JP2014082175A - マスク及びイオンビーム照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオンビームの短辺方向に横ズレが生じたとしても、イオンビームの端部における遮蔽される量を一定以下に制御し、基板に対して常に正常なイオンビーム照射を可能とするマスク及びイオンビーム照射装置を提供する。
【解決手段】マスク5を、イオンビームIBのビーム進行方向からみて、ビーム断面の短辺側から長辺方向に延びており、イオンビームIBが遮蔽される遮蔽凸部及び前記遮蔽凸部に対してビーム断面における短辺方向に並んで形成されるビーム通過部とからなるシャッターパターンが複数形成されており、各シャッターパターンをビーム断面における短辺方向に対して所定周期で形成する。
【選択図】図1
【解決手段】マスク5を、イオンビームIBのビーム進行方向からみて、ビーム断面の短辺側から長辺方向に延びており、イオンビームIBが遮蔽される遮蔽凸部及び前記遮蔽凸部に対してビーム断面における短辺方向に並んで形成されるビーム通過部とからなるシャッターパターンが複数形成されており、各シャッターパターンをビーム断面における短辺方向に対して所定周期で形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ビーム断面の形状が長方形状のイオンビームについてその端部の照射量を調整するために用いられるマスク及びそのマスクを用いたイオンビーム照射装置に関するものである。
例えばフラットパネルディスプレイ等に用いられる基板は、生産性を向上させるために大型化が進んでいる。一方、イオン注入等に用いられるイオンビームのサイズを基板の大型化に合わせて大きくしていくことは難しいため、近年、リボン状イオンビームの長辺方向のサイズよりも基板における各辺のサイズのほうが大きくなっている。このため、大型の基板の全面に対してリボン状のイオンビームを照射する場合、特許文献1に示されるような2つのイオンビームを用いて基板の全面にイオンビームを照射する方法が用いられている。
特許文献1に記載されている従来のイオンビーム照射装置100Aについて図12を参照しながら説明する。なお、図12において基板Wに対して最初に照射されるイオンビームをIB(a)、後で照射されるイオンビームをIB(b)とし、一方のイオンビームIB(a)に関連する構成部材には数字とともに(a)を付与し、他方のイオンビームIB(b)に関連する構成部材には数字とともに(b)を付与している。また、特に区別する必要が無い場合には(a)、(b)については省略している。なお、図12においては、イオンビームIBの基板Wに対する入射方向をZ軸、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向をX軸、ビーム断面における長辺方向をY軸として設定し、X軸及びY軸により水平面が形成されるように座標軸を設定してある。
すなわち、特許文献1に記載のイオンビーム照射装置100Aは、図12(a)に示すようにイオン注入室1A(a)、1A(b)内に2本のリボン状のイオンビームIB(a)、IB(b)をそれぞれ導入するとともに、それぞれのイオンビームIB(a)、IB(b)の照射位置を上下方向(Y軸方向)にずらし、一方のイオンビームIB(a)の上端位置と、他方のイオンビームIB(b)の下端位置とが略同じ高さとなるように構成してある。そして、図12(b)に示すように起立させた基板Wをビーム断面における短辺方向(X軸方向)に移動させてそれぞれのイオンビームIB(a)、IB(b)を横切るように通過させることにより、一方のイオンビームIB(a)を基板Wの下側半分に照射するとともに、他方のイオンビームIB(b)を基板Wの上側半分に照射するようにして、基板WをイオンビームIB(a)、IB(b)に対して一度横切らせるだけで基板Wの全面にイオンビームIBが照射されるようにしてある。
ところで、リボン状のイオンビームIBは、中央部においては略一定の照射量となるものの、イオン同士に電荷による斥力が生じる等するため端部においては中央部と比べると照射量が小さくなだらかに変化することになる。したがって、単純に2本のイオンビームIBの上端と下端を同じ位置にすると基板Wの中央部におけるイオンビームIBの照射量が基板Wのその他の部分と比較すると所望の照射量から大きくずれることになる。そこで、特許文献1のイオンビーム照射装置100Aでは、イオンビームIB(a)、IB(b)のそれぞれに、ビーム断面における長辺方向の端部を整形するマスク5A(a)、5A(b)をそれぞれのイオンビームIB(a)、IB(b)の通過経路上に設けてある。これらのマスク5A(a)、5A(b)は、図12(b)(c)に示すように、ビーム断面における短辺方向に先端部分が斜めに傾斜した形状を有するものであり、ビーム断面における長辺方向にその位置を適宜設定することで、基板W中央部において他の部分と同程度の照射量が得られるようにしてある。
しかしながら、この特許文献1に示されている先端部分が斜めに傾斜した形状を有するマスク5Aの場合、例えばメンテナンス等によりイオンビームを生成するイオン源の取り付け位置等がわずかにずれて、その結果イオンビームの照射位置がビーム断面における短辺方向にずれると、図12(c)に示すようにマスクによる遮蔽量が大きく変化してしまう。より具体的には、先端部分が斜め形状となっているため、イオンビームが規定の照射位置から頂点側へとビーム断面における短辺方向に横ズレしている場合には、イオンビームの遮蔽量が単調に増加し続けることになる。逆にイオンビームが規定の照射位置から底辺側へとビーム断面における短辺方向に横ズレしている場合には、イオンビームの遮蔽量が単調に減少し続けることになる。そして、イオンビームの横ズレ量が大きくなるほど、遮蔽量の誤差が大きくなりつづけることになり、ひいては基板に対するイオンビームの照射量も基準値から大きくずれてしまうことになる。
このことから、イオンビームの横ズレ量が大きくなりすぎると、基板に照射されるイオンビームの均一性を保つことができなくなり、その結果基板の製造不良が発生することになる。
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、イオンビームの照射位置についてビーム断面における短辺方向に横ズレが生じたとしても、イオンビームの端部において遮蔽される量が変わらない、もしくは、所定の範囲内でしか遮蔽量が変動しないようにすることができ、基板に対して常に正常なイオンビーム照射を可能とするマスク及びこのマスクを用いたイオンビーム照射装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のマスクは、ビーム進行方向に直交する断面におけるビーム断面形状が概略長方形形状のイオンビームについて、ビーム断面における長辺方向の端部を遮蔽するように設けられるマスクであって、前記マスクをイオンビームのビーム進行方向から視た場合において、ビーム断面の一方の短辺側から長辺方向に延びており、イオンビームが遮蔽される遮蔽凸部及び前記遮蔽凸部に対してビーム断面における短辺方向に並んで形成されるビーム通過部とからなるシャッターパターンが複数形成されており、各シャッターパターンが、ビーム断面における短辺方向に対して所定周期ごとに並んで隣接するように形成されていることを特徴とする。
このようなものであれば、前記シャッターパターンがビーム断面における短辺方向に対して所定周期ごとに並んで隣接するように形成されているので、イオンビームの照射位置がビーム断面における短辺方向に横ズレしたとしても、あるシャッターパターンから別のシャッターパターンにイオンビームが照射されることになり、略同じ遮蔽量を得ることができる。
また、ビーム断面における短辺方向に周期的に遮蔽凸部及びビーム通過部が形成され、交互に表れることになるので、例えばイオンビームの横ズレ量が単調に増加していったとしても、ある遮蔽凸部において減少したイオンビームの遮蔽量は別の遮蔽凸部において増加することになり、遮蔽量の減少量と増加量が補い合うことになるので、イオンビームの遮蔽量を所定範囲内で周期的に変動させることができる。すなわち、イオンビームに横ズレが生じたとしてもイオンビームの遮蔽量の最大値と最小値を定めることができるので、イオンビームの基板に対する照射量の変動も基準範囲内に収めやすく、その照射量の均一性を保つことができるので、製造不良を起こしにくくすることができる。
イオンビームの照射位置についてビーム断面における短辺方向に横ズレを生じたとしても、マスクによりイオンビームの遮蔽量に略変動が生じず、常に一定の遮蔽量が得られるようにするには、前記シャッターパターンのビーム断面における短辺方向の幅寸法が、前記イオンビームのビーム断面における短辺方向の幅寸法を自然数で割った値となるように設定されていればよい。このように前記シャッターパターンの幅寸法をイオンビームの幅寸法に合わせて設定すれば、ある遮蔽凸部において減少した遮蔽量は隣接する遮蔽凸部において増加する遮蔽量と等しくなるので、イオンビームの横ズレ量の大きさによらず、常にイオンビームの遮蔽量を一定に保つことができる。
イオンビームの端部における遮蔽量の調整を行いやすく、例えば遮蔽凸部のある部分におけるイオンビームの照射量分布と、ビーム通過部におけるイオンビームの照射量分布の重ね合わせにより所望のイオンビームの照射量分布を形成しやすくするには、前記シャッターパターンが、矩形状の凹凸パターンであればよい。このようなものであれば、前記遮蔽凸部及び前記ビーム通過部のビーム断面における長辺方向の寸法及び短辺方向の幅寸法についてのそれぞれの比率といった複数の調節し易いパラメータがあるため、容易に所望の照射量分布を得ることができる。
前記遮蔽凸部又は前記ビーム通過部の大きさを適宜調節することができるようにするには、前記マスクが、前記イオンビームの進行方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された第1マスク部材及び第2マスク部材から構成されており、前記遮蔽凸部及び前記ビーム通過部が、前記イオンビームの進行方向から視た場合における前記第1マスク部材及び前記第2マスク部材の重ね合わせにより形成されていればよい。このようなものであれば、前記第1マスク部材及び前記第2マスク部材の重ね合わせ方を調節するだけで所望の遮蔽量を作ることができる。
イオンビームのビームライン上において1箇所のみ部材を設けるだけでイオンビームの端部の遮蔽量を適宜変更できるようしつつ、マスクにより占有される体積をできるだけ小さくするには、前記マスクが、第1マスク部材と、当該第1マスク部材からビーム断面における長辺方向に進退可能に設けられた第2マスク部材とから構成されており、前記遮蔽凸部が、前記第2マスク部材により形成されるものであればよい。
イオンビームの照射位置のズレに対して適宜マスク位置を調節することができ、初期状態における遮蔽量を所望の値に設定できるようにするには、前記マスクが、ビーム断面における長辺方向又は短辺方向に移動可能に構成されていればよい。
例えば、ビーム断面における長辺方向へのズレがイオンビームに生じたとしても、そのズレに合わせて予め定めた遮蔽量を実現できるようにするには、前記遮蔽凸部のビーム断面における長辺方向の長さ寸法を変更可能に構成されていればよい。
上述したようなマスクを用いたイオンビーム照射装置であれば、ビーム断面における短辺方向の横ズレがイオンビームに発生したとしても、遮蔽量に変動を生じさせない、もしくは、遮蔽量の変動の所定範囲内に抑えることができ、イオンビームの照射量の均一性を基準範囲内に収めることができる。従って、イオンビームの照射位置について横ズレが生じたとしても、イオンビームの照射量の均一性を保つことができ、不良の発生を抑えることができる。
このように本発明のマスク及びこのマスクを用いたイオンビーム照射装置であれば、前記シャッターパターンがビーム断面における短辺方向に周期的に並んで形成されているので、イオンビームの照射位置がビーム断面における短辺方向に横ズレしたとしても、その遮蔽量を少なくとも周期的に変動させて、ある範囲内での変動量とすることができ、基板に照射されるイオンビームの照射量分布を基準範囲内で収めることができる。つまり、イオンビームの照射位置の横ズレ量に関係なく、常に基準範囲内の均一性を有するイオンビームを基板に対して照射する事が可能となり、不均一性に由来する製品不良の発生を劇的に抑えることが可能となる。
本発明のマスク5及びこのマスク5を用いたイオンビーム照射装置100の第1実施形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。なお、参照する各図面においては、図12に設定したのと同様の座標軸が設定してあり、イオンビームIBの基板Wに対する入射方向をZ軸、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向をX軸、ビーム断面における長辺方向をY軸として設定し、X軸及びY軸により水平面が形成されるように座標軸を設定してある。
本実施形態のイオンビーム照射装置100は、図1(a)に示すように大型の基板Wを起立させた状態で図示において左側から右側へとX軸方向に搬送するとともに、2本のイオンビームIBによりそれぞれ基板Wの下半分と上半分にイオンビームIBを照射することで基板Wの全面に照射されるように構成してある。
すなわち、このイオンビーム照射装置100は、図示において左側から順番に大気圧下にある基板Wが搬入され、減圧されるロードロック室3と、第1待合室2と、基板Wの下半分にイオンビームIBが照射される第1処理室1(a)と、第2待合室2と、基板Wの上半分にイオンビームIBが照射される第2処理室1(b)と、第3待合室2と、真空圧から大気圧に開放されたのちに基板Wが搬出されるアンロードロック室4とから構成してある。各室は真空弁により接続されており、各待合室2は次の室内での処置が終わるまで基板Wを待機させておくためのものである。また、ロードロック室3及びアンロードロック室4以外の各部屋は、高真空に保たれている。
前記第1処理室1(a)及び第2処理室1(b)は、それぞれ別々のイオンビーム供給装置11(a)、11(b)から供給されるリボン状のイオンビームIB(a)、IB(b)が室内に導入されており、各イオンビームIB(a)、IB(b)の照射位置は図1(b)の前面図に示すようにその上下方向の位置を異ならせてある。より具体的には、第1処理室1(a)内に導入される第1イオンビームIB(a)は、搬送される基板Wの下半分に対応する位置に長辺方向が上下方向と一致するように照射されており、第2処理室1(b)内に導入される第2イオンビームIB(b)は、搬送される基板Wの上半分に対応する位置に長辺方向が上下方向と一致するように照射されている。
また、第1処理室1(a)には、第1イオンビームIB(a)の上端を整形するための第1マスク5(a)が設けてあり、第2処理室1(b)には第2イオンビームIB(b)の下端を整形するための第2マスク5(b)が設けてある。本実施形態では第1マスク5(a)及び第2マスク5(b)は同形状のものであり、対称となるように配置してある。また、各処理室1(a)、1(b)には、各マスク5(a)、5(b)を通過した後のイオンビームIBの照射量分布を取得するための測定部が設けてある。
次にマスク5の具体的な形状について説明する。なお、第1マスク5及び第2マスク5については同形状であるので、以下では共通のものとして説明する。また、特に区別する必要がない場合には数字の番号のみを振ることとする。
図2に示すように前記マスク5は、リボン状イオンビームIBの端部を整形するためのものであり、ビーム断面における短辺方向(X軸方向)に沿って視た場合に複数の概略矩形状の遮蔽凸部71が等間隔に並べて形成された櫛歯状となっているものである。言い換えると、このマスク5はビーム進行方向に直交する断面におけるビーム断面形状が概略長方形形状のイオンビームIBについて、ビーム断面における長辺方向(Y軸方向)の端部を遮蔽するように設けられるものである。そして、このマスク5の櫛歯部分において、その歯底よりも下側までイオンビームIBの端部が照射されるようにマスク5はイオンビームIBのビームライン上に配置してある。また、各遮蔽凸部71とその間に形成されるビーム通過部72が形成されているので、ビーム断面における短辺方向に沿って遮蔽量のグラフを描くとイオンビームIBの遮蔽量が階段関数状に不連続に変化することになる。
図2に示すように前記遮蔽凸部71は、イオンビームIBを遮蔽するビーム断面の一方の短辺側から長辺方向に延びる概略矩形状の部材であり、この遮蔽凸部71の隣にはビーム断面における短辺方向に並んで概略矩形状の空間であるビーム通過部72が形成してある。第1実施形態においてはこの1つの前記遮蔽凸部71と1つの前記ビーム通過部72により1つのシャッターパターン7が形成してある。
前記シャッターパターン7は、図2に示されるようにビーム断面における短辺方向に所定周期ごとに並んで隣接するように複数形成してある。この第1実施形態ではシャッターパターン7は4.5周期分だけビーム断面における短辺方向に並べて、その形状が繰り返されるように形成してある。またこのシャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法とイオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法とが等しくなるように設定してある。
また、図2に示すように前記シャッターパターン7により形成されるイオンビームIBの遮蔽部分は、前記遮蔽凸部71により形成される第1遮蔽部51と、前記ビーム通過部72の下部において形成される第2遮蔽部52とからなる。すなわち、前記第1遮蔽部51及び前記第2遮蔽部52のそれぞれにより遮蔽量の異なる2本の細リボン状のイオンビームが形成されているとも見ることができる。また、この第1遮蔽部51と第2遮蔽部52のビーム断面における長辺方向の長さ寸法、ビーム断面における短辺方向の幅寸法、それらの比率を組み合わせることにより、端部における所望のイオンビームIBの照射量の分布を第1遮蔽部51と第2遮蔽部52のそれぞれにより形成される照射量分布の重ね合わせにより形成してある。言い換えると、これらの第1遮蔽部51及び第2遮蔽部52の大きさは、前記遮蔽凸部71及び前記ビーム通過部72のビーム断面における長辺方向の長さ寸法及び短辺方向の幅寸法を調節することにより所望の照射量分布を得るようにしている。
次にこのように構成された櫛歯状のマスク5を用いることにより、イオンビームIBの照射位置にビーム断面における短辺方向の横ズレが生じた場合でもその遮蔽量及びイオンビームIBの基板Wに対する照射量が変動しないことについて図3を参照しながら説明する。なお、図3では、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法をIBW、シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の一周期分の幅寸法をSWとして記載している。
図3(a)に左側から2周期目のシャッターパターン7と合致するようにイオンビームIBが照射されている状態を基準状態とし、この位置から図3において右側にイオンビームIBの照射位置がビーム断面における短辺方向に移動した場合の遮蔽状態の変化について図3(b)〜(d)で示しており、図3(e)には横ズレ量とマスク遮蔽面積との関係を示すグラフを示している。また、以下の説明ではシャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の一周期分の幅寸法であるSWを基準として、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の横ズレ量を表現している。
図3(b)では、イオンビームIBの照射位置について0.25SW、すなわち、シャッターパターン7の1/4周期分だけ横ズレが生じている場合について示している。図3(a)と図3(b)を比較すると分かるように、図3(a)の基準状態において左側から2つ目の遮蔽凸部71において遮蔽されていたイオンビームIBの面積は、図3(b)においては半分に減少することになる。一方、イオンビームIBが横ズレしたことにより図3(a)においてはイオンビームIBを遮蔽していなかった左側から3つ目の遮蔽凸部71において、図3(b)に示すように遮蔽される面積が新たに発生することになる。また、3つ目の遮蔽凸部71において横ズレが発生したことにより新たに発生したマスク遮蔽面積は、2つ目の遮蔽凸部71において減少した分と同じ量である。さらに、ビーム通過部72の下部に形成されるマスク遮蔽面積については何ら変化が生じていないことから、全体でみるとイオンビームIBの照射位置に横ズレが生じたとしても、マスク遮蔽面積については何ら変化が生じない事が分かる。さらに、図3(a)においては前記遮蔽凸部71により形成される第1遮蔽部51と、前記ビーム通過部72により形成される第2遮蔽部52はそれぞれ1つずつ形成されているが、図3(b)においては、図3(a)と同形状の第2遮蔽部52と、図3(a)の第1遮蔽部51に対して半分ずつに分割された2つの第1遮蔽部51とが形成されていることが分かる。すなわち、単純にマスク遮蔽面積が変化していないだけでなく、その遮断形状も実質的に等価であることも分かる。このことからイオンビームIBに横ズレが生じる前後の状態において、イオンビームIBの端部における照射量分布は略等しい状態となることも分かる。
さらに、図3(c)、図3(d)にイオンビームIBに横ズレ量が0.5SW、0.75SWだけ生じた場合のマスク遮蔽面積の変化について示しているが、図3(b)において説明したのと同様に、イオンビームIBの横ズレ量と関係なく、一定の遮蔽量となっており、しかもその遮蔽形態も実質的に等価であることが分かる。
図3(b)〜図3(d)において示したイオンビームIBに横ズレが生じている状態以外の場合でも同様の現象が生じることはこれらの例から明らかであり、図3(e)のグラフに示すように横ズレ量を単調増加させた場合でも、マスク5により遮蔽量は一定値に保ち続けられることになる。
これらのことから、第1実施形態のマスク5のようにシャッターパターン7を所定周期ごとに隣接させてビーム断面における短辺方向に並べて配置するとともに、前記シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法と前記イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法を等しくすることにより、イオンビームIBの照射位置に横ズレが生じたとしても常に一定の遮蔽量及び遮蔽形態を保つことができることが分かる。従って、イオンビームIBの照射位置に横ズレが発生したとしても、イオンビームIBの端部における照射量分布にはほとんど変化が表れず、常に基準範囲内の照射量分布に保つことができる。従って、基板Wに照射されるイオンビームIBの照射量分布の均一性を常に保つことができ、基板Wにおける不良発生を防ぐことができる。
次に第1実施形態のマスク5について変形例を説明する。以下の説明では第1実施形態と同形状のマスク5を用いるとともに、シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法であるSWとイオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法であるIBWとの関係を変化させたものについて説明する。
図4に第1実施形態のマスク5の第1変形例を示す。この第1変形例はシャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法SWに対して、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWが2倍の2SWである場合について示す。言い換えると、このシャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法SWは、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWを基準として考えると1/2倍した幅寸法に設定してある。
この第1変形例の場合でも図4(a)の基準状態からイオンビームIBの照射位置がビーム断面における短辺方向に0.25SW、0.5SW、0.75SWだけ横ズレした状態を示す図4(b)、(c)、(d)から明らかなように横ズレに対してマスク5による遮蔽面積及びその遮蔽形態は変化していないことが分かる。従って、この第1変形例でも第1実施形態と同様に図4(e)に示すように横ズレ量に対してマスク遮蔽面積は常に一定値を取り、同様の効果が得られることが分かる。さらに一般化すると、シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法SWに対して、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWがSWの自然数倍で表せる場合、同様の効果を得ることができる。言い換えると、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWに対して自然数分の1の値にシャッターパターン7の幅寸法SWを設定することにより、イオンビームIBの照射位置の横ズレ量に関わらず常に一定の遮蔽量を得ることができる。
次に、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWが1.25SWである場合の第2変形例について図5を参照しながら説明する。図5(a)の基準状態から図5(b)(c)(d)に示すようにイオンビームIBの照射位置をビーム断面における短辺方向に0.25SW、0.5SW、0.75SWだけずらしていくと、図5(a)から図5(b)に変化している間は、遮蔽量に変化はなく、第1実施形態と略同じ状態となる。しかしながら、図5(b)から図5(c)に変化する過程において遮蔽量が減少し、図5(c)から図5(d)に変化する間は減少した遮蔽量で一定に保たれることになる。さらに図5(d)からシャッターパターン7の一周期分まで横ズレ量が発生する間は、遮蔽量が増加してくことになり基準状態の遮蔽量に戻るまで増加が続くことになる。
したがって、図5(e)のグラフに示すようにイオンビームIBに横ズレが単調増加で生じた場合でも所定の最大遮蔽量と最小遮蔽量との間で、イオンビームIBの遮蔽量は周期的に変動する事が分かる。言い換えると、イオンビームIBの横ズレに対して遮蔽量の変動は常に所定の範囲内でのみ生じるので基板Wに照射されるイオンビームIBの照射量の変動も所定範囲内に収めることができ、照射量を基準範囲内にして実質的に均一とすることができる。
また、図6に示すようにイオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWを1.5SWにした第3変形例の場合も、図6(a)、(b)、(c)、(d)に示すようにイオンビームIBの横ズレ量を単調増加させていくと、マスク5の遮蔽量は増加、減少を交互に周期的に繰り返すことになり、図6(e)のグラフからも分かるように遮蔽量の最大値と最小値が定まることが分かる。
図5及び図6に示した第2変形例及び第3変形例のように、シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法SWが、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法IBWに対して自然数分の1倍でなかったとしても、横ズレ量に対する遮蔽量の変動を所定の範囲内に収められることが分かる。すなわち、シャッターパターン7をビーム断面における短辺方向に並べて隣接するように形成し、各遮蔽凸部71とビーム通過部72が交互に周期的に表れるように構成することだけでも、遮蔽量の変動をある基準範囲内に収めることができ、基板Wに照射されるイオンビームIBの照射量を基準範囲内に設定することができる。従って、このような変形例であっても同様に基板Wの不良発生を防ぐことができる。また、このような遮蔽量の変動幅については、遮蔽凸部71とビーム通過部72のビーム断面における短辺方向の幅寸法を小さくし、単位長さ当たりに表れるシャッターパターン7の周期数を多くするほど低減することができる。
次に第2実施形態のマスク5について図7を参照しながら説明する。
第1実施形態のマスク5は1つの部材によって前記遮蔽凸部71及び前記ビーム通過部72の寸法や形状を決定していたが、第2実施形態では2つの別体のマスク部材5a、5bによって各遮蔽凸部71また各ビーム通過部72の大きさ及び形状を調節可能に構成してある。
より具体的には、図7(a)に示すようにイオンビームIBのビームライン上においてそれぞれ異なる位置に第1マスク部材5aと、第2マスク部材5bが設けてあり、これらのマスク部材5a、5bについてのイオンビームIBの進行方向から視た場合の重なり具合によって、前記遮蔽凸部71及び前記ビーム通過部72の寸法又は形状を調節できるようにしてある。
すなわち、図7(a)に示すように第1マスク部材5aは、3つの遮蔽凸部71がイオンビームIBのビーム断面における短辺方向に所定間隔ごとに並べて設けられた形状をなしており、第2マスク部材5bは概略長方形状の面板部を有し、少なくとも前記各遮蔽凸部71の間に形成されるビーム通過部72に対して重なるようにビームライン上に配置してある。そして、前記第2マスク部材5bは、イオンビームIBのビーム断面における長辺方向に対して移動可能に構成してあり、前記各ビーム通過部72のビーム断面における長辺方向の寸法を変更することができる。従って、遮蔽凸部71のビーム断面における長辺方向の寸法とビーム通過部72のビーム断面における長辺方向の寸法との比率等を調節することができ、基板Wに照射されるイオンビームIBの照射量分布を所望のものとすることができる。
また、ビームライン上の異なる位置に各マスク部材5a、5bを配置するのではなく、1箇所に各マスク部材5a、5bを配置するとともに、前記遮蔽凸部71及び前記ビーム通過部72の寸法や形状を適宜調節可能にするには、図7(b)に示すように、概略直方体形状をなす第1マスク部材5aの一側面から複数の第2マスク部材5bが遮蔽凸部71としてイオンビームIBのビーム断面における長辺方向に対して進退可能に設けてあればよい。このようなものであれば、マスク5の設置スペースを少なくするとともに、前記第2マスク部材5bの進退量を調節することで前記遮蔽凸部71のビーム断面における長辺方向の寸法及び、それらの間に形成されるビーム通過部72のビーム断面における長辺方向の寸法を適宜調節し、所望の照射量分布で基板Wに対してイオンビームIBを照射する事が可能となる。
次に本発明の第3実施形態のマスク5について図8を参照しながら説明する。
図7に示した第2実施形態のマスク5では、第2マスク部材5bをイオンビームIBのビーム断面における長辺方向に対して移動可能に構成してマスク5としての特性を変化させられるようにしていたが、図8に示す第3実施形態のマスク5では第2マスク部材5bをイオンビームIBのビーム断面における短辺方向に移動可能に構成することで、そのシャッターパターン7の形状及び寸法を変更し、遮蔽特性を変化させられるようにしてある。
より具体的には、第3実施形態のマスク5は、第1マスク部材5aと第2マスク部材5bが同形状であり、ビーム断面における短辺方向に第2マスク部材5bをずらしていくことによりそのシャッターパターン7の形状を変化させるものである。
第1マスク部材5a及び第2マスク部材5bのシャッターパターン7について説明する。この第3実施形態のシャッターパターン7は、2つのそれぞれ形状の異なる遮蔽凸部71と、2つのビーム通過部72の組み合わせを1周期としているものである。より具体的には、各遮蔽凸部71はビーム断面における短辺方向の幅寸法がdであり、一方の遮蔽凸部71のビーム断面における長辺方向の寸法を他方の遮蔽凸部71のビーム断面における長辺方向の寸法よりも大きくしてある。また、ビーム通過部72のビーム断面における短辺方向の幅寸法はd/2に設定してある。そして、図8に示すように左側からビーム断面における長辺方向の寸法が長い方の遮蔽凸部71、1つ目のビーム通過部72、ビーム断面における長辺方向の寸法が短い方の遮蔽凸部71、2つ目のビーム通過部72の順番で前記シャッターパターン7が形成してある。言い換えると、この第3実施形態では1つのシャッターパターン7において、遮蔽凸部71とビーム通過部72により3つの異なる高さのステップが形成してあることになる。
このように構成された同形状の第1マスク部材5a及び第2マスク部材5bを完全に重ね合わせている場合には、図8(a)に示すように3ステップシャッターとすることができるとともに、第2マスク部材5bを完全合致している状態からビーム断面における短辺方向にd/2だけ移動させると、図8(b)に示すように各遮蔽凸部71の間にあるビーム通過部72の一部が閉塞されることになり、1つのシャッターパターン7に遮蔽凸部71とビーム通過部72が1つずつ形成された2ステップシャッターへと変化させることができる。すなわち、第3実施形態のマスク5であれば第1マスク部材5a及び第2マスク部材5bのビーム断面における短辺方向の相対位置を変化させることにより遮蔽条件を大きく変化させることができるので、例えば基板Wに照射したい照射量分布に応じて適宜シャッターパターン7の態様を変化させることができ、より好ましいイオンビームIBの照射が可能となる。
次に第3実施形態の変形例について図9を参照しながら説明する。
この変形例では、第2マスク部材5bをイオンビームIBのビーム断面における短辺方向に移動させることにより、シャッターパターン7の周期を変更できるように構成したものである。より具体的には、図9(a)に示すように第1マスク部材5a及び第2マスク部材5bは、ビーム断面における短辺方向の幅寸法dを有する遮蔽凸部71を複数有し、各遮蔽凸部71の間にビーム断面における短辺方向の幅寸法3dを有するビーム通過部72が形成されたものである。そして、第1マスク部材5a及び第2マスク部材5bは、図9(b)に示すようにイオンビームIBの進行方向から視て、前記第1マスク部材5a及び第2マスク部材5bの各遮蔽凸部71が隣接するように配置した場合には、シャッターパターン7の周期がSWとなるようにしてある。さらに、第2マスク部材5bをビーム断面における短辺方向に移動させて、第1マスク部材5aのビーム通過部72の中心軸線と、第2マスク部材5bの遮蔽凸部71の中心軸線が合致させるようにすると、図9(c)に示すようにシャッターパターン7の周期を0.5SWに変更することができる。
つまり、このように図9に示すマスク5であれば適宜2つのシャッターパターン7の周期及び幅寸法に変更することができるので、例えば、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法が変更された場合であっても、その変更に合わせてシャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の幅寸法に対してイオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法が整数倍となるように設定する事が可能となる。従って、イオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法が変化するような場合であってもイオンビームIBの横ズレに対して常にマスク5による遮蔽量が変化しないようにすることも可能となる。
なお、図9の変形例においては第1マスク部材5aと第2マスク部材5bの遮蔽凸部71のビーム断面における長辺方向の寸法は同じ長さ寸法に設定してあるが、各マスク部材5a、5bの遮蔽凸部71のビーム断面における長辺方向の寸法を異ならせておき、各マスク部材5a、5bの相対位置を変更するようにしても構わない。
次に本発明の第4実施形態のマスク5について図10を参照しながら説明する。
前記各実施形態では、シャッターパターン7中の遮蔽凸部71及びビーム通過部72は常に同じ順番で配置されていたが、第4実施形態で示すように、2周期分のシャッターパターン7が鏡像対称となるようにビーム断面における短辺方向に並んで配置されていてもよい。このようなものであっても、イオンビームIBの照射位置に横ズレが生じたとしても、遮蔽量に変動が生じないようにする、あるいは、変動量をある最大値と最小値との間で周期的に変化するようにでき、基板Wに照射されるイオンビームIBの照射量分布の均一性を保つのに用いることができる。
その他の実施形態について説明する。
図11に示すように、シャッターパターン7中における遮蔽凸部71及びビーム通過部72の形状はイオンビームIBの進行方向から視た場合において矩形状に限られるものではなく、例えば遮蔽凸部71が傾斜部分を有している、あるいは、曲線で構成されていてもよい。また、前記ビーム通過部72は2つの遮蔽凸部71に挟まれて決まる形状をしていればよい。また、遮蔽凸部71とビーム通過部72が形成されたシャッターパターン7が周期性を有してビーム断面における短辺方向に並んで配置されているものであれば、前記各実施形態で説明したような効果を享受することができる。さらに、シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の一周期の幅寸法をイオンビームIBのビーム断面における短辺方向の幅寸法に対して前記各実施形態に示したものよりも小さく設定してもよい。シャッターパターン7のビーム断面における短辺方向の一周期の幅寸法を小さく設定すればするほど、イオンビームIBに横ズレが生じた場合に生じる遮蔽量の変動量を小さくすることができる。
前記実施形態では2本のイオンビームIBを上下に並べる場合の重なり部分の均一性を向上させる目的で前記マスク5を用いていたが、例えば多面取りを行う場合の分割帯の幅を小さくできるように前記遷移領域幅を所望の値となるようにするためにマスク5を用いても構わない。また、1本のイオンビームIBしか用いない場合において端部の整形を行うために本発明のマスク5を用いても構わない。
ビーム断面における短辺方向にイオンビームの照射位置がずれている場合、マスクに対するイオンビームの照射角度も変化している恐れがある。この照射角度の変動によりビームプロファイルに変化が生じて均一性等が保てなくなるのを防ぐには、前記マスクをビーム断面における長辺方向に延びる軸を回転軸として回転可能に構成すればよい。このようなものであれば、照射角度が常に同じ状態となるように調節することが可能となり、照射角度の変動による影響を受けなくすることができる。
本発明のイオンビーム照射装置は、例えばイオン注入装置、イオンドーピング装置、イオンビームデポジション装置、イオンビームエッチング装置等様々な用途を含む概念である。要するにリボン状のイオンビームの端部を基板上に照射したり、端部の重ね合わせが問題になったりする用途であれば適用可能である。また、基板としては半導体基板に限られるものではなく、シリコンウェーハや、ガラス基板やその他のイオンビームが照射される板状のものであってもよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、様々な変形や実施形態の組み合わせを行ってもかまわない。
5 :マスク
5a :第1マスク部材
5b :第2マスク部材
7 :シャッターパターン
71 :遮蔽凸部
72 :ビーム通過部
100 :イオンビーム照射装置
IB :イオンビーム
W :基板
5a :第1マスク部材
5b :第2マスク部材
7 :シャッターパターン
71 :遮蔽凸部
72 :ビーム通過部
100 :イオンビーム照射装置
IB :イオンビーム
W :基板
Claims (8)
- ビーム進行方向に直交する断面におけるビーム断面形状が概略長方形形状のイオンビームについて、ビーム断面における長辺方向の端部を遮蔽するように設けられるマスクであって、
前記マスクをイオンビームのビーム進行方向から視た場合において、
ビーム断面の一方の短辺側から長辺方向に延びており、イオンビームが遮蔽される遮蔽凸部及び前記遮蔽凸部に対してビーム断面における短辺方向に並んで形成されるビーム通過部とからなるシャッターパターンが複数形成されており、
各シャッターパターンが、ビーム断面における短辺方向に対して所定周期ごとに並んで隣接するように形成されていることを特徴とするマスク。 - 前記シャッターパターンのビーム断面における短辺方向の幅寸法が、前記イオンビームのビーム断面における短辺方向の幅寸法を自然数で割った値となるように設定されている請求項1記載のマスク。
- 前記シャッターパターンが、矩形状の凹凸パターンである請求項1又は2記載のマスク。
- 前記マスクが、前記イオンビームの進行方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された第1マスク部材及び第2マスク部材から構成されており、
前記遮蔽凸部及び前記ビーム通過部が、前記イオンビームの進行方向から視た場合における前記第1マスク部材及び前記第2マスク部材の重ね合わせにより形成されている請求項1乃至3いずれかに記載のマスク。 - 前記マスクが、第1マスク部材と、当該第1マスク部材からビーム断面における長辺方向に進退可能に設けられた第2マスク部材とから構成されており、
前記遮蔽凸部が、前記第2マスク部材により形成される請求項1乃至3いずれかに記載のマスク。 - 前記マスクが、ビーム断面における長辺方向又は短辺方向に移動可能に構成されている請求項1乃至5いずれかに記載のマスク。
- 前記遮蔽凸部のビーム断面における長辺方向の長さ寸法を変更可能に構成されている請求項1乃至6いずれかに記載のマスク。
- 請求項1乃至7いずれかに記載のマスクを用いたイオンビーム照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012231236A JP2014082175A (ja) | 2012-10-18 | 2012-10-18 | マスク及びイオンビーム照射装置 |
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ID=50786165
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014082175A (ja) |
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