JP2014081978A - 検査装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体及び記録再生装置の検査を行う。
【手段】検査装置(200)は、所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報(110)が記録されている記録媒体(100)及び記録再生装置(300)を検査する検査装置であって、記録再生装置による第1再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出手段(210)と、記録再生装置による第2再生条件での第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出手段(210)と、第2エラー量及び第3エラー量に基づいて、記録媒体及び記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別手段(220)とを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、例えば光ディスク等の記録媒体及びこのような記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査装置及び検査方法の技術分野に関する。
このような記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査装置として、例えば特許文献1に開示された検査装置が提案されている。具体的には、特許文献1には、記録層が1層である第1のテストディスクと、記録層が2層である第2のテストディスクとを用いて、記録再生装置が備える光ピックアップ装置を検査する検査装置が開示されている。つまり、特許文献1には、複数のテストディスクを用いて、記録再生装置が備える光ピックアップ装置を検査する検査装置が開示されている。
特開2009−170022号公報
本発明は、このような従来の検査装置に対して、新たな手法で、記録媒体及び記録再生装置の検査を行うことを可能とならしめる検査装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、検査装置は、所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報が記録されている記録媒体及び当該記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査装置であって、前記記録再生装置による第1再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出手段と、前記記録再生装置による前記第1再生条件よりも悪化した第2再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出手段と、前記第2エラー量及び前記第3エラー量に基づいて、前記記録媒体及び前記記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別手段と備える。
上記課題を解決するために、検査方法は、所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報が記録されている記録媒体及び当該記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査方法であって、前記記録再生装置による第1再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出工程と、前記記録再生装置による前記第1再生条件よりも悪化した第2再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出工程と、前記第2エラー量及び前記第3エラー量に基づいて、前記記録媒体及び前記記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別工程と備える。
光ディスクの外観形状の一例を示す平面図及び光ディスクのデータ構造を示すデータ構造図である。 検査装置の構成を、記録再生装置の構成と共に示すブロック図である。 検査装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本願発明者等の実験結果を示すグラフであって、光ディスクのチルト量を調整しながら第1検査情報を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示すグラフである。 本願発明者等の実験結果を示す表であって、光ディスクのチルト量を調整しながら第1検査情報を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示す表である。 本願発明者等の実験結果を示すグラフであって、再生パワーを調整しながら第1検査情報及び第2検査情報を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示すグラフである。 本願発明者等の実験結果を示すグラフであって、再生パワーを調整しながら第1検査情報及び第2検査情報を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示す表である。 第1変形例の検査装置の構成を示すブロック図である。 第1変形例の検査装置の動作の流れを示すフローチャートである。 第2変形例の検査装置の動作の流れを示すフローチャートである。
以下、検査装置及び方法の実施形態について順に説明する。
(検査装置の実施形態)
<1>
本実施形態の検査装置は、所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報が記録されている記録媒体及び当該記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査装置であって、前記記録再生装置による第1再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出手段と、前記記録再生装置による前記第1再生条件よりも悪化した第2再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出手段と、前記第2エラー量及び前記第3エラー量に基づいて、前記記録媒体及び前記記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別手段と備える。
本実施形態の検査装置によれば、第1情報が記録されている記録媒体を用いて、記録媒体及び記録再生装置を検査することができる。
ここで、記録媒体に記録されている第1情報は、所定の再生条件での再生時(更には、記録媒体及び記録再生装置が劣化していないという状況下での再生時)に、第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された情報である。従って、記録媒体の劣化や記録再生装置の劣化が生じていなければ、記録再生装置が所定の再生条件で第1情報を再生する際には、第1エラー量と概ね同一のエラー量が検出される。一方で、記録媒体の劣化や記録再生装置の劣化が生じている場合には、記録再生装置が所定の再生条件で第1情報を再生したとしても、第1エラー量とは異なるエラー量が検出されることがある。
尚、所定の再生条件は、典型的には、規格によって定められた要求を満たす好適な再生条件(より好ましくは、最適な再生条件)であることが好ましい。
このような記録媒体を用いて記録媒体及び記録再生装置を検査するために、本実施形態の検査装置は、第1検出手段、第2検出手段及び判別手段を備えている。
第1検出手段は、記録再生装置による第1再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する。尚、記録再生装置による第1再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量は、仮に第1再生条件が所定の再生条件と一致すると仮定しても、第1エラー量と一致するとは限らない。というのも、記録媒体の劣化の度合いや記録再生装置の劣化の度合いに応じて、エラー量が変化し得るからである。
一方で、第2検出手段は、記録再生装置による第2再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する。第2再生条件は、第1再生条件よりも悪化した再生条件である。尚、後に詳述するように、再生条件が相対的に悪化した状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生は、再生条件が相対的に良好な状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生と実質的には等価である。従って、第2検出手段は、相対的に再生品質が良好な第1情報の相対的に悪化した第2再生条件での再生時に検出される第2エラー量を検出することで、実質的には、相対的に再生品質が悪化した第2情報(例えば、第1エラー範囲よりも悪化している第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された情報)の相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出される第2エラー量を検出していると言える。
ここで、本願発明者等の実験により、相対的に良好な再生品質で記録された(つまり、相対的に小さい第1エラー量を有するように記録された)第1情報は、記録再生装置の劣化(例えば、記録再生装置が備える光ピックアップの汚れ)に応じて、再生時に検出されるエラー量が変動しにくい(典型的には、劣化の度合いが大きくなっても悪化しにくい)情報であることが確認された。一方で、相対的に劣った再生品質で記録された(つまり、相対的に大きい第4エラー量を有するように記録された)第2情報は、記録再生装置の劣化に応じて、再生時に検出されるエラー量が変動しやすい(典型的には、劣化の度合いが大きいほど悪化していく)情報であることが確認された。他方で、第1情報及び第2情報は、いずれも、記録媒体の劣化に応じて、再生時に検出されるエラー量が変動しやすい(典型的には、劣化の度合いが大きいほど悪化していく)情報であることが確認された。このため、仮に記録媒体に第1情報及び第2情報の双方が記録されているとすると、記録再生装置による第1情報の再生時に検出されるエラー量が第1エラー範囲に含まれている(或いは、第1エラー量よりも悪化していない)一方で、記録再生装置による第2情報の再生時に検出されるエラー量が第4エラー量よりも悪化している場合には、記録再生装置が劣化している可能性が高いと推測される。一方で、記録再生装置による第1情報の再生時に検出されるエラー量が第1エラー範囲に含まれていない(或いは、第1エラー量よりも悪化している)場合には、記録媒体が劣化している可能性が高いと推測される。
しかるに、本実施形態では、記録媒体には、相対的に再生品質が良好な第1情報が記録されている一方で、相対的に再生品質が悪化した第2再生情報が記録されていない。しかるに、上述したように、相対的に悪化した第2再生条件での相対的に再生品質の良好な第1情報の再生が、相対的に良好な第1再生条件での相対的に再生品質が劣っている第2情報の再生と実質的には等価になる。このような再生状態の等価を考慮すれば、上述した本願発明者等の実験により、相対的に良好な再生品質で記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しにくい情報であることが確認されたとも言える。また、相対的に良好な再生品質で記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に悪化した第2再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しやすい情報であることが確認されたとも言える。また相対的に良好な再生品質で記録された第1情報は、記録媒体の劣化に応じて、相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出されるエラー量及び相対的に悪化した第2再生条件での再生時に検出されるエラー量の双方が変動しやすい情報であることが確認されたとも言える。そうすると、記録再生装置による第1再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量が第1エラー範囲に含まれている(或いは、第1エラー量よりも悪化していない)一方で、記録再生装置による第2再生条件での第1情報の再生時に検出される第3エラー量が第4エラー量よりも悪化している場合には、記録再生装置が劣化している可能性が高いと推測される。一方で、記録再生装置による第1再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量が第1エラー範囲に含まれていない(或いは、第1エラー量よりも悪化している)場合には、記録媒体が劣化している可能性が高いと推測される。
このように、本実施形態の検査装置は、記録再生装置による第1再生条件での第1情報の再生時に検出される第2エラー量及び記録再生装置による第2再生条件での第1情報の再生時に検出される第3エラー量に基づいて、記録媒体が劣化しているのか又は記録再生装置が劣化しているのかを個別に判別することができる。つまり、本実施形態の検査装置は、上述した記録媒体を用いて、記録媒体及び記録再生装置を好適に検査することができる。
加えて、本実施形態の検査装置によれば、記録媒体には、相対的に再生品質の良好な第1情報が記録されていれば足りる。言い換えれば、記録媒体には、相対的に再生品質の良好な第1情報及び相対的に再生品質の悪化した第2情報の双方が記録されていなくともよい。この場合であっても、本実施形態の検査装置は、再生条件を変更することで、実質的には、相対的に再生品質の良好な第1情報及び相対的に再生品質の悪化した第2情報の双方が記録媒体に記録されている状況を仮想的に作り出すことができる。従って、本実施形態の検査装置は、相対的に再生品質の良好な第1情報が記録された記録媒体(つまり、相対的に再生品質の悪化した第2情報が記録されていない記録媒体)を用いて、記録媒体及び記録再生装置を好適に検査することができる。
<2>
本実施形態の検査装置の他の態様では、前記判別手段は、前記第2エラー量が前記第1エラー範囲に含まれなくなっている場合には、前記記録媒体が劣化していると判別する。
この態様によれば、上述したように、相対的に良好な再生品質で記録された(つまり、相対的に小さい第1エラー量を有するように記録された)第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しにくい情報である。従って、第2エラー量が第1エラー範囲に含まれなくなる程度に第1情報の再生品質が悪化した原因は、記録再生装置の劣化ではなく、記録媒体の劣化である可能性が相対的に高いと推測される。なぜならば、記録再生装置が劣化したとしても、第2エラー量が第1エラー範囲に含まれなくなる程度に第1情報の再生品質が悪化することは殆どないからである。従って、判別手段は、記録媒体の劣化を好適に判別することができる。
<3>
本実施形態の検査装置の他の態様では、前記第1エラー範囲は、前記所定の再生条件での前記第1情報の再生時に、エラー訂正処理によって前記第1情報の再生エラーの訂正が開始されない程度に小さいエラー量を含むエラー範囲である。
この態様によれば、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報は、記録再生装置の劣化の有無に応じて、相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しにくい情報となる。従って、上述した各種効果が好適に享受される。
尚、「エラー訂正処理によって再生エラーの訂正が開始されない」状態とは、例えば、再生エラーの訂正を行うまでもなく第1情報を再生することができる状態を意味する。このような「第1情報のエラー訂正処理によって再生エラーの訂正が開始されない程度に小さいエラー量を含むエラー範囲」は、典型的には、記録媒体の規格によって定められた好ましいスペックに相当するエラー範囲である。
<4>
本実施形態の検査装置の他の態様では、前記第2再生条件は、前記記録再生装置に関連する動作パラメータを変更することで実現される。
この態様によれば、第1再生条件よりも悪化した第2再生条件が比較的容易に実現される。
尚、記録再生装置に関連する動作パラメータとして、例えば、記録媒体そのもののチルト量や、記録再生装置が備える対物レンズのチルト量や、記録再生装置が備えるピックアップ装置のデフォーカス量や、記録再生装置が備える光学部品又は電気部品の位置(例えば、ビームエキスパンダの位置)や、記録再生装置が備える電気部品の動作点(例えば、液晶チルト素子の動作状態)等が一例としてあげられる。
<5>
本実施形態の検査装置の他の態様では、前記第2再生条件は、前記第2再生条件での前記第1情報の再生が、前記所定の再生条件での再生時に前記第1エラー範囲よりも悪化している第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態を実現可能な再生条件である。
この態様によれば、第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報の相対的に悪化した第2再生条件での再生が、第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の相対的に良好な第1再生条件での再生と等価になる。つまり、相対的に悪化した第2再生条件での相対的に再生品質の良好な第1情報の再生が、相対的に良好な第1再生条件での相対的に再生品質が劣っている第2情報の再生と実質的には等価になる。従って、本実施形態の検査装置は、再生条件を変更することで、実質的には、相対的に再生品質の良好な第1情報及び相対的に再生品質の悪化した第2情報の双方が記録媒体に記録されている状況を仮想的に作り出すことができる。従って、本実施形態の検査装置は、相対的に再生品質の良好な第1情報が記録された記録媒体(つまり、相対的に再生品質の悪化した第2情報が記録されていない記録媒体)を用いて、記録媒体及び記録再生装置を好適に検査することができる。
<6>
上述の如く第2再生条件での第1情報の再生が、所定の再生条件での再生時に第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態が実現される検査装置の態様では、前記第2エラー範囲は、前記所定の再生条件での前記第2情報の再生時に、エラー訂正処理によって前記第2情報の再生エラーの訂正が開始されると共に前記エラー訂正処理によって前記再生エラーの訂正が可能な程度の大きさのエラー量を含むエラー範囲である。
この態様によれば、相対的に悪化した第2再生条件での相対的に再生品質の良好な第1情報の再生が、このような第2エラー範囲に含まれる第2エラー量が検出される第2情報の再生と等価になる。このため、相対的に良好な再生品質で記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に悪化した第2再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しやすい情報となる。従って、上述した各種効果が好適に享受される。
尚、「エラー訂正処理によって再生エラーの訂正が開始されると共にエラー訂正処理によって再生エラーの訂正が可能な程度の大きさのエラー量を含むエラー範囲」は、例えば、再生エラーの訂正が不可能になる直前のエラー量を上限とするエラー範囲になる。
<7>
上述の如く第2再生条件での第1情報の再生が、所定の再生条件での再生時に第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態が実現される検査装置の態様では、前記判別手段は、前記第2エラー量が第1エラー範囲に含まれており且つ前記第3エラー量が前記第4エラー量よりも悪化している場合には、前記記録再生装置が劣化していると判別する。
この態様によれば、第3エラー量が第4エラー量よりも悪化する程度に第1情報の再生品質が悪化した原因は、記録再生装置の劣化及び記録媒体の劣化の少なくとも一方であると推測される。一方で、この態様では、第2エラー量が第1エラー範囲に含まれなくなる程度に第1情報の再生品質が悪化していないがゆえに、記録媒体が劣化している可能性は相対的に低いと推測される。このため、第2エラー量が第1エラー範囲に含まれなくなる程度に第1情報の品質が悪化していない状況下で第3エラー量が第4エラー量よりも悪化する程度に第1情報の再生品質が悪化した原因は、記録媒体の劣化ではなく、記録再生装置の劣化である可能性が相対的に高いと推測される。従って、判別手段は、記録再生装置の劣化を好適に判別することができる。
尚、ここで言う「第3エラー量が第4エラー量よりも悪化する」状態は、典型的には、第3エラー量が第4エラー量よりも大きくなっている状態を意味してもよいし、第3エラー量が第4エラー量よりも所定量以上大きくなっている状態を意味してもよい。但し、第3エラー量の検出精度等を考慮すれば、「第3エラー量が第4エラー量よりも悪化する」状態は、第3エラー量が第4エラー量よりも所定量以上大きくなっている状態を意味することが好ましい。
<8>
上述の如く第2再生条件での第1情報の再生が、所定の再生条件での再生時に第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態が実現される検査装置の態様では、前記判別手段は、前記第2エラー量が第1エラー範囲に含まれており且つ前記第3エラー量が前記第4エラー量よりも悪化していない場合には、前記記録媒体及び前記記録再生装置の双方が劣化していないと判別する。
この態様では、第2エラー量が第1エラー範囲に含まれなくなる程度に第1情報の再生品質が悪化しておらず且つ第3エラー量が第4エラー量よりも悪化する程度に第1情報の再生品質が悪化していないがゆえに、記録媒体及び記録再生装置の双方が劣化していない可能性が相対的に高いと推測される。従って、判別手段は、記録媒体及び記録再生装置の夫々の劣化を好適に判別することができる。
<9>
上述の如く第2再生条件での第1情報の再生が、所定の再生条件での再生時に第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態が実現される検査装置の態様では、前記第1エラー量及び前記第4エラー量の夫々は、PI(Parity Inner)エラーである。
この態様によれば、例えばDVD等において用いられるPIエラーを、第1エラー量及び第4エラー量として用いることができる。
尚、この場合には、第2エラー量及び第3エラー量もまたPIエラーであることが好ましい。
<10>
上述の如く第1エラー量及び第4エラー量がPIエラーである記録媒体の他の態様では、前記第1エラー範囲は、前記PIエラーが0以上且つ20未満となるエラー範囲であり、前記第2エラー範囲は、前記PIエラーが200以上且つ1300未満となるエラー範囲である。
この態様によれば、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しにくい情報となる。また、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に悪化した第2再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しやすい情報となる。言い換えれば、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報の相対的に悪化した第2再生条件での再生が、このような第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の相対的に良好な第1再生条件での再生と等価になる。従って、上述した各種効果が好適に享受される。
<11>
上述の如く第2再生条件での第1情報の再生が、所定の再生条件での再生時に第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態が実現される検査装置の態様では、前記第1エラー量及び前記第4エラー量の夫々は、ランダムSER(Symbol Error Rate)である。
この態様によれば、例えばBD等において用いられるランダムSERを、第1エラー量及び第4エラー量として用いることができる。
尚、この場合には、第2エラー量及び第3エラー量もまたランダムSERであることが好ましい。
<12>
上述の如く第1エラー量及び第4エラー量がランダムSERである記録媒体の他の態様では、前記第1エラー範囲は、前記ランダムSERが0以上且つ1×10−3未満となるエラー範囲であり、前記第2エラー範囲は、前記ランダムSERが1×10−3以上且つ4×10−3未満となるエラー範囲である。
この態様によれば、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に良好な第1再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しにくい情報となる。また、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報は、記録再生装置の劣化に応じて、相対的に悪化した第2再生条件での再生時に検出されるエラー量が変動しやすい情報となる。言い換えれば、このような第1エラー範囲に含まれる第1エラー量が検出されるように記録された第1情報の相対的に悪化した第2再生条件での再生が、このような第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の相対的に良好な第1再生条件での再生と等価になる。従って、上述した各種効果が好適に享受される。
(検査方法の実施形態)
<13>
本実施形態の検査方法は、所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報が記録されている記録媒体及び当該記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査方法であって、前記記録再生装置による第1再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出工程と、前記記録再生装置による前記第1再生条件よりも悪化した第2再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出工程と、前記第2エラー量及び前記第3エラー量に基づいて、前記記録媒体及び前記記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別工程と備える。
本実施形態の検査方法によれば、上述した本実施形態の検査装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
尚、上述した本実施形態の検査装置が取り得る各種態様に対応して、本実施形態の検査方法もまた各種態様をとってもよい。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本実施形態の検査装置は、第1検出手段と、第2検出手段と、判別手段とを備える。本実施形態の検査方法は、第1検出工程と、第2検出工程と、判別工程とを備える。従って、記録媒体及び記録再生装置の検査を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、実施例について説明する。
(1)光ディスク
はじめに、図1を参照して、本実施例の光ディスク100について説明する。図1は、光ディスク100の外観形状の一例を示す平面図及び光ディスク100のデータ構造を示すデータ構造図である。
図1の上部に示すように、光ディスク100は、DVDと同じく直径12cm程度の円盤形状を有している。光ディスク100は、データを1回だけ記録可能な追記型(いわゆる、ライトワンス型:Write Once型)の光ディスクであってもよい。具体的には、例えば、光ディスク100は、CD−Rや、DVD±Rや、BD−R等であってもよい。或いは、光ディスク100は、データを複数回記録可能な書換型(いわゆる、リライタブル型:Rewritable型)の光ディスクであってもよい。具体的には、例えば、光ディスク100は、CD−RWや、DVD±RWや、DVD−RAMや、BD−RE等であってもよい。或いは、光ディスク100は、データの記録が不可能な再生専用型の(いわゆる、ROM(Read Only Media)型)の光ディスクであってもよい。具体的には、例えば、光ディスク100は、CD−ROMや、DVD−ROMや、BD−ROM等であってもよい。
本実施例では、光ディスク100は、当該光ディスク100の劣化の有無を検査する機能を有している。更には、本実施例では、光ディスク100は、当該光ディスク100に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行うことが可能な記録再生装置300の劣化の有無を検査する機能をも有している。
具体的には、光ディスク100は、光ディスク100及び記録再生装置300の劣化の有無を検査する機能として、第1検査情報110及び第2検査情報120を有している。つまり、光ディスク100には、第1検査情報110及び第2検査情報120が記録されている。尚、第1検査情報110及び第2検査情報120は、光ディスク100上の任意の記録領域に記録されていてもよい。第1検査情報110及び第2検査情報120は、光ディスク100の製造時に予め記録されていてもよい。或いは、第1検査情報110及び第2検査情報120は、光ディスク100の製造時に予め記録されていてもよい。
第1検査情報110は、光ディスク100及び記録再生装置300が劣化していない状況下での所定の再生条件(例えば、光ディスク100の規格で定められた理想的な(言い換えれば、良好な又は最適な)再生条件)での再生時に、PI(Parity Inner)エラーが0以上且つ20未満となる良好エラー範囲に含まれる初期良好値となる情報である。言い換えれば、劣化していない記録再生装置300が所定の再生条件で劣化していない光ディスク100に記録された第1検査情報110を再生すれば、検出されるPIエラーは、0以上且つ20未満の良好エラー範囲に含まれる初期良好値と概ね一致する。
尚、光ディスク100には、複数の第1検査情報110が記録されていてもよい。このとき、複数の第1検査情報110のうちの一の第1検査情報110を所定の再生条件で再生することで検出されるPIエラーは、複数の第1検査情報110のうちの他の第1検査情報110を所定の再生条件で再生することで検出されるPIエラーと異なることが好ましい。言い換えれば、複数の第1検査情報110を所定の再生条件で再生することで検出される複数のPIエラーは、互いに異なることが好ましい。
第2検査情報120は、光ディスク100及び記録再生装置300が劣化していない状況下での所定の再生条件(例えば、光ディスク100の規格で定められた理想的な(言い換えれば、良好な又は最適な)再生条件)での再生時に、PIエラーが200以上且つ1300未満となる悪化エラー範囲に含まれる初期悪化値となる情報である。言い換えれば、劣化していない記録再生装置300が所定の再生条件で劣化していない光ディスク100に記録された第2検査情報120を再生すれば、検出されるPIエラーは、200以上且つ1300未満の悪化エラー範囲に含まれる初期悪化値と概ね一致する。
ここで、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーの異なる2種類の検査情報(つまり、第1検査情報110及び第2検査情報120)は、検査情報そのものの再生品質を変えることで実現されてもよい。つまり、再生品質が相対的に良好な検査情報(例えば、ピットの形状等の劣化が相対的に小さい検査情報)及び再生品質が相対的に劣化した検査情報(例えば、ピットの形状等の劣化が相対的に大きい検査情報)の記録によって、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーの異なる2種類の検査情報(つまり、第1検査情報110及び第2検査情報120)が実現されてもよい。或いは、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーの異なる2種類の検査情報(つまり、第1検査情報110及び第2検査情報120)は、同一の再生品質の検査情報を再生品質の異なる2つの記録エリアに記録することで実現されてもよい。つまり、再生品質が相対的に良好な記録エリア(例えば、物理的構造又は形状的構造の変化が相対的に小さい(つまり、相対的に平らな)又はチルト量が小さい記録エリア)及び再生品質が相対的に劣化した記録エリア(例えば、物理的構造又は形状的構造の変化が相対的に大きい(つまり、相対的に変形した)又はチルト量が大きい記録エリア)への同一の再生品質の検査情報の記録によって、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーの異なる2種類の検査情報(つまり、第1検査情報110及び第2検査情報120)が実現されてもよい。但し、再生品質が相対的に良好な記録エリア及び再生品質が相対的に劣化した記録エリアへの異なる再生品質の情報の記録によって、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーの異なる2種類の検査情報(つまり、第1検査情報110及び第2検査情報120)が実現されてもよい。
つまり、第2検査情報120は、第1検査情報110と比較して、検出されるPIエラーが大きくなる(つまり、再生品質が悪化している)情報である。言い換えれば、第2検査情報120は、同一の再生条件での再生を前提とすれば、第1検査情報110を再生した場合に検出されるPIエラーと比較して、検出されるPIエラーが大きくなる(つまり、再生品質が悪化している)情報である。
尚、光ディスク100には、複数の第2検査情報120が記録されていてもよい。このとき、複数の第2検査情報120のうちの一の第2検査情報120を所定の再生条件で再生することで検出されるPIエラーは、複数の第2検査情報120のうちの他の第2検査情報120を所定の再生条件で再生することで検出されるPIエラーと異なることが好ましい。言い換えれば、複数の第2検査情報120を所定の再生条件で再生することで検出される複数のPIエラーは、互いに異なることが好ましい。
このように、本実施例では、再生品質が異なる2種類の検査情報(つまり、第1検査情報110及び第2検査情報120)を用いて、光ディスク100の劣化の有無及び記録再生装置300の劣化の有無が検査される。以下、光ディスク100の劣化の有無及び記録再生装置300の劣化の有無の検査の詳細については、このような光ディスク100を用いて光ディスク100及び記録再生装置300を検査する検査装置200と共に説明する。
(2)検査装置
続いて、図2から図7を参照して、光ディスク100及び記録再生装置300を検査する検査装置200について説明する。
(2−1)検査装置の構成
初めに、図2を参照して、検査装置200の構成について説明する。図2は、検査装置200の構成を、記録再生装置300の構成と共に示すブロック図である。
図2に示すように、検査装置200は、「第1検出手段」及び「第2検出手段」の一具体例であるエラー検出部210と、「判別手段」の一具体例である劣化判別部220とを備えている。尚、エラー検出部210及び劣化判別部220は、典型的には、CPU等の中央演算装置上でプログラムに従って動作する論理的な処理ブロックである。但し、エラー検出部210及び劣化判別部220は、ICチップ等の物理的な処理ブロックであってもよい。
エラー検出部210は、記録再生装置300による光ディスク100の再生時のPIエラーを検出する。尚、エラー検出部210は、記録再生装置300(典型的には、記録再生装置300が備える記録再生手段353)が検出したPIエラーを取得することで、PIエラーを検出することが好ましい。或いは、エラー検出部210は、記録再生装置300から再生信号を取得すると共に、当該再生信号を独自に解析することでPIエラーを検出してもよい。但し、処理の容易さという点から考慮すれば、エラー検出部210は、記録再生装置300が検出したPIエラーを取得することで、PIエラーを検出することが好ましい。
特に、エラー検出部210は、記録再生装置300による第1検査情報110の再生時のPIエラーを検出する。加えて、エラー検出部210は、記録再生装置300による第2検査情報120の再生時のPIエラーを検出する。
劣化判別部220は、エラー検出部210が検出したPIエラー(特に、記録再生装置300が第1検査情報110を再生した時のPIエラー及び記録再生装置300が第2検査情報120を再生した時のPIエラー)に基づいて、光ディスク100の劣化の有無及び記録再生装置300の劣化の有無を判別する。
尚、記録再生装置300が第1検査情報110を再生した時に検出されるPIエラーは、初期良好値と概ね一致するとは限らない。より具体的には、理想的な再生条件で記録再生装置300が第1検査情報110を再生した時に検出されるPIエラーは、初期良好値と概ね一致するとは限らない。同様に、記録再生装置300が第2検査情報120を再生した時に検出されるPIエラーは、初期悪化値と概ね一致するとは限らない。より具体的には、理想的な再生条件で記録再生装置300が第2検査情報120を再生した時に検出されるPIエラーは、初期悪化値と一致するとは限らない。というのも、光ディスク100の劣化の度合いや記録再生装置300の劣化の度合いに応じて、検出されるPIエラーが変化し得るからである。従って、本実施例の検査装置200は、第1検査情報120及び第2検査情報120を実際に再生した時に検出されるPIエラー(つまり、光ディスク100及び記録再生装置300の劣化の影響が加味された後のPIエラー)と、初期良好値及び初期悪化値(つまり、光ディスク100及び記録再生装置300の劣化の影響が加味される前のPIエラー)又は良好エラー範囲及び悪化エラー範囲とを比較することで、光ディスク100及び記録再生装置300を検査する。尚、検査の詳細については、後に詳述する(図3参照)。
尚、参考までに、図2に示すように、記録再生装置300は、光ディスク100、スピンドルモータ351、光ピックアップ352、信号記録再生手段353、CPU(ドライブ制御手段)354、メモリ355、及びバス357を備えている。
スピンドルモータ351は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスク100へのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ351は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
光ピックアップ352は、光ディスク10への記録再生を行うために、例えば半導体レーザ装置とレンズ等から構成される。より詳細には、光ピックアップ352は、光ディスク100に対してレーザービーム等の光ビームを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
信号記録再生手段353は、スピンドルモータ351と光ピックアップ352を制御することで光ディスク100に対して記録再生を行う。より具体的には、信号記録再生手段353は、例えば、レーザダイオードドライバ(LDドライバ)及びヘッドアンプ等によって構成されている。レーザダイオードドライバは、光ピックアップ352内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。ヘッドアンプは、光ピックアップ352の出力信号、即ち、光ビームの反射光を増幅し、該増幅した信号を出力する。
メモリ355は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段353で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域などディスクドライブ300におけるデータ処理全般及びOPC処理において使用される。また、メモリ355はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラム、即ちファームウェアが格納されるROM領域と、記録再生データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
CPU(ドライブ制御手段)354は、信号記録再生手段353及びメモリ355と、バス357を介して接続され、各種制御手段に指示を行うことで、ディスクドライブ300全体の制御を行う。通常、CPU354が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ355に格納されている。
尚、図2では、検査装置200と記録再生装置300とが別個独立の装置となっている。しかしながら、検査装置200は、記録再生装置300の内部に統合されてもよい。この場合、典型的には、エラー検出部210及び劣化判別部220は、CPU354上でプログラムに従って動作する論理的な処理ブロックとして実現される。
(2−2)検査装置の動作の流れ
続いて、図3を参照して、検査装置200の動作の流れについて説明する。図3は、検査装置200の動作の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、記録再生装置300は、第1検査情報110を再生する。このとき、記録再生装置300は、上述した理想的な再生条件で、第1検査情報110を再生することが好ましい。理想的な再生条件として、例えば、光ディスク100のチルト量がゼロであり、光ピックアップ352から照射されるレーザ光のデフォーカス量が最小であるという再生条件が一例としてあげられる。その結果、エラー検出部210は、記録再生装置300による第1検査情報110の再生時のPIエラーを検出する(ステップS11)。
その後、劣化判別部220は、ステップS11で検出されたPIエラーが20以上であるか否かを判別する(ステップS12)。つまり、劣化判別部220は、ステップS11で検出されたPIエラーが良好エラー範囲に含まれていないか否か(つまり、逸脱しているか否か)を判別する(ステップS12)。
ステップS12の判定の結果、ステップS11で検出されたPIエラーが20以上である(つまり、良好エラー範囲に含まれない)と判別される場合には(ステップS12:Yes)、劣化判別部220は、光ディスク100が劣化していると判別する(ステップS13)。その後、検査装置200は、動作を終了する。
他方で、ステップS12の判定の結果、ステップS11で検出されたPIエラーが20以上でない(つまり、20未満であり、良好エラー範囲に含まれる)と判別される場合には(ステップS12:No)、劣化判別部220は、光ディスク100が劣化していると判別しない。言い換えれば、劣化判別部220は、光ディスク100が劣化していないと判別する。
光ディスク100が劣化していないと判別した場合には、その後、記録再生装置300は、第2検査情報120を再生する。このとき、記録再生装置300は、上述した理想的な再生条件で、第2検査情報120を再生することが好ましい。その結果、エラー検出部210は、記録再生装置300による第2検査情報120の再生時のPIエラーを検出する(ステップS14)。
その後、劣化判別部220は、ステップS14で検出されたPIエラーが初期悪化値よりも悪化しているか否か(つまり、初期悪化値よりも大きくなっているか否か)を判別する(ステップS15)。
ステップS15の判定の結果、ステップS14で検出されたPIエラーが初期悪化値よりも悪化している(つまり、初期悪化値よりも大きくなっている)と判別される場合には(ステップS15:Yes)、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していると判別する(ステップS16)。つまり、劣化判別部220は、光ディスク100が劣化しておらず且つ記録再生装置300が劣化していると判別する(ステップS16)。その後、検査装置200は、動作を終了する。
他方で、ステップS15の判定の結果、ステップS14で検出されたPIエラーが初期悪化値よりも悪化していない(つまり、初期悪化値よりも大きくなっていない)と判別される場合には(ステップS15:No)、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していると判別しない。言い換えれば、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していないと判別する。つまり、劣化判別部220は、光ディスク100及び記録再生装置300の双方が劣化していないと判別する。その後、検査装置200は、動作を終了する。
尚、ステップS15では、劣化判別部220は、ステップS14で検出されたPIエラーが、初期悪化値よりも所定量以上悪化しているか否かを判別してもよい。つまり、劣化判別部220は、ステップS14で検出されたPIエラーが、初期悪化値+所定量よりも大きくなっているか否かを判別してもよい。ステップS14で検出されたPIエラーが、初期悪化値よりも所定量以上悪化していると判別される場合には、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していると判別してもよい。他方で、ステップS14で検出されたPIエラーが、初期悪化値よりも所定量以上悪化していないと判別される場合には、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していないと判別してもよい。
或いは、ステップS15では、劣化判別部220は、ステップS14で検出されたPIエラーが、悪化エラー範囲に含まれる悪化所定値よりも悪化しているか否かを判別してもよい。このとき、所定悪化値は、初期悪化値よりも悪い(つまり、大きい)値であることが好ましい。例えば、初期悪化値が200である場合には、悪化所定値は、例えば500であってもよい。ステップS14で検出されたPIエラーが、悪化所定値よりも悪化していると判別される場合には、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していると判別してもよい。他方で、ステップS14で検出されたPIエラーが、悪化所定値よりも悪化していないと判別される場合には、劣化判別部220は、記録再生装置300が劣化していないと判別してもよい。
ここで、図3に示す動作によって光ディスク100及び記録再生装置300の劣化の有無を検査することができる技術的理由について、以下に更に詳細に説明する。
本願発明者等の実験により、光ディスク100及び記録再生装置300の劣化について、以下に示す技術的特性が明らかにされた。
まず、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーが0以上且つ20未満となる良好エラー範囲に含まれる初期良好値となる第1検査情報110(つまり、相対的に良好な再生品質で記録された第1検査情報110)は、記録再生装置300が劣化したとしても、再生時に検出されるPIエラーが大きく悪化することはないことが明らかにされた。尚、本願発明者等が行った実験では、記録再生装置300が備える光学部品(例えば、光ピックアップ352が備えるレンズ)の劣化を、記録再生装置300の劣化として取り扱っている。但し、記録再生装置300の劣化は、記録再生装置300が備える電気部品(例えば、光ピックアップ352が備える半導体レーザやフォトダイオード)の劣化や、記録再生装置300が備えるその他の部品の劣化を意味していてもよい。このような劣化は、典型的には、外的劣化(例えば、汚れの付着)や内的劣化(例えば、部品寿命(言い換えれば、経年劣化)や、部品の位置ずれ)等によって引き起こされる。
他方で、所定の再生条件での再生時に検出されるPIエラーが200以上且つ1300未満の悪化エラー範囲に含まれる初期悪化値となる第2検査情報120(つまり、相対的に劣った再生品質で記録された第2検査情報120は、記録再生装置300が劣化の程度に依存して、再生時に検出されるPIエラーが大きく変動する(典型的には、劣化するほど悪化する)ことが明らかにされた。
以上の特性について、図4から図7を参照しながら、本願発明者等の実験によって得られた、具体的なPIエラーの数値を用いて説明する。図4は、本願発明者等の実験結果を示すグラフであって、光ディスク100のチルト量を調整しながら第1検査情報110を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示すグラフである。図5は、本願発明者等の実験結果を示す表であって、光ディスク100のチルト量を調整しながら第1検査情報110を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示す表である。図6は、本願発明者等の実験結果を示すグラフであって、再生パワーを調整しながら第1検査情報110及び第2検査情報120を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示すグラフである。図7は、本願発明者等の実験結果を示す表であって、再生パワーを調整しながら第1検査情報110及び第2検査情報120を再生することで検出された具体的なPIエラーの数値を示す表である。
図4に示すグラフの縦軸は、PIエラーを示す。また、図4に示すグラフの横軸は、チルト量を示す。尚、図4及び図5に結果が示されている実験は、第1検査情報110のみが記録された光ディスク100を用いて行われた。この場合、光ディスク100のチルト量が相対的に小さい状態(つまり、図4の領域Aに対応する状態)での第1検査情報110の再生時に得られるPIエラーが、第1検査情報110の再生時に得られるPIエラー(つまり、図3のステップS11で検出されるPIエラー)に相当する。一方で、光ディスク100のチルト量が相対的に大きい状態(つまり、図4の領域Bに対応する状態)での第1検査情報110の再生時に得られるPIエラーが、第2検査情報120の再生時に得られるPIエラー(つまり、図3のステップS14で検出されるPIエラー)に相当する。というのも、チルト量が相対的に小さい(つまり、良好な)状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生は、チルト量が相対的に大きい(つまり、悪化した)状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生と実質的には等価であるからである。
尚、上述の説明では、光ディスク100のチルト量に着目した説明を進めている。しかしながら、光ピックアップ352が備えている対物レンズのチルト量が相対的に小さい(つまり、相対的に良好な)状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生もまた、対物レンズのチルト量が相対的に大きい(つまり、悪化した)状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生と実質的には等価である。或いは、光ピックアップ352から照射されるレーザ光のデフォーカス量が相対的に小さい(つまり、相対的に良好な)状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生もまた、デフォーカス量が相対的に大きい(つまり、悪化した)状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生と実質的には等価である。つまり、まとめると、再生条件が相対的に良好な状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生は、再生条件が相対的に悪化した状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生と実質的には等価である。
また、図4及び図5に結果が示されている実験では、記録再生装置300が劣化した状態(具体的には、光ピックアップ352が汚れている状態)を、光ピックアップ352から照射されるレーザ光の再生パワーの調整によって疑似的に実現している。というのも、記録再生装置300が劣化すればするほど(具体的には、光ピックアップ352の汚れが多くなればなるほど)再生パワーが減少しやすいからである。従って、劣化していない記録再生装置300は、0.7mWという再生パワーのレーザ光による再生を行う記録再生装置300に相当する。他方で、劣化した記録再生装置300は、0.2mWという再生パワーのレーザ光による再生を行う記録再生装置300に相当する。
図4及び図5に示すように、第1検査情報110の再生結果(つまり、図4中の領域Aでの第1検査情報110の再生結果)は、記録再生装置300が劣化しても(つまり、再生パワーが0.7mWから0.2mWに変化しても)、第1検査情報110のPIエラーが大きく悪化することはないことを示している。一方で、第2検査情報120の再生結果(つまり、図4中の領域Bでの第1検査情報110の再生結果)は、記録再生装置300が劣化することで(つまり、再生パワーが0.7mWから0.2mWに変化することで)、第2検査情報120のPIエラーが大きく悪化することを示している。
また、チルト量を大きくした状態での第1検査情報110の再生が第2検査情報120の再生に相当するとみなす疑似的な実験結果のみならず、実際に光ディスク100に記録された第2検査情報120を再生することで検出されるPIエラーについても、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6に示すグラフの縦軸は、PIエラーを示す。また、図6に示すグラフの横軸は、再生パワーを示す。図6中の白抜き印は、再生パワーを調整しながら第2検査情報120を再生することで検出されたPIエラーを示している。特に、図6中の白抜きの四角印は、光ディスク100のチルト量が最適(つまり、0)となっている状態で再生パワーを調整しながら第2検査情報120を再生することで検出されたPIエラーを示している。一方で、図6中の白抜きの丸印は、光ディスク100のチルト量が30分だけタンジェンシャルに傾いた状態で再生パワーを調整しながら第2検査情報120を再生することで検出されたPIエラーを示している。図6に示すように、第2検査情報120については、記録再生装置300が劣化するほど(つまり、再生パワーが小さくなるほど)、検出されるPIエラーが悪化することが分かる。
一方で、図6中の黒抜き印は、再生パワーを調整しながら第1検査情報110を再生することで検出されたPIエラーを示している。特に、図6中の黒抜きの四角印は、光ディスク100のチルト量が最適(つまり、0)となっている状態で再生パワーを調整しながら第1検査情報110を再生することで検出されたPIエラーを示している。図6に示すように、第1検査情報110については、記録再生装置300が劣化しても(つまり、再生パワーが小さくなっても)、検出されるPIエラーが殆ど悪化しないことが分かる。
尚、参考までに、図6中の黒抜きの丸印は、光ディスク100のチルト量が30分だけタンジェンシャルに傾いた状態で再生パワーを調整しながら第1検査情報110を再生することで検出されたPIエラーを示している。つまり、図6中の黒抜きの丸印は、チルト量を大きくした状態で第1検査情報110を再生する(つまり、疑似的な第2検査情報120を再生する)ことで検出されたPIエラーを示している。図6に示すように、光ディスク100のチルト量が相対的に大きい状態での第1検査情報110の再生時に得られるPIエラーは、第2検査情報120の再生時に得られるPIエラーと同様の態様で変化することが分かる。つまり、光ディスク100のチルト量が相対的に大きい状態での第1検査情報110の再生時に得られるPIエラーが、第2検査情報120の再生時に得られるPIエラーに相当することが、実験結果からも分かる。言い換えれば、チルト量が相対的に小さい(つまり、良好な)状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生は、チルト量が相対的に大きい(つまり、悪化した)状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生と実質的には等価であることが、実験結果からも分かる。
以上説明したように、本実施例の検査装置200は、第1検査情報110を再生することで検出されるPIエラーの特性(例えば、図4中の領域Aでの特性)と、第2検査情報120を再生することで検出されるPIエラーの特性(例えば、図4中の領域Bでの特性)との違いを積極的に活用することで、光ディスク100及び記録再生装置300を検査することができる。特に、検査装置200は、これら両者の特性を考慮することで、光ディスク100が劣化しているのか又は記録再生装置300が劣化しているのかを、個別に判別することができる。
具体的には、検査装置200は、第1検査情報110を再生することで検出されるPIエラーが悪化している(言い換えれば、良好エラー範囲に含まれなくなっている)場合には、光ディスク100が劣化していると判別することができる。というのも、記録再生装置300の劣化は、第1検査情報110を再生することで検出されるPIエラーの悪化を引き起こしにくいからである(図4の領域A参照)。
一方で、検査装置200は、第1検査情報110を再生することで検出されるPIエラーが悪化しておらず(言い換えれば、良好エラー範囲に含まれており)且つ第2検査情報120を再生することで検出されるPIエラーが悪化している(言い換えれば、悪化エラー範囲内の所定値(例えば、初期悪化値)よりも悪化している)場合には、記録再生装置300が劣化していると判別することができる。というのも、記録再生装置300の劣化は、第1検査情報110を再生することで検出されるPIエラーの悪化を引き起こしにくい一方で、第2検査情報120を再生することで検出されるPIエラーの悪化を引き起こしやすいからである(図4の領域B参照)。
他方で、検査装置200は、第1検査情報110を再生することで検出されるPIエラーが悪化しておらず且つ第2検査情報120を再生することで検出されるPIエラーが悪化していない場合には、光ディスク100及び記録再生装置300が劣化していないと判別することができる。
このように、本実施例の検査装置200は、第1検査情報110及び第2検査情報120の双方が記録された光ディスク100を用いることで、光ディスク100及び記録再生装置300を好適に検査することができる。
尚、上述した説明では、PIエラーに着目して説明を進めた。しかしながら、検査装置200は、PIエラー以外の他のエラー量に基づいて、光ディスク100及び記録再生装置300を検査してもよい。例えば、検査装置200は、PO(Parity Outer)エラーに基づいて、光ディスク100及び記録再生装置300を検査してもよい。或いは、PIエラー及びPOエラーが主として用いられる光ディスク100(例えば、DVD)とは異なる光ディスク100(例えば、BD)を対象とするのであれば、検査装置200は、ランダムSER(Symbol Error Rate)に基づいて、光ディスク100及び記録再生装置300を検査してもよい。ランダムSERを用いる場合には、良好エラー範囲は、0以上且つ1×10−3未満となるエラー範囲(但し、バーストエラーがないという条件が前提)であることが好ましい。一方で、悪化エラー範囲は、1×10−3以上且つ4×10−3未満となるエラー範囲(但し、バーストエラーがないという条件が前提)であることが好ましい。或いは、PIエラー、POエラー及びランダムSERは、いずれも、信号記録再生手段353における復調が行われた後の信号のエラー量を示している。しかしながら、検査装置200は、信号記録再生手段353における復調が行われる前の信号のエラー量(いわゆる、一般的なエラーレート)に基づいて、光ディスク100及び記録再生装置300を検査してもよい。以下に説明する変形例についても同様である。
尚、上述の説明では、PIエラーが0以上且つ20未満となる良好エラー範囲に含まれる初期良好値が検出される第1検査情報110及びPIエラーが200以上且つ1300未満となる悪化エラー範囲に含まれる初期悪化値が検出される第2検査情報120という2種類の検査情報が記録される例を示している。しかしながら、良好エラー範囲内の所定値から悪化エラー範囲内の所定値に向かって段階的に又は連続的に悪化していくPIエラーが検出される複数の検査情報が記録されていてもよい。この場合、複数の検査情報は、上述した第1検査情報110及び第2検査情報120のみならず、良好エラー範囲と悪化エラー範囲との間のエラー範囲に含まれるPIエラーが検出される第3検査情報を含んでいてもよい。具体的には、例えば、光ディスク100には、良好エラー範囲に含まれるという条件下で段階的に悪化していくPIエラーが検出される一又は複数の第1検査情報110、良好エラー範囲と悪化エラー範囲との間のエラー範囲に含まれるという条件で段階的に悪化していくPIエラーが検出される一又は複数の第3検査情報、及び悪化エラー範囲に含まれるという条件下で段階的に悪化していくPIエラーが検出される複数の第2検査情報120が記録されていてもよい。このように構成すれば、記録再生装置300の初期特性のばらつき等によらずに、上述した各種効果が享受される。というのも、記録再生装置300の初期特性のばらつき等により、複数の第1検査情報110のうちの検査のための最適な第1検査情報110が変わることがあるからである。同様に、記録再生装置300の初期特性のばらつき等により、複数の第2検査情報120のうちの検査のための最適な第2検査情報120が変わることがあるからである。同様に、記録再生装置300の初期特性のばらつき等により、複数の第3検査情報のうちのいずれかが、検査のための最適な第1検査情報110又は第2検査情報120になることがあるからである。このため、このように構成すれば、検査装置200は、記録再生装置300の初期特性のばらつきに応じた最適な第1検査情報110及び第2検査情報120を選択した上で、上述した検査を行うことができる。
(3)変形例
続いて、図8から図10を参照しながら、変形例について説明する。
(3−1)第1変形例
上述の説明では、検査装置200は、第1検査情報110及び第2検査情報120の双方が記録された光ディスク100を用いて、光ディスク100及び記録再生装置300を検査している。しかしながら、第1変形例の検査装置200aは、第1検査情報110が記録されている一方で第2検査情報120が記録されていない光ディスク100aを用いて、光ディスク100a及び記録再生装置300aを検査する。尚、この場合、光ディスク100aの全体に第1検査情報110が記録されていてもよい。或いは、光ディスク100aの一部に第1検査情報110が記録されていてもよい。
以下、図8及び図9を参照しながら、第1変形例について説明する。図8は、第1変形例の検査装置200aの構成を示すブロック図である。図9は、第1変形例の検査装置200aの動作の流れを示すフローチャートである。尚、上述した検査装置200の構成及び動作と同一の構成及び動作については、同一の参照符号及びステップ番号を付して、その詳細な説明を省略する。
図8に示すように、第1変形例の検査装置200aは、上述した検査装置200と比較して、再生条件設定部230を備えているという点で異なっている。再生条件設定部230は、記録再生装置300aが光ディスク100aを再生する際の再生条件を設定(言い換えれば、調整又は変更)する。尚、再生条件としては、光ディスク100aに関連する動作パラメータに起因した再生条件が一例としてあげられる。このような再生条件として、例えば、光ディスク100aそのもののチルト量や、光ピックアップ352が備える対物レンズのチルト量や、光ピックアップ352のデフォーカス量や、記録再生装置300aが備える光学部品又は電気部品の位置(例えば、ビームエキスパンダの位置)や、記録再生装置300aが備える電気部品の動作点(例えば、液晶チルト素子の動作状態)等が一例としてあげられる。
加えて、第1変形例の記録再生装置300aは、上述した記録再生装置300と比較して、再生条件変更機構358を備えているという点で異なっている。再生条件変更機構358は、再生条件設定部230が設定した再生条件に基づいて、記録再生装置300が光ディスク100aを再生する際の再生条件を実際に変更する。再生条件を変更するために、再生条件変更機構358は、例えば、光ディスク100aそのもののチルト量を調整可能なチルト機構や、光ピックアップ352が備える対物レンズのチルト量を調整可能なチルト機構や、光ピックアップ352のデフォーカス量を調整可能なサーボ機構等を備えていてもよい。
図9に示すように、第1変形例においても、ステップS11からステップS13までの動作が行われる。つまり、第1変形例の検査装置200aは、第1検査情報110を再生することで検出されたPIエラーに基づいて、光ディスク100aが劣化しているか否かを判別する。
光ディスク100aが劣化していない(つまり、ステップS11で検出されたPIエラーが20以上でない)と判別された場合には、その後、再生条件設定部230は、記録再生装置300が光ディスク100aを再生する際の再生条件を変更する(ステップS22)。具体的には、再生条件設定部230は、ステップS11で第1検査情報110を再生した時の再生条件(例えば、理想的な再生条件)よりも悪化した再生条件を新たな再生条件として設定するように、再生条件を変更する。尚、再生条件の悪化は、例えば、光ディスク100aのチルト量の増大や、光ピックアップ352が備える対物レンズのチルト量の増大や、光ピックアップ352から照射されるレーザ光のデフォーカス量の増大によって実現される。
その後、記録再生装置300は、ステップS22で変更された再生条件(つまり、悪化した再生条件)で、第1検査情報110を再生する。その結果、エラー検出部210は、記録再生装置300が第1検査情報110を再生した時のPIエラーを検出する(ステップS23)。
尚、ステップS22で変更された再生条件で第1検査情報110を再生するために、記録再生装置300は、再生条件設定部230の制御の下で、例えば、図8の図面中では不図示のディスクチルト機構を用いて、光ディスク100aのチルト量を変更してもよい。或いは、記録再生装置300は、再生条件設定部230の制御の下で、例えば、図8の図面中では不図示のレンズチルト機構を用いて、光ピックアップ352が備える対物レンズのチルト量を変更してもよい。或いは、記録再生装置300は、再生条件設定部230の制御の下で、例えば、図8の図面中では不図示のレンズアクチュエータを用いて、光ピックアップ352から照射されるレーザ光のデフォーカス量を変更してもよい。その他の再生条件が設定される場合も、記録再生装置300は、公知の機構等を用いて、適宜再生条件を変更してもよい。
尚、上述したように、再生条件が相対的に良好な状態での相対的に再生品質が劣っている情報の再生は、再生条件が相対的に悪化した状態での相対的に再生品質の良好な情報の再生と実質的には等価である。このため、ステップS22で変更された再生条件(つまり、悪化した再生条件)で記録再生装置300が第1検査情報110を再生した時に検出されるPIエラーは、実質的には、第2検査情報120を再生した時に検出されるPIエラーと等価である。つまり、第1変形例の検査装置200aは、第1検査情報110が記録されている一方で第2検査情報120が記録されていない光ディスク100aを用いながらも、第1検査情報110及び第2検査情報120の双方が記録されている光ディスク100aを用いた場合と同様の態様で、光ディスク100a及び記録再生装置300を検査することができる。
このため、再生条件設定部230は、変更後の再生条件での第1検査情報110の再生が第2検査情報120(具体的には、理想的な再生条件での再生時に検出されるPIエラーが初期悪化値となる第2検査情報120)の再生に相当するように、再生条件を変更することが好ましい。特に、再生条件設定部230は、光ディスク100及び記録再生装置300が劣化していない仮想的な状況下において、変更後の再生条件での第1検査情報110の再生が理想的な再生条件での第2検査情報120の再生に相当するように、再生条件を変更することが好ましい。つまり、再生条件設定部230は、変更後の再生条件での第1検査情報110の再生が、図4の領域Bでの再生に相当するように、再生条件を変更することが好ましい。例えば、図4に示す例では、仮に図9のステップS11でチルト量がゼロとなる再生条件で第1検査情報110が再生されているとすれば、再生条件設定部230は、例えば、光ディスク100aのチルト量が0.3から0.5程度になるように(或いは、0.3から0.5程度大きくなるように)、再生条件を変更することが好ましい。
その後、第1変形例においても、ステップS15からステップS16の動作が行われる。つまり、劣化判別部220は、ステップS23で検出されたPIエラーに基づいて、記録再生装置300が劣化しているか否かを判別する。
以上説明したように、第1変形例の検査装置200aは、第1検査情報110が記録されている一方で第2検査情報120が記録されていない光ディスク100aを用いながらも、第1検査情報110及び第2検査情報120の双方が記録されている光ディスク100aを用いた場合と同様の態様で、光ディスク100a及び記録再生装置300を検査することができる。従って、上述した各種効果を好適に享受することができる。
(3−2)第2変形例
上述の説明では、検査装置200は、第1検査情報110及び第2検査情報120の双方が記録された光ディスク100を用いて、光ディスク100及び記録再生装置300を検査している。しかしながら、第2変形例の検査装置200bは、第1検査情報110が記録されていない一方で第2検査情報120が記録されている光ディスク100bを用いて、光ディスク100b及び記録再生装置300を検査する。尚、この場合、光ディスク100bの全体に第2検査情報120が記録されていてもよい。或いは、光ディスク100bの一部に第2検査情報120が記録されていてもよい。
以下、図10を参照しながら、第2変形例について説明する。図10は、第2変形例の検査装置200bの動作の流れを示すフローチャートである。尚、上述した検査装置200の動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付して、その詳細な説明を省略する。また、第2変形例の検査装置200bの構成については、図2に示す検査装置200の構成と同一であってもよいため、説明を省略する。
図10に示すように、記録再生装置300は、第2検査情報120を再生する。このとき、記録再生装置300は、上述した理想的な再生条件で、第2検査情報120を再生することが好ましい。その結果、エラー検出部210は、記録再生装置300が第2検査情報120を再生した時のPIエラーを検出する(ステップS14)。
その後、劣化判別部220は、ステップS14で検出されたPIエラーが初期悪化値よりも悪化しているか否か(つまり、初期悪化値よりも大きくなっているか否か)を判別する(ステップS15)。
ステップS15の判定の結果、ステップS14で検出されたPIエラーが初期悪化値よりも悪化している(つまり、初期悪化値よりも大きくなっている)と判別される場合には(ステップS15:Yes)、劣化判別部220は、光ディスク100b及び記録再生装置300のうちの少なくとも一方が劣化していると判別する(ステップS31)。
他方で、ステップS15の判定の結果、ステップS14で検出されたPIエラーが初期悪化値よりも悪化していない(つまり、初期悪化値よりも大きくなっていない)と判別される場合には(ステップS15:No)、劣化判別部220は、光ディスク100b及び記録再生装置300の少なくとも一方が劣化していると判別しない。つまり、劣化判別部220は、光ディスク100及び記録再生装置300の双方が劣化していないと判別する。
以上説明したように、第2変形例の検査装置200bは、第1検査情報110が記録されていない一方で第2検査情報120が記録されている光ディスク100bを用いて、光ディスク100a及び記録再生装置300を検査することができる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う記録媒体並びに装置及び方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
100 光ディスク
110 第1検査情報
120 第2検査情報
200 検査装置
210 エラー検出部
220 劣化判別部
230 再生条件設定部
330 記録再生装置
351 スピンドルモータ
352 光ピックアップ
353 信号記録再生手段
354 CPU
355 メモリ
357 データバス

Claims (13)

  1. 所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報が記録されている記録媒体及び当該記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査装置であって、
    前記記録再生装置による第1再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出手段と、
    前記記録再生装置による前記第1再生条件よりも悪化した第2再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出手段と、
    前記第2エラー量及び前記第3エラー量に基づいて、前記記録媒体及び前記記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別手段と
    備えることを特徴とする検査装置。
  2. 前記判別手段は、前記第2エラー量が前記第1エラー範囲に含まれなくなっている場合には、前記記録媒体が劣化していると判別することを特徴とする請求項10に記載の検査装置。
  3. 前記第1エラー範囲は、前記所定の再生条件での前記第1情報の再生時に、エラー訂正処理によって前記第1情報の再生エラーの訂正が開始されない程度に小さいエラー量を含むエラー範囲であることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  4. 前記第2再生条件は、前記第1再生条件と比較して、前記記録媒体に関連する動作パラメータ及び前記記録再生装置に関連する動作パラメータのうちの少なくとも一方を変更することで実現されることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  5. 前記第2再生条件は、前記第2再生条件での前記第1情報の再生が、前記所定の再生条件での再生時に前記第1エラー範囲よりも悪化している第2エラー範囲に含まれる第4エラー量が検出されるように記録された第2情報の再生と等価となる状態を実現可能な再生条件であることを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
  6. 前記第2エラー範囲は、前記所定の再生条件での前記第2情報の再生時に、エラー訂正処理によって前記第2情報の再生エラーの訂正が開始されると共に前記エラー訂正処理によって前記再生エラーの訂正が可能な程度の大きさのエラー量を含むエラー範囲であることを特徴とする請求項5に記載の記録媒体。
  7. 前記判別手段は、前記第2エラー量が第1エラー範囲に含まれており且つ前記第3エラー量が前記第4エラー量よりも悪化している場合には、前記記録再生装置が劣化していると判別することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
  8. 前記判別手段は、前記第2エラー量が第1エラー範囲に含まれており且つ前記第3エラー量が前記第4エラー量よりも悪化していない場合には、前記記録媒体及び前記記録再生装置の双方が劣化していないと判別することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
  9. 前記第1エラー量及び前記第4エラー量の夫々は、PI(Parity Inner)エラーであることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
  10. 前記第1エラー範囲は、前記PIエラーが0以上且つ20未満となるエラー範囲であり、
    前記第2エラー範囲は、前記PIエラーが200以上且つ1300未満となるエラー範囲である
    ことを特徴とする請求項9に記載の記録媒体。
  11. 前記第1エラー量及び前記第4エラー量の夫々は、ランダムSER(Symbol Error Rate)であることを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
  12. 前記第1エラー範囲は、前記ランダムSERが0以上且つ1×10−3未満となるエラー範囲であり、
    前記第2エラー範囲は、前記ランダムSERが1×10−3以上且つ4×10−3未満となるエラー範囲である
    ことを特徴とする請求項11に記載の記録媒体。
  13. 所定の再生条件での再生時に第1エラー範囲に属する第1エラー量が検出されるように記録された第1情報が記録されている記録媒体及び当該記録媒体に対する記録動作及び再生動作のうちの少なくとも一方を行う記録再生装置を検査する検査方法であって、
    前記記録再生装置による第1再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第2エラー量を検出する第1検出工程と、
    前記記録再生装置による前記第1再生条件よりも悪化した第2再生条件での前記第1情報の再生時に検出される第3エラー量を検出する第2検出工程と、
    前記第2エラー量及び前記第3エラー量に基づいて、前記記録媒体及び前記記録再生装置の夫々の劣化を判別する判別工程と
    備えることを特徴とする検査方法。
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