JP2014083010A - 細胞単離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的に高密度に集積化された細胞培養基板から、目的の細胞を回収すること。
【解決手段】細胞懸濁液200と高分子溶液210を加えて、マイクロウエル基板220へ滴下することにより高分子溶液中の高分子が高分子層304を形成し、細胞202のマイクロウエル基板220への非特異的な吸着やマイクロ基板220表面への過度な細胞の接着が抑制されるため、高いマイクロウエルへの充填率、ガラスキャピラリでの細胞のマイクロウエルからの効率的な回収を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は多量の細胞群から特定の1個の細胞を単離し回収する細胞単離回収方法に関するものである。
近年、クローン集団の培養細胞系においても個々の細胞内でのmRNAの発現量が異なり「細胞の不均一性」が存在することが明らかになってきた。そのためこれまで細胞集団に対して行われてきた細胞生物学的な解析法では、平均化された集団情報が得られるのみで、単一細胞間の不均一性を反映していないという課題が明らかになってきた。
そこで、細胞1つ1つが規則的に配列させた細胞アレイを作製し、そこから目的の細胞のみを単離回収し細胞内のmRNAの発現量の解析、培養、有用タンパク質の産生などの分子生物学的操作が行われるようになってきた。
細胞単離回収方法の1つとして、マイクロ流体プローブが用いられてきた(例えば、非特許文献1、2参照)。図5は、前記非特許文献2に記載されたマイクロ流体プローブによる細胞単離回収方法を示すものである。先鋭化されたダブルバレルガラスキャピラリ管の一方より細胞剥離剤を含む緩衝液を導入し、もう一方側を陰圧にすることにより基板上に接着した細胞の単離回収を行うものがあった。
図5において、マイクロ流体プローブ101は吐出口101と回収口102を有していた。吐出口101は吐出用チューブ107を介して吐出用シリンジポンプ103と接続された。吐出用シリンジポンプ103は細胞剥離剤を含んだ緩衝液106を有したシリンジ109が設置され、ポンプによって緩衝液106が吐出口101を介して細胞アレイ110に吐出される。一方、回収口102は回収口用チューブ108を介して回収用シリンジポンプ104に接続された。ポンプによって回収口102内は陰圧にされ、緩衝液106の作用によって剥離された細胞105が回収口102へ回収される。以上の構成によってマイクロ流体プローブによる細胞の単離回収が実現されていた。
Juncker D, Schmid H, Delamarche E.「Multipurpose microfluidic probe」 Nat. Mater. 2005,4,622−628 Shiku H, Yamakawa T, Nashimoto Y, Takahashi Y, Torisawa YS, Yasukawa T, Ito−Sasaki T, Yokoo M, Abe H, Kambara H, Matsue T.「A microfluidic dual capillary probe to collect messenger RNA from adherent cells and spheroids」 Anal. Biochem.2009, 385,138−142
しかしながら、前記従来の構成では、細胞剥離液を含む緩衝液を導入する注入口と剥離された細胞を回収する回収口の2つの管が必要なためキャピラリーの先端径が全体で20マイクロメートル程度となってしまい、高密度の集積化された細胞アレイでは近隣の細胞まで回収してしまうという課題を有していた。
また、一般的に1つのガラスキャピラリーを陰圧にし、細胞の単離回収方法が行われる場合もあるが、基板表面に接着した細胞を効果的に回収することができないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高密度に集積化された細胞アレイから高効率、簡便な細胞単離回収方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の細胞単離回収方法は、以下の工程を具備する。(a)細胞の懸濁液を取得する工程、(b)細胞懸濁液に高分子溶液を添加する工程、(c)工程(b)で得られた細胞懸濁液を、マイクロウエルを有した基板に滴下し細胞アレイを作製する工程、(d)工程(c)において作製された基板上から選択的に単一の細胞を取得する工程。
本構成によって、高分子溶液の作用によってマイクロウエル基板上への細胞の非特異的な吸着が抑制され、マイクロウエル内にのみ細胞が捕捉され均一な細胞アレイの構築が実現される。さらに高分子溶液の作用によってマイクロウエルに捕捉された細胞は基板に接着することなくマイクロウエル内に留めることができ、1つの細管を用いた吸引によって容易に細胞を単離回収することができる。
本発明の細胞単離回収方法によれば、基板上の1つの目的細胞を1つのガラスキャピラリーを用いて1回の吸引操作によって単離回収することができる。
本発明の実施の形態1における細胞単離回収方法の図 本発明の実施の形態1における工程(d)の詳細図 実施例と比較例の細胞マイクロアレイの比較の図 実施例と比較例の充填率、占有率、回収率のそれぞれを比較した図 従来の細胞単離回収方法を示す図
(実施の形態)
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における細胞単離回収方法の工程図である。本発明は4つの工程から構成され、それぞれの工程ごとに実施の形態について説明をする。
工程(a):細胞の懸濁液を取得する工程
細胞の懸濁液200が用意される。細胞の懸濁液の細胞202の種類はどのような種類でもよく、培養細胞、動物から摘出された細胞いずれでもよい。具体的に培養細胞はHeLa細胞、HEK293細胞、CHO細胞など株化された癌細胞、ES細胞、iPS細胞など未分化細胞などがある。動物からの摘出細胞の動物種、細胞が摘出される組織にも特に制限はない。
細胞懸濁液の細胞202は、細胞の凝集体ではなく1つ1つばらばらの状態で存在するほうが好ましい。細胞がばらばらに存在する細胞の懸濁液を調製するためには、細胞を含む溶液を複数回吐出させ物理的に細胞をばらばらにさせる、もしくはパパイン、トリプシンなどのプロテアーゼを加え酵素処理によって細胞をばらばらにさせることが好ましい。
ばらばらにされた細胞を懸濁させる溶液201は生体内の環境に近いイオン組成を有した緩衝液が好ましく、より好ましくはpH7.2に保たれた緩衝液が好ましく、例えばリン酸緩衝液(PBS)、HEPES緩衝液などがありさらに好ましくはリンガー溶液が好ましい。
工程(b)高分子溶液を添加する工程
工程(a)で得られた細胞懸濁液200に高分子溶液211が添加され、高分子含有細胞懸濁液210が調製される。
マイクロウエルへの細胞の捕捉およびキャピラリーによる単一嗅細胞の回収を促進させるための機能を有する高分子溶液が細胞懸濁液に添加される。
高分子溶液211は基板表面への細胞の非特異的な吸着を抑制させる機能を有する添加剤が望ましく、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレン、アガロースなどの親水性高分子、またこれらの共重合型の高分子、具体的にはPluronicポリマー、さらに具体的にはPluronic F127がより好ましい。
人工合成高分子以外にも、高分子溶液211としてアルブミン、ヘパリン、ゼラチン、ゼラチンメタクリレート、フィブリンなどの生体由来のタンパク質を用いることもできる。
また、高分子溶液211としてPluronicF127を用いた場合、細胞懸濁液に対して終濃度0.01wt% − 0.1wt%になるように加えることが好ましく、終濃度が0.02wt%になるように加えるとより好ましい。
工程(c)細胞アレイを作製する工程
工程(b)で得られた高分子含有細胞懸濁液210が、基板221に滴下され、細胞202が規則的に配列された細胞アレイ220が作製される。
懸濁液210が基板221に滴下された後、マイクロウエルへ細胞を捕捉させるために、しばらくそのまま静置する。もしくは細胞のマイクロウエルの捕捉を加速させるために遠心分離機を用いて細胞に加重を加えてもよい。
基板221の材質には制限がなく、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、などの高分子材料、ガラス、シリコン、SiO、金、などの無機材料でもよいが、細胞培養用の材料として汎用されるポリスチレンがより好ましい。
基板221の表面は1つ1つの細胞を捕捉させるためのマイクロウエルが形成される。
マイクロウエルの形状は1つの細胞が捕捉されればその形状に特に制限はなく、円柱、四角柱、半球状、半楕円球状、などの形状から選択される。
円柱の形状が選択された場合、その直径は細胞202の直径と同等から1.5倍の大きさの間が好ましい。円柱の高さは直径と同等の大きさが好ましい。
例えば細胞202としてマウスより摘出単離された嗅細胞を用いた場合、マイクロウエルの直径および高さは10−20マイクロメートルの範囲で選択されることが好ましく、直径12マイクロメートル、高さ10マイクロメートルがより好ましい。
マイクロウエルを形成させる加工方法は基板の材質とマイクロウエルの大きさによって適宜選択され、射出成型加工、フォトリソグラフィ加工、エッチング加工、レーザー加工、などの加工方法が選択される。
工程(d)単一細胞を単離回収する工程
工程(c)において作製された細胞アレイ220から細管230を用いて単一の細胞が単離回収される。
図2に工程(d)の詳細な概念図が示される。
細管230は細胞回収溶液301が充填され、一端がポンプ303へ接続される。細胞アレイ220は細胞202が高分子溶液211を介して規則的に配列される。
細管230の中心部と目的細胞302の中心部を一致させ、マイクロウエルチャンバ基板表面より1から20マイクロメートル上方に細管230を配置させる。
ガラスキャピラリー先端を目的の嗅細胞の上方に配置された後に、キャピラリー内が陰圧に保持されて嗅細胞がガラスキャピラリー内へ捕捉される。ポンプ303によって細管内が陰圧にされ目的細胞302が細胞回収溶液301へ回収される。
細胞の回収を行う細管230は先端が先鋭化されたガラスキャピラリーに回収されることが好ましい。ガラスキャピラリーの先端直径は細胞202の直径と同等から1.5倍の大きさの間が好ましい。
例えば細胞202としてマウスより摘出単離された嗅細胞を用いた場合、キャピラリーの先端径は10から30マイクロメートルの間であることが好ましく、12−15マイクロメートルがより好ましい。
細胞回収液301の組成は基本的には生理的な条件に近い緩衝液が用いられる。具体的には工程(a)で用いられた細胞懸濁用の溶液201と同等であり、より具体的にはリンガー溶液が好ましい。
しかしながらその組成は細胞を回収した後に行う実験操作によって変更されうる。回収された細胞から細胞内組成物、具体的にはDNA、mRNA、タンパク質などを回収する場合、回収液301には界面活性剤、酸など細胞の溶解を促す溶液を加えてもよい。回収された単一細胞を培養する場合、牛血清(FBS)、必須アミノ酸、成長因子など細胞の成長を促進させる添加物を加えてもよい。
細管203と目的細胞302の位置あわせを行う方法は特に限定されず、細管230をマイクロマニピュレーターと接続させ細管230を目的細胞302へ移動させてもよいし、細胞アレイ220をXY電動ステージに配置させ、目的細胞302を細管230の下方に配置させてもよい。
以上の工程により、細胞アレイ上から1つの細胞の単離回収が実現される。
本実施例では、マウスより摘出された嗅細胞の単離回収方法について説明する。
工程(a):嗅細胞の懸濁液を取得する工程
1匹のマウスC57/BL6J(雌)が、日本エスエルシーより購入された。マウスは、3〜5週齢であった。
生理食塩水(大塚製薬より入手)により10倍に希釈された麻酔剤(ベントバルビタールナトリウム、100マイクロリットル、共立製薬より入手)が、1ミリリットルの注射針を用いて、マウスの腹腔に注射された。マウスは5分間、静置された。
麻酔剤が作用したことを確認した後、ハサミを用いて、マウスが断頭された。
マウス組織が壊死することを防ぐために、マウスの頭部が、50ミリリットルの容積を有するビーカー内に作製されたカルシウムフリーリンガー溶液のシャーベット中にすばやく浸漬された。マウスの頭部は、シャーベット中に5分間、浸漬された。
カルシウムフリーリンガー溶液は、以下の表1に示される組成を有していた。
Figure 2014083010
カルシウムフリーリンガー溶液に含有されるこれらの試薬は、和光純薬(株)より入手された。カルシウムフリーリンガー溶液は、7.2のpHを有していた。
このようにして冷却されたマウスの頭部が、深型ペトリ皿に用意されたカルシウムフリーリンガー溶液のシャーベットへ移された。その後、マウスの頭部が冷却されながら、マウスの頭部に含まれる嗅上皮組織が単離された。
単離された嗅上皮組織は、氷上で冷却されたカルシウムフリーリンガー溶液に分散された。このカルシウムフリーリンガー溶液は、表1に示される試薬だけでなく以下の表2に示される試薬をも有していた。このようにして、嗅上皮サンプル溶液が得られた。
Figure 2014083010
次に、嗅上皮サンプル溶液が、ローテーター(アズワン社から入手、商品名:MTR−103)を用いて室温で穏やかに攪拌された。この攪拌中では、タンパク質分解酵素であるパパインによって、タンパク質の分解反応が進んだ。
45分後、表3に示される試薬を含有するリンガー溶液(1600マイクロリットル)が嗅上皮サンプル溶液に添加され、パパインの酵素反応を停止した。
Figure 2014083010
上記リンガー溶液は、7.2のpHを有していた。
嗅上皮サンプル溶液は、セルストレーナー(BDファルコン社より入手、35マイクロメートルメッシュ)に、2回、通された。このようにして、大きな組織片が除去され、嗅細胞懸濁液を得た。
得られた嗅細胞懸濁液は、1000rpmの遠心分離に5分間、供された。上澄み液が除去された後に、5ミリリットルのリンガー溶液が新たに添加された。このようにして、嗅細胞サンプル溶液が得られた。
再度、細胞懸濁液は遠心分離され37℃のリンガー溶液へ置換された。この細胞懸濁液中の細胞濃度をトリパンブルー法により計測(BioRad Laboratries社から入手、商品名:TC−10)し、細胞濃度が8 x 10 cells/mLになるようリンガー溶液で希釈し嗅細胞サンプル溶液とした。
工程(b):高分子溶液を添加する工程
嗅細胞サンプル溶液へFluo−4 AM(同仁化学社より入手) およびPluronic F127(Molecular probe社より入手)がそれぞれ終濃度5μM、 0.02 wt% となるように加えられた。
工程(c):細胞アレイを作製する工程
嗅細胞アレイはスターライト工業社より入手されたマイクロウエルチャンバースライドで作製された。マイクロウエルチャンバースライドは、ポリスチレン基板上に直径12μm、深さ13μmのウエルが15μmおきに等間隔に配置された。
PluronicF127を含む嗅細胞サンプル溶液がマイクロウエルチャンバースライドに4x10 cells/slideとなるように滴下され、37℃、30分間培養された。
このスライドを遠心分離機へ設置し、7g、 1minの加重が3回加えられ嗅細胞をマイクロウエルへ捕捉させ、余分な嗅細胞を洗いながした後、嗅細胞アレイとした。
嗅細胞アレイを評価するために倒立型蛍光顕微鏡(オリンパス社より入手、商品名:IX−81)によってFluo4−AMによって染色された嗅細胞が観察された。Fluo−4 AM由来の蛍光が観察された領域を嗅細胞とした。
ここで、嗅細胞アレイを評価するために「充填率」と「占有率」の2つの指標が定義された。充填率は式1で定義され、
(式1) 充填率 = (マイクロウエルに捕捉された嗅細胞数)/(マイクロウエル数)x100
全マイクロウエル数に対して捕捉された嗅細胞数の割合を表す。
占有率は式2で定義され
(式2) 占有率 = (マイクロウエルに捕捉された嗅細胞数)/(視野内の全細胞数)x100
視野内に観察された全細胞に対してマイクロウエルに捕捉された細胞数の割合を示す。この数値が大きいほどマイクロウエル以外の領域への細胞の非特異的な吸着が少ないことを示している。
充填率、占有率それぞれ21.8±3.0%(N=4)、95.2±0.7%(N=4)であった。
工程(d):単一嗅細胞の単離
嗅細胞アレイから単一の嗅細胞を単離させるために、単一細胞回収装置(as one株式会社より入手、商品名:As onecell picker)が用いられた。
単一細胞回収装置は倒立型蛍光顕微鏡、CCDカメラ、XY電動ステージ、Z方向電動マニピュレータ、制御用PCから構成された。XY電動ステージ上にマイクロウエルチャンバースライドを配置させ、マイクロウエル内の細胞から生じる蛍光像をCCDを介して取得し、制御用にPCへ認識させた。制御用PCにおいて指定した任意のマイクロウエル内に存在する細胞を、Z方向電動マニピュレータに取り付けられたガラスキャピラリーによって回収が行われた。
ガラスキャピラリーはガラス管(Sutter Instruments Co.より入手、商品名:B150−86−10)よりキャピラリープラー(Sutter Instruments Co.より入手、商品名:P−97/IVF)を用いて作製された。ガラスキャピラリーの先端は12マイクロメートルの直径を有していた。
次に、ガラス管の尖った先端に、毛細管現象により表4に示される組成を有するリンガー溶液が充填された。
Figure 2014083010
このキャピラリーは目的の嗅細胞を含むウエルから8μm上方の位置に近接された後に、キャピラリー内が陰圧され目的の嗅細胞を含む溶液が0.5μLガラスキャピラリー内に回収された。
16細胞に対して各1回の回収操作が行われ、その結果15細胞が回収された。回収の効率を示す回収率を式3のように定義された。
(式3) 回収率 = (回収された細胞数)/(回収操作が行われた細胞数)x100
回収率は93.8%であった。
<比較例>
工程bにおいてPluronic F127を加えなかったこと以外は実施例1と同様の実験が行われた。
比較例において充填率、占有率、回収率はそれぞれ、14.3±2.0%(N=4)、63.0±4.5%(N=4)、37.5%であった。
図1は嗅細胞アレイを実施例と比較例を比較したものである。比較例と比べると実施例の方が嗅細胞の基板表面への非特異的な吸着が抑制され、ほぼすべての嗅細胞がマイクロウエル内に捕捉されたことが確認された。
図2は充填率、占有率、回収率をそれぞれ実施例と比較例で比較した図である。いずれの指標も実施例の方が比較例と比較して有意に大きいことが確認された。
以上より嗅細胞アレイの作製および嗅細胞の回収においてPluronic F127が有用な効果を示すことが確認された。
本発明にかかる・細胞単離回収方法は、高い充填率および高い回収率を有し、マイクロアレイ化された細胞からの単一細胞の回収方法等として有用である。また抗体医薬を目指した、抗体の高産生能を有する細胞のスクリーニング、細胞に発現させた受容体のスクリーニング等の用途にも応用できる。
100 マイクロ流体プローブ
101 吐出口
102 回収口
103 吐出用シリンジポンプ
104 回収用シリンジポンプ
105 回収された細胞
106 細胞剥離剤を含む緩衝液
107 吐出用チューブ
108 回収用チューブ
109 吐出用シリンジ
110 回収用シリンジ
200 細胞懸濁液
201 緩衝液
202 細胞
210 高分子溶液
211 高分子を含む細胞懸濁液
220 マイクロウエル基板
230 ガラスキャピラリ
301 回収用緩衝液
302 回収される細胞
303 真空ポンプ
304 高分子層

Claims (2)

  1. 規則的に配列されたマイクロウエル内に捕捉された細胞アレイの中から、1個の細胞を、単離回収する方法であって、以下の工程を含む細胞単離回収方法:
    (a) 細胞の懸濁液を取得する工程、
    (b) 細胞懸濁液に高分子溶液を添加する工程、
    (c) 工程(b)で得られた細胞懸濁液を、マイクロウエルを有した基板に滴下し細胞アレイを作製する工程、
    (d) 工程(c)において作製された基板上から選択的に単一の細胞を取得する工程。
  2. 工程(b)において細胞懸濁液に添加する高分子溶液の高分子がPluronic F127であり終濃度0.02 wt%になるように加えることを特徴とする、請求項1に記載の細胞単離回収方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018148830A (ja) * 2017-03-10 2018-09-27 次世代バイオ医薬品製造技術研究組合 細胞の分取方法

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