなわせるよう設定する場合、その全ての変動が第1特別図柄の変動では、特殊回数カウンタの値が「0」であっても特殊状態が終了したことにはならない。そのため、上述した方法を用いることで、特殊回数カウンタの値が「0」の状態で必ず第2特別図柄の変動を行わせることにより、特殊状態を確実に一旦終了させるような構成としてもよい。
なお、特殊状態の一時終了中の第2特別図柄の変動パターンとして、短い変動時間と長い変動時間の変動パターンが設けられている場合、長い変動時間の変動パターンの変動がおこなわれるまでは特殊状態に復帰しないようなものであってもよい。具体的には、例えば、特殊回数カウンタが「0」になるとともに第2特図未変動フラグをONにし、第2特図未変動フラグがOFFでないと特殊状態への復帰をおこなわないような構成としてもよい。その場合、長い変動時間を有する変動パターンを用いた第2特別図柄の変動をおこなうことで第2特図未変動フラグをOFFにするような構成とする。
また、本実施の形態では、特殊状態中において、第2特別図柄で小当りBが発生する変動中(例えば、示唆演出中)に第1特別図柄の確変大当りAまたはCが発生した場合、小当りBが発生する変動を中断し、第1特別図柄の確変大当りAまたはCをおこない、小当りBの変動を再開して小当りBをおこなう。この場合、せっかく確変大当りAまたはCが発生して新たに特殊状態に制御するにも関わらず、すぐに特殊状態が終了してしまうこととなり、遊技者を落胆させてしまうこととなる。そこで、このような場合には、特殊状態を継続させるような構成としてもよい。具体的には、例えば、第2特別図柄の小当りBが発生する変動中に第1特別図柄の確変大当りAまたはCが発生した場合には、第2特別図柄の変動を中止にすることで、特殊状態を終了させないような構成としてもよい。また、例えば、第2特別図柄の小当りBが発生する変動中に第1特別図柄の確変大当りAまたはCが発生した場合には第2特別図柄の変動を中断し、再開後の変動で発生する小当りを小当りBから小当りCに変更することにより、特殊状態を継続させるものとしてもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部的な制御として小当りCが発生したものとすれば、変動演出は小当りBに対応する変動演出(例えば、味方キャラクタが敗北する示唆演出)をおこなった上で特殊状態を終了させないものであってもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部的な制御として小当りCが発生したものとし、それに伴って演出制御用マイクロコンピュータ100でも小当りCが発生するものとして、味方キャラクタが敗北する示唆演出から勝利する示唆演出にプロセスデータを切り替えた上で特殊状態を終了させないものであってもよい。
また、昨今の遊技機には、遊技場における遊技状態の管理等を目的として、遊技状態に関する情報を外部のコンピュータ(例えば、ホールコンピュータ)へ出力するよう構成されたものがある。こういった遊技機においては、通常状態から特殊状態へ移行した際および特殊状態から通常状態へ移行した際に、それぞれの遊技状態へ移行した旨を示す信号を外部のコンピュータへ出力するものであるが、これだけに限らず、特殊状態を一旦終了した際に特殊状態を終了した旨を示す信号を外部のコンピュータへ出力し、特殊状態に復帰した際に特殊状態に制御する旨を示す信号を外部のコンピュータへ出力するものであってもよい。
また、本実施の形態では、特殊状態に制御する特定期間として、特別図柄の変動回数を基準とした期間を設けるものとしたが、これに限るものではない。例えば、特定の図柄が導出表示された回数を基準とした期間を、特殊状態に制御する特定期間として設けるものであってもよい。以下、小当りの発生回数を基準とした期間を特殊状態に制御する特定期間として設けた一例について、上述した本実施の形態と異なる点について説明する。特殊状態移行時の大当り種別が確変大当りAであれば100回、確変大当りCであれば300回の小当りが発生するまで特殊状態を継続するものとする。また、確変大当りBまたは小当りBの発生時には、特殊状態が終了するものとする。
図34は、本実施の形態の変形例における第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。図20と共通している処理に関しては、詳細な説明を省略する。また、本変形例では、特殊回数カウンタは特殊状態を終了するまでの小当りの残余回数を示しており、特殊状態に移行する種別の大当りが発生するとともに大当り種別に応じた値(例えば、確変大当りAであれば100、確変大当りCであれば300)がセットされる。
ステップS2006において特殊回数カウンタの値が「0」でない場合、第1特別図柄の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップS3400)。小当りでない場合、ステップS2014へ移行する。小当りである場合、特殊回数カウンタの値から1減算し(ステップS2007)、ステップS2014へ移行する。これにより、小当りが発生するたびに特殊回数カウンタが1ずつ減算され、「0」になったときに、図25に示したように終了中変動パターンテーブルを用いて変動パターンが選択される。従って、特殊状態で小当りを規定回数おこなうことにより特殊状態が終了し、特殊状態より小当りが発生しにくくなる。その後、再度ステップS2008にて特殊回数カウンタに300がセットされることにより特殊状態に復帰する。
以上説明したように、本実施の形態の変形例では、特殊状態にて小当り回数が所定回に達したときに一旦特殊状態を終了させ、所定期間経過後に改めて特殊状態へ復帰する構成とした。これにより、特殊状態の遊技が単調になることを防ぐことができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。