(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の下部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン36が設けられている。前記操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、該操作ボタン36を所定のタイミングで押下することによって演出内容を変更可能に構成される。操作ボタン36は、該ボタン36を押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU(サブ制御手段)65aに出力するよう構成される。また、操作ボタン36の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31a,31bを有する始動入賞装置(始動入賞手段)30および特別入賞口を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。そして、前記始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞(より具体的には後述する始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出)および特別入賞装置40の特別入賞口へのパチンコ球の入賞(より具体的には後述する特別入賞検出センサ44によるパチンコ球の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段、可変式の始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材(開閉手段)33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞しないよう構成されている(入賞確率0%)。
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34a,34bからの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU(メイン制御手段)60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、賞球の払い出し個数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口31aに対応した始動入賞検出センサ34aによるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31bに対応した始動入賞検出センサ34bによるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では1個)の賞球が払い出されるようになっている。すなわち、実施例では、前記第2始動入賞検出センサ34bによるパチンコ球の検出に伴って払出条件が成立した際には、該始動入賞検出センサ34bによるパチンコ球の検出数(すなわち1個)と同数となるようメイン制御CPU60aが賞球払い出し個数を1個に決定するよう設定されている。なお、図8には図示しないが、メイン制御CPU60aに払出制御基板が接続され、メイン制御CPU60aから払出制御基板に入力される制御信号に基づいて、該払出制御基板が球払出装置を制御することで、所定数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した入賞情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定および小当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示や小当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口31bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(特図表示器50A,50Bについて)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する特図表示器(表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示器50A,50Bは、前記第1始動入賞口31aへの入賞(第1始動入賞検出センサ34aの検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50Aと、第2始動入賞口31bへの入賞(第2始動入賞検出センサ34bの検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示器50Bとからなり、各特図表示器50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りまたは小当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示器50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての1種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示器50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示器50A,50Bの何れかに、当り表示(大当り表示および小当り表示)としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。ここで、小当り抽選(小当り判定)は、大当り抽選(大当り判定)に当選しなかった場合に行なわれるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示器50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に、この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に設けられている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「16回」および「4回」の2種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて規定ラウンド数が報知されるようになっている。
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、これらの遊技状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、小当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサ34aの検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として800ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ34bの検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示器50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示器50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技または小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技や小当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技や小当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(球通過ゲート47について)
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、通過球検出センサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31bを開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて3種類の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様、および左右のLEDが何れも点灯する発光態様により普図を示している。なお、実施例において、左右のLEDが点灯することにより示される普図を普図Aとし、説明の都合上、左側のLEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、右側のLEDだけが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器55に普図Aまたは普図Bが表示され、はずれの場合に普図Cが表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」という場合もある。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1399/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお,普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。なお、本実施例では、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせ遊技状態を、「確変状態」という場合もある。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間が3600msに設定され、変短状態において普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間が560msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1125/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、520msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では5800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。
また、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄A〜Eおよび図柄a,f〜h)である場合に、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄Iおよび図柄j)である場合に、所定回数(実施例では20回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では4ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)は、パチンコ球を連続的に発射する条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50Aに表示可能な大当り図柄としての特図1(実施例では100種類の特図1)は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Iの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄A〜E、図柄I)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な大当り図柄としての特図2(実施例では100種類の特図2)は、図柄a、図柄f、図柄g、図柄h、図柄jの5つのグループに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄a、図柄f〜h、図柄j)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。
ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに37種類、図柄Bに5種類、図柄Cに1種類、図柄Dに10種類、図柄Eに22種類、図柄Iに25種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに40種類、図柄fに10種類、図柄gに3種類、図柄hに22種類、図柄jに25が夫々振り分けられている。
(特別確変大当り遊技)
ここで、図柄A、図柄Bに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄a、図柄hに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技)が付与されるようになっている。特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記特別確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、規定ラウンド数が異なる複数(実施例では2種類)の特別確変大当り遊技が設定されている。具体的には、規定ラウンド数を「16回」とした第1の特別確変大当り遊技と、規定ラウンド数を「4回」とした第2の特別確変大当り遊技とが設定されており、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される図柄の種類に応じて、何れかの特別確変大当り遊技が付与されるようになっている。なお、実施例では、図柄A、図柄Bに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄aに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第1の特別確変大当り遊技が付与され、図柄hに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第2の特別確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、各特別確変大当り遊技において、各ラウンド遊技の入賞上限個数(規定個数)は「9個」に設定されている。すなわち、各特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が異なることで1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数が異なることで、遊技者に与える価値(特典量)が異なる大当り遊技である。すなわち、実施例の特別確変大当り遊技は、第2の特別確変大当り遊技<第1の特別確変大当り遊技の順で、1回の大当り遊技において遊技者に与える価値(特典量)が高くなるよう設定されている。
各特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。また、特別確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄A、図柄a図柄hに分類される大当り図柄が決定された場合に、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄Bに分類される大当り図柄が決定された場合に、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(第1の特殊確変大当り遊技)
図柄Cに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
ジャンプアップ確変大当り遊技では、図3に示す如く、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では16回)開放させ、2ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(16回)の短時間開放動作を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(15ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放16回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放17回目の開閉扉43の開放時間が「24.36(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放17回目の間の16回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×16+24.36(秒)」からなる「57.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.06(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が夫々設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(突然確変大当り遊技)
図柄D、図柄Eに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、大当り遊技として突然確変大当り遊技が付与されるようになっている。実施例では、規定ラウンド数が「16回」に設定された突然確変大当り遊技(以下、16R突然確変大当り遊技という)と、規定ラウンド数が「4回」に設定された突然確変大当り遊技(以下、4R突然確変大当り遊技という)とが設定されており、図柄Dに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合に16R突然確変大当り遊技が付与され、図柄Eに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合に4R突然確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、何れの突然確変大当り遊技の場合にも、各ラウンド遊技の入賞上限個数は「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返す一方、4R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で4回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.06(秒)」が設定されている。また、16R突然確変大当り遊技のエンディング演出時間として「0.04(秒)」が設定され、4R突然確変大当り遊技のエンディング演出時間として「1.836(秒)」が設定さている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記ジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
また、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述したジャンプアップ確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技におけるラウンド遊技時間は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置の開閉扉43の開放時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が開放してから2ラウンド目で開閉扉43が閉鎖するまでのラウンド間インターバル時間(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバル時間(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が16回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、16R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。そして、図柄D、図柄Eに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(通常非確変大当り遊技)
図柄Iに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では20回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。なお、通常非確変大当り遊技におけるオープニング演出時間、エンディング演出時間およびラウンド間インターバル時間は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。そして、図柄Iに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(第2の特殊確変大当り遊技)
図柄fに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器51に表示された場合には、大当り遊技として第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
このステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成され、次の1回のラウンド遊技が短時間開放動作および長時間開放動作を開閉扉43に行わせる特殊ラウンド遊技で構成されると共に、該特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(7ラウンド分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記ステップアップ確変大当り遊技の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、後述する短縮大当り遊技(短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技)における9ラウンド目〜16ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(8回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉43に行わせた後は該特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定される。そして、図柄fに分類された大当り図柄としての特図2が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
ここで、ステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放8回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放9回目の開閉扉43の開放時間が「24.68(秒)」に設定されている。また、開放1回目〜開放8回目の開放後には、ラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×8+24.68(秒)」からなる「41.0(秒)」に設定されていることになる。
また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間(「16.32(秒)」)は、後述する短縮大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が夫々設定されている。また、ラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。従って、ステップアップ確変大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉43が8回目に閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作は、短縮大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっている。
(短縮確変大当り遊技、短縮非確変大当り遊技)
図柄gに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄jに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では20回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
この短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(8ラウンド分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉43に行わせる短時間ラウンド遊技で構成されている。
ここで、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。これにより、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間(「16.3(秒)」)は、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。そして、図柄fに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄jに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、発生した小当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作した後に、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるよう設定されている。ここで、小当り遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能か或いはパチンコ球が入賞不能な時間だけ特別入賞装置40の開閉扉43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。すなわち、前記小当り遊技は、短時間開放動作を含んだ開放動作を特別入賞装置40の開閉扉43に行なわせる当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り判定の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り判定の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態が付与されることはない。また、小当り判定の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態が付与されることはない。
また、実施例のパチンコ機では、図3に示すように、小当り判定に当選した場合に、所定種類(実施例では2種類)の小当り遊技の中から1つの小当り遊技が決定され、その決定された小当り遊技が付与される。ここで、小当り遊技の内で何れの小当り遊技が付与されるかは、小当り判定に当選した際に決定される小当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例では、第1特図表示器50Aに表示可能な小当り図柄としての特図1(実施例では1種類の特図1)は、図柄Kに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄K)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な小当り図柄として特図2(実施例では1種類の特図2)は、図柄kに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄k)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、図柄Kに分類された小当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、小当り遊技として第1の小当り遊技が付与され、図柄kに分類された小当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、小当り遊技として第2の小当り遊技が付与されるようになっている。実施例における第1および第2の小当り遊技は、1回の開放時間が「1.0(秒)」に設定された開放動作を特別入賞装置40の開閉扉43に1回行わせるよう設定されている。なお、複数種類の小当り遊技における開閉扉43の開閉態様(開放回数や開放時間)を異ならせることも可能である。また、第1の小当り遊技では、エンディング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、第2の小当り遊技では、エンディング演出時間として「0.668(秒)」が設定されている。すなわち、第2の小当り遊技では第1の小当り遊技に比べて短時間で終了し、スピード感のある遊技が進行するようになっている。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当り遊技の発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では20回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(非確変・非変短状態)に対応する通常モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(確変・変短状態)に対応した確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)に対応した潜伏モードとが設定されている。また、実施例のパチンコ機10には、確変状態において小当り判定の判定が肯定となったことをモード移行条件とする特殊モードが設定されている。なお、遊技演出モードの種類としては、これらに限定されるものではなく、その他の遊技演出モードを設定することもでき、例えば確変状態を付与しないことが決定されると共に変短状態を付与することが決定された遊技状態(非確変・変短状態)に対応した時短モードを設けることも可能である。また、各遊技演出モード(通常モード、確変モードおよび潜伏モード)の夫々において図柄表示装置17に表示される遊技状態示唆画像は1種類である必要はなく、これらの遊技演出モード毎に複数種類の遊技状態示唆画像を設定することができる。なお、本実施例における潜伏モードTA,TBは、内部的に確変状態および変短状態が付与された遊技状態または変短状態のみが付与された遊技状態の何れかの状態となっている。
そして、図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、遊技演出モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容(後述する変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50A,50Bの表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33,33や開閉扉43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉扉43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する判定用乱数(入賞情報)としては、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34a,34bの検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定および小当り判定)で用いる乱数である。実施例では、当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「101」の全102通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りの当選を示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。同様に、前記小当り図柄としての特図1および特図2は、小当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される小当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定または小当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当りおよび小当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機では、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1399個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では164個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示器50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した102種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「101」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、前記当り判定用乱数を用いて小当りか否かの判定(小当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(実施例では「0」〜「65535」までの全65536通りの整数)の中から所定数(実施例では9個)の判定値が定められている。すなわち、当り判定用乱数は、大当り判定および小当り判定において使用される乱数である。なお、当り判定用乱数として、大当り判定用の大当り判定用乱数と、小当り判定用の小当り判定用乱数とを個別に設定することも可能である。ここで、小当り判定値は、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたか、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたかに応じて判定値の設定数が異なっている。具体的には、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では250個)は、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では450個)よりも少なく設定されている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機とした場合よりも、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機とした場合の方に、小当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および当該時点で変短状態が付与されているか否かに応じても、判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ非変短状態の場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態の場合に1個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態の場合に2個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
そして、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態の場合に5個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態の場合に1個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ非変短状態の場合に演出実行判定値が0個に設定される。なお、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の変動パターンが記憶されており、各変動パターンに対応して変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。変動パターン振分判定値は、前記変動パターン振分用乱数を用いて変動パターンの決定に用いる判定値であり、変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された変動パターン振分用乱数に対応する変動パターン振分判定値が割り当てられた変動パターンが特定されるようになっている。
メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、当り用の変動パターンと、はずれ用の変動パターンとに分類されており、遊技演出モードに応じて変動パターン毎に特定の変動パターン振分判定値が定められている。なお、当り用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合または小当り判定の結果が肯定の場合に決定可能な変動パターンである。また、はずれ用の変動パターンは、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に選択される当り変動パターンである。そして、はずれ用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとする演出実行判定の結果が肯定の場合に決定可能なはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとする演出実行判定の結果が否定の場合に決定可能なはずれ変動パターンとがある。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、当り表示(大当り表示や小当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU(サブ制御手段)70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞装置30への入賞を契機として当り(大当りまたは小当り)か否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。具体的に、実施例のメイン制御CPU60aは、始動入賞装置30への入賞を契機として大当り判定する大当り判定手段としての機能と、該大当り判定手段が否定判定の場合に小当り判定する小当り判定手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞装置30への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60aが記憶する複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置30への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に付与する遊技状態を、遊技者に有利な確変状態が付与された第1遊技状態および確変状態が付与されておらず第1遊技状態より有利でない第2遊技状態から決定する遊技状態決定手段としての機能を備えている。更に、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示器50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示器50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示器50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報第として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示器50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1399/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグを設定する。具体的には、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。このように、確変フラグおよび変短フラグにより遊技演出モードが特定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、450/65536に設定されている。そして、ステップB27における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB28)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB29)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の小当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB30)。
ステップB27の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB31)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB30の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB32)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB33)。なお、リーチ演出とは、同一飾図が2つ揃って残りの1つが変動中となる演出に限らず、特定の図柄変動が行われる状態を含むものである。
また、ステップB31での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB34)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
ここで、ステップB25,B30,B33,B35において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示器50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を読み込む。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を読み込んだ後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB36)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1399/65536に設定されている。そして、ステップB36における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB37)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB38)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグ(すなわち確変フラグ、変短フラグ)を設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
一方、ステップB36の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB41)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、250/65536に設定されている。そして、ステップB41における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB42)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB43)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1の小当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB44)。
また、ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB47)。
また、ステップB45での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB48)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB49)。
ここで、ステップB39,B44,B47,B49において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB40)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、遊技演出モード毎に分類されており、当該遊技演出モードにおいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定され、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が小当り図柄の場合には、小当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、次の図柄変動演出を実行する際に演出パターンを決定する基準となる遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、確変フラグおよび変短フラグの設定時期に関しては、前記タイミングに限らず、大当り遊技終了後の任意のタイミングに変更可能である。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の開始および終了に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。遊技演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、遊技演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された遊技演出モードに対応する背景画像を表示させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(電源基板100について)
前記パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板100が配設されている。この電源基板100には、図8に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ101およびメイン制御RAM60cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ102が設けられている。また電源基板100には、前記電源スイッチ101に接続し、該電源スイッチ101のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路103が設けられると共に、前記クリアスイッチ102に接続するクリアスイッチ回路104が設けられている。実施例では、クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路104からメイン制御基板60にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60がメイン制御RAM60cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ101、クリアスイッチ回路104およびクリアスイッチ102からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路104とクリアスイッチ102とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ102をON操作したときにクリアスイッチ回路104からメイン制御基板60にクリア信号を出力する構成を採用し得る。
図8に示す如く、前記電源基板100には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電子部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)105が設けられている。電源回路105には、各制御基板60,65,70が接続されており、該電源回路105は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70に対応する供給すベき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板60,65,70に供給するよう構成される。
前記電源基板100には、前記電源回路105に接続する前記電源断監視回路103が設けられ、該電源断監視回路103は、電源回路105に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路103は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電子部品(例えば、検出センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電子部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
前記電源基板100には、前記電源断監視回路103に接続するリセット信号回路106が設けられている。電源断監視回路103は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、統括制御基板65およびリセット信号回路106に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路106は、電力供給の開始時(電源投入時や復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、統括制御基板65および表示制御基板70に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、統括制御基板65および表示制御基板70の動作を規制するようになっている。
前記電源基板100には、コンデンサ等のバックアップ電源107が設けられ、パチンコ機10の主電源が切られて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ101のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路103からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源107は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報を後述するバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。
(大当り時のコマンドについて)
ここで、大当り遊技に際して実行されるコマンドの送受信処理について説明する。
大当り遊技じの処理においてメイン制御CPU60aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを統括制御CPU65aに出力する。次に、メイン制御CPU60aは、オープニング演出の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、メイン制御CPU60aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを統括制御CPU65aに出力するとともに、特別入賞口の開放および閉鎖を制御する。そして、メイン制御CPU60aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを統括制御CPU65aに出力する。その後、メイン制御CPU60aは、エンディング演出の終了によって大当り遊技を終了させる。
また、メイン制御CPU60aは、オープニングコマンドを出力した場合、オープニング演出中であることを示すオープニング情報を、最初のラウンド遊技が開始するまでの間、メイン制御RAM60c(常用記憶エリア)に記憶する。また、メイン制御CPU60aは、ラウンドコマンドを出力した場合、当該ラウンドコマンドに基づくラウンド遊技中であることと、当該ラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを特定可能なラウンド情報を、ラウンド遊技が終了するまでの間、メイン制御RAM30c(常用記憶エリア)に記憶する。更に、メイン制御CPU60aは、エンディングコマンドを出力した場合、エンディング演出中であることを示すエンディング情報を、大当り遊技が終了するまでの間、メイン制御RAM60c(常用記憶エリア)に記憶する。すなわち、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM30c(常用記憶エリア)にオープニング情報、ラウンド情報およびエンディング情報のうち何れかが記憶されている場合には、大当り遊技中であることを認識し得ることができるようになっている。
次に、メイン制御CPU60aから出力された各コマンドの入力に基づくき統括制御基板60の統括制御CPU65aが、実行する遊技にかかる各種処理について説明する。
統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aからの遊技に係るる制御コマンドが入力されると、当該に入力コマンドに対応する遊技に係るる制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、終了コマンドが入力されると、当該終了コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンドやエンディングコマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御CPU70aに出力する。
また、統括制御CPU65aは、オープニングコマンドが入力された場合、オープニング演出中であることを示す統括オープニング情報を、ラウンドコマンドを入力するまでの間、統括制御RAM65c(常用記憶エリア)に記憶する。また、統括制御CPU65aは、ラウンドコマンドを入力した場合、当該ラウンドコマンドに基づくラウンド遊技中であることと、当該ラウンド遊技が何回目のラウンド遊技であるかを特定可能な統括ラウンド情報を、ラウンド遊技が終了するまでの間、統括制御RAM65c(常用記憶エリア)に記憶する。更に、統括制御CPU65aは、エンディングコマンドを入力した場合、エンディング演出中であることを示す統括エンディング情報を、大当り遊技が終了するまでの間、統括制御RAM65c(常用記憶エリア)に記憶する。すなわち、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに統括オープニング情報、統括ラウンド情報及び統括エンディング情報のうち何れかが記憶されている場合には、大当り遊技中であることを認識することができるようになっている。
(メイン制御基板60の復電処理に関する構成について)
前記メイン制御RAM60cには、大当り遊技終了後から実行が終了した図柄変動演出(特図変動表示)の回数が予め決められた変短回数(本実施例では、20回)に達するまでの回数をカウントする作動リミッタが記憶されている。また、前記メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、メインバックアップエリアが設けられている。このメインバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。本実施例では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグや変短フラグ)等の遊技状態を特定可能な各種情報が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報がメインバックアップエリアに記憶されるようになっている。
メインバックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(後述する電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該メインバックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアへの記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
また、メイン制御CPU60aには、電源基板100のバックアップ電源107が接続されている。そして、メイン制御CPU60aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源107から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、メイン制御RAM60cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報をメインバックアップエリアに記憶し、電源回路105からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、保留数等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。
(統括制御基板65の復電処理に関する構成について)
前記統括制御RAM65cには、大当り遊技終了後から実行が終了した図柄変動演出(特図変動表示)の回数が予め決められた変短回数(本実施例では、20回)に達するまでの回数をカウントする作動リミッタが記憶されている。更に、統括制御RAM65cには、実行させる演出モードを管理するための演出モード情報が記憶されている。
前記統括制御RAM65cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、統括バックアップエリアが設けられている。この統括バックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。本実施例では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグや変短フラグ)等の遊技状態を特定可能な各種情報が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報が統括バックアップエリアに記憶されるようになっている。
前記統括制御CPU65aには、電源基板100のバックアップ電源107が接続されている。そして、統括制御CPU65aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源107から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、統括制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報を統括バックアップエリアに記憶し、電源回路105からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、保留数等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。
前記統括バックアップエリアには、前記電源回路105からの電力供給が遮断されるときの図柄表示手段17での表示状態を特定する演出情報(現在演出情報)を記憶する第1バックアップエリアと、後述する演出バックアップ条件が成立したときに図柄表示手段17で表示される表示状態を特定する演出情報(最終当り演出情報)を記憶する第2バックアップエリア(図15参照)とが設けられ、両バックアップエリアに記憶された演出情報は、何れも電力供給の遮断後も保持し得るようになっている。また、統括バックアップエリアには、当りの種類が特定の種類(本実施例では小当り)の場合に、後述する特殊遊技演出モードMQを特定する演出情報(特殊演出情報)を記憶する第3バックアップエリアが設けられ、該第3バックアップエリアに記憶された演出情報は電力供給の遮断後も保持し得るようになっている。前記第1バックアップエリアには、後述する当り表示演出情報決定手段で決定した特定演出情報(本実施例では特定の飾図)および普通演出情報(本実施例では特定の飾図以外の飾図)を記憶するよう設定されて、該演出情報を電力供給の遮断後も保持するようになっている。本実施例では、統括制御RAM65cが、第1の演出情報バックアップ手段(演出情報バックアップ手段)、第2の演出情報バックアップ手段、特殊演出情報バックアップ手段、当り表示演出情報バックアップ手段として機能する。
前記統括バックアップエリアへの各種情報の記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(後述する電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該統括バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアに記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
本実施例のパチンコ機10では、動作状態において、確変状態や変短状態等の遊技状態に係る情報は、メイン制御RAM60cおよび統括制御RAM65cにて記憶管理されている。また、パチンコ機10の動作状態において、変短状態であるときに残りの変短回数の情報も、メイン制御RAM60cおよび統括制御RAM65cにて記憶管理されている。また、パチンコ機10の動作状態において、実行が保留されている図柄変動演出の数(保留記憶数)も、メイン制御RAM60cおよび統括制御RAM65cにて記憶管理されている。一方で、連荘回数、遊技演出モード(背景画像)、表示演出の演出内容に係る情報は、パチンコ機10のの動作状態において、統括制御RAM65cや表示制御RAM70cで記憶管理される。そして、パチンコ機10の動作状態において各制御RAM60c,65cで記憶管理されている各種情報は、電力供給の遮断時の電源断処理において対応するバックアップエリアに記憶されるようになっている。
本実施例において、統括制御CPU65aに対して各種の制御コマンド(制御信号)を出力するメイン制御CPU60aが送信手段として機能し、メイン制御CPU60aが出力した制御コマンドを、直接的に入力(受信)する統括制御CPU65aが受信手段として機能する。
統括制御CPU65aは、大当り遊技の連続回数(連荘回数)をカウントする。一般に、「連荘状態」と呼ばれるものとは、遊技者にとって有利に図柄変動演出を行うことのできる状態(変短状態)が継続している状態である。そして、この連荘状態において付与された大当り遊技の回数は、「連荘回数」とも称される。
統括制御CPU65aは、統括変短フラグに「0」が設定されているときに大当り遊技の付与が開始された際に、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数に「1」を設定し、連荘回数の値を書き換える。そして、統括制御CPU65aは、統括変短フラグに「1」が設定されているときに大当り遊技の付与が開始された際に、連荘回数に1加算し、連荘回数の値を書き換える。また、統括制御CPU65aは、統括変短リミッタの値が「0」になったことを契機に統括変短フラグに「0」を設定したとき、すなわち連荘状態が終了したとき、連荘回数に「0」を設定し、連荘回数の値を書き換える。なお、統括制御CPU65aは、連荘回数の値を書き換えた場合、当該連荘回数の値を指定する連荘回数指定コマンドを表示制御CPU70aに出力する。
(電源断処理について)
次に、電力供給が遮断された際に、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが実行する電源断処理について説明する。
メイン制御CPU60aは、電源断監視回路103からの電源断信号が入力されると、メイン制御RAM60cに記憶された制御プログラムのうちのメイン制御用電源断処理プログラムに基づき、メイン制御用電源断処理を実行する。また、統括制御CPU65aは、電源断監視回路103からの電源断信号が入力されると、統括制御RAM65cに記憶された制御プログラムのうちの統括制御用電源断処理プログラムに基づき、統括制御用電源断処理を実行する。
前記電源断監視回路103は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aおよびリセット信号回路106に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが夫々電源断処理を実行する。
(主制御用電源断処理について)
主制御用電源断処理では、電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60cに電力が供給されるもとで、図9(a)に示す如く、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cの常用記憶エリアに記憶保持されている確変フラグや変短フラグ等に設定されている値等の各種制御情報を、メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアに記憶保持させる(ステップD11)。その後、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cのチェックサムを算出して、メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアに記憶保持させる(ステップD12)。
次に、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路106からのリセット信号の入力を待機する。そして、メイン制御CPU60aは、リセット信号が入力されると、メイン制御CPU60aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によってメインバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
(統括御用電源断処理について)
統括制御用電源断処理では、電源基板100のバックアップ電源107から統括制CPU65aに電力が供給されるもとで、図9(b)に示す如く、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶保持されている統括確変フラグに設定されている値や遊技演出モードを特定する演出情報等の各種制御情報を統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持させる(ステップE11)。その後、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cのチェックサムを算出して、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持させる(ステップE12)。
次に、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路106からのリセット信号の入力を待機する。そして、統括制御CPU65aは、リセット信号が入力されると、統括制御CPU65aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によって統括バックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
(電源投入時の処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路106は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、統括制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対してリセット信号を継続出力する。このとき、メイン制御CPU60aに対するリセット信号の継続出力時間は、統括制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対するリセット信号の継続出力時間より長く設定される。
(メイン制御用電源投入処理について)
メイン制御CPU60aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、メイン制御ROM60bに記憶されているメイン制御用電源投入処理プログラムに基づき、メイン制御用電源投入処理を実行する。このメイン制御用電源投入処理では、図10(a)に示す如く、メイン制御CPU60aは、前記クリアスイッチ102が操作されているか否かを判定する(ステップF11)。ステップF11が肯定の場合、メイン制御CPU60aは、ステップF13に移行し、メイン制御RAM60cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。また、ステップF11が否定の場合、メイン制御CPU60aは、メイン制御用復帰処理を行う(ステップF12)。
図10(b)に示す如く、メイン制御用復帰処理においてメイン制御CPU60aは、ステップG11において、メイン制御用電源断処理と同じ演算処理で、メイン制御RAM60cに記憶保持されている各種制御情報に基づきチェックサムを算出する。そして、メイン制御CPU60aは、ステップG11で算出したチェックサムと、メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアに記憶保持されているチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップG12)。ステップG12の判定結果が否定の場合は、バックアップされている各種制御情報に異常があると判断し、メイン制御CPU60aは、図10(a)のステップF13の処理に移行する。
なお、ステップG12の判定結果が否定となる要因としては、電力供給の遮断時にメイン制御用電源断処理が正常に行われなかった場合や、メイン制御用電源断処理後にノイズ等によって記憶内容に異常が発生した場合等がある。このような場合は、ステップG11にて算出されるチェックサムが異常(異常値)を示すことになる。
一方、ステップG12が肯定の場合、すなわちバックアップされていた各種制御情報が正しい場合、メイン制御CPU60aは、記憶保持されている各種制御情報に基づきパチンコ機10を起動させる(ステップG13)。また、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶管理される制御情報を指定する復電制御コマンドを統括制御CPU65aに出力する(ステップG14)。そして、メイン制御CPU60aは、メイン制御用復帰処理を終了し、メイン制御用電源投入処理を終了すると共に、電力供給の遮断前の状態に復帰させる。
(統括制御用電源投入処理について)
統括制御CPU65aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、統括制御ROM65bに記憶されている統括制御用電源投入処理プログラムに基づき、統括制御用電源投入処理を実行する。この統括制御用電源投入処理では、図11(a)に示す如く、統括制御CPU65aは、前記クリアスイッチ102が操作されているか否かを判定する(ステップH11)。ステップH11が肯定の場合、統括制御CPU65aは、ステップH13に移行し、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。また、ステップH11が否定の場合、統括制御CPU65aは、統括制御用復帰処理を行う(ステップH12)。
図11(b)に示す如く、統括制御用復帰処理において統括制御CPU65aは、ステップI11において、統括制御用電源断処理と同じ演算処理で、統括制御RAM65cに記憶保持されている各種制御情報に基づきチェックサムを算出する。そして、統括制御CPU65aは、ステップI11で算出したチェックサムと、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されているチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップI12)。ステップI12の判定結果が否定の場合は、バックアップされている各種制御情報に異常があると判断し、統括制御CPU65aは、図11(a)のステップH13の処理に移行する。
なお、ステップI12の判定結果が否定となる要因としては、前述したと同様に、電力供給の遮断時に統括制御用電源断処理が正常に行われなかった場合や、統括制御用電源断処理後にノイズ等によって記憶内容に異常が発生した場合等がある。このような場合は、ステップI11にて算出されるチェックサムが異常(異常値)を示すことになる。
一方、ステップI12が肯定の場合、すなわちバックアップされていた各種制御情報が正しい場合、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力した復帰制御コマンドが入力されるまで待機し、復帰制御コマンドが入力されると、当該復帰制御コマンドから特定可能な制御情報と統括制御RAM65cに記憶保持されている制御情報とが一致するか否かを判定する(ステップI13)。すなわち、統括制御CPU65aは、ステップI13において、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持している制御情報と、メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアに記憶保持している制御情報とが正しいか否かを判定する。
具体的には、ステップI13において統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cの確変フラグに設定されている値を特定可能な復帰制御コマンドから特定可能な値と、当該統括制御RAM65cの統括確変フラグに設定されている値が一致するか否かを判定する。その他にも、統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cの変短フラグに設定されている値を特定可能な復帰制御コマンドから特定可能な値と、当該統括制御RAM65cの統括変短フラグに設定されている値が一致するか否かを判定する。また、統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cにオープニング情報が記憶されていることを特定可能な復帰制御コマンドが入力された場合は、統括制御RAM65cに統括オープニング情報が記憶されているか否かを判定する。同様に、統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cにラウンド情報が記憶されていることを特定可能な復帰制御コマンドが入力された場合は、統括制御RAM65cに統括ラウンド情報が記憶されているか否かを判定する。また、統括制御CPU65aは、メイン制御RAM60cにエンディング情報が記憶されていることを特定可能な復帰制御コマンドが入力された場合は、統括制御RAM65cに統括エンディング情報が記憶されているか否かを判定する。その他にも、統括制御CPU65aは、作動リミッタに設定されている値を特定可能な復帰制御コマンドが入力された場合には、当該コマンドから特定可能な値と統括作動リミッタに設定されている値とが一致するか否かを判定する。なお、ステップI13において、情報を初期化する初期情報制御コマンドが統括制御CPU65aに入力された場合は、該統括制御CPU65aは、ステップI13の判定結果を否定とする。そして、ステップI13の判定結果が否定の場合、すなわち統括制御RAM65cにて記憶保持されている制御情報とメイン制御RAM60cにて記憶保持されている制御情報が一致しない場合、統括制御CPU65aは、図11(a)に示すステップH13へ移行し、統括制御RAM65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。
前記ステップI13において行われる制御情報の正否判定について、例を挙げて具体的に説明すると、メイン制御CPU60aのメイン制御RAM60cに記憶保持されている制御情報が、確変状態および変短状態であることを特定する場合に、第1復帰制御コマンド(E401H)が出力され、変短状態のみが付与されて確変状態が付与されていない状態を特定する場合に、第2復帰制御コマンド(C204H)が出力され、確変状態および変短状態が何れも付与されていない状態であることを特定する場合に、第3復帰制御コマンド(C203H)が出力される。そして、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから出力された復帰制御コマンドと、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されている制御情報(後述する現在演出情報)とが一致するか否かを判定する。
ステップI13の判定結果が肯定の場合、すなわちバックアップされていた各種制御情報が正しい場合に統括制御CPU65aは、記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時の遊技状態でパチンコ機10を起動させる(ステップH14)。本実施例において、前記統括制御用復電処理が、電源手段からの電力供給が遮断した後の復電時において、復電条件に応じて第1の演出情報バックアップ手段または第2の演出情報バックアップ手段に保持されている演出情報で復電処理することに相当する。本実施例では、復電時には、電源回路105からの電力供給が遮断されるときに滞在していた遊技演出モード(後述)において図柄表示手段17の表示状態を特定する演出情報である現在演出情報と、電力供給が遮断される前の直近の大当り遊技の状態における図柄表示手段17の表示状態を特定する演出情報である最終当り演出情報とが統括バックアップエリアに記憶保持されている。そして、復電処理に際して、本実施例では、前記メイン制御CPU60aから出力された復帰制御コマンドから特定される制御情報と、統括制御RAM65cに記憶されている現在演出情報とが一致している場合には、該現在演出情報に基づいて復電処理を行い、復帰制御コマンドで特定される制御情報と現在演出情報とが不一致の場合には現在演出情報をクリアし、予め設定されているデフォルトの演出情報に基づいて復電処理を行うという復電条件が設定されている。すなわち、復電時には記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時の遊技演出モードに復帰させ得るようになっている。
その後、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する統括用復帰制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する(ステップI15)。具体的には、ステップI15において統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている保留個数に基づく保留個数指定コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに演出モード情報として記憶されている情報から特定可能な演出モードの実行を指示する制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数を特定可能な制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている演出内容情報を特定可能な制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに統括オープニング情報が記憶されている場合、オープニング演出の実行を指示する制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。同様に、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに統括ラウンド情報が記憶されている場合、ラウンド演出の実行を指示する制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。また、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに統括エンディング情報が記憶されている場合、エンディング演出の実行を指示する制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。
そして、統括用復帰制御コマンドを出力した統括制御CPU65aは、統括制御用復帰処理を終了して、統括制御用電源投入処理を終了すると共に、電力供給の遮断前の状態に復帰させる。
また、ステップH11が肯定でステップH13に移行した場合は、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。
その後、統括制御CPU65aは、復帰制御コマンドまたは初期情報制御コマンドが入力されていない場合、初期情報制御コマンドが入力されるまで待機する。そして、復帰制御コマンドまたは初期情報制御コマンドが統括制御CPU65aに入力された後、該統括制御CPU65aは、各種設定を行い、パチンコ機10を起動させる(ステップH14)。
具体的には、統括制御CPU65aは、復帰制御コマンドが入力されている場合、当該復帰制御コマンドから特定可能な情報の設定を行い、当該情報に基づきパチンコ機10を起動させる。例えば、確変フラグに「0」が設定されていることを特定可能な制御コマンドが入力された場合、統括制御CPU65aは、統括確変フラグに「0」を設定する。更に、変短フラグに「1」が設定されていることを特定可能な制御コマンドが入力された場合、統括制御CPU65aは、統括変短フラグに「1」を設定する。また、統括変短フラグに「1」を設定した場合、統括制御CPU65aは、作動リミッタに設定されている値を特定可能な制御コマンドに基づき、同値を統括作動リミッタに設定する。また、統括制御CPU65aは、保留記憶数を特定可能な制御コマンドに基づき、同値を保留個数として記憶(設定)する。
また、統括制御CPU65aは、統括確変フラグと統括変短フラグに設定した値に基づき、演出モード情報を記憶する。例えば、統括制御CPU65aは、統括確変フラグに「0」を設定すると共に統括変短フラグに「0」を設定した場合、通常モード情報を統括制御RAM65cに記憶する。その他、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに独自に記憶管理している情報のうち演出モード情報以外の情報は、初期情報に基づく情報を設定する。例えば、統括制御CPU65aは、滞在回数として予め初期情報として決められた値「0」を記憶する。同様に、統括制御CPU65aは、連荘回数として予め初期情報として決められた値「0」を記憶する。
一方、統括制御CPU65aは、初期情報制御コマンドが入力されている場合、統括制御ROM65bに記憶されている初期情報に基づき各種制御情報の設定を行い、パチンコ機10を起動させる。この初期情報制御コマンドを入力している場合にステップH14にて行われる処理が、初期化処理に相当する。
そして、統括制御CPU65aは、パチンコ機10を起動させたことを示す各種制御コマンドを表示制御CPU70aに出力し(ステップH15)、統括制御用電源投入処理を終了する。なお、ステップH15において統括制御CPU65aは、復帰制御コマンドが入力されてパチンコ機10を起動させた場合には、ステップI15と同様の処理にて、統括制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する統括用復帰制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。一方、統括制御CPU65aは、初期情報制御コマンドが入力されてパチンコ機10を起動させた場合には、当該初期情報制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。すなわち、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている演出情報に基づいて復電処理を実行する復電手段としての機能を有する。
次に、パチンコ機10へ電源投入された際に、表示制御CPU70aが実行する処理について説明する。表示制御CPU70aは、統括制御CPU65aが出力する制御コマンドに基づき、表示制御RAM70cに各種制御情報を記憶する。そして、表示制御CPU70aは、統括制御CPU65aからの制御コマンドが入力されると、表示制御RAM65cに各種制御情報を記憶するまでの間、パチンコ機10が起動中である旨を報知する内容の画像を表示するように図柄表示装置17の表示内容を制御する。
そして、表示制御CPU70aは、統括制御CPU65aからの制御コマンドが入力されると、当該制御コマンドに基づき各種制御情報を表示制御RAM70cに記憶する。具体的には、表示制御CPU70aは、復帰制御コマンドまたは統括制御用復帰制御コマンドが入力された場合、当該コマンドから特定可能な情報に応じた制御情報を表示制御RAM70cに記憶する。また、表示制御CPU70aは、初期情報制御コマンドが入力された場合、表示制御ROM70bに記憶されている初期情報に応じた制御情報を表示制御RAM70cに記憶する。そして、表示制御CPU70aは、表示制御RAM70cに記憶された制御情報に基づき、各種表示演出(例えば、背景画像)を実行するように図柄表示装置17の表示内容を制御する。
(通常モードでのモード移行について)
本実施例のパチンコ機10では、前記確変状態および変短状態の何れも付与されていない通常状態で設定される通常モード(通常遊技演出モード)NMにおいて、図柄表示装置17に背景画像が表示された状態で前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機として、変動パターン指定コマンドおよび演出パターン指定コマンドに応じて設定された演出内容の画像を変動表示するよう構成される。本実施例では、図12に示す如く、電源投入時のデフォルトとなる基本背景画像が図柄表示装置17に表示された状態で図柄変動演出が行なわれる基本通常演出モードNAと、該基本通常演出モードNAから所定のモード移行条件が成立した際に移行可能で、図柄変動演出の内容が異なる複数の通常演出種類モード(遊技演出モード)NB,NC,NDとが設定されている。この通常モードNMでのモード移行条件としては、例えば、「先読み」や「小当り」が設定される。本実施例では、通常演出種類モードとして、演出の種類が異なる3つ(2つあるいは4つ以上であってもよい)の通常演出種類モードNB,NC,NDが設定されており、各通常演出種類モードNB,NC,ND毎に、図柄変動演出の具体的内容を特定する複数の通常用演出パターン(図柄変動演出パターン)が設定されている。これら通常演出種類モードNB,NC,NDおよび通常用演出パターンは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
本実施例では、前記メイン制御CPU60aが先読みを行なうと決定したことを条件として移行可能な第1通常演出種類モードNBおよび第2通常演出種類モードNCと、メイン制御CPU60aの小当り判定で肯定(小当りに当選)したことを条件として移行可能な第3通常演出種類モードNDが設定されている。そして、先読み用の第1および第2通常演出種類モードNB,NCにおいて、先読みを行なうと決定された当該の図柄変動演出が終了したこと(モード移行条件の成立)を契機として、基本通常演出モードNAに戻るよう設定される。また、小当り用の第3通常演出種類モードNDにおいて、当り遊技後において図柄変動演出が予め設定された回数だけ実行された条件、または前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機に実行されたモード終了抽選に当選した条件等、モード移行条件が成立した際に、基本通常演出モードNAに戻るよう設定される。また、第1通常演出種類モードNBでは、小当りを契機として第3通常演出種類モードNDに移行可能に設定されると共に、当該第1通常演出種類モードNBにおいてメイン制御CPU60aが先読みを行なうと決定したことを契機として第2通常演出種類モードNCに移行可能に設定されている。更に、第3通常演出種類モードNDでは、メイン制御CPU60aが先読みを行なうと決定したことを契機として第1または2通常演出種類モードNB,NCに移行可能に設定されている。
すなわち、本実施例では、基本通常演出モードNAにおいて前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機としてメイン制御CPU60aの小当り判定が肯定の場合に、統括制御CPU65aが第3通常演出モードNDを決定し、該決定された第3通常演出モードNDを特定する演出情報を統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。そして、統括制御RAM65cは、小当り遊技の終了後に、決定した第3通常演出モードNDに移行するよう構成される。同様に、第1通常演出モードNBにおいて第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機としてメイン制御CPU60aの小当り判定が肯定の場合に、統括制御CPU65aが第3通常演出モードNDを決定し、該決定された第3通常演出モードNDを特定する演出情報を統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。そして、統括制御RAM65cは、小当り遊技の終了後に、決定した第3通常演出モードNDに移行するよう構成される。本実施例では、基本通常演出モードNAおよび第1通常演出モードNBにおいて小当り当選というモード移行条件が成立した際に共通の第3通常演出モードNDに移行するよう構成されており、該第3通常演出モードNDが普通遊技演出モードまたは共通遊技演出モードに相当する。
また、第3通常演出モードNDにおいて、図柄変動演出が予め設定された回数だけ実行された条件、または第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機に実行されたモード終了抽選に当選した条件等、モード移行条件が成立した際に、統括制御CPU65aが基本通常演出モードNAを決定し、統括制御CPU65aが決定した基本通常演出モードNAに移行するよう構成されており、この構成が、共通遊技演出モードにおいてモード復帰条件が成立したときには遊技演出モード決定手段が決定した遊技演出モードに復帰する構成に相当する。すなわち、図柄変動演出(特図変動表示)の回数やモード終了抽選の当選が、モード復帰条件として設定されている。なお、遊技中のパチンコ機10において、現在滞在している各演出モードNA,NB,NC,NDを特定する演出情報(背景画像の情報や演出内容を含んで演出モードを復元可能な情報)を、現在演出情報として前記統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。
(演出種類選択用演出について)
本実施例のパチンコ機10では、通常モードNM(基本通常演出種類モードNA、第1〜第3通常演出種類モードNB,NC,ND)において、前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技(特定の当り遊技)が付与された場合に、該大当り遊技(以後「初回大当り遊技」という場合もある)における最終ラウンド(より具体的にはエンディング演出時)において、次回の図柄変動演出の基本的な種類を特定する演出種類モード(遊技演出モード)を複数の中から選択可能な演出種類選択用演出が実行されるよう構成されている。前記統括制御CPU65aは、演出種類選択用演出が行われるタイミングで前記操作ボタン36の操作を所定時間(有効操作時間)に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定される。そして、表示制御基板70では、操作有効コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御するよう構成される。そして本実施例では、演出種類選択用演出に際しては、図13に示す如く、図柄表示装置17に操作ボタン36の画像が表示され、該操作ボタン36の押下によって演出種類モードを選択可能であることが示唆されるようになっている。なお、図13において、図柄表示装置17の画像表示面上に表示されている操作ボタンの画像について、符号36を付して示している。
(演出種類選択用演出の出現条件について)
ここで、本実施例のパチンコ機10では、通常モードNMにおいて、前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で付与される大当り遊技が、確変状態が付与される種類である場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、大当り遊技における最終ラウンドで演出種類選択用演出を表示する当り演出パターンが決定され得るよう設定されている。具体的には、大当り図柄が図柄A〜Eおよび図柄a,f,g,hの場合に、演出種類選択用演出を実行する当り演出パターンが決定され得るようになっている。本実施例では、通常モードNMで確変大当りに当選することが、モード移行条件として設定され、該モード移行条件の成立によって、大当り遊技における最終ラウンドで実行される演出種類選択用演出において遊技者が演出種類モードを選択することで、該選択した演出種類モードを統括制御CPU65aが決定してモード移行が行われるよう構成してある。
なお、通常モードNMにおいて大当り判定が肯定の場合に決定可能な当り演出パターンとして、大当り遊技の終了後が確変状態となることを報知する確変報知当り演出パターンと、大当り遊技の終了後が確変状態となることを報知しない非確変報知当り演出パターンとが設定される。そして、本実施例では、前記演出種類選択用演出を表示する当り演出パターンが、確変報知当り演出パターンとなり、該確変報知当り演出パターンの演出が実行された後に移行する演出モードが、確変状態の演出モードとなる。これに対し、非確変報知当り演出パターンの演出が実行された後に移行する演出モードが、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある後述する潜伏モードとなる。なお、初回大当り遊技後に移行した確変状態の演出モードについて、以下第1確変モード(確変状態+変短状態)MXという場合もある(図14参照)。
(演出種類モードについて)
本実施例では、前記演出種類選択用演出において遊技者が選択可能で演出の種類が異なる3つ(2つあるいは4つ以上であってもよい)の演出種類モードMA,MB,MCおよび演出種類モードMA,MB,MCの何れかに滞在中において予め設定された所定のモード移行条件が成立したときに移行可能な特別演出種類モードMDが設定されており(図13参照)、各演出種類モード毎に、図柄変動演出の具体的内容を特定する複数の選択用演出パターン(図柄変動演出パターン)が設定されている。これら演出種類モードおよび選択用演出パターンは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。また、前記図柄表示装置17で演出種類選択用演出が実行されている状態で、前記操作ボタン36で選択された演出種類モードMA,MB,MCに対応する信号が統括制御CPU65aに入力された際には、該統括制御CPU65aが対応する演出種類モードMA,MB,MCを決定し、該決定された演出種類モードMA,MB,MCを特定する演出情報を統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。更に、前記モード移行条件が成立した場合は、統括制御CPU65aが特別演出種類モードMDを実行することを決定し、該決定された特別演出種類モードMDを特定する演出情報を統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。すなわち、本実施例では、統括制御CPU65aが、遊技者が選択した演出種類モードMA,MB,MCを決定すること、および特別演出種類モードMDに移行するモード移行条件の成立が、演出バックアップ条件の成立に対応する。なお、演出種類モードMA,MB,MCおよび特別演出種類モードMDは確変確定のモードであり、当該演出種類モードMA,MB,MC,MDの演出内容は、前記通常モードNMにおいて図柄表示装置17に表示される背景画像や画面上で展開される演出の内容とは異なるように設定される。
ここで、演出種類選択用演出は、大当り遊技における最終ラウンド(エンディング演出)で実行される演出であり、該演出種類選択用演出により選択された演出種類モードMA,MB,MCを特定する演出情報は、最終当り演出情報として特定されるものであって、当該最終当り演出情報に基づいて、後述する演出種類ループ処理および電力供給の遮断後の復電処理が実行可能に構成されている。そして、これら最終当り演出情報は、統括制御CPU65aが、演出種類モードMA,MB,MCの1つを決定してから、当該の大当り遊技が終了するまでに統括制御RAM65cに記憶されるよう構成される。また、本実施例では、前記特別演出種類モードMDに移行する条件として、後述するように連荘回数が設定されており、該連荘回数は大当りに当選することで変化する情報であることから、該情報についても、最終当り演出情報として特定されるものであって、当該最終当り演出情報に基づいて、後述する演出種類ループ処理および電力供給の遮断後の復電処理が実行可能に構成されている。なお、現在演出情報が、現在滞在している演出種類モードを特定する演出情報(モード演出情報)であるのに対し、最終当り演出情報は、大当りとなる契機となる図柄変動演出が実行されているときの演出種類モード(モード演出情報)を特定する演出情報および大当りにより変化する連荘回数や獲得出球数等の変化情報および後述する特定演出情報や普通演出情報(大当りに関わる情報)を含む演出情報である。すなわち、最終当り演出情報は、演出種類モードを特定する情報+α(大当りに関わる情報)である。
前記演出種類モードMA,MBに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、遊技者側のキャラクタ(特定のキャラクタ)と、敵キャラクタとが対戦するバトル演出が展開される複数種類のパターンが設定される。第1演出種類モードMAに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、第1バトル演出パターンBAと指称し、第2演出種類モードMBに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、第2バトル演出パターンBBと指称するものとし、各バトル演出パターンBA,BBは、前記統括制御ROM65bに夫々記憶されている。
また、前記特別演出種類モードMDに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンは、前記演出種類モードMA,MBに滞在中の大当り遊技で実行されるバトル演出と同じであって、表示される敵キャラクタが特別なキャラクタに変更されることでプレミアム感を遊技者に与え得るようにしている。なお、特別演出種類モードMDに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、特別バトル演出パターンBDと指称し、該特別バトル演出パターンBDは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
これに対し、前記第3演出種類モードMCに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、予め設定された一連の演出が順次進行するストーリー演出(非操作系演出)パターンSCが複数種類設定される。そして、このストーリー演出パターンSCは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
なお、前記バトル演出パターンBA,BB,BDには、前記操作ボタン36の操作(押下)により演出内容が変化する操作系演出を行なうパターンが設定され、前記統括制御CPU65aが操作系演出のバトル演出パターンを決定した場合は、予め設定されたタイミングで操作ボタン36の操作を所定時間に亘って有効とする操作有効コマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力するよう設定されている。また本実施例では、第1演出種類モードMAに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出として、第1バトル演出パターンBAに対応する遊技者側のキャラクタを主人公とする演出を行うことで、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。同様に、第2演出種類モードMBに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出として、第2バトル演出パターンBBに対応する遊技者側のキャラクタを主人公とする演出を行うことで、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。また、特別演出種類モードMDに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出としても、特別バトル演出パターンBDに対応する遊技者側のキャラクタを主人公とする演出を行うことで、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。更に、第3演出種類モードMCに対応して図柄表示装置17で実行される図柄変動演出についても、ストーリー演出パターンSCに対応するストーリー演出が実行されて、図柄変動演出と大当り演出との関連性を遊技者に認識させ得るようになっている。すなわち、本実施例では、図柄変動演出の内容を特定する選択用演出パターンおよび大当り演出の内容を特定する大当り演出パターンが、滞在中の演出モードに関連付けて決定される構成となっている。
前記第1バトル演出パターンBA、第2バトル演出パターンBBおよび特別バトル演出パターンBDでは、遊技者側のキャラクタおよび敵キャラクタが夫々異なるように設定される。そして、各バトル演出パターンBA,BBBDに対応して大当り演出中に実行されるバトル演出の展開から、該大当り遊技の終了後が確変状態となるか否かを遊技者に報知するようになっている。すなわち、遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利」の展開となる結果が、大当り遊技の終了後が確変状態となることを報知し、遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに敗北する「バトル敗北」の展開となる結果が、大当り遊技の終了後が確変状態から非確変状態あるいは潜伏状態(潜伏モード)へ移行することを報知する。これにより、遊技者に対し、バトル演出の展開が最終的に導出されるまで確変状態が付与されているかに対して期待感を持たせるようになっている。なお、前記ストーリー演出パターンSCにおいても、該演出パターンSCに対応して大当り演出中に実行されるストーリー演出の展開によって最終的に確変状態から非確変状態あるいは潜伏状態(潜伏モード)へ移行することを報知する演出が行われる。
ここで、前記バトル演出パターン(当り演出パターン)BA,BB,BDには、遊技者側のキャラクタが負けとなる結果(「バトル敗北」)を一旦表示した後に、遊技者側のキャラクタが勝ちとなる結果(「バトル勝利」)を表示する復活当り継続演出を図柄表示装置17で実行させる復活当り演出パターンを含んでいる。そして、この復活当り演出パターンについては、大当り遊技が、確変状態が付与される種類である場合に選択されるように設定されている。具体的には、大当り図柄が図柄A〜Eおよび図柄a,f,g,hの場合に、復活当り継続演出が選択され得るようになっている。
(バトル演出パターンBA,BB,BDについて)
前記統括制御ROM65bには、前記第1バトル演出パターンBA、第2バトル演出パターンBBおよび特別バトル演出パターンBDに基づくバトル演出の具体的な内容を特定するバトル演出表示パターンが複数種類記憶されている。図17(a)は、本実施例で設定される第1バトル演出パターンBAおよびおよび第2バトル演出パターンBBに基づくバトル演出表示パターンの種類を示すものであって、第1バトル演出パターンBAに対応して敵キャラクタが異なる4種類の第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4が設定されると共に、第2バトル演出パターンBBに対応して敵キャラクタが異なる4種類の第2通常バトル演出表示パターンb1,b2,b3,b4が設定される。第1通常バトル演出表示パターンで表示される敵キャラクタと第2通常バトル演出表示パターンで表示される敵キャラクタは、同じでも異なるものであってもよく、両通常バトル演出表示パターンで表示される敵キャラクタについて、以下通常敵キャラクタという場合もある。
図17(b)は、本実施例で設定される特別バトル演出パターンBDに基づくバトル演出表示パターンの種類を示すものであって、敵キャラクタとして第1特別敵キャラクタが表示される第1特別バトル演出表示パターンc1と、敵キャラクタとして第2特別敵キャラクタが表示される第2特別バトル演出表示パターンc2とが設定される。そして、第1特別バトル演出表示パターンc1は、後述する第1の規定条件が成立することにより選択されるパターンであり、第2特別バトル演出表示パターンc2は、第1の規定条件より成立することが困難な後述する第2の規定条件が成立することにより選択されるパターンである。
前記第1および第2の規定条件とは、大当り遊技状態における遊技実績であって、本実施例では大当り遊技が連荘する回数が設定されており、例えば第1の規定条件は連荘回数「20回」が、第2の規定条件は連荘回数「30回」が設定される。すなわち、バトル演出の大当り遊技において「バトル勝利」の展開となって確変状態が長く継続することにより、第1特別バトル演出表示パターンおよび第2特別バトル演出表示パターンが選択されるようになっている。なお、本実施例においては、前記第1演出種類モードMA、第2演出種類モードMBおよび第3演出種類モードMCに滞在中において前記第1の規定条件が成立したことを契機として、統括制御CPU65aが、大当り遊技後に現在滞在中の演出種類モードMA,MB,MCから特別演出種類モードMDに移行させるよう構成される。すなわち、第1の規定条件が、モード移行条件(特別モード移行条件)として設定されており、該第1の規定条件が成立したときには、大当り遊技後に移行する演出種類モードとして統括制御CPU65aが特別演出種類モード(遊技演出モード)MDを決定し、該特別演出種類モードMDを特定する演出情報を、最終当り演出情報として統括制御RAM65cに記憶するよう構成されている。
前記第1および第2の規定条件として設定される連荘回数は、前記「20回」および「30回」に限定されるものではなく、第1の規定条件の連荘回数<第2の規定条件の連荘回数の関係になっていればよい。また、連荘回数は、確変状態の継続中に大当り遊技に当選した数だけに限らず、確変状態の有無に関らず変短状態(非確変状態となった場合も含む)が付与されている状態で当選した大当りも連荘回数としてカウントするようにしたものであってもよい。すなわち、変短状態の継続中に、大当り遊技に当選した数を連荘回数としてもよい。なお、前記規定条件については、連荘回数に限らず、連荘中における獲得出球数、あるいは連荘回数と獲得出球数の組合わせや獲得出球数と大当り図柄の種類との組合わせ等、その他の条件で設定可能である。すなわち、規定条件については、当り遊技に基づいて可変する当り遊技情報であればよい。
前記第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に基づくラウンド遊技中の演出について、大当り遊技が、図柄A,図柄B,図柄Iおよび図柄aで当選し、16ラウンドの全開放ラウンド遊技で構成されたものについて説明する。すなわち、16ラウンドの全開放ラウンド遊技で構成された大当り遊技について、第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に基づくラウンド遊技中の演出では、オープニング演出および1回目〜8回目のラウンド遊技において、通常敵キャラクタとのバトル演出が展開されるようになっている。より具体的には、オープニング演出、1回目、および2回目のラウンド遊技では、バトル演出で対戦することとなる通常敵キャラクタと遊技者側のキャラクタとの攻撃順が決定される演出が展開される。また、3回目〜7回目のラウンド遊技で通常敵キャラクタと対決する演出が展開され、8回目のラウンド遊技で勝敗の結果を導出すると共に、対戦の可能性のある他の通常敵キャラクタを報知する演出が展開される。なお、9回目〜16回目のラウンド遊技では、パチンコ機10で登場するキャラクタを紹介する演出が展開される。
前記第2通常バトル演出表示パターンb1,b2,b3,b4に基づくラウンド遊技中の演出は、前記第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に基づくラウンド遊技中の演出と同じである。
また、前記第1特別バトル演出表示パターンc1に基づくラウンド遊技中の演出は、基本的には敵キャラクタが異なるだけで、通常バトル演出表示パターンと同じである。これに対し、第2特別バトル演出表示パターンc2に基づくラウンド遊技中の演出は、オープニング演出、1回目〜7回目のラウンド遊技では、第1特別キャラクタと遊技者側キャラクタとが対決する演出が展開され、8回目〜15回目のラウンド遊技で第1特別キャラクタに遊技者側のキャラクタが勝利してから第2特別キャラクタが出現するまでの演出が展開され、16回目のラウンド遊技で勝敗の結果を導出する演出が展開される。本実施例の第2特別バトル演出表示パターンc2では、最終的には「バトル敗北」の結果が導出されるよう設定されている。
(ストーリー演出パターンMCについて)
前記統括制御ROM65bには、前記ストーリー演出パターンSCに基づくストーリー演出の具体的な内容を特定するストーリー演出表示パターンが複数種類記憶されている。ストーリー演出パターンSBでは、ストーリーが異なる複数種類のストーリー演出表示パターンが設定される。そして、前記第3演出種類モードMCに滞在中において前記第1の規定条件が成立したことを契機として、統括制御CPU65aが、大当り遊技後に現在滞在中の第3演出種類モードMCから特別演出種類モードMDに移行させるよう構成される。すなわち、本実施例では、3種類の演出種類モードMA,MB,MCの何れを選択した場合においても、第1の規定条件や第2の規定条件が成立した場合は、各規定条件の成立前には見ることができない演出を見ることができ、規定条件をクリアした優越感やプレミアム感を遊技者に与えることができるようになっている。
本実施例において統括制御CPU65aは、前記演出種類選択演出において選択した演出種類モードMA,MB,MCの種類を示す情報(背景画像の情報等の演出種類モードを特定する演出情報)を統括制御RAM65cに記憶するよう構成されており、その情報により滞在中の演出種類モードMA,MB,MCの種類を特定可能となっている。そして、統括制御CPU65aは、確変状態(確変モード)が継続する条件において、演出種類モードMA,MB,MCの開始の契機となる図柄変動演出において、該図柄変動演出の実行前まで滞在していた演出種類モードMA,MB,MCの種類を特定可能なモード指定コマンドを表示制御基板70に出力する。これにより、確変状態(確変モード)が継続する条件において、図柄変動演出では、遊技者が選択した演出種類モードMA,MB,MCに応じた演出が継続して実行されるようになっている。すなわち、例えば演出種類選択演出において第1演出種類モードMAを選択した場合は、図13に示すように、当該第1演出種類モードMAに滞在中の大当り判定で肯定、すなわち大当りに当選した場合は、第1バトル演出パターンBAに基づくバトル演出表示パターンに対応する演出が実行され、該大当り遊技において「バトル勝利」(確変状態確定)となることで、再び第1演出種類モードMAに対応する図柄変動演出が実行可能に構成されている。また、選択された演出種類モードが第2演出種類モードMBであれば、大当り演出として第2バトル演出パターンBBに基づくバトル演出表示パターンに対応する演出が実行され、該大当り遊技において「バトル勝利」(確変状態確定)となることで、再び第2演出種類モードMBに対応する図柄変動演出が実行可能となり、選択された演出種類モードが第3演出種類モードMCであれば、大当り演出としてストーリー演出パターンSCに基づくストーリー演出表示パターンに対応する演出が実行され、該大当り遊技において確変状態が確定する演出が導出されることで、再び第3演出種類モードMCに対応する図柄変動演出が実行可能になっている。
更に、統括制御CPU65aは、前記第1の規制条件が成立したことを契機として移行した特別演出種類モードMDを特定する情報(背景画像の情報等の特別演出種類モードを特定する演出情報)を統括制御RAM65cに記憶するよう構成されており、その情報により滞在中の特別演出種類モードMDを特定可能となっている。そして、統括制御CPU65aは、確変状態(確変モード)が継続する条件において、特別演出種類モードMDの開始の契機となる図柄変動演出において、該図柄変動演出の実行前まで滞在していた特定演出種類モードMDを特定可能なモード指定コマンドを表示制御基板70に出力する。これにより、確変状態(確変モード)が継続する条件において、図柄変動演出では、第1の規制条件が成立以後は、特別演出種類モードMDに応じた演出が継続して実行されるようになっている。
(特定バトル、特定ストーリー演出パターンについて)
本実施例のパチンコ機10では、前記演出種類モードMA,MBに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合において、大当り図柄の種類が特定の種類(例えば、図柄Aまたはh)で、かつ統括制御CPU65aが決定した飾図が特定の種類(例えば「5」)であった場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、遊技者側のキャラクタと、敵キャラクタとが対戦するバトル演出が展開される複数種類の特定バトル演出パターンBAa,BBbが設定される。この特定バトル演出パターンについて、第1演出種類モードMAに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、第1特定バトル演出パターンBAaと指称し、第2演出種類モードMBに滞在中の大当り遊技中に実行される当り演出パターンを、第2特定バトル演出パターンBBbと指称するものとし、各特定バトル演出パターンBAa,BBbは、前記統括制御ROM65bに夫々記憶されている。
また、前記第3演出種類モードMCに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合において、前記と同じように大当り図柄の種類が特定の種類で、かつ統括制御CPU65aが決定した飾図が特定の種類であった場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、予め設定された一連の演出が順次進行する特定ストーリー演出パターンSCcが複数種類設定される。そして、この特定ストーリー演出パターンSCcは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
更に、前記特別演出種類モードMDに滞在中において前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定が肯定で大当り遊技が付与された場合において、前記と同じように大当り図柄の種類が特定の種類で、かつ統括制御CPU65aが決定した飾図が特定の種類であった場合に、当該大当り遊技中に前記図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する当り演出パターンとして、遊技者側のキャラクタと、敵キャラクタとが対戦するバトル演出が展開される複数種類の特定特別バトル演出パターンBDdが設定される。そして、この特定特別バトル演出パターンBDdは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
前記第1特定バトル演出パターンBAaの演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には第1バトル演出パターンBAの演出内容と共通として、出現させるキャラクタのみを別のキャラクタにした演出を行うことで、遊技者にプレミアム感を与えつつ、第1演出種類モードMAの図柄変動演出との関連性を認識させ得るようになっている。同様に、第2特定バトル演出パターンBBbの演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には第2バトル演出パターンBBの演出内容と共通として、出現させるキャラクタのみを別のキャラクタにした演出を行うことで、遊技者にプレミアム感を与えつつ、第2演出種類モードMBの図柄変動演出との関連性を認識させ得るようになっている。また、特定ストーリー演出パターンBCcの演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的にはストーリー演出パターンSCの演出内容と共通として、出現させるキャラクタのみを別のキャラクタにした演出を行うことで、遊技者にプレミアム感を与えつつ、第3演出種類モードMCの図柄変動演出との関連性を認識させ得るようになっている。更に、特定特別バトル演出パターンBDdの演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には特別バトル演出パターンBDの演出内容と共通として、出現させるキャラクタのみを別のキャラクタにした演出を行うことで、遊技者にプレミアム感を与えつつ、特別演出種類モードMDの図柄変動演出との関連性を認識させ得るようになっている。
(特定演出種類モードについて)
また、本実施例では、図13に示す如く、前記第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBbおよびストーリー演出パターンSCcの演出が図柄表示装置17で実行される当り遊技後に移行する演出種類モードとして、第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBbおよびストーリー演出パターンSCcの夫々に対応する特定演出種類モード(特定遊技演出モード)MAa,MBb,MCcが設定されている。なお、特定演出種類モードMAa,MBb,MCcは、各特定演出種類モード毎に、演出種類モードと同様に図柄変動演出の具体的内容を特定する複数の特定図柄変動演出パターンが設定されて、これら図柄変動演出パターンは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。また、前記特定特別バトル演出パターンBDdの演出が図柄表示装置17で実行される当り遊技後に移行する特別演出種類モードとして、特定特別バトル演出パターンBDdに対応する特定特別演出種類モード(特定遊技演出モード)MDdが設定されている。なお、特定特別演出種類モードMDdは、特別演出種類モードと同様に図柄変動演出の具体的内容を特定する特定特別図柄変動演出パターンが設定されて、該特定特別図柄変動演出パターンは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
前記第1特定バトル演出パターンBAaの当り遊技後に移行する特定演出種類モードMAaにおける図柄変動演出の演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には演出種類モードMAの図柄変動演出と同じで、第1特定バトル演出パターンBAaで出現させたキャラクタを追加した内容として、特定第1演出種類モードMAaにおける図柄変動演出を見た遊技者に、第1演出種類モードMAの図柄変動演出、第1バトル演出パターンBAおよび第1特定バトル演出パターンBAaでの演出との関連性を認識させ得るようになっている。すなわち、第1バトル演出パターンBA、第1特定バトル演出パターンBAaおよび特定第1演出種類モードMAaにおいて図柄表示装置17で実行される演出は、遊技者が選択した第1演出種類モードMAでの図柄変動演出と関連性があり、遊技者は図柄表示装置17に表示される画像によって滞在している演出種類モードを認識し得るようになっている。
また、前記第2特定バトル演出パターンBBbの当り遊技後に移行する特定第2演出種類モードMBbにおける図柄変動演出の演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には第2演出種類モードMBの図柄変動演出と同じで、第2特定バトル演出パターンBBbで出現させたキャラクタを追加した内容として、特定第2演出種類モードMBbにおける図柄変動演出を見た遊技者に、第2演出種類モードMBの図柄変動演出、第2バトル演出パターンBBおよび第2特定バトル演出パターンBBbでの演出との関連性を認識させ得るようになっている。すなわち、第2バトル演出パターンBB、第2特定バトル演出パターンBBbおよび特定第2演出種類モードMBbにおいて図柄表示装置17で実行される演出は、遊技者が選択した第2演出種類モードMBでの図柄変動演出と関連性があり、遊技者は図柄表示装置17に表示される画像によって滞在している演出種類モードを認識し得るようになっている。同様に、特定ストーリー演出パターンSCcの当り遊技後に移行する特定第3演出種類モードMCcにおける図柄変動演出の演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には第3演出種類モードMCの図柄変動演出と同じで、特定ストーリー演出パターンSCcで出現させたキャラクタを追加した内容として、特定第3演出種類モードMCcにおける図柄変動演出を見た遊技者に、第3演出種類モードMCの図柄変動演出、ストーリー演出パターンSCおよび特定ストーリー演出パターンSCcでの演出との関連性を認識させ得るようになっている。
更に、前記特定特別バトル演出パターンBDdの当り遊技後に移行する特定特別演出種類モードMDdにおける図柄変動演出の演出内容(背景画像を含む情報)は、基本的には特別演出種類モードMDの図柄変動演出と同じで、特定特別バトル演出パターンBDdで出現させたキャラクタを追加した内容として、特定特別演出種類モードMDdにおける図柄変動演出を見た遊技者に、特別演出種類モードMDの図柄変動演出、特別バトル演出パターンBDおよび特定特別バトル演出パターンBDdでの演出との関連性を認識させ得るようになっている。すなわち、本実施例では、特定の条件(大当り図柄および飾図の種類)によってのみ統括制御CPU65aが決定可能な特定演出種類モード(特定特別演出種類モードを含む)の図柄変動演出の内容を特定する特定図柄変動演出パターン(特定特別図柄変動演出パターンを含む)および特定当り演出の内容を特定する特定当り演出パターン(特定特別当り演出パターンを含む)が、滞在中の演出種類モードや特別演出種類モードに関連付けて決定される構成となっている。本実施例では、特定の条件となる飾図、例えば「5」の飾図に対して特定のキャラクタが対応付けられるのに対し、その他の飾図「0」〜「4」、「6」〜「9」には、別のキャラクタが夫々対応付けられており、特定演出種類モード(特定特別演出種類モード)や特定バトル演出パターン(特定特別バトル演出パターン)では、特定の飾図に対応付けられている特定のキャラクタが出現するようになっている。
本実施例では、統括制御CPU65aが、第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBb、特定ストーリー演出パターンSCcおよび特定特別バトル演出パターンBDdを実行(決定)する条件となる飾図の種類を特定する特定演出情報を、統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。すなわち、統括制御CPU65aは、特定演出情報に基づいて第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBb、特定ストーリー演出パターンSCcおよび特定特別バトル演出パターンBDdを再現し得るようになっている。なお、本実施例では、統括制御CPU65aは、特定演出情報に基づいて第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBb、特定ストーリー演出パターンSCcが、特定の条件の成立時にのみ選択される特定当り表示演出であるのに対し、第1バトル演出パターンBA、第2バトル演出パターンBB、ストーリー演出パターンSCおよび特別バトル演出パターンBDが、普通当り表示演出に相当する。そして、特定当り表示演出を実行(決定)する条件である特定の種類の飾図とは異なり、第1バトル演出パターンBA、第2バトル演出パターンBB、ストーリー演出パターンSCおよび特別バトル演出パターンBDを実行(決定)することが可能な飾図の種類を特定する情報が普通演出情報に相当する。
また、第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBb、特定ストーリー演出パターンSCcおよび特定特別バトル演出パターンBDdに基づく大当り演出の実行中に、統括制御CPU65aは、対応する特定第1演出種類モードMAa、特定第2演出種類モードMBb、特定第3演出種類モードMCcおよび特定特別演出種類モードMDdを決定し、当該の大当り演出が終了する前に、特定第1演出種類モードMAa、特定第2演出種類モードMBb、特定第3演出種類モードMCcおよび特定特別演出種類モードMDdを特定する演出情報を統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。
また、前記統括制御CPU65aは、各演出種類モードMA,MB,MC,MDの滞在中の制御において、各種演出に係る処理の結果、各種演出の実行や各種決定内容を指示する内容を個々に特定可能な演出コマンドを所定のタイミングで表示制御基板70に出力するようになっている。そして、統括制御CPU65aは、演出コマンドの出力に際してはコマンドで指示する内容を統括制御RAM65cにもその都度設定する(記憶させる)ようになっており、表示制御基板70に指示した内容や図柄表示装置17等で実行されている各種遊技演出の演出内容を自由に統括制御RAM65cから読み出して把握(確認)することが可能となっている。また、前記バトル演出表示パターンで出現する各敵キャラクタと遊技者側のキャラクタとのバトル結果(勝敗)については、バトル履歴情報として、前記統括制御RAM65cの所定領域に所定期間に亘って記憶される。
すなわち、複数種類の図柄変動演出パターンの中から1つを決定する図柄変動演出パターン決定手段および複数種類の当り演出パターンの中から1つを決定する当り演出パターン決定手段としての機能を前記統括制御CPU65aが備えている。また統括制御CPU65aは、複数種類の演出種類モード(遊技演出モード)の中から1つを決定するモード決定手段(遊技演出モード決定手段)および大当り遊技状態での遊技実績が規定条件を満たしたか否かを判定する当り遊技実績判定手段としても機能する。更に、統括制御CPU65aは、モード選択およびモード移行に際し、操作ボタン36の有効期間を設定する有効期間設定手段として機能するよう構成されている。ここで、統括制御CPU65aは、バトル演出における遊技者側のキャラクタが勝つか否かを判定する勝敗判定手段として機能するようになっている。前記統括制御RAM65cは、遊技中における現在(電源回路105からの電力供給が遮断されるとき)の図柄表示装置17での表示状態を特定する演出情報を記憶して電力供給の遮断後も保持する第1の演出情報バックアップ手段および統括制御CPU(モード決定手段)65aで決定した演出種類モード(遊技演出モード)を特定する演出情報を記憶して電力供給の遮断後も保持する第2の演出情報バックアップ手段として機能するよう構成される。また、統括制御RAM65cは、統括制御CPU65aで決定した特定演出情報および普通演出情報を記憶して電力供給の遮断後も保持する当り表示演出情報バックアップ手段としても機能する。また統括制御CPU65aは、該統括制御CPU65a(図柄変動演出パターン決定手段,当り演出パターン決定手段)で決定した選択用演出パターン(図柄変動演出パターン)およびバトル演出パターンやストーリー演出パターン等の当り演出パターンを、前記図柄表示装置17で実行する演出実行制御手段として機能するよう構成される。また、統括制御CPU65aは、特定当り表示演出に対応する特定演出情報および普通当り表示演出に対応する普通演出情報から1つの情報を決定する当り表示演出情報決定手段として機能する。
(潜伏モードについて)
本実施例では、初回大当り遊技となった大当り図柄の種類または確変状態で当選した大当り遊技の種類が、図柄Bおよび図柄gに対応する種類(特別確変大当り遊技、短縮確変大当り遊技)であった場合に、当該大当り遊技の終了後に潜伏モードとなり、図柄表示装置17では遊技者に確変状態か否かを示唆する確変潜伏演出が実行されるようになっている。潜伏モードとして、本実施例では、演出(背景画像を含む)の種類が異なる2つ(1つあるいは3つ以上であってもよい)の潜伏モードTA,TBが設定されており(図14参照)、各潜伏モード毎に、図柄変動演出の具体的内容を特定する複数の確変潜伏演出パターン(図柄変動演出パターン)が設定されている。これら潜伏モードおよび確変潜伏演出パターンは、前記統括制御ROM65bに記憶されている。
前記潜伏モードTA,TBについて、図14に示す如く、前記初回大当り遊技後に移行可能な潜伏モードを第1潜伏モードTAと指称し、第1確変モードMXに滞在中における大当り遊技後に移行可能な潜伏モードを第2潜伏モードTBと指称するものとする。そして、各潜伏モードTA,TBにおいては、前記変短回数の図柄変動演出が行われるまでの間、または前記変短回数に達する前に大当りが付与されるまでの間、前記統括制御CPU65aは図柄表示装置17で実行される演出の具体的内容を特定する演出パターン(演出内容)として確変潜伏演出パターン(確変潜伏演出内容)を選択するよう構成される。また、統括制御CPU65aは、確変状態で当選した大当り遊技の種類が、図柄Iおよび図柄jに対応する種類(通常非確変大当り遊技、短縮非確変大当り遊技)であった場合に、当該大当り遊技の終了後には確変潜伏演出パターンを選択するよう構成される。すなわち、確変状態で大当りして潜伏モードTA,TBに移行する際には、当り図柄が確変および非確変に関わらず(確変判定手段の判定結果が肯定の場合および否定の場合の何れでも)、大当り遊技の終了後には確変潜伏演出パターンで特定される演出が図柄表示装置17で実行されるよう構成されている。
また前記メイン制御CPU60aに、潜伏モードTA,TBにおいて確変潜伏演出を実行する確変潜伏演出用の変動パターンが、大当り遊技の種類に応じた複数種類記憶されている。そして、メイン制御CPU60aは、図柄B、図柄I、図柄gおよび図柄jで当選した大当り遊技の終了後に行われる図柄変動演出の変動パターンとして、前記確変潜伏演出用の変動パターンを選択するよう設定されている。すなわち、前記メイン制御ROM60bには、複数種類の確変潜伏演出用の変動パターンが記憶された潜伏用変動テーブルが設定され、潜伏モードTA,TBにおいては、大当り遊技の終了後、変短回数の図柄変動演出が行われるまでの間、または前記変短回数に達する前に大当りが付与されるまでの間は、潜伏用変動テーブルから変動パターンが選択されるよう設定されている。
但し、本実施例では、確変状態で大当りし、該大当り遊技の終了後に、前記変短回数と同じ規定回数目には、メイン制御CPU60aは、その時点の遊技状態が確変状態か否かを報知する演出(報知演出)を行わせる報知用変動パターンを決定し、該報知用変動パターンに対応する報知用変動パターン指定コマンドを統括制御基板65に出力するよう設定されている。また、前記統括制御ROM65bには、遊技状態が確変状態か否かを報知する演出(報知演出)の具体的内容を特定する報知演出パターン(報知演出内容)が記憶されており、統括制御CPU65aは、入力された報知用変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する報知演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力するようになっている。すなわち、大当り遊技の終了後の規定回数目の図柄変動演出としては、専用の報知演出パターンで特定される報知演出が実行される。この報知演出パターンとしては、確変状態を確定的に報知する確変報知演出パターン、非確変状態を確定的に報知する非確変報知演出パターンおよびはずれ専用のはずれ用報知演出パターンが夫々複数種類設定されている。すなわち、図柄Bおよび図柄gでの大当りの場合には、前記統括制御CPU65aは、規定回数目に確変状態であることを確定的に報知する複数種類の確変報知演出パターンが設定された確変報知演出パターンテーブルから1つの確変報知演出パターンを決定し、図柄Iおよび図柄jでの大当りの場合には、統括制御CPU65aは、規定回数目に非確変状態であることを確定的に報知する複数種類の非確変報知演出パターンが設定された非確変報知演出パターンテーブルから1つの非確変報知演出パターンを決定する。そして、前記表示制御CPU70aは、統括制御CPU65aで決定された報知演出パターンの種類に応じた演出内容を、図柄表示装置17で表示するよう制御する。
前記報知演出が実行される回を決める規定回数は、当該パチンコ機10において前記変短状態が付与される最小の変短設定回数と同じに設定される。本実施例では、図柄Iおよび図柄jで当選した場合の何れにおいても、変短回数は20回に設定されているから、規定回数は20回に設定される。なお、本実施例では、規定回数を20回に設定した場合で説明するが、その数には限られるものではない。
前記大当り終了後の20回目(規定回数目)の大当り判定およびリーチ判定の判定結果が何れも否定の場合は、前記統括制御CPU65aは、複数種類のはずれ用報知演出パターンが設定されたはずれ用報知演出テーブルから1つのはずれ用報知演出パターンを決定するよう設定される。これにより、前記表示制御CPU70aは、20回目の図柄変動演出に対応する大当り判定およびリーチ判定の判定結果が何れも否定の場合は、はずれ用報知演出を図柄表示装置17で実行させるようになっている。そして、大当り終了後の20回目の図柄変動演出として、非確変報知演出パターンの報知演出またははずれ用報知演出が実行された場合、すなわち当該潜伏モードTA,TBに移行する契機となる大当り図柄が非確変図柄(図柄I,j)であった場合は、当該潜伏モードTA,TBから前記通常モードNMに移行するよう構成される。一方、大当り終了後の20回目の図柄変動演出として、確変報知演出パターンの報知演出が実行された場合、すなわち当該潜伏モードTA,TBに移行する契機となる大当り図柄が確変図柄(図柄B,g)であった場合は、前記第1確変モードMXとは、図柄表示装置17で実行される演出内容(背景画像を含む情報)が異なる演出が実行される第2確変モード(確変状態+変短状態)MZに移行するようになっている(図14参照)。すなわち、前記図柄変動演出中に実行される演出の内容を具体的に特定する演出パターン(演出内容)には、確変状態専用の複数種類の確変演出パターン(確変演出内容)が設定されている。そして、第2確変モードMZにおいては、前記統括制御CPU65aは複数種類の確変演出パターンが設定された確変演出パターンテーブルから1つの確変演出パターンを決定するよう設定される。
(小当りによるモード移行について)
本実施例では、前記第1確変モードMX、第2確変モードMZ、潜伏モードTA,TBにおいて、前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする当り判定で肯定判定された当りの種類が特定の種類の場合に、当該当り遊技後に移行する特殊遊技演出モード(確変状態+変短状態)MQが設定されている。本実施例では、特殊遊技演出モードMQへのモード移行の条件(モード移行条件)として、当り遊技の種類が小当りとなる場合が設定されており、第1確変モードMX、第2確変モードMZ、潜伏モードTA,TBにおいて小当りに当選した場合(小当り判定手段の肯定の場合)に、統括制御CPU65aが共通の特殊遊技演出モードMQを決定し、小当り遊技の終了後に特殊遊技演出モードMQへ移行するよう設定されている。小当りに当選した場合に実行される小当り遊技では、大当りに当選した場合に実行される大当り遊技に比べて遊技者が獲得可能な賞球が少なく、該小当り遊技は大当り遊技に比較して遊技者にとって有利でない当り遊技である。すなわち、本実施例では、大当り遊技が遊技者に有利な第1当り遊技であり、小当り遊技が、第1当り遊技より有利でない第2当り遊技となる。また、特殊遊技演出モードMQは、第1確変モードMX、第2確変モードMZ、潜伏モードTA,TBから移行する共通遊技演出モードである。
ここで、本実施例では、前記特殊遊技演出モードMQへのモード移行条件は、該特殊遊技演出モードMQに移行する前の遊技状態が確変状態であることが条件とされる。そして、確変状態(確変状態および変短状態の何れも付与されている状態または確変状態のみが付与されている状態)は、確変状態および変短状態の何れも付与されていない通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態である。すなわち、本実施例では、確変状態が遊技者に有利な第1遊技状態であり、通常状態が、第1遊技状態より有利でない第2遊技状態となる。このように、本実施例では、遊技者に有利な第1遊技状態において、遊技者に有利でない第1当り遊技(小当り遊技)となる当りに当選したことを契機として、当該当り遊技後に特殊遊技演出モードMQへ移行するようになっている。そして、確変状態(例えば第1確変モードMX)においてメイン制御CPU(小当り判定手段)60aで肯定判定された場合に、統括制御CPU65aが特殊遊技演出モードMQを決定する構成が、第1遊技状態において当り判定手段で肯定判定された当りの種類が特定の種類であった場合に、遊技演出モード決定手段が特殊遊技演出モードを決定する構成に相当する。また、確変状態および変短状態の何れも付与されていない通常状態である前記基本通常演出モードNAや第1通常演出種類モードNBにおいてメイン制御CPU(小当り判定手段)60aで肯定判定された場合に、統括制御CPU65aが第3通常演出種類モードNDを決定する構成が、第2遊技状態において当り判定手段が肯定判定した当りの種類が小当りの場合に、遊技演出モード決定手段が普通遊技演出モードを決定する構成に相当する。
前記小当りは、該小当りの前後において遊技状態が変化しない当りであり、前述したように特殊遊技演出モードMQへのモード移行条件は、小当りに当選した遊技状態が確変状態であるので、当該特殊遊技演出モードMQも確変確定の確変モードである。そして、特殊遊技演出モードMQにおいて大当りや小当りに当選した場合に実行される当り演出や、該当り演出後の移行先は、該特殊遊技演出モードMQの前に滞在していたモードに依存するよう構成される。すなわち、潜伏モードTA,TBおいて小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、当該潜伏モードTA,TBが内部的に確変状態であったことを認識し得る。
(大当りの場合の特殊遊技演出モードMQからの移行先について)
初回大当り遊技から第1潜伏モードTAに移行し、該第1潜伏モードTAで小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、初回大当り遊技において演出種類モードを選択していない状態であることから、特殊遊技演出モードMQにおいて大当りに当選した場合は、初回大当りであるとして初回大当り遊技が実行される。これに対し、第1確変モードMZで小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、第1確変モードMZの対応する演出種類モードMA,MB,MCまたは特別演出モードMDに移行する。すなわち、例えば第1演出種類モードMAにおいて小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合、該特殊遊技演出モードMQで大当りに当選したときには、大当りの演出として第1バトル演出パターンBAが決定される。そして、第1バトル演出パターンBAでの大当り遊技後は、第1演出種類モードMAに復帰する。
また、前記第2演出種類モードMBにおいて小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合、該特殊遊技演出モードMQで大当りに当選したときには、大当りの演出として第2バトル演出パターンBBが決定され、第3演出種類モードMCにおいて小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合、該特殊遊技演出モードMQで大当りに当選したときには、大当りの演出としてストーリー演出パターンSCが決定され、特別演出種類モードMDにおいて小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合、該特殊遊技演出モードMQで大当りに当選したときには、大当りの演出として特別バトル演出パターンBDが決定される。そして、各演出パターンBB,SCでの大当り遊技の終了後には、対応する演出種類モードMB,MCに復帰する。
また、特定第1演出種類モードMAa→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出として第1特定バトル演出パターンBAaが決定される。同様に、特定第2演出種類モードMBb→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出として第2特定バトル演出パターンBBbが決定され、特定第3演出種類モードMCc→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出として特定ストーリー演出パターンSCcが決定され、特定特別演出種類モードMDd→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出として特定特別バトル演出パターンBDdが決定される。そして、各演出パターンBAa,BBb,SCc,BDdでの大当り遊技の終了後には、対応する演出種類モードMBa,MBb,MCc,MDdに復帰する。
但し、第1特定バトル演出パターンBAa、第2特定バトル演出パターンBBb、特定ストーリー演出パターンSCcおよび特定特別バトル演出パターンBDdは、前述したように大当り図柄および飾図が特定の種類であった場合に決定可能な演出パターンであるので、段落[0223]で記載した流れは、特殊遊技演出モードMQの大当り判定を契機として決定された大当り図柄および飾図が特定の種類の場合である。すなわち、特殊遊技演出モードMQの大当り判定を契機として決定された大当り図柄および飾図が特定の種類でない場合、特定第1演出種類モードMAa→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合では、大当りの演出として第1バトル演出パターンBAが決定される。同様に、特定第2演出種類モードMBb→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出として第2バトル演出パターンBBが決定され、特定第3演出種類モードMCc→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出としてストーリー演出パターンSCが決定され、特定特別演出種類モードMDd→小当り当選→特殊遊技演出モードMQ→大当り当選の場合は、大当りの演出として特別バトル演出パターンBDが決定される。そして、各演出パターンBA,BB,SC,BDでの大当り遊技の終了後には、対応する演出種類モードMA,MB,MC,MDに復帰する。すなわち、第1演出種類モードMAと特定第1演出種類モードMAa、第2演出種類モードMBと特定第2演出種類モードMBb、第3演出種類モードMCと特定第3演出種類モードMCc、特別演出種類モードMDと特定特別演出種類モードMDdとは、当り判定で肯定された場合に統括制御CPU65aによって決定された飾図の種類によって相互に移行可能に構成されている。
更に、前記第2潜伏モードTBは、第1確変モードMXから移行してくるモードであるので、第2潜伏モードTBで小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、当該特殊遊技演出モードMQで大当りした場合の大当りの演出として、当該第2潜伏モードTBに移行する前の第1確変モードMXにおける演出種類モードMA,MB,MC,MDまたは特定演出種類モードMAa,MBb,MCc,MDdに対応するバトル演出パターンBA,BB,BD、ストーリー演出パターンSC、特定(特別)バトル演出パターンBAa,BBb,BDdまたは特定ストーリー演出パターンSCcが決定される。
なお、前記第2確変モードMZは、第1潜伏モードTAまたは第2潜伏モードTBから移行してくるモードであるので、第1潜伏モードTAから移行した第2確変モードMZで小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、当該特殊遊技演出モードMQで大当りした場合に決定される大当りの演出は、第1潜伏モードTAから小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合と同じである。同様に、第2潜伏モードTBから移行した第2確変モードMZで小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、当該特殊遊技演出モードMQで大当りした場合に決定される大当りの演出は、第2潜伏モードTBから小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合と同じである。また、潜伏モードTA,TBにおいて規定回数目の図柄変動演出の契機となる当り判定で小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合は、当該特殊遊技演出モードMQで大当りした場合に決定される大当りの演出は、第1潜伏モードTAまたは第2潜伏モードTBで小当りに当選して特殊遊技演出モードMQに移行した場合と同じである。
前記統括制御CPU65aは、前記各モードにおいて小当りに当選した場合は、特殊遊技演出モードMQを特定する演出情報を統括制御RAM65cに記憶するよう構成される。本実施例では、小当りに当選した場合に統括制御RAM65cに記憶される特殊遊技演出モードMQを特定する演出情報について、特殊演出情報と指称するものとする。なお、本実施例では、特殊遊技演出モードMQにおいて大当りに当選した場合に、他のモードに移行するよう構成したが、該特殊遊技演出モードMQから他のモードへの移行条件(モード復帰条件)としては、当り(大当り)の当選に限らず、特殊遊技演出モードMQにおいての図柄変動演出の回数や入賞を契機に実行されたモード終了抽選に当選した等、その他の条件であってもよい。
本実施例では、前記潜伏モードTA,TBにおいて、非確変大当りに当選した場合は、大当り遊技後に移行するモードとして、統括制御CPU65aが通常モードNMを決定するよう構成される。すなわち、本実施例では、非確変大当りに当選したことが通常遊技モード移行条件として設定されて、該通常遊技モード移行条件が成立した場合に、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている最終当り演出情報(演出情報)をクリアするよう構成される。統括制御RAM65cに記憶されている最終当り演出情報は、例えば第1確変モードMXに滞在中において発生した電力供給の遮断後の復電時に、元の確変モードに復帰させるために必要な情報であって、通常モードNMに移行することが決定した後には不要となる情報である。従って、このような不要となった演出情報をクリアすることで、統括制御RAM65cの記憶容量を削減することができる。
(演出種類ループ処理について)
次に、統括制御基板65の統括制御CPU65aが制御プログラムに基づき実行する演出種類ループ処理について説明する。
演出種類ループ処理は、演出種類選択演出で選択した演出種類モードに滞在する状態では、当該演出種類モードに対応する図柄変動演出および大当り演出を繰り返し行うようにした処理である。この演出種類ループ処理では、初回大当りが、確変大当りであった場合で、かつ演出種類選択演出において第1演出種類モードMAが選択された場合で説明する。
図18に示すように、初回大当り遊技における最終ラウンドで実行される前記演出種類選択演出で、演出種類モードが選択されたか否かを統括制御CPU65aが判定する(ステップC11)。すなわち、ステップC11において統括制御CPU65aは、前記操作ボタン36から演出種類モードMA,MB,MCの何れかに対応する信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップC11の判定結果が否定の場合には、ステップC11を繰り返す。ステップC11の判定結果が肯定の場合には、統括制御CPU65aは、操作ボタン36から入力された信号に対応する第1演出種類モードMAを特定する情報を統括制御RAM65cに記憶する(ステップC12)。なお、ステップC11において前記操作ボタン36の有効操作時間が経過しても該操作ボタン36からの信号入力がない場合は、統括制御CPU65aは演出種類モードMA,MB,MCを抽選により選択し、該選択した演出種類モードMA,MB,MCを特定する情報を統括制御RAM65cに記憶する。
次に、ステップC13で、大当り判定の判定結果が肯定か否かが判定される。前述したように初回大当りが確変大当りであるので、次に確変大当りに当選するまでは確変状態が継続することにより、ステップC13の判定結果が否定であっても演出種類ループ処理を終了することなく、第1演出種類モードMAに滞在する。また、大当り判定の判定結果が否定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、第1演出種類モードMAに対応するはずれ用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定したはずれ用の選択用演出パターンを指示するはずれ用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、はずれ用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定されるはずれ用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該はずれ用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。すなわち、統括制御RAM65cには第1演出種類モードMAを特定する情報が記憶されているので、第1および2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出としては、前述したように滞在中の第1演出種類モードMAに対応する演出が実行される。
ステップC13の判定結果が肯定の場合には、ステップC14おいて大当り遊技の連荘回数をカウントし(現在の統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数に+1し)、該連荘回数を統括制御RAM65cの所定の記憶領域に記憶する。次いで、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数が「20回以上」であるか否かを判定する(ステップC15)。ステップC15の判定結果が否定(すなわち連荘回数が「20回」未満)の場合には、統括制御CPU65aは、ステップC16に移行する。
大当り判定の判定結果が肯定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際し、統括制御CPU65aは、第1演出種類モードMAに対応し、かつ大当り図柄の種類に対応するあたり用の選択用演出パターンを複数種類の中から1つ決定し、決定した当り用の選択用演出パターンを指示する当り用演出パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、当り用の演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される当り用の演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該当り用の演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC16)。また、図柄変動演出において当り表示結果が導出されると、大当り遊技に移行する。すなわち、統括制御CPU65aでは、第1演出種類モードMAに対応する第1バトル演出パターンBAにおける第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4の中から、大当り図柄の種類に基づいて1つを決定し、対応する第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。このように、図柄変動演出および引き続いて行われる大当り演出としては、何れも滞在中の第1演出種類モードMAに対応する演出が実行される(ステップC17)。
ステップC18では、第1通常バトル演出表示パターンa1,a2,a3,a4に対応する大当り演出において遊技者側のキャラクタが敵キャラクタに勝利する「バトル勝利」であるか否かを判定し、否定であれば演出種類ループ処理を終了する。すなわち、大当り遊技の種類が、図柄B,I,g,j等であって大当り遊技終了後に潜伏モードに移行する場合は、大当り演出の演出パターンとして「バトル敗北」の演出パターンが選択されるので、このときには演出種類ループ処理を終了する。一方ステップC18の判定結果が肯定の場合は、確変状態に移行したことが確定されるが、ステップC15が否定されているので、統括制御CPU65aは、ステップC13に戻って前記処理を繰り返す。すなわち、第1および2始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理に際しては、ステップC11で選択された第1演出種類モードMAに対応する当り用またははずれ用の選択用演出パターンが決定され、該演出パターンに基づく図柄変動演出において大当りに当選した際の大当り演出としては、第1通常バトル演出パターンが決定される。
前記ステップC13〜ステップC18の処理を繰り返す間に、ステップC15の判定結果が肯定(すなわち連荘回数が「20回以上」)となった場合には、統括制御CPU65aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出として、前記特別演出種類モードMDに対応する表示内容を実行する(ステップC19)。そして、統括制御CPU65aは、20回目以降の大当り演出については、20回目以降の専用のテーブルに記憶されている特別演出種類モードMDの第1特別バトル演出パターンBDに対応する第1特別バトル演出表示パターンc1を決定し、該第1特別バトル演出表示パターンc1を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される第1特別バトル演出表示パターンc1に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出表示パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC20)。すなわち、大当り遊技の連荘回数が20回以上になると、19回目の大当り遊技後の図柄変動演出として、通常の演出種類モードMA,MB,MCとは背景画像やキャラクタが異なる演出を見ることができると共に、大当り演出として、19回目までは出現しない希少性のある第1特別キャラクタとのバトル演出を見ることができる。
ステップC21では、第1特別バトル演出表示パターンc1に対応する大当り演出において遊技者側のキャラクタが敵キャラクタ(第1特別キャラクタ)に勝利する「バトル勝利」であるか否かを判定し、否定であれば演出種類ループ処理を終了する。一方ステップC21の判定結果が肯定の場合は、確変状態に移行したことが確定され、現在滞在中の特別演出種類モードMD(確変モード)に留まる。
引き続き滞在している特別演出種類モードMDにおいて、ステップC22では、大当り判定の判定結果が肯定か否かが判定され、判定結果が否定であっても演出種類ループ処理を終了することなく、特別演出種類モードMDに滞在する。また、大当り判定の判定結果が否定の場合における始動入賞口31a,31bにパチンコ球が入賞した際に実施される演出パターン決定処理は、前述した如く、特別演出種類モードMDに対応するはずれ用の選択用演出パターンに基づく図柄変動演出が実行される。
次いで、統括制御CPU65aは、大当り遊技の連荘回数をカウントして(現在、統括制御RAM65cに記憶されている連荘回数に+1して)、統括制御RAM65cの所定の記憶領域に記憶する(ステップC23)。また、統括制御RAM65cに記憶されている大当り遊技の連荘回数が「30回以上」であるか否かを判定する(ステップC24)。ステップC24の判定結果が否定(すなわち連荘回数が「30回未満」)の場合には、統括制御CPU65aは、ステップC19に戻って前記処理を繰り返す。すなわち、ステップC24の判定結果が肯定されるまでは、図柄変動演出は特別演出表示パターンに基づいて実行されると共に、大当り演出は第1特別バトル演出表示パターンに基づいて実行される。
前記ステップC19〜ステップC24の処理を繰り返す間に、ステップC24の判定結果が肯定(すなわち大当り遊技の連荘回数が「30回以上」)となった場合には、統括制御CPU65aは、始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づく図柄変動演出として、ステップC19と同様に特別演出種類モードMDに対応する表示内容を実行する(ステップC25)。そして、統括制御CPU65aは、30回目以降の大当り演出については、30回目以降の専用のテーブルに記憶されている特別演出種類モードMDの第1特別バトル演出パターンBDの中から、第2特別バトル演出表示パターンc2を決定し、該第2特別バトル演出表示パターンc2を指示する演出表示パターン指定コマンドを前記表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。そして、表示制御基板70では、演出表示パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される第2特別バトル演出表示パターンc2に対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出表示パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する(ステップC26)。すなわち、大当り遊技の連荘回数が30回以上になると、29回目までは出現しないより希少性のある第2特別キャラクタとのバトル演出を見ることができる。
ここで、前述した確変状態においては、該確変状態が終了するまでは、前記変短状態(第2始動入賞口31bへの入賞率が向上する入賞率向上状態)が付与されるよう構成されている。すなわち、前記演出種類ループ処理が継続している間の遊技においては、変短状態も継続され、該変短状態が継続している間は、初回大当り遊技の最終ラウンドで選択した演出種類モードに対応する図柄変動演出および大当り演出を継続して見ることができるようになっている。
なお、前記演出種類選択演出で第2演出種類モードMBや第3演出種類モードMCを選択した場合における演出種類ループ処理については、前述した第1演出種類モードMAが選択された場合と同じであって、演出内容(キャラクタや背景画像等)が異なるだけである。
(復電について)
次に、電力供給が遮断した後の復電時の各処理について説明する。
前述したように、統括制御CPU65aは、パチンコ機10の動作中には、現在の遊技状態(確変状態、変短状態)および当該統括制御CPU65aがメイン制御CPU60aから入力される各種コマンドに基づいて決定する演出に関する各種情報を統括制御RAM65cに記憶している。また、メイン制御CPU60aでは、遊技状態(確変状態、変短状態)については、メイン制御RAM60cに記憶している。
停電等の発生により、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65a等への電力供給が遮断された場合は、前述した電源断処理によって、メイン制御RAM60cおよび統括制御RAM65cの各常用記憶エリアに記憶されている各種情報は、前記バックアップ電源107から電力が供給されているもとで、該メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアおよび統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに夫々記憶され、当該バックアップエリアに記憶された各種情報は、電力供給の遮断後も保持される。
図15に示す如く、前記統括制御RAM65cの統括バックアップエリアでは、電力供給が遮断されたときより前で直近の大当り遊技時の図柄表示装置17で表示される背景画像を含む演出内容を特定する演出情報が、最終当り演出情報として第1バックアップエリアに記憶される。また、電力供給が遮断したときに滞在しているモード(演出種類モード)での図柄表示装置17で表示される背景画像を含む演出内容を特定する演出情報が、現在演出情報として第2バックアップエリアに記憶される。更に、大当り判定の結果が肯定の場合に統括制御CPU65aが決定した飾図を特定する演出情報(特定演出情報または普通演出情報)が、最終当り演出情報として第1バックアップエリアに記憶される。また、小当りに当選したことを条件として小当り遊技の終了後に移行する特殊遊技演出モードMQを特定する演出情報が、特殊演出情報として第3バックアップエリアに記憶される。なお、初回大当り遊技で演出種類モードが選択された時点での現在演出情報と最終当り演出情報とは同じとなるのに対し、例えば、選択された演出種類モードに滞在中において大当りが続く(連荘)した場合は、最当り演出情報には、連荘情報や獲得出球数等の大当り遊技によって変化する情報も付加されることで、現在演出情報とは異なるものとなる。
(図柄変動演出中における復電処理について)
次に、復電処理について、第1演出種類モードMAにおける図柄変動演出中に電力供給の遮断があった場合で説明する。なお、復電処理において、メイン制御RAM60cのメインバックアップエリアや統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶されている各種情報は、対応する常用記憶エリアに記憶され、この常用記憶エリアに基づいて復電後の処理は実行されるが、当該情報はバックアップエリアに記憶されていたものと同じであるので、以下の説明では便宜上バックアップエリアに記憶されている情報として説明する。
前述したように、統括制御CPU65aは、電源回路105からの電力供給が開始された際に算出したチェックサムと、統括バックアップエリアに記憶されている電力供給の遮断時に算出したチェックサムとが一致しているか否かを判定し、一致していれば統括バックアップエリアに記憶保持されている各種演出情報が正常であると判断する。また、メイン制御CPU60aから出力されて統括制御CPU65aに入力された復電制御コマンドで特定される制御情報と、統括バックアップエリアに記憶保持されている各種演出情報とを比較して一致してれば、当該演出情報に基づいて復電処理を行う。本実施例では、復電処理に際して統括バックアップエリアに記憶保持されている各種の演出情報の内、現在演出情報と復電制御コマンドで特定される制御情報が一致している場合に、当該現在演出情報に基づいて復電を実行する復電条件が設定されており、統括制御CPU65aは、統括制御RAM65cに記憶されている現在演出情報に基づいて、図柄表示装置17で表示される演出内容を、電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、電源回路105からの電力供給が開始された場合は、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における表示内容である第1演出種類モードMAの演出を再開させることができ、遊技者が選択した演出種類モードを継続し得る。
同様に、各演出種類モードMB,MC,MDや各特定(特別)演出種類モードMAa,MBb,MCc,MDdに滞在中における図柄変動演出中に電力供給の遮断があった場合の復電についても、統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における表示内容である演出種類モードMB,MC,MDや特定(特別)演出種類モードMAa,MBb,MCc,MDdの演出を再開させることができる。
(大当り遊技中における復電処理について)
次に、復電処理について、第1バトル演出パターンBAに滞在中に電力供給の遮断があった場合で説明する。
前記電源回路105からの電力供給が開始された際に行われる統括バックアップエリアに記憶保持されている演出情報が正常か否かを判定する処理、およびメイン制御RAM60cに記憶されている情報と統括制御RAM65cに記憶されている情報とが一致するか否かの処理は、前述したと同じであり、演出情報が正常およびメイン制御RAM60c側の情報と一致していれば、統括制御CPU65aは、復電処理に際して現在演出情報に基づいて、図柄表示装置17で表示される演出内容を、電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、電源回路105からの電力供給が開始された場合は、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における表示内容である第1バトル演出パターンBAの演出を再開させることができる。
ここで、本実施例では、第1演出種類モードMAに滞在中における連荘回数が、第1の規定回数に達した場合に、特別演出種類モードMDに移行するよう構成されている。しかしながら、本実施例では、統括制御RAM65cに、連荘回数等の大当り遊技によって変化する情報を含んでいる最終当り演出情報が記憶されているので、該最終当り演出情報に基づいて、電力供給の遮断前の連荘回数を復元でき、復電後には、電力供給の遮断前の連荘回数から継続することができ、遊技者に不信感を与えることはない。すなわち、当り遊技に基づき可変する連荘回数(当り遊技可変情報)が所定条件を満たしたことで移行して楽しむことが可能となった特別演出種類モードMDでの演出を、停電によって電力供給が遮断された場合であっても、復電時には継続して楽しむことができ、遊技者が落胆するのを防止することができる。
次に、復電処理について、第1特定バトル演出パターンBAaに滞在中に電力供給の遮断があった場合で説明する。
前記電源回路105からの電力供給が開始された際に行われる統括バックアップエリアに記憶保持されている演出情報が正常か否かを判定する処理、およびメイン制御RAM60cに記憶されている情報と統括制御RAM65cに記憶されている情報とが一致するか否かの処理は、前述したと同じであり、演出情報が正常およびメイン制御RAM60c側の情報と一致していれば、統括制御CPU65aは、復電処理に際して現在演出情報に基づいて、図柄表示装置17で表示される演出内容を、電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、電源回路105からの電力供給が開始された場合は、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における表示内容である第1特定バトル演出パターンBAaの演出を再開させることができる。
ここで、第1特定バトル演出パターンBAaは、前述したように飾図が特定の種類の場合にのみ決定される演出パターンであり、該第1特定バトル演出パターンBAaの大当り遊技の終了後には、対応する特定第1演出種類モードMAaに移行する必要がある。本実施例では、統括制御RAM65cに、第1特定バトル演出パターンBAaを決定する条件となる特定の種類の飾図を特定する特定演出情報を含む最終当り演出情報が、統括バックアップエリアに記憶保持されているので、該特定演出情報を含む最当り演出情報に基づいて、復電後において第1特定バトル演出パターンBAaの大当り遊技の終了後には、対応する特定第1演出種類モードMAaに復帰させることができる。
また、特定第1演出種類モードMAaに復帰後において、第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機とする大当り判定で肯定され、メイン制御CPU60aで決定された大当り図柄および統括制御CPU65aで決定された飾図が、特定の種類でなかった場合は、復電時に現在演出情報のみを記憶保持している構成では、大当り遊技において何れの演出パターンを実行するのか分からないことになる。しかるに、本実施例では、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに、現在演出情報のみならず電力供給の遮断時より前の大当り時の情報である最終当り演出情報を記憶保持しているので、特定第1演出種類モードMAaに復帰後に当選した大当りの大当り図柄および飾図が特定の種類でなかった場合は、最終当り演出情報に基づいて、遊技者が選択した第1演出種類モードMAの大当り遊技である第1バトル演出パターンBAを決定することができ、電力供給の遮断前と復電後との演出に齟齬が生ずることはない。
同様に、特定バトル演出パターンBAb、特定ストーリー演出パターンSCc、特定特別バトル演出パターンBDdでの大当り遊技中に電力供給の遮断があった場合の復電についても、統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における表示内容である特定バトル演出パターンBAb、特定ストーリー演出パターンSCc、特定特別バトル演出パターンBDdの演出を再開させることができる。また、復電後において特定バトル演出パターンBAb、特定ストーリー演出パターンSCc、特定特別バトル演出パターンBDdでの大当り遊技の終了後には、対応する特定第2演出種類モードMBb、特定第3演出種類モードMCc、特定特別演出種類モードMDdに復帰させることができる。更に、特定第2演出種類モードMBb、特定第3演出種類モードMCcに復帰後に当選した大当りの大当り図柄および飾図が特定の種類でなかった場合は、最終当り演出情報に基づいて、遊技者が選択した第2演出種類モードMB、第3演出種類モードMCの大当り遊技である第2バトル演出パターンBB、ストーリー演出パターンSCを決定することができる。
ここで、メイン制御CPU60aでは、当りの種類(特図)を決定しているが、図柄変動演出に際して表示する飾図の種類(大当り中の特殊演出、特定の飾図が決定されたことを条件とした大当り中の特定演出等)を決定しておらず、該飾図の種類については、当りの種類に応じて統括制御CPU65aが独自に決定している。従って、電力供給が遮断した場合に、メイン制御CPU60a側の各種情報のみをバックアップしていても、復電時には統括制御CPU65aが独自に決定した飾図の種類や独自に管理しているその他の情報を特定できなくなるが、本実施例では、統括制御CPU65a側の各種情報をバックアップすることで、復電時には飾図の種類を含め統括制御CPU65aで独自に管理している情報が復元可能となる。そして、飾図を統括制御CPU65aで決定する構成とするこで、メイン制御CPU60a側の制御負担を軽減することもできる。
(小当り時の復電処理について)
次に、復電処理について、小当り時に電力供給の遮断があった場合について、第1演出種類モードMAに滞在中に小当りに当選した場合で説明する。
前記電源回路105からの電力供給が開始された際に行われる統括バックアップエリアに記憶保持されている演出情報が正常か否かを判定する処理、およびメイン制御RAM60cに記憶されている情報と統括制御RAM65cに記憶されている情報とが一致するか否かの処理は、前述したと同じであり、演出情報が正常およびメイン制御RAM60c側の情報と一致していれば、統括制御CPU65aは、復電処理に際して現在演出情報に基づいて、図柄表示装置17で表示される演出内容を、電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、電源回路105からの電力供給が開始された場合は、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における演出種類モードである第1演出種類モードMAの表示内容に対応する小当り遊技の演出を再開させることができる(図16(a)参照)。
本実施例では、小当りを契機として各モードから共通の特殊遊技演出モードMQに移行するよう構成されているため、現在演出情報のみでは、復電時において小当り遊技の演出状態に復帰させ得るとしても、当該小当り遊技の終了後の移行先が分からないことになる。しかるに、本実施例では、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに、現在演出情報のみならず小当の当選を契機として、小当り遊技後に移行する特殊遊技演出モードMQを特定する演出情報である特殊演出情報を記憶保持しているので、統括制御CPU65aは、該特殊演出情報に基づいて小当り遊技後には特殊遊技演出モードMQに移行させることができる。すなわち、小当り遊技中に電力供給の遮断があった場合であっても、復電後において、小当り遊技後には適正な特殊遊技演出モードMQに移行させ得る(図16(a)参照)。
このように、小当りの当選を契機にモード移行が実行される本実施例のパチンコ機10において、第1演出種類モードMA→小当り当選→電力供給の遮断→現在演出情報に基づく小当り遊技の演出復帰→特殊演出情報に基づく特殊遊技演出モードMQへの移行を行う構成が、電源手段(電源回路105)からの電力供給が遮断した後の復電時に、第1の演出情報バックアップ手段(統括制御RAM65c)に保持されている演出情報(現在演出情報)で復電処理すると共に、モード復帰条件(小当り当選)の成立により遊技演出モード決定手段(統括制御CPU65a)が決定した遊技演出モード(小当り当選を契機としたモード移行前の演出種類モード)に復帰し得るようにするための復電処理を第2の演出情報バックアップ手段(統括制御RAM65c)に保持されている演出情報(特殊演出情報)に基づいて行う構成に相当する。
また、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアには、電力供給の遮断時より前の大当り時の情報である最終当り演出情報が記憶保持されているので、特殊遊技演出モードMQにおいてモード復帰条件が成立(大当り)した場合は、統括制御CPU65aは、最終当り演出情報に基づいて第1演出種類モードMAに復帰させることができる。すなわち、モード移行条件の成立によって各モードから共通の特殊遊技演出モードMQに移行するよう構成されたパチンコ機10において、復電後には統括制御RAM65cに記憶されていた最終当り演出情報に基づいて、移行前の演出種類モードに復帰させることができ、遊技者が選択した演出種類モードでの(演出バックアップ条件が成立したときと同じ)演出を継続させ得る(図16参照)。
同様に、特定第1演出種類モードMAaや特別演出種類モードMDdに滞在中に小当りに当選した場合においても、図16(b),(c)に示す如く、小当り当選して小当り遊技中に電力供給が遮断した場合は、電力供給が開始された復電時には、統括制御RAM65cに記憶されている現在演出情報に基づいて、特定第1演出種類モードMAaや特別演出種類モードMDdの表示内容に対応する小当り遊技の演出状態に復帰させることができる。そして、小当り遊技後には、各モードでの小当を契機に移行する共通の特殊遊技演出モードMQに、統括制御RAM65cに記憶されている特殊演出情報に基づいて移行させることができる。そして、当該特殊遊技演出モードMQにおいてモード復帰条件が成立(大当りに当選)した場合は、当該特殊遊技演出モードMQへの移行前の演出種類モードである対応する特定第1演出種類モードMAaや特別演出種類モードMDdに、最終当り演出情報に基づいて移行させることができる。
次に、復電処理について、特殊遊技演出モードMQに滞在中に電力供給の遮断があった場合を説明する。
前記電源回路105からの電力供給が開始された際に行われるバックアップエリアに記憶保持されている演出情報の正常か否かを判定する処理、およびメイン制御RAM60cに記憶されている情報と統括制御RAM65cに記憶されている情報とが一致するか否かの処理は、前述したと同じであり、演出情報が正常およびメイン制御RAM60c側の情報と一致していれば、統括制御CPU65aは、復電処理に際して現在演出情報に基づいて、図柄表示装置17で表示される演出内容を、電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、電源回路105からの電力供給が開始された場合は、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における演出モードである特殊遊技演出モードMQに復帰させて、当該特殊遊技演出モードMQでの演出を再開させ得る。
ここで、特殊遊技演出モードMQは、前述したように小当りを契機として各モードから移行する共通の演出モードであるので、現在演出情報のみでは、復電時において特殊遊技演出モードMQに復帰させ得るとしても、当該特殊遊技演出モードMQにおいてモード復帰条件が成立(大当り)した場合の移行先が分からないことになる。しかるに、本実施例では、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに、現在演出情報のみならず電力供給の遮断時より前の大当り時の情報である最終当り演出情報を記憶保持しているので、該最終当り演出情報に基づいて、特殊遊技演出モードMQにおいてモード復帰条件が成立した場合には、適正なモードへ移行させることができる。
例えば、第1演出種類モードMAから小当り当選によって移行した特殊遊技演出モードMQで電力供給の遮断があった場合は、その時の電源断処理において、現在演出情報(この場合は特殊遊技演出モードMQを特定する演出情報)および最終当り演出情報(この場合は第1演出種類モードMAを特定する演出情報)が統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持される。従って、復電時には、現在演出情報に基づいて特殊遊技演出モードMQに復帰すると共に、該特殊遊技演出モードMQにおいてモード復帰条件が成立した場合は、最終当り演出情報に基づいて第1演出種類モードMAに移行させることが可能となる。
(第2潜伏モードに滞在中における復電処理について)
次に、復電処理について、第2潜伏モードTBに滞在中に電力供給の遮断があった場合について説明する。
前記電源回路105からの電力供給が開始された際に行われる統括バックアップエリアに記憶保持されている演出情報が正常か否かを判定する処理、およびメイン制御RAM60cに記憶されている情報と統括制御RAM65cに記憶されている情報とが一致するか否かの処理は、前述したと同じであり、演出情報が正常およびメイン制御RAM60c側の情報と一致していれば、統括制御CPU65aは、復電処理に際して現在演出情報に基づいて、図柄表示装置17で表示される演出内容を、電力供給の遮断時の状態に復帰させる。すなわち、電源回路105からの電力供給が開始された場合は、統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持されていた現在演出情報に基づいて、電力供給の遮断時における演出モードである第2潜伏モードTBに復帰させて、当該第2潜伏モードTBでの演出を再開させ得る。
ここで、第2潜伏モードTBは、第1確変モードMXにおける大当り遊技において、大当り演出における演出パターンにおいて、最終的に「敗北」の結果が表示された場合に移行するモードである。そして、当該第2潜伏モードTBは、内部的な遊技状態が確変状態または変短状態であり、確変状態において大当りに当選した場合、および変短状態で確変大当りに当選した場合は、当該第2潜伏モードTBに移行してくる前の演出モードに復帰させる必要がある。本実施例では、電力供給の遮断時には、該遮断時の前で直近の大当り遊技時における演出情報を、最終当り演出情報として統括制御RAM65cの統括バックアップエリアに記憶保持しているので、復電後において第2潜伏モードTBにおいて前述した条件での大当りに当選した場合は、最終当り演出情報に基づいて、元の演出モードに復帰させることができる。
〔変更例〕
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1) 実施例では、演出種類モードが選択可能となる当り遊技として、通常モードにおける初回大当り遊技の場合で説明したが、該演出種類モードを選択可能な当り遊技は初回大当り遊技に限定されるものではなく、確変モードや潜伏モードでの大当り遊技に際して演出種類モードを選択可能とすることも可能である。
(2) 実施例では、演出種類モードの選択は、大当りに当選したことを条件に行い得るよう構成したが、これに限らず、図柄変動演出が予め設定された回数に達したことを条件として、統括制御CPUがモード選択を可能とする構成であってもよい。また、図柄表示装置に常にモード選択を行い得る旨の画像を表示し、遊技者がいつでも演出種類モードを選択し得る構成を採用し得る。
(3) 実施例では、統括制御RAMに、電源断処理時に演出情報を記憶保持する統括バックアップエリアを設定したが、バックアップ用の別のRAMやバックアップ用記憶手段を設けるようにしてもよい。
(4) 実施例では、復電時の復電処理において、統括制御RAMに記憶されている現在演出情報に基づいて、電力供給が遮断されたときの演出状態に復帰させるようにしたが、最終当り演出情報に基づいて復電処理を行うようにしてもよい。すなわち、電源断処理時にノイズ等によって現在演出情報の一部が欠損して正常な情報形態となっていない場合、あるいは現在演出情報自体が消失している場合は、メイン制御CPUから出力された復電制御コマンドで特定される情報と最終当り演出情報とが整合していれば、復電時に最終当り演出情報に基づいて復電処理する構成を採用できる。言い替えれば、復電時においてメイン制御CPUから出力された復電制御コマンドで特定される情報によって正否判定を行う情報の優先順位を、現在演出情報→最終当り演出情報の順とする。そして、復電制御コマンドで特定される情報と現在演出情報とを比較して整合していれば、現在演出情報で復電処理し、整合していなければ、次に復電制御コマンドで特定される情報と最終当り演出情報とを比較して整合していれば、最終当り演出情報で復電処理し、整合していなければ統括制御RAMをクリアして初期設定された情報で復電処理する復電条件を設定ようにしてもよい。すなわち、現在演出情報による表示内容の復電を行う第1復電手段と、最終当り演出情報による表示内容の復電を行う第2復電手段とを備えて、両復電手段での優先順位を設定することで対応できる。
なお、最終当り演出情報自体が正常であったとしても、電力供給の遮断時における演出状態を特定する情報とは異なる場合もあることから、遊技者に不信感や不利益を与えない範囲であれば、復電制御コマンドで特定される情報との整合性については完全一致に限らず、予め設定された項目が一致する場合には最終当り演出情報で復電処理する条件を設定しておいてもよい。
(5) 実施例では、1つの始動入賞装置に遊技領域内で常時開放する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)と、入賞口を開閉する第2始動入賞口(可変始動入賞口、第2始動入賞手段)とを備えるよう構成したが、これに限られるものではなく、該第1始動入賞口と第2始動入賞口とを別々の装置に設けるようにすることもできる。このとき、第1始動入賞口おやび第2始動入賞口は、実施例のような上下の配置である必要はなく、遊技盤において遊技球が流下する遊技領域内の適宜の位置に個々の始動入賞口を配置することができる。例えば、第2始動入賞口を遊技領域内の右側に偏らせて配置し、所謂右打ち時にパチンコ球を第2始動入賞口に入賞させ得る構成であってもよい。
(6) 同様に、実施例では、始動入賞装置(特別入賞手段)の下方位置に特別入賞装置を配置するよう構成したが、これに限られるものではなく、遊技盤において遊技球が流下する遊技領域内の適宜の位置に特別入賞装置(特別入賞手段)を配置することができる。例えば、特別入賞装置を遊技領域内の右側に偏らせて配置し、所謂右打ち時にパチンコ球を特別入賞装置に入賞させ得る構成とすることも可能である。
(7) 実施例では、始動入賞検出手段による入賞球の検出に伴い払出条件が成立した際に、該始動入賞検出手段による遊技球の検出数と同数となるよう賞球払い出し個数を決定するよう設定下が、これに限られるものではなく、遊技球の検出数を超える賞球払い出し個数に設定することもできる。
(8) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞具手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2入賞検出手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞検出手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(9) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(10) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(11) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
また実施例には、以下に示すような技術的思想が含まれている。
〔付記〕
請求項3に係る遊技機において、
前記当り判定手段(60a)の肯定判定を契機として前記表示手段(17)で実行される特定当り演出中に前記遊技演出モード決定手段(65a)が遊技演出モードを決定し、
前記遊技演出モード決定手段(65a)が決定した遊技演出モードを特定する演出情報を、当該特定当り演出が終了する前に前記第2の演出情報バックアップ手段(65c)に記憶させるよう構成した。
付記に係る遊技機によれば、復電後において、電力供給の遮断前の状態の再現性を高めることができる。